特開2015-125887(P2015-125887A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-125887(P2015-125887A)
(43)【公開日】2015年7月6日
(54)【発明の名称】圧力スイッチ
(51)【国際特許分類】
   H01H 35/34 20060101AFI20150609BHJP
【FI】
   H01H35/34 M
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-269270(P2013-269270)
(22)【出願日】2013年12月26日
(71)【出願人】
【識別番号】000143949
【氏名又は名称】株式会社鷺宮製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮川 理
(72)【発明者】
【氏名】濱邉 義弘
【テーマコード(参考)】
5G056
【Fターム(参考)】
5G056DA06
5G056DB02
5G056DC06
5G056DD25
5G056DD32
5G056DE03
5G056DE28
5G056DG07
(57)【要約】
【課題】製造コストが嵩むことなく耐圧性を高めることができ、しかも、耐圧性強化に伴う圧力スイッチの大型化を回避できること。
【解決手段】圧力スイッチにおけるダイヤフラムアッセンブリー20において、ダイヤフラム群20Bの外周縁は、アッパプレート20Aおよびロアプレート20Cにより挟持されるとともに、ダイヤフラム群20Bの外周縁よりも中央側寄りの部分は、Oリング24に支持されるもの。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一対の可動接点および固定接点を有する複数の接続端子を内側に収容するハウジングと、
前記ハウジングに連結されるとともに、作動圧力が供給される管路に接続され該作動圧力に応じて変位せしめられる少なくとも一つのダイヤフラムを有するダイヤフラムアッセンブリーと、
前記ダイヤフラムアッセンブリーの前記ダイヤフラムの変位に応じて前記接続端子の可動接点および固定接点を開閉させる開閉手段と、を備え、
前記ダイヤフラムアッセンブリーのダイヤフラムは、外周部が固定されるとともに、前記管路の開口端部の周縁に向かい合う部分が、環状の弾性部材により支持されていることを特徴とする圧力スイッチ。
【請求項2】
前記環状の弾性部材は、バックアップリングに隣接して配されることを特徴とする請求項1記載の圧力スイッチ。
【請求項3】
前記環状の弾性部材は、前記ダイヤフラムアッセンブリーのダイヤフラムの直径よりも小なる直径を有することを特徴とする請求項1記載の圧力スイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
空調装置等においては、一般に、配管内の冷媒、炭酸ガス等の圧力を検出し、検出出力を送出するための圧力スイッチを配管に備えている。圧力スイッチは、特許文献1および特許文献2にも示されるように、継手管の一端を介して冷媒通路に接続される本体ケースと、本体ケースにおける受圧室を仕切るダイヤフラム群と、ダイヤフラム群の変位に応じて本体ケース内に配される可動接点および固定接点を近接または離隔可能とする作動ピンとを含んで構成されている。
【0003】
そのダイヤフラム群は、冷媒通路の圧力に応じて複数枚のダイヤフラムが互いに重ね合わされて形成されている。ダイヤフラム群の外周縁は、本体ケースにおける受圧室を形成するように本体ケースの周縁部とストッパ部材との間に挟持されている。冷媒通路の使用圧力が高圧になるにつれて、本体ケースの周縁部とストッパ部材との間における耐圧性が要求されることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−121140号公報
【特許文献2】特開2002−279875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本体ケースの周縁部とストッパ部材との間における耐圧性が要求される場合、本体ケースの周縁部とストッパ部材との間に生じる挟持圧力を大にすべく、本体ケースと、ストッパ部材との板厚を大にするとともに、本体ケースの周縁部とストッパ部材とを連結する連結部材としてのかしめリング部材を、かしめるとき、必要なプレス圧力を高めることも考えられる。または、特許文献2にも示されるように、ダイヤフラム保持容器構造体の棚面を傾斜面とすることが提案されている。
【0006】
しかしながら、圧力スイッチの大型化、および、部品の機械加工に伴い製造コストが嵩む虞がある。
【0007】
以上の問題点を考慮し、本発明は、圧力スイッチであって、部品の機械加工に伴い製造コストが嵩むことなく耐圧性を高めることができ、しかも、耐圧性強化に伴う圧力スイッチの大型化を回避できる圧力スイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するために、本発明に係る圧力スイッチは、少なくとも一対の可動接点および固定接点をそれぞれ有する複数の接続端子を内側に収容するハウジングと、ハウジングに連結されるとともに、作動圧力が供給される管路に接続され作動圧力に応じて変位せしめられる少なくとも一つのダイヤフラムを有するダイヤフラムアッセンブリーと、ダイヤフラムアッセンブリーのダイヤフラムの変位に応じて接続端子の可動接点および固定接点を開閉させる開閉手段と、を備え、ダイヤフラムアッセンブリーのダイヤフラムは、外周部が固定されるとともに、管路の開口端部の周縁に向かい合う部分が、環状の弾性部材により支持されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る圧力スイッチによれば、ダイヤフラムアッセンブリーのダイヤフラムは、外周部が固定されるとともに、管路の開口端部の周縁に向かい合う部分が、環状の弾性部材により支持されることにより、ダイヤフラムの最大応力を低減させることができるので製造コストが嵩むことなく耐圧性を高めることができ、しかも、耐圧性強化に伴う圧力スイッチの大型化を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る圧力スイッチの一例の要部を示す断面図である。
図2】本発明に係る圧力スイッチの他の一例に用いられるダイヤフラムアッセンブリーの断面図である。
図3】(A)および(B)は、それぞれ、従来例、および、本発明に係る圧力スイッチの一例の動作説明に供される部分断面図である。
図4】従来例のダイヤフラム群の撓みの説明に供される図である。
図5】本発明に係る圧力スイッチの一例に用いられるダイヤフラム群の撓みの説明に供される図である。
図6】内径半径比に応じたたわみ係数の変化を示す特性図である。
図7】内径半径比に応じた応力係数の変化を示す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明に係る圧力スイッチの一例の要部を示す。
【0012】
圧力スイッチは、例えば、図示が省略される油圧装置または空気、冷媒、水等を供給する配管に、接続継手28を介して取り付けられる。
【0013】
圧力スイッチは、図1に示されるように、常閉型スイッチであり、接続継手28の一端に結合されるダイヤフラムアッセンブリー20と、ダイヤフラムアッセンブリー20と連結され、後述する一対の接続端子12および14を内蔵するケース10と、ケース10内に配され後述するダイヤフラム群20Bの変位に応じて一対の接続端子12の固定接点12aと接続端子14の可動接点14aとを開閉させるシャフト16Pと、シャフト16Pを案内するシャフトガイド部材16と、を主な要素として含んで構成されている。
【0014】
ハウジングとしてのケース10は、例えば、樹脂材料で成形され、複数の接続端子としての一対の接続端子12の固定接点12aおよび接続端子14の可動片14bおよび可動接点14aが収容される凹部を内側に有している。接続端子12の外部接続部は、ケース10のスリットを通じて外部に突出している。接続端子14の外部接続部は、接続端子12の外部接続部に対し略平行となるように、ケース10のスリットを通じて外部に突出している。接続端子12および14の外部接続部は、それぞれ、例えば、図示が省略される制御回路に接続されている。これにより、接続端子12および14は、図1に示されるように、固定接点12aおよび可動接点14aが当接している場合、オン状態をあらわす信号を、外部接続部を介して制御回路に供給する。また、接続端子12および14は、固定接点12aおよび可動接点14aが互いに離隔している場合、オフ状態をあらわす信号を外部接続部に供給する。
【0015】
なお、上述の例においては、接続端子12および14は、単極単投式とされるが、斯かる例に限られることなく、例えば、単極双投式、双極単投式、双極双投式、3極単投式、3極双投式であるスイッチを構成するものであってもよい。
【0016】
シャフトガイド部材16は、シャフト16Pが移動可能に挿入される透孔を中央部に有している。シャフトガイド部材16の外周縁は、ケース10の凹部に連通する開口端部に嵌合されている。シャフトガイド部材16の外周縁に形成される環状の溝、および、ケース10の開口端部に形成される溝には、Oリング18が跨って配されている。
【0017】
シャフト16Pの一端は、図1に示されるように、シャフトガイド部材16の透孔を通じて接続端子14の可動片14bの突起部に所定の間隔をもって向き合っている。シャフト16Pの他端は、ダイヤフラムアッセンブリー20のアッパプレート20Aの貫通孔20aを通じてダイヤフラム群20Bの端面の略中央部に当接されている。これにより、シャフト16Pの一端は、接続継手28内の流路28aを通じて供給される流体の作動圧力に起因したダイヤフラム群20Bの端面の略中央部の変位に応じて接続端子14の可動片14bの突起部に向けて近接、または、離隔せしめられる。従って、接続端子12および14における固定接点12aおよび可動接点14aが、接続継手28内の流路28aを通じて供給される流体の作動圧力に応じたシャフト16Pの一端の移動により、開閉せしめられる。
【0018】
ダイヤフラムアッセンブリー20は、ケース10の開口端部周縁およびOリング18に当接するアッパプレート20Aと、接続継手28の一端に接続されるロアプレート20Cと、互いに向かい合うアッパプレート20Aとロアプレート20Cとの間に挟持されるダイヤフラム群20Bと、環状の弾性部材としてのOリング24と、を主な要素として構成されている。
【0019】
アッパプレート20Aは、プレス成形、切削加工、ダイキャスト、鍛造等により、例えば、金属材料で成形され、所定の隙間をもってシャフトガイド部材16の端面に向き合うように配置されている。アッパプレート20Aは、シャフト16Pの他端が貫通する貫通孔20aを中央部に有している。
【0020】
ロアプレート20Cは、プレス成形、切削加工、ダイキャスト、鍛造等により、例えば、金属材料で成形され、接続継手28の端部が嵌合される孔を有している。ロアプレート20Cの孔の周縁には、Oリング24が挿入される環状の溝が、同心上に形成されている。弾性部材としてのOリング24は、耐熱性を有する材料で成形されている。Oリング24の内径2bは、ダイヤフラム群20Bを構成する複数のダイヤフラム20bi(i=1〜n,nは正の整数)の外径2aよりも小に設定されている。その際、ダイヤフラム群20Bの外周縁は、アッパプレート20Aおよびロアプレート20C相互間に挟持される。また、ダイヤフラム群20Bの外周縁よりもその中央側寄りの部分は、Oリング24に支持されることとなる。
【0021】
互いに向き合うロアプレート20Cとダイヤフラム群20Bとの間には、ダイヤフラム20biの表面と、ロアプレート20Cの端面、および、Oリング24の内周部とにより受圧室が形成されている。
【0022】
ダイヤフラム群20Bを構成する複数のダイヤフラム20biは、例えば、接続継手28内の流路28aを通じて供給される流体に対する耐食性を有する材料で成形されている。なお、ダイヤフラム群20Bを構成する複数のダイヤフラム20biの枚数は、圧力スイッチの仕様に応じて適宜選択される。
【0023】
アッパプレート20Aおよびロアプレート20Cは、ダイヤフラム群20Bを挟持した状態で外周縁が溶接により接合されることにより、一体とされることにより、ダイヤフラムアッセンブリー20が得られる。これにより、溶融部20Dが、アッパプレート20Aおよびロアプレート20Cの外周部に形成される。そして、得られたダイヤフラムアッセンブリー20と上述のケース10とが、連結金具26により結合される。
【0024】
上述したダイヤフラムアッセンブリー20は、特許文献1および特許文献2に示されるような、従来のダイヤフラムアッセンブリーの構造に比べ後述する理由により、比較的高圧仕様において、ダイヤフラム群20Bの受圧面積を小さくしても、作動圧力の精度ばらつきを抑制でき、しかも、ダイヤフラム群20Bの撓みの減少を所定の範囲に抑えつつ、ダイヤフラム群20Bに作用する最大曲げ応力値を低減できる構造であることがわかる。従って、圧力スイッチの耐圧性が向上することとなる。
【0025】
特許文献1および特許文献2に示されるような、従来のダイヤフラムアッセンブリーの構造の場合、図3(A)および図4に示されるように、ダイヤフラム群20´Bの外周縁は、アッパプレート20´Aおよびロアプレート20´Cにより両端固定はりのように挟持されている。斯かる場合においては、以下のような式(1)〜(3)に基づいてダイヤフラム群20´Bの撓みω、半径応力σ、円周応力σθが得られる。
【0026】
【数1】
【0027】
【数2】
【0028】
【数3】
【0029】
但し、p、a,D,r,ν、hは、それぞれ、単位面積当たりの荷重、応力を受ける面の半径、曲げ剛性、中心からの距離、ポアソン比、重ね合わせた複数のダイヤフラム20biの合計の板厚である。なお、曲げ剛性Dは、式(4)で表される。但し、Eは、縦弾性係数である。
【0030】
【数4】
【0031】
最大撓みωmaxは、式(1)、式(4)に基づいて以下の式(5)、(5’)により得られる。
【0032】
【数5】
【0033】
【数6】
【0034】
∵ν=0.3の場合、
【0035】
【数7】
【0036】
最大半径応力σmaxは、式(2)(r=a)に基づく式(6)により得られる。
【0037】
【数8】
【0038】
一方、本発明に係る圧力スイッチの一例において、図3(B)および図5に示されるように、ダイヤフラム群20Bの外周縁が、アッパプレート20Aおよびロアプレート20Cにより両端固定はりのように挟持されるとともに、ダイヤフラム群20Bの外周縁よりもその中央側寄りの部分が、Oリング24に支持される場合、以下のような式(7)〜(9)に基づいてダイヤフラム群20Bの撓みω、半径応力σ、円周応力σθが得られる。但し、p、a,D,r,ν、h、bは、それぞれ、単位面積当たりの荷重、応力を受ける面の半径、曲げ剛性、中心からの距離、ポアソン比、重ね合わせた複数のダイヤフラム20biの合計の板厚、応力を受ける面の半径である。なお、曲げ剛性Dは、上述の式(4)で表される。
【0039】
(i)0≦r≦bのとき
【0040】
【数9】
【0041】
【数10】
【0042】
【数11】
【0043】
(ii)b≦r≦aのとき
【0044】
【数12】
【0045】
【数13】
【0046】
【数14】
【0047】
最大たわみωmaxは、式(7)に、式(4)を代入することより得られる式(10)によって得られる(r=0)。
【0048】
【数15】
【0049】
【数16】
【0050】
最大曲げ応力σmaxは、b/a<0.569のとき(応力が中心に集中しているとき)
【0051】
【数17】
【0052】
【数18】
【0053】
なお、曲げ応力が最大になる場所は、応力のかかっている幅が小さいとき、応力は中央に集まり、円板の中心部分、すなわち、r=0になるところになり、応力のかかっている幅が大きいとき、応力は円板の固定部分、すなわち、r=aになるところになる。切り替わりポイントは、内径半径比b/aが、値INF(=0.569)(図7参照)より大きいか小さいかで変化する。
【0054】
b/a>0.569のとき(円板に広く応力がかかっているとき)
【0055】
【数19】
【0056】
【数20】
【0057】
以下、(10’)式の次の部分をたわみ係数α、(11)式と(12)式の次の部分を、それぞれ、応力係数β、β’という。
【0058】
【数21】
【0059】
b/a<0.569のとき
【0060】
【数22】
【0061】
b/a>0.569のとき
【0062】
【数23】
【0063】
ポアソン比νが0.3のとき、たわみ係数α6、応力係数β、β’は、内径半径比b/aの値の変化に応じて図6および図7に示されるように、変化する。図6および図7から明らかなように、内径半径比b/aが1になるとき、たわみ係数αは、(5’)式と一致し、応力係数β’は、(6)式と一致する。
【0064】
例えば、2a=φ20、2b=φ12の場合、b/a=0.6となる。また、ポアソン比を0.3とした場合、式(13)と式(15)を適用して、図6および図7に示されるように、α=0.134、β’=0.443が得られる。
【0065】
これより、最大たわみωmaxの変化量と最大曲げ応力σmaxの変化量を計算した場合、最大たわみωmaxの変化量は、21.6%(=(0.171−0.134)/0.171×100)、最大曲げ応力σmaxの変化量は、40.9%(=(0.75−0.443)/0.75×100)となる。即ち、ダイヤフラム群20Bの圧力特性に関わると見られる“たわみ”の変化は、約21.6%減に抑えつつ、ダイヤフラム群20Bの“最大曲げ応力σmaxの値”を約40.9%低減させることが可能となる。
【0066】
図2は、本発明に係る圧力スイッチの他の一例の要部を示す。
【0067】
なお、圧力スイッチは、図2に示される例においても、図1に示されるような、常閉型スイッチであり、接続継手28の一端に結合されるダイヤフラムアッセンブリー30と、ダイヤフラムアッセンブリー30と連結され、一対の接続端子12および14を内蔵するケース10と、ケース10内に配され後述するダイヤフラム群30Bの変位に応じて一対の接続端子12の固定接点12aと接続端子14の可動接点14aとを開閉させるシャフト16Pと、シャフト16Pを案内するシャフトガイド部材16と、を主な要素として含んで構成されている。
【0068】
ダイヤフラムアッセンブリー30は、ケース10の開口端部周縁およびOリング18に当接するアッパプレート30Aと、接続継手28の一端に接続されるロアプレート30Cと、互いに向き合うアッパプレート30Aとロアプレート30Cとの間に挟持されるダイヤフラム群30Bと、環状の弾性部材としてのOリング34と、バックアップリング36と、を主な要素として構成されている。
【0069】
アッパプレート30Aは、プレス成形、切削加工、ダイキャスト、鍛造等により、例えば、金属材料で成形され、所定の隙間をもってシャフトガイド部材16の端面に向き合うように配置されている。アッパプレート30Aは、シャフト16Pの他端が貫通する貫通孔30aを中央部に有している。
【0070】
ロアプレート30Cは、プレス成形、切削加工、ダイキャスト、鍛造等により、例えば、金属材料で成形され、接続継手28の端部が嵌合される孔を有している。ロアプレート30Cの孔の周縁には、Oリング24、バックアップリング36が挿入される環状の溝が、同心上に形成されている。弾性部材としてのOリング34、バックアップリング36は、耐熱性を有する材料で成形されている。Oリング34の内径2bは、ダイヤフラム群30Bを構成する複数のダイヤフラム30bi(i=1〜n,nは正の整数)の外径2aよりも小に設定されている。その際、ダイヤフラム群30Bの外周縁は、アッパプレート30Aおよびロアプレート30C相互間に挟持される。また、ダイヤフラム群30Bの外周縁よりもその中央側寄りの部分は、バックアップリング36、およびOリング34に支持されることとなる。
【0071】
互いに向き合うロアプレート30Cとダイヤフラム群30Bとの間には、ダイヤフラム30biの表面と、ロアプレート30Cの端面、および、Oリング34の内周部とにより受圧室が形成されている。
【0072】
ダイヤフラム群30Bを構成する複数のダイヤフラム30biは、例えば、接続継手28内の流路28aを通じて供給される流体に対する耐食性を有する材料で成形されている。なお、ダイヤフラム群30Bを構成する複数のダイヤフラム30biの枚数は、圧力スイッチの仕様に応じて適宜選択される。
【0073】
アッパプレート30Aおよびロアプレート30Cは、ダイヤフラム群30Bを挟持した状態で外周縁が溶接により接合されることにより、一体とされることにより、ダイヤフラムアッセンブリー30が得られる。これにより、溶融部30Dが、アッパプレート30Aおよびロアプレート30Cの外周部に形成される。そして、得られたダイヤフラムアッセンブリー30と上述のケース10とが、連結金具26により結合される。
【0074】
斯かる例においても、ダイヤフラム群30Bの撓みの減少を所定の範囲に抑えつつ、ダイヤフラム群30Bに作用する最大曲げ応力値を低減できる。
【0075】
なお、本発明の一例においては、常閉型スイッチに適用され、弾性部材としてOリング24、および、34が使用されているが、斯かる例に限られることなく、例えば、常開型スイッチに適用され、弾性部材として弾性を有するV字形リング、角形リング、弾性を有するシール部材、弾性を有する接着剤、または密封材が使用されてもよい。
【符号の説明】
【0076】
12、14 接続端子
12a 固定接点
14a 可動接点
20、30 ダイヤフラムアッセンブリー
20A,30A アッパプレート
20B,30B ダイヤフラム群
20bi、30bi ダイヤフラム
20C、30C ロアプレート
24、34 Oリング
36 バックアップリング
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7