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特開2015-128064非理想的な動作による燃料電池電極腐食を緩和するための層設計
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-128064(P2015-128064A)
(43)【公開日】2015年7月9日
(54)【発明の名称】非理想的な動作による燃料電池電極腐食を緩和するための層設計
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/02 20060101AFI20150612BHJP
   H01M 4/86 20060101ALI20150612BHJP
   H01M 8/10 20060101ALN20150612BHJP
【FI】
   H01M8/02 E
   H01M4/86 M
   H01M8/10
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-252196(P2014-252196)
(22)【出願日】2014年12月12日
(31)【優先権主張番号】61/915,178
(32)【優先日】2013年12月12日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/547,715
(32)【優先日】2014年11月19日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】511095986
【氏名又は名称】ジーエム・グローバル・テクノロジー・オペレーションズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(72)【発明者】
【氏名】アヌソーン・コンカナンド
【テーマコード(参考)】
5H018
5H026
【Fターム(参考)】
5H018AA06
5H018CC06
5H026AA06
5H026EE05
5H026EE12
5H026HH03
5H026HH06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】燃料電池を提供すること。
【解決手段】この燃料電池は、アノード触媒層と、カソード触媒層と、アノード触媒層とカソード触媒層の間に介挿されたイオン伝導膜とを備える。第1のガス拡散層は、アノード触媒層の上に配設され、第2のガス拡散層は、カソード触媒層の上に配設される。アノード流れ場プレートは、第1のガス拡散層の上に配設され、カソード流れ場プレートは、第2のガス拡散層の上に配設される。ガス感知層は、アノード流れ場プレートとアノード触媒層の間に介挿される。特色として、ガス感知層は、水素ガスに接触するときに第1の電気抵抗を有するとともに、酸素含有ガスに接触するときに第2の電気抵抗を有し、第1の電気抵抗は、第2の電気抵抗より小さい。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アノード触媒層と、
カソード触媒層と、
前記アノード触媒層と前記カソード触媒層の間に介挿されたイオン伝導膜と、
前記アノード触媒層の上に配設された第1のガス拡散層と、
前記カソード触媒層の上に配設された第2のガス拡散層と、
前記第1のガス拡散層の上に配設されたアノード流れ場プレートと、
前記第2のガス拡散層の上に配設されたカソード流れ場プレートと、
前記アノード流れ場プレートと前記アノード触媒層の間に介挿されたガス感知層と、を備え、前記ガス感知層は、水素ガスに接触するときに第1の電気抵抗を有するとともに、酸素含有ガスに接触するときに第2の電気抵抗を有し、前記第1の電気抵抗は、前記第2の電気抵抗より小さい、燃料電池。
【請求項2】
前記第2の電気抵抗が、前記第1の電気抵抗より少なくとも5倍大きい、請求項1に記載の燃料電池。
【請求項3】
前記ガス感知層が、前記第1のガス拡散層と前記アノード流れ場プレートの間に介挿される、請求項1に記載の燃料電池。
【請求項4】
前記ガス感知層が、前記第1のガス拡散層と前記アノード触媒層の間に介挿される、請求項1に記載の燃料電池。
【請求項5】
前記第1のガス拡散層と前記アノード触媒層の間に介挿された微孔性層をさらに備え、前記ガス感知層が、前記第1のガス拡散層と前記微孔性層の間に介挿される、請求項1に記載の燃料電池。
【請求項6】
前記ガス感知層が、半導体酸化物を含有する、請求項1に記載の燃料電池。
【請求項7】
前記ガス感知層が、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、およびそれらの組合せからなる群から選択される成分を含有する、請求項1に記載の燃料電池。
【請求項8】
前記ガス感知層が、SnOを含有する、請求項1に記載の燃料電池。
【請求項9】
前記ガス感知層が、TiOナノチューブを含む、請求項1に記載の燃料電池。
【請求項10】
前記ガス感知層が、約4から20ナノメートルの直径を有するTiOナノチューブを含む、請求項1に記載の燃料電池。
【請求項11】
アノード触媒層と、
カソード触媒層と、
前記アノード触媒層と前記カソード触媒層の間に介挿されたイオン伝導膜と、
前記アノード触媒層の上に配設された第1のガス拡散層と、
前記カソード触媒層の上に配設された第2のガス拡散層と、
前記第1のガス拡散層の上に配設されたアノード流れ場プレートと、
前記第2のガス拡散層の上に配設されたカソード流れ場プレートと、
前記アノード流れ場プレートと前記アノード触媒層の間に介挿されたガス感知層と、を備え、前記ガス感知層は、約30ナノメートル未満の少なくとも1つの寸法を有するナノチューブ、ナノワイヤ、またはナノファイバの形態で半導体酸化物ナノ構造を含み、前記ガス感知層は、水素ガスに接触するときに第1の電気抵抗を有するとともに、酸素含有ガスに接触するときに第2の電気抵抗を有し、前記第1の電気抵抗は、前記第2の電気抵抗より小さい、燃料電池。
【請求項12】
半導体酸化物ナノ構造が、約4から20ナノメートルの直径を有する、請求項11に記載の燃料電池。
【請求項13】
前記第2の電気抵抗が、前記第1の電気抵抗より少なくとも5倍大きい、請求項11に記載の燃料電池。
【請求項14】
前記ガス感知層が、前記第1のガス拡散層と前記アノード流れ場プレートの間に介挿される、請求項11に記載の燃料電池。
【請求項15】
前記ガス感知層が、前記第1のガス拡散層と前記アノード触媒層の間に介挿される、請求項11に記載の燃料電池。
【請求項16】
前記第1のガス拡散層と前記アノード触媒層の間に介挿された微孔性層をさらに備え、前記ガス感知層が、前記第1のガス拡散層と前記微孔性層の間に介挿される、請求項11に記載の燃料電池。
【請求項17】
前記半導体酸化物ナノ構造は、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、およびそれらの組合せからなる群から選択される成分を含有する、請求項11に記載の燃料電池。
【請求項18】
前記半導体酸化物ナノ構造は、SnOを含有する、請求項11に記載の燃料電池。
【請求項19】
半導体酸化物ナノ構造が、TiOナノチューブを含む、請求項11に記載の燃料電池。
【請求項20】
前記TiOナノチューブが、約4から20ナノメートルの直径を有する、請求項19に記載の燃料電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2013年12月12日に出願した米国仮出願第61/915,178号の利益を主張する、2014年10月20日に出願した米国特許出願公開第14/518,455号の一部継続であり、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]少なくとも1つの態様では、本発明は、電極腐食を緩和する燃料電池の設計に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]燃料電池は、多くの用途において電力源として使用される。特に、燃料電池は、内燃機関に取って代わるように自動車に用いることが提案されている。よく用いられている燃料電池設計は、固体高分子電解質(「SPE」)膜またはプロトン交換膜(「PEM」)を使用してアノードとカソードの間のイオン輸送を行う。
【0004】
[0004]プロトン交換膜型の燃料電池では、水素が燃料としてアノードに供給され、酸素が酸化剤としてカソードに供給される。酸素は、純粋な形(O)または空気(OとNの混合物)であり得る。典型的には、PEM燃料電池は、膜電極接合体(「MEA」)を有し、固体高分子膜は、一方の面にアノード触媒、反対の面にカソード触媒を有する。典型的なPEM燃料電池のアノード層およびカソード層は、織りグラファイト、グラファイト化シート、またはカーボン紙などの多孔性導電材料で形成され、それにより燃料および酸化剤が、燃料および酸化剤の供給電極にそれぞれ面する膜の表面にわたって分散することを可能にする。各電極は、アノードで水素の酸化を促進するとともにカソードで酸素の還元を促進するために、カーボン粒子に支持された細かく分けた触媒粒子(たとえば、プラチナ粒子)を有する。プロトンは、アノードから、イオン的に伝導性ポリマー膜を介してカソードまで流れ、そこでプロトンは、酸素と組み合わさって電池から排出される水を形成する。MEAは、一対の多孔性ガス拡散層(「GDL」)の間に挟まれ、この一対の多孔性ガス拡散層(「GDL」)は、一対の非多孔性の伝導要素またはプレートの間に挟まれる。このプレートは、アノード用およびカソード用の集電器として機能し、それぞれのアノード触媒およびカソード触媒の表面の上に燃料電池のガス状反応物を分散させるその中に形成された適切な流路および開口を含む。電気を効率的に生産するために、PEM燃料電池の高分子電解質膜は、薄く、化学的に安定で、プロトン透過可能で、非電気伝導性、およびガス不浸透性でなければならない。典型的な応用例では、燃料電池は、高レベルの電力を供給するために、スタック状に配置された多数の個々の燃料電池のアレイに設けられる。
【0005】
[0005]空気がアノードチャネルの中に侵入するとともにH/空気の前面(局所のHの欠乏)を作り出すときに、燃料電池電極における意図的でない炭素腐食が生じる可能性があり得る。図1は、この状況を示す。図1では、アノード14とカソード16の間に介挿されたプロトン交換膜12を有する従来技術の燃料電池10が示されている。水素が存在する領域内でアノード14とカソード16の誘導電圧によって空気が駆動されることにより、以下の電気化学反応が、アノード14で生じる。
+4H+4e−→2H
この反応は、以下のカソード側の反応:
C+2HO→4H++4e−+CO
2HO→4H++4e−+0
に結びつき、これによりカソード側の炭素の分解および同時の燃料電池性能の損失がもたらされる。
アノード側バイポーラプレート/拡散媒体18およびカソード側バイポーラプレート/拡散媒体20も、図1に示されている。図2は、誘導電圧を零にすることで電気化学反応を最小にするために、アノード14およびカソード16が短絡抵抗器22を用いてともに短絡されることを示す従来技術の解決手段を示す。起動中、水素(H)は、湿潤端30で導入され、次いで乾燥端32へ流れる。水素は、わずかに異なる割合(全面的な水素欠乏)で各電池の空気充填アノードチャネルを充填する。アノード14、カソード16、プロトン交換膜12、および短絡抵抗器28も、図3に示される。このタイプの電極劣化は、追い出しステップ36中に)アノードヘッダ36を追い出すことで最小化することもできる。概して、これらの従来技術の解決手段は、システム制御を複雑にし、効率を損なう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[0006]したがって、各電極で炭素腐食を最小にする改善された燃料電池設計が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007]本発明は、少なくとも1つの実施形態において、ガス感知薄層を有する燃料電池を提供することにより、従来技術の1つまたは複数の課題を解決する。燃料電池は、アノード触媒層と、カソード触媒層と、アノード触媒層とカソード触媒層の間に介挿されたイオン伝導膜とを備える。第1のガス拡散層は、アノード触媒層の上に配設され、第2のガス拡散層は、カソード触媒層の上に配設される。アノード流れ場プレートは、第1のガス拡散層の上に配設され、カソード流れ場プレートは、第2のガス拡散層の上に配設される。ガス感知層は、アノード流れ場プレートとアノード触媒層の間に介挿される。ガス感知層は、水素ガスに接触するときに第1の電気抵抗を有するとともに、酸素含有ガスに接触するときに第2の電気抵抗を有する。特色として、第1の電気抵抗は、第2の電気抵抗より小さい。ガス感知層は、典型的には、燃料電池のアノード側に適用されることに留意されたい。層は、その環境ガスのタイプ、詳細にはHおよびOに応じて、かなり異なる電気抵抗を示す材料から作製される。この特性は、アノード電極およびカソード電極が、上記層の電気抵抗の増加に起因する、アノードチャネル内にOが存在するときの腐食から保護されることを可能にする。抵抗の増加は、空気が充填した膜電極接合体領域だけである一方、他方のHが充填した領域は、なお動作可能であり、したがって効率を最大化することに留意されたい。
【0008】
[0008]別の実施形態では、燃料電池は、ガス感知薄層を有する。燃料電池は、アノード触媒層と、カソード触媒層と、アノード触媒層とカソード触媒層の間に介挿されたイオン伝導膜とを備える。第1のガス拡散層は、アノード触媒層の上に配設され、第2のガス拡散層は、カソード触媒層の上に配設される。アノード流れ場プレートは、第1のガス拡散層の上に配設され、カソード流れ場プレートは、第2のガス拡散層の上に配設される。ガス感知層は、アノード流れ場プレートとアノード触媒層の間に介挿される。ガス感知層は、約30ナノメートル未満の少なくとも1つの寸法を有する半導体酸化物ナノ構造を含む。特色として、半導体酸化物ナノ構造は、ナノチューブ、ナノワイヤ、またはナノファイバの形態である。ガス感知層は、水素ガスに接触するときに第1の電気抵抗を有するとともに、酸素含有ガスに接触するときに第2の電気抵抗を有する。特色として、第1の電気抵抗は、第2の電気抵抗より小さい。
【0009】
[0009]本発明の例示の実施形態は、詳細な説明、および添付図面からより十分に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】[0010]アノード中の酸素が炭素分解を引き起こす電気化学的機構を示す概略図である。
図2】[0011]燃料電池において炭素分解を減少させる従来技術の方法の概略図である。
図3】[0012]燃料電池スタック内の不均一な水素の追い出しにより炭素分解を減少させる従来技術の方法によるものを示す概略図である。
図4】[0013]図4Aは、ガス感知層を用いて炭素分解を減少させた燃料電池を示す概略図である。 図4Bは、ガス感知層を用いて炭素分解を減少させた燃料電池を示す概略図である。
図5】[0014]図5Aは、ガス感知層を用いて炭素分解を減少させた燃料電池を示す概略図である。 図5Bは、ガス感知層を用いて炭素分解を減少させた燃料電池を示す概略図である。
図6】[0015]負荷条件下でも燃料電池にて炭素分解を減少させる方法の概略図である。
図7】[0016]負荷条件下でも燃料電池スタックにて炭素分解を減少させる方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0017]次に、本発明の現在の好ましい組成、態様、および方法についての言及を詳細に行うものであり、これは、本発明者らに現在知られている本発明を実施する最良の形態を構成する。図面は、必ずしも縮尺に従っていない。しかし、開示された実施形態は、様々な形態および代替形態で具現化され得る本発明の単なる例示であることを理解されたい。したがって、本明細書中で開示された特定の詳細は、限定として解釈されるべきではなく、本発明の任意の態様についての代表的な基礎としておよび/または当業者に本発明の様々な用い方を教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。
【0012】
[0018]例または特に断わりがある場合以外では、材料の量または反応および/もしくは使用の状態を示す本明細書におけるすべての数量は、本発明の最大の範囲を説明する際の語句「約」によって修飾されていると理解すべきである。記述した数値限定内における実施が、一般的に好ましい。また、反対のことについての記述がなければ、パーセント、「部」、および割合の値は質量によるものであり、用語「ポリマー」は「オリゴマー」、「コポリマー」、「ターポリマー」等を含み、本発明に関連する所与の目的についての適切なまたは好ましい材料の群またはクラスの説明は、群またはクラスのメンバーの任意の2以上の混合物が等しく適切であるまたは好ましいことを包含するものであり、任意のポリマーに与えられた分子量は、数平均分子量を指しており、化学用語における構成要素の説明は、本明細書に特定された任意の組合せに加えた時点での構成要素を言及し、一度混合された混合物の構成要素中における化学相互作用を必ずしも排除せず、頭字語または他の省略形の最初の定義は、本明細書中の同じ省略形の続くすべての使用に適用されるとともに、変更すべきところは変更して最初に定義された省略形の通常の文法的変形にも適用されるものであり、そして、特に逆の断わりがなければ、特性の測定は、同じ特性について前述または後述した同じ技法により求められる。
【0013】
[0019]本発明は、特定の成分および/または状態はもちろん変わり得るので、以下に記載した特定の実施形態および方法に限定されないことも理解されたい。さらに、本明細書中に用いられた専門用語は、本発明の特定の実施形態を説明するためにのみ使用され、如何なる方法においても限定することが意図されていない。
【0014】
[0020]本明細書および添付の特許請求の範囲において用いられるように、単数形の冠詞(「a」、「an」、および「the」)は、その内容についての明確な断わりがない限り、複数形を含む。たとえば、単数形の構成要素についての言及は、複数の構成要素を含むことが意図される。
【0015】
[0021]本出願全体にわたって、刊行物が参照される場合、これら刊行物の開示が全体として、参照により本出願に組み込まれ、本願が属する最先端の技術をより十分に説明する。
【0016】
[0022]図4A図4B図5A、および図5Bを参照すると、ガス感知薄層を有する燃料電池が提供される。燃料電池40は、膜電極接合体42を含み、この膜電極接合体42は、アノード触媒層44と、カソード触媒層46と、イオン伝導膜(すなわち、プロトン交換膜)50とを含む。プロトン(すなわち、イオン)伝導膜50は、アノード触媒層44とカソード触媒層46の間に介挿され、アノード触媒層44はプロトン伝導膜50の第1の側の上に配設され、カソード触媒層16はプロトン伝導膜50の第2の側の上に配設される。燃料電池40は、多孔性ガス拡散層52および54も含む。ガス拡散層52は、アノード触媒層44の上に配設され、一方、ガス拡散層54は、カソード触媒層46の上に配設される。微孔性層72は、ガス拡散層52とアノード触媒層44の間に介挿されることが示されてもいる。燃料電池40は、ガス拡散層52の上に配設されたアノード流れ場プレート56と、ガス拡散層54の上に配設されたカソード流れ場プレート58とを備える。アノード流れ場プレート56およびカソード流れ場プレート58の各々は、その中に流路を独立して画定する。分子水素ガスなどの燃料は、アノード流路60を通じて流され、一方、空気などの酸素含有ガスは、流路62を通じて流される。負荷64も、図4Bおよび図5Bに示されている。
【0017】
[0023]概して、ガス感知層70は、アノード触媒層44とアノード流れ場プレート56の間に介挿される。一改造例では、ガス感知層70は、約5nmから約1ミクロンの厚さを有する。別の改造例では、ガス感知層70は、約10nmから約300ナノメートルの厚さを有する。別の改造例では、ガス感知層70は、約10nmから約50ナノメートルの厚さを有する。一変形例では、図4Aおよび図4Bに示したように、ガス感知層70は、アノード流れ場プレート56の上に配設される。別の変形例では、図5Aおよび図5Bに示したように、ガス感知層70は、アノード触媒層44とガス拡散層52の間に介挿される。図5Aおよび図5Bのさらなる改造例では、ガス感知層70は、微孔性層72とガス拡散層52の間に介挿される。特色として、ガス感知層70は、ガス感知層70が水素に接触するときの第1の電気抵抗、およびガス感知層70が酸素に接触するときの第2の電気伝導性を特徴とする。特に、電気抵抗は、水素ガスに曝されると減少し、酸素に曝されると増加し、第1の電気抵抗は、第2の電気抵抗より小さいようになっている。
【0018】
[0024]そのようなガス感知層70を用いた燃料電池の動作が、図6に示されている。起動時に、アノードにまだ酸素があるとき、電気化学分解は、まだ酸素に接触するガス感知層70の領域76の比較的高い抵抗(第2の電気抵抗)により抑制されまたは減少される。Xの記号は、水素ガスにまだ接触していない高い抵抗の領域を表す。これらの領域で、電極劣化をもたらす電気化学反応は抑制される。水素が流れ続けるとともに、アノード44から空気を追い出し続けるとき、ガス感知層70は水素に接触し、電気抵抗は降下し、それにより電気抵抗78の減少を引き起こす。この電気抵抗の減少は、燃料電池が適切に動作することを可能にし、それによりプロトン交換膜50を介してのアノード44とカソード46の間の誘導電圧により引き起こされる害をなす電気化学反応を最小にする。一改造例では、第2の電気抵抗は、第1の電気抵抗の少なくとも5倍である。別の改造例では、第2の電気抵抗は、第1の電気抵抗より少なくとも一桁大きい(すなわち、10倍大きい)。さらに別の改造例では、第2の電気抵抗は、第1の電気抵抗より少なくとも5桁大きい(すなわち、100,000倍大きい)。さらに別の改造例では、第2の電気抵抗は、第1の電気抵抗の少なくとも8桁大きい(すなわち、100,000,000倍大きい)。いくつかの改造例では、第2の抵抗は、望ましい増加順に、1×10オームcm、1×10オームcm、1×10オームcm、1×10オームcm、または1×10オームcmより大きい。ほとんどの場合、第1の抵抗は、約1×1015オームcm未満である。他の改造例では、第1の抵抗は、望ましい増加順に、1×10オームcm、1×10オームcm、1×10オームcm、または1×10オームcm、または1×10オームcm未満である。ほとんどの場合、第1の抵抗は、約1×1015オームcm未満である。典型的には、第1の抵抗は、約1×10−3オームcmより大きい。
【0019】
[0025]図4A図4B図5A図5C、および図7を参照すると、燃料電池スタックにおけるガス感知層の動作が、図示されている。図7に示したように、燃料電池スタック80の不均一な追い出しに関連した炭素分解が、ガス感知層70の抵抗を変えることで抑制される。燃料電池スタックは、複数の燃料電池10を備える。空気がまだ居残っている燃料電池におけるガス感知層70は、比較的より高い抵抗を有し、これにより電気化学的に誘起された炭素腐食を抑制する。図7に示された例では、水素は、湿潤側82から導入され乾燥端84に向かって流れ、一方、その方向に燃料電池を通じて連続的に流れる。水素がアノード領域に接触するとき、抵抗は低下し、それにより通常の燃料電池動作を可能にする。Xの記号は、起動時の領域であって、それらの領域が水素に接触する前に、炭素分解をもたらす電気化学反応が、ガス感知層の高い抵抗により妨げられる起動時の領域を表す。ガス感知層70は、典型的には、炭素腐食を防ぐために、燃料電池スタックにおけるどの電池にも配置される。しかし、ガス感知層70は、スタックにおける1つまたは複数の電池に配置することもできる。ガス感知層70が、スタックにおけるすべての電池には配置されないとき、ガス感知層70を備えた電池は、スタックにおける残りの電池よりわずかに炭素腐食の影響を受けやすいように設計されている。これは、それらの電池へのHの供給、または液体水の蓄積の傾向を修正することにより行うことができる。たとえば、Hガス入口からもっと遠く離れたガス感知層を有する電池を設置し、流路寸法を修正し、または成分の親水性を修正することができる。この場合には、ガス感知層を有する電池の電気抵抗の何らからの変化は、スタックにおけるアノード流れ場のHまたはO濃度の変化の始まりを示す。次いで、性能の劣化がより少ないより効率的なやり方で燃料電池スタックを動作させるために、システム制御を助けるための抵抗のこの変化を監視することができる。
【0020】
[0026]ガス感知層70は、典型的には、半導体酸化物層である。適切な酸化物層の例には、酸化チタン(たとえば、TiO)、酸化スズ(たとえば、SnO)、酸化亜鉛(たとえば、ZnO)、酸化ジルコニウム(たとえば、ZrO)などが挙げられるが、これらに限定されない。特に、ガス感知層70は酸化チタン(たとえば、TiO)である。一改造例では、ガス感知層70は、約30ナノメートル未満の少なくとも1つの寸法を有する半導体酸化物ナノ構造を含む。たとえば、半導体ナノ構造は、ナノチューブ、ナノワイヤ、またはナノファイバの形態とすることができ、各々は、独立して、約30ナノメートル未満の少なくとも1つの寸法を有する。別の改造例では、ガス感知層70は、ナノチューブ、ナノワイヤ、およびナノファイバの形態で半導体酸化物ナノ構造を含み、各々は、独立して、直径4から20ナノメートルを有する。さらなる改造例では、これらの半導体ナノ構造は、約30ナノメートルから約1ミクロンの長さを有する、または代替として、約30ナノメートルから約300ナノメートル、もしくは約30ナノメートルから100ナノメートルの長さを有する。別の改造例では、半導体酸化物層は、約4から15nmの直径を有するTiOナノチューブを含む。さらなる改造例では、TiOナノチューブは、20nmから約1ミクロンの長さを有する。さらに別の改造例では、TiOナノチューブは、20nmから約200nmの長さを有する。たとえば、TiOナノチューブの電気抵抗はHと接触したときに8桁だけ減少する。同様に、SnOの電気抵抗は、Oと接触したときに1.5桁だけ増大する。特に、少なくとも1つの寸法が7nm未満である半導体酸化物は、環境ガスに対する電気抵抗の実質的な依存性を示す。
【0021】
[0027]ガス感知層70は、コーティング技術の当業者に知られたいくつかのコーティング技術により用意することができる。たとえば、ナノ構造化された半導体酸化物が、ガス拡散層またはバイポーラ板の上へコーティングされてもよく、次に、付着力を改善するために熱処理(200〜400℃)が行われる。バイポーラ板に薄い金属フィルムを蒸着するために物理的気相成長法、化学的気相成長法、または電着等などの知られた技術を使用することもできる。次いで、この金属フィルムは、電気化学エッチングまたは酸の脱成分腐食などの知られた技術を用いて、ナノ構造化された半導体酸化物のガス感知層に変換することができる。
【0022】
[0028]例示的な実施形態を説明してきたが、これらの実施形態が、本発明のすべての可能性のある形態を説明することは意図されていない。むしろ、本明細書に用いられる用語は、限定ではなく説明の用語であり、本発明の要旨および範囲から逸脱せずに様々な変更がなされることが可能であり得ると理解される。加えて、様々な実施の実施形態の特徴は、本発明のさらなる実施形態を形成するように組み合わされてもよい。
【符号の説明】
【0023】
10 燃料電池
40 燃料電池
42 膜電極接合体
44 アノード触媒層、アノード
46 カソード触媒層、カソード
50 イオン伝導膜、プロトン伝導膜
52 多孔性ガス拡散層、ガス拡散層
54 多孔性ガス拡散層、ガス拡散層
56 アノード流れ場プレート
58 カソード流れ場プレート
60 アノード流路
62 流路
64 負荷
70 ガス感知層
72 微孔性層
76 領域
78 電気抵抗
80 燃料電池スタック
82 湿潤側
84 乾燥端
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2015年2月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アノード触媒層と、
カソード触媒層と、
前記アノード触媒層と前記カソード触媒層の間に介挿されたイオン伝導膜と、
前記アノード触媒層の上に配設された第1のガス拡散層と、
前記カソード触媒層の上に配設された第2のガス拡散層と、
前記第1のガス拡散層の上に配設されたアノード流れ場プレートと、
前記第2のガス拡散層の上に配設されたカソード流れ場プレートと、
前記アノード流れ場プレートと前記アノード触媒層の間に介挿されたガス感知層と、を備え、前記ガス感知層は、水素ガスに接触するときに第1の電気抵抗を有するとともに、酸素含有ガスに接触するときに第2の電気抵抗を有し、前記第1の電気抵抗は、前記第2の電気抵抗より小さい、燃料電池。
【請求項2】
前記第2の電気抵抗が、前記第1の電気抵抗より少なくとも5倍大きい、請求項1に記載の燃料電池。
【請求項3】
前記ガス感知層が、前記第1のガス拡散層と前記アノード流れ場プレートの間に介挿される、請求項1に記載の燃料電池。
【請求項4】
前記ガス感知層が、前記第1のガス拡散層と前記アノード触媒層の間に介挿される、請求項1に記載の燃料電池。
【請求項5】
前記第1のガス拡散層と前記アノード触媒層の間に介挿された微孔性層をさらに備え、前記ガス感知層が、前記第1のガス拡散層と前記微孔性層の間に介挿される、請求項1に記載の燃料電池。
【請求項6】
前記ガス感知層が、半導体酸化物を含有する、請求項1に記載の燃料電池。
【請求項7】
前記ガス感知層が、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、およびそれらの組合せからなる群から選択される成分を含有する、請求項1に記載の燃料電池。
【請求項8】
前記ガス感知層が、SnOを含有する、請求項1に記載の燃料電池。
【請求項9】
前記ガス感知層が、TiOナノチューブを含む、請求項1に記載の燃料電池。
【請求項10】
アノード触媒層と、
カソード触媒層と、
前記アノード触媒層と前記カソード触媒層の間に介挿されたイオン伝導膜と、
前記アノード触媒層の上に配設された第1のガス拡散層と、
前記カソード触媒層の上に配設された第2のガス拡散層と、
前記第1のガス拡散層の上に配設されたアノード流れ場プレートと、
前記第2のガス拡散層の上に配設されたカソード流れ場プレートと、
前記アノード流れ場プレートと前記アノード触媒層の間に介挿されたガス感知層と、を備え、前記ガス感知層は、約30ナノメートル未満の少なくとも1つの寸法を有するナノチューブ、ナノワイヤ、またはナノファイバの形態で半導体酸化物ナノ構造を含み、前記ガス感知層は、水素ガスに接触するときに第1の電気抵抗を有するとともに、酸素含有ガスに接触するときに第2の電気抵抗を有し、前記第1の電気抵抗は、前記第2の電気抵抗より小さい、燃料電池。
【手続補正書】
【提出日】2015年3月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2013年12月12日に出願した米国仮出願第61/915,178号の利益を主張する、2014年10月20日に出願した米国特許出願公開第14/518,455号の一部継続であり、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]少なくとも1つの態様では、本発明は、電極腐食を緩和する燃料電池の設計に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]燃料電池は、多くの用途において電力源として使用される。特に、燃料電池は、内燃機関に取って代わるように自動車に用いることが提案されている。よく用いられている燃料電池設計は、固体高分子電解質(「SPE」)膜またはプロトン交換膜(「PEM」)を使用してアノードとカソードの間のイオン輸送を行う。
【0004】
[0004]プロトン交換膜型の燃料電池では、水素が燃料としてアノードに供給され、酸素が酸化剤としてカソードに供給される。酸素は、純粋な形(O)または空気(OとNの混合物)であり得る。典型的には、PEM燃料電池は、膜電極接合体(「MEA」)を有し、固体高分子膜は、一方の面にアノード触媒、反対の面にカソード触媒を有する。典型的なPEM燃料電池のアノード層およびカソード層は、織りグラファイト、グラファイト化シート、またはカーボン紙などの多孔性導電材料で形成され、それにより燃料および酸化剤が、燃料および酸化剤の供給電極にそれぞれ面する膜の表面にわたって分散することを可能にする。各電極は、アノードで水素の酸化を促進するとともにカソードで酸素の還元を促進するために、カーボン粒子に支持された細かく分けた触媒粒子(たとえば、プラチナ粒子)を有する。プロトンは、アノードから、イオン的に伝導性ポリマー膜を介してカソードまで流れ、そこでプロトンは、酸素と組み合わさって電池から排出される水を形成する。MEAは、一対の多孔性ガス拡散層(「GDL」)の間に挟まれ、この一対の多孔性ガス拡散層(「GDL」)は、一対の非多孔性の伝導要素またはプレートの間に挟まれる。このプレートは、アノード用およびカソード用の集電器として機能し、それぞれのアノード触媒およびカソード触媒の表面の上に燃料電池のガス状反応物を分散させるその中に形成された適切な流路および開口を含む。電気を効率的に生産するために、PEM燃料電池の高分子電解質膜は、薄く、化学的に安定で、プロトン透過可能で、非電気伝導性、およびガス不浸透性でなければならない。典型的な応用例では、燃料電池は、高レベルの電力を供給するために、スタック状に配置された多数の個々の燃料電池のアレイに設けられる。
【0005】
[0005]空気がアノードチャネルの中に侵入するとともにH/空気の前面(局所のHの欠乏)を作り出すときに、燃料電池電極における意図的でない炭素腐食が生じる可能性があり得る。図1は、この状況を示す。図1では、アノード14とカソード16の間に介挿されたプロトン交換膜12を有する従来技術の燃料電池10が示されている。水素が存在する領域内でアノード14とカソード16の誘導電圧によって空気が駆動されることにより、以下の電気化学反応が、アノード14で生じる。
+4H+4e−→2H
この反応は、以下のカソード側の反応:
C+2HO→4H++4e−+CO
2HO→4H++4e−+0
に結びつき、これによりカソード側の炭素の分解および同時の燃料電池性能の損失がもたらされる。
アノード側バイポーラプレート/拡散媒体18およびカソード側バイポーラプレート/拡散媒体20も、図1に示されている。図2は、誘導電圧を零にすることで電気化学反応を最小にするために、アノード14およびカソード16が短絡抵抗器22を用いてともに短絡されることを示す従来技術の解決手段を示す。起動中、水素(H)は、湿潤端30で導入され、次いで乾燥端32へ流れる。水素は、わずかに異なる割合(全面的な水素欠乏)で各電池の空気充填アノードチャネルを充填する。アノード14、カソード16、プロトン交換膜12、および短絡抵抗器28も、図3に示される。このタイプの電極劣化は、追い出しステップ36中に)アノードヘッダ36を追い出すことで最小化することもできる。概して、これらの従来技術の解決手段は、システム制御を複雑にし、効率を損なう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[0006]したがって、各電極で炭素腐食を最小にする改善された燃料電池設計が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007]本発明は、少なくとも1つの実施形態において、ガス感知薄層を有する燃料電池を提供することにより、従来技術の1つまたは複数の課題を解決する。燃料電池は、アノード触媒層と、カソード触媒層と、アノード触媒層とカソード触媒層の間に介挿されたイオン伝導膜とを備える。第1のガス拡散層は、アノード触媒層の上に配設され、第2のガス拡散層は、カソード触媒層の上に配設される。アノード流れ場プレートは、第1のガス拡散層の上に配設され、カソード流れ場プレートは、第2のガス拡散層の上に配設される。ガス感知層は、アノード流れ場プレートとアノード触媒層の間に介挿される。ガス感知層は、水素ガスに接触するときに第1の電気抵抗を有するとともに、酸素含有ガスに接触するときに第2の電気抵抗を有する。特色として、第1の電気抵抗は、第2の電気抵抗より小さい。ガス感知層は、典型的には、燃料電池のアノード側に適用されることに留意されたい。層は、その環境ガスのタイプ、詳細にはHおよびOに応じて、かなり異なる電気抵抗を示す材料から作製される。この特性は、アノード電極およびカソード電極が、上記層の電気抵抗の増加に起因する、アノードチャネル内にOが存在するときの腐食から保護されることを可能にする。抵抗の増加は、空気が充填した膜電極接合体領域だけである一方、他方のHが充填した領域は、なお動作可能であり、したがって効率を最大化することに留意されたい。
【0008】
[0008]別の実施形態では、燃料電池は、ガス感知薄層を有する。燃料電池は、アノード触媒層と、カソード触媒層と、アノード触媒層とカソード触媒層の間に介挿されたイオン伝導膜とを備える。第1のガス拡散層は、アノード触媒層の上に配設され、第2のガス拡散層は、カソード触媒層の上に配設される。アノード流れ場プレートは、第1のガス拡散層の上に配設され、カソード流れ場プレートは、第2のガス拡散層の上に配設される。ガス感知層は、アノード流れ場プレートとアノード触媒層の間に介挿される。ガス感知層は、約30ナノメートル未満の少なくとも1つの寸法を有する半導体酸化物ナノ構造を含む。特色として、半導体酸化物ナノ構造は、ナノチューブ、ナノワイヤ、またはナノファイバの形態である。ガス感知層は、水素ガスに接触するときに第1の電気抵抗を有するとともに、酸素含有ガスに接触するときに第2の電気抵抗を有する。特色として、第1の電気抵抗は、第2の電気抵抗より小さい。
【0009】
[0009]本発明の例示の実施形態は、詳細な説明、および添付図面からより十分に理解されよう。
なお、本明細書は、以下の形態を開示している。
第1の形態の燃料電池は、アノード触媒層と、カソード触媒層と、前記アノード触媒層と前記カソード触媒層の間に介挿されたイオン伝導膜と、前記アノード触媒層の上に配設された第1のガス拡散層と、前記カソード触媒層の上に配設された第2のガス拡散層と、前記第1のガス拡散層の上に配設されたアノード流れ場プレートと、前記第2のガス拡散層の上に配設されたカソード流れ場プレートと、前記アノード流れ場プレートと前記アノード触媒層の間に介挿されたガス感知層と、を備え、前記ガス感知層は、水素ガスに接触するときに第1の電気抵抗を有するとともに、酸素含有ガスに接触するときに第2の電気抵抗を有し、前記第1の電気抵抗は、前記第2の電気抵抗より小さい。
第2の形態は、第1の形態において、前記第2の電気抵抗が、前記第1の電気抵抗より少なくとも5倍大きい。
第3の形態は、第1の形態において、前記ガス感知層が、前記第1のガス拡散層と前記アノード流れ場プレートの間に介挿される。
第4の形態は、第1の形態において、前記ガス感知層が、前記第1のガス拡散層と前記アノード触媒層の間に介挿される。
第5の形態は、第1の形態において、前記第1のガス拡散層と前記アノード触媒層の間に介挿された微孔性層をさらに備え、前記ガス感知層が、前記第1のガス拡散層と前記微孔性層の間に介挿される。
第6の形態は、第1の形態において、前記ガス感知層が、半導体酸化物を含有する。
第7の形態は、第1の形態において、前記ガス感知層が、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、およびそれらの組合せからなる群から選択される成分を含有する。
第8の形態は、第1の形態において、前記ガス感知層が、SnOを含有する。
第9の形態は、第1の形態において、前記ガス感知層が、TiOナノチューブを含む。
第10の形態は、第1の形態において、前記ガス感知層が、約4から20ナノメートルの直径を有するTiOナノチューブを含む。
第11の形態の燃料電池は、アノード触媒層と、カソード触媒層と、前記アノード触媒層と前記カソード触媒層の間に介挿されたイオン伝導膜と、前記アノード触媒層の上に配設された第1のガス拡散層と、前記カソード触媒層の上に配設された第2のガス拡散層と、前記第1のガス拡散層の上に配設されたアノード流れ場プレートと、前記第2のガス拡散層の上に配設されたカソード流れ場プレートと、前記アノード流れ場プレートと前記アノード触媒層の間に介挿されたガス感知層と、を備え、前記ガス感知層は、約30ナノメートル未満の少なくとも1つの寸法を有するナノチューブ、ナノワイヤ、またはナノファイバの形態で半導体酸化物ナノ構造を含み、前記ガス感知層は、水素ガスに接触するときに第1の電気抵抗を有するとともに、酸素含有ガスに接触するときに第2の電気抵抗を有し、前記第1の電気抵抗は、前記第2の電気抵抗より小さい。
第12の形態は、第11の形態において、半導体酸化物ナノ構造が、約4から20ナノメートルの直径を有する。
第13の形態は、第11の形態において、前記第2の電気抵抗が、前記第1の電気抵抗より少なくとも5倍大きい。
第14の形態は、第11の形態において、前記ガス感知層が、前記第1のガス拡散層と前記アノード流れ場プレートの間に介挿される。
第15の形態は、第11の形態において、前記ガス感知層が、前記第1のガス拡散層と前記アノード触媒層の間に介挿される。
第16の形態は、第11の形態において、前記第1のガス拡散層と前記アノード触媒層の間に介挿された微孔性層をさらに備え、前記ガス感知層が、前記第1のガス拡散層と前記微孔性層の間に介挿される。
第17の形態は、第11の形態において、前記半導体酸化物ナノ構造は、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、およびそれらの組合せからなる群から選択される成分を含有する。
第18の形態は、第11の形態において、前記半導体酸化物ナノ構造は、SnOを含有する。
第19の形態は、第11の形態において、半導体酸化物ナノ構造が、TiOナノチューブを含む。
第20の形態は、第19の形態において、前記TiOナノチューブが、約4から20ナノメートルの直径を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】[0010]アノード中の酸素が炭素分解を引き起こす電気化学的機構を示す概略図である。
図2】[0011]燃料電池において炭素分解を減少させる従来技術の方法の概略図である。
図3】[0012]燃料電池スタック内の不均一な水素の追い出しにより炭素分解を減少させる従来技術の方法によるものを示す概略図である。
図4】[0013]図4Aは、ガス感知層を用いて炭素分解を減少させた燃料電池を示す概略図である。 図4Bは、ガス感知層を用いて炭素分解を減少させた燃料電池を示す概略図である。
図5】[0014]図5Aは、ガス感知層を用いて炭素分解を減少させた燃料電池を示す概略図である。 図5Bは、ガス感知層を用いて炭素分解を減少させた燃料電池を示す概略図である。
図6】[0015]負荷条件下でも燃料電池にて炭素分解を減少させる方法の概略図である。
図7】[0016]負荷条件下でも燃料電池スタックにて炭素分解を減少させる方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0017]次に、本発明の現在の好ましい組成、態様、および方法についての言及を詳細に行うものであり、これは、本発明者らに現在知られている本発明を実施する最良の形態を構成する。図面は、必ずしも縮尺に従っていない。しかし、開示された実施形態は、様々な形態および代替形態で具現化され得る本発明の単なる例示であることを理解されたい。したがって、本明細書中で開示された特定の詳細は、限定として解釈されるべきではなく、本発明の任意の態様についての代表的な基礎としておよび/または当業者に本発明の様々な用い方を教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。
【0012】
[0018]例または特に断わりがある場合以外では、材料の量または反応および/もしくは使用の状態を示す本明細書におけるすべての数量は、本発明の最大の範囲を説明する際の語句「約」によって修飾されていると理解すべきである。記述した数値限定内における実施が、一般的に好ましい。また、反対のことについての記述がなければ、パーセント、「部」、および割合の値は質量によるものであり、用語「ポリマー」は「オリゴマー」、「コポリマー」、「ターポリマー」等を含み、本発明に関連する所与の目的についての適切なまたは好ましい材料の群またはクラスの説明は、群またはクラスのメンバーの任意の2以上の混合物が等しく適切であるまたは好ましいことを包含するものであり、任意のポリマーに与えられた分子量は、数平均分子量を指しており、化学用語における構成要素の説明は、本明細書に特定された任意の組合せに加えた時点での構成要素を言及し、一度混合された混合物の構成要素中における化学相互作用を必ずしも排除せず、頭字語または他の省略形の最初の定義は、本明細書中の同じ省略形の続くすべての使用に適用されるとともに、変更すべきところは変更して最初に定義された省略形の通常の文法的変形にも適用されるものであり、そして、特に逆の断わりがなければ、特性の測定は、同じ特性について前述または後述した同じ技法により求められる。
【0013】
[0019]本発明は、特定の成分および/または状態はもちろん変わり得るので、以下に記載した特定の実施形態および方法に限定されないことも理解されたい。さらに、本明細書中に用いられた専門用語は、本発明の特定の実施形態を説明するためにのみ使用され、如何なる方法においても限定することが意図されていない。
【0014】
[0020]本明細書および添付の特許請求の範囲において用いられるように、単数形の冠詞(「a」、「an」、および「the」)は、その内容についての明確な断わりがない限り、複数形を含む。たとえば、単数形の構成要素についての言及は、複数の構成要素を含むことが意図される。
【0015】
[0021]本出願全体にわたって、刊行物が参照される場合、これら刊行物の開示が全体として、参照により本出願に組み込まれ、本願が属する最先端の技術をより十分に説明する。
【0016】
[0022]図4A図4B図5A、および図5Bを参照すると、ガス感知薄層を有する燃料電池が提供される。燃料電池40は、膜電極接合体42を含み、この膜電極接合体42は、アノード触媒層44と、カソード触媒層46と、イオン伝導膜(すなわち、プロトン交換膜)50とを含む。プロトン(すなわち、イオン)伝導膜50は、アノード触媒層44とカソード触媒層46の間に介挿され、アノード触媒層44はプロトン伝導膜50の第1の側の上に配設され、カソード触媒層16はプロトン伝導膜50の第2の側の上に配設される。燃料電池40は、多孔性ガス拡散層52および54も含む。ガス拡散層52は、アノード触媒層44の上に配設され、一方、ガス拡散層54は、カソード触媒層46の上に配設される。微孔性層72は、ガス拡散層52とアノード触媒層44の間に介挿されることが示されてもいる。燃料電池40は、ガス拡散層52の上に配設されたアノード流れ場プレート56と、ガス拡散層54の上に配設されたカソード流れ場プレート58とを備える。アノード流れ場プレート56およびカソード流れ場プレート58の各々は、その中に流路を独立して画定する。分子水素ガスなどの燃料は、アノード流路60を通じて流され、一方、空気などの酸素含有ガスは、流路62を通じて流される。負荷64も、図4Bおよび図5Bに示されている。
【0017】
[0023]概して、ガス感知層70は、アノード触媒層44とアノード流れ場プレート56の間に介挿される。一改造例では、ガス感知層70は、約5nmから約1ミクロンの厚さを有する。別の改造例では、ガス感知層70は、約10nmから約300ナノメートルの厚さを有する。別の改造例では、ガス感知層70は、約10nmから約50ナノメートルの厚さを有する。一変形例では、図4Aおよび図4Bに示したように、ガス感知層70は、アノード流れ場プレート56の上に配設される。別の変形例では、図5Aおよび図5Bに示したように、ガス感知層70は、アノード触媒層44とガス拡散層52の間に介挿される。図5Aおよび図5Bのさらなる改造例では、ガス感知層70は、微孔性層72とガス拡散層52の間に介挿される。特色として、ガス感知層70は、ガス感知層70が水素に接触するときの第1の電気抵抗、およびガス感知層70が酸素に接触するときの第2の電気伝導性を特徴とする。特に、電気抵抗は、水素ガスに曝されると減少し、酸素に曝されると増加し、第1の電気抵抗は、第2の電気抵抗より小さいようになっている。
【0018】
[0024]そのようなガス感知層70を用いた燃料電池の動作が、図6に示されている。起動時に、アノードにまだ酸素があるとき、電気化学分解は、まだ酸素に接触するガス感知層70の領域76の比較的高い抵抗(第2の電気抵抗)により抑制されまたは減少される。Xの記号は、水素ガスにまだ接触していない高い抵抗の領域を表す。これらの領域で、電極劣化をもたらす電気化学反応は抑制される。水素が流れ続けるとともに、アノード44から空気を追い出し続けるとき、ガス感知層70は水素に接触し、電気抵抗は降下し、それにより電気抵抗78の減少を引き起こす。この電気抵抗の減少は、燃料電池が適切に動作することを可能にし、それによりプロトン交換膜50を介してのアノード44とカソード46の間の誘導電圧により引き起こされる害をなす電気化学反応を最小にする。一改造例では、第2の電気抵抗は、第1の電気抵抗の少なくとも5倍である。別の改造例では、第2の電気抵抗は、第1の電気抵抗より少なくとも一桁大きい(すなわち、10倍大きい)。さらに別の改造例では、第2の電気抵抗は、第1の電気抵抗より少なくとも5桁大きい(すなわち、100,000倍大きい)。さらに別の改造例では、第2の電気抵抗は、第1の電気抵抗の少なくとも8桁大きい(すなわち、100,000,000倍大きい)。いくつかの改造例では、第2の抵抗は、望ましい増加順に、1×10オームcm、1×10オームcm、1×10オームcm、1×10オームcm、または1×10オームcmより大きい。ほとんどの場合、第1の抵抗は、約1×1015オームcm未満である。他の改造例では、第1の抵抗は、望ましい増加順に、1×10オームcm、1×10オームcm、1×10オームcm、または1×10オームcm、または1×10オームcm未満である。ほとんどの場合、第1の抵抗は、約1×1015オームcm未満である。典型的には、第1の抵抗は、約1×10−3オームcmより大きい。
【0019】
[0025]図4A図4B図5A図5C、および図7を参照すると、燃料電池スタックにおけるガス感知層の動作が、図示されている。図7に示したように、燃料電池スタック80の不均一な追い出しに関連した炭素分解が、ガス感知層70の抵抗を変えることで抑制される。燃料電池スタックは、複数の燃料電池10を備える。空気がまだ居残っている燃料電池におけるガス感知層70は、比較的より高い抵抗を有し、これにより電気化学的に誘起された炭素腐食を抑制する。図7に示された例では、水素は、湿潤側82から導入され乾燥端84に向かって流れ、一方、その方向に燃料電池を通じて連続的に流れる。水素がアノード領域に接触するとき、抵抗は低下し、それにより通常の燃料電池動作を可能にする。Xの記号は、起動時の領域であって、それらの領域が水素に接触する前に、炭素分解をもたらす電気化学反応が、ガス感知層の高い抵抗により妨げられる起動時の領域を表す。ガス感知層70は、典型的には、炭素腐食を防ぐために、燃料電池スタックにおけるどの電池にも配置される。しかし、ガス感知層70は、スタックにおける1つまたは複数の電池に配置することもできる。ガス感知層70が、スタックにおけるすべての電池には配置されないとき、ガス感知層70を備えた電池は、スタックにおける残りの電池よりわずかに炭素腐食の影響を受けやすいように設計されている。これは、それらの電池へのHの供給、または液体水の蓄積の傾向を修正することにより行うことができる。たとえば、Hガス入口からもっと遠く離れたガス感知層を有する電池を設置し、流路寸法を修正し、または成分の親水性を修正することができる。この場合には、ガス感知層を有する電池の電気抵抗の何らからの変化は、スタックにおけるアノード流れ場のHまたはO濃度の変化の始まりを示す。次いで、性能の劣化がより少ないより効率的なやり方で燃料電池スタックを動作させるために、システム制御を助けるための抵抗のこの変化を監視することができる。
【0020】
[0026]ガス感知層70は、典型的には、半導体酸化物層である。適切な酸化物層の例には、酸化チタン(たとえば、TiO)、酸化スズ(たとえば、SnO)、酸化亜鉛(たとえば、ZnO)、酸化ジルコニウム(たとえば、ZrO)などが挙げられるが、これらに限定されない。特に、ガス感知層70は酸化チタン(たとえば、TiO)である。一改造例では、ガス感知層70は、約30ナノメートル未満の少なくとも1つの寸法を有する半導体酸化物ナノ構造を含む。たとえば、半導体ナノ構造は、ナノチューブ、ナノワイヤ、またはナノファイバの形態とすることができ、各々は、独立して、約30ナノメートル未満の少なくとも1つの寸法を有する。別の改造例では、ガス感知層70は、ナノチューブ、ナノワイヤ、およびナノファイバの形態で半導体酸化物ナノ構造を含み、各々は、独立して、直径4から20ナノメートルを有する。さらなる改造例では、これらの半導体ナノ構造は、約30ナノメートルから約1ミクロンの長さを有する、または代替として、約30ナノメートルから約300ナノメートル、もしくは約30ナノメートルから100ナノメートルの長さを有する。別の改造例では、半導体酸化物層は、約4から15nmの直径を有するTiOナノチューブを含む。さらなる改造例では、TiOナノチューブは、20nmから約1ミクロンの長さを有する。さらに別の改造例では、TiOナノチューブは、20nmから約200nmの長さを有する。たとえば、TiOナノチューブの電気抵抗はHと接触したときに8桁だけ減少する。同様に、SnOの電気抵抗は、Oと接触したときに1.5桁だけ増大する。特に、少なくとも1つの寸法が7nm未満である半導体酸化物は、環境ガスに対する電気抵抗の実質的な依存性を示す。
【0021】
[0027]ガス感知層70は、コーティング技術の当業者に知られたいくつかのコーティング技術により用意することができる。たとえば、ナノ構造化された半導体酸化物が、ガス拡散層またはバイポーラ板の上へコーティングされてもよく、次に、付着力を改善するために熱処理(200〜400℃)が行われる。バイポーラ板に薄い金属フィルムを蒸着するために物理的気相成長法、化学的気相成長法、または電着等などの知られた技術を使用することもできる。次いで、この金属フィルムは、電気化学エッチングまたは酸の脱成分腐食などの知られた技術を用いて、ナノ構造化された半導体酸化物のガス感知層に変換することができる。
【0022】
[0028]例示的な実施形態を説明してきたが、これらの実施形態が、本発明のすべての可能性のある形態を説明することは意図されていない。むしろ、本明細書に用いられる用語は、限定ではなく説明の用語であり、本発明の要旨および範囲から逸脱せずに様々な変更がなされることが可能であり得ると理解される。加えて、様々な実施の実施形態の特徴は、本発明のさらなる実施形態を形成するように組み合わされてもよい。
【符号の説明】
【0023】
10 燃料電池
40 燃料電池
42 膜電極接合体
44 アノード触媒層、アノード
46 カソード触媒層、カソード
50 イオン伝導膜、プロトン伝導膜
52 多孔性ガス拡散層、ガス拡散層
54 多孔性ガス拡散層、ガス拡散層
56 アノード流れ場プレート
58 カソード流れ場プレート
60 アノード流路
62 流路
64 負荷
70 ガス感知層
72 微孔性層
76 領域
78 電気抵抗
80 燃料電池スタック
82 湿潤側
84 乾燥端
【外国語明細書】
2015128064000001.pdf