【解決手段】部品実装モジュールは、半導体装置と、第1のパッドが形成されたプリント基板と、対策部品と、パッケージの第1のピンと第1のパッドとの間に挿入して配置され、絶縁性基板の一方の面に、第1のパッドと接続された第2のパッドが形成され、絶縁性基板の他方の面に、パッケージの第1のピンと接続された第3のパッド、ならびに、対策部品の第1および第2の端子と接続された第4および第5のパッドが形成された可撓性フィルムとを備える。第2および第5のパッドは、絶縁性基板に開孔されたビアおよび絶縁性基板の両面に形成された配線で接続され、第3および第4のパッドは、絶縁性基板の他方の面に形成された配線で接続されている。
前記第1の可撓性フィルムは、前記絶縁性基板の一方の面に、前記プリント基板の2つのパッドのそれぞれとはんだで接続された2つの前記第2のパッドが形成され、前記絶縁性基板の他方の面に、前記パッケージの2つのピンのそれぞれとはんだで接続された2つの前記第3のパッド、および、4端子の前記対策部品のそれぞれ対応する4つの端子とはんだで接続された2つの前記第4のパッドおよび2つの前記第5のパッドが形成されたものである請求項1に記載の部品実装モジュール。
前記第1の可撓性フィルムは、前記絶縁性基板の一方の面に、前記プリント基板の2以上のパッドのそれぞれとはんだで接続された2以上の前記第2のパッドが形成され、前記絶縁性基板の他方の面に、前記パッケージの2以上のピンのそれぞれとはんだで接続された2以上の前記第3のパッド、および、2以上の前記対策部品のそれぞれについて、前記対策部品の第1および第2の端子のそれぞれとはんだで接続された2以上の第4および第5のパッドが形成されたものである請求項1に記載の部品実装モジュール。
前記対策部品が接続されない前記パッケージのピンについて、前記第2の可撓性フィルムの代わりに、1以上の前記第2の可撓性フィルムのレイアウトパターンが形成され、前記第2の可撓性フィルムのレイアウトパターンの数が異なる2以上の第3の可撓性フィルムを組み合わせて構成された第4の可撓性フィルムを備える請求項4に記載の部品実装モジュール。
【背景技術】
【0002】
製品や試作品の部品実装モジュールの製作が完成した後、EMI(Electro-Magnetic Interference:電磁妨害)試験等を含む各種の一般的な試験を実施した結果が思わしくない場合、その対策部品として、コンデンサ、フェライトビーズ、ダンピング抵抗、コモンモードノイズフィルタ等を含む、各種の電子部品をプリント基板上に追加実装することにより対策する場合を例にして考える。
【0003】
まず、対策部品を実験的に実装する段階では、通常は、実験室においてプリント基板の加工等を人手で行うことにより、対策部品を何とかプリント基板上に実装し、その対策効果を確認するのが普通である。
【0004】
この時、コンデンサ等のように、電源ラインまたは信号ラインとグランドラインとの間に実装するシャント部品の場合、大抵はプリント基板上に既に存在するコンデンサを接続するためのパッドを利用するなどして比較的容易に追加実装が可能な場合が多い。
【0005】
一方、フェライトビーズ等のように、電源ラインまたは信号ラインに挿入するシリーズ部品の場合、プリント基板上に専用のパッドが無ければ、電源ラインの一部をカットして、そこに対策部品を挿入することで追加実装が可能であるが、プリント基板のレイアウトによっては困難な、あるいは不可能な場合も多々ある。
また、ダンピング抵抗やコモンモードノイズフィルタ等のように、信号ラインに挿入するシリーズ部品の場合、フェライトビーズの場合と同様に、プリント基板上に専用のパッドが無ければ、信号ラインの一部をカットして、そこに対策部品を挿入することで追加実装可能な場合もある。しかし、信号ラインの配線幅は通常細いため、加工は極めて困難であり、実装不可能なことも多くある。
【0006】
また、ダンピング抵抗やコモンモードノイズフィルタ等のシリーズ部品は、対策効果を引き出すためには出来る限り信号の出力側に近い位置、つまりパッケージのピン直近に実装するのが望ましい。このような観点で考えると、例えばQFP(Quad Flat Package)型のパッケージのピンを持ち上げて、パッケージのピンとプリント基板の対応するパッドとの間にシリーズ部品を挟み込んで実装するというやり方も実験の段階では考えられる。
しかし、近年ではパッケージのピンピッチが狭くなり、パッケージの厚み自体も薄くなってきているため、かなりサイズの小さな電子部品で、かつパッケージのピンピッチと合わなければ実験的に実装することすら出来ない場合が多い。
【0007】
また、対策部品の効果を確認するために実際にプリント基板のレイアウト変更を行い、新たに作成し直すことも考えられるが、この方法では、対策効果が見られなかった場合に全くの無駄になる。
【0008】
次に、上記の加工を施して対策部品の追加実装を行い、対策効果の確認が出来た後に、その対策部品を製品に実装する場合の対応としては、いくつか考えられる。
最も一般的な方法は、プリント基板のレイアウトを、所望の対策部品を実装可能なように変更することである。しかし、この場合、当然時間やコストがかかるのは明白である。
この他、特許文献1に示されるように、パッケージ内部に対策部品を埋め込むという方法もあるが、この方法はシリーズ部品には適用できず、シャント部品に限定される上、パッケージのコストが飛躍的に増加することは間違いない。
【0009】
一方、レイアウトスペースに余裕があれば、対策部品を使用することを見越して、最初から対策部品を実装できるようにプリント基板を作成しておくという方法もある。しかし、仮に対策効果が見られなかった場合、コンデンサ等のシャント部品は外すだけでよいが、シリーズ部品の場合には、代わりに必ず0Ω抵抗等を実装する必要がある。このため、対策部品を使わない場合、対策部品を使用することを見越して作成されていないプリント基板に対して0Ω抵抗等の部品点数が増加するためコストアップとなる。
【0010】
その他、本発明に関連性のある先行技術文献として、特許文献2がある。
【0011】
特許文献2には、液晶表示装置に接続されるフレキシブル回路基板の上面に、導電粒子を混合した接着フィルムのテープを貼着し、この接着フィルムのテープにおける上面に、下面に端子電極を突出するように設けた、液晶表示装置で使用される複数個の電子部品を、テープの長手に方向に沿って列状に並べてマウントし、この各電子部品をフレキシブル回路基板への押圧にて圧着するフレキシブル回路基板への部品の実装方法が記載されている。
【0012】
特許文献2のフレキシブル回路基板の上面には配線パターンが形成されているが、下面には、パッド、配線等のレイアウトパターンは形成されていない。そのため、電源ラインや信号ラインにシリーズ部品を挿入することはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解消し、プリント基板のレイアウトを変更することなく、対策部品を追加実装することができる部品実装モジュールおよび部品実装方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本発明は、半導体装置を含む1以上の部品が実装された部品実装モジュールであって、
前記半導体装置のパッケージの第1のピンに対応する導電性の第1のパッドが形成されたプリント基板と、
前記部品実装モジュールの動作を改善するための対策部品と、
前記パッケージの第1のピンと前記第1のパッドとの間に挿入して配置され、可撓性のある絶縁性基板の一方の面に、前記第1のパッドとはんだで接続された導電性の第2のパッドが形成され、前記絶縁性基板の他方の面に、前記パッケージの第1のピンとはんだで接続された導電性の第3のパッド、ならびに、前記対策部品のそれぞれ対応する第1および第2の端子とはんだで接続された導電性の第4および第5のパッドが形成された第1の可撓性フィルムとを備え、
前記第2および前記第5のパッドは、前記絶縁性基板に開孔された導電性の第1のビアおよび前記絶縁性基板の一方の面および他方の面に形成された導電性の第1の配線を介して接続され、前記第3および前記第4のパッドは、前記絶縁性基板の他方の面に形成された導電性の第2の配線を介して接続されていることを特徴とする部品実装モジュールを提供するものである。
【0016】
ここで、前記第1の可撓性フィルムは、前記絶縁性基板の一方の面に、前記プリント基板の2つのパッドのそれぞれとはんだで接続された2つの前記第2のパッドが形成され、前記絶縁性基板の他方の面に、前記パッケージの2つのピンのそれぞれとはんだで接続された2つの前記第3のパッド、および、4端子の前記対策部品のそれぞれ対応する4つの端子とはんだで接続された2つの前記第4のパッドおよび2つの前記第5のパッドが形成されたものであることが好ましい。
【0017】
また、前記第1の可撓性フィルムは、前記絶縁性基板の一方の面に、前記プリント基板の2以上のパッドのそれぞれとはんだで接続された2以上の前記第2のパッドが形成され、前記絶縁性基板の他方の面に、前記パッケージの2以上のピンのそれぞれとはんだで接続された2以上の前記第3のパッド、および、2以上の前記対策部品のそれぞれについて、前記対策部品の第1および第2の端子のそれぞれとはんだで接続された2以上の第4および第5のパッドが形成されたものであることが好ましい。
【0018】
また、前記パッケージは、QFP型のパッケージであり、
さらに、前記対策部品が接続されない前記パッケージのピンのそれぞれについて、前記対策部品が接続されない前記パッケージのピンのそれぞれと前記プリント基板の対応するパッドとの間に挿入して配置され、前記絶縁性基板の一方の面に、前記プリント基板の対応するパッドとはんだで接続された導電性の第6のパッドが形成され、前記絶縁性基板の他方の面に、前記パッケージの対応するピンとはんだで接続された導電性の第7のパッドが形成され、前記第6および第7のパッドが、前記絶縁性基板に開孔された導電性の第2のビアおよび前記絶縁性基板の一方の面および他方の面に形成された導電性の第3の配線を介して接続された第2の可撓性フィルムを備えることが好ましい。
【0019】
また、前記対策部品が接続されない前記パッケージのピンについて、前記第2の可撓性フィルムの代わりに、1以上の前記第2の可撓性フィルムのレイアウトパターンが形成され、前記第2の可撓性フィルムのレイアウトパターンの数が異なる2以上の第3の可撓性フィルムを組み合わせて構成された第4の可撓性フィルムを備えることが好ましい。
【0020】
また、前記パッケージは、BGA型のパッケージであり、
前記第1の可撓性フィルムは、さらに、前記対策部品が接続されない前記パッケージのピンのそれぞれについて、前記対策部品が接続されない前記パッケージのピンのそれぞれと前記プリント基板の対応するパッドとの間に挿入して配置され、前記絶縁性基板の一方の面に、前記プリント基板の対応するパッドとはんだで接続された導電性の第6のパッドが形成され、前記絶縁性基板の他方の面に、前記パッケージの対応するピンとはんだで接続された導電性の第7のパッドが形成され、前記第6および第7のパッドが、前記絶縁性基板に開孔された導電性の第2のビアを介して接続されたものであることが好ましい。
【0021】
また、本発明は、半導体装置を含む1以上の部品が実装された部品実装モジュールであって、
前記半導体装置のパッケージの第1および第2のピンのそれぞれに対応する導電性の第1および第2のパッドが形成されたプリント基板と、
前記部品実装モジュールの動作を改善するための対策部品と、
前記パッケージの第1および第2のピンと前記第1および第2のパッドとの間に挿入して配置され、可撓性のある絶縁性基板の一方の面に、それぞれ対応する前記第1および第2のパッドとはんだで接続された導電性の第3および第4のパッドが形成され、前記絶縁性基板の他方の面に、前記パッケージのそれぞれ対応する第1および第2のピンとはんだで接続された導電性の第5および第6のパッド、ならびに、前記対策部品のそれぞれ対応する第1および第2の端子とはんだで接続された導電性の第7および第8のパッドが形成された第1の可撓性フィルムとを備え、
前記第3、前記第5および前記第7のパッドは、前記絶縁性基板に開孔された導電性の第1のビアおよび前記絶縁性基板の一方の面および他方の面に形成された導電性の第1の配線を介して接続され、前記第4、前記第6および前記第8のパッドは、前記絶縁性基板に開孔された導電性の第2のビアおよび前記絶縁性基板の一方の面および他方の面に形成された導電性の第2の配線を介して接続されていることを特徴とする部品実装モジュールを提供する。
【0022】
また、本発明は、上記のいずれかに記載の第1の可撓性フィルムを使用して、前記プリント基板に前記半導体装置および前記対策部品を実装する部品実装方法であって、
前記プリント基板のパッドと前記第1の可撓性フィルムの一方の面の対応するパッドとを位置合わせして、前記プリント基板の上に前記第1の可撓性フィルムを配置するステップと、
前記第1の可撓性フィルムの一方の面のパッド上に形成された第1のはんだをリフローして溶融させるステップと、
前記溶融された第1のはんだを冷却して固化し、前記プリント基板のパッドと前記第1の可撓性フィルムの一方の面の対応するパッドとを前記第1のはんだで接続するステップと、
前記第1の可撓性フィルムの他方の面のパッドと前記パッケージの対応するピンおよび前記対策部品の対応する端子とを位置合わせして、前記第1の可撓性フィルムの上に前記半導体装置および前記対策部品を配置するステップと、
前記第1の可撓性フィルムの他方の面のパッド上に形成された、前記第1のはんだよりも低融点の第2のはんだを、前記第2のはんだが溶融され、前記第1のはんだが溶融されない温度でリフローして溶融させるステップと、
前記溶融された第2のはんだを冷却して固化し、前記第1の可撓性フィルムの他方の面のパッドと前記パッケージの対応するピンおよび前記対策部品の対応する端子とを前記第2のはんだで接続するステップとを含むことを特徴とする部品実装方法を提供する。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、可撓性フィルムを、半導体装置のパッケージのピンとプリント基板の対応するパッドとの間に挿入して配置することにより、プリント基板のレイアウトを変更することなく、対策部品をシリーズ(直列)接続ないしシャント(並列)接続して追加実装することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の部品実装モジュールおよび部品実装方法を詳細に説明する。
【0026】
図1(A)および(B)は、それぞれ、本発明の部品実装モジュールの構成を表す一実施形態の側面図およびその部分上面図である。同図に示す部品実装モジュール10は、半導体装置12と、プリント基板14と、対策部品16と、可撓性フィルム18とを備えている。本実施形態の部品実装モジュール10は、半導体装置12を含む1以上の部品がプリント基板14に実装されたものであり、対策部品16として、4端子のコモンモードノイズフィルタを、差動信号ラインに挿入した場合の例である。
【0027】
半導体装置12は、プリント基板14上に実装された部品である。本実施形態の半導体装置12は、QFP型のパッケージに封止されたものであり、パッケージは、前述の差動信号ラインに対応する2つのピン20,22を含む複数のピンを備えている。
【0028】
プリント基板14は、半導体装置12を含む各種の部品を実装するために、絶縁性基板上に、各種の部品のそれぞれのピンや端子に対応する導電性のパッド、これらのパッドの間を接続する導電性の配線、導電性のビア(ビアホール)等からなるレイアウトパターンが形成されたものである。
本実施形態のプリント基板14の絶縁性基板上には、半導体装置12のパッケージのピン20,22にそれぞれ対応する位置に導電性の2つのパッド24,26が形成されている。
【0029】
対策部品16は、半導体装置12を含めたシステムとしての部品実装モジュール10の動作を改善するために、可撓性フィルム18上に実装された電子部品である。本実施形態の対策部品16は、前述のように、4端子のコモンモードノイズフィルタである。
【0030】
可撓性フィルム(フレキシブル基板)18は、対策部品16が接続される半導体装置12のパッケージのピンと、プリント基板14の対応するパッドとの間に挿入して配置され、各種の対策部品16を実装するために、可撓性のある絶縁性基板の両面上に、対策部品16が接続される半導体装置12のパッケージのそれぞれのピン、プリント基板14のそれぞれのパッド、および、対策部品16のそれぞれの端子に対応するパッド、ならびに、これらのパッドの間を接続する配線、ビア等からなるレイアウトパターンが形成されたものである。
本実施形態の可撓性フィルム18は、対策部品16が接続される半導体装置12のパッケージのピン20,22と、プリント基板14の対応するパッド24,26との間に挿入して配置されている。
【0031】
図1(A)に示すように、可撓性フィルム18には、対策部品16として、4端子のコモンモードノイズフィルタが実装されている。詳細は後述するが、半導体装置12のパッケージのピン20,22は、可撓性フィルム18に形成されたレイアウトパターン、および、可撓性フィルム18に実装された対策部品16を介して、プリント基板14のそれぞれ対応するパッド24,26に接続されている。つまり、対策部品16は、差動信号ラインにシリーズ接続されている。
【0032】
次に、本実施形態の可撓性フィルム18のレイアウトパターンについて説明する。
【0033】
図2(A)および(B)は、それぞれ、
図1に示す可撓性フィルムのおもて面および裏面のレイアウトパターンの構成を表す第1の実施形態の概念図、
図3は、
図2に示す可撓性フィルムと対策部品である4端子のコモンモードノイズフィルタとの接続関係を表す一例の回路図である。
【0034】
図2(B)に示すように、本実施形態の可撓性フィルム18の絶縁性基板の裏面(一方の面)には、プリント基板14の差動信号ラインのパッド24,26にそれぞれ対応する位置に2つのパッド28,30が形成されている。パッド28,30は、
図1(B)に示すプリント基板14のそれぞれ対応する差動信号ラインのパッド24,26とはんだで接続される。
【0035】
また、
図2(A)に示すように、絶縁性基板のおもて面(他方の面)には、半導体装置12のパッケージの差動信号ピン20,22にそれぞれ対応する位置に2つのパッド32,34が形成され、さらに、対策部品16である4端子のコモンモードノイズフィルタの4つの端子にそれぞれ対応する位置に4つのパッド36,38,40,42が形成されている。パッド32,34は、
図1(B)に示す半導体装置12のパッケージのそれぞれ対応する差動信号ピン20,22とはんだで接続される。また、
図3に示すように、パッド36,38,40,42は、対策部品16である4端子のコモンモードノイズフィルタのそれぞれ対応する端子とはんだで接続されている。
【0036】
パッド32,34は、それぞれ、絶縁性基板の裏面に形成されたパッド28,30に対して、おもて面の同じ位置に形成されているが、絶縁されている。
【0037】
さらに、
図2および
図3に示すように、パッド28,40は、絶縁性基板に開孔されたビア44および絶縁性基板の裏面およびおもて面に形成された配線48を介して接続されている。同様に、パッド30,42は、絶縁性基板に開孔されたビア46および絶縁性基板の裏面およびおもて面に形成された配線50を介して接続されている。
また、パッド32,36は、絶縁性基板のおもて面に形成された配線52を介して接続され、パッド34,38は、絶縁性基板のおもて面に形成された配線54を介して接続されている。
【0038】
つまり、半導体装置12のパッケージの差動信号ピン20,22は、パッド32,34、配線52,54、パッド36,38、対策部品16である4端子のコモンモードノイズフィルタ、パッド40,42、配線48,50、ビア44,46、配線48,50、パッド28,30を介して、プリント基板14のそれぞれ対応する差動信号ラインのパッド24,26に接続されている。
【0039】
このように、部品実装モジュール10では、半導体装置12のパッケージの差動信号ピン20,22とプリント基板14のそれぞれ対応する差動信号ラインのパッド24,26との間に、対策部品16である4端子のコモンモードノイズフィルタが実装された可撓性フィルム18を挿入して配置することにより、差動信号ラインに、対策部品16である4端子のコモンモードノイズフィルタをシリーズ接続することができる。
【0040】
次に、本発明の第2の実施形態の可撓性フィルム18について説明する。
【0041】
図4(A)および(B)は、それぞれ、可撓性フィルムのおもて面および裏面のレイアウトパターンの構成を表す第2の実施形態の概念図、
図5は、
図4に示す可撓性フィルムと対策部品である2端子のダンピング抵抗との接続関係を表す一例の回路図である。本実施形態の可撓性フィルム18は、対策部品16として、2端子のダンピング抵抗を、信号ラインに挿入する場合の例である。
【0042】
図4(B)に示すように、本実施形態の可撓性フィルム18の絶縁性基板の裏面には、プリント基板14の信号ラインのパッドに対応する位置にパッド56が形成されている。パッド56は、プリント基板14の対応する信号ラインのパッドとはんだで接続される。
【0043】
また、
図4(A)に示すように、絶縁性基板のおもて面には、半導体装置12のパッケージの信号ピンに対応する位置にパッド58が形成され、さらに、対策部品16である2端子のダンピング抵抗の2つの端子にそれぞれ対応する位置に2つのパッド60,62が形成されている。パッド58は、半導体装置12のパッケージの対応する信号ピンとはんだで接続される。また、
図5に示すように、パッド60,62は、対策部品16である2端子のダンピング抵抗のそれぞれ対応する端子とはんだで接続される。
【0044】
同様に、パッド58は、絶縁性基板の裏面に形成されたパッド56に対して、おもて面の同じ位置に形成されている。
【0045】
さらに、
図4および
図5に示すように、パッド56,62は、絶縁性基板に開孔されたビア64および絶縁性基板の裏面およびおもて面に形成された配線66を介して接続されている。
また、パッド58,60は、絶縁性基板のおもて面に形成された配線68を介して接続されている。
【0046】
つまり、半導体装置12のパッケージの信号ピンは、パッド58、配線68、パッド60、対策部品16である2端子のダンピング抵抗、パッド62、配線66、ビア64、配線66、パッド56を介して、プリント基板14の対応する信号ラインのパッドに接続される。
【0047】
従って、半導体装置12のパッケージの信号ピンとプリント基板14の対応する信号ラインのパッドとの間に、対策部品16である2端子のダンピング抵抗が実装された可撓性フィルム18を挿入して配置することにより、信号ラインに、対策部品16である2端子のダンピング抵抗をシリーズ接続することができる。
【0048】
次に、本発明の第3の実施形態の可撓性フィルム18について説明する。
【0049】
図6(A)および(B)は、それぞれ、可撓性フィルムのおもて面および裏面のレイアウトパターンの構成を表す第3の実施形態の概念図、
図7は、
図6に示す可撓性フィルムと対策部品である2端子のコンデンサとの接続関係を表す一例の回路図である。本実施形態の可撓性フィルム18は、対策部品16として、2端子のコンデンサを、電源ラインとグランドラインとの間に挿入する場合の例である。
【0050】
図6(B)に示すように、本実施形態の可撓性フィルム18の絶縁性基板の裏面には、プリント基板14の電源ラインおよびグランドラインのパッドにそれぞれ対応する位置に2つのパッド70,72が形成されている。パッド70,72は、プリント基板14のそれぞれ対応する電源ラインおよびグランドラインのパッドとはんだで接続される。
【0051】
また、
図6(A)に示すように、絶縁性基板のおもて面には、半導体装置12のパッケージの電源ピンおよびグランドピンにそれぞれ対応する位置に2つのパッド74,76が形成され、さらに、対策部品16である2端子のコンデンサの2つの端子にそれぞれ対応する位置に2つのパッド78,80が形成されている。パッド74,76は、半導体装置12のパッケージのそれぞれ対応する電源ピンおよびグランドピンとはんだで接続される。また、
図7に示すように、パッド78,80は、対策部品16である2端子のコンデンサのそれぞれ対応する端子とはんだで接続される。
【0052】
同様に、パッド74,76は、それぞれ、絶縁性基板の裏面に形成されたパッド70,72に対して、おもて面の同じ位置に形成されている。
【0053】
さらに、
図6および
図7に示すように、パッド70,74は、絶縁性基板に開孔されたビア82を介して接続され、パッド72,76は、絶縁性基板に開孔されたビア84を介して接続されている。
また、パッド74,78は、絶縁性基板のおもて面に形成された配線86を介して接続され、パッド76,80は、絶縁性基板のおもて面に形成された配線88を介して接続されている。
【0054】
つまり、半導体装置12のパッケージの電源ピンは、パッド74、ビア82、パッド70を介して、プリント基板14の電源ラインのパッドに接続される。同様に、半導体装置12のパッケージのグランドピンは、パッド76、ビア84、パッド72を介して、プリント基板14のグランドラインのパッドに接続される。
また、対策部材16である2端子のコンデンサの一方の端子は、パッド78、配線86、パッド74を介して、半導体装置12のパッケージの電源ピンに接続され、コンデンサの他方の端子は、パッド80、配線88、パッド76を介して、半導体装置12のパッケージのグランドピンに接続される。
【0055】
従って、半導体装置12のパッケージの電源ピンおよびグランドピンとプリント基板14のそれぞれ対応する電源ラインおよびグランドラインのパッドとの間に、対策部品16である2端子のコンデンサが実装された可撓性フィルム18を挿入して配置することにより、電源ラインとグランドラインとの間に、対策部品16である2端子のコンデンサをシャント接続することができる。
【0056】
次に、本発明の第4の実施形態の可撓性フィルム18について説明する。
【0057】
図8(A)および(B)は、それぞれ、可撓性フィルムのおもて面および裏面のレイアウトパターンの構成を表す第4の実施形態の概念図、
図9は、
図8に示す可撓性フィルムと対策部品である2端子のコンデンサおよび2端子のフェライトビーズとの接続関係を表す一例の回路図である。本実施形態の可撓性フィルム18は、対策部品16として、2端子のコンデンサを、電源ラインとグランドラインとの間に挿入し、さらに、2端子のフェライトビーズを電源ラインに挿入する場合の例である。
【0058】
図8(B)に示すように、本実施形態の可撓性フィルム18の絶縁性基板の裏面には、プリント基板14のグランドラインおよび電源ラインのパッドにそれぞれ対応する位置に2つのパッド90,92が形成されている。パッド90,92は、プリント基板14のそれぞれ対応するグランドラインおよび電源ラインのパッドとはんだで接続される。
【0059】
また、
図8(A)に示すように、絶縁性基板のおもて面には、半導体装置12のパッケージのグランドピンおよび電源ピンにそれぞれ対応する位置に2つのパッド94,96が形成され、対策部品16である2端子のコンデンサの2つの端子にそれぞれ対応する位置に2つのパッド98,100が形成され、さらに、対策部品16である2端子のフェライトビーズの2つの端子にそれぞれ対応する位置に2つのパッド102,104が形成されている。パッド94,96は、半導体装置12のパッケージのそれぞれ対応するグランドピンおよび電源ピンとはんだで接続される。また、
図9に示すように、パッド98,100は、対策部品16である2端子のコンデンサのそれぞれ対応する端子とはんだで接続され、パッド102,104は、対策部品16である2端子のフェライトビーズのそれぞれ対応する端子とはんだで接続される。
【0060】
同様に、パッド94,96は、それぞれ、絶縁性基板の裏面に形成されたパッド90,92に対して、おもて面の同じ位置に形成されている。
【0061】
さらに、
図8および
図9に示すように、パッド90,94は、絶縁性基板に開孔されたビア106を介して接続され、パッド94,98は、絶縁性基板のおもて面に形成された配線108を介して接続されている。また、パッド92、102は、絶縁性基板に開孔されたビア112および絶縁性基板のおもて面および裏面に形成された配線114を介して接続されている。パッド96,100は、絶縁性基板のおもて面に形成された配線110を介して接続され、パッド100,104は、絶縁性基板のおもて面に形成された配線116を介して接続されている。
【0062】
つまり、半導体装置12のパッケージの電源ピンは、パッド96、配線110、パッド100、配線116、パッド104、対策部品16のフェライトビーズ、パッド102、配線114、ビア112、配線114、パッド92を介して、プリント基板14の電源ラインのパッドに接続される。また、半導体装置12のパッケージのグランドピンは、パッド94、ビア106、パッド90を介して、プリント基板14のグランドラインのパッドに接続される。
また、対策部材16である2端子のコンデンサの一方の端子は、パッド98、配線108、パッド94を介して、半導体装置12のパッケージの電源ピンに接続され、コンデンサの他方の端子は、パッド100、配線110、パッド96を介して、半導体装置12のパッケージのグランドピンに接続される。
対策部材16である2端子のフェライトビーズの一方の端子は、パッド102、配線114、ビア112、配線114、パッド92を介して、プリント基板14の電源ラインに対応するパッドに接続され、フェライトビーズの他方の端子は、パッド104、配線116、パッド100、配線110、パッド96を介して、半導体装置12のパッケージの電源ピンに接続される。
【0063】
従って、半導体装置12のパッケージの電源ピンおよびグランドピンとプリント基板14のそれぞれ対応する電源ラインおよびグランドラインのパッドとの間に、対策部品16である2端子のコンデンサおよび2端子のフェライトビーズが実装された可撓性フィルム18を挿入して配置することにより、電源ラインとグランドラインとの間に、対策部品16である2端子のコンデンサをシャント接続し、かつ、電源ラインに、対策部品16である2端子のフェライトビーズをシリーズ接続することができる。
【0064】
次に、部品実装モジュール10の製造過程における部品の実装方法について説明する。
【0065】
例えば、QFP型のパッケージの一部のピンとプリント基板14の対応するパッドとの間に可撓性フィルム18を挿入して配置する場合、あらかじめ対象となるパッケージのピンを、可撓性フィルム18の厚さの分、持ち上げておく必要がある。製造工程でこれを行う場合、例えば、金型等を用いて、対象となるパッケージの一部のピンをあらかじめ持ち上げる等の工程を追加する必要がある。
【0066】
図10は、半導体装置および可撓性フィルムの各部位の一般的な寸法を表す一例の側面図である。同図に示すように、QFP型のパッケージのリード(足)の一般的な高さは約500μm、パッケージのアウターリード(ピン)の一般的な厚さは約150μm、半導体装置12をプリント基板14上に実装した場合の、パッケージとプリント基板14との間の一般的な間隔は約100μm、可撓性フィルム18の一般的な厚さは約50μmである。
【0067】
従って、可撓性フィルム18を挿入して配置する場合、
図10に示すように、可撓性フィルム18の厚さの約50μmの分、対象となるパッケージのアウターリードを予め持ち上げておく必要がある。この50μmという数値は、パッケージのリードの高さの約500μmに対して1割程度であるから、対象となるパッケージのアウターリードを持ち上げてもそれほど高い負荷がかからない。従って、金属疲労等でアウターリードの強度が低下する等の心配はほとんどない。
【0068】
このように、寸法的には、例えば、QFP型のパッケージの一部のピンとプリント基板14の対応するパッドとの間に可撓性フィルム18を挿入して配置することは十分実現可能である。
【0069】
一方、QFP型のパッケージの一部のピンを持ち上げずにそのままの状態で、可撓性フィルム18を挿入して配置する方法もある。
【0070】
図11(A)および(B)は、それぞれ、可撓性フィルムのおもて面および裏面のレイアウトパターンの構成を表す第5の実施形態の概念図である。本実施形態の可撓性フィルム18は、対策部品16を実装するためのものではなく、対策部品16が接続されるQFP型のパッケージの一部のピンとプリント基板14の対応するパッドとの間に可撓性フィルム18を挿入して配置する場合に、対策部品16が接続されないパッケージの残りのピンとプリント基板14のそれぞれ対応するパッドとの間に挿入して配置することにより、全てのピンの高さを調整するためのものである。
【0071】
図11(A)および(B)に示すように、本実施形態の可撓性フィルム18の絶縁性基板の裏面には、プリント基板14の対応するパッドとはんだで接続されるパッド118が形成され、絶縁性基板のおもて面には、半導体装置12のパッケージの対応するピンとはんだで接続されるパッド120が形成されている。パッド118,120は、絶縁性基板に開孔されたビア122および絶縁性基板の裏面およびおもて面に形成された配線124を介して接続されている。
本実施形態の可撓性フィルム18には、5組の、パッド118,120、ビア122および配線124からなるレイアウトパターンが並べて形成されている。
【0072】
QFP型のパッケージの5つのピンとプリント基板14のそれぞれ対応する5つのパッドとの間に、本実施形態の可撓性フィルム18を挿入して配置することにより、パッケージの5つのピンは、それぞれ、対応するパッド120、配線124、ビア122、配線124、パッド118を介して、プリント基板14のそれぞれ対応する5つのパッドに接続される。
【0073】
従って、QFP型のパッケージの一部のピンとプリント基板14の対応するパッドとの間に可撓性フィルム18を挿入して配置する場合に、パッケージの残りのピンとプリント基板14のそれぞれ対応するパッドとの間に、
図11に示す可撓性フィルム18を挿入して配置することにより、QFP型のパッケージの全てのピンの高さ(実装面)を均一にすることができる。そのため、前述のパッケージの一部のピンを持ち上げる工程は不要となる。
【0074】
なお、QFP型のパッケージの場合、
図11に示すパッド118,120、ビア122および配線124からなるレイアウトパターンが1以上並べて形成され、かつ、パッド118,120、ビア122および配線124からなるレイアウトパターンの数が異なる2種類以上の可撓性フィルム18を用意しておき、それらを組み合わせることにより、ピン数の異なるパッケージにも汎用的に使用することが可能となる。
【0075】
また、汎用性は薄れるが、
図12に示すように、BGA型のパッケージのピン全体をカバーするレイアウトパターンを用いて、対策部品16を実装したいピンのみ、外へ引き出して対策部品16を実装するためのパッドを設けることも可能である。
図12は、可撓性フィルムのおもて面のレイアウトパターンの構成を表す第6の実施形態の概念図である。
【0076】
本実施形態の可撓性フィルム18の絶縁性基板のおもて面には、対策部品16が接続される、同図中の左下の縦2×横3からなる合計6つのピンのそれぞれに対応する、
図4(A)および(B)に示すものと同じレイアウトパターンが形成されている。
これらの6つのピンは、それぞれ、配線128によりBGA型のパッケージの全てのピンを含む領域の外へ引き出され、対応する、
図4(A)および(B)に示すものと同じレイアウトパターンに接続されている。
【0077】
それ以外の、対策部品16が接続されないBGA型のパッケージの残りのピンのそれぞれには、
図11(A)および(B)に示すものと同様のレイアウトパターンが形成されている。
つまり、残りのピンのそれぞれについて、絶縁性基板の裏面には、プリント基板14の対応するパッドとはんだで接続されるパッドが形成されている。また、絶縁性基板のおもて面には、パッケージの対応する残りのピンとはんだで接続されるパッド126が形成されている。
また、残りのピンのそれぞれについて、絶縁性基板のおもて面のパッド126は、絶縁性基板の自分自身のパッドの位置に開孔されたビア(パッドオンビア)を介して、絶縁性基板の裏面のパッドに接続されている。
【0078】
従って、BGA型のパッケージの全てのピンと、プリント基板14に形成された、BGA型のパッケージの全てのピンのそれぞれ対応するパッドとの間に可撓性フィルム18を挿入して配置することにより、BGA型のパッケージの全てのピンの高さを均一にすることができるとともに、同図中の左下の縦2×横3からなる合計6つのピンについては、外へ引き出されて形成されたレイアウトパターンのパッドを用いて、対策部品16を実装することができる。
【0079】
なお、BGA型のパッケージの場合、
図12に示すレイアウトパターンのパッドの数が異なる2種類以上の可撓性フィルム18(例えば、縦3×横3からなる合計9個のパッド、縦5×横1からなる合計5個のパッドを含むレイアウトパターンなど)を用意しておくことで同様の対応が可能となる。
【0080】
あるいは、QFPおよびBGA型のパッケージのいずれにおいても、あらかじめ可撓性のあるロール状の絶縁性基板に、複数のパッドが並べて配置された可撓性フィルム18を複数の種類用意しておき、必要なパッド数分の所で、用途に応じてカットして使うという方法もある。
【0081】
最後に、可撓性フィルム18を使用して、プリント基板14に半導体装置12および対策部品16を実装する際のはんだ付け工程について説明する。
【0082】
半導体装置12および対策部品16を実装する際のはんだ付け工程は、例えば、リフロー方式で実施することができる。
概略すると、まず、プリント基板14に可撓性フィルム18をリフロー方式で実装する。この時、半導体装置12および対策部品16はまだ実装しない。続いて、可撓性フィルム18に半導体装置12および対策部品16をリフロー方式で実装する。
【0083】
より詳細には、
図13のフローチャートに示すように、まず、プリント基板14のパッドと可撓性フィルム18の裏面の対応するパッドとを位置合わせして、プリント基板14の上に可撓性フィルム18を配置する(ステップS1)。
【0084】
続いて、可撓性フィルム18の裏面のパッド上に形成されたはんだをリフローして溶融させる(ステップS2)。
【0085】
そして、溶融されたはんだを冷却して固化し、プリント基板14のパッドと可撓性フィルム18の裏面の対応するパッドとをはんだで接続する(ステップS3)。
【0086】
以上の工程により、プリント基板14に可撓性フィルム18を実装することができる。
【0087】
続いて、可撓性フィルム18のおもて面のパッドと半導体装置12のパッケージの対応するピンおよび対策部品16の対応する端子とを位置合わせして、可撓性フィルム18の上に半導体装置12および対策部品16を配置する(ステップS4)。
【0088】
続いて、可撓性フィルム18のおもて面のパッド上に形成されたはんだをリフローして溶融させる(ステップS5)。
この時、可撓性フィルム18のおもて面と半導体装置12および対策部品16との接続に用いるはんだは、プリント基板14と可撓性フィルム18の裏面との接続に用いたはんだよりも低融点のものを使用し、可撓性フィルム18のおもて面と半導体装置12および対策部品16との接続に用いるはんだが溶融され、かつ、プリント基板14と可撓性フィルム18の裏面との接続に用いたはんだが溶融されない温度でリフローを実施する。
これにより、半導体装置12および対策部品16をリフロー工程で実装する際に、既にプリント基板14に実装されている可撓性フィルム18がずれないようにすることができる。
【0089】
そして最後に、溶融されたはんだを冷却して固化し、可撓性フィルム18のおもて面のパッドとパッケージの対応するピンおよび対策部品16の対応する端子とをはんだで接続する(ステップS6)。
【0090】
以上の工程により、可撓性フィルム18に半導体装置12および対策部品16を実装することができる。つまり、プリント基板14に半導体装置12および対策部品16を実装することができる。
【0091】
部品実装モジュール10では、可撓性フィルム18を、半導体装置12のパッケージのピンとプリント基板14の対応するパッドとの間に挿入して配置することにより、プリント基板14のレイアウトを変更することなく、対策部品16をシリーズ接続ないしシャント接続して追加実装することができる。
また、対策部品16等の効果を、実験の段階から容易に確認することが可能になる。また、実際に対策部品16等を実装する場合に、可撓性フィルム18を製造工程で実装することも可能であるため、そのまま製品に適用することも可能である。この場合、プリント基板14の設計をやり直す必要がなくなるため、そのための時間やコストを削減することが可能となる。あるいは、少数の製品ロットについてはこれで対応し、その間にプリント基板14の設計の変更を行うという選択も可能になる。また、各実施形態で例示した可撓性フィルム18のレイアウトパターンはある程度汎用性があるため、カスタム品に比べて低コストで実施することができる。
【0092】
なお、上記各実施形態の可撓性フィルム18のレイアウトパターンは一例であり、本発明の部品実装モジュール10には、同様の機能を果たす様々なレイアウトパターンの可撓性フィルム18を使用することができる。
【0093】
また、上記各実施形態の可撓性フィルム18のレイアウトパターンは最小構成の例であり、例えば、
図4に示すレイアウトパターンを2以上、一列に、アレイ状に、あるいは、千鳥状に並べて配置することも当然可能である。
例えば、
図4に示すレイアウトパターンを2つ並べて配置する場合、可撓性フィルム18の絶縁性基板の裏面には、プリント基板14の2つのパッドのそれぞれとはんだで接続された2つのパッドが形成され、絶縁性基板のおもて面には、パッケージの2つのピンのそれぞれとはんだで接続された2つのパッド、および、2つの対策部品16のそれぞれについて、対策部品16の2つの端子のそれぞれとはんだで接続された2つのパッドが形成される。
【0094】
また、本発明は、QFPやBGA型のパッケージだけでなく、これ以外の様々な種類のパッケージにも同様に適用することができる。
【0095】
可撓性フィルム18は、その構造が柔軟であるため、例えば、パッケージのピン周辺に既に部品が実装されている場合でも、可撓性フィルム18を折り曲げることにより、既に実装されている部品を避けて実装することが可能であるため、適用の幅は広い。
【0096】
本発明は、基本的に以上のようなものである。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。