【解決手段】このステント10は、金属筒や金属板を加工するか又は金属線材を編んで形成された筒状のステント本体20と、ステント本体20の先端部に固着され、基端側からステント本体内に流入した流体が通過するときに開き、先端側からステント本体内に流体が流入しようとするときに閉じる、樹脂製の弁体43を有する逆流防止弁40とを備え、ステント本体20の先端部には、先端に向けて次第に縮径したテーパ部28が形成され、逆流防止弁40は、その基端側を前記ステント本体のテーパ部28の内側に固着されて、テーパ部28の内側に配置されている。
前記逆流防止弁の弁体は、前記テーパ部の内周に対して、前記ステント本体の径方向中心に向けて所定角度で傾斜して形成されており、該弁体と前記テーパ部との間に隙間が設けられている請求項1記載のステント。
前記逆流防止弁の先端は、前記ステント本体の先端と同じ位置か、又は、前記ステント本体の先端から基端側に向けて所定長さ引っ込んだ位置に配置されている請求項1又は2記載のステント。
前記逆流防止弁の弁体には、その先端から基端側に向けて逆流防止弁の軸方向に沿って伸びる1又は2以上のスリットが形成されている請求項1〜3のいずれか1つに記載のステント。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、
図1〜10を参照して、本発明のステントの一実施形態について説明する。
【0018】
図1に示すように、この実施形態のステント10は、両端部が開口した円筒状のステント本体20と、該ステント本体20の先端部に固着され、基端側からステント本体20内に流入した流体が通過するときに開き、先端側からステント本体20内に流体が流入しようとするときに閉じる、樹脂製の弁体43を有する逆流防止弁40(以下、「逆止弁40」という)とを備えている。
【0019】
この実施形態では、円筒状のステント本体20として、金属円筒を加工して、複数のメッシュ状の開口21を形成したものが用いられている。
図4(a)の展開図を併せて説明すると、ステント本体20は、金属円筒がレーザー加工やエッチング等で加工されて、波形に折曲されると共に、周方向に沿ってジグザグ状に伸び、このジグザグ状部分23の両端が環状に連結されて周方向単位25が形成され、各周方向単位25のジグザグ状部分23の屈曲部どうしが連結部27を介して連結されることで、複数の周方向単位25が連結部27を介して軸方向に連結され、全体として円筒状をなしている。
【0020】
なお、ステント本体20としては、
図4(b)に示すように、金属円筒を加工してなる開口21を有する複数の枠状体24を周方向に連結して周方向単位25とし、これらを複数の連結部27を介して軸方向に連結して、円筒状に構成したものであってもよい。
【0021】
また、ステント本体20としては、金属板を加工して、ジグザグ状部分23や枠状体24を有する周方向単位25を複数形成し、この金属板を円筒状に屈曲させて形成したり、或いは、金属線材を織ったり組んだり絡ませたり等して編むことで、円筒状に形成してもよい。
【0022】
上記ステント本体20は、常時は拡径した状態となる自己拡張型であるが、バルーンカテーテル等に装着しておき、ステントの内側に配置されたバルーンを膨らませることで、拡径させるバルーン拡径型としてもよい。なお、ステント本体20のメッシュ状の開口21の配置パターンは、上記
図4(a),(b)に記載されたものに限らず、縮径及び拡径が可能な形状であれば特に限定されない。
【0023】
そして、上記ステント本体20の先端部には、先端に向けて次第に縮径したテーパ部28が形成されている。この実施形態におけるテーパ部28は、ステント本体20の軸心Cに対して平行で且つステント外周に沿った線Sに対して、所定角度θ1で形成されている(
図2参照)。この角度θ1は、5〜45°であることが好ましく、15〜30°であることがより好ましい。また、テーパ部28の、ステント本体20の軸心Cに沿った長さL1(
図2参照)は、10〜100mmであることが好ましく、20〜70mmであることがより好ましい。
【0024】
なお、テーパ部28は、先端に向けて次第に縮径した形状であればよく、円錐形状に限定されず、例えば、角錐形状や、段階的に縮径する形状等であってもよい。
【0025】
上記テーパ部28は、例えば、ステント本体20を所定形状の金型にセットして、所定の熱処理を施すこと等によって成形することができる。
【0026】
また、本発明におけるステント本体の「先端部」とは、胆管5(
図9参照)や食道等の管状器官内や体内組織内などにステントを留置したとき、管状器官内や体内組織内を流動する胆汁や飲食物等の流体が上流側から下流側へと流動する際の、下流側の端部を意味する。更に本発明における「流体」とは、体内を流れる流体を意味し、例えば、胆汁、膵液等の体液のほか、食道等を流れる飲食物等を含む意味である。
【0027】
上記ステント本体20の材質は、特に限定されないが、例えば、ステンレス、Ta、Ti、Pt、Au、W等や、Ni−Ti系合金、Co−Cr系合金、Co−Cr−Ni系合金、Cu−Zn−X(X=Al,Fe等)合金、Ni−Ti−X(X=Fe,Cu,V,Co等)合金等の形状記憶合金などが好ましい。
【0028】
また、ステント本体20の所定位置に、Pt、Ti、Pd、Rh、Au、W、Ag、Bi、Ta及びこれらの合金や、BaSO4、Bi、W等の粉末を含有した合成樹脂、ステンレスなどからなる、X線不透過性のX線マーカーを設けてもよい。
【0029】
本発明の好ましい態様においては、上記ステント本体20には、その内側に内側カバー30が被覆されていると共に、外側に外側カバー32が被覆されている。
図2及び
図3の断面図に示すように、内側カバー30は、ステント本体20の内側を被覆すると共に、その厚さ方向途中に至る部分まで埋設し、外側カバー32は、ステント本体20の外側を被覆すると共に、内側カバー30が埋設されていない部分に至るまで埋設しており、両カバー30,32によって、ステント本体20のメッシュ状の開口21が塞がれている。
【0030】
内側カバー30及び外側カバー32は、例えば、ポリウレタン、シリコーン、天然ゴム、ナイロンエラストマー、ポリエーテルブロックアミド、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニルや、更には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、四フッ化エチレン−エチレン共重合体(ETFE)等のフッ素系樹脂、ポリブタジエン等のオレフィン系ゴム、スチレン系エラストマーなどで形成されることが好ましい。特に、内側カバー30がポリウレタンで形成され、外側カバー32がシリコーンで形成されていることが好ましい。なお、ステント本体20のカバーはなくてもよく、内側カバー30又は外側カバー32のいずれか一方のみ設けてもよい。
【0031】
そして、ステント本体20の内側に逆止弁40の基端側が固着されて、ステント本体20のテーパ部28の内側に逆止弁40が配置されている。
【0032】
図2及び
図5に示すように、この実施形態の逆止弁40は、基端側が円形状に開口し、先端側に向けて次第に縮径する略円錐形状をなしており、その基端側が前記ステント本体20の内側に固着された固着部41をなし、該固着部41の先端側に、固着部41とは異なる傾斜角度で延出した樹脂製の弁体43が連設されている。なお、この実施形態では、固着部41及び弁体43は後述する樹脂材料によって一体的に形成されている。
【0033】
図2に示すように、前記固着部41は、この実施形態では、前記テーパ部28に適合する傾斜角度で形成されており、テーパ部28の内周に固着されている。ただし、逆止弁40は、ステント本体20のテーパ部28より基端側で固着されていてもよい。また、固着部41の、ステント本体20の軸心Cに沿った長さL2(
図2参照)は、5〜80mmであることが好ましく、10〜40mmであることがより好ましい。
【0034】
一方、前記弁体43は、前記固着部41よりも急な傾斜角度で延出し、その先端にスリット45が形成され、該スリット45を介して先端が開閉可能となっている。スリット45は、流体がステント10の内部を先端側に向けて流れるとき(順行のとき)には開き(
図5(b)参照)、流体がステント10の先端側から入り込もうとするとき(逆行のとき)には閉じるようになっている(
図5(a)参照)。なお、弁体43は、外力のない状態や順行のときには開き、逆行のときに閉じるように構成してもよく、或いは、外力のない状態や逆行のときには閉じ、順行のときには開くように構成してもよい。
【0035】
図2に示すように、前記弁体43は、前記テーパ部28の内周に対して、前記ステント本体20の径方向中心に向けて所定角度θ2で傾斜して形成されており、弁体43とテーパ部28との間に隙間35が設けられるようになっている。なお、前記角度θ2は、5〜60°であることが好ましく、15〜50°であることがより好ましい。
【0036】
また、弁体43の厚さTは、0.01〜1mmであることが好ましく、0.04〜0.5mmであることがより好ましい。なお、この実施形態においては、弁体43は、固着部41と一体形成されて固着部41と同一厚さとなっているが(
図2参照)、固着部41に対して弁体43を肉薄又は肉厚に形成してもよい。
【0037】
この実施形態の逆止弁40は、その基端側の固着部41が、ステント本体20のテーパ部28の内側に固着されて、ステント本体20の先端部に固着されるようになっているが、このとき、逆止弁40の先端は、ステント本体20の先端とほぼ同じ位置となるように配置されている(
図2参照)。また、逆止弁40の先端は、ステント本体20の先端から基端側に向けて所定長さ引っ込んだ位置となるように配置してもよい。
【0038】
そして、ステント10の基端開口側からステント本体20内に流入した流体が、逆止弁40を通過するときに、前記弁体43の先端のスリット45が開いて、流体が流出する(
図5(b)及び
図6の実線参照)。一方、ステント先端側からステント本体20内に流体が流入しようとすると、弁体43のスリット45が閉じて、その流入が阻止されるようになっている(
図2、
図5(a)及び
図6の想像線参照)。
【0039】
なお、前記逆止弁40は、上記形状に限定されるものではなく、例えば、
図7や
図8に示す形状であってもよい。
【0040】
図7に示す逆流防止弁40a(以下、「逆止弁40a」という)は、
図5に示す逆止弁40と弁体の形状が異なっている。
【0041】
すなわち、この逆止弁40aの弁体43aは、軸方向に見て十字状をなしたスリット47が、弁体43aの先端から基端側に向けて逆止弁40aの軸方向に沿って伸びており、それによって4つ割りされたチャック状の弁状片48が撓み可能に設けられている。なお、スリット47を弁体中心から放射状に均等な間隔で3個形成して3つ割りの弁状片としたり、5個以上形成して複数の弁状片を設けたりしてもよい。また、各弁状片48の内側には、軸方向に沿って所定深さの凹部48aが形成されており(
図7(b)参照)、これらの凹部48aによって内部通路が形成され、各弁状片48の内部に流体が流入可能となっている。
【0042】
この逆止弁40aでは、ステント内に流入した流体が逆止弁40aを通過するときに、弁体43aの各弁状片48が開いて流体を流出させ(
図7(b)参照)、一方、ステント先端側からステント本体20内へ流体が流れ込もうとしたときには、各弁状片48の先端及び側面どうしが互いに当接して弁体43aが閉じて、逆流が阻止されるようになっている(
図7(a)参照)。なお、外力のない状態では、弁体43aの各弁状片48は、閉じていてもよく、開いていてもよい。弁体43aの各弁状片48が開いていても、逆流が生じたときには、その流れによって各弁状片48を閉じさせることができる。
【0043】
図8に示す逆流防止弁40b(以下、「逆止弁40b」という)は、
図5及び
図7に示す逆止弁40,40aと弁体の形状が異なっている。
【0044】
すなわち、この弁体43bは、スリット49が弁体先端を横切ると共に、弁体先端から固着部41の基端に至るまで逆止弁40bの軸方向に沿って伸びて形成され、それによって、くちばし状をなした一対の弁状部50,50が開閉可能に設けられている。また、各弁状部50は、内側に凹部50aが形成され(
図8(b)参照)、この凹部50aによって各弁状部50,50の内側に、流体が流れる内部空間が形成されるようになっている。
【0045】
この逆止弁40bは、ステント内に流入した流体が逆止弁40bを通過するときに、弁体43bの一対の弁状部50,50が開いて流体を流出させ(
図8(b)参照)、一方、ステント先端側からステント本体20内に流体が流入しようとすると、弁体43bの弁状部50,50が閉じて逆流が阻止されるようになっている(
図8(a)参照)。なお、前記と同様に、外力のない状態では、弁体43bの一対の弁状部50,50は、閉じていても、開いていてもよい。
【0046】
なお、上記の逆止弁以外にも、例えば、
図5に示す逆止弁40の弁体43の先端に、軸方向から見て、十字状、三ツ矢形状、星形状等をなして、弁体中心から放射状にスリットを形成したものであってもよい。また、弁体43を分割するスリットは、波形のスリットや、鋸刃形状のスリットであってもよい。或いは、弁体43の全体形状を、半球状や、所定曲率でカーブを描いた曲面形状等にしてもよい。
【0047】
上記逆止弁40の材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリウレタン、シリコーン、ポリブタジエン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、アクリレート系誘導体、メタクリル酸系誘導体、ナイロンエラストマー等や、天然ゴム、エチレン−プロピレンゴム、ブチルゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、アクリルゴム、4フッ化エチレン−プロピレンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、エチレン−アクリレートゴム、ノルボルネンゴム等のゴムなどの樹脂を用いることができる。
【0048】
上記逆止弁40は、例えば、固着部41と弁体43を射出成形によって一体形成しておき、その固着部41を、ステント本体20のテーパ部28の内側に、接着、溶着等の手段によって固着させたり、或いは、所定の型枠内にセットしたステント本体20のテーパ部28の内側に、ディッピング等によって逆止弁40を形成すると共に、テーパ部28の内側に固着させたりしてもよい。なお、この実施形態の逆止弁40は、固着部41と弁体43とが一体形成されているが、別体で形成してもよい。
【0049】
次に、上記構成からなる本発明のステント10の使用方法の一例について説明する。
【0050】
図9に示すように、十二指腸1の下部には、乳頭3が設けられており、この乳頭3から胆管5や膵管7が分岐して伸びている。また、図示しない肝臓により生成される胆汁は、胆管5内を流動し、乳頭3を通過して十二指腸1へと供給されるようになっている。ここでは、乳頭3を通して、胆管5内にステント10を留置する際の手順について説明する。なお、本発明のステント10は、胆管5以外にも、膵管7や、食道、気管、大腸、血管等の管状器官や、その他の体内組織に留置することもでき、適用箇所は特に限定されない。
【0051】
まず、ステント10を縮径させて、逆止弁40が固着された先端部側を、図示しないカテーテルの手元側に向けて、カテーテルの先端部内周に収容する。このステント10においては、逆止弁40の基端側の固着部41が、ステント本体20のテーパ部28の内側に固着されているので、同ステント本体20によって弁体43の剛性を維持して、弁体43を薄くすることができる。このため、ステント10を縮径させる際に縮径させやすくすることができ、その収納性を高めることができる。
【0052】
この状態で周知の方法によって、図示しない内視鏡を通じてガイドワイヤを胆管5に挿入した後、同ガイドワイヤを介してカテーテルを挿入して、その先端部を胆管5内に留置した後、プッシャ等を介してカテーテル先端からステント10を解放して、ステント本体20の基端部側を胆管5内に配置すると共に、ステント本体20のテーパ部28を、膵管7の下流側端部にほぼ整合し、かつ、乳頭3からやや突き出る位置となるように配置して、ステント10を留置する(
図9参照)。
【0053】
そして、胆管5の上流側から流れてきた胆汁が、ステント本体20の基端開口側から流入して、逆止弁40を通過しようとする際に、胆汁の圧力によって逆止弁40の弁体43が内側から押圧されて、
図5(b)及び
図6に示すように、弁体43の先端のスリット45が開き、ステント本体20の先端部から胆汁が流出し、十二指腸1へと供給される。
【0054】
このとき、このステント10における逆止弁40は、基端側の固着部41がステント本体20のテーパ部28の内側に固着されているので、
図2の想像線で示すように、固着部41が外径方向に広がることを抑制して、胆汁等の流体を弁体中心に向けて流れやすくすることができ(
図2の矢印参照)、弁体43の先端をスムーズに開かせることができる。また、ステント本体20によって弁体43の剛性を維持して、弁体43を薄くすることができるので、ステント本体20の基端開口側から流入した、胆汁等の流体が逆止弁40を通過するときの応答性を高めて、弁体43を開きやすくすることができる。
【0055】
一方、十二指腸1側から腸内を流れる流体が、ステント本体20の先端側からステント本体20内に流入しようとしても、ステント10の逆止弁40が閉じるので、その流入が阻止される。
【0056】
このとき、このステント10においては、逆止弁40の基端側の固着部41が、ステント本体20のテーパ部28の内側に固着され、逆止弁40がステント本体20のテーパ部に配置されているので、閉じた弁体43がステント基端側に向けて押されても、その外周が膨れあがるように変形することが抑制されて、弁体を反り返りにくくすることができる。
【0057】
また、この実施形態においては、
図2に示すように、逆止弁40の弁体43とステント本体20のテーパ部28との間に隙間35が設けられているので、ステント本体20の基端側から流入した流体が逆止弁40を通過するときに、弁体43を開きやすくすることができる。更に流体が逆流したときには、弁体43とテーパ部28との間の隙間に流体が入り込んで、弁体43が閉じる方向に圧力が作用するので、弁体43をより閉じやすくすることができ、逆流防止効果を高めることができる。
【0058】
更にこの実施形態においては、逆止弁40の先端は、ステント本体20の先端とほぼ同じ位置となるように配置されているので、例えば、ステント10を胆管5や食道等の管状器官に留置したときに、十二指腸1内の異物や食道内の食物残渣等が、逆止弁40の弁体43の開口部(ここでは直線状のスリット45)に入り込んで、弁体43が閉じにくくなってしまうことを抑制することができる。なお、この効果は、逆止弁40の先端が、ステント本体20の先端から基端側に向けて所定長さ入り込んだ位置となるように配置した場合にも、同様に得ることができる。
【0059】
また、
図7に示す逆止弁40aの弁体43aや
図8に示す逆止弁40bの弁体43bのように、先端から基端側に向けて逆止弁40a,40bの軸方向に沿って伸びる1又は2以上のスリット47,49が形成されているので、ステント本体の基端側から流入した流体が逆止弁40a,40bを通過するときに、弁体43a,43bをより開きやすくすることができる。
【0060】
更に
図9に示すように、ステント本体20の基端部側を、乳頭3から分岐した一方の管状器官(胆管5)に配置し、ステント本体20のテーパ部28を、他方の管状器(膵管7)の下流側端部に整合するように配置したので、膵管7の下流側端部から流出する膵液の流れを妨げることなく、テーパ部28のテーパ形状に沿って流動させて(
図9の矢印参照)、十二指腸1へと供給することができる。