特開2015-122735(P2015-122735A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 財團法人工業技術研究院の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-122735(P2015-122735A)
(43)【公開日】2015年7月2日
(54)【発明の名称】無線リンク障害に対処する方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/04 20090101AFI20150605BHJP
   H04W 16/32 20090101ALI20150605BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20150605BHJP
【FI】
   H04W76/04
   H04W16/32
   H04W72/04 111
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2014-225773(P2014-225773)
(22)【出願日】2014年11月6日
(31)【優先権主張番号】61/901,449
(32)【優先日】2013年11月8日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/530,841
(32)【優先日】2014年11月3日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】390023582
【氏名又は名称】財團法人工業技術研究院
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】陳 宏鎮
(57)【要約】      (修正有)
【課題】無線通信システム内の通信デバイスにより無線リンク障害(Radio Link Failure:RLF)に対処する方法を提供する。
【解決手段】プロセス50は、通信デバイスがデュアル接続でのRLFに対処する場合に用いられる。プロセス50は、第1の基地局(eNB)及び第2の基地局を含む少なくとも2つの基地局に接続するステップ510と、第1の基地局に関するRLFを検出するステップ520と、第1の基地局に関連するRLF原因レポートを第2の基地局へ送信するステップ530とを含む。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システム内の通信デバイスにより無線リンク障害(Radio Link Failure:RLF)に対処する方法であって、
前記無線通信システムに含まれる第1の基地局及び第2の基地局を含む少なくとも2つの基地局に接続するステップと、
前記第1の基地局に関するRLFを検出するステップと、
前記第1の基地局に関連するRLF原因レポートを前記第2の基地局へ送信するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記RLF原因レポートを送信した後に、前記第1の基地局とのデータの送信及び/又は受信を停止するステップ、又は、
前記RLF原因レポートを送信した後に、前記第1の基地局への信号伝送を停止するステップ、又は、
前記第1の基地局に関する構成をリリースするステップ、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の基地局との無線リンクを再開するステップ、又は、
無線リソース制御(Radio Resource Control:RRC)接続再確立プロシージャを実行するステップ、又は、
前記第1の基地局がモビリティ・マネジメント・エンティティ(MME)に対してインターフェースを確立しない場合に、前記第1の基地局の無効化を実行するステップ、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の基地局との無線リンクを再開する前記ステップが更に含まれる場合に、
前記第2の基地局からコマンド又は構成を受信するステップと、
前記コマンド又は前記構成に応答して、前記第1の基地局との前記無線リンクを再開するステップと、
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
RRC接続再確立プロシージャを実行する前記ステップが更に含まれる場合に、
前記第1の基地局と前記第2の基地局の両方に関するRLFを検出した場合、又は、モビリティ・マネジメント・エンティティ(MME)とのインターフェースを確立する前記第1の基地局に関するRLFが検出され、後に前記第2の基地局が無効化される場合、又は、前記MMEとのインターフェースを有さない前記第1の基地局に関するRLFが検出され、前記MMEに対するインターフェースを確立する前記第2の基地局が後に前記通信デバイスのRRC接続をリリースする場合、又は、RLFによりトリガされたタイマーが満了した場合、前記RRC接続再確立プロシージャを実行するステップ、
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の基地局がMMEに対してインターフェースを確立しない場合に前記第1の基地局の無効化を実行する前記ステップが含まれる場合に、
前記第2の基地局からコマンド又は構成を受信するステップと、
前記コマンド又は前記構成に応答して、前記第1の基地局の無効化を実行するステップと、
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記RLF原因レポートは、前記RLFが物理的な無線リンク問題により発生したという情報、又は、RLC再送信回数が最大再送信閾値を超えたという情報、又は、ランダムアクセスプロシージャが失敗したという情報を含む、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
無線通信システム内の第1の基地局により無線リンク障害(Radio Link Failure:RLF)に対処する方法であって、
前記無線通信システムにおいて前記第1の基地局及び第2の基地局に接続される通信デバイスから、前記第2の基地局に関連するRLF原因レポートを受信するステップ、
を含む方法。
【請求項9】
前記RLF原因レポートを前記第2の基地局へ転送するステップ、
を更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の基地局が前記無線通信システムのモビリティ・マネジメント・エンティティ(Mobility Management Entity:MME)に対するインターフェースを確立し、前記第2の基地局が前記MMEへのインターフェースを確立しない場合に、前記第2の基地局を介する前記通信デバイスへのデータ転送を停止するステップ、又は、
前記第1の基地局が前記無線通信システムのモビリティ・マネジメント・エンティティ(Mobility Management Entity:MME)へのインターフェースを確立し、前記第2の基地局が前記MMEへのインターフェースを確立しない場合に、別の基地局を介してデータ転送を実行するステップ、
を更に含む、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の基地局と前記通信デバイスとの間の無線リンクを再開するように、前記通信デバイスを構成するステップ、
を更に含む、請求項8乃至10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
無線リソース制御(Radio Resource Control:RRC)接続再確立プロシージャを実行するように、前記通信デバイスを構成するステップ、又は、
前記第1の基地局が前記無線通信システムのモビリティ・マネジメント・エンティティ(Mobility Management Entity:MME)へのインターフェースを確立する場合に、前記第2の基地局を無効化するステップ、又は、
前記第1の基地局が前記MMEへのインターフェースを確立する場合に、無線ベアラを前記第2の基地局から前記第1の基地局へ移動するために、S1−Uインターフェースを切り替えるステップ、
を更に含む、請求項8乃至10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
無線通信システム内の第1の基地局により無線リンク障害(Radio Link Failure:RLF)に対処する方法であって、
第2の基地局から、前記第1の基地局に関連するRLF原因レポートを受信するステップ、
を含み、
前記第1の基地局及び前記第2の基地局は、前記無線通信システムの同じ通信デバイスに接続される、
方法。
【請求項14】
前記第1の基地局が前記無線通信システムのモビリティ・マネジメント・エンティティ(Mobility Management Entity:MME)に対するインターフェースを確立する場合に、前記第2の基地局を介して前記通信デバイスへデータ送信を実行するステップ、又は、
前記通信デバイスへのデータ送信を停止するステップ、
を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記通信デバイスと前記第1の基地局との間の無線リンクを再開するように、前記通信デバイスを構成するステップ、
を更に含む、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
無線ベアラを前記第1の基地局から前記第2の基地局へ移動するために、S1−Uインターフェースを切り替えるステップ、又は、
S1−MMEインターフェースを前記第1の基地局から前記第2の基地局へ切り替えるステップ、又は、
無線リソース制御(Radio Resource Control:RRC)接続再確立プロシージャを実行するように、前記通信デバイスを構成するステップ、
を更に含む、請求項13乃至15のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システム内の通信デバイスに用いられる方法に関し、より詳細には、デュアル接続における無線リンク障害に対処する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPPのリリース12では、ユーザーのスループットを向上するためにデュアル接続が提案されている。少なくとも2つのセルへのデュアル接続は、非理想的バックホールに接続される異なるeNB(evolved Node B)により提供され、1つのeNBがセルの集合を管理する場合がある。したがって、ユーザーイクイップメント(UE)は、デュアル接続モードであるときは複数のeNBによりサービスを提供され得る。
【0003】
デュアル接続の枠組みのもとでは、各トラフィックタイプ、負荷状況、チャネル状況及びそれらの組合わせから成るQoS要件に応じて、トラフィック流は1つのeNBにより供されることもあり、1以上のeNBに分割(split)されることもある。無線ベアラの無線プロトコルがマスターeNB(以下MeNB)のみに位置付けられ、よってMeNBリソースしか利用できない場合、そのような無線ベアラはMeNB固有ベアラと定義される。MeNB固有ベアラに関して、MeNBは、S1−Uを介してS−GW(Serving Gateway)に接続されるU−plane(ユーザープレーン)である。無線ベアラの無線プロトコルがセカンダリーeNB(以下SeNB)のみに位置付けられ、よってSeNBリソースしか利用できない場合、そのような無線ベアラはSeNB固有ベアラと定義される。SeNB固有ベアラに関して、SeNBは、S1−Uを介してS−GWに直接的に接続される。無線ベアラの無線プロトコルがMeNBとSeNBの両方に位置付けられ、よってMeNBとSeNBの提供する無線リソースを両方とも利用できる場合、そのような無線ベアラは分割(split)(無線)ベアラと定義される。分割ベアラに関して、MeNBは、S1−Uを介してS−GWに接続されるU−planeである。詳細には、図1に、無線ベアラがMeNBとSeNBとに分割される構成を示す。図1は、MeNB及びSeNBのユーザープレーンのプロトコル階層を示す。図1では、無線ベアラRBのユーザープレーン・データがMeNBへ送信される。そして、共用されるMeNBのPDCP(packet data convergence protocol)エンティティが、ユーザープレーン・データのPDCP PDUを、UEへの送信のためにMeNBの無線リンク制御(Radio Link Control:RLC)エンティティとSeNBのRLCエンティティとに送る。以上のように、分割無線ベアラを用いると、UEはMeNBとSeNBの両方を介して無線ベアラのユーザープレーン・データを受信することができ、ユーザースループットが向上する。また、UEは、MeNBとSeNBの両方を介して無線ベアラのユーザープレーン・データを送信することができる。
【0004】
図2は、分割無線ベアラを用いる場合のデュアル接続のユーザープレーン・アーキテクチャを示す。図2に示すように、MeNBはS1−Uを介してS−GW(serving gateway)に接続され、X2を介してSeNBに接続され、Uuを介してUEに接続され、S1−MMEを介してMME(mobility management entity)に接続される。デュアル接続のMeNBはS1−MMEインターフェースの終点であり、したがって、コアネットワーク(CN)へのモビリティ・アンカーとして機能する。デュアル接続に関与するMeNBとSeNBとの間のX2インターフェースは、分割無線ベアラのユーザープレーン・データのPDCP PDUの送信を提供する。詳細には、ユーザープレーン・データは、S−GWからS1−Uを介してMeNBへ送信され、MeNBはユーザープレーン・データを、X2を介してSeNBへ分割する。このように、MeNBとSeNBは、分割無線ベアラのユーザープレーン・データを、Uuを介してUEへ同時に送信することができる。同様に、UEは、分割無線ベアラのユーザープレーン・データをMeNBとSeNBとに同時に送信することができる。MME及びS−GWの機能は当該技術分野において周知であるので、ここでは省略する。
【0005】
UEとeNBとの間では、無線リンク障害(Radio Link Failure:RLF)が発生するおそれがある。UEは、T310が満了した場合、T300、T301、T304及びT311のいずれも動作していない間にMACからランダムアクセス障害の指摘があった場合、或いは、再送信回数が最大値に達したとRLCから指摘があった場合に、RLFが検出されたと認識し得る。要するにUEは、物理的な無線リンク障害と、RACHプロシージャ障害と、再送信閾値を超えるRLC再送信とが発生した場合に、RLFが検出されたと認識する。UEは、RLFを検出した後、ASセキュリティが有効化されていない場合は無線リソース制御(Radio Resource Control:RRC)接続モードを維持し、そうでない場合は、RRC接続再確立プロシージャを開始する。
【0006】
現在の仕様によれば、eNBに関するRLFが検出された場合、UEはeNBに対してRRC接続再確立を実行する。再確立が失敗した場合、UEはRRC接続要求に対してセル(再)選択プロシージャを実行し(これにより不通が生じるおそれがある)、インターフェースS1−MMEはその後再確立される。しかしながら、デュアル接続では、まだ別のeNBとUEとの間に利用可能な無線リンクが存在する可能性がある。よって、RRC接続再確立やS1−MME再確立、S1シグナリング(S1−MME再確立により生じる)は不要である場合があり、不通を回避できる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願は、上記の課題を解決するために、デュアル接続における無線リンク障害(Radio Link Failure:RLF)に対処する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、請求項1,8及び13に係る、デュアル接続における無線リンク障害(Radio Link Failure:RLF)に対処する方法により達成される。それらの従属請求項は、対応する更なる発展及び改善に関連する。
【0009】
以下に記載する詳細な説明からより明確に理解されるように、特許請求の範囲に記載の、無線通信システムに含まれる通信デバイスにより無線リンク障害(Radio Link Failure:RLF)に対処する方法は、無線通信システムに含まれる第1の基地局及び第2の基地局を含む少なくとも2つの基地局に接続するステップと、該第1の基地局に関するRLFを検出するステップと、該第1の基地局に関連するRLF原因レポートを該第2の基地局へ送信するステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】分割無線ベアラを用いる場合のMeNB及びSeNBのユーザープレーン・プロトコル階層を示す概略図である。
図2】分割無線ベアラを用いる場合のデュアル接続のユーザープレーン・アーキテクチャを示す概略図である。
図3】無線通信システムの概略図である。
図4】例示的な通信デバイスの概略図である。
図5】本開示に係る例示的プロセスを示すフローチャートである。
図6】本開示に係る例示的プロセスを示すフローチャートである。
図7】本開示に係る例示的プロセスを示すフローチャートである。
図8】例示的な実施形態の概略図である。
図9】例示的な実施形態の概略図である。
図10】例示的な実施形態の概略図である。
図11】例示的な実施形態の概略図である。
図12】例示的な実施形態の概略図である。
図13】例示的な実施形態の概略図である。
図14】例示的な実施形態の概略図である。
図15】例示的な実施形態の概略図である。
図16】例示的な実施形態の概略図である。
図17】例示的な実施形態の概略図である。
図18】例示的な実施形態の概略図である。
図19】例示的な実施形態の概略図である。
図20】例示的な実施形態の概略図である。
図21】例示的な実施形態の概略図である。
図22】例示的な実施形態の概略図である。
図23】例示的な実施形態の概略図である。
図24】例示的な実施形態の概略図である。
図25】例示的な実施形態の概略図である。
図26】例示的な実施形態の概略図である。
図27】例示的な実施形態の概略図である。
図28】例示的な実施形態の概略図である。
図29】例示的な実施形態の概略図である。
図30】例示的な実施形態の概略図である。
図31】例示的な実施形態の概略図である。
図32】例示的な実施形態の概略図である。
図33】例示的な実施形態の概略図である。
図34】例示的な実施形態の概略図である。
図35】例示的な実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図3は、無線通信システム30の概略図である。無線通信システム30は、LTE/LTE−Advancedシステム等のモバイル通信システムであり、簡潔に言えば、少なくとも2つのネットワークノード、すなわちマスターeNB(以下MeNB)及びセカンダリーeNB(以下SeNB)と、ユーザーイクイップメント(UE)とを含む。図3は、無線通信システム30の構造を説明するのに用いられるに過ぎず、UE及びeNBの数はこれに限定されない。UEは、携帯電話、コンピューターシステム、マシン型デバイス等のデバイスであってよい。ネットワークノードすなわちeNBは、基地局とみなされてよい。更に、ネットワークノード及びUEは、送信方向に従って送信機とみなすことも受信機とみなすこともできる。例えば、アップリンク(UL)では、UEが送信機であり、ネットワークノードが受信機である。ダウンリンク(DL)では、ネットワークノードが送信機であり、UEが受信機である。
【0012】
図4は、例示的な通信デバイス40の概略図である。通信デバイス40は、図3に示されるUE、MeNB又はSeNBであってよい。通信デバイス40は、マイクロプロセッサや特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)等の処理手段400と、記憶ユニット410と、通信インターフェースユニット420とを有してよい。記憶ユニット410は、プログラムコード414を記憶可能であり処理手段400によりアクセスされる任意のデータ記憶デバイスであってよい。記憶ユニット410の例としては、加入者識別モジュール(Subscriber Identity Module:SIM)、読み出し専用メモリ(read-only memory:ROM)、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ(random-access memory:RAM)、CD−ROM、磁気テープ、ハードディスク、光学データ記憶デバイスが挙げられる。通信インターフェースユニット420は、好ましくは無線送受信機であり、処理手段400の処理結果に従って、ネットワーク(すなわちE−UTRAN)と無線信号を交換することができる。
【0013】
図5は、本開示の一実施例に係るプロセス50のフローチャートである。プロセス50は、図3のUEがデュアル接続での無線リンク障害(Radio Link Failure:RLF)に対処する場合に用いられる。プロセス50は、プログラムコード414にコンパイルされて、記憶ユニット410に記憶されてよい。また、プロセス50は以下のステップを含んでよい。
【0014】
ステップ500:開始。
【0015】
ステップ510:第1のeNB及び第2のeNBを含む少なくとも2つのeNBに接続する。
【0016】
ステップ520:第1のeNBに関するRLFを検出する。
【0017】
ステップ530:第1のeNBに関連するRLF原因レポートを第2のeNBへ送信する。
【0018】
ステップ540:終了。
【0019】
プロセス50によれば、信号品質の低さを要因とするRLF又はネットワーク輻輳を要因とするRACHプロシージャ障害を、デュアル接続に関与するeNBのうち1つに検出した場合、UEはすぐには無線リソース制御(Radio Resource Control:RRC)接続再確立を実行せずに、RLFを有するeNBに関連するRLF原因レポートを送信して、RLFを有さない他のeNBに通知する。すなわち本発明が提案するのは、デュアル接続に含まれるUEを対象とする新しいRLF対処プロセスであり、UEとの間で利用可能な無線リンクを有するeNBがひとつでもある場合は、不通を引き起こすおそれのあるRRC接続再確立のトリガを回避する。
【0020】
RLF原因レポートは、例えば以下の情報を含んでよい。
【0021】
RLF原因Aは、物理的な無線リンク問題を示す。
【0022】
RLF原因Bは、RLC再送信が最大再送信閾値を超えたことを示す。
【0023】
RLF原因Cは、RACHプロシージャの失敗を示す。
【0024】
UEがRRC接続再確立プロシージャを実行するのは、デュアル接続に関与する全てのeNBに関してRLFが検出された場合、MeNBに関するRLFが検出されその後SeNBが無効化された場合、SeNBに関するRLFが検出されその後MeNBがUEとのRRC接続をリリースした場合、或いは、RLFによりトリガされたタイマーが満了した場合のみである。
【0025】
更に、UEは、RLF原因レポートをRLFを有さないeNBへ通知した後、RLFを有するeNBとのデータ/信号(すなわちSRS(sounding reference signal))の送受信を停止し、RLFを有するeNBに関連する構成(すなわちSRS構成又はCSI構成)をリリースしてよい。代替的に、UEは、RLFを有するeNBの測定を実行して、RLFを有するeNBとの無線リンクを再開するか否かを決定してよい。
【0026】
図6は、本開示の一実施例に係るプロセス60のフローチャートである。プロセス60は、第1のeNB(すなわち図3のMeNB又はSeNB)がデュアル接続での無線リンク障害(Radio Link Failure:RLF)に対処する場合に用いられる。プロセス60はプログラムコード414にコンパイルされて、記憶ユニット410に記憶されてよい。また、プロセス60は、以下のステップを含んでよい。
【0027】
ステップ600:開始。
【0028】
ステップ610:デュアル接続に関与する第2のeNBに関連するRLF原因レポートをUEから受信する。
【0029】
ステップ620:終了。
【0030】
プロセス60によれば、RLFを有さない第1のeNBは、RLFを有する第2のeNBに関連するRLF原因レポートをUEから受信する。更に、第1のeNBは、RLF原因レポートを第2のeNBへ(すなわち、図2のX2インターフェースを介して)転送してよい。
【0031】
第2のeNBが図2のMMEに対するS1−MMEインターフェースを確立するMeNBでなく、第1のeNBがMeNBである場合、第1のeNBは、第2のeNBを介するデータ転送を停止してよい。更に、第1のeNBは、第2のeNBを測定しRLF原因が消失したか否かを決定するために、測定コマンドをUEへ送信して、第2の基地局とUEとの間の無線リンクを回復してよい。代替的に、第1のeNBは、QoS要件、システム付加及び/又は第1のeNBのバックホール待ち時間に基づいて、無線ベアラを第2のeNBから第1のeNBへ切り替えてもよいし、RRC接続再確立を実行するようにUEを構成してもよいし、第2のeNBを無効化してもよい。
【0032】
図7は、本開示の一実施例に係るプロセス70のフローチャートである。プロセス70は、第1のeNB(すなわち図3のMeNB又はSeNB)がデュアル接続での無線リンク障害(RLF)に対処する場合に用いられる。プロセス70は、プログラムコード414にコンパイルされて、記憶ユニット410に記憶されてよい。また、プロセス70は以下のステップを含んでよい。
【0033】
ステップ700:開始。
【0034】
ステップ710:第1のeNBに関連するRLF原因レポートを、デュアル接続に関与する第2のeNBから受信する。
【0035】
ステップ720:終了。
【0036】
プロセス70によれば、第1のeNBは、第1のeNBに関連するRLF原因レポートを第2のeNBから受信する。第1のeNBがMeNBである場合、第1のeNBは第2のeNBを介してデータを送信してよい。更に、第1のeNBは、QoS要件、システム付加及び/又は第1のeNBのバックホール待ち時間に基づいて、UEとの無線リンクを回復してもよいし、第1のeNBの無線ベアラのS1−U及びS1−MMEを第1のeNBから第2のeNBへ切り替えてもよいし、RRC接続再確立を実行するようにUEを構成してもよい。代替的に、第1のeNBがSeNBである場合、第1のeNBは、UEへのデータ送信を停止してよい。
【0037】
図8〜35は、デュアル接続に関与するUE、MeNB及びSeNBのRLFオペレーションの詳細を示す。なお、本発明は、デュアル接続におけるRLFに対処する最適化された方法を開示し、分割無線ベアラ又は非分割無線ベアラをサポートするeNBに適用可能である。更に、MeNB及びSeNBには2つの制御プレーンオプションがある。第1の制御プレーンオプションでは、MeNBのみが、MeNBとSeNBとの無線リソース管理(Radio Resource Management:RRM)機能の連携の後に、UEへ送信される最終的なRRCメッセージを生成する。UEのRRCエンティティは、(MeNBの)1つのエンティティのみから来るメッセージを全て確認し、UEは当該エンティティのみに対して返信を行う。第2の制御プレーンオプションでは、MeNB及びSeNBが、MeNBとSeNBとのRRM機能の連携の後に、UEへ送信される最終的なRRCメッセージを生成することができる。RRCメッセージはUEへ直接的に送信されてよく、また、UEはそれに従って返信を行ってよい。
【0038】
第1の実施形態において、MeNBは分割無線ベアラをサポートする。アーキテクチャについては、図1〜2を参照することができる。以下の実施形態では、MeNB及びSeNBの第2の制御プレーンオプションが採用される。詳細には、図8に、デュアル接続におけるRLFオペレーションの実施形態を示す。図8では、UEはMeNB側に。その後、MeNBはUEに対してSeNBを追加して、UEをデュアル接続状態とする。デュアル接続において、MeNBとSeNBは、UEにサービスを提供するために、連携して情報交換を行う必要がある。UEは、MeNBに関するRLFを検出すると、MeNBとの送受信を停止し、上述のRLF原因A又はB(すなわち、物理的な無線リンク問題、又は、最大再送信閾値を超えるRLC再送信を示す)を含むRLF原因レポート(RLF Cause Report)をSeNBへ送信してよい。SeNBは、RLF原因レポートの情報をMeNBへ転送する。MeNBは、RLFが信号品質の低さを原因として発生したのか否かを確認する。そうであれば、MeNBとUEとの間のデータ/信号は、SeNBを介して送信される。更にSeNBは、MeNBを測定するために、測定コマンド(Measurement Command)をUEへ送信する。MeNBの測定結果がレポート閾値を超えることをUEが検出した場合、UEは測定レポート(Measurement Report)をSeNBへ送信し、SeNBは、無線リンク回復(Radio Link Recovery:RLR)メッセージによりMeNBに通知する。MeNBは、SeNBからRLRメッセージを受信した後、UEへのDL送信を再開することを決定した場合、SeNBを介して再開コマンド(Resume Command)をUEへ送信して、UEとの無線リンクを回復する。
【0039】
図9に示されるような実施形態では、MeNBは、SeNBからRLRメッセージを受信した後、UEへのDL送信を再開することを決定した場合、UEの構成の一部が変更される必要があれば、SeNBを介して当該MeNBの再構成をUEへ送信して、UEとの無線リンクを回復する。
【0040】
図9の実施形態とは異なり、図10の実施形態では、UEがMeNBに関するRLFを検出すると、MeNBとの送受信を停止し、MeNBの一部の構成(例えば、SRS構成及びCSI構成)をリリースする。
【0041】
図11に示される実施形態において、MeNBがSeNBからRLF原因レポートを受信した後、UEへのDL送信を再開することを決定した場合、まずMeNBが再開指示(Resume Indication)をSeNBへ送信し、それからSeNBが測定コマンドをUEへ送信する。
【0042】
上述した図8〜11の実施形態とは異なり、第1の制御プレーンオプションが適用されると、MeNBがUEとの間で送受信される全てのRRCメッセージを理解し生成する。詳細には、図12に示すように、UEはMeNBに関するRLFを検出した場合、MeNBへの送信を停止し、RLF原因レポートをSeNBへ送信してよい。SeNBは、このRLF原因レポートをMeNBへ直接転送する。RLF原因レポートがRLF原因A又はBを含むとすると、MeNBは、RLFが信号品質の低さを原因として発生したのか否かを確認する。そうである場合、MeNBとUEとの間のデータ及び信号は、SeNBを介して送信される。更に、MeNBは、SeNBを介して測定コマンドをUEへ送信して、UEにMeNB自体を測定させる。MeNBの測定結果がレポート閾値を超えることをUEが検出した場合、UEは測定レポートをSeNBへ送信し、SeNBは、この測定レポートをMeNBへ直接転送する。図12に示される後続のMeNB、SeNB及びUEの動作については、上記を参照することができるので、ここでは省略する。
【0043】
図13の実施形態において、UEがMeNBに関するRLFを検出した後、更にSeNBに関するRLFを検出した(すなわち、MeNBとSeNBの両方に関してRLFが検出された)場合、UEは、RRC接続再確立プロシージャを実行する。
【0044】
図14の実施形態において、UEは、RLF原因レポートを送信した後に、RRC接続再確立プロシージャに向けたタイマーを開始してよい。RRC接続再確立プロシージャに向けたタイマーが満了した(すなわち、タイムアップした)場合、UEは、RRC接続再確立プロシージャを実行する。タイマーは予め定められてもよいし、MeNB又はSeNBにより専用のメッセージから割り当てられてもよいし、MeNB又はSeNBによりブロードキャストされてもよい。
【0045】
上述した図8〜14の実施形態とは異なり、図15の実施形態では、RLF原因レポートはRLF原因C(すなわち、RACHプロシージャの失敗を示す)を含む。MeNBは、RLFがネットワーク輻輳により発生したのか否かを確認する。そうである場合、MeNBとUEとの間のデータ及び信号は、SeNBを介して送信される。また、MeNBの輻輳が緩和された場合、MeNBはMeNB有効化指示(MeNB Activation Indication)をSeNBへ送信し、SeNBはこのMeNB有効化指示をUEへ転送する。UEは、MeNB有効化指示を受信した後、MeNBに対して有効化プロシージャを実行する。
【0046】
図16の実施形態において、UEは、RLF原因レポートを送信した後、更にSeNBに関するRLFを検出した(すなわち、MeNBとSeNBの両方に関してRLFが発生する)場合、RRC接続再確立プロシージャを実行する。
【0047】
上述した図8〜16の実施形態とは異なり、RLFは、MeNBではなくSeNBで検出されてよい。詳細には、図17に示すように、UEはSeNBに関するRLFを検出した場合、SeNBとの送受信を停止し、RLF原因A又はBを含むRLF原因レポートをMeNBへ送信してよい。MeNBは、RLF原因レポートの情報をSeNBへ転送してよい。更に、MeNBは、SeNBを介したUEへのデータ及び信号の送信を停止する。SeNBはまた、UEへのDLデータ送信を停止する。MeNBはまた、SeNBを測定するために、測定コマンドをUEへ送信する。SeNBの測定結果がレポート閾値を超えることをUEが検出した場合、UEは測定レポートをMeNBへ送信し、MeNBはRLR指示によりSeNBに通知する。SeNBは、UEへのDL送信を再開することを決定した場合、RLR ACKをMeNBへ送信する。MeNBは、SeNBからRLR ACKを受信した後、再開コマンドをUEへ送信して、無線リンクを回復する。
【0048】
代替的に、図18では、UEはSeNBに関するRLFを検出すると、SeNBとの送受信を停止し、RLF原因レポートをMeNBへ送信する。MeNBは、SeNB排除コマンド(SeNB Removal Command)を送信して、SeNBを無効化してよい。
【0049】
第2の実施形態において、MeNBは、図19に示す分割無線ベアラRB1及びMeNB固有ベアラRB2をサポートする。また、第2の制御プレーンオプションが適用される。詳細には、図20に示すように、UEはMeNBに関するRLFを検出した場合、MeNBへの送信を停止し、RLF原因A又はBを含むRLF原因レポートをSeNBへ送信してよい。SeNBは、RLF原因レポートの情報をMeNBへ転送する。MeNBは、RLFが信号品質の低さを原因として発生したのか否かを確認し、また、MeNB固有ベアラの要件がSeNBを介するデータ送信中に満たされ得るかを確認する。MeNB固有ベアラの要件がSeNBを介するデータ送信中に満たされ得る場合、MeNBは、ベアラ・ハンドオーバー要求(Bearer HO Request)をSeNBへ送信する。SeNBによりベアラ・ハンドオーバーACK(Bearer HO ACK)が返されると、MeNBとUEとの間のデータ及び信号は、SeNBを介して送信される。また、MeNBを測定するために、SeNBは測定コマンドをUEへ送信する。MeNBの測定結果がレポート閾値を超えることをUEが検出した場合、UEは測定レポートをSeNBへ送信し、SeNBはRLRメッセージによりMeNBに通知する。MeNBは、SeNBからRLRメッセージを受信した後、UEへのDL送信を再開することを決定した場合、再構成をSeNBを介してUEへ送信して、無線リンクを回復する。更に、MeNBは、別のベアラ・ハンドオーバー要求(Bearer HO Request)をSeNBへ送信して、一部の無線ベアラを自身に切替復帰させてよい。
【0050】
代替的に、図21に示すように、MeNB固有ベアラの要件がSeNBを介するデータ送信中に満たされ得る場合であっても、SeNBはベアラ・ハンドオーバーNACK(Bearer HO NACK)を返してよい。その場合、MeNBはSeNB排除コマンドをSeNBへ送信する。SeNBは、このSeNB排除コマンドを受信した後、それに応じてRRC接続リリース(RRC Connection Release)を送信する。UEは、MeNBにまだRLFが存在する間にSeNBからRRC接続リリースを受信した場合、RRC接続再確立プロシージャを実行する。
【0051】
図22の実施形態において、SeNBがベアラ・ハンドオーバーNACK(Bearer HO NACK)を返す場合、MeNBは経路切替プロシージャを実行して、S1−MMEをMeNBからSeNBに切り替える(すなわち、MeNBとUEとの間のS1−MMEを除去し、新しいS1−MMEをSeNBとUEとの間で確立する)。
【0052】
図23の実施形態において、MeNB固有ベアラの要件がSeNBを介するデータ送信中に満たされ得ない場合、MeNBはSeNB排除コマンドをSeNBへ送信する。SeNBは、このSeNB排除コマンドを受信した後、それに応じてRRC接続リリースを送信する。UEは、MeNBにまだRLFが存在する間にSeNBからRRC接続リリースを受信した場合、RRC接続再確立プロシージャを実行する。
【0053】
図24の実施形態において、MeNB固有ベアラの要件がSeNBを介するデータ送信中に満たされ得ない場合、MeNBは経路切替プロシージャを実行して、S1−MMEをMeNBからSeNBに切り替える(すなわち、MeNBとUEとの間のS1−MMEを除去し、新しいS1−MMEをSeNBとUEとの間で確立する)。
【0054】
図20〜24の実施形態とは異なり、図25の実施形態では、RLF原因レポートはRLF原因Cを含む。MeNBは、RLFがネットワーク輻輳により発生したのか否かを確認し、また、MeNB固有ベアラの要件がSeNBを介するデータ送信中に満たされ得るかを確認する。MeNB固有ベアラの要件がSeNBを介するデータ送信中に満たされ得る場合、MeNBは、ベアラ・ハンドオーバー要求(Bearer HO Request)をSeNBへ送信する。SeNBによりベアラ・ハンドオーバーACK(Bearer HO ACK)が返されると、MeNBとUEとの間のデータ及び信号は、SeNBを介して送信される。一方、MeNBの輻輳が緩和された場合、MeNBはMeNB有効化指示を送信し、SeNBはこのMeNB有効化指示をUEへ転送する。UEは、MeNB有効化指示を受信した後、MeNBに対して有効化プロシージャを実行する。
【0055】
一方、図26では、SeNBがベアラ・ハンドオーバーNACK(Bearer HO NACK)を返した場合、MeNBはSeNB排除コマンドをSeNBへ送信する。SeNBは、このSeNB排除コマンドを受信した後、それに応じてRRC接続リリースを送信する。UEは、MeNBにまだRLFが存在する間にSeNBからRRC接続リリースを受信した場合、RRC接続再確立プロシージャを実行する。
【0056】
図27の実施形態において、MeNBは、MeNB固有ベアラの要件がSeNBを介するデータ送信中に満たされ得るか否かを確認してよい。MeNB固有ベアラの要件がSeNBを介するデータ送信中に満たされ得る場合、MeNBは、ベアラ・ハンドオーバー要求(Bearer HO Request)をSeNBへ送信する。SeNBがベアラ・ハンドオーバーNACK(Bearer HO NACK)を返した場合、MeNBは経路切替プロシージャを実行して、S1−MMEをMeNBからSeNBに切り替える(すなわち、S1−MMEはSeNBとUEとの間に確立される)。
【0057】
代替的に、図28では、MeNB固有ベアラの要件がSeNBを介するデータ送信中に満たされ得ない場合、MeNBはSeNB排除コマンドをSeNBへ送信する。SeNBは、このSeNB排除コマンドを受信した後、それに応じてRRC接続リリースを送信する。UEは、MeNBにまだRLFが存在する間にSeNBからRRC接続リリースを受信した場合、RRC接続再確立プロシージャを実行する。
【0058】
図29の実施形態において、MeNB固有ベアラの要件がSeNBを介するデータ送信中に満たされ得ない場合、MeNBは経路切替プロシージャを実行して、S1−MMEをMeNBからSeNBに切り替える(すなわち、S1−MMEはSeNBとUEとの間に確立される)。
【0059】
図30に示す第3の実施形態では、eNBはMeNB固有ベアラ及びSeNB固有ベアラのみをサポートし、分割無線ベアラをサポートしない。また、第2の制御プレーンオプションが適用される。詳細には、図31に示すように、UEはMeNBに関するRLFを検出した場合、MeNBへの送信を停止し、RLF原因A又はBを含むRLF原因レポートをSeNBへ送信してよい。SeNBは、RLF原因レポートの情報をMeNBへ転送する。MeNBは、RLFが信号品質の低さを原因として発生したのか否かを確認する。そうである場合、MeNBは、ベアラ・ハンドオーバー要求(Bearer HO Request)をSeNBへ送信する。SeNBによりベアラ・ハンドオーバーACK(Bearer HO ACK)が返されると、経路切替プロシージャ(MeNBからMMEへのベアラ経路切替要求(ベアラ経路をMeNBからSeNBへ変更することをS−GWに通知するため)と、MMEからMeNBへのベアラ経路切替ACKと、MeNBからSeNBへのベアラ経路切替ACKの転送(ベアラ経路切替の完了を通知するため)とを含む)が実行されて、無線ベアラをMeNBからSeNBへ移動するS−GWに通知される。更に、MeNBを測定するために、SeNBは測定コマンドをUEへ送信する。MeNBの測定結果がレポート閾値を超えることをUEが検出した場合、UEは測定レポートをSeNBへ送信し、SeNBはRLRメッセージによりMeNBに通知する。MeNBは、SeNBからRLRメッセージを受信した後、UEへのDL送信を再開することを決定した場合、再構成をSeNBを介してUEへ送信して、無線リンクを回復する。
【0060】
代替的に、図32では、SeNBがベアラ・ハンドオーバーNACK(Bearer HO NACK)を返した場合、MeNBはSeNB排除コマンドをSeNBへ送信する。SeNBは、このSeNB排除コマンドを受信した後、それに応じてRRC接続リリースを送信する。UEは、MeNBにまだRLFが存在する間にSeNBからRRC接続リリースを受信した場合、RRC接続再確立プロシージャを実行する。
【0061】
図31及び32の実施形態とは異なり、図33に示すように、RLF原因レポートはRLF原因Cを含む。MeNBは、RLFがネットワーク輻輳により発生したのか否かを確認する。そうである場合、MeNBはベアラ・ハンドオーバー要求をSeNBへ送信する。SeNBによりベアラ・ハンドオーバーACK(Bearer HO ACK)が返されると、経路切替プロシージャ(MeNBからMMEへのベアラ経路切替要求(ベアラ経路をMeNBからSeNBへ変更することをS−GWに通知するため)と、MMEからMeNBへのベアラ経路切替ACKと、MeNBからSeNBへのベアラ経路切替ACKの転送(ベアラ経路切替の完了を通知するため)とを含む)が実行されて、ベアラをMeNBからSeNBへ移動させるS−GWに通知する。また、MeNBの輻輳が緩和された場合、MeNBはMeNB有効化指示を送信し、SeNBはこのMeNB有効化指示をUEへ転送する。UEは、MeNB有効化指示を受信した後、MeNBに対して有効化プロシージャを実行する。
【0062】
一方、図34に示すように、SeNBがベアラ・ハンドオーバーNACK(Bearer HO NACK)を返した場合、MeNBはSeNB排除コマンドをSeNBへ送信する。SeNBは、このSeNB排除コマンドを受信した後、それに応じてRRC接続リリースを送信する。UEは、MeNBにまだRLFが存在する間にSeNBからRRC接続リリースを受信した場合、RRC接続再確立プロシージャを実行する。
【0063】
図35の実施形態において、MeNBは、RLF原因レポートを受信した後、ベアラをSeNBへ切り替えないと決定した場合、SeNB排除コマンドをSeNBへ送信する。SeNBは、このSeNB排除コマンドを受信した後、それに応じてRRC接続リリースを送信する。UEは、MeNBにまだRLFが存在する間にSeNBからRRC接続リリースを受信した場合、RRC接続再確立プロシージャを実行する。
【0064】
上述のプロセスのステップ(示唆されるステップを含む)は、ハードウェア、ファームウェア(ハードウェアデバイスと、読み出し専用ソフトウェアとしてハードウェアデバイス上に存在するコンピューター命令及びデータとの組み合わせとして知られる)、電子システム等の手段により実現することができる。ハードウェアの例としては、超小型回路、マイクロチップ又はシリコンチップとして知られるアナログ回路、デジタル回路、混合回路が挙げられる。電子システムの例としては、システム・オン・チップ(SoC)、システム・イン・パッケージ(SiP)、コンピューター・オン・モジュール(CoM)、通信デバイス40が挙げられる。
【0065】
結論として、本発明は、デュアル接続システムのRLFに関する不便な点に対処する。UEは、UEとデュアル接続に関与するeNBとの間にまだ利用可能な無線リンクが存在する場合に、不要なRRC接続再確立プロシージャの実行を回避し、S1シグナリング及び不通を低減するものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
【外国語明細書】
2015122735000001.pdf