(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-126039(P2015-126039A)
(43)【公開日】2015年7月6日
(54)【発明の名称】電気回路基板及び電気回路基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 1/11 20060101AFI20150609BHJP
H05K 3/40 20060101ALI20150609BHJP
H05K 3/46 20060101ALI20150609BHJP
【FI】
H05K1/11 B
H05K3/40 B
H05K3/46 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-268183(P2013-268183)
(22)【出願日】2013年12月26日
(71)【出願人】
【識別番号】000227928
【氏名又は名称】日本インター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(74)【代理人】
【識別番号】100113284
【弁理士】
【氏名又は名称】上原 考幸
(72)【発明者】
【氏名】田中 祐司
(72)【発明者】
【氏名】福田 永吾
【テーマコード(参考)】
5E316
5E317
5E346
【Fターム(参考)】
5E316AA12
5E316AA15
5E316AA32
5E316AA38
5E316AA42
5E316CC04
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5E316CC32
5E316DD02
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5E316DD32
5E316FF18
5E316FF23
5E316GG15
5E316GG19
5E316GG22
5E316GG28
5E316HH33
5E317AA11
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5E317BB02
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5E317CC22
5E317CC25
5E317GG16
5E346AA12
5E346AA15
5E346AA32
5E346AA38
5E346AA42
5E346CC04
5E346CC09
5E346CC32
5E346DD02
5E346DD12
5E346DD32
5E346FF18
5E346FF23
5E346FF45
5E346GG15
5E346GG19
5E346GG22
5E346GG28
5E346HH33
(57)【要約】
【課題】電気部品と基板上の導体パターンとの接続、基板の同一面上の導体パターン同士の接続、さらには基板の異なる層に形成された導体パターン同士のスルーホールを介した接続、基板上の配線パターンの選択的な厚膜化を少ない工程で効率よく実施可能にする。
【解決手段】導体パターン12と、導体パターンの接続部12a,12b等で開口するレジスト膜15とを備えた配線基板10に電気部品31等を実装して電気回路基板を製造するにあたり、接続部12aと電気部品31とを接合させる第1の導電性樹脂ペースト膜20aと、レジスト膜15上に延設され渡り接続部12a,12bの間を配線接続する第2の同ペースト膜20bと、導体パターン12,13,14同士をスルーホール17を介して接続する第3の同ペースト膜20cとを同ペーストの塗布により同一層として連続して形成する。配線パターン12Mを厚膜化する第4の同ペースト膜23も同時に形成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基板と、前記絶縁基板の少なくともいずれか片方の面に形成された導体パターンと、前記導体パターンを覆い当該導体パターンの接続部で開口するレジスト膜と、前記開口を介して前記接続部に接続する電気部品とを備え、
前記接続部と前記電気部品とを接合させる第1の導電性樹脂ペースト膜と、前記レジスト膜上に延設されて渡り異なる2以上の前記接続部の間を配線接続する第2の導電性樹脂ペースト膜とが同一層として連続して形成されていることを特徴とする電気回路基板。
【請求項2】
前記絶縁基板の表裏又は中間層のうちいずれか2以上の異なる層に形成された導体パターンと、前記絶縁基板に形成されたスルーホールとを備え、
前記2以上の異なる層に形成された導体パターン同士を前記スルーホールを介して接続する第3の導電性樹脂ペースト膜が、前記第1の導電性樹脂ペースト膜に対し同一層として連続して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電気回路基板。
【請求項3】
前記絶縁基板の少なくとも片方の面に形成された導体パターンであって、2以上の接続部間に連続して形成された配線パターンを備え、
前記レジスト膜に形成された開口を介して前記接続部間において前記配線パターンの表面に積層されて接合した第4の導電性樹脂ペースト膜を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電気回路基板。
【請求項4】
前記導電性樹脂ペースト膜が、合成樹脂に銅粉フィラーが混入されることによって導電性が付与された導電性樹脂ペーストによって形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一に記載の電気回路基板。
【請求項5】
絶縁基板と、前記絶縁基板の少なくとも片方の面に形成された導体パターンと、前記導体パターンを覆い当該導体パターンの接続部で開口するレジスト膜とを備えた配線基板に、電気部品を実装して電気回路基板を製造する方法であって、
前記接続部と前記電気部品とを接合させる第1の導電性樹脂ペースト膜と、前記レジスト膜上に延設されて渡り異なる2以上の前記接続部の間を配線接続する第2の導電性樹脂ペースト膜とを同一層として連続して形成する導電性樹脂ペースト塗布工程と、
前記第1の導電性樹脂ペースト膜が形成された前記接続部に前記電気部品を搭載する電気部品搭載工程と、
前記導電性樹脂ペースト塗布工程により形成された導電性樹脂ペースト膜を硬化させ前記接続部と前記電気部品とを接合させる導電性樹脂ペースト硬化工程と、を備えることを特徴とする電気回路基板の製造方法。
【請求項6】
前記配線基板として、前記絶縁基板の表裏又は中間層のうちいずれか2以上の異なる層に形成された導体パターンと、前記絶縁基板に形成されたスルーホールとを備えたものを適用し、
前記2以上の異なる層に形成された導体パターン同士を前記スルーホールを介して接続する第3の導電性樹脂ペースト膜を、前記第1の導電性樹脂ペースト膜に対し同一層として連続するように前記導電性樹脂ペースト塗布工程で形成することを特徴とする請求項5に記載の電気回路基板の製造方法。
【請求項7】
前記配線基板として、前記絶縁基板の少なくとも片方の面に形成された導体パターンであって、2以上の接続部間に連続して形成された配線パターンを備えたものを適用し、
前記レジスト膜に形成された開口を介して前記接続部間において前記配線パターンの表面に積層されて接合する第4の導電性樹脂ペースト膜を、前記導電性樹脂ペースト塗布工程で形成することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の電気回路基板の製造方法。
【請求項8】
前記導電性樹脂ペースト膜を形成するために前記導電性樹脂ペースト塗布工程で塗布する導電性樹脂ペーストとして、合成樹脂に銅粉フィラーが混入されることによって導電性が付与された導電性樹脂ペーストを適用することを特徴とする請求項5から請求項7のうちいずれか一に記載の電気回路基板の製造方法。
【請求項9】
前記導電性樹脂ペースト塗布工程において、前記第1の導電性樹脂ペースト膜、及び前記第2の導電性樹脂ペースト膜を、スクリーン印刷により同時に形成することを特徴とする請求項5から請求項8のうちいずれか一に記載の電気回路基板の製造方法。
【請求項10】
前記導電性樹脂ペースト塗布工程において、前記第1の導電性樹脂ペースト膜、前記第2の導電性樹脂ペースト膜、及び前記第3の導電性樹脂ペースト膜を、スクリーン印刷により同時に形成することを特徴とする請求項6に記載の電気回路基板の製造方法。
【請求項11】
前記導電性樹脂ペースト塗布工程において、前記第1の導電性樹脂ペースト膜、前記第2の導電性樹脂ペースト膜、及び前記第4の導電性樹脂ペースト膜を、スクリーン印刷により同時に形成することを特徴とする請求項7に記載の電気回路基板の製造方法。
【請求項12】
前記配線基板の片方の面側からのみ導電性樹脂ペースト塗布工程を実行し、当該片方の面側からの導電性樹脂ペースト塗布工程を実行した後の熱処理は、当該片方の面側から塗布された導電性樹脂ペーストを硬化させるための熱処理のみとして製造することを特徴とする請求項5から請求項11のうちいずれか一に記載の電気回路基板の製造方法。
【請求項13】
前記配線基板の片方の面側から導電性樹脂ペースト塗布工程を実行し、当該片方の面側から塗布された導電性樹脂ペーストを硬化させるための熱処理を実行し、その後、前記配線基板の残りの片方の面側から導電性樹脂ペースト塗布工程を実行し、当該残りの片方の面側から塗布された導電性樹脂ペーストを硬化させるための熱処理を実行し、
先の片方の面側からの導電性樹脂ペースト塗布工程を実行した後の熱処理は、当該先の片方の面側から塗布された導電性樹脂ペーストを硬化させるための熱処理と、前記残りの片方の面側から塗布された導電性樹脂ペーストを硬化させるための熱処理とからなる2回の熱処理のみとして製造することを特徴とする請求項5から請求項11のうちいずれか一に記載の電気回路基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気回路基板及び電気回路基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、配線板に金属配線を形成する方法としてはフォトリソグラフィ法が利用されている。しかし、フォトリソグラフィ法は、基板全面に金属膜を形成し、フォトマスクとエッチング法を使用して配線に必要な部分のみを残すという作業が必要であるため、マスク代がかかるほか、不要部分やそれを取り除く材料が廃棄物となる。
近時、使用材料量削減やそれに伴う環境負荷低減を目的に、フォトリソグラフィ法にかわる方法として、必要な部分にのみ配線を形成できるプリンテッドエレクトロニクスの研究が進められている。
【0003】
特許文献1には、プリント回路基板に設けたスルーホール部分に導電性銅ペーストをスクリーン印刷で埋め込み後、加熱・硬化させることにより、スルーホール部分に良好な導電性を与えることが記載されている。
特許文献2には、基板上の2つの導体パターン間にスクリーン印刷で導電性樹脂ペーストを塗布し、抵抗素子を形成することが記載されている。
【0004】
ところで、特許文献3−5等に記載される大電力の変換に用いられる半導体パワーモジュールにあっては、電力変換を行うパワー半導体スイッチング素子のスイッチング動作を制御する制御回路が構成されたエポキシなどの樹脂をベースとする樹脂基板が一体に組み合わされる。そのパワー半導体スイッチング素子は、アルミ、銅などの放熱用金属をベースにした回路部に実装されるとともに、樹脂ケースなどによって保持された板状の端子を介して変換する電流の入力配線、変換した電流の出力配線が構成され、大電流による負荷に耐え得るように構成される。すなわち、このような大電力用途の半導体パワーモジュールにあっては、パワー半導体スイッチング素子は前記樹脂基板に実装されず、またパワー半導体スイッチング素子の入出力配線は前記樹脂基板を経由しない。
一方、フォトリソグラフィ法において樹脂基板上に厚銅箔によって導体パターンを形成する技術の開発も進んでおり、例えば、特許文献6に記載の多層プリント配線基板あっては、中間層に放熱用厚銅箔を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平08−335756号公報
【特許文献2】特開平11−177205号公報
【特許文献3】特開2000−68446号公報
【特許文献4】特開2003−332526号公報
【特許文献5】特開2009−219274号公報
【特許文献6】特開2012−235036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上の従来技術にあっては、以下のような課題がある。
特許文献1にあっては、スルーホール部分以外の導通に関しては記載がない。特許文献2にあっては、フラットパッケージICの実装を半田付で行うことが示唆される。導電性樹脂ペーストをスクリーン印刷する一方で、フラットパッケージICの実装を半田付で行うと、導電性樹脂ペーストのスクリーン印刷工程のほかに、半田塗布工程、半田リフロー工程、フラックス洗浄工程等の多くの工程を要して煩雑となる。
一方、樹脂基板上に厚銅箔によって導体パターンを形成するフォトリソグラフィ技術によると、電気容量や熱容量等の確保のために厚みの必要な部分と、これに比較して制御信号系などの厚みがさほど必要でない部分とが同一回路基板上にある場合に、一の銅箔形成工程によると、全体の厚みを必要となる厚みが最厚の部分の厚みに合わせて形成しなければならず、必要以上に厚く形成される部分が発生して、導体材料の利用効率が低下するとともに、回路基板が重厚化する。銅箔形成工程を2回に分けることで、異なる厚みに形成する場合は、フォトリソグラフィ技術による工程に負担をかけることとなる。
【0007】
本発明は以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、搭載実装される電気部品を含んで電気回路が構成される電気回路基板の製造において、電気部品と基板上の導体パターンとの接続、基板の同一面上の導体パターン同士の接続、さらには基板の異なる層に形成された導体パターン同士のスルーホールを介した接続、基板上の配線パターンの選択的な厚膜化を少ない工程で効率よく実施可能にすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するための請求項1記載の発明は、絶縁基板と、前記絶縁基板の少なくともいずれか片方の面に形成された導体パターンと、前記導体パターンを覆い当該導体パターンの接続部で開口するレジスト膜と、前記開口を介して前記接続部に接続する電気部品とを備え、
前記接続部と前記電気部品とを接合させる第1の導電性樹脂ペースト膜と、前記レジスト膜上に延設されて渡り異なる2以上の前記接続部の間を配線接続する第2の導電性樹脂ペースト膜とが同一層として連続して形成されていることを特徴とする電気回路基板である。
【0009】
請求項2記載の発明は、前記絶縁基板の表裏又は中間層のうちいずれか2以上の異なる層に形成された導体パターンと、前記絶縁基板に形成されたスルーホールとを備え、
前記2以上の異なる層に形成された導体パターン同士を前記スルーホールを介して接続する第3の導電性樹脂ペースト膜が、前記第1の導電性樹脂ペースト膜に対し同一層として連続して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電気回路基板である。
【0010】
請求項3記載の発明は、前記絶縁基板の少なくとも片方の面に形成された導体パターンであって、2以上の接続部間に連続して形成された配線パターンを備え、
前記レジスト膜に形成された開口を介して前記接続部間において前記配線パターンの表面に積層されて接合した第4の導電性樹脂ペースト膜を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電気回路基板である。
【0011】
請求項4記載の発明は、前記導電性樹脂ペースト膜が、合成樹脂に銅粉フィラーが混入されることによって導電性が付与された導電性樹脂ペーストによって形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一に記載の電気回路基板である。
【0012】
請求項5記載の発明は、絶縁基板と、前記絶縁基板の少なくとも片方の面に形成された導体パターンと、前記導体パターンを覆い当該導体パターンの接続部で開口するレジスト膜とを備えた配線基板に、電気部品を実装して電気回路基板を製造する方法であって、
前記接続部と前記電気部品とを接合させる第1の導電性樹脂ペースト膜と、前記レジスト膜上に延設されて渡り異なる2以上の前記接続部の間を配線接続する第2の導電性樹脂ペースト膜とを同一層として連続して形成する導電性樹脂ペースト塗布工程と、
前記第1の導電性樹脂ペースト膜が形成された前記接続部に前記電気部品を搭載する電気部品搭載工程と、
前記導電性樹脂ペースト塗布工程により形成された導電性樹脂ペースト膜を硬化させ前記接続部と前記電気部品とを接合させる導電性樹脂ペースト硬化工程と、を備えることを特徴とする電気回路基板の製造方法である。
【0013】
請求項6記載の発明は、前記配線基板として、前記絶縁基板の表裏又は中間層のうちいずれか2以上の異なる層に形成された導体パターンと、前記絶縁基板に形成されたスルーホールとを備えたものを適用し、
前記2以上の異なる層に形成された導体パターン同士を前記スルーホールを介して接続する第3の導電性樹脂ペースト膜を、前記第1の導電性樹脂ペースト膜に対し同一層として連続するように前記導電性樹脂ペースト塗布工程で形成することを特徴とする請求項5に記載の電気回路基板の製造方法である。
【0014】
請求項7記載の発明は、前記配線基板として、前記絶縁基板の少なくとも片方の面に形成された導体パターンであって、2以上の接続部間に連続して形成された配線パターンを備えたものを適用し、
前記レジスト膜に形成された開口を介して前記接続部間において前記配線パターンの表面に積層されて接合する第4の導電性樹脂ペースト膜を、前記導電性樹脂ペースト塗布工程で形成することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の電気回路基板の製造方法である。
【0015】
請求項8記載の発明は、前記導電性樹脂ペースト膜を形成するために前記導電性樹脂ペースト塗布工程で塗布する導電性樹脂ペーストとして、合成樹脂に銅粉フィラーが混入されることによって導電性が付与された導電性樹脂ペーストを適用することを特徴とする請求項5から請求項7のうちいずれか一に記載の電気回路基板の製造方法である。
【0016】
請求項9記載の発明は、前記導電性樹脂ペースト塗布工程において、前記第1の導電性樹脂ペースト膜、及び前記第2の導電性樹脂ペースト膜を、スクリーン印刷により同時に形成することを特徴とする請求項5から請求項8のうちいずれか一に記載の電気回路基板の製造方法である。
【0017】
請求項10記載の発明は、前記導電性樹脂ペースト塗布工程において、前記第1の導電性樹脂ペースト膜、前記第2の導電性樹脂ペースト膜、及び前記第3の導電性樹脂ペースト膜を、スクリーン印刷により同時に形成することを特徴とする請求項6に記載の電気回路基板の製造方法である。
【0018】
請求項11記載の発明は、前記導電性樹脂ペースト塗布工程において、前記第1の導電性樹脂ペースト膜、前記第2の導電性樹脂ペースト膜、及び前記第4の導電性樹脂ペースト膜を、スクリーン印刷により同時に形成することを特徴とする請求項7に記載の電気回路基板の製造方法である。
【0019】
請求項12記載の発明は、前記配線基板の片方の面側からのみ導電性樹脂ペースト塗布工程を実行し、当該片方の面側からの導電性樹脂ペースト塗布工程を実行した後の熱処理は、当該片方の面側から塗布された導電性樹脂ペーストを硬化させるための熱処理のみとして製造することを特徴とする請求項5から請求項11のうちいずれか一に記載の電気回路基板の製造方法である。
【0020】
請求項13記載の発明は、前記配線基板の片方の面側から導電性樹脂ペースト塗布工程を実行し、当該片方の面側から塗布された導電性樹脂ペーストを硬化させるための熱処理を実行し、その後、前記配線基板の残りの片方の面側から導電性樹脂ペースト塗布工程を実行し、当該残りの片方の面側から塗布された導電性樹脂ペーストを硬化させるための熱処理を実行し、
先の片方の面側からの導電性樹脂ペースト塗布工程を実行した後の熱処理は、当該先の片方の面側から塗布された導電性樹脂ペーストを硬化させるための熱処理と、前記残りの片方の面側から塗布された導電性樹脂ペーストを硬化させるための熱処理とからなる2回の熱処理のみとして製造することを特徴とする請求項5から請求項11のうちいずれか一に記載の電気回路基板の製造方法である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、第1の導電性樹脂ペースト膜による電気部品と基板上の導体パターンとの接続と、第2の導電性樹脂ペースト膜による基板の同一面上の導体パターン同士の接続とを同一工程で実施することができ、これにより少ない工程で効率よく製造することができるという効果がある。
さらには第3の導電性樹脂ペースト膜による基板の異なる層に形成された導体パターン同士のスルーホールを介した接続、第4の導電性樹脂ペースト膜による基板上の配線パターンの選択的な厚膜化をも、第1、第2の導電性樹脂ペースト膜の形成と同一工程で行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態に係る製造方法の各工程を示す電気回路基板の断面図(a)〜(c)である。
【
図2】
図1に続く、本発明の一実施形態に係る製造方法の各工程を示す電気回路基板の断面図(a)〜(c)である。
【
図3】
図1(a)〜(c)に対応した電気回路基板の表面側の平面図(a)〜(c)である。
【
図4】
図2(a)〜(c)に対応した電気回路基板の裏面側の平面図(a)〜(c)である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に本発明の一実施形態につき図面を参照して説明する。以下は本発明の一実施形態であって本発明を限定するものではない。
【0024】
図1から
図4を参照して本実施形態の電気回路基板及びその製造方法につき説明する。
本実施形態では、
図1(a)及び
図3(a)に示す多層プリント配線基板10に電気部品31,32,33を実装して
図2(c)及び
図4(c)に示す電気回路基板100を製造する方法につき説明する。
多層プリント配線基板10は、ガラスエポキシ等の絶縁基板11の表面、裏面及び中間層に導体パターン12,13,14が形成された合計3層の導体層を有する。
さらに多層プリント配線基板10は、表面側の導体パターン12を覆い当該導体パターン12の接続部で開口するレジスト膜15と、裏面側の導体パターン13を覆い当該導体パターン13の接続部で開口するレジスト膜16とを備える。
また、多層プリント配線基板10には、スルーホール17,18,19が形成されている。
また、
図3(a)に示すように表面側の導体パターン12には、2以上の接続部間に連続して形成された配線パターン12Mが含まれる。
【0025】
このような多層プリント配線基板10に対し、まず、
図1(b)及び
図3(b)に示すように表面側から導電性樹脂ペーストを塗布する導電性樹脂ペースト塗布工程を施す。これにより多層プリント配線基板10の導電性樹脂ペーストパターン20、21,22,23,24等が形成される。
導電性樹脂ペーストの塗布は、スクリーン印刷により導電性樹脂ペーストパターン20、21,22,23,24等を同時に形成する方法により行う。
なお、導電性樹脂ペーストとして、合成樹脂に銅粉フィラーが混入されることによって導電性が付与された導電性樹脂ペーストを適用することで、安価に製作できる。
【0026】
導電性樹脂ペーストパターン20は、導体パターン12の接続部12aと表面実装型の電気部品31の電極端子31aとを接合させる第1の導電性樹脂ペースト膜20aと、レジスト膜15上に延設されて渡り異なる2以上の接続部12a,12bの間を配線接続する第2の導電性樹脂ペースト膜20bと、2以上の異なる層に形成された導体パターン12,13,14同士をスルーホール17を介して接続する第3の導電性樹脂ペースト膜20cを含むものであり、これらの第1〜第3の導電性樹脂ペースト膜20a,20b,20cは、同一層として連続する。これは、一の塗布工程によって同時に形成したためである。仮に、第1の導電性樹脂ペースト膜20aを塗布した後に、第2の導電性樹脂ペースト膜20bを塗布して、これらを連続させる場合は、第1の導電性樹脂ペースト膜20aの上に第2の導電性樹脂ペースト膜20bを重ねることで連続させることとなり、同一層とはならない。
【0027】
なお、導電性樹脂ペーストパターン21は、導体パターン12の接続部と電気部品31の電極端子とを接合させる導電性樹脂ペースト膜である。導電性樹脂ペーストパターン22,24は、2以上の異なる層に形成された導体パターン12,13,14同士をスルーホール18,19を介して接続する導電性樹脂ペースト膜である。
【0028】
また、本工程において、レジスト膜15に形成された開口を介して接続部間において配線パターン12Mの表面に積層されて接合する第4の導電性樹脂ペースト膜23が形成される。
通常、配線パターンは2以上の接続部を有する。導電性樹脂ペーストを用いて配線基板上の配線パターンの接続部に電気部品を接続する場合、当然にその接続部には、導電性樹脂ペーストが積層し接合する。第4の導電性樹脂ペースト膜23は、接続部を含んでいてもよいが、特に接続部間において配線パターン12Mの表面に積層されて接合するものであり、基板上の配線パターンを厚膜化するものである。これにより、配線パターン12Mは、電気伝導性及び熱伝導性が向上され、例えば、電力変換を行う半導体パワーモジュールにおいて、変換する電流の出入力配線や、放熱径路として好適に適用することができる。
【0029】
次に、
図1(c)及び
図3(c)に示すように第1の導電性樹脂ペースト膜20aが形成された接続部12a等に電気部品31等を搭載する電気部品搭載工程を施す。
本工程により、電気部品31の電極端子が第1の導電性樹脂ペースト膜20a及び導電性樹脂ペーストパターン21に接触する。
また本工程により、ディスクリート部品32の電極端子がスルーホール18に挿入されるとともに導電性樹脂ペーストパターン22に接触する。
続いて、導電性樹脂ペースト塗布工程により形成された導電性樹脂ペースト膜20a、20b、20cを含む導電性樹脂ペーストパターン20,21,22,23,24等を硬化させ導体パターン12等の接続部と電気部品31,32とを接合させる導電性樹脂ペースト硬化工程を施す。
本工程において、導電性樹脂ペーストを硬化させるために熱処理を実行する。その熱処理温度としては、例えば、約150℃を選択する。
【0030】
次に、
図2(a)及び
図4(a)に示すように多層プリント配線基板10を裏返すとともに、次の導電性樹脂ペースト塗布工程の前にディスクリート部品32の電極端子をカットする。その後、
図2(b)及び
図4(b)に示すように裏面側からの導電性樹脂ペースト塗布工程を施す。本工程では、導電性樹脂ペーストパターン25,26,27等をスクリーン印刷によって形成する。
次に、
図2(c)及び
図4(c)に示すように導電性樹脂ペーストパターン25,26が形成された導体パターン13の接続部に表面実装型の電気部品33を搭載する電気部品搭載工程を施す。
本工程により、電気部品33の電極端子が導電性樹脂ペーストパターン25,26に接触する。
続いて、裏面側からの導電性樹脂ペースト塗布工程により形成された導電性樹脂ペーストパターン25,26,27等を硬化させ導体パターン13等の接続部と電気部品33とを接合させる導電性樹脂ペースト硬化工程を施す。
本工程において、裏面側から塗布した導電性樹脂ペーストを硬化させるために熱処理を実行する。その熱処理条件としては、表面側から塗布した導電性樹脂ペーストを硬化させるための上記熱処理と同条件でもよい。
【0031】
以上のように、先の片方の面(表面)側から導電性樹脂ペースト塗布工程を実行した後の熱処理は、当該先の片方の面側から塗布された導電性樹脂ペーストを硬化させるための熱処理と、残りの片方の面(裏面)側から塗布された導電性樹脂ペーストを硬化させるための熱処理とからなる2回の熱処理のみとして製造する。これにより、熱負荷を最小限に抑えることができる。
なお、本実施形態に拘わらず、配線基板の表裏のうち片面側のみから導電性樹脂ペースト塗布工程を実行して製造する場合(例えば、裏面に導体パターンが無い場合、裏面に対する接続工程が無い場合など)にあっては、当該片方の面側からの導電性樹脂ペースト塗布工程を実行した後の熱処理は、当該片方の面側から塗布された導電性樹脂ペーストを硬化させるための熱処理のみとして製造することで、熱負荷を最小限に抑えることができる。
【0032】
以上の実施形態によれば、第1の導電性樹脂ペースト膜20aによる電気部品31と基板上の導体パターン12との接続と、第2の導電性樹脂ペースト膜20bによる基板の同一面上の導体パターン12,12同士の接続とを同一工程で実施することができ、これにより少ない工程で効率よく製造することができる。
さらには第3の導電性樹脂ペースト膜20cによる基板の異なる層に形成された導体パターン12,13,14同士のスルーホール17を介した接続、第4の導電性樹脂ペースト膜23による基板上の配線パターン12Mの厚膜化をも、第1、第2の導電性樹脂ペースト膜の形成と同一工程で行うことが可能である。
また、第1の導電性樹脂ペースト膜20aと第2の導電性樹脂ペースト膜20bとが連続し、さらに第3の導電性樹脂ペースト膜20cも連続するから回路を簡素化し回路面積を小さくすることができる。
【0033】
なお、以上の実施形態においては、表裏に導体パターンが形成された配線基板を用いたが、片面のみに導体パターンが形成されたものを適用してもよい。
また、以上の実施形態においては、中間層に導体パターンが形成された配線基板を用いたが、中間層に導体パターンが形成されていないものを適用してもよい。
また、以上の実施形態においては、導電性樹脂ペースト塗布工程をスクリーン印刷により行ったが、導電性樹脂ペーストを吐出するディスペンサによる描画によって行ってもよい。
また、以上の実施形態においては、第3の導電性樹脂ペースト膜20cが第2の導電性樹脂ペースト膜20bを介して第1の導電性樹脂ペースト膜20aと同一層として連続する形態を実施したが、第3の導電性樹脂ペースト膜20cが第2の導電性樹脂ペースト膜20bを介さず第1の導電性樹脂ペースト膜20aに直接連続する形態を実施してもよい。
以上の説明における表面、裏面は説明の便宜上のものであり、技術的な観点で表面と裏面とが区別されることは要求されない。
【符号の説明】
【0034】
10 多層プリント配線基板
11 絶縁基板
12,13,14 導体パターン
12a,12b 接続部
15,16 レジスト膜
17,18,19 スルーホール
20,21,22,23,24,25,26,27 導電性樹脂ペーストパターン
20a 第1の導電性樹脂ペースト膜
20b 第2の導電性樹脂ペースト膜
20c 第3の導電性樹脂ペースト膜
31,32,33 電気部品
100 電気回路基板