【解決手段】 構造体は、ボール制限メタライゼーション(BLM)層と、BLM層の上に形成された制御崩壊チップ接続(C4)はんだボールとを含む。さらに、構造体は、BLM層の下に最終金属パッド層を含み、最終金属パッド層の下にキャップ層を含む。さらにまた、構造体は、C4はんだボールの下に、最終金属パッド層とBLM層及びキャップ層のうちの1つとの間に形成されたエア・ギャップを含む。
前記BLM層は、さらに前記少なくとも1つの支持ショルダと接触し、前記C4はんだボールは、前記少なくとも1つの支持ショルダにおける前記BLM層との直接接触により、前記少なくとも1つの支持ショルダによって支持される、請求項1に記載の方法。
各々が最終ビアをもつ複数のボール制限メタライゼーション(BLM)−制御崩壊チップ接続(C4)構造体を有するフリップ・チップ・プラスチック・ボール・グリッド・アレイ構造体を設計する方法であって、
前記複数のBLM−C4構造体の各々のチップ縁部側におけるBLM縁部及び最終ビア縁部の直下のバック・エンド・オブ・ライン(BEOL)層内において配線及びビア接続のための制限ゾーンを用いて、前記制限ゾーンが前記配線及びビア接続を含まないようにするステップを含む方法。
前記複数のBLM−C4構造体のうちの少なくとも1つのBLM−C4構造体について、前記少なくとも1つのBLM−C4構造体のための特定の局所配線要件に応じて、前記BLM縁部と前記最終ビア縁部との間の距離を最大にするステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
前記BLM層は、前記最終金属パッド層への少なくとも1つの開口部を有し、前記開口部は、前記最終金属パッド層と前記BLM層との間に堆積された材料を除去して前記エア・ギャップを作るための少なくとも1つの通路となる、請求項11に記載の構造体。
前記最終金属パッド層は、前記キャップ層への少なくとも1つの開口部を設けるために、少なくとも1つの方向において前記キャップ層の寸法より小さい寸法を有し、前記開口部は、前記最終金属パッド層と前記キャップ層との間に堆積された材料を除去して前記エア・ギャップを作るための少なくとも1つの通路となる、請求項11に記載の構造体。
前記エア・ギャップは、前記構造体に柔軟性を与え、その柔軟性によって、チップ・パッケージ相互作用によるひび割れ及びホワイト・バンプの形成のうちの少なくとも1つが低減する、請求項11に記載の構造体。
前記C4はんだボールの前記チップ縁部側に作用する引張力は、前記金属パッド層を引っ張り、前記金属パッドの下のBEOL層への応力伝達を軽減する、請求項22に記載の構造体。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の態様による例示的な処理ステップ及び関連する構造体を示す。
【
図2】本発明の態様による例示的な処理ステップ及び関連する構造体を示す。
【
図3】本発明の態様による例示的な処理ステップ及び関連する構造体を示す。
【
図4】本発明の態様による例示的な処理ステップ及び関連する構造体を示す。
【
図5】本発明の態様による例示的な処理ステップ及び関連する構造体を示す。
【
図6】本発明の態様による例示的な処理ステップ及び関連する構造体を示す。
【
図7】本発明の態様による例示的な処理ステップ及び関連する構造体を示す。
【
図8】本発明の付加的な態様による例示的な処理ステップ及び関連する構造体を示す。
【
図9】本発明の付加的な態様による例示的な処理ステップ及び関連する構造体を示す。
【
図10】本発明の付加的な態様による例示的な処理ステップ及び関連する構造体を示す。
【
図11】本発明の付加的な態様による例示的な処理ステップ及び関連する構造体を示す。
【
図12】本発明の付加的な態様による、エア・ギャップを有するC4構造体の例示的な上面図を示す。
【
図13】本発明の付加的な態様による、エア・ギャップを有するC4構造体の例示的な上面図を示す。
【
図14】本発明の付加的な態様による例示的な処理ステップ及び関連する構造体を示す。
【
図15】本発明の付加的な態様による例示的な処理ステップ及び関連する構造体を示す。
【
図16】本発明の付加的な態様による例示的な処理ステップ及び関連する構造体を示す。
【
図17】本発明の付加的な態様による例示的な処理ステップ及び関連する構造体を示す。
【
図18】本発明の付加的な態様による例示的な処理ステップ及び関連する構造体を示す。
【
図19】本発明の付加的な態様による例示的な処理ステップ及び関連する構造体を示す。
【
図20】本発明の付加的な態様による例示的な処理ステップ及び関連する構造体を示す。
【
図21】本発明の態様による、エア・ギャップを有するC4構造体を形成するのに用いられる例示的なマスクの上面図を示す。
【
図22】本発明の態様による、エア・ギャップを有するC4構造体を形成するのに用いられる例示的なマスクの上面図を示す。
【
図23】本発明の態様による、エア・ギャップを有するC4構造体を形成するのに用いられる例示的なマスクの上面図を示す。
【
図24】本発明の態様による、エア・ギャップを有するC4構造体を形成するのに用いられる例示的なマスクの上面図を示す。
【
図25】プロセス・オブ・レコード(POR)C4構造体を示す。
【
図26】本発明の付加的な態様による、支持ショルダを有する例示的なC4構造体を示す。
【
図27】本発明の付加的な態様による、支持ショルダを有する例示的な中間処理ステップ及びC4構造体を示す。
【
図28】本発明の付加的な態様による、支持ショルダを有する例示的な中間処理ステップ及びC4構造体を示す。
【
図29】本発明の付加的な態様による、支持ショルダを有する例示的な中間処理ステップ及びC4構造体を示す。
【
図30】本発明の付加的な態様による、支持ショルダを有する例示的な中間処理ステップ及びC4構造体を示す。
【
図31】本発明の付加的な態様による、支持ショルダを有する例示的な中間処理ステップ及びC4構造体を示す。
【
図32】本発明の付加的な態様による、支持ショルダを有する例示的な中間処理ステップ及びC4構造体を示す。
【
図33】本発明の付加的な態様による、支持ショルダを有する例示的な中間処理ステップ及びC4構造体を示す。
【
図34】本発明の付加的な態様による、支持ショルダを有する例示的な中間処理ステップ及びC4構造体を示す。
【
図35】本発明の付加的な態様による、支持ショルダを有する例示的な中間処理ステップ及びC4構造体を示す。
【
図36】本発明の付加的な態様による、支持ショルダを有する例示的な中間処理ステップ及びC4構造体を示す。
【
図37】本発明の付加的な態様による、支持ショルダを有する例示的な中間処理ステップ及びC4構造体を示す。
【
図38】本発明の付加的な態様による、支持ショルダを有する例示的な中間処理ステップ及びC4構造体を示す。
【
図39】本発明の付加的な態様による、支持ショルダを有する例示的な中間処理ステップ及びC4構造体を示す。
【
図40】本発明の付加的な態様による、支持ショルダを有する例示的な中間処理ステップ及びC4構造体を示す。
【
図41】POR C4構造体についての応力プロットを示す。
【
図42】本発明の付加的な態様による、支持ショルダを有する例示的なC4構造体についての応力プロットを示す。
【
図43】本発明の付加的な態様による、支持ショルダを有する例示的なC4構造体についての応力プロットを示す。
【
図44】本発明の付加的な態様による、POR C4構造体及び卵型C4構造体を示すチップの例示的な上面図及び側面図である。
【
図45】剪断応力の軸線を示す、細長い(又は卵型の)C4構造体の例示的な上面図を示す。
【
図46】ラミネートに取り付けられたPOR C4構造体及び例示的な細長いC4構造体を含むチップを示し、冷却時にC4構造体に生じる応力を示す。
【
図47】最終ビア縁部及びBLM縁部に生じる応力を示す、C4構造体についての応力プロットを示す。
【
図48】異なるBLM直径について、最終ビア直径に対する冷却されたチップにおける相対応力のプロットを示す。
【
図49】PSPI層の厚さに対するチップの相対応力のプロットを示す。
【
図50】垂直方向オフセット接続を示す例示的なC4構造体を示す。
【
図51】垂直方向オフセット接続を有する
図50の例示的なC4構造体についての応力プロットを示す。
【
図52】高応力領域に配置されたビアを有するPOR C4設計を示す。
【
図53】本発明の態様による、高応力領域を越えてビアを配置するように設計された例示的なC4構造体を示す。
【
図54】本発明の態様による、高応力領域を越えてビアを配置するように設計された例示的なC4構造体を示す。
【
図55】本発明の態様による、C4構造体設計のためのグラウンドルール・パラメータを示す。
【
図56】本発明の態様による、C4構造体設計のためのグラウンドルール・パラメータを示す。
【
図57】本発明の態様による、POR金属パッド及び延長された金属パッドを有するチップを示す。
【
図58】本発明の態様による、POR金属パッド及び延長された金属パッドを有するチップを示す。
【
図59】POR金属パッドを有するC4構造体についての応力プロットを示す。
【
図60】本発明の態様による、延長された金属パッドを有するC4構造体についての応力プロットを示す。
【
図61】半導体の設計、製造、及び/又は試験に用いられる設計プロセスのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、以下の詳細な説明において、本発明の例示的な実施形態の非限定的な例として、記載されている複数の図面を参照して説明される。
【0014】
本発明は、一般に、構造体及び製造方法に関し、より具体的には、鉛フリーC4相互接続の信頼性を改善するための構造体及び方法に関する。本発明の1つ又は複数の態様を実装することにより、CPIひび割れを防止又は低減することができる。さらに、本発明の実装によって、ホワイト・バンプの形成を低減又はなくすことになる。
【0015】
CPI(チップ・パッケージング相互作用)ひび割れは、「集積化」の問題点であり、要因の中でも、BEOLチップ・レベル保全性と、薄膜の凝集性と、界面の接着性と、チップ・サイズと、最終チップ・レベルのパッド/ビア・モジュール設計と、はんだバンプBLMの寸法、タイプ、及び/又は配向と、ウェハ仕上げ処理、例えばダイシングと、チップ接続プロセス並びに接合及び組立(B&A)プロセス、及びパッケージ・ラミネート構造による影響を受けることがある。例えば、C4技術をFCPBGAに用いた場合、顕著な信頼性故障の状態は、(例えば、DNPから5mmより大きい)C4における引張り応力に誘発される破断であり、これは、CTEの回転応力に応答して、チップ中心から離れたC4側で始まる。これは、下層のBEOLレベルの破断、及び、C4の電気的開放故障につながる。
【0016】
本発明の態様によれば、C4構造体は、CPIひび割れ及びホワイト・バンプの形成を防止又は低減する特徴を持つように設計することができる。例えば、実施形態においては、C4構造体にエア・ギャップを設けて、C4構造体を、より柔軟で、かつ、CPIひび割れ及びホワイト・バンプ形成を起こしにくくすることができる。付加的に(又は代替的に)、側壁支持構造を有するC4構造体を形成することができ、これにより、C4構造体が、CPIひび割れ及びホワイト・バンプ形成を起こしにくい状態になる。さらにまた、実施形態においては、C4構造体は、より柔軟で、かつ、CPIひび割れ及びホワイト・バンプ形成を起こしにくくなるように、卵型C4はんだボールを含むことができる。本発明の更なる態様によれば、C4構造体は、「制限」ゾーンを持つように設計することができ、制限ゾーンには、ビア又は配線を詰め込むことによって生じることがあるCPIひび割れ及び/又はホワイト・バンプ形成を防止するために、ビア又は配線が配置されない。また、実施形態においては、CPIひび割れ及びホワイト・バンプ形成を防止するために、少なくともチップ縁部に向かう方向に、(上から見た場合に)BLMパッドを越えてパッド層(例えば、アルミニウム・パッド層)を延ばすことができる。
【0017】
エア・ギャップ
本発明の1つの態様によれば、C4構造体は、パッド構造体(例えば、最終アルミニウム・パッド又はBLM層)を含み、パッド構造体は、通常はひび割れ及びホワイト・バンプをもたらすような接合(又は他の熱的CPI)応力がC4構造体に及ぼされる前に、柔軟性(例えば、曲がりやすさ)がパッド(例えば、最終アルミニウム・パッド層又はBLM層)に与えられるように、エア・ギャップ上のパッド構造体の幅全体にわたってほとんど支持されない。実施形態においては、エア・ギャップは、アルミニウム・パッド層とボール制限メタラジ(BLM)捕捉パッド・メタライゼーションとの間に形成される。別の実施形態においては、エア・ギャップは、アルミニウム・パッド層とアルミニウム・パッド層の下の層(例えば、キャップ窒化物層)との間に形成される。本発明は、構造体及び構造体を作るプロセスの両方を含み、構造体は、例えばC4NPといったいずれかのドライC4プロセス技術又は他のいずれかのはんだ配置プロセスに組み入れることが可能な、「自立型」BLM捕捉パッド・メタライゼーション薄膜を含む。構造体自体は、さらに、めっきC4にも有用な場合がある。
【0018】
図1−
図6は、中間の処理ステップを示し、
図7は、処理ステップと、頑丈な最終BLM捕捉パッド構造体を有するC4構造体とを示しており、BLM捕捉パッドはその幅全体にわたってほとんど支持されない。本発明の1つの実施形態によれば、最終BLM捕捉パッド構造体は、通常はひび割れ及びホワイト・バンプをもたらすような接合(又は他の熱的CPI)応力がその一部に及ぼされる前に、パッドに柔軟性(例えば、曲がりやすさ)が与えられる。より具体的には、
図1−
図7の実施形態によって、BLM捕捉パッドとアルミニウム・パッドとの間にエア・ギャップが形成される。サブ・パッド・ビア、パッド形成、最終チップ・レベル・ビア、及びBLMはんだパッド最終レベル処理(即ち、C4及びBLMの形成)の、4つのマスキング・レベルを用いる標準的なプロセス・オブ・レコード(POR)手順とは対照的に、
図1−
図7の実施形態は、以下でさらに説明されるように、3つのマスキング・レベル、例えば、貫通ビア・マスク、アルミニウム・パッド・マスク、及びBLMマスクのみが必要であるという利点をもつ。
【0019】
図1は、本発明に用いるための中間構造体を示す。構造体は、誘電体層5(例えば、高誘電率の絶縁体薄膜又は二酸化シリコン)内に形成された銅金属レベル10を含む。誘電体層5及び銅レベル10の上にキャップ層15が堆積される。実施形態においては、キャップ層15は、例えば、窒化物薄膜などの、銅配線レベルのための標準的なキャッピング層、例えば高密度プラズマ(HDP)窒化物とすることができる。さらに、実施形態においては、キャップ層15は、例えば、プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)プロセス又は低圧化学気相堆積(LPCVD)を用いて堆積させることができる。HDPキャップ層15は、単層とすることも複数の層とすることもできる。例えば、HDPキャップ層15は、窒化物キャップ層の上に形成された酸化物層の上に形成された窒化物層を含むことができる。
図1の例では、酸化物層は厚さ約0.45μmとすることができ、第2の窒化物層は厚さ約0.40μmとすることができるが、本発明においては他の厚さも考慮される。
【0020】
さらに、
図1に示されるように、キャップ層15に感光性ポリイミド(PSPI)層20が塗布される(例えば、スピン塗布される)。
図1の例示的な実施形態では、PSPI層20の厚さを約9μmとすることができるが、本発明においては他の厚さも考えられる。PSPI層20は、当業者によって知られている従来の手法で露光及びベークされる。
【0021】
図2に示されるように、PSPI層20は現像及び硬化されており、従来のリソグラフィ・プロセス(例えば、フォトレジストを用いたマスキング及びエッチング)を用いて、パターン転写と、エッチング、例えば反応性イオン・エッチング(RIE)とを行い、HDP窒化物キャップ層15を通って最終金属銅レベル10に達する開口部37を形成する。PSPI層20の残りの部分と開口部37内の最終銅層10の上に、例えば、物理気相堆積(PVD)プロセスを用いてアルミニウム・パッド25を堆積させ、続いて、レジスト・マスクの剥離及び洗浄が行われる。
【0022】
図2においてさらに示されるように、アルミニウム・パッド25上にスピン・オン・ガラス(SOG)層が形成される。実施形態においては、SOG層30の厚さを約2−5μmとすることができるが、本発明においては他の厚さも考慮されている。次いで、アルミニウム・パッド25の(PSPI層20上にある)「部分」35及びPSPI層20の上のSOGを取り除くために、例えば化学機械研磨/平坦化(CMP)プロセスを用いてSOG層を平坦化する。このプロセスによって、アルミニウム・パッドで覆われた開口部37を充填するSOG層30が残る。SOG層30は、CMPプロセスを用いて制御可能な形状を有し、それにより形状は、例えば(示されるように)凹ませる、隆起させる、及び/又はテーパ状にされる。
【0023】
図3に示されるように、例えば標準的なPVDプロセス(例えば、TiW/Cu/Ni
)を用いて、
図2に示される構造体の上に捕捉パッド・ボール制限メタライゼーション(BLM)40(アンダー・バンプ・メタラジ(UBM)とも呼ばれる)が堆積される。BLM捕捉パッドの形状を定めるために、BLM40に捕捉パッド・レジスト・マスク45(例えば、ブロック・マスク・レジスト)が塗布される。
【0024】
図4に示されるように、捕捉パッド・レジスト・マスク45は、例えば標準的な捕捉パッド・ウェット・エッチング・プロセスを用いて、BLM40に転写される。
図4に示されるように、捕捉パッド・レジスト・マスク45を越えるBLM40の部分は、エッチング・プロセスによって除去されている。
図5に示されるように、捕捉パッド・レジスト・マスク45は、従来のプロセスを用いて剥離される。
【0025】
図6に示されるように、SOGウェット・エッチング・プロセスを行って、BLM40の下のSOGを除去し、ギャップ50を形成する。本発明の態様によれば、例えば(以下でさらに説明される
図12及び
図13に示されるように)2つの側部が開口部37より小さい捕捉パッド・レジスト・マスク45を用いることによって、ウェット・エッチングはSOGに達する。付加的に(又は代替的に)、実施形態においては、BLM40は、スロット型開口部を有するように設計することができ、その開口部を通してSOGをエッチングして除去することができるが、これもまた以下でさらに説明される。
【0026】
図7に示されるように、自立するBLM40の上に、C4 Pbフリーはんだバンプ55が配置、例えば堆積される。この実施形態においては、ギャップ50は、C4 Pbフリーはんだバンプ55の下のBLM40とアルミニウム・パッド25との間に存在する。
【0027】
図8−
図10は、中間の処理ステップ及び関連する構造体を示し、
図11は、頑丈な最終アルミニウム・パッド構造体をもたらすC4構造体及び処理ステップを示しており、最終アルミニウム・パッド構造体は、エア・ギャップ上の最終アルミニウム・パッド構造体の幅全体にわたってほとんど支持されない。
図8−
図11の実施形態によって、BLM捕捉パッドとアルミニウム・パッドとの間にエア・ギャップが形成される。本発明の実施形態によれば、エア・ギャップは、通常はひび割れ及びホワイト・バンプをもたらすような接合(又は他の熱的CPI)応力がその一部に及ぼされる前に、パッドに柔軟性(例えば、曲がりやすさ)を与える。さらに、
図8−
図11の実施形態によれば、
図1−
図7の実施形態で用いられるSOG層30の代わりに、第2のPSPI層が用いられる。
【0028】
図8に示されるように、PSPI層20は、現像及び硬化され、従来のリソグラフィ・プロセス(例えば、フォトレジストを用いたマスキング及びエッチング)を用いて、パターン転写と、エッチング、例えば反応性イオン・エッチング(RIE)とを行い、HDP窒化物キャップ層15を通って金属銅レベル10に達する開口部37を形成する。PSPI層20の一部と開口部37内の最終銅層10の上に、例えば、物理気相堆積(PVD)プロセスを用いてアルミニウム・パッド25を堆積させ、続いて、レジスト・マスク(図示せず)の剥離及び洗浄が行われる。
【0029】
図8においてさらに示されるように、アルミニウム・パッド25とPSPI層20の一部の上に第2のPSPI層60が形成される。実施形態においては、第2のPSPI層60の厚さを約9μmとすることができるが、本発明においては他の厚さも考慮されている。
【0030】
図9に示されるように、次いで、第2のPSPI層60を露光及び現像して、BLM支持のために、アルミニウム・パッド25の上にPSPIブロック65を形成する。第2のPSPI層60は制御することが可能であり、PSPIブロック65の形状は、例えば凹ませる、(示されるように)隆起させる、及び/又はテーパ状にするといったことができ
る。さらに、PSPIブロック65は、形状を維持するために部分的に硬化されるが、溶剤(例えば、中温のNMP又は同等物)による後の除去に対しては可溶性を保つ。さらに、
図9に示されるように、例えば標準的なPVDプロセス(例えば、TiW/Cu/Ni)を用いて、PSPIブロック65とアルミニウム・パッド25の一部との上に捕捉パッド・ボール制限メタライゼーション(BLM)40が堆積される。BLM捕捉パッド形状を定めるために、BLM40に捕捉パッド・レジスト・マスク、例えばブロック・マスク・レジスト(図示せず)が塗布される。
【0031】
図10に示されるように、PSPIの溶剤による除去又はウェット・エッチング・プロセスを行って、BLM40の下のPSPIブロック65を除去する。このプロセスによって、ギャップ50が形成される。本発明の態様によれば、例えば(以下でさらに説明される
図12及び
図13に示されるように)2つの側部が開口部37より小さい捕捉パッド・レジスト・マスク(
図8−
図10では図示せず)を用いることによって、ウェット・エッチングはPSPIブロック65に達する。付加的に(又は代替的に)、実施形態においては、BLM40は、スロット型開口部を有するように設計することができ、その開口部を通してPSPIブロック65をエッチングして除去することができるが、これもまた以下でさらに説明される。
【0032】
図11に示されるように、
図10の自立するBLM構造体40上に、C4はんだバンプ55が配置される。より具体的には、C4はんだバンプ55は、自立するBLM構造体40の中に堆積され、ギャップ50の上に存在する。プロセスは、例えば当業者に知られているC4NP転写プロセスを用いることを含むことができる。
【0033】
図12及び
図13は、本発明の態様によるC4構造体の上面図を示す。図から分かるように、
図12は断面線11−11を含み、これは、
図12の表示に対する
図11の表示を示す。以下でさらに説明されるように、
図12の実施形態は、SOG及び/又はPSPIを除去してギャップ50を形成するのを助けるスロット付きBLMパッド40を含む。
図12の実施形態においては、SOG及び/又はPSPIは、BLMパッド40のスロット63を通して、及び/又は、BLMパッド40の2つの側部(
図12に示される上側及び下側)にあるHDP窒化物への開口部を通して、除去することができる。
【0034】
対照的に、
図13の実施形態は、スロット付きBLMパッド40を含まない。その代わりに、
図13の実施形態では、SOG及び/又はPSPIは、BLMパッド40の2つの側部(
図13に示される上側及び下側)にあるHDP窒化物への開口部を通して除去することができる。さらに、これらの開口部は、
図11のページに対して直角に延びるz軸に沿っていることが理解される。
【0035】
図4を参照して説明されたように、BLM捕捉パッド・マスク45は、例えば開口部マスク・イメージ(
図2に示される開口部37を形成するのに用いられる)の2つの側部において、開口部マスク・イメージより小さくすべきである。
図12に示されるそれぞれのマスクのこうした構成によって、BLM捕捉パッド40は、例えば2つの側部において窒化物層への開口部と比べて小さく形成され、材料(例えば、SOG及び/又はPSPI)を完全に除去することが可能になる。HDP窒化物への開口部は、アルミニウム・パッド25がPSPI層20の上に載っている領域と、BLMパッド40の底部、例えばアルミニウム・パッド25が下の銅パッド10上にあってPSPI層20の上にはないエリア、即ち
図12に示される下側のエリアとの間に位置する。さらに、上述のように、
図12の実施形態は、スロット63を有するスロット付きBLMパッド40を含む。スロット63は、さらに材料(例えば、SOG及び/又はPSPI)の完全な除去を可能にする。
【0036】
図13の例示的な実施形態では、材料(例えば、SOG及び/又はPSPI)の完全除
去は、上述されたHDP窒化物への開口部を通じて行われる。さらに、
図12及び
図13の例示的な実施形態の各々は、材料(例えば、SOG及び/又はPSPI)の完全除去を可能にするための上述されたHDP窒化物への開口部を含むが、本発明においては、材料の除去をBLMパッド40のスロット63のみを通して行うことができることが考慮されている。即ち、本発明は、実施形態において、BLM捕捉パッド・マスク45が(開口部37の形成に用いられた)開口部マスク・イメージのいずれの側においても開口部マスク・イメージより小さくないことを考慮している。このような構成では、HDP窒化物への開口部は、例えば両側に設けられず、材料(例えば、SOG及び/又はPSPI)の完全除去は、BLMパッドのスロットを通じてのみ行われる。
【0037】
図14−
図19は、中間の処理ステップを示し、
図20は、処理ステップと、頑丈な最終アルミニウム・パッド構造体をもたらすC4構造体を示しており、最終アルミニウム・パッド構造体はエア・ギャップ上のパッド構造体の幅全体にわたってほとんど支持されない。本発明の1つの実施形態によれば、エア・ギャップは、通常はひび割れ及びホワイト・バンプをもたらすような接合(又は他の熱的CPI)応力が構造体に及ぼされる前に、パッドに柔軟性(例えば、曲がりやすさ)を与える。
【0038】
図14は、本発明を構成するための中間構造体を示す。構造体は、誘電体層5(例えば、高誘電率の絶縁体薄膜又は二酸化シリコン)内に形成された銅金属レベル10を含む。誘電体層5の上に、高密度プラズマ(HDP)キャップ層15が堆積される。HDPキャップ層15は、バルク窒化物層17、バルク酸化物層18、及びキャップ窒化物層19を含むことができる。
図14の例では、バルク酸化物層18は厚さ約0.45μmとすることができ、バルク窒化物層17は厚さ約0.40μmとすることができるが、本発明においては他の厚さも考慮される。さらに、
図14に示されるように、パターン転写と、エッチング、例えば反応性イオン・エッチング(RIE)とを行って、キャップ窒化物層19に達する開口部37を形成する。
【0039】
図15に示されるように、開口部37の内部を含む
図14の構造体の上にSOG層30が塗布される。SOGレジスト・マスク70が、SOG層30の上に形成され、当業者にはよく知られているリソグラフィ・プロセスを用いる従来の手法で露光及び現像される。
【0040】
図16に示されるように、パターン転写と、エッチング、例えばRIEプロセスとを行って、SOG層30を成形し、SOGブロック75を形成する。このプロセスはまた、HDP窒化物キャップ層19の開口部分をエッチングし(即ち、オーバーエッチング)、銅パッド10を露出させる。
図17に示されるように、当業者にはよく知られている従来のリソグラフィ及びエッチング・プロセス、例えばレジスト及びRIEプロセスを用いて、SOGブロック75、露出した銅パッド10、及び窒化物キャップ層15の一部の上に、アルミニウム・パッド25が形成される。
【0041】
図18に示されるように、エッチング・プロセス、例えばウェット・エッチング・プロセスを行って、アルミニウム・パッド25の下のSOGブロック75を除去する。このプロセスによってギャップ50が形成される。本発明の態様によれば、(
図3に示される補足パッド・レジスト・マスク45の形成と同様の方法で)例えば2つの側部が開口部37(
図14)より小さいアルミニウム・パッド・マスク(以下でさらに説明される)を用いることによって、ウェット・エッチングはSOGブロック75に達する。さらに、感光性ポリイミド(PSPI)層80が、構造体の上に堆積され(例えば、スピン塗布され)、従来のリソグラフィ及びエッチング・プロセスを用いてエッチングされて、BLM:Al最終ビア83が形成される。ビア83は、エア・ギャップ50と位置合わせされる。
【0042】
図19に示されるように、PSPI層80の上とBLM:Al最終ビア83の内部に、
BLM層40が堆積される。さらに、BLM層40の一部の上に捕捉パッド・レジスト85が形成される。
【0043】
図20に示されるように、BLMウェット・エッチング・プロセスを行い、BLMパッド40の一部をエッチングする。捕捉パッド・レジスト85も剥離され、個別のC4NP
BLMパッド40を生成する。さらに、
図20に示されるように、例えば当業者にはよく知られているC4NP転写プロセスを用いて、C4 Pbフリーはんだバンプ55をBLM構造体40の上に配置、例えば堆積させる。BLM構造体40は、エア・ギャップ50の上に存在する。
【0044】
図21−
図23は、本発明の態様による、
図24に示される例示的なC4構造体(
図20において側面図でも示される)を形成するのに用いることができる一連の例示的なマスクを示す。
図21は、マスク90を示しており、これは、窒化物層17及びバルク酸化物層18を貫通してキャップ窒化物層19に達する開口部37を(例えば、RIEを用いて)エッチングするのに用いられる。さらに、
図21は、当業者にはよく知られている酸化物チージング(cheesing)形状92を示す。
【0045】
図22は、本発明の態様による、SOGブロック75を(
図15及び
図16に示されるように)パターン形成するための例示的なマスク70を示す。マスク70は、
図16に示されるように、窒化物キャップ層19の銅パッド10上の部分をエッチングするのに用いることができる。
図22はまた、
図17に示されるようなアルミニウム・パッド25を形成するための例示的なマスク95を示す。マスク95は、アルミニウム・パッド・プロセス・レベルが完成した後でSOG材料の「完全除去」が可能になるように、例えば両端において、SOGブロック75をパターン形成するためのマスク70より小さく設計することができる。
【0046】
このように、
図22に示されるマスクを用いて、(
図20に示される)得られる構造体は、SOGブロック(及び窒化物キャップ層19の一部)の上及びバルク窒化物層17の上に形成されたアルミニウム・パッドの一部を含み、これはアルミニウム・パッド上側領域と呼ばれる。この部分は、(
図20に示される)得られる構造体がSOGブロック75及びバルク窒化物17の上側に存在するアルミニウム・パッド25を含むため、アルミニウム・パッド上側領域と呼ばれる。さらに、(
図20に示される)得られる構造体は、銅パッド10と接する、アルミニウム・パッド「下側」領域と呼ばれるアルミニウム・パッド25の一部を含む。この領域は、アルミニウム・パッド25が下がって(
図20に示される)銅パッド・レベル10上に存在するため、アルミニウム・パッド「下側」領域と呼ばれる。
【0047】
図23は、
図18に示されるように、PSPI層80をエッチングしてBLM:Al最終ビア83を形成するのに用いられる例示的なマスク97を示す。さらに、
図23は、例示的なBLM捕捉パッド・レジスト・マスク85を示しており、これは、
図19及び
図20に示されるようにBLM層40の一部をエッチングするのに用いられる。
【0048】
図24は、C4はんだボール55が、例えばC4NPプロセスによって配置された後の構造体の例示的な上面図を示す。
図24に示されるように、最終ビアのコンタクト・エリアは、アルミニウム上側領域とBLM捕捉パッドとの間にあり、それも、
図19及び
図20において側面図で示される。
【0049】
側壁支持ショルダ構造体
本発明の更なる態様によれば、C4の縁部の周りに形成された支持材料は、ホワイト・バンプを防止する好ましい応力分布を可能にする。実施形態においては、構造体、例えば
支持ショルダ又はカラー構造体は、リフローの際にC4はんだボールが自己整合するウェハ・レベルに形成される。このようにして、C4はんだボールは、自動的に、側壁支持体(例えば、カラー構造体又は支持ショルダ)に寄りかかる。実施形態においては、側壁支持体は、C4自体の外側周縁部の下のBLM被覆のための基部として機能することによって、C4支持構造体の一部として直接形成される。実施形態において、本発明は、ハーフトーン・マスク又は薄い第2のPSPI膜塗布プロセスを用いて、表面の面は連続しているが均一な高さではない最終カラーを形成することができる。
【0050】
図25は、支持ショルダ構造体を含まない従来のC4構造体100を示す。これとは対照的に、
図26は、例示的な支持ショルダ構造体又はカラー構造体を有するC4構造体105を示す。実施形態においては、支持ショルダは、C4の縁部の周りに支持材料(例えば、PSPI)を含む。本発明の態様によれば、支持材料は、ホワイト・バンプを防止する好ましい応力分布を可能にする。
【0051】
図27−
図30は、
図31に示されるC4構造体の形成における例示的な中間処理ステップを示すものであり、これは、C4NP転写プロセスを用いる。
図27に示されるように、チップ110は、銅パッド層10とPSPI層20とを含む。
図28に示されるように、従来のリソグラフィ及びエッチング・プロセス(例えば、テーパ状露光又はグレイトーン)を用いて、PSPI層20を銅パッド層10までエッチングし、BLM:Alパッド・ビア37に加えて、支持ショルダ115を形成する。
【0052】
図29に示されるように、BLM層40が、開口部内部のPSPI層20及び銅パッド層10の上に堆積される。従来のリソグラフィ及びエッチング・プロセスを用いて、
図29に示されるように、支持ショルダ115及びBLM:Alパッド・ビア37以外のBLM層40の部分を除去する。
【0053】
図30は、C4NP転写プロセスを用いて支持ショルダ115及びBLM:Alパッド・ビア37の内部にC4はんだボール55を配置して、
図31に示される最終C4構造体を形成することを示す。C4はんだボール55は、
図25に示される従来のC4構造体に与えられる支持より大きな範囲の支持を与えるための支持ショルダ115によって支持される。
【0054】
本発明の一実施形態により、
図32及び
図33は中間処理ステップ及び関連する構造体を示し、
図34はC4構造体及び処理ステップを示す。この実施形態は、「めっき」プロセスを用いてC4構造体を形成する。
図32は、BLM層40のリソグラフィ及びエッチング・プロセスを行うことなく、(上述の)
図29のプロセスに続く。即ち、
図32に示されるように、BLM層40は、支持ショルダ115及びBLM:Alパッド・ビア37を越える領域がまだエッチングされていない。さらに、
図32に示されるように、当業者にはよく知られている従来のリソグラフィ、エッチング、及び堆積プロセスを用いて、BLM層40の上にリストン120及びめっき125(はんだボール材料を含む)が形成される。
【0055】
図33に示されるように、リストン120と、支持ショルダ115及びBLM:Alパッド・ビア37を越えるBLM層40の部分とは、当業者にはよく知られている従来のプロセスを用いて剥離される。
図34に示されるように、当業者にはよく知られている従来のプロセスを用いて、めっき125をリフローし、C4はんだボール55を形成する。さらに、
図34に示されるように、C4はんだボール55は、
図25に示される従来のC4構造体に与えられる支持より大きな範囲の支持を与えるための支持ショルダ115によって支持される。
【0056】
図35−
図40は、本発明の態様による、種々のショルダ支持構造を有する例示的なC4構造体を示す。
図35は、比較のために、上記の
図34に示されるC4構造体を示す。
図36は、輪郭付き(contoured)PSPI層130を有するC4構造体を示す。当然のことながら、輪郭付きPSPI層130は、当業者には周知の従来のリソグラフィ及びエッチング・プロセス(例えば、グレイトーン・プロセス)を用いて形成することができる。グレイトーン・プロセスにより、輪郭付きPSPI層は、2つ又はそれ以上のリソグラフィ・プロセスではなく、1ステップのリソグラフィ・プロセスを用いて形成することができる。即ち、「グレイトーン」マスクは、完全露光(マスク上の透明なエリア)ゾーンと無露光(マスク上の不透明なエリア)ゾーンとの間の遷移領域において部分的な露光をもたらすマスクである。輪郭付きPSPI層130は、C4はんだボール55の周りにおいてアンダーフィル・フローを可能にする。
【0057】
図37は、PSPI層20の上に形成された追加層135を有する例示的なC4構造体を示す。追加層135は、PSPI又は別の適切な材料(例えば、SOG、誘電体など)とすることができる。追加層135は、当業者にはよく知られている従来のリソグラフィ及びエッチング・プロセスを用いて形成することができる。BLM:Alパッド・ビア37と支持ショルダ115とを設けるためにテーパ状エッチング・プロセス(例えば、「グレイトーン」に特化されたフォトマスク)を用いて単一のPSPI層が形成される
図35の実施形態とは対照的に、
図37の実施形態は、追加のマスキング・ステップとエッチング・ステップとを必要とする。「グレイトーン」マスクは、完全露光(マスク上の透明なエリア)ゾーンと無露光(マスク上の不透明なエリア)ゾーンとの間の遷移領域において部分的な露光をもたらすマスクである。より詳細には、
図37の実施例に示されるように、BLM:Alパッド・ビア37は、従来のマスキング及びエッチング・プロセスを用いて、PSPI層20の中に形成される。さらに、支持ショルダ115は、従来のマスキング及びエッチング・プロセスを用いて、追加層135の中に形成される。しかしながら、2つの層(即ち、PSPI層20及び追加層135)を用いることによって、例えば
図35の実施形態で用いられるグレイトーン・マスクを最適化する際に直面するあらゆる問題をなくすことができる。
図38−
図40は、
図35−
図37の実施形態に対応するものであるが、
図38−
図40の実施形態の各々はBLMマスクを用いており、BLM層40は支持ショルダ115上には形成されない。
【0058】
図41−
図43は、C4構造体についての例示的な応力プロットを示す(各々は、同じ応力スケールである)。より詳細には、
図41は、POR構造体(例えば、
図25に示されるもの)の応力プロットを示す。
図42は、本発明の態様による、輪郭付きPSPI層130を有する構造体(例えば、
図36に示されるもの)の応力プロットを示す。
図43は、本発明の付加的な態様による、延長されたPSPI層20を有する構造体(例えば、
図35に示されるもの)の応力プロットを示す。問題となる2つの高応力域が存在しており、1つは最終ポリイミド・ビア縁部の直下で下向きに延び、2つめはポリイミドの上に載った外側のBLM縁部から下向きに延びる。さらに、POR構造体(例えば、
図41に示されるもの)では、これらの2つの応力域は収束して、互いに強め合う場合がある。しかしながら、本発明の態様によれば、支持ショルダ115は、高応力領域を最終ビア縁部から移動させ、BLM/C4構造体の限界縁部(critical edge)において、チップ接合及び熱サイクル中に生じる引張り応力に対するクッションとなる効果を有する。
【0059】
図41においてみられるように、POR構造体の応力は、BLM層40及びアルミニウム・パッド層25の下方に位置し、図示されるように層分離の開始点を生成する。さらに、
図41に示されるように、2つの応力域は互いの上において、例えば収束し、それが、下方の配線レベルにおけるBEOL損傷のより高いリスクを生じさせる。
【0060】
対照的に、本発明の態様による構造体の応力プロットを示す
図42及び
図43の各々に
示されるように、応力は、本質的にアルミニウム・パッド層25を越えて移動しており、
図41のPOR構造体で生じるような層分離の開始点を呈することはない。さらに、
図42及び
図43に示されるように、高応力域は互いから隔てられており、これらは互いに収束することはなく、下方の配線レベルにおけるBEOL損傷のリスクはより低くなる。さらに、
図43に示される応力領域は、
図41の応力領域と比べて、広がりがより少ない。その上、輪郭付きPSPI層の実施形態(
図42)と延長されたPSPI層の実施形態(
図43)との両方における全体的な応力レベルは、POR構造体(
図41)と比べて低い。
【0061】
表1は、POR構造体(例えば、
図25に示されるもの)、C4の周りに輪郭付きPSPI層130(又はウェッジ)(例えば、
図36に示されるもの)、延長されたPSPI層20(例えば、
図35に示されるもの)、及び、延長されたより高い弾性率の材料層を含むC4構造体について、限界層分離位置(critical delamination location)における例示的な最大相対応力レベルの結果を示す。
【表1】
【0062】
卵型はんだボール
本発明の態様によれば、C4が底部及び上部において円形にならないようにC4の形状を変更することによって、C4にかかる応力を劇的に低減させることができる。これにより、C4疲労のリスクが低減すると共に、C4ホワイト・バンプのリスクが低減する。
【0063】
より具体的には、本発明の更なる態様によれば、周縁部C4(例えば、コーナーのC4及び/又は縁部のC4)の中立点までの距離(DNP)軸線方向のBLMパッド寸法は、チップ中心エリアにおける通常のC4と比べて小さくされる。このようにBLMパッド寸法を小さくすると、C4はんだがBLMパッドに堆積したときに、C4は卵型の形状をとる。即ち、例えば、チップ上におけるチップ内側のC4は球形状を有することができるのに対し、本発明の付加的な態様により、チップ周縁部のC4は3次元卵型形状を有することができる。実施形態においては、外側の3列のC4は卵型形状を有することができるが、本発明においては他の構成も考慮されている。例えば、実施形態においては、チップのコーナーの外側3列のC4が卵型形状を有することもできる。さらに、実施形態においては、コーナーの外側3列より多いC4又は少ないC4が、本発明の態様による卵型形状を有することができる。さらに、実施形態においては、チップの縁部に沿った外側3列のC4が卵型形状を有することができる。さらに、実施形態においては、C4の少なくとも大部分が卵型形状を有し、及び/又は、C4の全てが卵型形状を有することができる。
【0064】
卵型形状を有するC4をチップの周縁部(例えば、コーナー又は縁部の外側3列)に用いることにより、C4にかかる応力が低減され、このことが、相互接続のより長い熱サイクル寿命につながる。即ち、卵型形状のC4は、C4をより柔軟なものにする。また、卵型形状のC4は、ピーク応力を約61パーセント低減する実施形態において、BEOL誘電体にかかる応力を低減し、このことが、C4ホワイト・バンプのリスクの低減につながる。
【0065】
実施形態においては、卵型のC4形状は、例えば、BLMの形状を変更することによって実現することができる。即ち、(球状のC4が得られる)円形のBLM形状の代わりに、本発明の態様は、(卵型C4が得られる)楕円形のBLMを用いる。C4NPバンプ技術は、本発明のこの態様を利用するのに適している。さらに、BLM形状の変更はコスト/サイクル時間に影響を及ぼさない。
【0066】
図44は、複数のC4を有するチップを示すものであり、図の左側は、球形状を有する従来の周縁部のC4 205を示し、図の右側は、本発明の態様による、チップのコーナーを卵型C4 210とする例示的な構成を示す。
図45は、卵型(又は細長い)C4 210を上から見た図であり、剪断応力の軸線215を示す。
【0067】
図46は、冷却前後における、球形C4(左側)と卵型C4(右側)を用いてラミネート220に取り付けられたチップ200の例示的な側面図を示す。
図46を見て分かるように、冷却されると、異なるCTEに起因して、チップ200とチップ200をラミネート220に取り付けているC4とに剪断応力(矢印225で表す)が生じる。しかしながら、本発明の態様によれば、チップの周縁部に卵型C4 210を用いることによって、C4のピーク応力を約61パーセント低減することができる。さらに、
図46に示されるように、本発明の態様によれば、ラミネート220のはんだレジスト開口部を卵型形状に変更することによって、(卵型C4を得るように)卵型BLMを形成する方法と同じ方法をラミネート220上にも用いることができる。
【0068】
制限ゾーン
本発明の更なる態様によれば、BEOLの中まで延びてホワイト・バンプ形成をもたらす引張り応力場の影響を最小化するためのBEOL設計方法を用いることができる。モデル化することによって、2つの主要な引張り応力点(これは、下にある銅配線構造体とは無関係である)、即ち、BLMの縁部における引張り応力点と、ポリイミド最終ビアの基部における別の引張り応力点(C4のチップ中心点から離れた位置の側に位置する)とを特定した。さらに、別の故障の状態は、CTEによるアンダーフィル層分離(又は、CPIチップ・レベルひび割れ)を含むが、これは、例えばチップ縁部又はコーナーにおいて発生し、例えば応力場におけるチップの信頼性ストレス又は熱サイクル中に成長し続ける。層分離は、ひび割れがC4バンプを通って伝搬するか又は下降してBLM若しくはチップBEOL配線内に伝搬するかのいずれかの可能性がある近くのC4位置に達するまで、アンダーフィル/チップ・パッシベーション界面に沿って成長を続けることがある。
【0069】
図47は、C4構造体の例示的な有限要素モデリングを示す。
図47に示されるように、有限要素モデリングは、最終BLM構造体からBEOL内に向かって下向きに突出する2つの主要な引張り応力領域を特定した。第1の引張り応力領域は、C4の周縁部におけるBLM自体の終端点(即ち、
図47において示されるBLM縁部)に存在する。第2の引張り応力領域は、最終ポリイミド・ビア縁部の基部が下にあるレベルと接触する点(即ち、
図47において示されるPSPI縁部−最終ビア)で発生する。
図47に示されるように、応力は、C4の外側縁部上の引張りであり、BEOL内に延び、応力ピークはC4最終ビア縁部(又はPSPI縁部)及び(チップ縁部側の)BLM縁部において生じている。
【0070】
図48は、異なるBLM直径を持つC4について、最終ビア直径に対する冷却時におけるチップの相対応力の例示的なプロットを示す。
図48からみることができるように、BLM縁部が最終ビア縁部から遠ざかるようにBLM直径が大きくなるに従って及び/又は一般には最終ビア直径が小さくなるに従って、相対応力は減少する。BLM直径を大きくすることで最終ビアの近くからの影響を低減することにより、応力場が減少する。逆に、
BLM縁部が最終ビア縁部に接近するようにBLM直径が小さくなるに従って及び/又は一般に最終ビア直径が大きくなるに従って、最終ビア縁部とBLM応力場とが収束し始めて互いを補強し合うため、相対応力は増大する。
【0071】
BLM縁部及びPSPI縁部−最終ビアにおけるこれら2つの応力領域は、下にある配線設計とは無関係である。しかしながら、これらの応力領域内に位置する配線は、BLM縁部及びPSPI縁部−最終ビアにおいて受ける応力に応じて、より破断しやすい。
【0072】
本発明の態様によれば、最終ビア及びC4/BLM構造並びに配置、特に上述した2つの(チップ中心点から離れたC4の側、即ちチップ縁側に位置する)引張り応力の領域(又は突部領域)を考慮に入れて、BEOL銅配線の最後の数レベルの設計を用いることができる。例えば、実施形態においては、配線は、制限ゾーンを設計に用いて、これらの高い引張り応力の領域から特定的に排除される。
【0073】
さらに、実施形態においては、2つの応力領域に侵入することなく必要な限り多くの配線間隔が可能になるようにBLM縁部と最終ビア(FV又はLV)縁部との間の分離距離を制御することによってFVサイズが定められるようにする設計要件を追加することにより、特定のC4バンプ位置の下の配線レイアウトをさらに最適化することができる。例えば、本発明の態様によれば、特定のC4位置の下の高密度配線によって、FVからBLMへの弦(即ち、BLM縁部と最終ビア(FV)縁部との間の距離)を大きくすることができる。次いで、この拡大によって、FVイメージが(例えば、同一チップ上の近くのC4位置に比べて)小さくなる。このように、本発明の態様によれば、特定のチップ設計全体にわたって、カスタマイズされた最終ビア・レベルを可変FVサイズと併せて用いることができる。
【0074】
図49は、上述した2つの領域、即ち
図50及び
図51に示される最終ビア縁部領域(位置「B」として特定される)及びBLM縁部(又はビア下の銅パッド領域)(位置「A」として特定される)についての相対応力に対するPSPIの厚さの例示的なプロットを示す。さらに、
図49は、最終ビア縁部領域とBLM縁部との間の垂直方向オフセット接続を示す。
図49に示されるように、チップ・レベルの応力は、PSPI層の厚さに部分的に依存する。より詳細には、チップ・レベルの応力は、BLM縁部(位置A)におけるPSPI層の厚さに逆依存する。さらに、チップ・レベルの応力は、最終ビア縁部(位置B)におけるPSPI層の厚さに直接依存する。
【0075】
図52は、上述された高応力領域に形成されたビア315を有するC4構造体400を示し、
図53及び
図54は、本発明の態様によって設計された例示的なC4構造体300’及び300’’を示す。
図52−
図54に示されるように、応力領域305及び310は、C4構造体のチップ縁部側において、それぞれPSPI縁部(又は最終ビア縁部)及びBLM縁部の周りに生じる。さらに、
図52に示されるように、C4構造体300は、高引張り応力領域305及び310に配置されたビア315を含み、これらは、破断及びホワイト・バンプ形成にさらされる。
【0076】
図53に示されるように、C4構造体300’は、高応力領域305及び310から離れた位置、例えばその外部に、特定的に設置されたビアを含む。例えば、1つのビア315は、2つの高応力領域305及び310の間に位置しているが、他のビア315は、C4構造体300’のチップ中心側に位置しており、チップ中心側は、チップ縁部側に存在する高応力領域305及び310を含んでいない。さらに、
図52と
図53の比較からわかるように、最終ビア直径320は両方の構造体について同じであり、従って、最終ビア縁部とBLM縁部との間の弦の長さ325は、各々の構造体について同じである。
【0077】
図54に示されるように、C4構造体300’’は、高応力領域305及び310の外部に位置決めされたビア315を含む。例えば、2つのビア315は、2つの高応力領域305及び310の間に位置している。また、他のビア315は、C4構造体300’’のチップ中心側に位置しており、チップ中心側は、チップ縁部側において観察される高応力領域305及び310を含んでいない。
【0078】
さらに、
図54の例示的なC4構造体300’’では、局所的な配線設計要件(例えば、追加の配線エリアについての要件)によって、最終ビア縁部がBLM縁部からさらに離される。このことは、この位置における最終ビア・サイズの縮小をもたらす。即ち、
図52と
図54の比較からわかるように、C4構造体300’’の最終ビア直径320’’は、C4構造体300の最終ビア直径320より小さく、従って、最終ビア縁部とBLM縁部との間の弦の長さ325’’は、より大きい。最終ビア直径を縮小すること、従って最終ビア縁部応力領域305を効果的に移動させることによって、配線、例えばビア315を配置するための追加の領域が生成される。
【0079】
本発明の更なる態様によれば、設計方法は、最終PSPIビア・レイアウト及びC4バンプ寸法に関して銅BEOL配線の形状及び配置を指定して、下にあるビア接続及び通過する配線が、既知の高引張り応力域に入らないようにすることを含む。即ち、下にあるビア接続及び通過する配線は、BLM縁部のほぼ直下の領域及び最終ビア縁部のほぼ直下の領域に入らない。本方法は、チップの引張り応力側(即ち、チップ縁部側又はチップ中心から180°の方向のC4遠位側)に適用することができる。配線制限ゾーンは、最終ビア基部の直下の点における複数の配線レベルについて、及び、BLM縁部の直下の点における複数の配線レベルについて、定められる。実施形態においては、制限ゾーンの間に、低応力の環状配線領域が定められる。例えば、実施形態においては、下にある配線及びビア接続について、BLM縁部及びFV縁部の直下において、例えば長さ約5μm−10μmの制限ゾーンを用いることができるが、本発明においては制限ゾーンの他の長さも考慮されている。実施形態においては、最終ビア及びC4設計を考慮して最終金属銅パッド及び近接する配線を設計することができる。
【0080】
さらに、最終金属銅パッド及び関連する配線は、可能な限り最終ビア及びC4の形状及び寸法に組み込むことができる。上述したように、実施形態においては、所与のチップ上の最終ビア(FV)直径の各々は、同一でなくてもよいが、チップ上の特定の位置における指定の配線要件に従うものとすることができる。さらに、最終ビアとBLM縁部との間の距離は、指定の局所配線要件に応じて最大にすることができる。例えば、所与のはんだバンプ寸法について最終ビア開口部を最小化し、最終ビア応力領域がBLM応力領域と交差(及び増幅)しないようにすることができる。
【0081】
図55は、本発明の態様による、上述された方法によって定められる例示的なグラウンドルール・パラメータを示すC4構造体350の側面図及び上面図を示す。
図55に示されるように、C4構造体350は、最終ビア直径「a」及びBLM(又はUBM)直径「b」を有する。さらに、ポリイミド(又はPSPI)ビアの基部における最終BEOLレベルの点として「A」点を定め、BLM縁部の直下の最終BEOLレベルの点として「B」点を定める。線分ABは、A点とB点を結ぶ参照線分であり、ここでAB=(b−a)/2である。
【0082】
図56は、本発明の態様による、上述された方法によって定められる例示的なグラウンドルール・パラメータを示す付加的な図を示す。
図56に示されるように、ABの中点は、環状配線領域353の中心を定める。さらに、影付きのエリアは、BLMの寸法内の制限ゾーン355及び360と、BLM層の外部に延びる制限ゾーン365とを示す。実施形態においては、制限ゾーン355、360、及び365の半径方向距離は、約5μm−
10μmとすることができるが、本発明においては他の距離も考慮されている。
【0083】
上述したように、実施形態においては、各々のC4位置における最終ビア・サイズのカスタム最小化により、低応力の環状配線領域353を(例えば、配線領域がさらに配線を収容することができるように)拡大することができる。配線は、制限ゾーンを考慮に入れつつ、この拡大された領域の中心にくるように配置される。実施形態においては、電気的接続に必要な最小限界まで最終ビア・サイズを小さくすることができる。
【0084】
例えば、本発明の態様によれば、例示的な不等式(1)に従って最終ビア・サイズ(a)を最小にすることによって、弦の長さABを最大にすることができる。
(電流に必要な最小ビア・サイズ)<{a}<b:{(b−a)/2>/=〜10μm}(1)
ここで、(b−a)/2=AB、b=BLM直径、a=最終ビア直径である。不等式(1)は、「a」(各々のビア位置においてカスタマイズすることができる最終ビア・サイズ)が、特定の設計によって必要とされる電流が効率的に伝導するのに必要なサイズより大きい下限値を有し、線分ABを(例えば、環状配線領域353に十分な空間を提供するために)少なくとも10μmの長さに留めるようなサイズによって上限が定められることを示す。
【0085】
さらに、上述したように、ABの中点は、下にある複数の配線レベルのための環状配線領域353の中心点として用いることができる。即ち、線分ABの中点は、最終ビア縁部及びBLM縁部の下に位置する高応力の突部領域に入らないように意図されるチップ・レベル配線のための上述した方法によって形成されている、下にある設計エリアの中心点として考えるべきである。
【0086】
金属パッドの延長
特定のC4はんだバンプにおける応力は、はんだバンプの片側(チップ中心側に向いた側)では圧縮として、はんだバンプの反対側(チップ縁部側に向いた側)では引張りとして作用する。チップ縁部側に作用する引張力は、BEOL損傷を引き起こすことがある。上述のように、引張力は、2つの主要な位置、即ち、BLMはんだパッドの縁部のほぼ直下と、はんだバンプがアルミニウム又は銅パッドのBEOLメタライゼーションに接続するポリイミド最終ビアのまさしく基部底とにおいて、最も強大である。高応力を克服するために、その上に重なるBLM層の周縁部寸法を越える上側金属アルミニウム金属パッド延長部を用いて、ホワイト・バンプの引張り応力がはんだバンプを通じてチップBEOLレベルに移動するのを軽減することができる。
【0087】
より具体的には、本発明の態様によれば、C4はんだボールにおける応力が下にあるBEOLレベルに伝わるのを低減するために、(通常のPOR寸法に対して)パッド延長部、例えばアルミニウム・パッドを用いることができる。実施形態においては、金属パッド延長部は、x、y方向に対称な金属パッド延長部とすることができる。さらに、本発明の更なる態様によれば、パッドは、「ホワイト・バンプ」を生じさせる引張力を受けるはんだバンプ構造体の一方の側、即ちチップ中心側から離れる向きのパッドの外縁部上に延長することができる。
【0088】
実施形態においては、金属パッドのサイズをx方向寸法及びy方向寸法のいずれも対称に延長させることができ、それにより、金属パッドは、(上から見た場合に)上にあるBLM/UBM縁部を越えて横方向に十分に延長される。本発明の態様によれば、延長された金属パッドの「翼部」は、この位置における下のBEOLレベルの破断から保護する応力緩和部を挿入する。さらに、延長された金属パッドは、追加の金属パッド質量によって、曲げに対する付加的な抵抗力に寄与する。
【0089】
図57は、本発明の態様に従って形成されたC4構造体425とともに、PORプロセスを用いて形成されたC4構造体405(左側)を含む、例示的なチップ400を示す。例示的なチップ400は、異なるサイズの金属パッド(例えば、アルミニウム・パッド又は銅パッド)を示す。左側に示されるように、PORプロセスを用いて形成されたC4構造体405は、寸法がBLM層415より小さい金属パッド410(例えば、アルミニウム・パッド)を含む。従って、アルミニウム・パッド410は、(上から見た場合に)上にあるBLM層415の境界内に完全に含まれ、下にあるBEOLを引張り応力に直接晒した状態にし、その応力が固い誘電体430を引っ張る。結果として、POR C4構造体405が(チップ縁部側において)引張り応力を受けると、C4はんだボールにかかる引張り応力及び回転応力は、下にあるBEOLレベルに伝達され、BEOLレベルの望ましくない破断を生じさせる。
【0090】
対照的に、
図57の右側に示されるように、例示的なC4構造体425は、(上から見た場合に)アルミニウム・パッド420が上のBLM層415の境界を越えて拡張されるように対称に延長された金属パッド420(例えば、アルミニウム・パッド)を有する。その結果、引張力は、固い誘電体層430の上の(例えば、2μmの厚さを有する)アルミニウム・パッド層420を引っ張り、ホワイト・バンプの応力がBEOLレベルに伝達されるのを軽減する。
【0091】
図58は、本発明の態様に従って形成されたC4構造体475(右図)とともに、PORプロセスを用いて形成されたC4構造体405(左図)を含む、例示的なチップ450を示す。例示的なチップ450は、異なるサイズの金属パッド(例えば、アルミニウム・パッド又は銅パッド)を示す。
図58の左側に示される、PORプロセスを用いて形成されたC4構造体405は、
図57を参照して上述されたものである。
【0092】
図58の右側に示されるように、例示的なC4構造体475においては、金属パッド480(例えば、アルミニウム・パッド)は、チップ中心から離れる方向の引張力が作用する側にBLM層415を越えて非対称に延長されており、それにより、アルミニウム・パッド480は、(上から見た場合に)上のBLM層415の境界を越えてC4構造体475のチップ縁部側に拡張されている。さらに、
図58に示されるように、金属パッド480は、さらに2つの側部が延長され、それにより、金属パッド480は、これら2つの側部がBLM層415より大きくなっている。さらに、金属パッド480は、チップ中心方向の側部がさらに延長されているが、
図58の例では、金属パッド480のその側部はBLM層415より小さい。
【0093】
金属パッド延長の結果として、引張力は、固い誘電体層430の上の(例えば、2μmの厚さを有する)アルミニウム・パッド層480を引っ張り、ホワイト・バンプの応力がBEOLレベルに伝達されるのを軽減する。当然のことながら、
図58は4方向全てにおける金属パッドの延長を示しているが、本発明は、金属パッドが少なくともBLM層415を越えてチップ縁部方向に延長される限り、金属パッド480を1方向、2方向、3方向、又は4方向に延長可能であることが考慮されている。
【0094】
図59及び
図60は、2つのC4構造体の応力プロットを示す。より詳細には、
図59は、(上から見た場合に)上に重なるBLM層490の境界内に完全に含まれる金属パッド485を有するPOR C4構造体の応力プロットを示す。対照的に、
図60は、本発明の態様に従って設計されたC4構造体の応力プロットを示す。すなわち、
図60は、(上から見た場合に)上に重なるBLM層490の境界を越えて延長された金属パッド495を有するC4構造体の応力プロットを示す。
図59及び
図60に示されるように、それぞれの金属パッド485及び495(例えば、アルミニウム・パッド)のおおよその位置
は、黒の輪郭線で示される。
【0095】
図59及び
図60において示されるように、応力は、C4構造体のチップ縁部側のBLM縁部の下の酸化物において極大として観測される。しかしながら、
図59と
図60を比較すると、(
図60に示される)延長された金属パッド495を有するC4構造体では、(
図59に示される)POR金属パッド485を有するC4構造体について測定される応力領域突部487より小さな応力領域突部497が測定されている。さらに、
図59及び
図60のグレーの影付き画像では判別しにくいが、延長された金属パッド495を有するC4構造体は、POR金属パッド485を有するC4構造体と比較して、応力領域突部497全体の応力のレベルがより低くなっている。実施形態においては、延長された金属(例えば、アルミニウム)パッドを有するC4構造体が受ける引張り応力は、POR金属パッドを有するPOR C4構造体に比べて、20%低減されている。
【0096】
上述した方法は、集積回路チップの製造に用いられる。得られる集積回路チップは、製造業者によって、生のウェハ形態で(即ち、多数のパッケージングされていないチップを有する単一のウェハとして)、裸のダイとして、又はパッケージングされた形態で、流通される場合がある。後者の場合には、チップは、(マザーボード又は他のより高いレベルのキャリアに取り付けられたリードを有するプラスチック・キャリアなどといった)シングル・チップ・パッケージ、又は、(表面相互接続又は埋め込み相互接続の一方又は両方を有するセラミック・キャリアなどといった)マルチ・チップ・パッケージにマウントされる。いずれの場合にも、チップは、次いで、(a)マザーボードなどの中間製品又は(b)最終製品のいずれかの一部として、他のチップ、個別の回路要素、及び/又は他の信号処理デバイスと統合される。最終製品は、集積回路チップを含むいずれかの製品とすることができる。
【0097】
設計フロー
図61は、例えば、半導体の設計、製造、及び/又は試験に用いられる例示的な設計フロー6100のブロック図を示す。設計フロー6100は、設計されるICのタイプに応じて変わることがある。例えば、特定用途向けIC(ASIC)を構築するための設計フロー6100は、標準的なコンポーネントを設計するための設計フロー6100、又は、例えばAltera(登録商標)社若しくはXilinx(登録商標)社によって提供されるプログラマブル・ゲート・アレイ(PGA)又はフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などのプログラマブル・アレイに設計を具体化するための設計フロー6100とは異なるものとすることができる(Alteraは、米国、その他の国々、又はその両方における、Altera Corporationの登録商標である。Xilinxは、米国、その他の国々、又はその両方における、Xilinx,Inc.の登録商標である)。設計構造6120は、好ましくは、設計プロセス6110への入力であり、IPプロバイダ、コア・デベロッパ、若しくは他の設計会社から提供されるか、又は、設計フローのオペレータによって若しくは他のソースから生成される場合がある。設計構造6120は、
図1−
図24、
図26−
図40、
図44、
図53、
図54、
図57、及び
図58に示される本発明の実施形態を、図又はHDL即ちハードウェア記述言語(例えば、VERILOG(登録商標)、Very High Speed Integrated Circuit(VHSIC)ハードウェア記述言語(VHDL)、C言語など)の形態で含む。(VERILOGは、米国、その他の国々、又はその両方における、Cadence Design Systems,Inc.の登録商標である)。設計構造6120は、1つ又は複数の機械可読媒体に収容することができる。例えば、設計構造6120は、
図1−
図24、
図26−
図40、
図44、
図53、
図54、
図57、及び
図58に示される本発明の実施形態のテキスト・ファイル又は図表現とすることができる。設計プロセス6110は、好ましくは、
図1−
図24、
図26−
図40、
図44、
図53、
図54、
図57、及び
図58に示される本発明の実施形態をネットリスト6180に統合
(又は翻訳)し、ネットリスト6180は、集積回路設計における他の要素及び回路への接続を記述する、例えば配線、トランジスタ、論理ゲート、制御回路、I/O、モデルなどのリストであり、機械可読媒体の少なくとも1つに記録される。例えば、媒体は、CD、コンパクト・フラッシュ、他のフラッシュ・メモリ、インターネットを経由して送信されるデータのパケット、又は他のネットワークに適した手段とすることができる。統合は、反復プロセスとすることができ、このプロセスにおいては、ネットリスト6180は、回路の設計仕様及びパラメータに応じて1回又は複数回再統合される。
【0098】
設計プロセス6110は、種々の入力、例えば、モデル、レイアウト、及び記号表現を含む、所与の製造技術(例えば、異なる技術ノード、32nm、45nm、90nmなど)について一般に使用される要素、回路、及びデバイスの組を収容することができるライブラリ要素6130、設計仕様6140、特性データ6150、検証データ6160、設計ルール6170、及び(テスト・パターン及び他の試験情報を含むことができる)試験データ・ファイル6185からの入力を用いることを含むことができる。設計プロセス6110は、タイミング分析、検証、設計ルール・チェック、配置及びルート操作などといった標準的な回路設計プロセスをさらに含むことができる。集積回路設計の当業者であれば、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、設計プロセス6110において用いられる可能な電子設計自動化ツール及びアプリケーションの範囲を認識することができる。本発明の設計構造は、いずれかの特定の設計フローに限定されることはない。
【0099】
設計プロセス6110は、好ましくは、
図1−
図24、
図26−
図40、
図44、
図53、
図54、
図57、及び
図58に示される本発明の実施形態を、(該当する場合には)いずれかの付加的な集積回路設計又はデータと共に、第2の設計構造6190に変換する。設計構造6190は、集積回路のレイアウト・データの交換に用いられるデータ形式及び/又は記号データ形式(例えば、GDSII(GDS2)、GL1、OASIS、マップ・ファイル、又は、このような設計構造を格納するための他のいずれかの適切な形式)で、ストレージ媒体上に存在する。設計構造6190は、例えば、記号データ、マップ・ファイル、試験データ・ファイル、設計内容ファイル、製造データ、レイアウト・パラメータ、配線、金属のレベル、ビア、形状、製造ラインを通るルート決定のためのデータ、及び、半導体製造業者が
図1−
図24、
図26−
図40、
図44、
図53、
図54、
図57、及び
図58に示される本発明の実施形態を製造するのに必要な他のいずれかのデータといった情報を含むことができる。設計構造6190は、次いで、ステージ6195に進み、ここでは、設計構造6190は、例えば、テープアウトに進む、製造に向けてリリースされる、マスク会社にリリースされる、別の設計会社に送られる、顧客の元に送られる、等を行う。
【0100】
ここで用いられる用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、本発明を限定することを意図していない。ここで用いられる単数形の「1つの」、「1つの」及び「その」という用語は、文脈が明確に他の場合を指示していない限り、複数形も含む。「含む」及び/又は「含んでいる」という用語は、本明細書で用いられるときには、述べられた特徴、完全体、ステップ、操作、要素、及び/又はコンポーネントの存在を特定するが、1つ又は複数の他の特徴、完全体、ステップ、操作、要素、コンポーネント、及び/又はそれらのグループの存在又は付加を排除するものではないことが、さらに理解されよう。
【0101】
特許請求の範囲におけるすべての機能付き手段(ミーンズ・プラス・ファンクション)又は機能付き工程(ステップ・プラス・ファンクション)の対応する構造、材料、動作、及び均等物は、該当する場合には、具体的に請求される他の請求要素と組み合わせて本機能を実施するためのいずれかの構造、材料、又は動作を含むことを意図している。本発明の記載は、例示及び説明の目的で提示されたが、網羅的であることを意図するものでも、
開示された形態の発明に限定されることを意図するものでもない。当業者であれば、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、多くの修正及び変形が明らかであろう。実施形態は、本発明の原理及び実際の適用を最も良く説明し、当業者以外であっても考慮される特定の使用に適した種々の修正を伴う種々の実施形態について本発明を理解できるように、選択され、説明された。従って、本発明は実施形態に関して説明されたが、当業者であれば、本発明を修正して、特許請求の範囲の趣旨及び範囲内で実施できることが分かるであろう。
各々が最終ビアをもつ複数のボール制限メタライゼーション(BLM)−制御崩壊チップ接続(C4)構造体を有するフリップ・チップ・プラスチック・ボール・グリッド・アレイ構造体を設計する方法であって、
前記複数のBLM−C4構造体の各々のチップ縁部側におけるBLM縁部及び最終ビア縁部の直下のバック・エンド・オブ・ライン(BEOL)層内において配線及びビア接続のための制限ゾーンを用いて、前記制限ゾーンが前記配線及びビア接続を含まないようにするステップを含む方法。
前記複数のBLM−C4構造体のうちの少なくとも1つのBLM−C4構造体について、前記少なくとも1つのBLM−C4構造体のための特定の局所配線要件に応じて、前記BLM縁部と前記最終ビア縁部との間の距離を最大にするステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記BLM層は、前記最終金属パッド層への少なくとも1つの開口部を有し、前記開口部は、前記最終金属パッド層と前記BLM層との間に堆積された材料を除去して前記エア・ギャップを作るための少なくとも1つの通路となる、請求項6に記載の構造体。
前記最終金属パッド層は、前記キャップ層への少なくとも1つの開口部を設けるために、少なくとも1つの方向において前記キャップ層の寸法より小さい寸法を有し、前記開口部は、前記最終金属パッド層と前記キャップ層との間に堆積された材料を除去して前記エア・ギャップを作るための少なくとも1つの通路となる、請求項6に記載の構造体。
前記エア・ギャップは、前記構造体に柔軟性を与え、その柔軟性によって、チップ・パッケージ相互作用によるひび割れ及びホワイト・バンプの形成のうちの少なくとも1つが低減する、請求項6に記載の構造体。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の態様による例示的な処理ステップ及び関連する構造体を示す。
【
図2】本発明の態様による例示的な処理ステップ及び関連する構造体を示す。
【
図3】本発明の態様による例示的な処理ステップ及び関連する構造体を示す。
【
図4】本発明の態様による例示的な処理ステップ及び関連する構造体を示す。
【
図5】本発明の態様による例示的な処理ステップ及び関連する構造体を示す。
【
図6】本発明の態様による例示的な処理ステップ及び関連する構造体を示す。
【
図7】本発明の態様による例示的な処理ステップ及び関連する構造体を示す。
【
図8】本発明の付加的な態様による例示的な処理ステップ及び関連する構造体を示す。
【
図9】本発明の付加的な態様による例示的な処理ステップ及び関連する構造体を示す。
【
図10】本発明の付加的な態様による例示的な処理ステップ及び関連する構造体を示す。
【
図11】本発明の付加的な態様による例示的な処理ステップ及び関連する構造体を示す。
【
図12】本発明の付加的な態様による、エア・ギャップを有するC4構造体の例示的な上面図を示す。
【
図13】本発明の付加的な態様による、エア・ギャップを有するC4構造体の例示的な上面図を示す。
【
図14】本発明の付加的な態様による例示的な処理ステップ及び関連する構造体を示す。
【
図15】本発明の付加的な態様による例示的な処理ステップ及び関連する構造体を示す。
【
図16】本発明の付加的な態様による例示的な処理ステップ及び関連する構造体を示す。
【
図17】本発明の付加的な態様による例示的な処理ステップ及び関連する構造体を示す。
【
図18】本発明の付加的な態様による例示的な処理ステップ及び関連する構造体を示す。
【
図19】本発明の付加的な態様による例示的な処理ステップ及び関連する構造体を示す。
【
図20】本発明の付加的な態様による例示的な処理ステップ及び関連する構造体を示す。
【
図21】本発明の態様による、エア・ギャップを有するC4構造体を形成するのに用いられる例示的なマスクの上面図を示す。
【
図22】本発明の態様による、エア・ギャップを有するC4構造体を形成するのに用いられる例示的なマスクの上面図を示す。
【
図23】本発明の態様による、エア・ギャップを有するC4構造体を形成するのに用いられる例示的なマスクの上面図を示す。
【
図24】本発明の態様による、エア・ギャップを有するC4構造体を形成するのに用いられる例示的なマスクの上面図を示す。
【
図25】プロセス・オブ・レコード(POR)C4構造体を示す。
【
図26】本発明の付加的な態様による、支持ショルダを有する例示的なC4構造体を示す。
【
図27】本発明の付加的な態様による、支持ショルダを有する例示的な中間処理ステップ及びC4構造体を示す。
【
図28】本発明の付加的な態様による、支持ショルダを有する例示的な中間処理ステップ及びC4構造体を示す。
【
図29】本発明の付加的な態様による、支持ショルダを有する例示的な中間処理ステップ及びC4構造体を示す。
【
図30】本発明の付加的な態様による、支持ショルダを有する例示的な中間処理ステップ及びC4構造体を示す。
【
図31】本発明の付加的な態様による、支持ショルダを有する例示的な中間処理ステップ及びC4構造体を示す。
【
図32】本発明の付加的な態様による、支持ショルダを有する例示的な中間処理ステップ及びC4構造体を示す。
【
図33】本発明の付加的な態様による、支持ショルダを有する例示的な中間処理ステップ及びC4構造体を示す。
【
図34】本発明の付加的な態様による、支持ショルダを有する例示的な中間処理ステップ及びC4構造体を示す。
【
図35】本発明の付加的な態様による、支持ショルダを有する例示的な中間処理ステップ及びC4構造体を示す。
【
図36】本発明の付加的な態様による、支持ショルダを有する例示的な中間処理ステップ及びC4構造体を示す。
【
図37】本発明の付加的な態様による、支持ショルダを有する例示的な中間処理ステップ及びC4構造体を示す。
【
図38】本発明の付加的な態様による、支持ショルダを有する例示的な中間処理ステップ及びC4構造体を示す。
【
図39】本発明の付加的な態様による、支持ショルダを有する例示的な中間処理ステップ及びC4構造体を示す。
【
図40】本発明の付加的な態様による、支持ショルダを有する例示的な中間処理ステップ及びC4構造体を示す。
【
図41】POR C4構造体についての応力プロットを示す。
【
図42】本発明の付加的な態様による、支持ショルダを有する例示的なC4構造体についての応力プロットを示す。
【
図43】本発明の付加的な態様による、支持ショルダを有する例示的なC4構造体についての応力プロットを示す。
【
図44】本発明の付加的な態様による、POR C4構造体及び卵型C4構造体を示すチップの例示的な上面図及び側面図である。
【
図45】剪断応力の軸線を示す、細長い(又は卵型の)C4構造体の例示的な上面図を示す。
【
図46】ラミネートに取り付けられたPOR C4構造体及び例示的な細長いC4構造体を含むチップを示し、冷却時にC4構造体に生じる応力を示す。
【
図47】最終ビア縁部及びBLM縁部に生じる応力を示す、C4構造体についての応力プロットを示す。
【
図48】異なるBLM直径について、最終ビア直径に対する冷却されたチップにおける相対応力のプロットを示す。
【
図49】PSPI層の厚さに対するチップの相対応力のプロットを示す。
【
図50】垂直方向オフセット接続を示す例示的なC4構造体を示す。
【
図51】垂直方向オフセット接続を有する
図50の例示的なC4構造体についての応力プロットを示す。
【
図52】高応力領域に配置されたビアを有するPOR C4設計を示す。
【
図53】本発明の態様による、高応力領域を越えてビアを配置するように設計された例示的なC4構造体を示す。
【
図54】本発明の態様による、高応力領域を越えてビアを配置するように設計された例示的なC4構造体を示す。
【
図55】本発明の態様による、C4構造体設計のためのグラウンドルール・パラメータを示す。
【
図56】本発明の態様による、C4構造体設計のためのグラウンドルール・パラメータを示す。
【
図57】本発明の態様による、POR金属パッド及び延長された金属パッドを有するチップを示す。
【
図58】本発明の態様による、POR金属パッド及び延長された金属パッドを有するチップを示す。
【
図59】POR金属パッドを有するC4構造体についての応力プロットを示す。
【
図60】本発明の態様による、延長された金属パッドを有するC4構造体についての応力プロットを示す。
【
図61】半導体の設計、製造、及び/又は試験に用いられる設計プロセスのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、以下の詳細な説明において、本発明の例示的な実施形態の非限定的な例として、記載されている複数の図面を参照して説明される。
【0015】
本発明は、一般に、構造体及び製造方法に関し、より具体的には、鉛フリーC4相互接続の信頼性を改善するための構造体及び方法に関する。本発明の1つ又は複数の態様を実装することにより、CPIひび割れを防止又は低減することができる。さらに、本発明の実装によって、ホワイト・バンプの形成を低減又はなくすことになる。
【0016】
CPI(チップ・パッケージング相互作用)ひび割れは、「集積化」の問題点であり、要因の中でも、BEOLチップ・レベル保全性と、薄膜の凝集性と、界面の接着性と、チップ・サイズと、最終チップ・レベルのパッド/ビア・モジュール設計と、はんだバンプBLMの寸法、タイプ、及び/又は配向と、ウェハ仕上げ処理、例えばダイシングと、チップ接続プロセス並びに接合及び組立(B&A)プロセス、及びパッケージ・ラミネート構造による影響を受けることがある。例えば、C4技術をFCPBGAに用いた場合、顕著な信頼性故障の状態は、(例えば、DNPから5mmより大きい)C4における引張り応力に誘発される破断であり、これは、CTEの回転応力に応答して、チップ中心から離れたC4側で始まる。これは、下層のBEOLレベルの破断、及び、C4の電気的開放故障につながる。
【0017】
本発明の態様によれば、C4構造体は、CPIひび割れ及びホワイト・バンプの形成を防止又は低減する特徴を持つように設計することができる。例えば、実施形態においては、C4構造体にエア・ギャップを設けて、C4構造体を、より柔軟で、かつ、CPIひび割れ及びホワイト・バンプ形成を起こしにくくすることができる。付加的に(又は代替的に)、側壁支持構造を有するC4構造体を形成することができ、これにより、C4構造体が、CPIひび割れ及びホワイト・バンプ形成を起こしにくい状態になる。さらにまた、実施形態においては、C4構造体は、より柔軟で、かつ、CPIひび割れ及びホワイト・バンプ形成を起こしにくくなるように、卵型C4はんだボールを含むことができる。本発明の更なる態様によれば、C4構造体は、「制限」ゾーンを持つように設計することがで
き、制限ゾーンには、ビア又は配線を詰め込むことによって生じることがあるCPIひび割れ及び/又はホワイト・バンプ形成を防止するために、ビア又は配線が配置されない。また、実施形態においては、CPIひび割れ及びホワイト・バンプ形成を防止するために、少なくともチップ縁部に向かう方向に、(上から見た場合に)BLMパッドを越えてパッド層(例えば、アルミニウム・パッド層)を延ばすことができる。
【0018】
エア・ギャップ
本発明の1つの態様によれば、C4構造体は、パッド構造体(例えば、最終アルミニウム・パッド又はBLM層)を含み、パッド構造体は、通常はひび割れ及びホワイト・バンプをもたらすような接合(又は他の熱的CPI)応力がC4構造体に及ぼされる前に、柔軟性(例えば、曲がりやすさ)がパッド(例えば、最終アルミニウム・パッド層又はBLM層)に与えられるように、エア・ギャップ上のパッド構造体の幅全体にわたってほとんど支持されない。実施形態においては、エア・ギャップは、アルミニウム・パッド層とボール制限メタラジ(BLM)捕捉パッド・メタライゼーションとの間に形成される。別の実施形態においては、エア・ギャップは、アルミニウム・パッド層とアルミニウム・パッド層の下の層(例えば、キャップ窒化物層)との間に形成される。本発明は、構造体及び構造体を作るプロセスの両方を含み、構造体は、例えばC4NPといったいずれかのドライC4プロセス技術又は他のいずれかのはんだ配置プロセスに組み入れることが可能な、「自立型」BLM捕捉パッド・メタライゼーション薄膜を含む。構造体自体は、さらに、めっきC4にも有用な場合がある。
【0019】
図1−
図6は、中間の処理ステップを示し、
図7は、処理ステップと、頑丈な最終BLM捕捉パッド構造体を有するC4構造体とを示しており、BLM捕捉パッドはその幅全体にわたってほとんど支持されない。本発明の1つの実施形態によれば、最終BLM捕捉パッド構造体は、通常はひび割れ及びホワイト・バンプをもたらすような接合(又は他の熱的CPI)応力がその一部に及ぼされる前に、パッドに柔軟性(例えば、曲がりやすさ)が与えられる。より具体的には、
図1−
図7の実施形態によって、BLM捕捉パッドとアルミニウム・パッドとの間にエア・ギャップが形成される。サブ・パッド・ビア、パッド形成、最終チップ・レベル・ビア、及びBLMはんだパッド最終レベル処理(即ち、C4及びBLMの形成)の、4つのマスキング・レベルを用いる標準的なプロセス・オブ・レコード(POR)手順とは対照的に、
図1−
図7の実施形態は、以下でさらに説明されるように、3つのマスキング・レベル、例えば、貫通ビア・マスク、アルミニウム・パッド・マスク、及びBLMマスクのみが必要であるという利点をもつ。
【0020】
図1は、本発明に用いるための中間構造体を示す。構造体は、誘電体層5(例えば、高誘電率の絶縁体薄膜又は二酸化シリコン)内に形成された銅金属レベル10を含む。誘電体層5及び銅レベル10の上にキャップ層15が堆積される。実施形態においては、キャップ層15は、例えば、窒化物薄膜などの、銅配線レベルのための標準的なキャッピング層、例えば高密度プラズマ(HDP)窒化物とすることができる。さらに、実施形態においては、キャップ層15は、例えば、プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)プロセス又は低圧化学気相堆積(LPCVD)を用いて堆積させることができる。HDPキャップ層15は、単層とすることも複数の層とすることもできる。例えば、HDPキャップ層15は、窒化物キャップ層の上に形成された酸化物層の上に形成された窒化物層を含むことができる。
図1の例では、酸化物層は厚さ約0.45μmとすることができ、第2の窒化物層は厚さ約0.40μmとすることができるが、本発明においては他の厚さも考慮される。
【0021】
さらに、
図1に示されるように、キャップ層15に感光性ポリイミド(PSPI)層20が塗布される(例えば、スピン塗布される)。
図1の例示的な実施形態では、PSPI層20の厚さを約9μmとすることができるが、本発明においては他の厚さも考えられる
。PSPI層20は、当業者によって知られている従来の手法で露光及びベークされる。
【0022】
図2に示されるように、PSPI層20は現像及び硬化されており、従来のリソグラフィ・プロセス(例えば、フォトレジストを用いたマスキング及びエッチング)を用いて、パターン転写と、エッチング、例えば反応性イオン・エッチング(RIE)とを行い、HDP窒化物キャップ層15を通って最終金属銅レベル10に達する開口部37を形成する。PSPI層20の残りの部分と開口部37内の最終銅層10の上に、例えば、物理気相堆積(PVD)プロセスを用いてアルミニウム・パッド25を堆積させ、続いて、レジスト・マスクの剥離及び洗浄が行われる。
【0023】
図2においてさらに示されるように、アルミニウム・パッド25上にスピン・オン・ガラス(SOG)層が形成される。実施形態においては、SOG層30の厚さを約2−5μmとすることができるが、本発明においては他の厚さも考慮されている。次いで、アルミニウム・パッド25の(PSPI層20上にある)「部分」35及びPSPI層20の上のSOGを取り除くために、例えば化学機械研磨/平坦化(CMP)プロセスを用いてSOG層を平坦化する。このプロセスによって、アルミニウム・パッドで覆われた開口部37を充填するSOG層30が残る。SOG層30は、CMPプロセスを用いて制御可能な形状を有し、それにより形状は、例えば(示されるように)凹ませる、隆起させる、及び/又はテーパ状にされる。
【0024】
図3に示されるように、例えば標準的なPVDプロセス(例えば、TiW/Cu/Ni)を用いて、
図2に示される構造体の上に捕捉パッド・ボール制限メタライゼーション(BLM)40(アンダー・バンプ・メタラジ(UBM)とも呼ばれる)が堆積される。BLM捕捉パッドの形状を定めるために、BLM40に捕捉パッド・レジスト・マスク45(例えば、ブロック・マスク・レジスト)が塗布される。
【0025】
図4に示されるように、捕捉パッド・レジスト・マスク45は、例えば標準的な捕捉パッド・ウェット・エッチング・プロセスを用いて、BLM40に転写される。
図4に示されるように、捕捉パッド・レジスト・マスク45を越えるBLM40の部分は、エッチング・プロセスによって除去されている。
図5に示されるように、捕捉パッド・レジスト・マスク45は、従来のプロセスを用いて剥離される。
【0026】
図6に示されるように、SOGウェット・エッチング・プロセスを行って、BLM40の下のSOGを除去し、ギャップ50を形成する。本発明の態様によれば、例えば(以下でさらに説明される
図12及び
図13に示されるように)2つの側部が開口部37より小さい捕捉パッド・レジスト・マスク45を用いることによって、ウェット・エッチングはSOGに達する。付加的に(又は代替的に)、実施形態においては、BLM40は、スロット型開口部を有するように設計することができ、その開口部を通してSOGをエッチングして除去することができるが、これもまた以下でさらに説明される。
【0027】
図7に示されるように、自立するBLM40の上に、C4 Pbフリーはんだバンプ55が配置、例えば堆積される。この実施形態においては、ギャップ50は、C4 Pbフリーはんだバンプ55の下のBLM40とアルミニウム・パッド25との間に存在する。
【0028】
図8−
図10は、中間の処理ステップ及び関連する構造体を示し、
図11は、頑丈な最終アルミニウム・パッド構造体をもたらすC4構造体及び処理ステップを示しており、最終アルミニウム・パッド構造体は、エア・ギャップ上の最終アルミニウム・パッド構造体の幅全体にわたってほとんど支持されない。
図8−
図11の実施形態によって、BLM捕捉パッドとアルミニウム・パッドとの間にエア・ギャップが形成される。本発明の実施形態によれば、エア・ギャップは、通常はひび割れ及びホワイト・バンプをもたらすような
接合(又は他の熱的CPI)応力がその一部に及ぼされる前に、パッドに柔軟性(例えば、曲がりやすさ)を与える。さらに、
図8−
図11の実施形態によれば、
図1−
図7の実施形態で用いられるSOG層30の代わりに、第2のPSPI層が用いられる。
【0029】
図8に示されるように、PSPI層20は、現像及び硬化され、従来のリソグラフィ・プロセス(例えば、フォトレジストを用いたマスキング及びエッチング)を用いて、パターン転写と、エッチング、例えば反応性イオン・エッチング(RIE)とを行い、HDP窒化物キャップ層15を通って金属銅レベル10に達する開口部37を形成する。PSPI層20の一部と開口部37内の最終銅層10の上に、例えば、物理気相堆積(PVD)プロセスを用いてアルミニウム・パッド25を堆積させ、続いて、レジスト・マスク(図示せず)の剥離及び洗浄が行われる。
【0030】
図8においてさらに示されるように、アルミニウム・パッド25とPSPI層20の一部の上に第2のPSPI層60が形成される。実施形態においては、第2のPSPI層60の厚さを約9μmとすることができるが、本発明においては他の厚さも考慮されている。
【0031】
図9に示されるように、次いで、第2のPSPI層60を露光及び現像して、BLM支持のために、アルミニウム・パッド25の上にPSPIブロック65を形成する。第2のPSPI層60は制御することが可能であり、PSPIブロック65の形状は、例えば凹ませる、(示されるように)隆起させる、及び/又はテーパ状にするといったことができる。さらに、PSPIブロック65は、形状を維持するために部分的に硬化されるが、溶剤(例えば、中温のNMP又は同等物)による後の除去に対しては可溶性を保つ。さらに、
図9に示されるように、例えば標準的なPVDプロセス(例えば、TiW/Cu/Ni)を用いて、PSPIブロック65とアルミニウム・パッド25の一部との上に捕捉パッド・ボール制限メタライゼーション(BLM)40が堆積される。BLM捕捉パッド形状を定めるために、BLM40に捕捉パッド・レジスト・マスク、例えばブロック・マスク・レジスト(図示せず)が塗布される。
【0032】
図10に示されるように、PSPIの溶剤による除去又はウェット・エッチング・プロセスを行って、BLM40の下のPSPIブロック65を除去する。このプロセスによって、ギャップ50が形成される。本発明の態様によれば、例えば(以下でさらに説明される
図12及び
図13に示されるように)2つの側部が開口部37より小さい捕捉パッド・レジスト・マスク(
図8−
図10では図示せず)を用いることによって、ウェット・エッチングはPSPIブロック65に達する。付加的に(又は代替的に)、実施形態においては、BLM40は、スロット型開口部を有するように設計することができ、その開口部を通してPSPIブロック65をエッチングして除去することができるが、これもまた以下でさらに説明される。
【0033】
図11に示されるように、
図10の自立するBLM構造体40上に、C4はんだバンプ55が配置される。より具体的には、C4はんだバンプ55は、自立するBLM構造体40の中に堆積され、ギャップ50の上に存在する。プロセスは、例えば当業者に知られているC4NP転写プロセスを用いることを含むことができる。
【0034】
図12及び
図13は、本発明の態様によるC4構造体の上面図を示す。図から分かるように、
図12は断面線11−11を含み、これは、
図12の表示に対する
図11の表示を示す。以下でさらに説明されるように、
図12の実施形態は、SOG及び/又はPSPIを除去してギャップ50を形成するのを助けるスロット付きBLMパッド40を含む。
図12の実施形態においては、SOG及び/又はPSPIは、BLMパッド40のスロット63を通して、及び/又は、BLMパッド40の2つの側部(
図12に示される上側及び
下側)にあるHDP窒化物への開口部を通して、除去することができる。
【0035】
対照的に、
図13の実施形態は、スロット付きBLMパッド40を含まない。その代わりに、
図13の実施形態では、SOG及び/又はPSPIは、BLMパッド40の2つの側部(
図13に示される上側及び下側)にあるHDP窒化物への開口部を通して除去することができる。さらに、これらの開口部は、
図11のページに対して直角に延びるz軸に沿っていることが理解される。
【0036】
図4を参照して説明されたように、BLM捕捉パッド・マスク45は、例えば開口部マスク・イメージ(
図2に示される開口部37を形成するのに用いられる)の2つの側部において、開口部マスク・イメージより小さくすべきである。
図12に示されるそれぞれのマスクのこうした構成によって、BLM捕捉パッド40は、例えば2つの側部において窒化物層への開口部と比べて小さく形成され、材料(例えば、SOG及び/又はPSPI)を完全に除去することが可能になる。HDP窒化物への開口部は、アルミニウム・パッド25がPSPI層20の上に載っている領域と、BLMパッド40の底部、例えばアルミニウム・パッド25が下の銅パッド10上にあってPSPI層20の上にはないエリア、即ち
図12に示される下側のエリアとの間に位置する。さらに、上述のように、
図12の実施形態は、スロット63を有するスロット付きBLMパッド40を含む。スロット63は、さらに材料(例えば、SOG及び/又はPSPI)の完全な除去を可能にする。
【0037】
図13の例示的な実施形態では、材料(例えば、SOG及び/又はPSPI)の完全除去は、上述されたHDP窒化物への開口部を通じて行われる。さらに、
図12及び
図13の例示的な実施形態の各々は、材料(例えば、SOG及び/又はPSPI)の完全除去を可能にするための上述されたHDP窒化物への開口部を含むが、本発明においては、材料の除去をBLMパッド40のスロット63のみを通して行うことができることが考慮されている。即ち、本発明は、実施形態において、BLM捕捉パッド・マスク45が(開口部37の形成に用いられた)開口部マスク・イメージのいずれの側においても開口部マスク・イメージより小さくないことを考慮している。このような構成では、HDP窒化物への開口部は、例えば両側に設けられず、材料(例えば、SOG及び/又はPSPI)の完全除去は、BLMパッドのスロットを通じてのみ行われる。
【0038】
図14−
図19は、中間の処理ステップを示し、
図20は、処理ステップと、頑丈な最終アルミニウム・パッド構造体をもたらすC4構造体を示しており、最終アルミニウム・パッド構造体はエア・ギャップ上のパッド構造体の幅全体にわたってほとんど支持されない。本発明の1つの実施形態によれば、エア・ギャップは、通常はひび割れ及びホワイト・バンプをもたらすような接合(又は他の熱的CPI)応力が構造体に及ぼされる前に、パッドに柔軟性(例えば、曲がりやすさ)を与える。
【0039】
図14は、本発明を構成するための中間構造体を示す。構造体は、誘電体層5(例えば、高誘電率の絶縁体薄膜又は二酸化シリコン)内に形成された銅金属レベル10を含む。誘電体層5の上に、高密度プラズマ(HDP)キャップ層15が堆積される。HDPキャップ層15は、バルク窒化物層17、バルク酸化物層18、及びキャップ窒化物層19を含むことができる。
図14の例では、バルク酸化物層18は厚さ約0.45μmとすることができ、バルク窒化物層17は厚さ約0.40μmとすることができるが、本発明においては他の厚さも考慮される。さらに、
図14に示されるように、パターン転写と、エッチング、例えば反応性イオン・エッチング(RIE)とを行って、キャップ窒化物層19に達する開口部37を形成する。
【0040】
図15に示されるように、開口部37の内部を含む
図14の構造体の上にSOG層30が塗布される。SOGレジスト・マスク70が、SOG層30の上に形成され、当業者に
はよく知られているリソグラフィ・プロセスを用いる従来の手法で露光及び現像される。
【0041】
図16に示されるように、パターン転写と、エッチング、例えばRIEプロセスとを行って、SOG層30を成形し、SOGブロック75を形成する。このプロセスはまた、HDP窒化物キャップ層19の開口部分をエッチングし(即ち、オーバーエッチング)、銅パッド10を露出させる。
図17に示されるように、当業者にはよく知られている従来のリソグラフィ及びエッチング・プロセス、例えばレジスト及びRIEプロセスを用いて、SOGブロック75、露出した銅パッド10、及び窒化物キャップ層15の一部の上に、アルミニウム・パッド25が形成される。
【0042】
図18に示されるように、エッチング・プロセス、例えばウェット・エッチング・プロセスを行って、アルミニウム・パッド25の下のSOGブロック75を除去する。このプロセスによってギャップ50が形成される。本発明の態様によれば、(
図3に示される補足パッド・レジスト・マスク45の形成と同様の方法で)例えば2つの側部が開口部37(
図14)より小さいアルミニウム・パッド・マスク(以下でさらに説明される)を用いることによって、ウェット・エッチングはSOGブロック75に達する。さらに、感光性ポリイミド(PSPI)層80が、構造体の上に堆積され(例えば、スピン塗布され)、従来のリソグラフィ及びエッチング・プロセスを用いてエッチングされて、BLM:Al最終ビア83が形成される。ビア83は、エア・ギャップ50と位置合わせされる。
【0043】
図19に示されるように、PSPI層80の上とBLM:Al最終ビア83の内部に、BLM層40が堆積される。さらに、BLM層40の一部の上に捕捉パッド・レジスト85が形成される。
【0044】
図20に示されるように、BLMウェット・エッチング・プロセスを行い、BLMパッド40の一部をエッチングする。捕捉パッド・レジスト85も剥離され、個別のC4NP
BLMパッド40を生成する。さらに、
図20に示されるように、例えば当業者にはよく知られているC4NP転写プロセスを用いて、C4 Pbフリーはんだバンプ55をBLM構造体40の上に配置、例えば堆積させる。BLM構造体40は、エア・ギャップ50の上に存在する。
【0045】
図21−
図23は、本発明の態様による、
図24に示される例示的なC4構造体(
図20において側面図でも示される)を形成するのに用いることができる一連の例示的なマスクを示す。
図21は、マスク90を示しており、これは、窒化物層17及びバルク酸化物層18を貫通してキャップ窒化物層19に達する開口部37を(例えば、RIEを用いて)エッチングするのに用いられる。さらに、
図21は、当業者にはよく知られている酸化物チージング(cheesing)形状92を示す。
【0046】
図22は、本発明の態様による、SOGブロック75を(
図15及び
図16に示されるように)パターン形成するための例示的なマスク70を示す。マスク70は、
図16に示されるように、窒化物キャップ層19の銅パッド10上の部分をエッチングするのに用いることができる。
図22はまた、
図17に示されるようなアルミニウム・パッド25を形成するための例示的なマスク95を示す。マスク95は、アルミニウム・パッド・プロセス・レベルが完成した後でSOG材料の「完全除去」が可能になるように、例えば両端において、SOGブロック75をパターン形成するためのマスク70より小さく設計することができる。
【0047】
このように、
図22に示されるマスクを用いて、(
図20に示される)得られる構造体は、SOGブロック(及び窒化物キャップ層19の一部)の上及びバルク窒化物層17の上に形成されたアルミニウム・パッドの一部を含み、これはアルミニウム・パッド上側領
域と呼ばれる。この部分は、(
図20に示される)得られる構造体がSOGブロック75及びバルク窒化物17の上側に存在するアルミニウム・パッド25を含むため、アルミニウム・パッド上側領域と呼ばれる。さらに、(
図20に示される)得られる構造体は、銅パッド10と接する、アルミニウム・パッド「下側」領域と呼ばれるアルミニウム・パッド25の一部を含む。この領域は、アルミニウム・パッド25が下がって(
図20に示される)銅パッド・レベル10上に存在するため、アルミニウム・パッド「下側」領域と呼ばれる。
【0048】
図23は、
図18に示されるように、PSPI層80をエッチングしてBLM:Al最終ビア83を形成するのに用いられる例示的なマスク97を示す。さらに、
図23は、例示的なBLM捕捉パッド・レジスト・マスク85を示しており、これは、
図19及び
図20に示されるようにBLM層40の一部をエッチングするのに用いられる。
【0049】
図24は、C4はんだボール55が、例えばC4NPプロセスによって配置された後の構造体の例示的な上面図を示す。
図24に示されるように、最終ビアのコンタクト・エリアは、アルミニウム上側領域とBLM捕捉パッドとの間にあり、それも、
図19及び
図20において側面図で示される。
【0050】
側壁支持ショルダ構造体
本発明の更なる態様によれば、C4の縁部の周りに形成された支持材料は、ホワイト・バンプを防止する好ましい応力分布を可能にする。実施形態においては、構造体、例えば支持ショルダ又はカラー構造体は、リフローの際にC4はんだボールが自己整合するウェハ・レベルに形成される。このようにして、C4はんだボールは、自動的に、側壁支持体(例えば、カラー構造体又は支持ショルダ)に寄りかかる。実施形態においては、側壁支持体は、C4自体の外側周縁部の下のBLM被覆のための基部として機能することによって、C4支持構造体の一部として直接形成される。実施形態において、本発明は、ハーフトーン・マスク又は薄い第2のPSPI膜塗布プロセスを用いて、表面の面は連続しているが均一な高さではない最終カラーを形成することができる。
【0051】
図25は、支持ショルダ構造体を含まない従来のC4構造体100を示す。これとは対照的に、
図26は、例示的な支持ショルダ構造体又はカラー構造体を有するC4構造体105を示す。実施形態においては、支持ショルダは、C4の縁部の周りに支持材料(例えば、PSPI)を含む。本発明の態様によれば、支持材料は、ホワイト・バンプを防止する好ましい応力分布を可能にする。
【0052】
図27−
図30は、
図31に示されるC4構造体の形成における例示的な中間処理ステップを示すものであり、これは、C4NP転写プロセスを用いる。
図27に示されるように、チップ110は、銅パッド層10とPSPI層20とを含む。
図28に示されるように、従来のリソグラフィ及びエッチング・プロセス(例えば、テーパ状露光又はグレイトーン)を用いて、PSPI層20を銅パッド層10までエッチングし、BLM:Alパッド・ビア37に加えて、支持ショルダ115を形成する。
【0053】
図29に示されるように、BLM層40が、開口部内部のPSPI層20及び銅パッド層10の上に堆積される。従来のリソグラフィ及びエッチング・プロセスを用いて、
図29に示されるように、支持ショルダ115及びBLM:Alパッド・ビア37以外のBLM層40の部分を除去する。
【0054】
図30は、C4NP転写プロセスを用いて支持ショルダ115及びBLM:Alパッド・ビア37の内部にC4はんだボール55を配置して、
図31に示される最終C4構造体を形成することを示す。C4はんだボール55は、
図25に示される従来のC4構造体に
与えられる支持より大きな範囲の支持を与えるための支持ショルダ115によって支持される。
【0055】
本発明の一実施形態により、
図32及び
図33は中間処理ステップ及び関連する構造体を示し、
図34はC4構造体及び処理ステップを示す。この実施形態は、「めっき」プロセスを用いてC4構造体を形成する。
図32は、BLM層40のリソグラフィ及びエッチング・プロセスを行うことなく、(上述の)
図29のプロセスに続く。即ち、
図32に示されるように、BLM層40は、支持ショルダ115及びBLM:Alパッド・ビア37を越える領域がまだエッチングされていない。さらに、
図32に示されるように、当業者にはよく知られている従来のリソグラフィ、エッチング、及び堆積プロセスを用いて、BLM層40の上にリストン120及びめっき125(はんだボール材料を含む)が形成される。
【0056】
図33に示されるように、リストン120と、支持ショルダ115及びBLM:Alパッド・ビア37を越えるBLM層40の部分とは、当業者にはよく知られている従来のプロセスを用いて剥離される。
図34に示されるように、当業者にはよく知られている従来のプロセスを用いて、めっき125をリフローし、C4はんだボール55を形成する。さらに、
図34に示されるように、C4はんだボール55は、
図25に示される従来のC4構造体に与えられる支持より大きな範囲の支持を与えるための支持ショルダ115によって支持される。
【0057】
図35−
図40は、本発明の態様による、種々のショルダ支持構造を有する例示的なC4構造体を示す。
図35は、比較のために、上記の
図34に示されるC4構造体を示す。
図36は、輪郭付き(contoured)PSPI層130を有するC4構造体を示す。当然のことながら、輪郭付きPSPI層130は、当業者には周知の従来のリソグラフィ及びエッチング・プロセス(例えば、グレイトーン・プロセス)を用いて形成することができる。グレイトーン・プロセスにより、輪郭付きPSPI層は、2つ又はそれ以上のリソグラフィ・プロセスではなく、1ステップのリソグラフィ・プロセスを用いて形成することができる。即ち、「グレイトーン」マスクは、完全露光(マスク上の透明なエリア)ゾーンと無露光(マスク上の不透明なエリア)ゾーンとの間の遷移領域において部分的な露光をもたらすマスクである。輪郭付きPSPI層130は、C4はんだボール55の周りにおいてアンダーフィル・フローを可能にする。
【0058】
図37は、PSPI層20の上に形成された追加層135を有する例示的なC4構造体を示す。追加層135は、PSPI又は別の適切な材料(例えば、SOG、誘電体など)とすることができる。追加層135は、当業者にはよく知られている従来のリソグラフィ及びエッチング・プロセスを用いて形成することができる。BLM:Alパッド・ビア37と支持ショルダ115とを設けるためにテーパ状エッチング・プロセス(例えば、「グレイトーン」に特化されたフォトマスク)を用いて単一のPSPI層が形成される
図35の実施形態とは対照的に、
図37の実施形態は、追加のマスキング・ステップとエッチング・ステップとを必要とする。「グレイトーン」マスクは、完全露光(マスク上の透明なエリア)ゾーンと無露光(マスク上の不透明なエリア)ゾーンとの間の遷移領域において部分的な露光をもたらすマスクである。より詳細には、
図37の実施例に示されるように、BLM:Alパッド・ビア37は、従来のマスキング及びエッチング・プロセスを用いて、PSPI層20の中に形成される。さらに、支持ショルダ115は、従来のマスキング及びエッチング・プロセスを用いて、追加層135の中に形成される。しかしながら、2つの層(即ち、PSPI層20及び追加層135)を用いることによって、例えば
図35の実施形態で用いられるグレイトーン・マスクを最適化する際に直面するあらゆる問題をなくすことができる。
図38−
図40は、
図35−
図37の実施形態に対応するものであるが、
図38−
図40の実施形態の各々はBLMマスクを用いており、BLM層40は
支持ショルダ115上には形成されない。
【0059】
図41−
図43は、C4構造体についての例示的な応力プロットを示す(各々は、同じ応力スケールである)。より詳細には、
図41は、POR構造体(例えば、
図25に示されるもの)の応力プロットを示す。
図42は、本発明の態様による、輪郭付きPSPI層130を有する構造体(例えば、
図36に示されるもの)の応力プロットを示す。
図43は、本発明の付加的な態様による、延長されたPSPI層20を有する構造体(例えば、
図35に示されるもの)の応力プロットを示す。問題となる2つの高応力域が存在しており、1つは最終ポリイミド・ビア縁部の直下で下向きに延び、2つめはポリイミドの上に載った外側のBLM縁部から下向きに延びる。さらに、POR構造体(例えば、
図41に示されるもの)では、これらの2つの応力域は収束して、互いに強め合う場合がある。しかしながら、本発明の態様によれば、支持ショルダ115は、高応力領域を最終ビア縁部から移動させ、BLM/C4構造体の限界縁部(critical edge)において、チップ接合及び熱サイクル中に生じる引張り応力に対するクッションとなる効果を有する。
【0060】
図41においてみられるように、POR構造体の応力は、BLM層40及びアルミニウム・パッド層25の下方に位置し、図示されるように層分離の開始点を生成する。さらに、
図41に示されるように、2つの応力域は互いの上において、例えば収束し、それが、下方の配線レベルにおけるBEOL損傷のより高いリスクを生じさせる。
【0061】
対照的に、本発明の態様による構造体の応力プロットを示す
図42及び
図43の各々に示されるように、応力は、本質的にアルミニウム・パッド層25を越えて移動しており、
図41のPOR構造体で生じるような層分離の開始点を呈することはない。さらに、
図42及び
図43に示されるように、高応力域は互いから隔てられており、これらは互いに収束することはなく、下方の配線レベルにおけるBEOL損傷のリスクはより低くなる。さらに、
図43に示される応力領域は、
図41の応力領域と比べて、広がりがより少ない。その上、輪郭付きPSPI層の実施形態(
図42)と延長されたPSPI層の実施形態(
図43)との両方における全体的な応力レベルは、POR構造体(
図41)と比べて低い。
【0062】
表1は、POR構造体(例えば、
図25に示されるもの)、C4の周りに輪郭付きPSPI層130(又はウェッジ)(例えば、
図36に示されるもの)、延長されたPSPI層20(例えば、
図35に示されるもの)、及び、延長されたより高い弾性率の材料層を含むC4構造体について、限界層分離位置(critical delamination location)における例示的な最大相対応力レベルの結果を示す。
【表1】
【0063】
卵型はんだボール
本発明の態様によれば、C4が底部及び上部において円形にならないようにC4の形状を変更することによって、C4にかかる応力を劇的に低減させることができる。これにより、C4疲労のリスクが低減すると共に、C4ホワイト・バンプのリスクが低減する。
【0064】
より具体的には、本発明の更なる態様によれば、周縁部C4(例えば、コーナーのC4及び/又は縁部のC4)の中立点までの距離(DNP)軸線方向のBLMパッド寸法は、チップ中心エリアにおける通常のC4と比べて小さくされる。このようにBLMパッド寸法を小さくすると、C4はんだがBLMパッドに堆積したときに、C4は卵型の形状をとる。即ち、例えば、チップ上におけるチップ内側のC4は球形状を有することができるのに対し、本発明の付加的な態様により、チップ周縁部のC4は3次元卵型形状を有することができる。実施形態においては、外側の3列のC4は卵型形状を有することができるが、本発明においては他の構成も考慮されている。例えば、実施形態においては、チップのコーナーの外側3列のC4が卵型形状を有することもできる。さらに、実施形態においては、コーナーの外側3列より多いC4又は少ないC4が、本発明の態様による卵型形状を有することができる。さらに、実施形態においては、チップの縁部に沿った外側3列のC4が卵型形状を有することができる。さらに、実施形態においては、C4の少なくとも大部分が卵型形状を有し、及び/又は、C4の全てが卵型形状を有することができる。
【0065】
卵型形状を有するC4をチップの周縁部(例えば、コーナー又は縁部の外側3列)に用いることにより、C4にかかる応力が低減され、このことが、相互接続のより長い熱サイクル寿命につながる。即ち、卵型形状のC4は、C4をより柔軟なものにする。また、卵型形状のC4は、ピーク応力を約61パーセント低減する実施形態において、BEOL誘電体にかかる応力を低減し、このことが、C4ホワイト・バンプのリスクの低減につながる。
【0066】
実施形態においては、卵型のC4形状は、例えば、BLMの形状を変更することによって実現することができる。即ち、(球状のC4が得られる)円形のBLM形状の代わりに、本発明の態様は、(卵型C4が得られる)楕円形のBLMを用いる。C4NPバンプ技術は、本発明のこの態様を利用するのに適している。さらに、BLM形状の変更はコスト/サイクル時間に影響を及ぼさない。
【0067】
図44は、複数のC4を有するチップを示すものであり、図の左側は、球形状を有する従来の周縁部のC4 205を示し、図の右側は、本発明の態様による、チップのコーナーを卵型C4 210とする例示的な構成を示す。
図45は、卵型(又は細長い)C4 210を上から見た図であり、剪断応力の軸線215を示す。
【0068】
図46は、冷却前後における、球形C4(左側)と卵型C4(右側)を用いてラミネート220に取り付けられたチップ200の例示的な側面図を示す。
図46を見て分かるように、冷却されると、異なるCTEに起因して、チップ200とチップ200をラミネート220に取り付けているC4とに剪断応力(矢印225で表す)が生じる。しかしながら、本発明の態様によれば、チップの周縁部に卵型C4 210を用いることによって、C4のピーク応力を約61パーセント低減することができる。さらに、
図46に示されるように、本発明の態様によれば、ラミネート220のはんだレジスト開口部を卵型形状に変更することによって、(卵型C4を得るように)卵型BLMを形成する方法と同じ方法をラミネート220上にも用いることができる。
【0069】
制限ゾーン
本発明の更なる態様によれば、BEOLの中まで延びてホワイト・バンプ形成をもたらす引張り応力場の影響を最小化するためのBEOL設計方法を用いることができる。モデル化することによって、2つの主要な引張り応力点(これは、下にある銅配線構造体とは無関係である)、即ち、BLMの縁部における引張り応力点と、ポリイミド最終ビアの基部における別の引張り応力点(C4のチップ中心点から離れた位置の側に位置する)とを特定した。さらに、別の故障の状態は、CTEによるアンダーフィル層分離(又は、CP
Iチップ・レベルひび割れ)を含むが、これは、例えばチップ縁部又はコーナーにおいて発生し、例えば応力場におけるチップの信頼性ストレス又は熱サイクル中に成長し続ける。層分離は、ひび割れがC4バンプを通って伝搬するか又は下降してBLM若しくはチップBEOL配線内に伝搬するかのいずれかの可能性がある近くのC4位置に達するまで、アンダーフィル/チップ・パッシベーション界面に沿って成長を続けることがある。
【0070】
図47は、C4構造体の例示的な有限要素モデリングを示す。
図47に示されるように、有限要素モデリングは、最終BLM構造体からBEOL内に向かって下向きに突出する2つの主要な引張り応力領域を特定した。第1の引張り応力領域は、C4の周縁部におけるBLM自体の終端点(即ち、
図47において示されるBLM縁部)に存在する。第2の引張り応力領域は、最終ポリイミド・ビア縁部の基部が下にあるレベルと接触する点(即ち、
図47において示されるPSPI縁部−最終ビア)で発生する。
図47に示されるように、応力は、C4の外側縁部上の引張りであり、BEOL内に延び、応力ピークはC4最終ビア縁部(又はPSPI縁部)及び(チップ縁部側の)BLM縁部において生じている。
【0071】
図48は、異なるBLM直径を持つC4について、最終ビア直径に対する冷却時におけるチップの相対応力の例示的なプロットを示す。
図48からみることができるように、BLM縁部が最終ビア縁部から遠ざかるようにBLM直径が大きくなるに従って及び/又は一般には最終ビア直径が小さくなるに従って、相対応力は減少する。BLM直径を大きくすることで最終ビアの近くからの影響を低減することにより、応力場が減少する。逆に、BLM縁部が最終ビア縁部に接近するようにBLM直径が小さくなるに従って及び/又は一般に最終ビア直径が大きくなるに従って、最終ビア縁部とBLM応力場とが収束し始めて互いを補強し合うため、相対応力は増大する。
【0072】
BLM縁部及びPSPI縁部−最終ビアにおけるこれら2つの応力領域は、下にある配線設計とは無関係である。しかしながら、これらの応力領域内に位置する配線は、BLM縁部及びPSPI縁部−最終ビアにおいて受ける応力に応じて、より破断しやすい。
【0073】
本発明の態様によれば、最終ビア及びC4/BLM構造並びに配置、特に上述した2つの(チップ中心点から離れたC4の側、即ちチップ縁側に位置する)引張り応力の領域(又は突部領域)を考慮に入れて、BEOL銅配線の最後の数レベルの設計を用いることができる。例えば、実施形態においては、配線は、制限ゾーンを設計に用いて、これらの高い引張り応力の領域から特定的に排除される。
【0074】
さらに、実施形態においては、2つの応力領域に侵入することなく必要な限り多くの配線間隔が可能になるようにBLM縁部と最終ビア(FV又はLV)縁部との間の分離距離を制御することによってFVサイズが定められるようにする設計要件を追加することにより、特定のC4バンプ位置の下の配線レイアウトをさらに最適化することができる。例えば、本発明の態様によれば、特定のC4位置の下の高密度配線によって、FVからBLMへの弦(即ち、BLM縁部と最終ビア(FV)縁部との間の距離)を大きくすることができる。次いで、この拡大によって、FVイメージが(例えば、同一チップ上の近くのC4位置に比べて)小さくなる。このように、本発明の態様によれば、特定のチップ設計全体にわたって、カスタマイズされた最終ビア・レベルを可変FVサイズと併せて用いることができる。
【0075】
図49は、上述した2つの領域、即ち
図50及び
図51に示される最終ビア縁部領域(位置「B」として特定される)及びBLM縁部(又はビア下の銅パッド領域)(位置「A」として特定される)についての相対応力に対するPSPIの厚さの例示的なプロットを示す。さらに、
図49は、最終ビア縁部領域とBLM縁部との間の垂直方向オフセット接
続を示す。
図49に示されるように、チップ・レベルの応力は、PSPI層の厚さに部分的に依存する。より詳細には、チップ・レベルの応力は、BLM縁部(位置A)におけるPSPI層の厚さに逆依存する。さらに、チップ・レベルの応力は、最終ビア縁部(位置B)におけるPSPI層の厚さに直接依存する。
【0076】
図52は、上述された高応力領域に形成されたビア315を有するC4構造体400を示し、
図53及び
図54は、本発明の態様によって設計された例示的なC4構造体300’及び300’’を示す。
図52−
図54に示されるように、応力領域305及び310は、C4構造体のチップ縁部側において、それぞれPSPI縁部(又は最終ビア縁部)及びBLM縁部の周りに生じる。さらに、
図52に示されるように、C4構造体300は、高引張り応力領域305及び310に配置されたビア315を含み、これらは、破断及びホワイト・バンプ形成にさらされる。
【0077】
図53に示されるように、C4構造体300’は、高応力領域305及び310から離れた位置、例えばその外部に、特定的に設置されたビアを含む。例えば、1つのビア315は、2つの高応力領域305及び310の間に位置しているが、他のビア315は、C4構造体300’のチップ中心側に位置しており、チップ中心側は、チップ縁部側に存在する高応力領域305及び310を含んでいない。さらに、
図52と
図53の比較からわかるように、最終ビア直径320は両方の構造体について同じであり、従って、最終ビア縁部とBLM縁部との間の弦の長さ325は、各々の構造体について同じである。
【0078】
図54に示されるように、C4構造体300’’は、高応力領域305及び310の外部に位置決めされたビア315を含む。例えば、2つのビア315は、2つの高応力領域305及び310の間に位置している。また、他のビア315は、C4構造体300’’のチップ中心側に位置しており、チップ中心側は、チップ縁部側において観察される高応力領域305及び310を含んでいない。
【0079】
さらに、
図54の例示的なC4構造体300’’では、局所的な配線設計要件(例えば、追加の配線エリアについての要件)によって、最終ビア縁部がBLM縁部からさらに離される。このことは、この位置における最終ビア・サイズの縮小をもたらす。即ち、
図52と
図54の比較からわかるように、C4構造体300’’の最終ビア直径320’’は、C4構造体300の最終ビア直径320より小さく、従って、最終ビア縁部とBLM縁部との間の弦の長さ325’’は、より大きい。最終ビア直径を縮小すること、従って最終ビア縁部応力領域305を効果的に移動させることによって、配線、例えばビア315を配置するための追加の領域が生成される。
【0080】
本発明の更なる態様によれば、設計方法は、最終PSPIビア・レイアウト及びC4バンプ寸法に関して銅BEOL配線の形状及び配置を指定して、下にあるビア接続及び通過する配線が、既知の高引張り応力域に入らないようにすることを含む。即ち、下にあるビア接続及び通過する配線は、BLM縁部のほぼ直下の領域及び最終ビア縁部のほぼ直下の領域に入らない。本方法は、チップの引張り応力側(即ち、チップ縁部側又はチップ中心から180°の方向のC4遠位側)に適用することができる。配線制限ゾーンは、最終ビア基部の直下の点における複数の配線レベルについて、及び、BLM縁部の直下の点における複数の配線レベルについて、定められる。実施形態においては、制限ゾーンの間に、低応力の環状配線領域が定められる。例えば、実施形態においては、下にある配線及びビア接続について、BLM縁部及びFV縁部の直下において、例えば長さ約5μm−10μmの制限ゾーンを用いることができるが、本発明においては制限ゾーンの他の長さも考慮されている。実施形態においては、最終ビア及びC4設計を考慮して最終金属銅パッド及び近接する配線を設計することができる。
【0081】
さらに、最終金属銅パッド及び関連する配線は、可能な限り最終ビア及びC4の形状及び寸法に組み込むことができる。上述したように、実施形態においては、所与のチップ上の最終ビア(FV)直径の各々は、同一でなくてもよいが、チップ上の特定の位置における指定の配線要件に従うものとすることができる。さらに、最終ビアとBLM縁部との間の距離は、指定の局所配線要件に応じて最大にすることができる。例えば、所与のはんだバンプ寸法について最終ビア開口部を最小化し、最終ビア応力領域がBLM応力領域と交差(及び増幅)しないようにすることができる。
【0082】
図55は、本発明の態様による、上述された方法によって定められる例示的なグラウンドルール・パラメータを示すC4構造体350の側面図及び上面図を示す。
図55に示されるように、C4構造体350は、最終ビア直径「a」及びBLM(又はUBM)直径「b」を有する。さらに、ポリイミド(又はPSPI)ビアの基部における最終BEOLレベルの点として「A」点を定め、BLM縁部の直下の最終BEOLレベルの点として「B」点を定める。線分ABは、A点とB点を結ぶ参照線分であり、ここでAB=(b−a)/2である。
【0083】
図56は、本発明の態様による、上述された方法によって定められる例示的なグラウンドルール・パラメータを示す付加的な図を示す。
図56に示されるように、ABの中点は、環状配線領域353の中心を定める。さらに、影付きのエリアは、BLMの寸法内の制限ゾーン355及び360と、BLM層の外部に延びる制限ゾーン365とを示す。実施形態においては、制限ゾーン355、360、及び365の半径方向距離は、約5μm−10μmとすることができるが、本発明においては他の距離も考慮されている。
【0084】
上述したように、実施形態においては、各々のC4位置における最終ビア・サイズのカスタム最小化により、低応力の環状配線領域353を(例えば、配線領域がさらに配線を収容することができるように)拡大することができる。配線は、制限ゾーンを考慮に入れつつ、この拡大された領域の中心にくるように配置される。実施形態においては、電気的接続に必要な最小限界まで最終ビア・サイズを小さくすることができる。
【0085】
例えば、本発明の態様によれば、例示的な不等式(1)に従って最終ビア・サイズ(a)を最小にすることによって、弦の長さABを最大にすることができる。
(電流に必要な最小ビア・サイズ)<{a}<b:{(b−a)/2>/=〜10μm}(1)
ここで、(b−a)/2=AB、b=BLM直径、a=最終ビア直径である。不等式(1)は、「a」(各々のビア位置においてカスタマイズすることができる最終ビア・サイズ)が、特定の設計によって必要とされる電流が効率的に伝導するのに必要なサイズより大きい下限値を有し、線分ABを(例えば、環状配線領域353に十分な空間を提供するために)少なくとも10μmの長さに留めるようなサイズによって上限が定められることを示す。
【0086】
さらに、上述したように、ABの中点は、下にある複数の配線レベルのための環状配線領域353の中心点として用いることができる。即ち、線分ABの中点は、最終ビア縁部及びBLM縁部の下に位置する高応力の突部領域に入らないように意図されるチップ・レベル配線のための上述した方法によって形成されている、下にある設計エリアの中心点として考えるべきである。
【0087】
金属パッドの延長
特定のC4はんだバンプにおける応力は、はんだバンプの片側(チップ中心側に向いた側)では圧縮として、はんだバンプの反対側(チップ縁部側に向いた側)では引張りとして作用する。チップ縁部側に作用する引張力は、BEOL損傷を引き起こすことがある。
上述のように、引張力は、2つの主要な位置、即ち、BLMはんだパッドの縁部のほぼ直下と、はんだバンプがアルミニウム又は銅パッドのBEOLメタライゼーションに接続するポリイミド最終ビアのまさしく基部底とにおいて、最も強大である。高応力を克服するために、その上に重なるBLM層の周縁部寸法を越える上側金属アルミニウム金属パッド延長部を用いて、ホワイト・バンプの引張り応力がはんだバンプを通じてチップBEOLレベルに移動するのを軽減することができる。
【0088】
より具体的には、本発明の態様によれば、C4はんだボールにおける応力が下にあるBEOLレベルに伝わるのを低減するために、(通常のPOR寸法に対して)パッド延長部、例えばアルミニウム・パッドを用いることができる。実施形態においては、金属パッド延長部は、x、y方向に対称な金属パッド延長部とすることができる。さらに、本発明の更なる態様によれば、パッドは、「ホワイト・バンプ」を生じさせる引張力を受けるはんだバンプ構造体の一方の側、即ちチップ中心側から離れる向きのパッドの外縁部上に延長することができる。
【0089】
実施形態においては、金属パッドのサイズをx方向寸法及びy方向寸法のいずれも対称に延長させることができ、それにより、金属パッドは、(上から見た場合に)上にあるBLM/UBM縁部を越えて横方向に十分に延長される。本発明の態様によれば、延長された金属パッドの「翼部」は、この位置における下のBEOLレベルの破断から保護する応力緩和部を挿入する。さらに、延長された金属パッドは、追加の金属パッド質量によって、曲げに対する付加的な抵抗力に寄与する。
【0090】
図57は、本発明の態様に従って形成されたC4構造体425とともに、PORプロセスを用いて形成されたC4構造体405(左側)を含む、例示的なチップ400を示す。例示的なチップ400は、異なるサイズの金属パッド(例えば、アルミニウム・パッド又は銅パッド)を示す。左側に示されるように、PORプロセスを用いて形成されたC4構造体405は、寸法がBLM層415より小さい金属パッド410(例えば、アルミニウム・パッド)を含む。従って、アルミニウム・パッド410は、(上から見た場合に)上にあるBLM層415の境界内に完全に含まれ、下にあるBEOLを引張り応力に直接晒した状態にし、その応力が固い誘電体430を引っ張る。結果として、POR C4構造体405が(チップ縁部側において)引張り応力を受けると、C4はんだボールにかかる引張り応力及び回転応力は、下にあるBEOLレベルに伝達され、BEOLレベルの望ましくない破断を生じさせる。
【0091】
対照的に、
図57の右側に示されるように、例示的なC4構造体425は、(上から見た場合に)アルミニウム・パッド420が上のBLM層415の境界を越えて拡張されるように対称に延長された金属パッド420(例えば、アルミニウム・パッド)を有する。その結果、引張力は、固い誘電体層430の上の(例えば、2μmの厚さを有する)アルミニウム・パッド層420を引っ張り、ホワイト・バンプの応力がBEOLレベルに伝達されるのを軽減する。
【0092】
図58は、本発明の態様に従って形成されたC4構造体475(右図)とともに、PORプロセスを用いて形成されたC4構造体405(左図)を含む、例示的なチップ450を示す。例示的なチップ450は、異なるサイズの金属パッド(例えば、アルミニウム・パッド又は銅パッド)を示す。
図58の左側に示される、PORプロセスを用いて形成されたC4構造体405は、
図57を参照して上述されたものである。
【0093】
図58の右側に示されるように、例示的なC4構造体475においては、金属パッド480(例えば、アルミニウム・パッド)は、チップ中心から離れる方向の引張力が作用する側にBLM層415を越えて非対称に延長されており、それにより、アルミニウム・パ
ッド480は、(上から見た場合に)上のBLM層415の境界を越えてC4構造体475のチップ縁部側に拡張されている。さらに、
図58に示されるように、金属パッド480は、さらに2つの側部が延長され、それにより、金属パッド480は、これら2つの側部がBLM層415より大きくなっている。さらに、金属パッド480は、チップ中心方向の側部がさらに延長されているが、
図58の例では、金属パッド480のその側部はBLM層415より小さい。
【0094】
金属パッド延長の結果として、引張力は、固い誘電体層430の上の(例えば、2μmの厚さを有する)アルミニウム・パッド層480を引っ張り、ホワイト・バンプの応力がBEOLレベルに伝達されるのを軽減する。当然のことながら、
図58は4方向全てにおける金属パッドの延長を示しているが、本発明は、金属パッドが少なくともBLM層415を越えてチップ縁部方向に延長される限り、金属パッド480を1方向、2方向、3方向、又は4方向に延長可能であることが考慮されている。
【0095】
図59及び
図60は、2つのC4構造体の応力プロットを示す。より詳細には、
図59は、(上から見た場合に)上に重なるBLM層490の境界内に完全に含まれる金属パッド485を有するPOR C4構造体の応力プロットを示す。対照的に、
図60は、本発明の態様に従って設計されたC4構造体の応力プロットを示す。すなわち、
図60は、(上から見た場合に)上に重なるBLM層490の境界を越えて延長された金属パッド495を有するC4構造体の応力プロットを示す。
図59及び
図60に示されるように、それぞれの金属パッド485及び495(例えば、アルミニウム・パッド)のおおよその位置は、黒の輪郭線で示される。
【0096】
図59及び
図60において示されるように、応力は、C4構造体のチップ縁部側のBLM縁部の下の酸化物において極大として観測される。しかしながら、
図59と
図60を比較すると、(
図60に示される)延長された金属パッド495を有するC4構造体では、(
図59に示される)POR金属パッド485を有するC4構造体について測定される応力領域突部487より小さな応力領域突部497が測定されている。さらに、
図59及び
図60のグレーの影付き画像では判別しにくいが、延長された金属パッド495を有するC4構造体は、POR金属パッド485を有するC4構造体と比較して、応力領域突部497全体の応力のレベルがより低くなっている。実施形態においては、延長された金属(例えば、アルミニウム)パッドを有するC4構造体が受ける引張り応力は、POR金属パッドを有するPOR C4構造体に比べて、20%低減されている。
【0097】
上述した方法は、集積回路チップの製造に用いられる。得られる集積回路チップは、製造業者によって、生のウェハ形態で(即ち、多数のパッケージングされていないチップを有する単一のウェハとして)、裸のダイとして、又はパッケージングされた形態で、流通される場合がある。後者の場合には、チップは、(マザーボード又は他のより高いレベルのキャリアに取り付けられたリードを有するプラスチック・キャリアなどといった)シングル・チップ・パッケージ、又は、(表面相互接続又は埋め込み相互接続の一方又は両方を有するセラミック・キャリアなどといった)マルチ・チップ・パッケージにマウントされる。いずれの場合にも、チップは、次いで、(a)マザーボードなどの中間製品又は(b)最終製品のいずれかの一部として、他のチップ、個別の回路要素、及び/又は他の信号処理デバイスと統合される。最終製品は、集積回路チップを含むいずれかの製品とすることができる。
【0098】
設計フロー
図61は、例えば、半導体の設計、製造、及び/又は試験に用いられる例示的な設計フロー6100のブロック図を示す。設計フロー6100は、設計されるICのタイプに応じて変わることがある。例えば、特定用途向けIC(ASIC)を構築するための設計フ
ロー6100は、標準的なコンポーネントを設計するための設計フロー6100、又は、例えばAltera(登録商標)社若しくはXilinx(登録商標)社によって提供されるプログラマブル・ゲート・アレイ(PGA)又はフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などのプログラマブル・アレイに設計を具体化するための設計フロー6100とは異なるものとすることができる(Alteraは、米国、その他の国々、又はその両方における、Altera Corporationの登録商標である。Xilinxは、米国、その他の国々、又はその両方における、Xilinx,Inc.の登録商標である)。設計構造6120は、好ましくは、設計プロセス6110への入力であり、IPプロバイダ、コア・デベロッパ、若しくは他の設計会社から提供されるか、又は、設計フローのオペレータによって若しくは他のソースから生成される場合がある。設計構造6120は、
図1−
図24、
図26−
図40、
図44、
図53、
図54、
図57、及び
図58に示される本発明の実施形態を、図又はHDL即ちハードウェア記述言語(例えば、VERILOG(登録商標)、Very High Speed Integrated Circuit(VHSIC)ハードウェア記述言語(VHDL)、C言語など)の形態で含む。(VERILOGは、米国、その他の国々、又はその両方における、Cadence Design Systems,Inc.の登録商標である)。設計構造6120は、1つ又は複数の機械可読媒体に収容することができる。例えば、設計構造6120は、
図1−
図24、
図26−
図40、
図44、
図53、
図54、
図57、及び
図58に示される本発明の実施形態のテキスト・ファイル又は図表現とすることができる。設計プロセス6110は、好ましくは、
図1−
図24、
図26−
図40、
図44、
図53、
図54、
図57、及び
図58に示される本発明の実施形態をネットリスト6180に統合(又は翻訳)し、ネットリスト6180は、集積回路設計における他の要素及び回路への接続を記述する、例えば配線、トランジスタ、論理ゲート、制御回路、I/O、モデルなどのリストであり、機械可読媒体の少なくとも1つに記録される。例えば、媒体は、CD、コンパクト・フラッシュ、他のフラッシュ・メモリ、インターネットを経由して送信されるデータのパケット、又は他のネットワークに適した手段とすることができる。統合は、反復プロセスとすることができ、このプロセスにおいては、ネットリスト6180は、回路の設計仕様及びパラメータに応じて1回又は複数回再統合される。
【0099】
設計プロセス6110は、種々の入力、例えば、モデル、レイアウト、及び記号表現を含む、所与の製造技術(例えば、異なる技術ノード、32nm、45nm、90nmなど)について一般に使用される要素、回路、及びデバイスの組を収容することができるライブラリ要素6130、設計仕様6140、特性データ6150、検証データ6160、設計ルール6170、及び(テスト・パターン及び他の試験情報を含むことができる)試験データ・ファイル6185からの入力を用いることを含むことができる。設計プロセス6110は、タイミング分析、検証、設計ルール・チェック、配置及びルート操作などといった標準的な回路設計プロセスをさらに含むことができる。集積回路設計の当業者であれば、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、設計プロセス6110において用いられる可能な電子設計自動化ツール及びアプリケーションの範囲を認識することができる。本発明の設計構造は、いずれかの特定の設計フローに限定されることはない。
【0100】
設計プロセス6110は、好ましくは、
図1−
図24、
図26−
図40、
図44、
図53、
図54、
図57、及び
図58に示される本発明の実施形態を、(該当する場合には)いずれかの付加的な集積回路設計又はデータと共に、第2の設計構造6190に変換する。設計構造6190は、集積回路のレイアウト・データの交換に用いられるデータ形式及び/又は記号データ形式(例えば、GDSII(GDS2)、GL1、OASIS、マップ・ファイル、又は、このような設計構造を格納するための他のいずれかの適切な形式)で、ストレージ媒体上に存在する。設計構造6190は、例えば、記号データ、マップ・ファイル、試験データ・ファイル、設計内容ファイル、製造データ、レイアウト・パラメータ、配線、金属のレベル、ビア、形状、製造ラインを通るルート決定のためのデータ、
及び、半導体製造業者が
図1−
図24、
図26−
図40、
図44、
図53、
図54、
図57、及び
図58に示される本発明の実施形態を製造するのに必要な他のいずれかのデータといった情報を含むことができる。設計構造6190は、次いで、ステージ6195に進み、ここでは、設計構造6190は、例えば、テープアウトに進む、製造に向けてリリースされる、マスク会社にリリースされる、別の設計会社に送られる、顧客の元に送られる、等を行う。
【0101】
ここで用いられる用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、本発明を限定することを意図していない。ここで用いられる単数形の「1つの」、「1つの」及び「その」という用語は、文脈が明確に他の場合を指示していない限り、複数形も含む。「含む」及び/又は「含んでいる」という用語は、本明細書で用いられるときには、述べられた特徴、完全体、ステップ、操作、要素、及び/又はコンポーネントの存在を特定するが、1つ又は複数の他の特徴、完全体、ステップ、操作、要素、コンポーネント、及び/又はそれらのグループの存在又は付加を排除するものではないことが、さらに理解されよう。
【0102】
特許請求の範囲におけるすべての機能付き手段(ミーンズ・プラス・ファンクション)又は機能付き工程(ステップ・プラス・ファンクション)の対応する構造、材料、動作、及び均等物は、該当する場合には、具体的に請求される他の請求要素と組み合わせて本機能を実施するためのいずれかの構造、材料、又は動作を含むことを意図している。本発明の記載は、例示及び説明の目的で提示されたが、網羅的であることを意図するものでも、開示された形態の発明に限定されることを意図するものでもない。当業者であれば、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、多くの修正及び変形が明らかであろう。実施形態は、本発明の原理及び実際の適用を最も良く説明し、当業者以外であっても考慮される特定の使用に適した種々の修正を伴う種々の実施形態について本発明を理解できるように、選択され、説明された。従って、本発明は実施形態に関して説明されたが、当業者であれば、本発明を修正して、特許請求の範囲の趣旨及び範囲内で実施できることが分かるであろう。