施工者が所望する角度において調整し、接続された配管を固定することができるとともに、さらに水密性を向上させ、漏水が生じることのない自在継手を提供すること課題とする。
自在継手1は第一継手部2、第二継手部10、押さえ部材18、パッキン23より構成されている。押さえ部材18を回転させると、第一継手部2の可動部4に突設された複数の凸部6と第二継手部10の受け部12に突設された複数の凸部14が係合し、第一継手部2と第二継手部10の連結角度が固定される。又、この時押さえ部材18と第二継手部10によってパッキン23が変形し、第一継手部2に強く密着して水密性を向上させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記引用文献1のように、配管の施工時に自在継手を使用することで、配管の曲がり角度に応じて多数の曲がり管継手を用意しておく必要がなくなり、配管の接続後であっても配管の角度をある程度変更可能であることから施工性が向上するが、逆に、このような自在継手は施工者が所望する角度において配管を固定することができない。即ち、配管の接続途中で衝撃が加わると、配管レイアウトが変わってしまったり、予期せぬ角度に配管が傾斜し、逆勾配になってしまったりする等の恐れがある。又、従来の自在継手は第一の回動部と第二の回動部の間にパッキンが設けられているだけであるため、第一の回動部と第二の回動部との連結部分から漏水が生じる恐れがある。
そこで、本発明は上記問題に鑑み、施工者が所望する角度において調整し、接続された配管を固定することができるとともに、さらに水密性を向上させ、漏水が生じることのない自在継手を提供すること課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための請求項1に記載の本発明は、端部に可動部を有する第一継手部と、
上記可動部を収納する受け部を備えた第二継手部から成り、
上記第一継手部と第二継手部の連結角度が自在に変更可能な自在継手であって、
上記連結角度を任意の角度で固定する、固定機構を有することを特徴とする自在継手である。
【0008】
請求項2に記載の本発明は、上記固定機構が、
上記可動部の外面又は受け部の内面のどちらか一方に設けられた、凸部から成る係合部と、
他方に設けられた、上記凸部と係合する被係合部であって、
当該係合部と被係合部が係合することによって第一継手部と第二継手部の連結角度が固定されることを特徴とする自在継手である。
【0009】
請求項3に記載の本発明は、上記自在継手は押さえ部材を備え、
上記押さえ部材によって第一継手部と第二継手部のどちらか一方又は両方が他方へ向けて押圧されることで、
前記係合部と被係合部が係合し、第一継手部と第二継手部の連結角度が固定されることを特徴とする請求項2に記載の自在継手である。
【0010】
請求項4に記載の本発明は、上記押さえ部材は第一継手部と当接する当接部を有し、
押さえ部材を回転させることによって、
上記当接部が第一継手部と第二継手部のどちらか一方又は両方が他方へ向けて押圧することを特徴とする請求項3に記載の自在継手である。
【0011】
請求項5に記載の本発明は、上記自在継手はパッキンを備え、
上記パッキンは第一継手部と第二継手部との間に配置されるとともに、押さえ部材による前記押圧に伴い変形し、第一継手部の外面に強く当接することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の自在継手である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の本発明によれば、第一継手部と第二継手部の連結角度が自在に変更可能であることにより、施工性が向上する。
請求項2及び請求項3に記載の本発明によれば、係合部と被係合部の係合によって、しっかりと確実に連結角度が固定される。
請求項4に記載の本発明によれば、押さえ部材による押圧の構造を明確にすることができる。
請求項5に記載の本発明によれば、押さえ部材によってパッキンを変形させることで、さらに強く第一継手部と第二継手部の連結角度を固定することが可能になるとともに、パッキンが強く第一継手部の外面に当接することから、水密性が向上し、漏水を防ぐことが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら本発明の自在継手1を説明する。尚、以下に記載する説明は実施形態の理解を容易にするためのものであり、これによって発明が制限して理解されるものではない。又、以下の実施形態においては
図2に示す状態を基準として上下左右を説明する。
【0015】
図1に示すように、第一実施形態にかかる自在継手1は第一継手部2、第二継手部10、押さえ部材18、パッキン23より構成されている。
【0016】
第一継手部2は上端に筒状の第一接続部3を有するとともに、下端において略球体状の可動部4を有している。
第一接続部3は上流側の配管が接続される構造となっており、第一接続部3の内径は上流側の配管の外径と略同径に形成されている。
可動部4は略球体状であって、係合部5として複数の凸部6が外面より突設されている。又、凸部6は可動部4の下端近傍の所定の範囲内において、規則的且つ等間隔に配置されている。即ち、可動部4は下端において凸部6が一定間隔において規則的に配置された凸条面を形成している。
尚、
図2及び
図3に示すように、第一接続部3の下端は可動部4の接線方向より連続することから、第一接続部3と可動部4の内面は滑らかに連続している。
【0017】
第二継手部10は上端に略球体状の受け部12を有するとともに、下端において筒状の第二接続部11を有している。
受け部12は略球体状であって、上記第一接続部3の可動部4を内部に収納可能な径に形成されており、被係合部13として複数の凸部14が内面より突設されている。尚、凸部14は受け部12の内面において規則的且つ等間隔に配置されている。即ち、受け部12はその内面において凸部14が一定間隔において規則的に配置された凸条面を形成している。又、受け部12はその端部において内径及び外径が拡径されており、該拡径部分の外側において、等間隔に4箇所、突起15が形成されている。
第二接続部11は下流側の配管が接続される構造となっており、第二接続部11の内径は下流側の配管の外径と略同径に形成されている。
尚、
図2及び
図3に示すように、第二接続部11の上端は受け部12の接線方向より連続することから、第二接続部11と受け部12の内面は滑らかに連続している。
【0018】
押さえ部材18は溝部19を有する筒状部分と、当接部20を有する略球体部分より構成されている。尚、筒状部分の内径は前記第二継手部10の拡径部分の外径と略同径であり、略球体部分の内径は前記第一継手部2の可動部4の外径と略同径である。
溝部19は押さえ部材18の筒状部分の側面において4箇所、周方向に形成された切り欠きであって、一端から他端にかけてその幅が漸次狭くなるよう形成されている。又、溝部19は最も幅が狭くなる地点において突起が設けられている。
当接部20は押さえ部材18の端部に形成された略球体状の部分であって、その内径は前記可動部4の外径と略等しい。
【0019】
尚、本実施形態において、当接部20は可動部4に対して面接触となる構造であるが、線接触や点接触であっても良い。
【0020】
パッキン23は環状の止水部材であって、ゴム等の弾性素材より形成されている。又、パッキン23は断面視略U字状に形成されている。
【0021】
上記各部材は以下のように組み立てられる。
まず、第二継手部10の受け部12内に第一継手部2の可動部4が収まるように配置する。
次に、第一継手部2の第一接続部3側より、第二接続部11の拡径部分にパッキン23を配置する。この時、パッキン23が第一継手部2の外面及び第二継手部10の内面に密接する。
そして、第一継手部2の第一接続部3側より押さえ部材18を挿入し、第二継手部10に対して押さえ部材18を押し込むことで自在継手1の組み立てが完了する。尚、この時第二継手部10の突起15が弾性変形することで押さえ部材18の溝部19内に嵌入し、押さえ部材18は突起15が溝部19内を摺動する範囲内において回転させることが可能となる。
【0022】
上記のように組み立てられた自在継手1は、次のように作動する。
まず、
図2及び
図3に示すように、第二継手部10の突起15が溝部19の一端であって、幅が広い箇所に配置されている際には、第一継手部2に設けられた係合部5(凸部6)と第二継手部10に設けられた被係合部13(凸部14)は係合しておらず、第一継手部2は第二継手部10に対して自由に回動(摺動)可能となっている。尚、
図2及び
図3において一時的に係合部5(凸部6)と被係合部13(凸部14)が係合した(噛み合った)としても、容易に解除することは可能である。
【0023】
この時、自在継手1は
図4に示すように、第二継手部10を下方に30°程度回動させることが可能であり、又、第二継手部10は
図5において一点鎖線で示す軸を中心として360°回動させることができ、且つそれぞれの方向に回動させた状態で係合部5(凸部6)と被係合部13(凸部14)を係合させることができる。従って、第一継手部2と第二継手部10の連結角度を三次元的に自在に変更することができ、
図6に示すように、略同一方向の配管の連結部分にも使用したり、上記の動きを組み合わせた動きを行ったりといったことも可能である。一方で、第一継手部2と第二継手部10の連結角度をどの様に変更しても、第一接続部3と第二接続部11の角度は90°より小さくならない。従って、第一接続部3(又は第二接続部11)が垂直に施工されている際には第二接続部11(又は第一接続部)は逆勾配となることはない。
【0024】
ここで、押さえ部材18を回転させると、溝部19内を突起15が摺動し、押さえ部材18と第二継手部10が接近する。この時、押さえ部材18は当接部20において第一継手部2の可動部4と当接していることから、当接部20によって第一継手部2が第二継手部10へ向けて押圧され、第一継手部2が第二継手部10に押しつけられる。(第二継手部10が第一継手部2へ向けて押しつけられる。)
又、第一継手部2と第二継手部10が近接するに伴い、係合部5(凸部6)と被係合部13(凸部14)が係合し始める。そして、突起15が溝部19の突起を乗り越えるまで押さえ部材18を回転させると、
図7及び
図8に示すように、係合部5と被係合部13が完全に係合し、第一継手部2と第二継手部10の連結角度が固定される。
又、押さえ部材18と第二継手部10が近接するに伴い、押さえ部材18と第二継手部10によって挟圧されたパッキン23が内側に押し出されるように変形し、第一継手部2に強く密着する。従って、より第一継手部2と第二継手部10の連結角度が強く固定されるとともに、パッキン23が強く第一継手部2に密着することから水密性が大きく向上する。
【0025】
以下に、上記自在継手1を用いた施工手順について説明する。尚、下記施工手順はあくまで一例を示すものであって、必ずしも下記施工手順に基づいて施工を行う必要はない。
図9に示すように、自在継手1は図示しないシンク等の設備機器から連続する直管100と横引き管200との接続部分、及びスラブSから立ち上がる縦管300と横引き管200との接続部分において使用されている。以下の説明においては混同を防ぐため、直管100と横引き管200との接続部分に使用されている自在継手1を自在継手1a、スラブSから立ち上がる縦管300と横引き管200との接続部分において使用されている自在継手1を自在継手1bとして記載する。
当該施工においてはまず、スラブSより立ち上がる縦管300に自在継手1bの第二接続部11を、横引き管200の一端に第一接続部3をそれぞれ接続する。次に、支持金具を用いて横引き管200の勾配を確保するとともに、床面Fに設けられた開口へ向けて横引き管200の向きを調整する。ここで、本発明の自在継手1は第一継手部2と第二継手部10の連結角度が自在に変更可能であるから、縦管300及び横引き管200を自在継手1bに接着した後においても配管位置を調整することができる。
横引き管200の位置調整が完了後、自在継手1bの押さえ部材18を回転させる。この時、当該回転に伴い、第一継手部2の凸部6(係合部5)と第二継手部10の凸部14(被係合部13)が係合し、調整した角度において第一継手部2と第二継手部10の連結角度が固定される。従って、横引き管200等に衝撃が加わったとしても、配管の勾配や向きが変わることはない。
次に、横引き管200の他端に自在継手1aの第二接続部11を、直管100に第一接続部3をそれぞれ接続する。そして、直管100の立ち上がり位置や角度を調整した後、自在継手1の押さえ部材18を回転させて第一継手部2と第二継手部10の連結角度を固定し、施工が完了する。尚、直管100の立ち上がり位置や角度がズレていた場合、自在継手1aや自在継手1bの押さえ部材18を固定時とは逆方向に回転させることで、係合部5と被係合部13との係合を解除することができ、再び配管の位置等を調整することができる。
【0026】
続いて、本発明の第二実施形態について説明する。
【0027】
図10に示すように、第二実施形態にかかる自在継手1は第一継手部2、第二継手部10、押さえ部材18、パッキン23、C字リング25より構成されている。
【0028】
第一継手部2は上端に筒状の第一接続部3を有するとともに、下端において略球体状の可動部4を有している。
第一接続部3は上流側の配管が接続される構造となっており、第一接続部3の内径は上流側の配管の外径と略同径に形成されている。
可動部4は略球体状であって、係合部5として複数の凸部6が外面より突設されている。又、凸部6は可動部4の下端近傍の所定の範囲内において、規則的且つ等間隔に配置されている。即ち、可動部4は下端において凸部6が一定間隔において規則的に配置された凸条面を形成している。
尚、
図11に示すように、第一接続部3の下端は可動部4の接線方向より連続することから、第一接続部3と可動部4の内面は滑らかに連続している。
【0029】
第二継手部10は上端に略球体状の受け部12を有するとともに、下端において筒状の第二接続部11を有している。
受け部12は略球体状であって、上記第一接続部3の可動部4を内部に収納可能な径に形成されており、被係合部13として複数の凸部14が内面より突設されている。尚、凸部14は受け部12の内面において規則的且つ等間隔に配置されている。即ち、受け部12はその内面において凸部14が一定間隔において規則的に配置された凸条面を形成している。又、受け部12はその端部において内径及び外径が拡径されており、該拡径部分の外側において、等間隔に4箇所、突起15が形成されている。
第二接続部11は下流側の配管が接続される構造となっており、第二接続部11の内径は下流側の配管の外径と略同径に形成されている。
尚、
図11に示すように、第二接続部11の上端は受け部12の接線方向より連続することから、第二接続部11と受け部12の内面は滑らかに連続している。
【0030】
押さえ部材18は溝部19を有する筒状部分と、当接部20を有する略球体部分より構成されている。又、押さえ部材18は周方向においてテーパ面21を有している。尚、筒状部分の内径は前記第二継手部10の拡径部分の外径と略同径であり、略球体部分の内径は前記第一継手部2の可動部4の外径と略同径である。
溝部19は押さえ部材18の筒状部分の側面において4箇所形成された、軸方向に延設された切り欠きである。
当接部20は押さえ部材18の端部に形成された略球体状の部分であって、その内径は前記可動部4の外径と略等しい。
【0031】
C字リング25は平面視略C字状のリング体であって、断面視略コ字状に形成されている。
【0032】
パッキン23は環状の止水部材であって、ゴム等の弾性素材より形成されている。又、パッキン23は断面視略U字状に形成されている。
【0033】
上記各部材は以下のように組み立てられる。
まず、第二継手部10の受け部12内に第一継手部2の可動部4が収まるように配置する。
次に、第一継手部2の第一接続部3側より、第二接続部11の拡径部分にパッキン23を配置する。この時、パッキン23が第一継手部2の外面及び第二継手部10の内面に密接する。
そして、第一継手部2の第一接続部3側より押さえ部材18を挿入し、第二継手部10に対して押さえ部材18を押し込むことで自在継手1の組み立てが完了する。尚、この時第二継手部10の突起15が弾性変形することで押さえ部材18の溝部19内に嵌入する。
【0034】
上記のように組み立てられた自在継手1は、次のように作動する。
まず、
図11に示すように、自在継手1に対してC字リング25が取り付けられていない状態においては、第一継手部2に設けられた係合部5(凸部6)と第二継手部10に設けられた被係合部13(凸部14)は係合しておらず、第一継手部2は第二継手部10に対して自由に回動(摺動)可能となっている。尚、
図11において一時的に係合部5(凸部6)と被係合部13(凸部14)が係合した(噛み合った)としても、容易に解除することは可能である。
【0035】
この時、自在継手1は前記第一実施形態にかかる自在継手1と同様に、第二継手部10を下方に30°程度回動させることが可能であり、又、第二継手部10は軸を中心として360°回動させることができ、且つそれぞれの方向に回動させた状態で係合部5(凸部6)と被係合部13(凸部14)を係合させることができる。従って、第一継手部2と第二継手部10の連結角度を三次元的に自在に変更することができ、略同一方向の配管の連結部分にも使用したり、上記の動きを組み合わせた動きを行ったりといったことも可能である。一方で、第一継手部2と第二継手部10の連結角度をどの様に変更しても、第一接続部3と第二接続部11の角度は90°より小さくならない。従って、第一接続部3(又は第二接続部11)が垂直に施工されている際には第二接続部11(又は第一接続部)は逆勾配となることはない。
【0036】
ここで、自在継手1の側方より、C字リング25を押さえ部材18のテーパ面21と第二継手部10の拡径部分の下端に押し当てながら取り付けると、C字リング25に挟まれて押さえ部材18と第二継手部10が接近する。この時、押さえ部材18は当接部20において第一継手部2の可動部4と当接していることから、当接部20によって第一継手部2が第二継手部10へ向けて押圧され、第一継手部2が第二継手部10に押しつけられる。(第二継手部10が第一継手部2へ向けて押しつけられる。)又、第一継手部2と第二継手部10が近接するに伴い、係合部5(凸部6)と被係合部13(凸部14)が係合し始める。そして、
図12に示すように、C字リング25の取り付けが完了した時、係合部5と被係合部13が完全に係合し、第一継手部2と第二継手部10の連結角度が固定される。
又、押さえ部材18と第二継手部10が近接するに伴い、押さえ部材18と第二継手部10によって挟圧されたパッキン23が内側に押し出されるように変形し、第一継手部2に強く密着する。従って、より第一継手部2と第二継手部10の連結角度が強く固定されるとともに、パッキン23が強く第一継手部2に密着することから水密性が大きく向上する。
【0037】
尚、上記第二実施形態は前記第一実施形態と、第一継手部2を第二継手部10へ押しつける方法(第一実施形態は押さえ部材18を回転させ、第二実施形態においてはC字リング25を取り付ける)について異なるのみであり、施工手順については、前記第一実施形態と同様であるため省略する。
【0038】
本発明の実施形態は以上であるが、本発明の自在継手1においては、第一継手部2と第二継手部10の連結角度が自在に変更可能であることから、施工性に優れている。尚、家屋のリフォーム時においては配管が傾斜して設けられている等、施工が困難である場合が多く、そのような場合において特に有用である。特に、床下より90°の曲がり管継手を使用して配管を立ち上げている場合、無理に配管勾配を確保しようとして立ち上がり部分の配管等が傾斜してしまっていることが多い。しかし、そのような場合であっても本発明の自在継手1を使用することで施工が容易となる。
又、上記第一継手部2と第二継手部10の連結角度を任意の角度で固定する固定機構として、第一継手部2と第二継手部10に係合部5と被係合部13を設けていることから、施工途中等において配管の角度が予期せず変わってしまうことはない。
又、押さえ部材18によってパッキン23が変形し、強く密着することから、従来の自在継手よりも高い水密性を奏することが可能となり、漏水が生じる恐れがない。(尚、押さえ部材18によってパッキン23が変形していない状態であっても従来の自在継手程度の水密は保たれている。)
又、第一接続部3と第二接続部11の角度が90°より小さくならないことから、第一接続部3(又は第二接続部11)が垂直に施工されている際には第二接続部11(又は第一接続部)は逆勾配となることはない。
又、第一継手部3の下端が可動部4の接線方向より連続するとともに、第二継手部10の上端が受け部12の接線方向より連続することから、少なくとも第一接続部3(又は第二接続部11)が垂直に施工されている際には、受け部12に死に水(水残り)が生じることはなく衛生的である。
【0039】
尚、本発明の自在継手1は上記構造に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。例えば、各実施形態においては凸部6と凸部14が係合部5及び被係合部13を形成していたが、上記凸部6と凸部14のどちらか一方を凹部とするなどしても良い。
又、第一実施形態においては押さえ部材18を回転させることで第二継手部10の突起15が溝部19内を摺動する構造であったが、押さえ部材18を回転させることで第二継手部10を螺合させる構造であっても良い。
又、
図13に示すその他の実施形態のように、C字リング25の端部にレバー部27を、他端に爪部28を設け、レバー部27を爪部28に引っ掛ける際に係合部5と被係合部13が係合する構造であるなど、押さえ部材による押圧状態を維持する構造について種々の設計変更を行っても良い。
又、
図14に示すさらにその他の実施形態のように、本発明の自在継手1を排水トラップ30等の排水配管の一部として一体に形成してもよい。さらに、自在継手1内部にワイヤー32を挿通させる等、流体以外を通す構造としても良い。