【課題】色フィルタ配列のパターン(カラーフィルタを構成する色の情報)が未知である場合であっても、適切に画素補間処理を実行できる画素補間処理装置、撮像装置を実現することを目的とする。
【解決手段】撮像装置1000では、4色配列カラーフィルタを有する単板式の撮像素子を有する撮像部C1で取得された画像信号に対して、注目画素の周辺領域の画素データを用いて、直角に交わる2方向の複数組の相関値を求め、この相関値に基づいて、相関方向が決定される。撮像装置1000では、相関が高い方向(相関方向)と直交する方向(相関方向の法線方向)における画素信号の高周波成分は、カラーフィルタの色に関係なく、相関が高い(類似する)ことを利用し、注目画素について、第1色〜第4色成分画素値を取得するので、カラーフィルタの4つの色(第1色〜第4色)がどのような色であるかが不明であっても、適切に画素補間処理を実行することができる。
奇数行において、行の先頭を第1色成分用フィルタとし、第1色成分用フィルタと第2色成分用フィルタとが交互に配置されており、偶数行において、行の先頭を第3色成分用フィルタとし、第3色成分用フィルタと第4色成分用フィルタとが交互に配置されている4色配列フィルタを有する撮像部により取得される画像に対して、画素補間処理を行う画素補間処理装置であって、
注目画素の周辺領域の画素データを用いて、前記画像上において直交する2方向の複数組の相関値を取得する相関値算出部と、
前記相関値算出部により取得された前記相関値に基づいて、前記注目画素の周辺領域における相関方向を決定する相関方向決定部と、
前記相関方向決定部により決定された相関方向に基づいて、前記注目画素に対して、画素補間処理を実行する補間部と、
を備え、
前記補間部は、前記相関値に基づいて、相関の高い方向があると判定される場合において、
(1)前記注目画素の前記相関方向に隣接する画素と同色の色成分値を算出する場合、
前記相関方向において、前記注目画素を挟んで隣接する2つの画素の画素値と、前記注目画素を含む前記相関方向に配置されている互いに同色の画素を複数選択し、選択した当該複数の画素の画素値から算出した前記相関方向の変化率と、に基づいて、前記注目画素の前記相関方向に隣接する画素と同色の色成分値を算出し、
(2)前記注目画素の前記相関方向に直交する方向である法線方向に隣接する画素と同色の色成分値を算出する場合、
前記法線方向に配置されている互いに同色の画素を複数選択し、選択した当該複数の画素の画素値から前記法線方向の変化率を求め、求めた前記法線方向の変化率と、前記注目画素を前記法線方向に挟んで隣接する2つの画素の画素値と、に基づいて、前記注目画素の前記法線方向に隣接する画素と同色の色成分値を算出し、
(3)前記注目画素の前記相関方向の斜め方向に隣接する画素と同色の色成分値である第1算出対象色の色成分値を算出する場合、
(3A)前記注目画素の前記法線方向に隣接する一方の画素である第1隣接画素を含み、前記相関方向に配置されている複数の画素である第1画素群の中から、互いに同色の画素を複数選択し、選択した当該複数の画素の画素値から前記法線方向の変化率を求め、求めた前記法線方向の変化率と、前記第1算出対象色と同色の画素を前記第1画素群の中から選択し、選択した当該画素から、前記第1隣接画素の前記第1算出対象色の色成分値を算出し、
(3B)前記注目画素の前記法線方向に隣接する他方の画素である第2隣接画素を含み、前記相関方向に配置されている複数の画素である第2画素群の中から、互いに同色の画素を複数選択し、選択した当該複数の画素の画素値から前記法線方向の変化率を求め、求めた前記法線方向の変化率と、前記第1算出対象色と同色の画素を前記第2画素群の中から選択し、選択した当該画素から、前記第2隣接画素の前記第1算出対象色の色成分値を算出し、
(3C)前記法線方向に配置されている互いに同色の画素を複数選択し、選択した当該複数の画素の画素値から前記法線方向の変化率を求め、求めた前記法線方向の変化率と、算出された前記第1隣接画素の前記第1算出対象色の色成分値と、算出された前記第2隣接画素の前記第1算出対象色の色成分値と、に基づいて、前記注目画素の前記第1算出対象色の色成分値を算出する、
画素補間処理装置。
奇数行において、行の先頭を第1色成分用フィルタとし、第1色成分用フィルタと第2色成分用フィルタとが交互に配置されており、偶数行において、行の先頭を第3色成分用フィルタとし、第3色成分用フィルタと第4色成分用フィルタとが交互に配置されている4色配列フィルタを有し、被写体光から画像信号を取得する撮像部と、
前記画像信号に対して、画素補間処理を行う、請求項1から6のいずれかに記載の画素補間処理装置と、
を備える撮像装置。
奇数行において、行の先頭を第1色成分用フィルタとし、第1色成分用フィルタと第2色成分用フィルタとが交互に配置されており、偶数行において、行の先頭を第3色成分用フィルタとし、第3色成分用フィルタと第4色成分用フィルタとが交互に配置されている4色配列フィルタを有する撮像部により取得される画像に対して、画素補間処理を行う画素補間処理方法をコンピュータで実行させるためのプログラムであって、
注目画素の周辺領域の画素データを用いて、前記画像上において直交する2方向の複数組の相関値を取得する相関値算出ステップと、
前記相関値算出ステップにより取得された前記相関値に基づいて、前記注目画素の周辺領域における相関方向を決定する相関方向決定ステップと、
前記相関方向決定ステップにより決定された相関方向に基づいて、前記注目画素に対して、画素補間処理を実行する補間ステップと、
を備え、
前記補間ステップは、前記相関値に基づいて、相関の高い方向があると判定される場合において、
(1)前記注目画素の前記相関方向に隣接する画素と同色の色成分値を算出する場合、
前記相関方向において、前記注目画素を挟んで隣接する2つの画素の画素値と、前記注目画素を含む前記相関方向に配置されている互いに同色の画素を複数選択し、選択した当該複数の画素の画素値から算出した前記相関方向の変化率と、に基づいて、前記注目画素の前記相関方向に隣接する画素と同色の色成分値を算出し、
(2)前記注目画素の前記相関方向に直交する方向である法線方向に隣接する画素と同色の色成分値を算出する場合、
前記法線方向に配置されている互いに同色の画素を複数選択し、選択した当該複数の画素の画素値から前記法線方向の変化率を求め、求めた前記法線方向の変化率と、前記注目画素を前記法線方向に挟んで隣接する2つの画素の画素値と、に基づいて、前記注目画素の前記法線方向に隣接する画素と同色の色成分値を算出し、
(3)前記注目画素の前記相関方向の斜め方向に隣接する画素と同色の色成分値である第1算出対象色の色成分値を算出する場合、
(3A)前記注目画素の前記法線方向に隣接する一方の画素である第1隣接画素を含み、前記相関方向に配置されている複数の画素である第1画素群の中から、互いに同色の画素を複数選択し、選択した当該複数の画素の画素値から前記法線方向の変化率を求め、求めた前記法線方向の変化率と、前記第1算出対象色と同色の画素を前記第1画素群の中から選択し、選択した当該画素から、前記第1隣接画素の前記第1算出対象色の色成分値を算出し、
(3B)前記注目画素の前記法線方向に隣接する他方の画素である第2隣接画素を含み、前記相関方向に配置されている複数の画素である第2画素群の中から、互いに同色の画素を複数選択し、選択した当該複数の画素の画素値から前記法線方向の変化率を求め、求めた前記法線方向の変化率と、前記第1算出対象色と同色の画素を前記第2画素群の中から選択し、選択した当該画素から、前記第2隣接画素の前記第1算出対象色の色成分値を算出し、
(3C)前記法線方向に配置されている互いに同色の画素を複数選択し、選択した当該複数の画素の画素値から前記法線方向の変化率を求め、求めた前記法線方向の変化率と、算出された前記第1隣接画素の前記第1算出対象色の色成分値と、算出された前記第2隣接画素の前記第1算出対象色の色成分値と、に基づいて、前記注目画素の前記第1算出対象色の色成分値を算出する、
画素補間処理方法をコンピュータで実行させるためのプログラム。
奇数行において、行の先頭を第1色成分用フィルタとし、第1色成分用フィルタと第2色成分用フィルタとが交互に配置されており、偶数行において、行の先頭を第3色成分用フィルタとし、第3色成分用フィルタと第4色成分用フィルタとが交互に配置されている4色配列フィルタを有する撮像部により取得される画像に対して、画素補間処理を行う集積回路であって、
注目画素の周辺領域の画素データを用いて、前記画像上において直交する2方向の複数組の相関値を取得する相関値算出部と、
前記相関値算出部により取得された前記相関値に基づいて、前記注目画素の周辺領域における相関方向を決定する相関方向決定部と、
前記相関方向決定部により決定された相関方向に基づいて、前記注目画素に対して、画素補間処理を実行する補間部と、
を備え、
前記補間部は、前記相関値に基づいて、相関の高い方向があると判定される場合において、
(1)前記注目画素の前記相関方向に隣接する画素と同色の色成分値を算出する場合、
前記相関方向において、前記注目画素を挟んで隣接する2つの画素の画素値と、前記注目画素を含む前記相関方向に配置されている互いに同色の画素を複数選択し、選択した当該複数の画素の画素値から算出した前記相関方向の変化率と、に基づいて、前記注目画素の前記相関方向に隣接する画素と同色の色成分値を算出し、
(2)前記注目画素の前記相関方向に直交する方向である法線方向に隣接する画素と同色の色成分値を算出する場合、
前記法線方向に配置されている互いに同色の画素を複数選択し、選択した当該複数の画素の画素値から前記法線方向の変化率を求め、求めた前記法線方向の変化率と、前記注目画素を前記法線方向に挟んで隣接する2つの画素の画素値と、に基づいて、前記注目画素の前記法線方向に隣接する画素と同色の色成分値を算出し、
(3)前記注目画素の前記相関方向の斜め方向に隣接する画素と同色の色成分値である第1算出対象色の色成分値を算出する場合、
(3A)前記注目画素の前記法線方向に隣接する一方の画素である第1隣接画素を含み、前記相関方向に配置されている複数の画素である第1画素群の中から、互いに同色の画素を複数選択し、選択した当該複数の画素の画素値から前記法線方向の変化率を求め、求めた前記法線方向の変化率と、前記第1算出対象色と同色の画素を前記第1画素群の中から選択し、選択した当該画素から、前記第1隣接画素の前記第1算出対象色の色成分値を算出し、
(3B)前記注目画素の前記法線方向に隣接する他方の画素である第2隣接画素を含み、前記相関方向に配置されている複数の画素である第2画素群の中から、互いに同色の画素を複数選択し、選択した当該複数の画素の画素値から前記法線方向の変化率を求め、求めた前記法線方向の変化率と、前記第1算出対象色と同色の画素を前記第2画素群の中から選択し、選択した当該画素から、前記第2隣接画素の前記第1算出対象色の色成分値を算出し、
(3C)前記法線方向に配置されている互いに同色の画素を複数選択し、選択した当該複数の画素の画素値から前記法線方向の変化率を求め、求めた前記法線方向の変化率と、算出された前記第1隣接画素の前記第1算出対象色の色成分値と、算出された前記第2隣接画素の前記第1算出対象色の色成分値と、に基づいて、前記注目画素の前記第1算出対象色の色成分値を算出する、
集積回路。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、色フィルタとして、WRGB配列やYe(イエロー)−Cy(シアン)−G(グリーン)−Mg(マゼンタ)配列やRGBYe配列等の4色フィルタを有する撮像装置がある。このような4色フィルタを有する単板式の撮像素子を用いた場合、1画素について、4色のうちのいずれか1色の画素信号が出力される。
【0007】
特許文献1の技術では、ベイヤ配列(RGB色フィルタ)の撮像素子を前提としており、色フィルタ配列のパターン(カラーフィルタを構成する色の情報)が既知であることを前提としている。このため、色フィルタ配列のパターン(カラーフィルタを構成する色の情報)が未知である場合、特許文献1の技術をそのまま適用することは困難である。また、色フィルタ配列のパターン(カラーフィルタを構成する色の情報)が未知である場合、適切に画素補間処理を行うことは困難である。
【0008】
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、色フィルタ配列のパターン(カラーフィルタを構成する色の情報)が未知である場合であっても、適切に画素補間処理を行うことができる画素補間処理装置、撮像装置、プログラムおよび集積回路を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、第1の発明は、奇数行において、行の先頭を第1色成分用フィルタとし、第1色成分用フィルタと第2色成分用フィルタとが交互に配置されており、偶数行において、行の先頭を第3色成分用フィルタとし、第3色成分用フィルタと第4色成分用フィルタとが交互に配置されている4色配列フィルタを有する撮像部により取得される画像に対して、画素補間処理を行う画素補間処理装置であって、相関値算出部と、相関方向決定部と、補間部と、を備える。
【0010】
相関値算出部は、注目画素の周辺領域の画素データを用いて、画像上において直交する2方向の複数組の相関値を取得する。
【0011】
相関方向決定部は、相関値算出部により取得された相関値に基づいて、注目画素の周辺領域における相関方向を決定する。
【0012】
補間部は、相関方向決定部により決定された相関方向に基づいて、注目画素に対して、画素補間処理を実行する。
【0013】
補間部は、相関値に基づいて、相関の高い方向があると判定される場合において、以下の(1)〜(3)の処理を行う。
(1)注目画素の相関方向に隣接する画素と同色の色成分値を算出する場合、
相関方向において、注目画素を挟んで隣接する2つの画素の画素値と、注目画素を含む相関方向に配置されている互いに同色の画素を複数選択し、選択した当該複数の画素の画素値から算出した相関方向の変化率と、に基づいて、注目画素の相関方向に隣接する画素と同色の色成分値を算出する。
(2)注目画素の相関方向に直交する方向である法線方向に隣接する画素と同色の色成分値を算出する場合、
法線方向に配置されている互いに同色の画素を複数選択し、選択した当該複数の画素の画素値から法線方向の変化率を求め、求めた法線方向の変化率と、注目画素を法線方向に挟んで隣接する2つの画素の画素値と、に基づいて、注目画素の法線方向に隣接する画素と同色の色成分値を算出する。
(3)注目画素の相関方向の斜め方向に隣接する画素と同色の色成分値である第1算出対象色の色成分値を算出する場合、
(3A)注目画素の法線方向に隣接する一方の画素である第1隣接画素を含み、相関方向に配置されている複数の画素である第1画素群の中から、互いに同色の画素を複数選択し、選択した当該複数の画素の画素値から法線方向の変化率を求め、求めた法線方向の変化率と、第1算出対象色と同色の画素を第1画素群の中から選択し、選択した当該画素から、第1隣接画素の第1算出対象色の色成分値を算出し、
(3B)注目画素の法線方向に隣接する他方の画素である第2隣接画素を含み、相関方向に配置されている複数の画素である第2画素群の中から、互いに同色の画素を複数選択し、選択した当該複数の画素の画素値から法線方向の変化率を求め、求めた法線方向の変化率と、第1算出対象色と同色の画素を第2画素群の中から選択し、選択した当該画素から、第2隣接画素の第1算出対象色の色成分値を算出し、
(3C)法線方向に配置されている互いに同色の画素を複数選択し、選択した当該複数の画素の画素値から法線方向の変化率を求め、求めた法線方向の変化率と、算出された第1隣接画素の第1算出対象色の色成分値と、算出された第2隣接画素の第1算出対象色の色成分値と、に基づいて、注目画素の第1算出対象色の色成分値を算出する。
【0014】
この画素補間処理装置では、色フィルタ配列のパターン(カラーフィルタを構成する色の情報)が未知である場合であっても、適切な画素補間処理を実行することができる。
【0015】
つまり、この画素補間処理装置では、相関が高い方向(相関方向)と直交する方向(相関方向の法線方向)における画素信号の高周波成分は、カラーフィルタの色に関係なく、相関が高い(類似する)ことを利用し、注目画素について、第1色〜第4色成分画素値を取得するので、カラーフィルタの4つの色(第1色〜第4色)がどのような色であるかが不明であっても、適切に画素補間処理を実行することができる。また、この画素補間処理装置では、カラーフィルタの配列パターンから、同一色の画素を用いて、変化率(例えば、ラプラシアン成分)を取得し、取得した変化率(例えば、ラプラシアン成分)を用いて、所定の位置の画素の特定の色成分値を推定するので、色フィルタ配列のパターン(カラーフィルタを構成する色の情報)が未知である場合であっても、適切に、所定の位置の画素の特定の色成分値を推定(取得)することができる。
【0016】
つまり、この画素補間処理装置では、このように変化率(例えば、ラプラシアン成分)に基づいて、取得した所定の位置の画素の特定の色成分値を用い、さらに、相関が高い方向(相関方向)と直交する方向(相関方向の法線方向)における画素信号の高周波成分がカラーフィルタの色に関係なく、相関が高い(類似する)ことを利用して、画素補間処理を実行するので、従来技術に比べて、格段に精度の良い画素補間処理を実現することができる。
【0017】
そして、この画素補間処理装置では、色フィルタ配列のパターンについての情報(カラーフィルタを構成する色の情報)が不要であるので、従来技術のように、注目画素の色により場合分けして、画素補間処理を行う必要がない。したがって、この画素補間処理装置では、少ない演算量で、高精度な画素補間処理を実現することができる。
【0018】
第2の発明は、第1の発明であって、注目画素の周辺領域は、注目画素である画素P22を中心として、5画素×5画素からなる画素領域であって、
第1行が画素P00〜P04の5つの画素からなり、
第2行が画素P10〜P14の5つの画素からなり、
第3行が画素P20〜P24の5つの画素からなり、
第4行が画素P30〜P34の5つの画素からなり、
第5行が画素P40〜P44の5つの画素からなる画素領域である。
【0019】
これにより、5画素×5画素からなる画素領域を用いて、画素補間処理を実行することができる。
【0020】
第3の発明は、第2の発明であって、補間部は、相関方向が水平方向である場合において、以下の(1)〜(3)の処理を行う。
(1)注目画素の相関方向に隣接する画素と同色の色成分値D2outを算出する場合、画素Pxyの画素値を「Pxy」と表記すると、
D2out=(P21+P23)/2−(P20−2×P22+P24)×gain0
gain0:調整用係数。
に相当する処理により、色成分値D2outを算出する。
(2)注目画素の相関方向に直交する方向である法線方向に隣接する画素と同色の色成分値D3outを算出する場合、画素Pxyの画素値を「Pxy」と表記すると、
q0=(P11+P31)/2−(P01−2×P21+P41)×gain1
q1=(P13+P33)/2−(P03−2×P23+P43)×gain2
d0a=P11―q0
d0b=P13―q1
d0=(d0a+d0b)/2
d1a=P31―q0
d1b=P33―q1
d1=(d1a+d1b)/2
D3out=(P12+P32)/2−(d0+d1)×gain3
gain1、gain2、gain3:調整用係数
に相当する処理により、色成分値D3outを算出する。
(3)注目画素の相関方向の斜め方向に隣接する画素と同色の色成分値である第1算出対象色の色成分値D4outを算出する場合、
q0=(P11+P31)/2−(P01−2×P21+P41)×gain1
q1=(P13+P33)/2−(P03−2×P23+P43)×gain2
d0a=P11―q0
d0b=P13―q1
d0=(d0a+d0b)/2
d1a=P31―q0
d1b=P33―q1
d1=(d1a+d1b)/2
r0=(P11+P13)/2−(P10−2×P12+P14)×gain4
r1=(P31+P33)/2−(P30−2×P32+P34)×gain5
D4out=(r0+r1)/2−(d0+d1)×gain6
gain1、gain2、gain3:調整用係数
gain4、gain5、gain6:調整用係数
に相当する処理により、色成分値D4outを算出する。
【0021】
これにより、相関方向が水平方向である場合において、精度の高い画素補間処理を実現することができる。
【0022】
第4の発明は、第2の発明であって、補間部は、相関方向が垂直方向である場合において、以下の(1)〜(3)の処理を行う。
(1)注目画素の相関方向に隣接する画素と同色の色成分値D3outを算出する場合、画素Pxyの画素値を「Pxy」と表記すると、
t0=(P12+P32)/2
t1=(P02−2×P22+P42)×gain10
D3out=t0−t1
gain10:調整用係数
に相当する処理により、色成分値D3outを算出する。
(2)注目画素の相関方向に直交する方向である法線方向に隣接する画素と同色の色成分値D2outを算出する場合、画素Pxyの画素値を「Pxy」と表記すると、
q0=(P11+P13)/2−(P10−2×P12+P14)×gain11
q1=(P31+P33)/2−(P30−2×P32+P34)×gain12
d0a=P11―q0
d0b=P31―q1
d0=(d0a+d0b)/2
d1a=P13―q0
d1b=P33―q1
d1=(d1a+d1b)/2
D2out=(P21+P23)/2−(d0+d1)×gain13
gain11、gain12、gain13:調整用係数
に相当する処理により、色成分値D2outを算出する。
(3)注目画素の相関方向の斜め方向に隣接する画素と同色の色成分値である第1算出対象色の色成分値D4outを算出する場合、
q0=(P11+P13)/2−(P10−2×P12+P14)×gain11
q1=(P31+P33)/2−(P30−2×P32+P34)×gain12
d0a=P11―q0
d0b=P31―q1
d0=(d0a+d0b)/2
d1a=P13―q0
d1b=P33―q1
d1=(d1a+d1b)/2
r0=(P11+P31)/2−(P01−2×P21+P41)×gain14
r1=(P13+P33)/2−(P03−2×P23+P43)×gain15
D4out=(r0+r1)/2−(d0+d1)×gain16
gain11、gain12、gain14、gain15:調整用係数
に相当する処理により、色成分値D4outを算出する。
【0023】
これにより、相関方向が垂直方向である場合において、精度の高い画素補間処理を実現することができる。
【0024】
第5の発明は、第2の発明であって、補間部は、相関方向が左上斜め方向である第1斜め方向である場合において、以下の(1)〜(3)の処理を行う。
(1)注目画素の相関方向に隣接する画素と同色の色成分値D4outを算出する場合、画素Pxyの画素値を「Pxy」と表記すると、
D4out=(P11+P33)/2−(P00−2×P22+P44)×gain40
gain40:調整用係数
に相当する処理により、色成分値D4outを算出する。
(2)注目画素の垂直方向に隣接する画素と同色の色成分値D3outを算出する場合、画素Pxyの画素値を「Pxy」と表記すると、
s0=(P02+P24)/2
s=P22
s1=(P20+P42)/2
q0=(3×P12+P34)/4
q1=(P10+3×P32)/4
D3out=(q0+q1)/2−(s0−2×s+s1)×gain41
gain41:調整用係数
に相当する処理により、色成分値D3outを算出する。
(3)注目画素の水平方向に隣接する画素と同色の色成分値D2outを算出する場合、
s0=(P02+P24)/2
s=P22
s1=(P20+P42)/2
q0=(P01+3×P23)/4
q1=(3×P21+P43)/4
D2out=(q0+q1)/2−(s0−2×s+s1)×gain42
gain42:調整用係数
に相当する処理により、色成分値D2outを算出する。
【0025】
これにより、相関方向が第1斜め方向である場合において、精度の高い画素補間処理を実現することができる。
【0026】
第6の発明は、第2の発明であって、補間部は、相関方向が右上斜め方向である第2斜め方向である場合において、以下の(1)〜(3)の処理を行う。
(1)注目画素の相関方向に隣接する画素と同色の色成分値D4outを算出する場合、画素Pxyの画素値を「Pxy」と表記すると、
D4out=(P13+P31)/2−(P04−2×P22+P40)×gain50
gain50:調整用係数
に相当する処理により、色成分値D4outを算出する。
(2)注目画素の垂直方向に隣接する画素と同色の色成分値D3outを算出する場合、画素Pxyの画素値を「Pxy」と表記すると、
s0=(P02+P20)/2
s=P22
s1=(P24+P42)/2
q0=(3×P12+P30)/4
q1=(P14+3×P32)/4
D3out=(q0+q1)/2−(s0−2×s+s1)×gain51
gain51:調整用係数
に相当する処理により、色成分値D3outを算出する。
(3)注目画素の水平方向に隣接する画素と同色の色成分値D2outを算出する場合、
s0=(P02+P20)/2
s=P22
s1=(P24+P42)/2
q0=(P03+3×P21)/4
q1=(3×P23+P41)/4
D2out=(q0+q1)/2−(s0−2×s+s1)×gain52
gain52:調整用係数
に相当する処理により、色成分値D2outを算出する。
【0027】
これにより、相関方向が第2斜め方向である場合において、精度の高い画素補間処理を実現することができる。
【0028】
第7の発明は、撮像部と、第1から第6のいずれかの発明である画素補間処理装置とを備える撮像装置である。
【0029】
撮像部は、奇数行において、行の先頭を第1色成分用フィルタとし、第1色成分用フィルタと第2色成分用フィルタとが交互に配置されており、偶数行において、行の先頭を第3色成分用フィルタとし、第3色成分用フィルタと第4色成分用フィルタとが交互に配置されている4色配列フィルタを有し、被写体光から画像信号を取得する。
【0030】
第1から第6のいずれかの発明である画素補間処理装置は、画像信号に対して、画素補間処理を行う。
【0031】
これにより、第1から第6のいずれかの発明である画素補間処理装置を用いた撮像装置を実現することができる。
【0032】
第8の発明は、奇数行において、行の先頭を第1色成分用フィルタとし、第1色成分用フィルタと第2色成分用フィルタとが交互に配置されており、偶数行において、行の先頭を第3色成分用フィルタとし、第3色成分用フィルタと第4色成分用フィルタとが交互に配置されている4色配列フィルタを有する撮像部により取得される画像に対して、画素補間処理を行う画素補間処理方法をコンピュータで実行させるためのプログラムである。
【0033】
画素補間処理方法は、相関値算出ステップと、相関方向決定ステップと、補間ステップと、を備える。
【0034】
相関値算出ステップは、注目画素の周辺領域の画素データを用いて、画像上において直交する2方向の複数組の相関値を取得する。
【0035】
相関方向決定ステップは、相関値算出ステップにより取得された相関値に基づいて、注目画素の周辺領域における相関方向を決定する。
【0036】
補間ステップは、相関方向決定ステップにより決定された相関方向に基づいて、注目画素に対して、画素補間処理を実行する。
【0037】
補間ステップは、相関値に基づいて、相関の高い方向があると判定される場合において、以下の(1)〜(3)の処理を行う。
(1)注目画素の相関方向に隣接する画素と同色の色成分値を算出する場合、
相関方向において、注目画素を挟んで隣接する2つの画素の画素値と、注目画素を含む相関方向に配置されている互いに同色の画素を複数選択し、選択した当該複数の画素の画素値から算出した相関方向の変化率と、に基づいて、注目画素の相関方向に隣接する画素と同色の色成分値を算出する。
(2)注目画素の相関方向に直交する方向である法線方向に隣接する画素と同色の色成分値を算出する場合、
法線方向に配置されている互いに同色の画素を複数選択し、選択した当該複数の画素の画素値から法線方向の変化率を求め、求めた法線方向の変化率と、注目画素を法線方向に挟んで隣接する2つの画素の画素値と、に基づいて、注目画素の法線方向に隣接する画素と同色の色成分値を算出する。
(3)注目画素の相関方向の斜め方向に隣接する画素と同色の色成分値である第1算出対象色の色成分値を算出する場合、
(3A)注目画素の法線方向に隣接する一方の画素である第1隣接画素を含み、相関方向に配置されている複数の画素である第1画素群の中から、互いに同色の画素を複数選択し、選択した当該複数の画素の画素値から法線方向の変化率を求め、求めた法線方向の変化率と、第1算出対象色と同色の画素を第1画素群の中から選択し、選択した当該画素から、第1隣接画素の第1算出対象色の色成分値を算出し、
(3B)注目画素の法線方向に隣接する他方の画素である第2隣接画素を含み、相関方向に配置されている複数の画素である第2画素群の中から、互いに同色の画素を複数選択し、選択した当該複数の画素の画素値から法線方向の変化率を求め、求めた法線方向の変化率と、第1算出対象色と同色の画素を第2画素群の中から選択し、選択した当該画素から、第2隣接画素の第1算出対象色の色成分値を算出し、
(3C)法線方向に配置されている互いに同色の画素を複数選択し、選択した当該複数の画素の画素値から法線方向の変化率を求め、求めた法線方向の変化率と、算出された第1隣接画素の第1算出対象色の色成分値と、算出された第2隣接画素の第1算出対象色の色成分値と、に基づいて、注目画素の第1算出対象色の色成分値を算出する。
【0038】
これにより、第1の発明と同様の効果を奏するプログラムを実現することができる。
【0039】
第9の発明は、奇数行において、行の先頭を第1色成分用フィルタとし、第1色成分用フィルタと第2色成分用フィルタとが交互に配置されており、偶数行において、行の先頭を第3色成分用フィルタとし、第3色成分用フィルタと第4色成分用フィルタとが交互に配置されている4色配列フィルタを有する撮像部により取得される画像に対して、画素補間処理を行う集積回路であって、相関値算出部と、相関方向決定部と、補間部と、を備える。
【0040】
相関値算出部は、注目画素の周辺領域の画素データを用いて、画像上において直交する2方向の複数組の相関値を取得する。
【0041】
相関方向決定部は、相関値算出部により取得された相関値に基づいて、注目画素の周辺領域における相関方向を決定する。
【0042】
補間部は、相関方向決定部により決定された相関方向に基づいて、注目画素に対して、画素補間処理を実行する。
【0043】
補間部は、相関値に基づいて、相関の高い方向があると判定される場合において、以下の(1)〜(3)の処理を行う。
(1)注目画素の相関方向に隣接する画素と同色の色成分値を算出する場合、
相関方向において、注目画素を挟んで隣接する2つの画素の画素値と、注目画素を含む相関方向に配置されている互いに同色の画素を複数選択し、選択した当該複数の画素の画素値から算出した相関方向の変化率と、に基づいて、注目画素の相関方向に隣接する画素と同色の色成分値を算出する。
(2)注目画素の相関方向に直交する方向である法線方向に隣接する画素と同色の色成分値を算出する場合、
法線方向に配置されている互いに同色の画素を複数選択し、選択した当該複数の画素の画素値から法線方向の変化率を求め、求めた法線方向の変化率と、注目画素を法線方向に挟んで隣接する2つの画素の画素値と、に基づいて、注目画素の法線方向に隣接する画素と同色の色成分値を算出する。
(3)注目画素の相関方向の斜め方向に隣接する画素と同色の色成分値である第1算出対象色の色成分値を算出する場合、
(3A)注目画素の法線方向に隣接する一方の画素である第1隣接画素を含み、相関方向に配置されている複数の画素である第1画素群の中から、互いに同色の画素を複数選択し、選択した当該複数の画素の画素値から法線方向の変化率を求め、求めた法線方向の変化率と、第1算出対象色と同色の画素を第1画素群の中から選択し、選択した当該画素から、第1隣接画素の第1算出対象色の色成分値を算出し、
(3B)注目画素の法線方向に隣接する他方の画素である第2隣接画素を含み、相関方向に配置されている複数の画素である第2画素群の中から、互いに同色の画素を複数選択し、選択した当該複数の画素の画素値から法線方向の変化率を求め、求めた法線方向の変化率と、第1算出対象色と同色の画素を第2画素群の中から選択し、選択した当該画素から、第2隣接画素の第1算出対象色の色成分値を算出し、
(3C)法線方向に配置されている互いに同色の画素を複数選択し、選択した当該複数の画素の画素値から法線方向の変化率を求め、求めた法線方向の変化率と、算出された第1隣接画素の第1算出対象色の色成分値と、算出された第2隣接画素の第1算出対象色の色成分値と、に基づいて、注目画素の第1算出対象色の色成分値を算出する。
【0044】
これにより、第1の発明と同様の効果を奏する集積回路を実現することができる。
【発明の効果】
【0045】
本発明によれば、色フィルタ配列のパターン(カラーフィルタを構成する色の情報)が未知である場合であっても、適切に画素補間処理を行うことができる画素補間処理装置、撮像装置、プログラムおよび集積回路を実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0047】
[第1実施形態]
第1実施形態について、図面を参照しながら、以下、説明する。
【0048】
<1.1:撮像装置の構成>
図1は、第1実施形態に係る撮像装置1000の概略構成図である。
【0049】
撮像装置1000は、
図1に示すように、被写体光を光電変換により画像信号として取得する撮像部C1と、撮像部C1により取得された画像信号に対して所定の信号処理を行う信号処理部C2と、信号処理部C2により所定の信号処理が施された画像信号に対して画素補間処理を行う画素補間処理部100(画素補間処理装置)と、を備える。
【0050】
撮像部C1は、光学系と、任意の4色配列色フィルタと、撮像素子とを備える。
【0051】
なお、説明便宜のために、「任意の4色配列色フィルタ」は、第1色成分用フィルタ、第2色成分用フィルタ、第3色成分用フィルタ、および、第4色成分用フィルタからなるものとし、その配列は、以下の通りであるものとする。すなわち、
(1)第1列において、第1色フィルタ、第2色フィルタ、第1色フィルタ、第2色フィルタ・・・、と第1色成分用フィルタと第2色成分用フィルタとが交互に配置されており、
(2)第2列において、第3色フィルタ、第4色フィルタ、第3色フィルタ、第4色フィルタ・・・、と第3色成分用フィルタと第4色成分用フィルタとが交互に配置されている。
【0052】
つまり、「任意の4色配列色フィルタ」は、奇数行では、第1色成分用フィルタと第2色成分用フィルタとが交互に配置されており、偶数行では、第3色成分用フィルタと第4色成分用フィルタとが交互に配置されているものとする。「任意の4色配列色フィルタ」は、このような配列を有するものとして、以下、説明する。
【0053】
光学系は、1または複数のレンズからなり、被写体光を集光し、被写体光を撮像素子面に結像させる。なお、光学系は、露光調整、フォーカス調整機能等を有するものであってもよい。
【0054】
4色配列色フィルタは、第1色成分用色フィルタ、第2色成分用色フィルタ、第3色成分用色フィルタおよび第4色成分用色フィルタの4つ色成分フィルタを含み、上記で説明した配列を有している。4色配列色フィルタは、撮像素子の撮像素子面上に配置される。
【0055】
撮像素子は、複数の画素を有しており、光学系で集光され、4色配列色フィルタを介して、撮像素子面上に結像された被写体光を光電変換により画像信号(電気信号)に変換する。撮像素子は、第1色成分取得用の画素において、第1色成分画素信号を取得し、第2色成分取得用の画素において、第2色成分画素信号を取得する。また、撮像素子は、第3色成分取得用の画素において、第3色成分画素信号を取得し、第4色成分取得用の画素において、第4色成分画素信号を取得する。撮像素子は、各画素に取得した画素信号(第1色成分画素信号、第2色成分画素信号、第3色成分画素信号、および、第4色成分画素信号)を、画像信号として信号処理部C2に出力する。
【0056】
信号処理部C2は、撮像部C1から出力される画像信号を入力し、入力された画像信号に対して、所定の信号処理(例えば、ゲイン調整処理、ホワイトバランス調整処理、ガンマ調整処理等)を行う。信号処理部C2は、所定の信号処理を施した画像信号を、画像信号D_rawとして、画素補間処理部100に出力する。
【0057】
画素補間処理部100は、
図1に示すように、相関値算出部1と、相関方向決定部2と、補間部3と、を備える。
【0058】
相関値算出部1は、信号処理部C2から出力される画像信号D_raw(画像信号D_rawにより形成される1枚の画像(1フレーム画像)を画像D_rawと表現する。以下、同様。)を入力する。相関値算出部1は、画像D_raw上の注目画素(処理対象の画素)について、以下の4つの相関値を算出する(詳細については後述する)。
(A1)垂直方向相関値Cv
(A2)水平方向相関値Ch
(A3)第1斜め方向相関値Cd1
(A4)第2斜め方向相関値Cd2
相関値算出部1は、画像D_raw上の画素ごとに取得した上記4つの相関値を相関方向決定部2に出力する。なお、上記4つの相関値を総称して、「Cx」と表記する。
【0059】
相関方向決定部2は、相関値算出部1から出力される画素ごとの相関値Cxを入力する。相関方向決定部2は、画素ごとに、相関値Cxに基づいて、相関方向を決定する(詳細については後述する)。そして、相関方向決定部2は、画素ごとに決定した相関方向に関する情報Co_Dirを、補間部3に出力する。
【0060】
補間部3は、信号処理部C2から出力される画像信号D_rawと、相関方向決定部2から出力される画素ごとに決定された相関方向に関する情報Co_Dirを入力とする。補間部3は、画像D_rawの画素ごとに、相関方向決定部2により決定された相関方向に基づいて、全ての画素が第1色成分、第2色成分、第3色成分、および、第4色成分を持つように、画素補間処理を行う(詳細については後述する)。そして、補間部3は、画素補間処理後の画像信号(全ての画素が第1色成分、第2色成分、第3色成分、および、第4色成分を有する画像信号)を、画像信号Doutとして、出力する。
【0061】
<1.2:撮像装置の動作>
以上のように構成された撮像装置1000の動作について、以下、説明する。
【0062】
図2は、撮像部C1に設置される任意の4色配列色フィルタC11における第1成分用色フィルタ、第2成分用色フィルタ、第3成分用色フィルタおよび第4成分用色フィルタの配列パターンの一例を示す図である。
図2に示すように、4色配列色フィルタでは、奇数行において、第1成分用色フィルタ、第2成分用色フィルタ、第1成分用色フィルタ、第2成分用色フィルタ、・・・と、第1成分用色フィルタと第2成分用色フィルタとが交互に配列されている。そして、偶数行において、第3成分用色フィルタ、第4成分用色フィルタ、第3成分用色フィルタ、第4成分用色フィルタ、・・・と、第3成分用色フィルタと第4成分用色フィルタとが交互に配列されている。
【0063】
≪4色画素配列の画素の表記方法≫
ここで、4色配列色フィルタの画素の表記方法について説明する。まず、5×5のマトリクス領域の画素を
図2の左上領域AR1のように表す。
図2の左上領域AR1における記号Pは、画素がいずれの色成分用画素であるかを考慮しない表記である(
図2に示す領域AR2〜AR4についても同様)。
【0064】
記号Pの添え字のうち、1桁目はマトリクス領域の画素の行番号、2桁目はマトリクス領域の画素の列番号を示している。なお、他の図面における画素配列の表記方法も上記と同様である。また、実施形態の説明や各数式において、記号Pは、画素値を表す場合もある。たとえば、記号P11は、1行1列目の画素そのものを表すとともに、1行1列目の画素の画素値をも表すものとする。
【0065】
被写体からの光は、撮像部C1の光学系(不図示)で集光され、撮像素子面上に配置された4色配列色フィルタC11を介して、撮像部C1の撮像素子(不図示)に入射される。なお、4色配列色フィルタC11は、
図2に示す配列パターンであるものとして、以下、説明する。
【0066】
撮像部C1の撮像素子では、画素ごとに、入射された被写体光は、光電変換により電気信号(画素信号)に変換される。つまり、第1色成分用画素では第1色成分画素値が取得され、第2色成分用画素では第2色成分画素値が取得され、第3色成分用画素では第3色成分画素値が取得され、第4色成分用画素では第4色成分画素値が取得される。そして、上記のようにして取得された画像信号(画素ごとに第1色成分画素値、第2色成分画素値、第3色成分画素値、第4色成分画素値のいずれか1つの画素値を有する画像信号)は、撮像部C1から信号処理部C2に出力される。
【0067】
信号処理部C2では、撮像部C1から取得された画像信号に対して、所定の信号処理(例えば、ゲイン調整処理、ホワイトバランス調整処理、ガンマ調整処理等)が実行される。そして、所定の信号処理が実行された画像信号(画像信号D_raw)は、画素補間処理部100の相関値算出部1、および、補間部3に出力される。
【0068】
(1.2.1:相関値算出処理)
次に、相関値算出処理について説明する。
【0069】
相関値算出部1では、信号処理部C2から出力された画像信号D_raw(画像D_raw)から、画素ごとに、相関値Cxが算出される。これについて、以下、詳細に説明する。
【0070】
相関値算出部1は、信号処理部C2から出力された画像D_raw上の注目画素(処理対象の画素)について、以下の4つの相関値を算出する。
(A1)垂直方向相関値Cv
(A2)水平方向相関値Ch
(A3)第1斜め方向相関値Cd1
(A4)第2斜め方向相関値Cd2
上記(A1)〜(A4)の相関値の算出処理について、以下、説明する。
【0071】
≪(A1)垂直方向相関値Cv≫
まず、垂直方向相関値Cvの算出処理について、
図3を用いて、説明する。
【0072】
図3は、垂直方向相関値Cvの算出処理を説明するための図であり、中心画素P22を中心とする5画素×5画素のマトリクス領域を示している。なお、図中の矢印の先にある2つの画素は、差分処理の対象画素であることを示している。
【0073】
相関値算出部1は、
図3に示すように、画素P01〜P03、P11〜P13、P21〜P23、P31〜P33、P41〜P43からなる領域AR41において、垂直方向に隣接する同色の画素の画素値の絶対値差分を算出し、算出した絶対値差分の平均値(重み付け平均値)を求める。つまり、相関値算出部1は、以下の数式に相当する処理を行うことで、垂直方向相関値Cvを取得する。
【0074】
sum=abs(P02―P22)+abs(P22−P42)
+abs(P11−P31)+abs(P13−P33)
+abs(P12−P32)×2
+(abs(P01−P21)+abs(P21−P41)+abs(P03―P23)+abs(P23―P43))/2
Cv=sum/8
なお、上記数式では、abs(P12−P32)に係数「2」が、(abs(P01−P21)+abs(P21−P41)+abs(P03―P23)+abs(P23―P43))に係数「1/2」が乗算されている。これは、中心画素からの距離(画像上での距離)に応じて重み付けを行うためである。なお、乗算する係数(重み付け係数)は、上記に限定されることはなく、他の値であってもよい。
【0075】
≪(A2)水平方向相関値Ch≫
次に、水平方向相関値Chの算出処理について、
図4を用いて、説明する。
【0076】
図4は、水平方向相関値Chの算出処理を説明するための図であり、中心画素P22を中心とする5画素×5画素のマトリクス領域を示している。なお、図中の矢印の先にある2つの画素は、差分処理の対象画素であることを示している。
【0077】
相関値算出部1は、
図4に示すように、画素P10〜P14、P20〜P24、P30〜P34からなる領域AR51において、水平方向に隣接する同色の画素の画素値の絶対値差分を算出し、算出した絶対値差分の平均値(重み付け平均値)を求める。つまり、相関値算出部1は、以下の数式に相当する処理を行うことで、水平方向相関値Chを取得する。
【0078】
sum=abs(P20―P22)+abs(P22−P24)
+abs(P11−P13)+abs(P31−P33)
+(abs(P10−P12)+abs(P12−P14)+abs(P30―P32)+abs(P32―P34))/2
+abs(P21−P23)×2
Ch=sum/8
なお、上記数式では、abs(P21−P23)に係数「2」が、(abs(P10−P12)+abs(P12−P14)+abs(P30―P32)+abs(P32―P34))に係数「1/2」が乗算されている。これは、中心画素からの距離(画像上での距離)に応じて重み付けを行うためである。なお、乗算する係数(重み付け係数)は、上記に限定されることはなく、他の値であってもよい。
【0079】
≪(A3)第1斜め方向相関値Cd1≫
次に、第1斜め方向相関値Cd1の算出処理について、
図5を用いて、説明する。
【0080】
図5は、第1斜め方向相関値Cd1の算出処理を説明するための図であり、中心画素P22を中心とする5画素×5画素のマトリクス領域を示している。なお、図中の矢印の先にある2つの画素は、差分処理の対象画素であることを示している。
【0081】
相関値算出部1は、
図5に示すように、第1斜め方向に隣接する同色の画素の画素値の絶対値差分を算出し、算出した絶対値差分の平均値(重み付け平均値)を求める。つまり、相関値算出部1は、以下の数式に相当する処理を行うことで、第1斜め方向相関値Cd1を取得する。
【0082】
sum=abs(P00―P22)+abs(P22−P44)
+abs(P11−P33)×2
+abs(P12−P34)+abs(P10−P32)
+abs(P01―P23)+abs(P21―P43)
Cd1=sum/8
なお、上記数式では、abs(P11−P33)に係数「2」が乗算されている。これは、中心画素からの距離(画像上での距離)に応じて重み付けを行うためである。なお、乗算する係数(重み付け係数)は、上記に限定されることはなく、他の値であってもよい。
【0083】
≪(A4)第2斜め方向相関値Cd2≫
次に、第2斜め方向相関値Cd2の算出処理について、
図6を用いて、説明する。
【0084】
図6は、第2斜め方向相関値Cd2の算出処理を説明するための図であり、中心画素P22を中心とする5画素×5画素のマトリクス領域を示している。なお、図中の矢印の先にある2つの画素は、差分処理の対象画素であることを示している。
【0085】
相関値算出部1は、
図6に示すように、第2斜め方向に隣接する同色の画素の画素値の絶対値差分を算出し、算出した絶対値差分の平均値(重み付け平均値)を求める。つまり、相関値算出部1は、以下の数式に相当する処理を行うことで、第2斜め方向相関値Cd2を取得する。
【0086】
sum=abs(P04―P22)+abs(P22−P40)
+abs(P13−P31)×2
+abs(P12−P30)+abs(P14−P32)
+abs(P03―P21)+abs(P23―P41)
Cd2=sum/8
なお、上記数式では、abs(P13−P31)に係数「2」が乗算されている。これは、中心画素からの距離(画像上での距離)に応じて重み付けを行うためである。なお、乗算する係数(重み付け係数)は、上記に限定されることはなく、他の値であってもよい。
【0087】
以上により、相関値算出部1により算出された4つの相関値である、(A1)垂直方向相関値Cv、(A2)水平方向相関値Ch、(A3)第1斜め方向相関値Cd1、および、(A4)第2斜め方向相関値Cd2は、相関方向決定部2に出力される。
【0088】
(1.2.2:相関方向決定部2での処理)
相関方向決定部2は、相関値算出部1により取得された相関値Cv,Ch,Cd1,Cd2に基づいて、画素ごとに、
図7の関係図または
図8の関係図を用いて、相関方向を決定する。
【0089】
図7は、相関値Ch、Cvと、相関方向判定用領域A1〜A4との関係を示す図である。
図7において、横軸(X軸)は相関値Chであり、縦軸(Y軸)は相関値Cvである。また、
図7に示すように、相関方向判定用領域A1〜A4は、直線F1〜F3によって決定されている。つまり、相関方向判定用領域A1は、Y軸と直線F1とに囲まれる領域であり、相関方向判定領域A2は、X軸と直線F2とに囲まれる領域であり、相関方向判定領域A3は、直線F1、直線F2および直線F3に囲まれる領域であり、相関方向判定領域A4は、X軸、Y軸および直線F3に囲まれる領域である。
【0090】
図8は、相関値Cd1、Cd2と、相関方向判定用領域B1〜B4との関係を示す図である。
図8において、横軸(X軸)は相関値Cd2であり、縦軸(Y軸)は相関値Cd1である。また、
図8に示すように、相関方向判定用領域B1〜B4は、直線F11〜F13によって決定されている。つまり、相関方向判定領域B1は、Y軸と直線F11とに囲まれる領域であり、相関方向判定領域B2は、X軸と直線F12とに囲まれる領域であり、相関方向判定領域B3は、直線F11、直線F12および直線F13に囲まれる領域であり、相関方向判定領域B4は、X軸、Y軸および直線F13に囲まれる領域である。
【0091】
相関方向決定部2は、相関値Cv,Ch,Cd1,Cd2に基づいて、画素ごとに、
図7の関係図または
図8の関係図を用いて、以下の(1)、(2)により、相関方向を決定する。
(1)相関方向決定部2は、画素ごとに、4つの相関値Cv,Ch,Cd1,Cd2を比較し、相関値Cvまたは相関値Chが最小値をとる場合、つまり、
Cv=min(Cv,Ch,Cd1,Cd2)、または、
Ch=min(Cv,Ch,Cd1,Cd2)、
である場合、
図7の関係図を用いて、相関方向を決定する。
【0092】
つまり、相関値の対応関係(座標点(Ch,Cv))が領域A1に含まれる場合、相関方向決定部2は、注目画素の相関方向を「水平方向」と判定する。
【0093】
また、相関値の対応関係(座標点(Ch,Cv))が領域A2に含まれる場合、相関方向決定部2は、注目画素の相関方向を「垂直方向」と判定する。
【0094】
また、相関値の対応関係(座標点(Ch,Cv))が領域A3に含まれる場合、相関方向決定部2は、注目画素について、「いずれの方向にも相関がない」と判定する。
【0095】
また、相関値の対応関係(座標点(Ch,Cv))が領域A4に含まれる場合、相関方向決定部2は、注目画素について、「垂直、水平の両方向において相関が高い」と判定する。
(2)相関方向決定部2は、画素ごとに、4つの相関値Cv,Ch,Cd1,Cd2を比較し、相関値Cd1または相関値Cd2が最小値をとる場合、つまり、
Cd1=min(Cv,Ch,Cd1,Cd2)、または、
Cd2=min(Cv,Ch,Cd1,Cd2)、
である場合、
図8の関係図を用いて、相関方向を決定する。
【0096】
つまり、相関値の対応関係(座標点(Cd2,Cd1))が領域B1に含まれる場合、相関方向決定部2は、注目画素の相関方向を「第2斜め方向」(d2方向)と判定する。
【0097】
また、相関値の対応関係(座標点(Cd2,Cd1))が領域B2に含まれる場合、相関方向決定部2は、注目画素の相関方向を「第1斜め方向」(d1方向)と判定する。
【0098】
また、相関値の対応関係(座標点(Cd2,Cd1))が領域B3に含まれる場合、相関方向決定部2は、注目画素について、「いずれの方向にも相関がない」と判定する。
【0099】
また、相関値の対応関係(座標点(Cd2,Cd1))が領域B4に含まれる場合、相関方向決定部2は、注目画素について、「垂直、水平の両方向において相関が高い」と判定する。
【0100】
以上のようにして、画素ごとに取得された相関方向の判定結果(相関方向に関する情報Co_Dir)は、相関方向決定部2から、補間部3に出力される。
【0101】
なお、上記関係図は一例であり、他の直線により規定される領域を有する関係図であってもよい。
【0102】
(1.2.3:補間部3での処理)
補間部3では、相関方向決定部2により画素ごとに決定された相関方向Co_Dirに基づいて、信号処理部C2から出力される画像D_rawに対して、画素ごとに、画素補間処理が実行される。この具体的な処理について、以下、説明する。
【0103】
(1.2.3.1:水平方向画素補間(相関方向:水平方向))
相関方向決定部2により注目画素についての相関方向が「水平方向」であると判定された場合、補間部3は、以下の数式に相当する処理により、注目画素についての画素補間処理を行う。なお、画素補間処理後の注目画素の第1色成分の画素値をD1outとし、第2色成分の画素値をD2outとし、第3色成分の画素値をD3outとし、第4色成分の画素値をD4outとする。
【0104】
以下では、注目画素が第1色成分画素である場合について、説明する。
【0105】
図9〜
図12は、注目画素が第1色成分画素であり、相関方向が水平方向である場合における画素補間処理について説明するための図である。
【0106】
注目画素が第1色成分画素である場合、補間部3は、以下の処理により、第1色成分の画素値D1out、第2色成分の画素値をD2out、第3色成分の画素値D3out、および、第4色成分の画素値D4outを取得する。
【0107】
≪D1out≫
補間部3は、注目画素の画素値P22を、第1色成分の画素値D1outとする。すなわち、補間部3は、
D1out=P22
とする。
【0108】
≪D2out≫
第2色成分の画素値D2outを取得するために、補間部3は、以下の処理を行う。第2色成分の画素値D2outの取得処理(算出処理)を、
図9を用いて、説明する。
【0109】
図9は、中心画素(注目画素)が第1色画素である場合の5画素×5画素のマトリクス領域を示す図である。
【0110】
補間部3は、注目画素P22(第1色成分画素)を中心とする水平方向の5つの画素P20〜P24を用いて、以下の数式に相当する処理により、第2色成分の画素値D2outを取得する。
【0111】
t0=(P21+P23)/2
t1=(P20−2×P22+P24)×gain0
D2out=t0−t1
ここで、上記処理の意味について、説明する。
【0112】
Y22(画素P22の第1色成分値)の低周波成分Y22Lは、
Y22L=(Y20+6×Y22+Y24)/8
である。したがって、Y22の高周波成分Y22Hは、
Y22H=Y22−Y22L
=−(Y20−2×Y22+Y24)/8
である。
【0113】
一方、P22の第2色成分値C22(画素P22の第2色成分値をC22と表記する。)の低周波成分C22Lは、
C22L=(C21+2×C22+C23)/4
である。したがって、C22の高周波成分C22Hは、
C22H=C22―C22L
=C22/2―(C21+C23)/4
である。
【0114】
P22において、各色成分の高周波成分がほぼ等しいと仮定すると、
Y22H≒C22H
より、
C22/2―(C21+C23)/4≒−(Y20−2×Y22+Y24)/8
となる。これをC22について解くと、
C22=(C21+C23)/2−(Y20−2×Y22+Y24)/4
となる。
【0115】
この式において、(Y20−2×Y22+Y24)は、水平方向のラプラシアン成分(2次微分成分)であり、C21とC23の平均値からラプラシアン成分の1/4倍したものを減算することで、P22の第2色成分値C22を算出することができる。
【0116】
つまり、補間部3は、
t0=(P21+P23)/2
t1=(P20−2×P22+P24)×gain0
D2out=t0−t1
により、第2色成分の画素値D2outを取得することができる。
【0117】
なお、gain0を「1/4」とすると、t1は、ラプラシアン成分となるが、補間部3において、gain0の値を調整し、ラプラシアン成分を調整することで、D2outの高周波成分量を調整することができる。例えば、撮像部C1の光学特性(例えば、撮像部C1に設けられる光学フィルタ等の特性)等に応じて、gain0を調整することで(ラプラシアン成分を調整することで)、より品質の良い画素補間処理を行うことができる。
【0118】
≪D3out≫
第3色成分の画素値D3outを取得するために、補間部3は、以下の処理を行う。第3色成分の画素値D3outの取得処理(算出処理)を、
図10、
図11を用いて、説明する。
【0119】
図10、
図11は、中心画素(注目画素)が第1色画素である場合の5画素×5画素のマトリクス領域を示す図である。
【0120】
補間部3は、
図10に示す領域AR_q0に含まれるP01〜P41を用いて、以下の数式に相当する処理により、P21の第4色成分値q0を取得する。
【0121】
q0=(P11+P31)/2−(P01−2×P21+P41)×gain1
なお、(P01−2×P21+P41)は、ラプラシアン成分であり、gain1は、ラプラシアン成分調整用のゲインである。
【0122】
また、補間部3は、
図10に示す領域AR_q1に含まれるP03〜P43を用いて、以下の数式に相当する処理により、P23の第4色成分値q1を取得する。
【0123】
q1=(P13+P33)/2−(P03−2×P23+P43)×gain2
なお、(P03−2×P23+P43)は、ラプラシアン成分であり、gain2は、ラプラシアン成分調整用のゲインである。
【0124】
次に、補間部3は、
図11に示すように、画素P11と画素P21との間の第4色成分値の差を推定した値d0aを、
d0a=P11―q0
q0:P21の第4色成分値
として取得する。
【0125】
また、補間部3は、画素P13と画素P23との間の第4色成分値の差を推定した値d0bを、
d0b=P13―q1
q1:P23の第4色成分値
として取得する。
【0126】
そして、補間部3は、画素P12と画素P22との間の第4色成分値の差を推定した値d0を、
d0=(d0a+d0b)/2
として取得する。
【0127】
一般に、相関が高い方向(相関方向)と直交する方向(相関方向の法線方向)における画素信号の高周波成分は、カラーフィルタの色に関係なく、相関が高い(類似する)と考えられる。
【0128】
相関方向が水平方向である場合、垂直方向における画素信号の高周波成分は、カラーフィルタの色に関係なく、相関が高い。
【0129】
つまり、垂直方向の変化(高周波成分に相当)を示す、(1)画素P11、P21間の第4色成分値の差の推定値d0aと、(2)画素P13、P23間の第4色成分値の差の推定値d0bと、(3)画素P12、P22間の第4色成分値の差の推定値d0と、は、相関が高いと判断できる。
【0130】
したがって、上記のように、
d0=(d0a+d0b)/2
により、値d0a、d0bの平均値を取得することで、画素P12、P22間の第4色成分値の差の推定値d0を適切に推定することができる。
【0131】
また、補間部3は、
図11に示すように、画素P31と画素P21との間の第4色成分値の差を推定した値d1aを、
d1a=P31―q0
q0:P21の第4色成分値
として取得する。
【0132】
また、補間部3は、画素P33と画素P23との間の第4色成分値の差を推定した値d1bを、
d1b=P33―q1
q1:P23の第4色成分値
として取得する。
【0133】
そして、補間部3は、画素P32と画素P22との間の第4色成分値の差を推定した値d1を、
d1=(d1a+d1b)/2
として取得する。
【0134】
相関方向が水平方向である場合、垂直方向における画素信号の高周波成分は、カラーフィルタの色に関係なく、相関が高い。
【0135】
つまり、垂直方向の変化(高周波成分に相当)を示す、(1)画素P31、P21間の第4色成分値の差の推定値d1aと、(2)画素P33、P23間の第4色成分値の差の推定値d1bと、(3)画素P32、P22間の第4色成分値の差の推定値d1と、は、相関が高いと判断できる。
【0136】
したがって、上記のように、
d1=(d1a+d1b)/2
により、値d1a、d1bの平均値を取得することで、画素P32、P22間の第4色成分値の差の推定値d1を適切に推定することができる。
【0137】
そして、補間部3は、上記処理により取得された、(1)画素P12と画素P22との間の第4色成分値の差を推定した値d0と、(2)画素P32と画素P22との間の第4色成分値の差を推定した値d1とを用いて、
D3out=(P12+P32)/2−(d0+d1)×gain3
gain3:調整用ゲイン
により、第3色成分の画素値D3outを取得する。
【0138】
つまり、補間部3は、第3色成分用画素であるP12、P32の画素値の平均値と、相関方向(水平方向)と直交する方向(垂直方向)の高周波成分とに基づいて、第3色成分の画素値D3outを取得(推定)する。すなわち、補間部3は、第3色成分用画素であるP12、P32の画素値の平均値から、相関方向(水平方向)と直交する方向(垂直方向)における画素信号の変化率を示す(d0+d1)×gain3を減算することで、精度の高い第3色成分の画素値D3outを取得(推定)する。
【0139】
≪D4out≫
第4色成分の画素値D4outを取得するために、補間部3は、以下の処理を行う。第4色成分の画素値D4outの取得処理(算出処理)を、
図12を用いて、説明する。
【0140】
図12は、中心画素(注目画素)が第1色画素である場合の5画素×5画素のマトリクス領域を示す図である。
【0141】
補間部3は、
図12に示す領域AR_r0に含まれるP10〜P14を用いて、以下の数式に相当する処理により、P12の第4色成分値r0を取得する。
【0142】
r0=(P11+P13)/2−(P10−2×P12+P14)×gain4
なお、(P10−2×P12+P14)は、ラプラシアン成分であり、gain4は、ラプラシアン成分調整用のゲインである。
【0143】
また、補間部3は、
図12に示す領域AR_r1に含まれるP30〜P34を用いて、以下の数式に相当する処理により、P32の第4色成分値r1を取得する。
【0144】
r1=(P31+P33)/2−(P30−2×P32+P34)×gain5
なお、(P30−2×P32+P34)は、ラプラシアン成分であり、gain5は、ラプラシアン成分調整用のゲインである。
【0145】
そして、補間部3は、(1)P12の第4色成分値r0と、(2)P32の第4色成分値r1、および、第3色成分の画素値D3outの算出処理で説明した、(3)画素P12と画素P22との間の第4色成分値の差を推定した値d0と、(4)画素P32と画素P22との間の第4色成分値の差を推定した値d1を用いて、
D4out=(r0+r1)/2−(d0+d1)×gain6
gain6:調整用ゲイン
により、第4色成分の画素値D4outを取得する。
【0146】
このように、補間部3は、注目画素の上下の列の画素を用いて算出したラプラシアン成分に基づいて、画素P12、P32の第4色成分値r0、r1を取得(推定)し、取得した画素P12、P32の第4色成分値r0、r1の平均値と、相関方向(水平方向)と直交する方向(垂直方向)の高周波成分とに基づいて、第4色成分の画素値D4outを取得(推定)する。すなわち、補間部3は、画素P12、P32の第4色成分値r0、r1の平均値から、相関方向(水平方向)と直交する方向(垂直方向)における画素信号の変化率を示す(d0+d1)×gain6を減算することで、精度の高い第4色成分の画素値D4outを取得(推定)する。
【0147】
なお、注目画素が第1色成分画素以外の場合も、上記と同様の方法により処理することで精度の高い画素補間処理を実現することができる。
【0148】
(1.2.3.2:垂直方向画素補間(相関方向:垂直方向))
相関方向決定部2により注目画素についての相関方向が「垂直方向」であると判定された場合、補間部3は、以下の数式に相当する処理により、注目画素についての画素補間処理を行う。なお、画素補間処理後の注目画素の第1色成分の画素値をD1outとし、第2色成分の画素値をD2outとし、第3色成分の画素値をD3outとし、第4色成分の画素値をD4outとする。
【0149】
以下では、注目画素が第1色成分画素である場合について、説明する。
【0150】
図13〜
図16は、注目画素が第1色成分画素であり、相関方向が垂直方向である場合における画素補間処理について説明するための図である。
【0151】
注目画素が第1色成分画素である場合、補間部3は、以下の処理により、第1色成分の画素値D1out、第2色成分の画素値をD2out、第3色成分の画素値D3out、および、第4色成分の画素値D4outを取得する。
【0152】
≪D1out≫
補間部3は、注目画素の画素値P22を、第1色成分の画素値D1outとする。すなわち、補間部3は、
D1out=P22
とする。
【0153】
≪D3out≫
第3色成分の画素値D3outを取得するために、補間部3は、以下の処理を行う。第2色成分の画素値D2outの取得処理(算出処理)を、
図13を用いて、説明する。
【0154】
図13は、中心画素(注目画素)が第1色画素である場合の5画素×5画素のマトリクス領域を示す図である。
【0155】
補間部3は、注目画素P22(第1色成分画素)を中心とする水平方向の5つの画素P02〜P42を用いて、以下の数式に相当する処理により、第3色成分の画素値D3outを取得する。
【0156】
t0=(P12+P32)/2
t1=(P02−2×P22+P42)×gain10
D3out=t0−t1
gain10:調整用ゲイン
なお、gain10を「1/4」とすると、t1は、ラプラシアン成分となるが、補間部3において、gain10の値を調整し、ラプラシアン成分を調整することで、D3outの高周波成分量を調整することができる。例えば、撮像部C1の光学特性(例えば、撮像部C1に設けられる光学フィルタ等の特性)等に応じて、gain10を調整することで(ラプラシアン成分を調整することで)、より品質の良い画素補間処理を行うことができる。
【0157】
≪D2out≫
第2色成分の画素値D2outを取得するために、補間部3は、以下の処理を行う。第2色成分の画素値D2outの取得処理(算出処理)を、
図14、
図15を用いて、説明する。
【0158】
図14、
図15は、中心画素(注目画素)が第1色画素である場合の5画素×5画素のマトリクス領域を示す図である。
【0159】
補間部3は、
図14に示す領域AR_q0に含まれるP10〜P14を用いて、以下の数式に相当する処理により、P12の第4色成分値q0を取得する。
【0160】
q0=(P11+P13)/2−(P10−2×P12+P14)×gain11
なお、(P10−2×P12+P14)は、ラプラシアン成分であり、gain11は、ラプラシアン成分調整用のゲインである。
【0161】
また、補間部3は、
図14に示す領域AR_q1に含まれるP30〜P34を用いて、以下の数式に相当する処理により、P32の第4色成分値q1を取得する。
【0162】
q1=(P31+P33)/2−(P30−2×P32+P34)×gain12
なお、(P30−2×P32+P34)は、ラプラシアン成分であり、gain12は、ラプラシアン成分調整用のゲインである。
【0163】
次に、補間部3は、
図15に示すように、画素P11と画素P12との間の第4色成分値の差を推定した値d0aを、
d0a=P11―q0
q0:P12の第4色成分値
として取得する。
【0164】
また、補間部3は、画素P31と画素P32との間の第4色成分値の差を推定した値d0bを、
d0b=P31―q1
q1:P32の第4色成分値
として取得する。
【0165】
そして、補間部3は、画素P21と画素P22との間の第4色成分値の差を推定した値d0を、
d0=(d0a+d0b)/2
として取得する。
【0166】
一般に、相関が高い方向(相関方向)と直交する方向(相関方向の法線方向)における画素信号の高周波成分は、カラーフィルタの色に関係なく、相関が高い(類似する)と考えられる。
【0167】
相関方向が垂直方向である場合、水平方向における画素信号の高周波成分は、カラーフィルタの色に関係なく、相関が高い。
【0168】
つまり、水平方向の変化(高周波成分に相当)を示す、(1)画素P11、P12間の第4色成分値の差の推定値d0aと、(2)画素P31、P32間の第4色成分値の差の推定値d0bと、(3)画素P21、P22間の第4色成分値の差の推定値d0と、は、相関が高いと判断できる。
【0169】
したがって、上記のように、
d0=(d0a+d0b)/2
により、値d0a、d0bの平均値を取得することで、画素P21、P22間の第4色成分値の差の推定値d0を適切に推定することができる。
【0170】
また、補間部3は、
図15に示すように、画素P13と画素P12との間の第4色成分値の差を推定した値d1aを、
d1a=P13―q0
q0:P12の第4色成分値
として取得する。
【0171】
また、補間部3は、画素P33と画素P32との間の第4色成分値の差を推定した値d1bを、
d1b=P33―q1
q1:P32の第4色成分値
として取得する。
【0172】
そして、補間部3は、画素P23と画素P22との間の第4色成分値の差を推定した値d1を、
d1=(d1a+d1b)/2
として取得する。
【0173】
相関方向が垂直方向である場合、水平方向における画素信号の高周波成分は、カラーフィルタの色に関係なく、相関が高い。
【0174】
つまり、水平方向の変化(高周波成分に相当)を示す、(1)画素P13、P12間の第4色成分値の差の推定値d1aと、(2)画素P33、P32間の第4色成分値の差の推定値d1bと、(3)画素P23、P22間の第4色成分値の差の推定値d1と、は、相関が高いと判断できる。
【0175】
したがって、上記のように、
d1=(d1a+d1b)/2
により、値d1a、d1bの平均値を取得することで、画素P23、P22間の第4色成分値の差の推定値d0を適切に推定することができる。
【0176】
そして、補間部3は、上記処理により取得された、(1)画素P21と画素P22との間の第4色成分値の差を推定した値d0と、(2)画素P23と画素P22との間の第4色成分値の差を推定した値d1とを用いて、
D2out=(P21+P23)/2−(d0+d1)×gain13
gain13:調整用ゲイン
により、第2色成分の画素値D2outを取得する。
【0177】
つまり、補間部3は、第2色成分用画素であるP21、P23の画素値の平均値と、相関方向(垂直方向)と直交する方向(水平方向)の高周波成分とに基づいて、第2色成分の画素値D2outを取得(推定)する。すなわち、補間部3は、第2色成分用画素であるP21、P23の画素値の平均値から、相関方向(垂直方向)と直交する方向(水平方向)における画素信号の変化率を示す(d0+d1)×gain13を減算することで、精度の高い第2色成分の画素値D2outを取得(推定)する。
【0178】
≪D4out≫
第4色成分の画素値D4outを取得するために、補間部3は、以下の処理を行う。第4色成分の画素値D4outの取得処理(算出処理)を、
図16を用いて、説明する。
【0179】
図16は、中心画素(注目画素)が第1色画素である場合の5画素×5画素のマトリクス領域を示す図である。
【0180】
補間部3は、
図16に示す領域AR_r0に含まれるP01〜P41を用いて、以下の数式に相当する処理により、P21の第4色成分値r0を取得する。
【0181】
r0=(P11+P31)/2−(P01−2×P21+P41)×gain14
なお、(P01−2×P21+P41)は、ラプラシアン成分であり、gain14は、ラプラシアン成分調整用のゲインである。
【0182】
また、補間部3は、
図16に示す領域AR_r1に含まれるP03〜P43を用いて、以下の数式に相当する処理により、P23の第4色成分値r1を取得する。
【0183】
r1=(P13+P33)/2−(P03−2×P23+P43)×gain15
なお、(P03−2×P23+P43)は、ラプラシアン成分であり、gain15は、ラプラシアン成分調整用のゲインである。
【0184】
そして、補間部3は、(1)P21の第4色成分値r0と、(2)P23の第4色成分値r1、および、第2色成分の画素値D2outの算出処理で説明した、(3)画素P21と画素P22との間の第4色成分値の差を推定した値d0と、(4)画素P23と画素P22との間の第4色成分値の差を推定した値d1を用いて、
D4out=(r0+r1)/2−(d0+d1)×gain16
gain16:調整用ゲイン
により、第4色成分の画素値D4outを取得する。
【0185】
このように、補間部3は、注目画素の左右の列の画素を用いて算出したラプラシアン成分に基づいて、画素P21、P23の第4色成分値r0、r1を取得(推定)し、取得した画素P21、P23の第4色成分値r0、r1の平均値と、相関方向(垂直方向)と直交する方向(水平方向)の高周波成分とに基づいて、第4色成分の画素値D4outを取得(推定)する。すなわち、補間部3は、画素P21、P23の第4色成分値r0、r1の平均値から、相関方向(垂直方向)と直交する方向(水平方向)における画素信号の変化率を示す(d0+d1)×gain16を減算することで、精度の高い第4色成分の画素値D4outを取得(推定)する。
【0186】
なお、注目画素が第1色成分画素以外の場合も、上記と同様の方法により処理することで精度の高い画素補間処理を実現することができる。
【0187】
(1.2.3.3:第1斜め方向画素補間(相関方向:第1斜め方向))
相関方向決定部2により、相関方向が「第1斜め方向」であると判定された場合、補間部3は、以下の数式に相当する処理により、注目画素についての画素補間処理を行う。
【0188】
以下では、注目画素が第1色成分画素である場合について、説明する。
【0189】
図17〜
図19は、注目画素が第1色成分画素であり、相関方向が第1斜め方向である場合における画素補間処理について説明するための図である。
【0190】
注目画素が第1色成分画素である場合、補間部3は、以下の処理により、第1色成分の画素値D1out、第2色成分の画素値をD2out、第3色成分の画素値D3out、および、第4色成分の画素値D4outを取得する。
【0191】
≪D1out≫
補間部3は、注目画素の画素値P22を、第1色成分の画素値D1outとする。すなわち、補間部3は、
D1out=P22
とする。
【0192】
≪D4out≫
第4色成分の画素値D4outを取得するために、補間部3は、以下の処理を行う。第4色成分の画素値D4outの取得処理(算出処理)を、
図17を用いて、説明する。
【0193】
図17は、中心画素(注目画素)が第1色成分画素である場合の5画素×5画素のマトリクス領域を示す図である。
【0194】
補間部3は、P00、P11、P22、P33、P44の5つの画素を用いて、以下の処理により、P22の第4色成分値D4outを取得する。
【0195】
D4out=(P11+P33)/2−(P00−2×P22+P44)×gain40
なお、(P00−2×P22+P44)は、ラプラシアン成分であり、gain40は、ラプラシアン成分調整用のゲインである。
【0196】
≪D3out≫
補間部3は、以下の処理により、P22の第3色成分値D3outを取得する。
【0197】
補間部3は、
図18に示すように、P13の第1色成分値s0と、P22の第1色成分値sと、P31の第1色成分値s1とを、以下の数式に相当する処理により算出する。
【0198】
s0=(P02+P24)/2
s=P22
s1=(P20+P42)/2
また、補間部3は、
図18に示すように、P13とP22との中点の第3色成分q0と、P22とP31との中点の第3色成分q1とを、以下の数式に相当する処理(内分処理)により算出する。
【0199】
q0=(3×P12+P34)/4
q1=(P10+3×P32)/4
そして、補間部3は、以下の数式に相当する処理により、P22の第3色成分値D3outを取得する。
【0200】
D3out=(q0+q1)/2−(s0−2×s+s1)×gain41
なお、(s0−2×s+s1)は、ラプラシアン成分であり、gain41は、ラプラシアン成分調整用のゲインである。
【0201】
このように、補間部3は、第1斜め方向に相関が高いことを利用して取得した、(1)同一色成分値(上記では第1色成分値)であるs0、s、s1と、(2)同一色成分値(上記では第3色成分値)であるq0、q1と、を用いて、P22の第3色成分値D3outを取得する。これにより、補間部3では、第1斜め方向に相関が高いことを利用した、精度の高い画素補間値(P22の第3色成分値D3out)を取得することができる。
【0202】
≪D2out≫
補間部3は、
図19に示すように、P13の第1色成分値s0と、P22の第1色成分値sと、P31の第1色成分値s1とを、以下の数式に相当する処理により算出する。
【0203】
s0=(P02+P24)/2
s=P22
s1=(P20+P42)/2
また、補間部3は、
図19に示すように、P13とP22との中点の第2色成分q0と、P22とP31との中点の第2色成分q1とを、以下の数式に相当する処理(内分処理)により算出する。
【0204】
q0=(P01+3×P23)/4
q1=(3×P21+P43)/4
そして、補間部3は、以下の数式に相当する処理により、P22の第2色成分値D2outを取得する。
【0205】
D2out=(q0+q1)/2−(s0−2×s+s1)×gain42
なお、(s0−2×s+s1)は、ラプラシアン成分であり、gain42は、ラプラシアン成分調整用のゲインである。
【0206】
このように、補間部3は、第1斜め方向に相関が高いことを利用して取得した、(1)同一色成分値(上記では第1色成分値)であるs0、s、s1と、(2)同一色成分値(上記では第2色成分値)であるq0、q1と、を用いて、P22の第2色成分値D2outを取得する。これにより、補間部3では、第1斜め方向に相関が高いことを利用した、精度の高い画素補間値(P22の第2色成分値D2out)を取得することができる。
【0207】
なお、注目画素が第1色成分画素以外の場合も、上記と同様の方法により処理することで精度の高い画素補間処理を実現することができる。
【0208】
(1.2.3.4:第2斜め方向画素補間(相関方向:第2斜め方向))
相関方向決定部2により、注目画素についての相関方向が「第2斜め方向」であると判定された場合、補間部3は、以下の数式に相当する処理により、注目画素についての画素補間処理を行う。
【0209】
以下では、注目画素が第1色成分画素である場合について、説明する。
【0210】
図20〜
図22は、注目画素が第1色成分画素であり、相関方向が第1斜め方向である場合における画素補間処理について説明するための図である。
【0211】
注目画素が第1色成分画素である場合、補間部3は、以下の処理により、第1色成分の画素値D1out、第2色成分の画素値をD2out、第3色成分の画素値D3out、および、第4色成分の画素値D4outを取得する。
【0212】
≪Yeout≫
補間部3は、注目画素の画素値P22を、第1色成分の画素値D1outとする。
【0213】
つまり、補間部3は、
D1out=P22
とする。
【0214】
≪D4out≫
第4色成分の画素値D4outを取得するために、補間部3は、以下の処理を行う。第4色成分の画素値D4outの取得処理(算出処理)を、
図20を用いて、説明する。
【0215】
図20は、中心画素(注目画素)が第1色成分画素である場合の5画素×5画素のマトリクス領域を示す図である。
【0216】
補間部3は、P04、P13、P22、P31、P40の5つの画素を用いて、以下の処理により、P22の第4色成分値D4outを取得する。
【0217】
D4out=(P13+P31)/2−(P04−2×P22+P40)×gain50
なお、(P04−2×P22+P40)は、ラプラシアン成分であり、gain50は、ラプラシアン成分調整用のゲインである。
【0218】
≪D3out≫
補間部3は、以下の処理により、P22の第3色成分値D3outを取得する。
【0219】
補間部3は、
図21に示すように、P11の第1色成分値s0と、P22の第1色成分値sと、P33の第1色成分値s1とを、以下の数式に相当する処理により算出する。
【0220】
s0=(P02+P20)/2
s=P22
s1=(P24+P42)/2
また、補間部3は、
図21に示すように、P11とP22との中点の第3色成分q0と、P22とP33との中点の第3色成分q1とを、以下の数式に相当する処理(内分処理)により算出する。
【0221】
q0=(3×P12+P30)/4
q1=(P14+3×P32)/4
そして、補間部3は、以下の数式に相当する処理により、P22の第3色成分値D3outを取得する。
【0222】
D3out=(q0+q1)/2−(s0−2×s+s1)×gain51
なお、(s0−2×s+s1)は、ラプラシアン成分であり、gain51は、ラプラシアン成分調整用のゲインである。
【0223】
このように、補間部3は、第2斜め方向に相関が高いことを利用して取得した、(1)同一色成分値(上記では第1色成分値)であるs0、s、s1と、(2)同一色成分値(上記では第3色成分値)であるq0、q1と、を用いて、P22の第3色成分値D3outを取得する。これにより、補間部3では、第2斜め方向に相関が高いことを利用した、精度の高い画素補間値(P22の第3色成分値D3out)を取得することができる。
【0224】
≪D2out≫
補間部3は、
図22に示すように、P11の第1色成分値s0と、P22の第1色成分値sと、P33の第1色成分値s1とを、以下の数式に相当する処理により算出する。
【0225】
s0=(P02+P20)/2
s=P22
s1=(P24+P42)/2
また、補間部3は、
図34に示すように、P11とP22との中点の第2色成分q0と、P22とP33との中点の第2色成分q1とを、以下の数式に相当する処理(内分処理)により算出する。
【0226】
q0=(P03+3×P21)/4
q1=(3×P23+P41)/4
そして、補間部3は、以下の数式に相当する処理により、P22の第2色成分値D2outを取得する。
【0227】
D2out=(q0+q1)/2−(s0−2×s+s1)×gain52
なお、(s0−2×s+s1)は、ラプラシアン成分であり、gain52は、ラプラシアン成分調整用のゲインである。
【0228】
このように、補間部3は、第2斜め方向に相関が高いことを利用して取得した、(1)同一色成分値(上記では第1色成分値)であるs0、s、s1と、(2)同一色成分値(上記では第2色成分値)であるq0、q1と、を用いて、P22の第2色成分値D2outを取得する。これにより、補間部3では、第2斜め方向に相関が高いことを利用した、精度の高い画素補間値(P22の第2色成分値D2out)を取得することができる。
【0229】
なお、注目画素が第1色成分画素以外の場合も、上記と同様の方法により処理することで精度の高い画素補間処理を実現することができる。
【0230】
≪メディアン補間(カラー画像領域用)≫
相関方向決定部2により注目画素について「いずれの方向にも相関がない」と判定された場合、補間部3は、以下の数式に相当する処理により、注目画素についての画素補間処理を行う。なお、画素補間処理後の注目画素の第1色成分の画素値をD1outとし、第2色成分の画素値をD2outとし、第3色成分の画素値をD3outとし、第4色成分の画素値をD4outとする。
【0231】
以下では、注目画素が第1色成分画素である場合について、説明する。
【0232】
注目画素(中心画素)が第1色成分画素である場合、補間部3は、以下の数式に相当する処理により、D1out、D2out、D3out、D4outを取得する。
【0233】
D1out=P22
D2out=medium(P21,P23,(P01+P03+P21+P23)/4,(P21+P23+P41+P43)/4)
D3out=medium(P12,P32,(P10+P30+P12+P32)/4,(P12+P32+P14+P34)/4)
D4out=medium(P11,P13,P31,P33)
なお、medium()は、メディアン値を取得する関数である。medium()は、要素数が偶数の場合、中央の2つの値の平均値をとるものとする。
【0234】
また、注目画素が第1色成分画素以外の場合も、上記と同様の方法により処理することで、メディアン補間処理を実行することができる。
【0235】
≪平均値補間(カラー画像領域用)≫
相関方向決定部2により注目画素について「垂直、水平の両方向において相関が高い」と判定された場合、補間部3は、以下の数式に相当する処理により、注目画素についての画素補間処理を行う。
【0236】
注目画素(中心画素)が第1色成分画素である場合、補間部3は、以下の数式に相当する処理により、D1out、D2out、D3out、D4outを取得する。
【0237】
D1out=P22
D2out=(P21+P23)/2
D3out=(P12+P32)/2
D4out=(P11+P13+P31+P33)/4
なお、注目画素が第1色成分画素以外の場合も、上記と同様の方法により処理することで、カラー画像領域用の平均値補間処理を実行することができる。
【0238】
以上の処理により、補間部3では、画素ごとに、D1out、D2out、D3out、D4outが取得される。そして、取得されたD1out、D2out、D3out、D4outにより形成される画像(画素ごとに4つの色成分値(第1色成分値、第2色成分値、第3色成分値、第4色成分値)を持つ画像信号)が、補間部3から出力される。
【0239】
以上のように、撮像装置1000では、画素補間処理部100により、色フィルタ配列のパターン(カラーフィルタを構成する色の情報)が未知である場合であっても、適切な画素補間処理が実行される。
【0240】
つまり、撮像装置1000の画素補間処理部100では、相関が高い方向(相関方向)と直交する方向(相関方向の法線方向)における画素信号の高周波成分は、カラーフィルタの色に関係なく、相関が高い(類似する)ことを利用し、注目画素について、第1色〜第4色成分画素値を取得するので、カラーフィルタの4つの色(第1色〜第4色)がどのような色であるかが不明であっても、適切に画素補間処理を実行することができる。また、撮像装置1000の画素補間処理部100では、カラーフィルタの配列パターンから、同一色の画素を用いて、ラプラシアン成分を取得し、取得したラプラシアン成分を用いて、所定の位置の画素の特定の色成分値を推定するので、色フィルタ配列のパターン(カラーフィルタを構成する色の情報)が未知である場合であっても、適切に、所定の位置の画素の特定の色成分値を推定(取得)することができる。
【0241】
つまり、撮像装置1000の画素補間処理部100では、このようにラプラシアン成分に基づいて、取得した所定の位置の画素の特定の色成分値を用い、さらに、相関が高い方向(相関方向)と直交する方向(相関方向の法線方向)における画素信号の高周波成分がカラーフィルタの色に関係なく、相関が高い(類似する)ことを利用して、画素補間処理を実行するので、従来技術に比べて、格段に精度の良い画素補間処理を実現することができる。
【0242】
そして、撮像装置1000の画素補間処理部100では、色フィルタ配列のパターンについての情報(カラーフィルタを構成する色の情報)が不要であるので、従来技術のように、注目画素の色により場合分けして、画素補間処理を行う必要がない。したがって、撮像装置1000の画素補間処理部100では、少ない演算量で、高精度な画素補間処理を実現することができる。
【0243】
[他の実施形態]
上記実施形態では、画素補間処理を実数演算により実行する場合を想定して説明している部分があるが、整数演算により、画素補間処理を実行するようにしてもよい。また、画素補間処理において、所定のビット数を使用した場合の制約や、所定のダイナミックレンジ内で処理を実行するために、適宜、ゲイン調整やクリップ処理を実行するようにしてもよい。
【0244】
上記実施形態の撮像装置の一部または全部は、集積回路(例えば、LSI、システムLSI等)として実現されるものであってもよい。
【0245】
上記実施形態の各機能ブロックの処理の一部または全部は、プログラムにより実現されるものであってもよい。そして、上記実施形態の各機能ブロックの処理の一部または全部は、コンピュータにおいて、中央演算装置(CPU)により行われる。また、それぞれの処理を行うためのプログラムは、ハードディスク、ROMなどの記憶装置に格納されており、ROMにおいて、あるいはRAMに読み出されて実行される。
【0246】
また、上記実施形態の各処理をハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア(OS(オペレーティングシステム)、ミドルウェア、あるいは、所定のライブラリとともに実現される場合を含む。)により実現してもよい。さらに、ソフトウェアおよびハードウェアの混在処理により実現しても良い。なお、上記実施形態に係る撮像装置をハードウェアにより実現する場合、各処理を行うためのタイミング調整を行う必要があるのは言うまでもない。上記実施形態においては、説明便宜のため、実際のハードウェア設計で生じる各種信号のタイミング調整の詳細については省略している。
【0247】
また、上記実施形態における処理方法の実行順序は、必ずしも、上記実施形態の記載に制限されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で、実行順序を入れ替えることができるものである。
【0248】
前述した方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、本発明の範囲に含まれる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、大容量DVD、次世代DVD、半導体メモリを挙げることができる。
【0249】
上記コンピュータプログラムは、上記記録媒体に記録されたものに限られず、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク等を経由して伝送されるものであってもよい。
【0250】
なお、本発明の具体的な構成は、前述の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更および修正が可能である。