【解決手段】(A)イヌリン、(B)レモン果汁、ライム果汁、及びグレープフルーツ果汁からなる群より選択される少なくとも1種の柑橘系果汁、(C)アセスルファムカリウム、ステビア、ネオテーム、及びスクラロースからなる群より選択される少なくとも1種の甘味料、並びに(D)オレウロペインを含む、経口組成物。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、効率的にオレウロペインの苦味をマスキングする方策を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、驚くべき事に、(A)イヌリン、(B)レモン果汁、ライム果汁、及びグレープフルーツ果汁からなる群より選択される少なくとも1種の柑橘系果汁、(C)アセスルファムカリウム、ステビア、ネオテーム、及びスクラロースからなる群より選択される少なくとも1種の甘味料、並びに(D)オレウロペインを含む、組成物においては、オレウロペインの苦味が効果的にマスキングされることを見出し、さらに改良を重ねて本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明は例えば以下の項に記載の主題を包含する。
項1.
(A)イヌリン、
(B)レモン果汁、ライム果汁、及びグレープフルーツ果汁からなる群より選択される少なくとも1種の柑橘系果汁、
(C)アセスルファムカリウム、ステビア、ネオテーム、及びスクラロースからなる群より選択される少なくとも1種の甘味料、並びに
(D)オレウロペイン
を含む、経口組成物。
項2.
(D)成分1質量部に対して、(A)成分が35質量部以上含まれる、項1に記載の経口組成物。
項3.
(D)成分1質量部に対して、(B)成分が15質量部以上含まれる、項1又は2に記載の経口組成物。
項4.
(D)成分1質量部に対して、(C)成分が0.1〜10質量部含まれる、項1〜3のいずれかに記載の経口組成物。
【0009】
項A.
(A)イヌリン、
(B)レモン果汁、ライム果汁、及びグレープフルーツ果汁からなる群より選択される少なくとも1種の柑橘系果汁、並びに
(C)アセスルファムカリウム、ステビア、ネオテーム、及びスクラロースからなる群より選択される少なくとも1種の甘味料
を、オレウロペインに適用することにより、オレウロペインの苦味をマスキングする方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、効率的にオレウロペインの苦味をマスキングすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明について、さらに詳細に説明する。
【0012】
本発明は、(A)イヌリン、(B)レモン果汁、ライム果汁、及びグレープフルーツ果汁からなる群より選択される少なくとも1種の柑橘系果汁、(C)アセスルファムカリウム、ステビア、ネオテーム、及びスクラロースからなる群より選択される少なくとも1種の甘味料、並びに(D)オレウロペインを含む、経口組成物に係る。なお、以下これらの成分については、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分などと呼ぶことがある。また、本発明において経口組成物は適用時に口の中に含まれる組成物を意味し、当該組成物はそのまま経口摂取されてもよいし、口内から除去されてもよい。具体的には食品組成物、口腔用組成物、経口医薬組成物等が例示できる。
【0013】
イヌリンは、果糖分子若しくはβ(2,1)結合している果糖分子が、スクロースのフラクトース側にα(1,2)結合しているフラクタン系炭水化物構造を有している多糖類で、天然界には、チコリ、ゴウボウ、アンティチョ−ク、菊芋などのキク科植物の塊茎や根、タマネギ、ニンニク、ニラ、アスパラガスなどのユリ科植物、ブルーアガベなどのリュウゼツラン科植物において含有量が多いことが知られている。また、酵素(フルコトシルトランスフェラーゼ)を利用して工業的に合成する方法も開発されている。また、市販品も多く存在しており、例えば「オラフティシリーズ」(ベネオ社製、チコリ由来天然イヌリン)、「フジFFシリーズ」(フジ日本精糖(株)社製、酵素合成法)、「アガベイヌリン」(イデア社製、リュウゼツラン由来天然イヌリン)として入手できる。これらを本発明に用いることもできる。
【0014】
レモン果汁、ライム果汁、グレープフルーツ果汁としては、各果物からの搾汁を用いてもよいし、濃縮果汁を用いてもよい。濃縮果汁を用いることが好ましい。特に制限されないが、濃縮果汁を用いる際は、2〜8倍程度の濃縮果汁が好ましい。2、3、4、5、6、7又は8倍程度の濃縮果汁を好ましく用い得る。なお、これらの柑橘系果汁は市販品として多く存在しており、それらを購入して用いることもできる。 また、本発明に用いるレモン果汁、ライム果汁、グレープフルーツ果汁は、果汁粉末であってもよい。つまり、本発明に用いる柑橘系果汁は、液状のみならず、例えば固体状あるいは粉末状のものであってもよい。
【0015】
本発明に用いる上記柑橘系果汁は、Brix値が、60以下のものが好ましく、55以下のものが好ましく、50以下のものがさらに好ましく、40〜50程度のものがよりさらに好ましい。なお、粉末果汁を用いる場合には、前記Brix値は水に溶解させた際の値である。
【0016】
アセスルファムカリウム、ステビア、ネオテーム、スクラロースは、特に食品業界において頻用される周知の甘味料である。多くの市販品が存在しており、本発明にも、それらを購入して用いることができる。
【0017】
オレウロペインは、フェノール系化合物の配糖体の一種であり、例えば、モクセイ科オリーブ属の植物の花、果皮、果実、葉、樹皮、根または種子を水または水・エタノール混液を用いて抽出することにより得ることができる。モクセイ科オリーブ属の植物としては、例えば、オリーブ(
Olea europaea Linne)やその同属種(
Olea welwitschii、
Olea paniculataなど)などが挙げられる。オリーブの品種の代表例としては、例えば、ネバディブロンコ、マンザニロ、ピクアル、ホジブランコ、アルベキナ、カタマラ、コロネイキ、ピッチョリーネ、パラゴン、ワッガベルダル、ミッション、ワシントン、ウエストオースラリアミッション、サウスオーストラリアベルダル、アザパ、バルネア、コルニカブラ、ゴルダル、フラントイオ、レッチーノ、チプレッシーノ、ルッカ、アスコラーナテレナ、コレッジョッラ、モロイオロ、ブラックイタリアン、コラティーナ、ヘレナ、ロシオーラ、ワンセブンセブン、エルグレコ、ハーディズマンモスなどを挙げることができる。
【0018】
本発明で使用するオレウロペインは、例えばオリーブ葉を抽出溶媒で抽出することにより得ることができる。この際に使用する抽出溶媒としては、水、エタノールのほか、石油エーテル、ヘキサン、ブタノール、プロパノール、メタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールおよびこれら溶媒の混合液が挙げられるが、温水および水−エタノール混合液が好ましい。水−エタノール混合液の混合比(水:エタノール)は、体積比で好ましくは約100:1〜約1:200、より好ましくは約20:1〜約1:20であり、最も好ましくは約1:9〜1:1である。
【0019】
抽出方法については、その溶媒の温度や原料に対する溶媒の重量比率、または抽出時間についても、種々の原料および使用する溶媒に対しそれぞれを任意に設定することができる。また、抽出時の溶媒の温度は約−4℃〜約200℃の範囲であればよいが、約30℃〜約150℃が好ましく、約40℃〜約80℃がより好ましい。また、抽出に用いるオリーブ葉は、特開2003−335693に開示されているように、比較的オレウロペイン含量が高い生葉が好ましく、生葉を常圧または減圧下、65℃以下または85℃〜145℃の温度で一定時間乾燥することにより、オリーブ葉中のオレウロペイン含量を高めることができる。
【0020】
本発明で使用するオレウロペインは、例えば、このようにオリーブ葉から溶媒抽出した粗抽出液の溶媒を留去させた後、スチレンジビニルベンゼン重合樹脂(ダイアイオンHP20:三菱化学)、アンバーライトXAD樹脂:ロームアンドハース社、デュオライトS樹脂:ダイアモンドシャムロック社などの樹脂カラムに通し、減圧下で濃縮し、高温乾燥させることにより得ることができる。本発明で使用するオレウロペインには、このようにして得られる粗精製物が含まれる。
【0021】
また、本発明においては、市販されているオリーブ葉等の抽出物を購入して、これを配合することにより組成物を得てもよい。つまり、オレウロペインを含むオリーブ葉等の抽出物を用いて本発明の組成物を得てもよい。例えば、エーザイフードケミカル株式会社(商品名「オピエース」)などから入手できる。その他、例えばバイオアクティブズジャパン株式会社、FRUTAROM AWITZEWLAND Ltd.社、(株)ヤマヒサ社、香栄興業(株)社、バイオフロンテ(株)社等からオリーブ葉の抽出物が販売されており、これらを用いることもできる。
【0022】
本発明においては、(D)成分(すなわちオレウロペイン)1質量部に対して、(A)成分(すなわちイヌリン)が、35質量部以上含まれることが好ましく、50質量部以上含まれることがより好ましく、70質量部以上含まれることがさらに好ましく、90質量部以上含まれることがよりさらに好ましい。
【0023】
また、本発明においては、(D)成分(すなわちオレウロペイン)1質量部に対して、(B)成分が、15質量部以上含まれることが好ましく、20質量部以上含まれることがより好ましく、25質量部以上含まれることがさらに好ましく、30質量部以上含まれることがよりさらに好ましく、35質量部以上含まれることがなお好ましく、40質量部以上含まれることが特に好ましく、45質量部以上含まれることが最も好ましい。
【0024】
また、本発明においては、(D)成分(すなわちオレウロペイン)1質量部に対して、(C)成分が、0.1〜10質量部含まれることが好ましく、0.5〜5質量部含まれることがより好ましく、0.5〜2質量部含まれることがさらに好ましい。
【0025】
また、特に制限はされないが、特に本発明の組成物が液状組成物である場合には、オレウロペインは、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上、さらに好ましくは0.05質量%以上、よりさらに好ましくは0.07質量%以上、なお好ましくは0.1質量%以上含有される。また、特に制限されないが、0.3質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以下であることがより好ましい。
【0026】
本発明の組成物は、例えば、上記(A)〜(D)成分を混合することにより調製することができる。より具体的には、例えば容器に上記(A)〜(D)成分をいれ、必要に応じてさらに水を加えてから、スターラーを用いて撹拌することにより、調製することができる。
【0027】
(A)〜(D)成分を配合する順序は特に制限されず、(A)〜(D)成分を一度に混合してもよいし、それぞれを適当な順序で添加して混合してもよいし、あるいは何れか2種をまず混合した後にそれらを更に混合してもよい。また、(A)〜(D)成分意外にも、本願発明の効果を損なわない範囲において、その他の成分を混合してもよい。このようなその他成分としては、例えば経口医薬組成物、食品組成物、口腔用組成物に配合される公知の成分が好ましく挙げられる。具体的には、例えば、薬学的又は食品衛生学的に許容される基剤、担体、添加剤などが挙げられる。より具体的には、例えば、水、アルコール(好ましくはエタノール)、これらの混合溶媒や、あるいは賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、溶剤、甘味剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤、界面活性剤、保湿剤、保存剤、pH調整剤、粘稠化剤等が例示できる。特に、食品組成物として本発明の経口組成物を用いる場合には、例えば、乳化剤、甘味料、酸化防止剤、着色料、調味料、ビタミン類、ミネラル類、香料、着色料、増粘多糖類等の従来公知の食品添加物等、従来食品に添加される他の成分(食品添加物の他食品も含む)を含んでもよい。
【0028】
これらその他成分は、(A)〜(D)成分を混合する何れか任意の段階において配合することができる。これらの成分を用いて、公知の方法に従い、例えば経口医薬組成物、食品組成物、口腔用組成物を調製することができる。
【0029】
本発明の経口組成物の形状は特に制限されないが、液状、固体状、顆粒状、粉末状、ペースト状等であることが好ましい。(本発明の経口組成物は柑橘系果汁を含むが、上記の通り当該果汁には例えば固体状あるいは粉末状のものも含まれるため、本発明の経口組成物の形態は液状に限られない。さらに、液状であったとしても、乾燥などの公知の方法を適用して固体状、粉末状等の適当な形状に加工することができ、これも本発明の経口組成物に含まれる。)より具体的には、本発明の経口組成物は、飲料、粉末飲料、ゼリー、飴、ガム、グミ、チュアブル錠、ジャム、ジュレ、ドレッシング、バー等の形態で好ましく用いることができる。
【0030】
また、本発明は、(A)〜(C)成分を含むオレウロペインの苦味マスキング剤や、(A)〜(C)成分をオレウロペインに適用することによりオレウロペインの苦味をマスキングする方法も包含する。これら苦味マスキング剤又は苦味マスキング方法に用いる(A)〜(C)成分の好ましい質量部比は上記の通りである。また、当該苦味マスキング剤は、オレウロペイン含有組成物に加えて用いてもよいし、オレウロペイン含有組成物を口へ適用する前に口へ適用して用いてもよい。また、当該苦味マスキング方法においては、(A)〜(C)成分を適用する順序は特に限定されず、また、当該方法では、(A)〜(C)成分をオレウロペイン含有組成物に加えてもよいし、オレウロペイン含有組成物を口へ適用する前に口へ(A)〜(C)成分を適用してもよい。
【実施例】
【0031】
以下、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。なお、以下の検討では、オレウロペインを含有するオリーブ葉抽出物(粉末)である市販品「オピエース」(エーザイフードケミカル株式会社)を用いた。「オピエース」には、オレウロペインが35質量%以上含まれている。
【0032】
イヌリンによるオレウロペインの苦味マスキング効果の検討
表1に記載の組成に従い、各成分を混合して、各オレウロペイン含有組成物(50g)を調製した。なお、表1に記載の各成分の数値は配合重量(g)を表す。そして、評価者2人により、各組成物の苦味を7段階で評価した。(全く苦味を感じない場合を「7」とし、極めて苦い場合を「1」とした。)結果を表2に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
オレウロペイン量が比較的少ない場合には、イヌリンのみを用いて苦味をマスキングすることが可能な場合もあるが(参考例1−1〜1−4)、オレウロペイン量が比較的多い場合には、イヌリンのみで苦味をマスキングすることはできないことがわかった。
【0036】
果汁又は甘味料によるオレウロペインの苦味マスキング効果の検討
表3に記載の組成に従い、各成分を混合して、各オレウロペイン含有組成物(50g)を調製した。なお、表3に記載の各成分の数値は配合重量(g)を表す。また、スクラロースとしては「サンスイート SU−100」(三栄源FFI社)を用いた。イヌリンとしては、「アガベイヌリン」(株式会社イデアプロモーション)を用いた。
【0037】
そして、評価者2人により、各組成物の苦味を7段階で評価した。(全く苦味を感じない場合を「7」とし、極めて苦い場合を「1」とした。)結果を表4に示す。
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】
オレウロペインの苦味は、果汁のみ若しくは甘味料のみを用いてマスキングすることは難しいこと、その一方で、果汁及び甘味料を組み合わせて用いることでマスキングできる場合があること、がわかった。
【0041】
種々の果汁及び甘味料によるオレウロペインの苦味マスキング効果の検討
表5に記載の組成に従い、各成分を混合して、各オレウロペイン含有組成物(50g)を調製した。なお、表5に記載の各成分の数値は配合重量(g)を表す。そして、評価者2人により、各組成物の苦味を7段階で評価した。(全く苦味を感じない場合を「7」とし、極めて苦い場合を「1」とした。)結果を表6に示す。また、評価者2人により、各組成物の美味しさを7段階で評価した。(非常に美味しい場合を「7」とし、極めて不味い場合を「1」とした。)結果を表7に示す。なお、味を評価するにあたっては、苦味が強いと不味くなりやすい傾向はあるが、美味しさは苦味以外の甘味や酸味等の他の味も総合的に考慮したうえで評価される指標であり、苦味が抑制されていても甘味や酸味等のバランスがとれていなければ不味いと評価され得るし、逆に、例えばグレープフルーツなどはある程度の苦味がないと不味いと評価される場合がある。
【0042】
【表5】
【0043】
【表6】
【0044】
【表7】
【0045】
イヌリン及び甘味料(スクラロース)に加え、ライム果汁、レモン果汁、又はグレープフルーツ果汁を組み合わせて用いた場合には、オレウロペインの苦味がマスキングできたが、イヌリン及び甘味料(スクラロース)に加え、オレンジ果汁又はアップル果汁を組み合わせて用いた場合には、オレウロペインの苦味はマスキングできなかった。このことより、イヌリン及び甘味料と組み合わせる果汁の種類により、オレウロペインの苦味のマスキング効果は異なることがわかった。なお、レモン果汁のみを用いた場合において、ある程度のオレウロペインの苦味マスキング効果が確認できたが、この場合にも美味しさの評価は低かった。
【0046】
なお、ここ(すなわち上記及び下記)での検討に用いた果汁は、全て市販の濃縮果汁であり、そのブリックス(Brix)は表8に示す通りである。
【0047】
【表8】
【0048】
なお、これらの果汁の販社及び濃縮倍率は次の通りである。
ライム果汁透明5316(雄山株式会社) 濃縮倍率:4.6倍
レモン果汁透明400GPL(雄山株式会社) 濃縮倍率:2倍
グレープフルーツ果汁4570(雄山株式会社) 濃縮倍率:6.6倍
アップル果汁透明(雄山株式会社) 濃縮倍率:7倍
オレンジ果汁透明3592(雄山株式会社) 濃縮倍率:5.9倍
【0049】
柑橘系果汁及び種々の甘味料によるオレウロペインの苦味マスキング効果の検討
表9に記載の組成に従い、各成分を混合して、各オレウロペイン含有組成物(50g)を調製した。なお、表9に記載の各成分の数値は配合重量(g)を表す。そして、評価者2人により、各組成物の苦味を7段階で評価した。(全く苦味を感じない場合を「7」とし、極めて苦い場合を「1」とした。)結果を表10に示す。
【0050】
【表9】
【0051】
【表10】
【0052】
イヌリン及び柑橘系果汁(レモン果汁)に加え、甘味料としてアセスルファムカリウム、ステビア、ネオテーム、又はスクラロースを組み合わせて用いた場合には、オレウロペインの苦味がマスキングできたが、甘味料としてソーマチンを組み合わせて用いた場合には、オレウロペインの苦味はマスキングできなかった。このことより、イヌリン及び柑橘系果汁と組み合わせる甘味料の種類により、オレウロペインの苦味のマスキング効果は異なることがわかった。
【0053】
イヌリン量の検討
表11に記載の組成に従い、各成分を混合して、各オレウロペイン含有組成物(50g)を調製した。なお、表11に記載の各成分の数値は配合重量(g)を表す。そして、評価者2人により、各組成物の苦味を7段階で評価した。(全く苦味を感じない場合を「7」とし、極めて苦い場合を「1」とした。)結果を表12に示す。また、評価者2人により、各組成物の美味しさを7段階で評価した。(非常に美味しい場合を「7」とし、極めて不味い場合を「1」とした。)結果を表13に示す。
【0054】
【表11】
【0055】
【表12】
【0056】
【表13】
【0057】
イヌリン及び柑橘系果汁、柑橘系果汁及び甘味料、あるいは甘味料及びイヌリンの組み合わせによるオレウロペインの苦味マスキング効果の検討
表14に記載の組成に従い、各成分を混合して、各オレウロペイン含有組成物(50g)を調製した。なお、表14に記載の各成分の数値は配合重量(g)を表す。そして、評価者2人により、各組成物の苦味を7段階で評価した。(全く苦味を感じない場合を「7」とし、極めて苦い場合を「1」とした。)結果を表15に示す。
【0058】
【表14】
【0059】
【表15】
【0060】
イヌリン及び柑橘系果汁(レモン果汁)、柑橘系果汁(レモン果汁)及び甘味料(ステビア)、あるいは甘味料(ステビア)及びイヌリンを組み合わせて用いても、オレウロペインの苦味をマスキングするには十分ではなく、イヌリン、柑橘系果汁(レモン果汁)及び甘味料(ステビア)を組み合わせることにより、当該マスキング効果が飛躍的に高められることがわかった。