【解決手段】携帯型制御装置は、筐体と、撮像ユニットと、処理ユニットとを含む。筐体は、窓を有し、使用者が保持するのに適している。撮像ユニットは、筐体内に配置され、窓を介して使用者の眼域を取り込んで、画像系列を取得する。処理ユニットは、撮像ユニットに結合され、画像系列を分析して、使用者の眼域の眼画像情報を取得する。処理ユニットは、眼画像情報に基づいて使用者の開眼状態および閉眼状態を検出し、複数の開眼状態および閉眼状態をまばたきコードに変換するとともに、それに基づいて制御コマンドを生成し、セキュリティ機器を制御する。
前記処理ユニットが、前記眼画像情報に基づいて前記眼域内の眼部物体を検索し、前記眼部物体のサイズに基づいて、前記眼域が前記開眼状態であるか前記閉眼状態であるかを判断する請求項1に記載の携帯型制御装置。
前記眼部物体の高さが高さ閾値よりも小さく、前記眼部物体の幅が幅閾値よりも大きい時、前記処理ユニットが、前記眼域が前記閉眼状態にあると判断し、前記眼部物体の前記高さが前記高さ閾値よりも大きいか等しい時、または前記眼部物体の前記幅が前記幅閾値よりも小さいか等しい時、前記処理ユニットが、前記眼域が前記開眼状態にあると判断する請求項5に記載の携帯型制御装置。
前記眼部物体を検索した後、前記処理ユニットが、前記眼部物体の生体情報を認識し、前記生体情報がプリセット使用者情報と一致した時、前記処理ユニットが、前記眼部物体の前記サイズに基づいて、前記眼域が前記開眼状態にあるか前記閉眼状態にあるかを判断する請求項5に記載の携帯型制御装置。
前記処理ユニットが、単位時間内の前記眼域の状態を検出し、前記眼域が前記単位時間内に前記開眼状態にあることを前記処理ユニットが検出した時に、第1コードを生成し、前記眼域が前記単位時間内に前記閉眼状態にあることを前記処理ユニットが検出した時に、第2コードを生成し、前記処理ユニットが、プリセット時間内の複数の前記開眼状態および前記閉眼状態に基づいて生成された複数の前記第1コードおよび前記第2コードを順番に並べ替えて、前記まばたきコードを形成する請求項5に記載の携帯型制御装置。
前記処理ユニットが、前記連続して生成された第1および第2コードを前記まばたきコードとして定義し、前記まばたきコードのまばたき数を数えて、前記まばたき数とプリセットまばたき数を比較し、前記まばたき数が前記プリセットまばたき数と等しい時に、前記まばたきコードがプリセット解除パスワードと一致すると判断し、前記まばたき数が前記プリセットまばたき数と等しくない時に、前記まばたきコードが前記プリセット解除パスワードと一致しないと判断する請求項8に記載の携帯型制御装置。
前記処理ユニットが、前記連続して生成された第1および第2コードを前記まばたきコードとして定義し、前記まばたきコードのまばたき頻度を計算して、前記まばたき頻度がプリセットまばたき頻度範囲内であるかどうかを判断し、前記まばたき頻度が前記プリセットまばたき頻度範囲内である時に、前記まばたきコードがプリセット解除パスワードと一致すると判断し、前記まばたき頻度が前記プリセットまばたき頻度範囲を超えている時に、前記まばたきコードが前記プリセット解除パスワードと一致しないと判断する請求項8に記載の携帯型制御装置。
前記処理ユニットが、前記まばたきコードに連続して現れた前記第1コードの持続開眼時間を計算して、前記持続開眼時間がプリセット開眼時間範囲内であるかどうかを判断し、前記持続開眼時間が前記プリセット開眼時間範囲内である時に、前記まばたきコードがプリセット解除パスワードと一致すると判断し、前記持続開眼時間が前記プリセット開眼時間範囲を超えている時に、前記まばたきコードが前記プリセット解除パスワードと一致しないと判断する請求項8に記載の携帯型制御装置。
前記処理ユニットが、前記まばたきコードに連続して現れた前記第2コードの持続閉眼時間を計算して、前記持続閉眼時間がプリセット閉眼時間範囲内であるかどうかを判断し、前記持続閉眼時間が前記プリセット閉眼時間範囲内である時に、前記まばたきコードがプリセット解除パスワードと一致すると判断し、前記持続閉眼時間が前記プリセット閉眼時間範囲を超えている時に、前記まばたきコードが前記プリセット解除パスワードと一致しないと判断する請求項8に記載の携帯型制御装置。
前記処理ユニットが、前記まばたきコードとプリセット解除パスワードの各ビットを比較して、前記まばたきコードの各ビットが前記プリセット解除パスワードと一致する時に、前記まばたきコードが前記プリセット解除パスワードと一致すると判断し、前記まばたきコードの少なくとも1つのビットが前記プリセット解除パスワードと一致しない時に、前記まばたきコードが前記プリセット解除パスワードと一致しないと判断する請求項1に記載の携帯型制御装置。
前記処理ユニットが、さらに、前記まばたきコードが緊急SOSパスワードと一致するかどうかを判断し、前記まばたきコードが前記緊急SOSパスワードと一致する時に、緊急SOSメッセージを送信する請求項1に記載の携帯型制御装置。
プログラムを記憶し、セキュリティ機器に結合された携帯型制御装置により使用者に対する認証方法を実行するコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記携帯型制御装置が、筐体および撮像ユニットを含み、前記認証方法が、
前記撮像ユニットにより、前記筐体の窓を介して前記使用者の眼域を取り込んで、画像系列を取得するステップと、
前記画像系列を分析して、前記画像系列中の前記眼域の眼画像情報を取得するステップと、
前記眼画像情報に基づいて前記使用者の開眼状態および閉眼状態を検出するステップと、
複数の前記開眼状態および前記閉眼状態をまばたきコードに変換するとともに、それに基づいて制御コマンドを生成し、前記セキュリティ機器を制御するステップと
を含むコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、入力プロセス中にパスワードが誰かに覗かれた場合、パスワードが外に漏れる危険性や、キーボードに残った指紋や温度を検出することによってパスワードが略奪または複製される可能性もある。最新式の虹彩認証(iris recognition)でも、パスワードが自由意思の下で使用者により入力されたものであるかどうかを確認することはできない。同様に、掌紋や指紋識別を使用する装置でも、掌紋や指紋は複製可能であるため、使用者が自由意思の下で入力したものであるかどうかを確認することはできない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、使用者の開眼閉眼状態を検出することによってセキュリティ機器のロック状態を解除することのできる開眼閉眼状態により制御される認証システムおよびその携帯型制御装置を提供する。
【0005】
本発明の携帯型制御装置は、セキュリティ機器に結合され、使用者の認証を行う。携帯型制御装置は、筐体と、撮像ユニットと、処理ユニットとを含む。筐体は、窓を有する。撮像ユニットは、筐体内に配置され、窓を介して使用者の眼域を取り込んで、画像系列を取得する。処理ユニットは、撮像ユニットに結合され、画像系列を分析して、使用者の眼域の眼画像情報を取得する。処理ユニットは、眼画像情報に基づいて使用者の開眼状態および閉眼状態を検出し、複数の開眼状態および閉眼状態をまばたきコード(blink code)に変換するとともに、それに基づいて制御コマンドを生成し、セキュリティ機器を制御する。
【0006】
本発明の1つの実施形態において、開眼閉眼状態に基づく携帯型制御装置は、さらに、光源と、表示ユニットと、反射ミラーとを含む。光源は、筐体内に配置され、窓に隣接する。表示ユニットは、筐体内に配置され、操作情報を表示するよう構成される。反射ミラーは、筐体内に配置され、操作情報の画像を窓に反射する。
【0007】
本発明の1つの実施形態において、セキュリティ機器は、貸金庫、アクセス制御システムまたはネットワーク認証システムを含む。
【0008】
本発明の1つの実施形態において、開眼閉眼状態に基づく携帯型制御装置は、さらに、無線送信モジュールを含む。無線送信モジュールは、制御コマンドをセキュリティ機器に無線送信するよう構成される。
【0009】
本発明の1つの実施形態において、まばたきコードがプリセット解除パスワードと一致すると処理ユニットが判断した時、セキュリティ機器のロックは、ロック状態を解除する。本発明の1つの実施形態において、まばたきコードがプリセット解除パスワードと一致しないと処理ユニットが判断した時、セキュリティ機器のロックは、ロック状態を維持する。
【0010】
本発明の1つの実施形態において、処理ユニットは、眼画像情報に基づいて眼域内の眼部物体を検索し、眼部物体のサイズに基づいて、眼域が開眼状態であるか閉眼状態であるかを判断する。
【0011】
本発明の1つの実施形態において、眼部物体の高さが高さ閾値よりも小さく、眼部物体の幅が幅閾値よりも大きい時、処理ユニットは、眼域が閉眼状態にあると判断する。眼部物体の高さが高さ閾値よりも大きいか等しい時、または眼部物体の幅が幅閾値よりも小さいか等しい時、処理ユニットは、眼域が開眼状態にあると判断する。
【0012】
本発明の1つの実施形態において、眼部物体を検索した後、処理ユニットは、眼部物体の生体情報を認識する。生体情報がプリセット使用者情報と一致した時、処理ユニットは、眼部物体のサイズに基づいて、眼域が開眼状態にあるか閉眼状態にあるかを判断する。
【0013】
本発明の1つの実施形態において、処理ユニットは、単位時間内の眼域の状態を検出する。眼域が単位時間内に開眼状態にあることを処理ユニットが検出した時、処理ユニットは、第1コードを生成する。単位時間内の眼域が閉眼状態にあることを処理ユニットが検出した時、処理ユニットは、第2コードを生成する。処理ユニットは、プリセット時間内の複数の開眼状態および閉眼状態に基づいて生成された複数の第1コードおよび第2コードを順番に並べ替えて、まばたきコードを形成する。
【0014】
本発明の1つの実施形態において、処理ユニットは、まばたきコードとプリセット解除パスワードの各ビットを比較する。まばたきコードの各ビットがプリセット解除パスワードと一致する時、処理ユニットは、まばたきコードがプリセット解除パスワードと一致すると判断する。まばたきコードの少なくとも1つのビットがプリセット解除パスワードと一致しない時、処理ユニットは、まばたきコードがプリセット解除パスワードと一致しないと判断する。
【0015】
本発明の1つの実施形態において、処理ユニットは、連続して生成された第1および第2コードをまばたきコードとして定義する。処理ユニットは、まばたきコードのまばたき数を数えて、そのまばたき数とプリセットまばたき数を比較する。まばたき数がプリセットまばたき数と等しい時、処理ユニットは、まばたきコードがプリセット解除パスワードと一致すると判断する。まばたき数がプリセットまばたき数と等しくない時、処理ユニットは、まばたきコードがプリセット解除パスワードと一致しないと判断する。
【0016】
本発明の1つの実施形態において、処理ユニットは、連続して生成された第1および第2コードをまばたきコードとして定義する。処理ユニットは、まばたきコードのまばたき頻度を計算し、まばたき頻度がプリセットまばたき頻度範囲内であるかどうかを判断する。まばたき頻度がプリセットまばたき頻度範囲内である時、処理ユニットは、まばたきコードがプリセット解除パスワードと一致すると判断する。まばたき頻度がプリセットまばたき頻度範囲を超えている時、処理ユニットは、まばたきコードがプリセット解除パスワードと一致しないと判断する。
【0017】
本発明の1つの実施形態において、処理ユニットは、まばたきコードに連続して現れた第1コードの持続開眼時間を計算し、持続開眼時間がプリセット開眼時間範囲内であるかどうかを判断する。持続開眼時間がプリセット開眼時間範囲内である時、処理ユニットは、まばたきコードがプリセット解除パスワードと一致すると判断する。持続開眼時間がプリセット開眼時間範囲を超えている時、処理ユニットは、まばたきコードがプリセット解除パスワードと一致しないと判断する。
【0018】
本発明の1つの実施形態において、処理ユニットは、まばたきコードに連続して現れた第2コードの持続閉眼時間を計算し、持続閉眼時間がプリセット閉眼時間範囲内であるかどうかを判断する。持続閉眼時間がプリセット閉眼時間範囲内である時、処理ユニットは、まばたきコードがプリセット解除パスワードと一致すると判断する。持続閉眼時間がプリセット閉眼時間範囲を超えている時、処理ユニットは、まばたきコードがプリセット解除パスワードと一致しないと判断する。
【0019】
本発明の1つの実施形態において、処理ユニットは、さらに、まばたきコードが緊急SOSパスワードと一致するかどうかを判断する。まばたきコードが緊急SOSパスワードと一致する時、処理ユニットは、緊急SOSメッセージを送信する。
【0020】
認証システムは、携帯型制御装置と、処理ユニットと、セキュリティ機器とを含む。携帯型制御装置は、使用者の眼域を取り込んで、画像系列を取得するよう構成される。処理ユニットは、データ送信インターフェースを介して、携帯型制御装置から画像系列を受信して分析し、画像系列中の眼域の眼画像情報を取得する。セキュリティ機器は、処理ユニットに結合され、制御コマンドに基づいてロック状態を切り替える。処理ユニットは、眼画像情報に基づいて使用者の開眼状態および閉眼状態を検出し、複数の開眼状態および閉眼状態をまばたきコードに変換するとともに、それに基づいて制御コマンドを生成する。
【0021】
本発明の1つの実施形態において、データ送信インターフェースは、無線送信モジュールを含む。
【0022】
コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、プログラムを記憶し、セキュリティ機器に結合された携帯型制御装置により、使用者に対する認証方法を実行する。携帯型制御装置は、筐体と、撮像ユニットとを含む。認証方法は、以下のステップを含む:撮像ユニットにより、筐体の窓を介して使用者の眼域を取り込んで、画像系列を取得する;画像系列を分析して、画像系列中の眼域の眼画像情報を取得する;眼画像情報に基づいて使用者の開眼状態および閉眼状態を検出する;複数の開眼状態および閉眼状態をまばたきコードに変換するとともに、それに基づいて制御コマンドを生成し、セキュリティ機器を制御する。
【発明の効果】
【0023】
以上のように、本発明の実施形態に基づいて、開眼閉眼状態により制御される認証システムおよびその携帯型制御装置を提供する。認証システムは、特定の眼球運動(例えば、まばたき、持続開眼および/または持続閉眼)を解除パスワードとして利用して、ロックのロック状態を解除する。使用者の眼球運動は、他人が覗いたり観察したりするのが難しいため、この認証システムを適用したセキュリティ機器(例えば、アクセス制御システムまたは貸金庫)は、安全性が大幅に向上し、パスワードが漏れるのを防ぐことができる。
【0024】
本発明の上記および他の目的、特徴、および利点をより分かり易くするため、図面と併せた幾つかの実施形態を以下に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の内容をより理解できるようにするため、以下の実施形態を例として、本発明が実際に実現できるものであることを証明する。さらに、以下の実施形態において、「上」、「下」、「左」、「右」等の方向を示す用語を添付の図面中の方向として使用するが、説明のために使用するものであって、本発明を限定するためのものではない。
【0027】
図1は、本発明の1つの実施形態に係る開眼閉眼状態により制御される認証システムの機能ブロックを示す概略図である。
図1を参照すると、開眼閉眼状態により制御される認証システム100は、携帯型制御装置110と、処理ユニット120と、セキュリティ機器130とを含む。
【0028】
本実施形態において、携帯型制御装置110は、セキュリティ機器130に移動可能に結合される。携帯型制御装置110は、使用者の眼域を取り込んで、画像系列IS(すなわち、複数の連続撮像画像)を取得し、処理ユニット120に提供するよう構成される。処理ユニット120は、携帯型制御装置110に結合される。処理ユニット120は、携帯型制御装置110が取り込んだ画像系列ISを画像処理して分析し、画像系列IS中の使用者の眼域の眼画像情報を取得する。
【0029】
したがって、処理ユニット120は、眼画像情報に基づいて使用者の開眼閉眼状態(開眼状態および閉眼状態を含む)を判断した後、使用者の開眼状態または閉眼状態がプリセット解除パスワード(保存ユニット(図示せず)に保存された)と一致するかどうかを判断する。処理ユニット120は、判断結果に基づいて、対応する制御コマンドCMDを送信するかどうかを決定し、セキュリティ機器130の設定状態をロック状態またはアンロック状態に切り替える。つまり、セキュリティ機器130は、処理ユニット120の制御コマンドCMDに応じて、ロック状態またはアンロック状態になる。本実施形態において、処理ユニット120は、例えば、中央処理装置(central processing unit, CPU)、グラフィック処理装置(graphics processing unit, GPU)、または他のプログラム可能なマイクロプロセッサ(microprocessor)等の装置であり;セキュリティ機器130は、貸金庫、アクセス制御システムまたはネットワーク認証システムであってもよい。また、処理ユニット120は、設計要求に応じて、携帯型制御装置110またはセキュリティ機器130(後の実施形態において説明する)の中に配置されてもよいが、本発明はこれに限定されない。
【0030】
また、本実施形態の認証システム100において、プロンプトユニット(prompt unit)140を選択的に配置してもよい。プロンプトユニット140は、セキュリティ機器130の現設定状態、例えば、セキュリティ機器130がロック状態にあるかアンロック状態にあるかをプロンプトするよう構成される。ここで、プロンプトユニット140は、テキスト表示、光信号表示または他の可能な表示を用いて、セキュリティ機器130の現状態を使用者にプロンプトすることができるが、本発明はこれに限定されない。
【0031】
認証システムは、
図2に示したプロセスフローに基づいて、使用者の開眼閉眼状態によりセキュリティ機器130のロック状態を解除するかどうかを決定する動作を行う。
【0032】
図2は、本発明の1つの実施形態に係る開眼閉眼状態に基づくパスワード入力方法を示すフローチャートである。
図1および
図2を参照すると、まず、携帯型制御装置110が画像系列ISを取り込む(ステップS200)。そして、処理ユニット120は、画像系列ISを分析して、画像系列IS中の使用者の眼域の眼画像情報を取得する(ステップS210)。その後、処理ユニット120は、眼画像情報に基づいて使用者の開眼閉眼状態(開眼状態および閉眼状態を含む)を検出する(ステップS220)。
【0033】
使用者の開眼閉眼状態を検出した後、処理ユニット120は、複数の検出した開眼状態および検出した閉眼状態をまばたきコードに変換し(ステップS230)、まばたきコードがプリセット解除パスワードと一致するかどうかを判断する(ステップS240)。ここで、プリセット解除パスワードは、例えば、まばたきの数、まばたきの頻度および/または開眼または閉眼の期間等の条件であってもよい(後の実施形態において説明する)。それにより、処理ユニット120は、上述した判断の判断結果に基づいて、セキュリティ機器130のロック状態を解除するかどうかを決定することができる(ステップS250)。
【0034】
以下、
図3の実施形態を参照しながら、開眼閉眼状態に基づいて解除を行う時の具体的なプロセスフローについて説明する。
図3は、本発明の別の実施形態に係る開眼閉眼状態に基づくパスワード入力方法を示すフローチャートである。ここで、以下の実施形態は、
図1に示した実施形態の認証システム100に従って説明するが、開眼閉眼状態に基づくパスワード入力方法は、安全装置のどのハードウェア構造にも適用可能であり、本発明はこれに限定されない。
【0035】
まず、
図3を参照すると、本実施形態のパスワード入力方法は、同様に、携帯型制御装置110が画像系列ISを取り込み(ステップS300)、処理ユニット120がその画像系列ISを分析して、画像系列中IS中の使用者の眼域の眼画像情報を取得する(ステップS310)。
【0036】
そして、処理ユニット120は、眼画像情報に基づいて眼域内の眼部物体を検索し(ステップS320)、眼部物体のサイズに基づいて、眼部物体が開眼状態にあるか閉眼状態にあるかを判断する(ステップS330)。その後、処理ユニット120は、眼部物体の開眼/閉眼状態に基づいて単位時間内の使用者の開眼閉眼状態を検出し、複数の開眼状態および複数の閉眼状態をまばたきコードに変換する(ステップS340)。
【0037】
使用者のまばたきコードを取得した後、処理ユニット120は、取得したまばたきコードとプリセット解除パスワードを比較して、使用者のまばたきコードがプリセット解除パスワードと一致するかどうかを判断する(ステップS350)。セキュリティ機器130がロック状態にある状況で、ステップS350の判断結果がYESである場合、処理ユニット120は、セキュリティ機器130のロック状態を解除する(すなわち、セキュリティ機器130がアンロック状態に切り替わる)(ステップS360)。反対に、判断結果がNOである場合、処理ユニット120は、セキュリティ機器130をロック状態に維持する(ステップS370)。別の観点から見ると、セキュリティ機器130がアンロック状態にある場合、ステップS350の判断結果がYESであるかどうかに関わらず、セキュリティ機器130は、アンロック状態を維持する。言及すべきこととして、1つの例示的実施形態において、セキュリティ機器130がアンロック状態にある時、使用者は、1組の連続まばたきを行い、連続まばたきに対応するまばたきコードを利用して、プリセット解除パスワードを定義することができる。もちろん、プリセット解除パスワードは、設計者によって予め設定され、認証システム100(例えば、収納ボックス)の保存ユニット(図示せず)に保存されたものであってもよいが、本発明はこれに限定されない。
【0038】
言及すべきこととして、1つの例示的実施形態において、眼部物体を検索した後(ステップS320)、使用者の眼部物体の生体情報(例えば、虹彩または網膜情報)を先に認識して、使用者のID(identity)を確認してもよい。使用者のIDが正しい場合にのみ、ステップS330〜S370をさらに続行する。正しくなかった場合は、眼球運動を識別するステップの続行を停止/拒否する。
【0039】
図4A、
図5、
図6A〜Eおよび
図7A〜Eは、眼部物体の状態を識別するステップS330、まばたきコードに変換するステップS340、および開眼閉眼状態がプリセット解除パスワードと一致するかどうかを判断するステップS350を行う時の具体的な流れの例を示したものである。
【0040】
図4Aは、
図3の1つの実施形態に係る眼域の状態を判断するステップを示すフローチャートである。
図4Bおよび
図4Cは、
図3の実施形態のうちの1つに係る眼域の状態を判断するステップを示す概略図である。
図4A〜Cを同時に参照すると、処理ユニット120により眼域ER内の眼部物体410を検索した後、処理ユニット120は、眼画像情報の画像処理を行って、眼部物体の境界を明確に示す画像情報を取得し、画像情報に基づいて眼部物体410の大きさ(高さと幅を含む)を計算する(ステップS332)。
【0041】
例えば、処理ユニット120は、眼画像情報のコントラスト(例えば、ゲイン(gain)およびオフセット(offset))を調整して強調画像(enhanced image)を取得した後、強調画像にノイズ除去、エッジシャープニング(edge sharpening)、二値化処理、エッジシャープニング等を順番に行って、
図4Bに示した眼部物体410の画像を取得することができる。
【0042】
眼部物体410を検出して眼部物体410のサイズを計算した後、処理ユニット120は、眼部物体410のサイズに基づいて、眼部物体410の高さが高さ閾値(例えば、高さ閾値範囲15〜17ピクセル)よりも小さいかどうか、および眼部物体410の幅が幅閾値(例えば、幅閾値範囲70〜90ピクセル)よりも大きいかどうかを判断する(ステップS334)。眼部物体410の高さが高さ閾値よりも小さく、眼部物体410の幅が幅閾値よりも大きいことを検出した時、処理ユニット120は、眼域ERが現在閉眼状態にあると判断する(
図4Cの下部に示す)(ステップS336)。一方、眼部物体410が上述した条件のうちの少なくとも1つを満たしていないことを検出した場合、処理ユニット120は、眼域ERが現在開眼状態にあると判断する(
図4Cの上部に示す)(ステップS338)。
【0043】
図4Cを参照すると、眼部物体410の高さは、例えば、眼窩縁の上部頂点から眼窩縁の底部頂点までの距離(例えば、高さL1またはL2)であり、幅は、例えば、眼窩縁の左部頂点から眼窩縁の右部頂点までの距離(例えば、幅W1またはW2)であるが、本発明はこれに限定されない。別の実施形態において、処理ユニット120は、使用者が定義した眼部物体410の特徴点に基づいて高さと幅を計算してもよい。
【0044】
さらに、言及すべきこととして、本実施形態において、眼域ERが開眼状態であるか閉眼状態であるかは、片方の眼に基づいて判断されるが、本発明はこれに限定されない。別の実施形態において、眼域ERの開眼/閉眼状態は、両目に基づいて判断されてもよい(例えば、眼域ERは、両目が閉じていると検出された時のみに閉眼状態にあると判断される)。あるいは、左目および右目の画像に基づいて、左眼域(例えば、眼域ERの左半分)に対応する開眼/閉眼状態および右眼域(例えば、眼域ERの右半分)に対応する開眼/閉眼状態を別々に定義してもよい。
【0045】
眼部物体が開眼状態にあるか閉眼状態にあるかを判断した後、処理ユニット120は、
図5に示すプロセスフローに基づいて、まばたきコードに変換するステップS340を実行することができる。
【0046】
図5は、
図3の実施形態のうちの1つに係る開眼状態および閉眼状態をまばたきコードに変換するステップを示すフローチャートである。
図3を参照すると、眼域が開眼状態にあるか閉眼状態にあるかを判断した後、処理ユニット120は、さらに、単位時間(設計者が定義してもよい)内の眼部物体の状態を検出し(ステップS341)、眼域が単位時間内に開眼状態または閉眼状態のいずれにあるのかを判断する(ステップS342)。ステップS342において、眼域が単位時間内に開眼状態にあると判断した場合、処理ユニット120は、使用者が開眼動作をして第1コードを生成したと判断する(ステップS343)。一方、ステップS342において、眼域が単位時間内に閉眼状態にあると判断した場合、処理ユニット120は、使用者が閉眼動作をして第2コードを生成したと判断する(ステップS344)。ここで、第1コードは、例えば、ロジック「1」であり、第2コードは、例えば、ロジック「0」であるが、本発明はこれに限定されない。別の実施形態において、開眼状態に対応する第1コードがロジック「0」で、閉眼状態に対応する第2コードがロジック「1」であってもよい。
【0047】
処理ユニット120は、プリセット時間(複数の単位時間からなるとみなされる)内の使用者の複数の開眼状態および複数の閉眼状態を連続して取得し、プリセット時間内の複数の開眼状態および閉眼状態に基づいて生成された複数の第1および第2コードを並べ替えて、まばたきコードを形成する(ステップS345)。処理ユニット120は、まばたきコードとプリセット解除パスワードを比較するステップS350を実行し続け、使用者の眼球運動に基づいて取得したまばたきコードがプリセット解除パスワードと一致するかどうかを判断する。
図6A〜
図6Eに示したプロセスフローおよび
図7A〜
図7Eに示したまばたきコードの符号化フォーマットの例を用いて、異なるプリセット解除パスワードを使用する時の異なる判断方法について説明する。
図7A〜
図7Eは、まばたきコードPUCおよびPUC’を示したものであり、処理ユニット120がプリセット時間PT内の各単位時間UTに基づいて眼部物体の開眼状態および閉眼状態を順番に変換することによって得られた符号系列である(例えば、12ビット符号系列とするが、本発明はこれに限定されない)。まばたきコードPUCおよびPUC’は、開眼状態に基づいて生成された各第1コードB1をロジック「1」とし、閉眼状態に基づいて生成された各第2コードB2をロジック「0」とするが、本発明はこれに限定されない。
【0048】
まず、
図6Aを参照すると、本実施形態において、プリセット解除パスワードを特定のまばたき数に設定する。詳しく説明すると、本実施形態のステップS350において、処理ユニット120は、連続して生成された第1および第2コードをまばたきコードとして定義し(使用者がまばたきしている間に処理ユニット120が第1および第2コードを連続して生成することを示す)(ステップS351A)、まばたきコードの数(すなわち、使用者のまばたき数)を数える(ステップS352A)。そして、処理ユニット120は、まばたき数とプリセットまばたき数を比較して、数えたまばたき数がプリセットまばたき数と等しいかどうかを判断する(ステップS354A)。まばたき数がプリセットまばたき数と等しいと判断した場合、処理ユニット120は、使用者のまばたきコードがプリセット解除パスワードと一致すると判断し(ステップS356A)、ステップS360を実行し続けて、セキュリティ機器130のロック状態を解除する。まばたき数がプリセットまばたき数と等しくないと判断した場合、処理ユニット120は、使用者のまばたきコードがプリセット解除パスワードと一致しないと判断し(ステップS358A)、ステップS370を実行し続けて、セキュリティ機器130をロック状態に維持する。
【0049】
例えば、
図6Aおよび
図7Aを同時に参照すると、仮に、プリセットまばたき数を3に設定する。使用者の眼球運動に基づいて、「111011101011」という符号系列によって形成されたまばたきコードPUCを取得した時、処理ユニット120は、「10」のコードをまばたきコードBBと定義して、まばたきコードBBの数を数える。まばたきコードPUCにおいて、処理ユニット120は、まばたきコードBBが3回現われた(すなわち、使用者が3回まばたきした)ことを数えると、使用者のまばたきコードPUCがプリセット解除パスワードと一致すると判断し、セキュリティ機器130のロック状態を解除する。
【0050】
一方、使用者の眼球運動に基づいて、「111110111011」という符号系列によって形成されたまばたきコードPUC’を取得した時、処理ユニット120は、同じ方法で「10」のコードをまばたきコードBBと定義して、まばたきコードBBの数を数える。まばたきコードPUC’において、処理ユニット120は、まばたきコードBBが2回しか現われていない(すなわち、使用者が2回まばたきした)ことを数えると、使用者のまばたきコードPUC’がプリセット解除パスワードと一致しないと判断し、セキュリティ機器130をロック状態に維持する。
【0051】
ここで、上述したプリセットまばたき数(3回)は単なる例であり、本発明を限定するものではない。さらに、プリセットまばたき数は、N回と設定してもよく、Nの値は、設計者により選択された正の整数である。
【0052】
図6Bを参照すると、本実施形態において、プリセット解除パスワードを特定のまばたき頻度範囲に設定する。詳しく説明すると、本実施形態のステップS350において、処理ユニット120は、連続して生成された第1および第2コードをまばたきコードとして定義し(ステップS351B)、まばたきコードの頻度(すなわち、使用者のまばたき頻度)を計算する(ステップS352B)。そして、処理ユニット120は、計算したまばたき頻度がプリセットまばたき頻度範囲内であるかどうかを判断する(ステップS354B)。まばたき頻度がプリセットまばたき頻度内にあると判断した場合、処理ユニット120は、使用者のまばたきコードがプリセット解除パスワードと一致すると判断し(ステップS356B)、ステップS360を実行し続けて、セキュリティ機器130のロック状態を解除する。まばたき頻度がプリセットまばたき頻度を超えていると判断した場合、処理ユニット120は、使用者のまばたきコードがプリセット解除パスワードと一致しないと判断し(ステップS358B)、ステップS370を実行し続けて、セキュリティ機器130をロック状態に維持する。
【0053】
例えば、
図6Bおよび
図7Bを同時に参照すると、仮に、プリセットまばたき頻度を1.9〜2.1秒/まばたき数の範囲に設定する。使用者の眼球運動に基づいて、「110111011101」という符号系列によって形成されたまばたきコードPUCを取得した時、処理ユニット120は、「10」のコードをまばたきコードBBと定義して、まばたきコードBBの頻度/時間間隔を計算する。まばたきコードPUCにおいて、処理ユニット120は、第1まばたきコードBBと第2まばたきコードBBの間の時間間隔がTD1であり、第2まばたきコードBBと第3まばたきコードBBの間の時間間隔がTD2であると計算する。時間間隔TD1およびTD2が1.9〜2.1秒内の時(すなわち、使用者が1.9〜2.1秒につき1回まばたきした時)、処理ユニット120は、使用者のまばたきコードPUCがプリセット解除パスワードと一致していると判断し、セキュリティ機器130のロック状態を解除する。
【0054】
一方、使用者の眼球運動に基づいて、「110110111011」という符号系列によって形成されたまばたきコードPUC’を取得した時、処理ユニット120は、同じ方法で「10」のコードをまばたきコードBBと定義して、まばたきコードPUC’に現れたまばたきコードBBの頻度を計算する。まばたきコードPUC’において、処理ユニット120は、第1まばたきコードBBと第2まばたきコードBBの間の時間間隔がTD1’であり、第2まばたきコードBBと第3まばたきコードBBの間の時間間隔がTD2’であると計算する。時間間隔TD1’およびTD2’が1.9〜2.1秒の範囲を超えている時(例えば、時間間隔TD1’)、処理ユニット120は、使用者のまばたきコードPUC’がプリセット解除パスワードと一致しないと判断し、セキュリティ機器130をロック状態に維持する。
【0055】
ここで、プリセットまばたき頻度範囲(1.9〜2.1秒/まばたき数)は単なる例であり、本発明を限定するものではない。さらに、設定したプリセットまばたき頻度範囲の上限および下限は、設計者が選択してもよく、特定の頻度(例えば、2秒/まばたき数)であってもよい。
【0056】
図6Cを参照すると、本実施形態において、プリセット解除パスワードを特定の持続開眼時間に設定する。詳しく説明すると、本実施形態のステップS350において、処理ユニット120は、開眼状態に対応する第1コードがまばたきコードに連続して現れた期間(すなわち、持続開眼時間)を計算する(ステップS352C)。そして、処理ユニット120は、計算した持続開眼時間がプリセット開眼時間範囲内であるかどうかを判断する(ステップS354C)。持続開眼時間がプリセット開眼時間範囲内であると判断した場合、処理ユニット120は、使用者のまばたきコードがプリセット解除パスワードと一致すると判断し(ステップS356C)、ステップS360を実行し続けて、セキュリティ機器130のロック状態を解除する。持続開眼時間がプリセット開眼時間範囲を超えていると判断した場合、処理ユニット120は、使用者のまばたきコードがプリセット解除パスワードと一致しないと判断し(ステップS358C)、ステップS370を実行し続けて、セキュリティ機器130をロック状態に維持する。
【0057】
例えば、
図6Cおよび
図7Cを同時に参照すると、仮に、プリセット開眼時間範囲を9〜11秒に設定する。使用者の眼球運動に基づいて、「100111111011」という符号系列によって形成されたまばたきコードPUCを取得した時、処理ユニット120は、第1コードB1(「1」とする)がまばたきコードPUCに連続して現れた最大時間長COTを計算する。まばたきコードPUCにおいて、処理ユニット120は、連続して現れた第1コードB1の最大時間長COTを約6単位時間UTであると計算する。最大時間長COTが9〜11秒の範囲内である(すなわち、使用者が9〜11秒目を開け続けた)と判断した時、処理ユニット120は、使用者のまばたきコードPUCがプリセット解除パスワードと一致すると判断し、セキュリティ機器130のロック状態を解除する。
【0058】
一方、使用者の眼球運動に基づいて、「110111011110」という符号系列によって形成されたまばたきコードPUC’を取得した時、処理ユニット120は、まばたきコードPUC’に連続して現れた第1コードB1の最大時間長COT’を計算する。まばたきコードPUC’において、処理ユニット120は、連続して現れた第1コードB1の最大時間長COT’を約4単位時間UTであると計算する。最大時間長COT’が9〜11秒の範囲を超えている時、処理ユニット120は、使用者のまばたきコードPUC’がプリセット解除パスワードと一致しないと判断し、セキュリティ機器130をロック状態に維持する。
【0059】
ここで、プリセット開眼時間範囲(9〜11秒)は単なる例であり、本発明を限定するものではない。さらに、開眼時間範囲の上限および下限は、設計者が選択してもよく、あるいは、開眼時間範囲の下限のみを設定して、上限を設定しなくてもよい(すなわち、使用者が設定した開眼時間範囲の下限以上に目を開け続けていれば、対応するまばたきコードがプリセット解除パスワードと一致しているものと判断する)。
【0060】
図6Dを参照すると、本実施形態において、プリセット解除パスワードを特定の持続閉眼時間に設定する。詳しく説明すると、本実施形態のステップS350において、処理ユニット120は、閉眼状態に対応する第2コードがまばたきコードに連続して現れた期間(すなわち、持続閉眼時間)を計算する(ステップS352D)。そして、処理ユニット120は、計算した持続閉眼時間がプリセット閉眼時間範囲内であるかどうかを判断する(ステップS354D)。持続閉眼時間がプリセット閉眼時間範囲内であると判断した場合、処理ユニット120は、使用者のまばたきコードがプリセット解除パスワードと一致すると判断し(ステップS356D)、ステップS360を実行し続けて、セキュリティ機器130のロック状態を解除する。持続閉眼時間がプリセット閉眼時間範囲を超えていると判断した場合、処理ユニット120は、使用者のまばたきコードがプリセット解除パスワードと一致しないと判断し(ステップS358D)、ステップS370を実行し続けて、セキュリティ機器130をロック状態に維持する。
【0061】
例えば、
図6Dおよび
図7Dを同時に参照すると、仮に、プリセット閉眼時間範囲を9〜11秒に設定する。使用者の眼球運動に基づいて、「110110000001」という符号系列によって形成されたまばたきコードPUCを取得した時、処理ユニット120は、第2コードB2(「0」とする)がまばたきコードPUCに連続して現れた最大時間長CCTを計算する。まばたきコードPUCにおいて、処理ユニット120は、連続して現れた第2コードB2の最大時間長CCTを約6単位時間UTであると計算する。最大時間長CCTが9〜11秒の範囲内である(すなわち、使用者が9〜11秒目を閉じ続けた)と判断した時、処理ユニット120は、使用者のまばたきコードPUCがプリセット解除パスワードと一致していると判断し、セキュリティ機器130のロック状態を解除する。
【0062】
一方、使用者の眼球運動に基づいて、「101100011011」という符号系列によって形成されたまばたきコードPUC’を取得した時、処理ユニット120は、まばたきコードPUC’に連続して現れた第2コードB2の最大時間長CCT’を計算する。まばたきコードPUC’において、処理ユニット120は、連続して現れた第2コードB2の最大時間長CCT’を約3単位時間UTであると計算する。最大時間長CCT’が9〜11秒の範囲を超えている時、処理ユニット120は、使用者のまばたきコードPUC’がプリセット解除パスワードと一致しないと判断し、セキュリティ機器130をロック状態に維持する。
【0063】
ここで、プリセット閉眼時間範囲(すなわち、9〜11秒)は単なる例であり、本発明を限定するものではない。さらに、閉眼時間範囲の上限および下限は、設計者が選択してもよく、あるいは、閉眼時間範囲の下限のみを設定して、上限を設定しなくてもよい(すなわち、使用者が設定した閉眼時間範囲の下限以上に目を閉じ続けていれば、対応するまばたきコードがプリセット解除パスワードと一致しているものと判断する)。
【0064】
図6Eを参照すると、本実施形態において、処理ユニット120は、まばたきコードがプリセット解除パスワードと同じであるかどうかの比較結果に基づいて、解除するかどうかを決定する。詳しく説明すると、本実施形態のステップS350において、処理ユニット120は、まばたきコードとプリセット解除パスワードの各ビットを比較する(ステップS352E)。そして、処理ユニット120は、取得したまばたきコードの各ビットがプリセット解除パスワードと一致するかどうかを判断する(ステップS354E)。まばたきコードの各ビットがプリセット解除パスワードと一致すると判断した場合、処理ユニット120は、使用者のまばたきコードがプリセット解除パスワードと一致すると判断し(ステップS356E)、ステップS360を実行し続けて、セキュリティ機器130のロック状態を解除する。まばたきコードのうちの少なくとも1つがプリセット解除パスワードと一致しないと判断した場合、処理ユニット120は、使用者のまばたきコードがプリセット解除パスワードと一致しないと判断し(ステップS358E)、ステップS370を実行し続けて、セキュリティ機器130をロック状態に維持する。
【0065】
例えば、
図6Eおよび
図7Eを同時に参照すると、仮に、プリセット解除パスワードを「10101010」で形成された8ビット符号系列に設定する。使用者の眼球運動に基づいて、「10101010」という符号系列によって形成されたまばたきコードPUCを取得した時、処理ユニット120は、取得したまばたきコードPUCの各ビットとプリセット解除パスワードを比較する。比較後、処理ユニット120は、使用者のまばたきコードPUCがプリセット解除パスワードの各ビットと一致すると判断する。そのため、処理ユニット120は、使用者のまばたきコードPUCがプリセット解除パスワードと一致していると判断し、セキュリティ機器130のロック状態を解除する。
【0066】
一方、使用者の眼球運動に基づいて、「11101010」という符号系列によって形成されたまばたきコードPUC’を取得した時、処理ユニット120は、取得したまばたきコードPUC’の各ビットとプリセット解除パスワードを比較する。比較後、処理ユニット120は、使用者のまばたきコードPUC’の第2ビットがプリセット解除パスワードと一致しないと判断する。そのため、使用者のまばたきコードPUC’がプリセット解除パスワードと一致しないと判断し、セキュリティ機器130をロック状態に維持する。
【0067】
また、言及すべきこととして、本実施形態のパスワード入力方法において、まばたきコードがプリセット解除パスワードと一致するかどうかを判断するステップS350は、
図6A〜
図6Eに示した例のうちの1つを単独で採用する場合のみに限定されず、
図6A〜
図6Eに示した例のうちの少なくとも2つを合わせて採用し、まばたき数、まばたき頻度、持続開眼時間、持続閉眼時間のうちの少なくとも2つの判断条件を同時にプリセット解除パスワードとして使用してもよい。
【0068】
例えば、設計者は、3回の連続まばたき(すなわち、プロセットまばたき数が3)の後に9〜11秒の閉眼動作を持続させること(すなわち、プリセット閉眼時間範囲が9〜11秒)をプリセット解除パスワードとして設定してもよい。ここで、「101010000000」というフォーマットのまばたきコードを取得した場合、処理ユニット120は、まばたきコードがとプリセット解除パスワードと一致すると判断することができる。すなわち、プリセット解除パスワードにおいて、使用者が3回まばたきしてから(3つのまばたきコード「10」に対応する)9〜11秒間目を閉じ続けることによって(6つの第2コード「0」に対応する)、処理ユニット120は、使用者のまばたきコードがプリセット解除パスワードと一致すると判断する。ここで、上述した条件は、説明の便宜上の例であるため、本発明はこれに限定されない。さらに、まばたき数、まばたき頻度、持続開眼時間および持続閉眼時間を含む条件の組み合わせは、いずれも本発明の範囲に含まれるものとする。
【0069】
開眼閉眼状態に基づいて解除するプロセスの他に、本発明は、さらに、使用者の緊急事態が発生したかどうかを判断するパスワード入力方法を提供する。具体的なプロセスフローは、
図8に示した通りである。
【0070】
図8は、本発明の1つの実施形態に係る緊急事態が発生したかどうかを判断するステップを示すフローチャートである。
図8を参照すると、本実施形態において、使用者のまばたきコードがプリセット解除パスワードと一致するかどうかを判断するステップS350の前に(または同時に、本発明はこれに限定されない)、パスワード入力方法は、使用者のまばたきコードが緊急SOSパスワードと一致するかどうかを判断することができる(ステップS810)。使用者のまばたきコードが緊急SOSパスワードと一致すると判断した場合、使用者が緊急状況(例えば、使用者が誘拐された等)にある可能性があることを示すため、この場合、処理ユニット120は、緊急SOSメッセージを安全ユニットに送信して(ステップS820)、異常事態の発生を通知する。使用者のまばたきコードが緊急SOSパスワードと一致しないと判断した場合、まばたきコードがプリセット解除パスワードと一致するかどうかを判断するステップS350を行う。
【0071】
ここで、使用者のまばたきコードと緊急SOSパスワードを比較するステップの具体的な方法は、まばたきコードとプリセット解除パスワードを比較するステップの説明(例えば、
図6A〜
図7Eの実施形態)を参照することができるため、ここでは繰り返し説明しない。
【0072】
以下、
図9A〜
図10Bの実施形態を参照しながら、開眼閉眼状態により制御される認証システムの実際の応用例について説明する。
図9Aは、本発明の1つの実施形態に係る開眼閉眼状態により制御される認証システムを示す概略図である。
図9Bは、
図9Aの1つの実施形態の認証システムを使用した時の概略図である。
【0073】
図9Aを参照すると、認証システム900は、携帯型制御装置910と、処理ユニット920と、セキュリティ機器930と、収納ボックス940とを含む。本実施形態において、セキュリティ機器930は、例えば、金庫本体932、保護ドア934およびロック936を含む貸金庫である。金庫本体932の内部は、中空設計であり、物品を保存する収容空間を含む。この収容空間は、高価な宝石、市場性のある証券、金等の様々な物品を保存するための空間を提供する。保護ドア934は、金庫本体932の一側に配置され、回転して動くことができる。保護ドア934は、閉じた後、金庫本体932の収容空間を覆うことができるため、収容空間を外から隔離された密封状態にし、貴重な物品を保存する機能を提供する。ロック936は、保護ドア934に配置され、保護ドア934の開閉を制御するよう構成される。
【0074】
処理ユニット920がロック936をロック状態に制御した時、保護ドア934は、金庫本体932に固定され、使用者が開けることはできない。反対に、ロック936をアンロック状態に制御した時、保護ドア934は、使用者によって開けることができるため、使用者は、自由に物品を収容空間に置いたり、物品を収容空間から取り出したりすることができる。
【0075】
携帯型制御装置910は、金庫本体932の上側に移動可能に配置され(ただし、これに限定されない)、有線または無線データ送信インターフェースを介して、処理ユニット920に結合される(本実施形態において、送電線TLと接続する有線送信インターフェースを図示したが、本発明はこれに限定されない)。携帯型制御装置910は、筐体912と、撮像ユニット914とを含む。筐体912は、窓Wを有し、使用者が保持するのに適している。撮像ユニット914は、筐体912内に配置され、窓Wを介して使用者の眼域を取り込んで、画像系列ISを取得する。
【0076】
さらに詳しく説明すると、
図9Bに示すように、認証システム900を使用する時、使用者は、携帯型制御装置910を片方の目に近付けて保持して、眼域を筐体912の窓Wに位置合わせし、撮像ユニット914に対して窓Wに向かって眼球運動を行い、使用者の眼域の画像を取り込んで、画像系列ISを取得する。そして、撮像ユニット914は、取得した画像系列ISを処理ユニット920に送信する。それにより、処理ユニット920は、上述したパスワード入力方法に基づいて、使用者の眼球運動がプリセット解除パスワードと一致するかどうかを判断し、ロックのロック状態を解除するかどうか決定することができる。そのため、使用者は、携帯型制御装置910により、装置の位置に制限されることなくパスワードをより自由に入力することができ、同時に、他人に覗かれるのを防ぐことができるため、認証システム900の使用安全性を向上させることができる。
【0077】
本実施形態において、貸金庫930の金庫本体932の上側に、収納ボックス940をさらに配置してもよく、収納ボックス940は、使用者がパスワードを入力した後に携帯型制御装置910を保存するための収納空間を提供する。また、1つの例示的実施形態において、収納ボックス940の内側にリール(reel)(図示せず)を配置してもよく、リールは、送電線TLを巻き戻すことができるため、携帯型制御装置910を収納空間内に保存することができる。
【0078】
さらに、言及すべきこととして、本実施形態において、処理ユニット920は、例えば、セキュリティ機器/貸金庫930の中に配置されるが、本発明はこれに限定されない。別の例示的実施形態において、処理ユニット920は、携帯型制御装置910の上に直接配置されてもよい(後述する
図10Bの実施形態に別の構造として示す)。本実施例において、有線または無線データ送信インターフェースを介して携帯型制御装置910から送信される情報は、セキュリティ機器/貸金庫930のロック状態を切り替えるための制御コマンドである。
【0079】
認証システム900の構造において、処理ユニット920は、
図2〜
図8に示した実施形態のステップを用いることによって、携帯型制御装置910によって取り込まれた画像系列に基づいて使用者の眼球運動を検出し、使用者の眼球運動がプリセット解除パスワードと一致するかどうかを判断することができる。そして、判断結果に基づいて、貸金庫930を制御するための対応制御信号を送信して、ロック状態を解除するかどうかを決定することができるため、使用者は、保護ドア934を開けて、収容空間への物品の出し入れをすることができる。
【0080】
図10Aは、本発明の別の実施形態に係る開眼閉眼状態により制御される認証システムを示す概略図である。
図10Bおよび
図10Cは、
図10Aの異なる実施形態における携帯型制御装置の応用を示す概略図である。
【0081】
図10Aを参照すると、認証システム1000は、携帯型制御装置1010と、処理ユニット1020と、セキュリティ機器1030と、プロンプトユニット1040と、無線送信モジュール1050とを含む。本実施形態において、処理ユニット1020は、例えば、携帯型制御装置1010の中に配置されるが、本発明はこれに限定されない。
【0082】
セキュリティ機器1030は、例えば、ドア1032およびロック1034を含むアクセス制御システムである。ロック1034は、ドア1032に配置され、ドア1032の開閉を制御するよう構成される。本実施形態のプロンプトユニット1040は、例えば、光信号を用いてロック1034の現設定状態がロック状態であるのかアンロック状態であるのかをプロンプトするための光表示装置であるが、本発明はこれに限定されない。
【0083】
無線送信モジュール1050は、セキュリティ機器/アクセス制御システム1030および携帯型制御装置1010にそれぞれ配置された2つの送信端を含み、無線データ送信インターフェース(例えば、短距離無線通信(Short Distance Wireless Communication)、無線IDタグ(Radio Frequency Identification, RFID)、ブルートゥース(Bluetooth)またはWi‐Fi等)を提供することができる。
【0084】
詳しく説明すると、使用者が認証システム1000を使用したい時、使用者は、携帯型制御装置1010を目に近付けて保持し、携帯型制御装置1010に向かって眼球運動を行う。携帯型制御装置1010は、使用者の眼画像を取り込んで、画像系列ISを生成する。処理ユニット1020は、取り込んだ画像系列ISを処理し、
図2〜
図6Eの実施形態に示したステップを用いて、ロック1034のロック状態を解除するかどうかを指示する制御コマンドCMDを生成する。そして、無線送信モジュール1050を介して制御コマンドCMDをロック1034に送信することにより、ロック1034は、制御コマンドCMDに応じてロック状態を解除するかどうかを決定することができる。
【0085】
図10Bは、携帯型制御装置1010の実施形態の実際の応用例である。
図10Bを参照すると、携帯型制御装置1010は、例えば、筐体1012と、撮像ユニット1014と、光源1015と、表示ユニット1016と、反射ミラー1017とを含む。さらに、携帯型制御装置1010は、処理ユニット1020および無線送信モジュール1050の1つの送信端も配置する。
【0086】
本実施形態において、筐体1012は、窓Wを有し、使用者が保持するのに適している。撮像ユニット1014および光源1015は、筐体1012の中に配置され、窓Wに隣接する。光源1015は、撮像ユニット1014が使用者の眼画像を取り込んでいる時(または使用者が近づいた時、ただし本発明はこれに限定されない)にオンになるため、十分な輝度を提供することができる。表示ユニット1016は、筐体1012内に配置され、操作情報に関する画像を表示するよう構成される;反射ミラー1017は、操作情報の画像を窓Wに反射することができるため、使用者は、表示ユニット1016によって表示された画像の内容を見ることができる。ここで、操作情報は、例えば、眼球運動を開始させるよう使用者にプロンプトするテキスト(例えば、「パスワードを入力して下さい」)、または使用者により入力されたパスワードが正しいかどうかを表示するテキストであってもよいが、本発明はこれに限定されない。
【0087】
さらに、言及すべきこととして、本実施形態において、処理ユニット1020は、例えば、携帯型制御装置1010に配置されるが、本発明はこれに限定されない。別の例示的実施形態において、処理ユニット1020は、セキュリティ機器/貸金庫1030の中に直接配置されてもよい(上述した
図9Aの実施形態の構造)。本実施例において、有線または無線データ送信インターフェースを介して携帯型制御装置1010から送信された情報は、使用者の眼域に関する画像系列である。
【0088】
図10Cは、携帯型制御装置1010の別の実施形態の実際の応用例である。
図10Cを参照すると、本実施形態において、携帯型制御装置1010の機能は、一般のスマートフォンのソフトウェアで実現される。携帯型制御装置1010による撮像の機能は、スマートフォンに内蔵されたカメラモジュールによって実現される。操作情報に関する画像を表示する機能は、スマートフォンの表示画面によって実現される。スマートフォンを携帯型制御装置1010として使用する時、使用者がスマートフォンを保持して、使用者の目から特定の作動距離を有する位置にスマートフォンを置くことによって、スマートフォンのレンズは、使用者の目に焦点を合わせ、使用者の眼球運動を取り込むことができる。
【0089】
以上のように、本発明の実施形態に基づいて、開眼閉眼状態により制御される認証システムおよびその携帯型制御装置を提供する。認証システムは、特定の眼球運動(例えば、瞬き、持続開眼および/または持続閉眼)を解除パスワードとして利用して、ロックのロック状態を解除する。使用者の眼球運動は他人が覗いたり観察したりするのが難しいため、この認証システムを適用したセキュリティ機器(例えば、アクセス制御システムまたは貸金庫)は、安全性が大幅に向上し、パスワードが漏れるのを防ぐことができる。
【0090】
以上のごとく、この発明を実施形態により開示したが、もとより、この発明を限定するためのものではなく、当業者であれば容易に理解できるように、この発明の技術思想の範囲内において、適当な変更ならびに修正が当然なされうるものであるから、その特許権保護の範囲は、特許請求の範囲および、それと均等な領域を基準として定めなければならない。