(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-12843(P2015-12843A)
(43)【公開日】2015年1月22日
(54)【発明の名称】ナノオーダー分散処理飲料、ナノオーダー分散処理調味料、ナノオーダー分散処理飲料の製造方法及びナノオーダー分散処理調味料の製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 2/00 20060101AFI20141219BHJP
A23L 1/22 20060101ALI20141219BHJP
【FI】
A23L2/00 B
A23L1/22 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】26
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-142210(P2013-142210)
(22)【出願日】2013年7月8日
(71)【出願人】
【識別番号】512212955
【氏名又は名称】株式会社アマケンテック
(71)【出願人】
【識別番号】512213882
【氏名又は名称】米田 賢史
(71)【出願人】
【識別番号】512213893
【氏名又は名称】米田 揚昌
(74)【代理人】
【識別番号】100169133
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】米田 賢史
【テーマコード(参考)】
4B017
4B047
【Fターム(参考)】
4B017LC02
4B017LK30
4B017LP18
4B047LE10
4B047LF07
4B047LG70
4B047LP20
(57)【要約】
【課題】味や香り、或いは風味が優れ、爽やかな酔い心地とすっきりした酔い覚めをもたらすアルコール飲料や、味や香り、或いは風味に優れた飲料或いは調味料を実現する。
【解決手段】ナノオーダーの分散を行うことによって飲料中或いは調味料の水分子の会合及び/又はアルコールを含む他の成分の会合をナノオーダーに分散することにより、味や香り、或いは風味が優れ、爽やかな酔い心地とすっきりした酔い覚めをもたらすアルコール飲料や、味や香り、或いは風味に優れた飲料或いは調味料を実現した。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルコール飲料を含む飲料或いは調味料に於いて、減圧脱気を行いながら撹拌分散を行うことにより味や香り、或いは風味が優れ、爽やかな酔い心地とすっきりした酔い覚めをもたらすアルコール飲料や、味や香り、風味に優れた飲料或いは調味料を得ることを特徴とするナノオーダー分散処理飲料及びナノオーダー分散処理調味料。
【請求項2】
アルコール飲料を含む飲料或いは調味料に於いて、該アルコール飲料を含む飲料或いは調味料は飲料或いは調味料中の水分子の会合及び/又はアルコールを含む他の成分の会合を10μm以下に調製したことを特徴とする、請求項1記載のナノオーダー分散処理飲料及びナノオーダー分散処理調味料。
【請求項3】
該アルコール飲料を含む飲料或いは調味料は飲料或いは調味料中の水分子の会合及び/又はアルコールを含む他の成分の会合を5μm以下に調製したことを特徴とする、請求項2記載のナノオーダー分散処理飲料及びナノオーダー分散処理調味料。
【請求項4】
該アルコール飲料を含む飲料或いは調味料は飲料中或いは調味料の水分子の会合及び/又はアルコールを含む他の成分の会合を1μm以下に調製したことを特徴とする、請求項3記載のナノオーダー分散処理飲料及びナノオーダー分散処理調味料。
【請求項5】
該アルコール飲料を含む飲料或いは調味料は飲料或いは調味料中の水分子の会合及び/又はアルコールを含む他の成分の会合を0.5μm以下に調製したことを特徴とする、請求項4記載のナノオーダー分散処理飲料及びナノオーダー分散処理調味料及びナノオーダー分散処理調味料。
【請求項6】
該減圧脱気の圧力が1Pa乃至50000Paであることを特徴とする、請求項1乃至5記載のナノオーダー分散処理飲料及びナノオーダー分散処理調味料。
【請求項7】
該減圧脱気の圧力が1Pa乃至5000Paであることを特徴とする、請求項6記載のナノオーダー分散処理飲料及びナノオーダー分散処理調味料。
【請求項8】
該減圧脱気の圧力が1Pa乃至500Paであることを特徴とする、請求項7記載のナノオーダー分散処理飲料及びナノオーダー分散処理調味料。
【請求項9】
該撹拌分散は、容器体中で減圧し、プロペラを用いて撹拌することにより行われたことを特徴とする、請求項1乃至8記載のナノオーダー分散処理飲料及びナノオーダー分散処理調味料。
【請求項10】
該撹拌分散工程中のプロペラの回転数は200rpm乃至5000rpmの範囲で行われたことを特徴とする、請求項9記載のナノオーダー分散処理飲料及びナノオーダー分散処理調味料。
【請求項11】
該ナノオーダー分散処理飲料或いは調味料は、完成した飲料に対してナノオーダーの分散を行うことを特徴とする、請求項1乃至10記載のナノオーダー分散処理飲料及びナノオーダー分散処理調味料。
【請求項12】
該ナノオーダー分散処理飲料或いは調味料は、飲料或いは調味料の原料として用いる水に対してナノオーダーの分散を行ったものを用いることを特徴とする、請求項1乃至10記載のナノオーダー分散処理飲料及びナノオーダー分散処理調味料。
【請求項13】
該ナノオーダー分散処理飲料或いは調味料は、飲料或いは調味料製造工程の中間段階に於いてナノオーダーの分散を行うことを特徴とする、請求項1乃至10記載のナノオーダー分散処理飲料及びナノオーダー分散処理調味料。
【請求項14】
アルコール飲料を含む飲料或いは調味料の製造方法に於いて、減圧脱気を行いながら撹拌分散を行うことにより味や香り、或いは風味が優れ、爽やかな酔い心地とすっきりした酔い覚めをもたらすアルコール飲料や、味や香り、或いは風味に優れた飲料或いは調味料を得ることを特徴とするナノオーダー分散処理飲料及びナノオーダー分散処理調味料の製造方法。
【請求項15】
アルコール飲料を含む飲料或いは調味料の製造方法に於いて、該アルコール飲料を含む飲料或いは調味料は飲料中或いは調味料の水分子の会合及び/又はアルコールを含む他の成分の会合を10μm以下に調製したことを特徴とする、請求項14記載のナノオーダー分散処理飲料及びナノオーダー分散処理調味料の製造方法。
【請求項16】
該アルコール飲料を含む飲料或いは調味料は飲料中或いは調味料の水分子の会合及び/又はアルコールを含む他の成分の会合を5μm以下に調製したことを特徴とする、請求項15記載のナノオーダー分散処理飲料及びナノオーダー分散処理調味料の製造方法。
【請求項17】
該アルコール飲料を含む飲料或いは調味料は飲料中或いは調味料の水分子の会合及び/又はアルコールを含む他の成分の会合を1μm以下に調製したことを特徴とする、請求項16記載のナノオーダー分散処理飲料及びナノオーダー分散処理調味料の製造方法。
【請求項18】
該アルコール飲料を含む飲料或いは調味料は飲料中或いは調味料の水分子の会合及び/又はアルコールを含む他の成分の会合を0.5μm以下に調製したことを特徴とする、請求項17記載のナノオーダー分散処理飲料及びナノオーダー分散処理調味料の製造方法。
【請求項19】
該減圧脱気の圧力が1Pa乃至50000Paであることを特徴とする、請求項14乃至18記載のナノオーダー分散処理飲料及びナノオーダー分散処理調味料の製造方法。
【請求項20】
該減圧脱気の圧力が1Pa乃至5000Paであることを特徴とする、請求項19記載のナノオーダー分散処理飲料及びナノオーダー分散処理調味料の製造方法。
【請求項21】
該減圧脱気の圧力が1Pa乃至500Paであることを特徴とする、請求項20記載のナノオーダー分散処理飲料及びナノオーダー分散処理調味料の製造方法。
【請求項22】
該撹拌分散は、容器体中で減圧し、プロペラを用いて撹拌することにより行われたことを特徴とする、請求項14乃至21記載のナノオーダー分散処理飲料及びナノオーダー分散処理調味料の製造方法。
【請求項23】
該撹拌分散工程中のプロペラの回転数は200rpm乃至5000rpmの範囲で行われたことを特徴とする、請求項22記載のナノオーダー分散処理飲料及びナノオーダー分散処理調味料の製造方法。
【請求項24】
該ナノオーダー分散処理飲料或いは調味料は、完成した飲料に対してナノオーダーの分散を行うことを特徴とする、請求項14乃至23記載のナノオーダー分散処理飲料及びナノオーダー分散処理調味料の製造方法。
【請求項25】
該ナノオーダー分散処理飲料或いは調味料は、飲料の原料として用いる水に対してナノオーダーの分散を行ったものを用いることを特徴とする、請求項14乃至23記載のナノオーダー分散処理飲料及びナノオーダー分散処理調味料の製造方法。
【請求項26】
該ナノオーダー分散処理飲料或いは調味料は、飲料製造工程の中間段階に於いてナノオーダーの分散を行うことを特徴とする、請求項14乃至23記載のナノオーダー分散処理飲料及びナノオーダー分散処理調味料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルコール飲料を含む飲料或いは調味料に関し、ナノオーダー分散処理飲料、ナノオーダー分散処理調味料、ナノオーダー分散処理飲料の製造方法及びナノオーダー分散処理調味料の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
飲料、特にアルコール飲料は個人の嗜好に拠るところが大きい。味や香り、或いは風味に関しては定量的な判断が難しいところであるが、美味な飲料に対するニーズは大きい。
【0003】
また、アルコール飲料に関しては、酔い心地といった要素も重要であり、これらの消費者ニーズに応える研究が多々行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−55886号公報
【特許文献2】特開2010−5490号公報
【特許文献3】特開2010−284598号公報
【特許文献4】特開2011−103814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする課題は、味や香り、或いは風味が優れ、爽やかな酔い心地とすっきりした酔い覚めをもたらすアルコール飲料や、味や香り、或いは風味に優れた飲料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これらの課題を解決するため、筆者らは、アルコール飲料を含む飲料に対して、筆者らが継続的に研究しているナノオーダー分散方法を応用することにより、味や香り、或いは風味が優れ、爽やかな酔い心地とすっきりした酔い覚めをもたらすアルコール飲料や、味や香り、或いは風味に優れた飲料が得られることを見出し、本発明を完成したのである。ここで、本発明に係るナノオーダー分散処理飲料には、アルコール飲料を含む飲料のみならず果汁飲料、乳飲料、水など、さまざまな飲料が含まれ、ナノオーダー分散処理飲料の製造方法はこれらに幅広く応用することが出来る。また、かかる飲料には希釈して或いは添加して調味に用いる液体、例えば醤油、ソーズ、みりん、ドレッシング或いは食酢などを含む。さらに、本発明に係るナノオーダー分散処理飲料等の製造方法は、その原料となる液体に本発明に係るナノオーダー分散処理を施すことによってビール、スパークリングワインなどを含む炭酸飲料にも応用出来、これらの飲料も本発明に係るナノオーダー分散処理飲料等に含まれる。
【発明の効果】
【0007】
本発明のナノオーダー分散処理飲料等及びナノオーダー分散処理飲料等の製造方法は、、味や香り、或いは風味が優れ、爽やかな酔い心地とすっきりした酔い覚めをもたらすアルコール飲料や、味や香り、或いは風味に優れた飲料を実現するという利点があり、もって多岐に亘る用途に活用出来、我が国産業の発展に資するものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は本発明に係るナノオーダー分散処理飲料等の製造方法の工程のフローチャートである。
【
図2】
図2は本発明に係るナノオーダー分散処理飲料等の製造に用いる減圧撹拌分散装置の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、ナノオーダー分散処理飲料等及びナノオーダー分散処理飲料等の製造方法において、減圧脱気を行いながら撹拌分散を行うことにより、味や香り、或いは風味が優れ、爽やかな酔い心地とすっきりした酔い覚めをもたらすアルコール飲料や、味や香り、或いは風味に優れた飲料等を実現するナノオーダー分散処理飲料等及びナノオーダー分散処理飲料等の製造方法である。ここで、本発明に係るナノオーダー分散処理飲料等には、アルコール飲料を含む飲料のみならず果汁飲料、乳飲料、水など、さまざまな飲料が含まれ、ナノオーダー分散処理飲料の製造方法はこれらに幅広く応用することが出来る。また、かかる飲料等には希釈して或いは添加して調味に用いる液体、例えば醤油、ソーズ、みりん、ドレッシング或いは食酢などを含む。さらに、本発明に係るナノオーダー分散処理飲料等の製造方法は、その原料となる液体に本発明に係るナノオーダー分散処理を施すことによってビール、スパークリングワインなどを含む炭酸飲料にも応用出来、これらの飲料も本発明に係るナノオーダー分散処理飲料に含まれる。
【0010】
本発明に係るナノオーダー分散処理飲料等の製造方法に於いては、減圧脱気を行いながら撹拌分散を行うことによりナノオーダーの分散を行った水を原料水或いは仕込み水に用いる、或いは飲料となったものを減圧脱気を行いながら撹拌分散を行うことによりナノオーダーの分散を行う。
【0011】
図1は、本発明に係るナノオーダー分散処理飲料等の製造方法の工程のフローチャートである。本発明に係るナノオーダー分散処理飲料等の製造方法に於いては、減圧脱気を行いながら撹拌分散を行うことによりナノオーダーの分散を行うことによって飲料中の水分子の会合及び/又はアルコールを含む他の成分の会合をナノオーダーに分散することにより、味や香り、或いは風味が優れ、爽やかな酔い心地とすっきりした酔い覚めをもたらすアルコール飲料や、味や香り、或いは風味に優れた飲料が得られる。ここで、ナノオーダー分散処理は既に完成した飲料に対して行っても良いが、飲料製造工程に於ける中間段階で行っても良いし、さらには原料水或いは原料液としてナノオーダー分散処理を行った水或いは原料液を用いることも効果的である。
【0012】
図2は、本発明に係るナノオーダー分散処理飲料等の製造に用いる減圧撹拌分散装置の概念図である。本発明に係るナノオーダー分散処理飲料等の製造に用いる減圧撹拌分散装置は、フランジを有して容器部と蓋部が開閉出来るようになっており、前記原料水、原料液或いは飲料を容器部に投入後フランジを密着させて容器部と蓋部を締め付け、容器体内を減圧出来るようになっている。
【0013】
前記前記原料水或いは飲料等を容器部に投入後してフランジの締め付けを行った後、真空ポンプを作動させて容器体内を減圧し、またプロペラを回転させて撹拌分散を行う。なお、本発明に係るナノオーダー分散処理飲料等の製造方法に於いては、撹拌分散工程中の容器体内の圧力は1Pa乃至50000Paに調整することが望ましい。容器体内の圧力は1Pa乃至5000Paに調整することがさらに望ましく、1Pa乃至500Paに調整することがより望ましい。容器体内に設置されたプロペラを回転させて撹拌分散を行う工程と減圧工程は交互に繰り返して行うか、或いは同時に行われる。
【0014】
容器体内に設置されたプロペラは、飲料中の水分子の会合及び/又はアルコールを含む他の成分の会合をナノオーダーに切断分散させる形状であることが撹拌分散に有効である。また、撹拌分散工程中のプロペラの回転数は200rpm乃至5000rpmの範囲に維持することが望ましい。減圧及び/又は撹拌分散工程は、トータルで5分以上24時間以下の範囲で行うことが望ましい。減圧及び/又は撹拌分散工程は、トータルで30分以上12時間以下の範囲で行うことがさらに望ましく、1時間以上6時間以下の範囲で行うことがより望ましく、2時間以上4時間以下の範囲で行うことがより望ましい。
【0015】
特に好ましいナノ化工程は、減圧工程と撹拌分散工程を交互に繰り返すことである。もちろん、撹拌分散工程中にも圧力を調整した上で減圧を行うことも有効である。この場合、特に低速回転での減圧撹拌分散、高速回転での減圧撹拌分散、の順に工程を繰り返すことがさらに有効である。前記の交互に低速及び高速回転での減圧撹拌分散を行う場合は、低速回転での減圧撹拌分散を1分以上30分以内、高速回転での減圧撹拌分散を5分以上3時間以内の工程を1セットとして繰り返すことがさらに望ましい。
【0016】
前記の減圧下での撹拌分散工程を経た本発明に係るナノオーダー分散処理飲料等は、味や香り、或いは風味が優れ、爽やかな酔い心地とすっきりした酔い覚めをもたらすアルコール飲料や、味や香り、或いは風味に優れた飲料等を実現するものであった。ここで、本発明に係るナノオーダー分散処理飲料等には、アルコール飲料を含む飲料のみならず果汁飲料、乳飲料、水など、さまざまな飲料が含まれ、ナノオーダー分散処理飲料の製造方法はこれらに幅広く応用することが出来る。また、かかる飲料等には希釈して或いは添加して調味に用いる液体、例えば醤油、ソーズ、みりん、ドレッシング或いは食酢などを含む。さらに、本発明に係るナノオーダー分散処理飲料の製造方法は、その原料となる液体に本発明に係るナノオーダー分散処理を施すことによってビール、スパークリングワインなどを含む炭酸飲料にも応用出来、これらの飲料も本発明に係るナノオーダー分散処理飲料に含まれる。これらも同様に、味や香り、或いは風味に優れていた。
【実施例1】
【0017】
以下、本発明に係るナノオーダー分散処理飲料等及びナノオーダー分散処理飲料等の製造方法を、実施例に基づいて詳細に説明する。
【0018】
本実施例に於いては、ナノオーダー分散処理を行った日本酒の製造を行った。ここでは、本発明に係るナノオーダー分散処理飲料等の製造方法の例について説明し、同時にナノオーダー分散処理飲料の製造に用いる減圧撹拌分散装置についても説明する。
【0019】
本実施例に於いては、ナノオーダー分散処理飲料等の原料として、市販されている日本酒を購入して用いた。なお、本発明に用いられる原料飲料としては、本実施例に係る材料に限定されるものではなく、各種のアルコール飲料或いはノンアルコール飲料を好適に用いることが出来る。さらに、本発明に係るナノオーダー分散処理飲料等には、アルコール飲料を含む飲料のみならず果汁飲料、乳飲料、水など、さまざまな飲料が含まれ、ナノオーダー分散処理飲料等の製造方法はこれらに幅広く応用することが出来る。また、かかる飲料等には希釈して或いは添加して調味に用いる液体、例えば醤油、ソーズ、みりん、ドレッシング或いは食酢などを含む。さらに、本発明に係るナノオーダー分散処理飲料等の製造方法は、その原料となる液体に本発明に係るナノオーダー分散処理を施すことによってビール、スパークリングワインなどを含む炭酸飲料にも応用出来、これらの飲料も本発明に係るナノオーダー分散処理飲料に含まれる。これらにも、本発明に係るナノオーダー分散処理飲料等の製造方法を好適に用いることが出来る。
【0020】
本実施例に於いては、ナノオーダー分散処理飲料として前記の市販の日本酒を本発明に係る減圧撹拌分散装置に投入して、減圧撹拌分散を行うことにより、本発明に係るナノオーダー分散処理済の日本酒が得られた。
【0021】
本発明に係るナノオーダー分散処理飲料等の製造に用いる減圧撹拌分散装置の概念図が、
図2に示される。本発明に係るナノオーダー分散処理飲料の製造に用いる減圧撹拌分散装置は、フランジを有して容器部と蓋部が開閉出来るようになっており、前記飲料原料を容器部に投入後フランジを密着させて容器部と蓋部を締め付け、容器体内を減圧出来るようになっている。
【0022】
前記飲料原料を容器部に投入後してフランジの締め付けを行った後、真空ポンプを作動させて容器体内を減圧し、またプロペラを回転させて撹拌分散を行った。なお、本発明に係るナノオーダー分散処理飲料の製造方法に於いては、撹拌分散工程中の容器体内の圧力は1Pa乃至50000Paに調整することが望ましい。容器体内の圧力は1Pa乃至5000Paに調整することがさらに望ましく、1Pa乃至500Paに調整することがより望ましい。本実施例においては、工程中で飲料に残留する空気の量により容器体内の圧力は変動するが、適宜容器体内の飲料の発泡の程度を観察して、バルブにより減圧度を調整した。
【0023】
容器体内に設置されたプロペラは、飲料中の水分子の会合及び/又はアルコールを含む他の成分の会合をナノオーダー切断分散させる形状であることが撹拌分散に有効である。また、撹拌分散工程中のプロペラの回転数は200rpm乃至5000rpmの範囲に維持することが望ましい。減圧及び/又は撹拌分散工程は、トータルで5分以上24時間以下の範囲で行うことが望ましい。減圧及び/又は撹拌分散工程は、トータルで30分以上12時間以下の範囲で行うことがさらに望ましく、1時間以上6時間以下の範囲で行うことがより望ましく、2時間以上4時間以下の範囲で行うことがより望ましい。
【0024】
容器体内に設置されたプロペラを回転させて撹拌分散を行う工程と減圧工程は交互に繰り返して行うか、或いは同時に行われる。特に好ましいナノ化工程は、減圧工程と撹拌分散工程を交互に繰り返すことである。本実施例においては、まずフランジを密封後、プロペラを1000rpm以下で低速回転させながら10分間の減圧を行い、その後プロペラの回転速度を1500rpm以上に上げて30分間の減圧撹拌分散を行った。その後、再度低速回転で10分間の減圧を行い、さらに高速回転で1時間の減圧撹拌分散を行った。最後に、低速回転で10分間の減圧撹拌分散を行い、ナノオーダー分散処理飲料を得た。
【0025】
なお、本発明に係るナノオーダー分散処理飲料に用いる飲料は日本酒に限定されるものではなく、焼酎、ワイン、ウィスキー、ブランデー、リキュール等々の各種のアルコール飲料に好適に適用出来、また、各種のノンアルコール飲料にも同様に好適に適用出来る。また、本発明に係るナノオーダー分散処理飲料には、アルコール飲料を含む飲料のみならず果汁飲料、乳飲料、水など、さまざまな飲料が含まれ、ナノオーダー分散処理飲料の製造方法はこれらに幅広く応用することが出来る。また、かかる飲料には希釈して或いは添加して調味に用いる液体、例えば醤油、ソーズ、みりん、ドレッシング或いは食酢などを含む。さらに、本発明に係るナノオーダー分散処理飲料の製造方法は、その原料となる液体に本発明に係るナノオーダー分散処理を施すことによってビール、スパークリングワインなどを含む炭酸飲料にも応用出来、これらの飲料も本発明に係るナノオーダー分散処理飲料に含まれる。
【0026】
なお、本発明に係るナノオーダー分散処理飲料は味や香り或いは風味が優れ、爽やかな酔い心地とすっきりした酔い覚めをもたらすアルコール飲料や、味や香り或いは風味に優れたノンアルコール飲料であった。
【実施例2】
【0027】
実施例1においては、既に醸造を終えた日本酒を用いたが、本発明に係るナノオーダー分散処理飲料は、原料水として或いは飲料製造工程の中間段階に於いても、本発明に係るナノオーダー分散処理を行うことにより、同様に味や香り或いは風味が優れ、爽やかな酔い心地とすっきりした酔い覚めをもたらすアルコール飲料や、味や香り或いは風味に優れたノンアルコール飲料を得ることが出来る。
【0028】
本実施例に於いては、日本酒の仕込み水として本発明に係るナノオーダー分散処理を行った水を用いた。処理の内容は実施例1の工程と同様である。
【0029】
本発明に係るナノオーダー分散処理を行った水を仕込み水に用いたことにより、芳醇で味や香り、或いは風味が優れ、爽やかな酔い心地とすっきりした酔い覚めをもたらす日本酒を醸すことが出来た。
【0030】
なお、本発明に係るナノオーダー分散処理水を原料水として用いる飲料は日本酒に限定されるものではなく、焼酎、ワイン、ウィスキー、ブランデー、リキュール等々の各種のアルコール飲料に好適に適用出来、また、各種のノンアルコール飲料にも同様に好適に適用出来る。また、本発明に係るナノオーダー分散処理飲料には、アルコール飲料を含む飲料のみならず果汁飲料、乳飲料、水など、さまざまな飲料が含まれ、ナノオーダー分散処理飲料の製造方法はこれらに幅広く応用することが出来る。また、かかる飲料等には希釈して或いは添加して調味に用いる液体、例えば醤油、ソーズ、みりん、ドレッシング或いは食酢などを含む。さらに、本発明に係るナノオーダー分散処理飲料等の製造方法は、その原料となる液体に本発明に係るナノオーダー分散処理を施すことによってビール、スパークリングワインなどを含む炭酸飲料にも応用出来、これらの飲料も本発明に係るナノオーダー分散処理飲料に含まれる。
【0031】
さらに、本発明に係るナノオーダー分散処理飲料等は、ナノオーダーの分散を行っているため、保存性に優れ、長期間に亘って風味の劣化が少ない、味や香り、或いは風味が優れ、爽やかな酔い心地とすっきりした酔い覚めをもたらすアルコール飲料や、味や香り、或いは風味に優れた飲料が実現された。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、ナノオーダー分散処理飲料等及びナノオーダー分散処理飲料等の製造方法において、減圧脱気を行いながら撹拌分散を行うことにより味や香り、或いは風味が優れ、爽やかな酔い心地とすっきりした酔い覚めをもたらすアルコール飲料や、味や香り、或いは風味に優れた飲料を得ることが出来、消費者の嗜好にマッチした飲料を提供することにより市場の進展を促し、我が国産業の発展に資するものである。
【符号の説明】
【0033】
1 容器体部
2 撹拌分散用プロペラ
3 高速回転軸
4 低速回転軸
5 真空ポンプ
6 操作盤