【解決手段】 陳列台10は、背板20と、背板20に直径部分41aが折り曲げ可能に接合される台板40と、台板40の下方で設けられ背板20に直径部分51aが折り曲げ可能に接合される下板50と、台板40及び下板50のそれぞれの円弧部分41b,51bに沿って略半円筒状に組み立てられ扁平状に折り畳み可能な正面板70と、を備え、台板40及び下板5が、背板20の前面に沿う折り畳み位置からそれぞれの直径部分41a,51aを基点に前下方に回動しながら、それぞれの円弧部分41b,51bを正面板70の内側に押し込んで正面板70を前側に膨らませていくことにより、正面板70を扁平状から略半円筒状に徐々に変形させる。
【背景技術】
【0002】
従来、商品を陳列する陳列台に関し、各種の技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の陳列台は、特許文献1の第5図に示されるように、背板と、この背板の左右両側の端部に連なる半筒体と、この半筒体の内面に折り曲げ可能に接合される上横板及び下横板と、これら上横板及び下横板を上下に連結する補強板とを備える。
【0004】
上横板及び下横板のそれぞれの背板側の直径部分は、背板に沿う縦板に折り曲げ可能に接合される。また、上横板及び下横板のそれぞれの円弧部分の前端部は、正面板の内面に接合される。
【0005】
この陳列台では、陳列台を折り畳む際、背板に対して縦板を下方にスライドさせることにより、円弧部分の前端部を基点に直径部分を下方に移動させる。これにより、上横板及び下横板を背板に沿わせるように折り畳み、更に、半筒体の左右の側部を折り曲げることによって半筒体についても扁平状に折り畳む。一方、陳列台を組み立てる際は、背板に対して縦板を上方にスライドさせることにより、円弧部分の前端部を基点に直径部分を上方に移動させる。これにより、扁平状に折り畳まれた半筒体を円弧部分に沿って略半円筒状に組み立てる。
【0006】
このように、特許文献1に開示される技術では、美粧性を高めるうえで有効とされる湾曲した正面部分(半筒体)を採用するとともに陳列台を扁平状に折り畳み可能としている。これにより、美粧性と折り畳み性の両立を図っている。
【0007】
ところで、近年、陳列台には、美粧性や折り畳み性に加え、環境負荷及びコストをより低減できる技術が要望されている。例えば、特許文献1の陳列台において、商品を載置する棚構造の構成部品のうち面積が比較的広い縦板を無くすことができれば、使用材料を削減することができる。しかし、この縦板は、上横板及び下横板の可動側である直径部分を円滑に動作させるうえで必要なスライド部分(連結部分)であり、単に無くすことは困難である。したがって、このような縦板が無くても円滑に動作でき、使用材料の削減が図れる陳列台が求められている。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と称する)について詳細に説明する。実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。また、実施形態において、「前」、「後」は、各々、陳列台に正対したときの「手前」側、「奥」側を示す。
【0017】
(陳列台10の全体構成)
まず、陳列台10の全体構成を
図1及び
図2に基づいて説明する。
実施形態の陳列台10は、商品11を陳列する使用形態(
図1参照)から、扁平状に折り畳まれて運搬・保管する折り畳み形態(
図2参照)に変形可能に構成される。ここで、商品11としては、例えば、個装された清掃用品具などの日用雑貨が挙げられるが、商品11の種類は任意である。
【0018】
図1に示すように、陳列台10は、商品11の後側に設けられる背板20と、この背板20の前面に折り畳み可能に設けられる棚構造30と、この棚構造30及び商品11の前側に設けられる正面板70とを備える。なお、背板20、棚構造30及び正面板70を構成する材料は、段ボール、厚紙など各種の紙材料から選択可能であり、種類は任意である。
【0019】
(背板20の構成)
次に、背板20の構成を
図1に基づいて説明する。
図1に示すように、背板20は、略四角形状(この例では、略長方形状)に形成される部材である。背板20は、左右方向に沿って形成される後側折り曲げ部21と、この後側折り曲げ部21よりも下側の背板下部20Dと、後側折り曲げ部21よりも上側の背板上部20Uとを有する。
【0020】
後側折り曲げ部21は、背板20の後面を内向きにして背板20を2つ折りにする機能を有する。この例では、背板20の後面の高さ方向略中央に後側折り曲げ部21を設定する。これにより、背板20を後側折り曲げ部21で折り曲げて、背板上部20Uを背板下部20Dに重ね合わせることができ、使用形態における高さの半分程度の高さに背板20を折り畳むことができる。なお、後側折り曲げ部21の構成は任意であるが、例えば、段ボール製の背板20の表ライナーをヒンジとして機能させたものや、背板20に形成した罫線などでよって後側折り曲げ部21を構成することができる。
【0021】
背板下部20Dの左右の端部には、左右の下側接合部22Dが折り曲げ可能に設けられており、背板上部20Uの左右の端部には、左右の上側接合部22Uが折り曲げ可能に設けられる。これら下側接合部22D及び上側接合部22Uは、背板20に対して前側に略直角に折れ曲がるように形成される一方、折り畳み形態(
図2参照)では、背板20に沿って展開可能である。
【0022】
(棚構造30の構成)
続いて、棚構造30の構成を
図3に基づいて説明する。
図3に示すように、棚構造30は、台板40、下板50及び補強板60によって構成される。
【0023】
台板40は、商品11(
図1参照)が載置される略半円形状の半円部41と、この半円部41の直径部分41aに折り曲げ可能に連なる折り曲げ片42とを有する。半円部41は、折り畳み形態(
図2参照)において、その円弧部分41bが上方を向くように背板下部20D(
図1参照)の前面に沿って折り畳み可能である。
【0024】
折り曲げ片42は、接合片42aと、この接合片42aの左右の端部に連なる支持片42bとからなる。接合片42aは、直径部分41aに沿って長い略長方形状に形成され、背板下部20D(
図1参照)の前面上部に接着剤によって接合される。支持片42bは、接合片42aに対して前側に傾斜するように折り曲げられ、使用形態(
図1参照)において半円部41を支持する機能を有する。
【0025】
下板50は、台板40の下方で台板40と連動する略半円形状の半円部51を備える。また、下板50は、この半円部51の直径部分51aに折り曲げ可能に連なる折り曲げ片52と、半円部51の前部に設けられる左右の連結片53と、これら左右の連結片53の間から前方に突出する突出片55とを有する。半円部51は、折り畳み形態(
図2参照)において、その円弧部分51bが上方を向くように背板下部20D(
図1参照)の前面に沿って折り畳み可能である。
【0026】
折り曲げ片52は、接合片52aと、この接合片52aの左右の端部に連なる支持片52bとからなる。折り曲げ片52は、設置面に接地可能であり、棚構造30の後側の脚部として機能する。接合片52aは、直径部分51aに沿って長い略長方形状に形成され、背板下部20D(
図1参照)の前面下部に接着剤によって接合される。支持片52bは、接合片52aに対して前側に傾斜するように折り曲げられ、使用形態(
図1参照)において半円部51を支持する機能を有する。
【0027】
左右の連結片53は、半円部51の前側の左右両端を上方に折り曲げた部分である。また、突出片55は、円弧状の前端部55aを有し、この前端部55aは、前後方向において台板40の円弧部分41bの前端部41cと略同じ位置に形成される。これら連結片53及び突出片55は、折り畳み形態(
図2参照)において、背板下部20D(
図1参照)の前面に重なるように折り畳み可能である。
【0028】
補強板60は、略四角形状(この例では、略長方形状)の補強板本体61と、この補強板本体61の左右の端部に折り曲げ可能に連なる左右の支持部62と、補強板本体61において突出片55に対応する位置に設けられる切起し片63とを有する。また、補強板60は、補強板本体61の上端に折り曲げ可能に連なるとともに台板40の半円部41の前部に重なる略円弧状の連結片65を有する。
【0029】
補強板本体61は、上端の連結片65が半円部41の前部裏面に接着剤で接合されるとともに、下部が左右の連結片53に接着剤で接合されることにより、台板40と下板50とを上下に連結する。
【0030】
支持部62は、補強板本体61に対して後側に傾斜するように折り曲げられ、使用形態(
図1参照)において、設置面に対して台板40を支持する機能を有する。なお、支持部62は、陳列台10を折り畳み形態(
図2参照)から使用形態(
図1参照)に変形する過程において、下板50の前端部55aとともに正面板下部70D(
図1参照)を前側に湾曲させる機能も有する。
【0031】
このように構成される補強板本体61及び支持部62を採用することにより、棚構造30では、陳列する商品11(
図1参照)の総重量が大きい場合であっても、台板40に加わる荷重をしっかりと支えることが可能である。
【0032】
切起し片63は、補強板本体61から切起されることで切起し穴66を形成する。この切起し穴66には、下板50の突出片55が挿入可能であり、挿入された突出片55は、切起し片63に重なる。これら切起し片63及び突出片55は、折り畳み形態(
図2参照)において、切起し穴66に合わさるようにして折り畳み可能である。
【0033】
(正面板70の構成)
次に、正面板70の構成を
図4に基づいて説明する。
図4に示すように、正面板70は、後側折り曲げ部21を挟んで上下2つに分割される正面板下部70D及び正面板上部70Uを備える。
【0034】
正面板下部70Dは、その左右の端部が背板下部20Dの左右の下側接合部22Dに接着剤で接合され、棚構造30を前側から覆う。正面板下部70Dは、台板40及び下板50のそれぞれの円弧部分41b,51b(
図3参照)に沿って略半円筒状に組み立てられる。
【0035】
また、正面板下部70Dは、左右の端部それぞれの近傍に上下方向に延びる下側折り曲げ部71Dを有する。正面板下部70Dは、この下側折り曲げ部71Dを基点に折り曲げることで、折り畳み形態(
図2参照)において、台板40の裏面及び下板50の裏面に重なるように扁平状に折り畳み可能である。
【0036】
一方、正面板上部70Uは、その左右の端部が背板上部20Uの左右の上側接合部22Uに接着剤で接合され、台板40に載置された商品11(
図1参照)を前側から覆う。正面板上部70Uには、商品11(
図1参照)を前側及び左右両側から視認可能な窓72が左右一側から他側にかけて設けられる。このように構成される正面板上部70Uは、正面板下部70Dに上方から嵌合されることにより、略半円筒状に組み立てられる。また、正面板上部70Uを組み立てる際、正面板下部70Dの上端部に設けた係合穴73と、正面板上部70Uの下端部に設けた係合部75とを係合することにより、正面板上部70Uを正面板下部70Dに係合させることができる。
【0037】
また、正面板上部70Uは、左右の端部それぞれの近傍に上下方向に延びる上側折り曲げ部71Uを有する。正面板上部70Uは、この上側折り曲げ部71Uを基点に折り曲げることで、折り畳み形態(
図2参照)において、背板上部20Uの前面に重なるように扁平状に折り畳み可能である。
【0038】
(陳列台10の変形方法)
以上のように構成される陳列台10の変形方法を
図5、
図6に基づいて説明する。
【0039】
陳列台10を折り畳み形態(
図2参照)から使用形態(
図1参照)に変形する際は、まず、
図5(a)に示すように、2つ折りにされた陳列台10において、背板20の前面に沿う折り畳み位置から台板40を前側に倒す(矢印(1))。すると、
図5(b)に示すように、台板40の動作に下板50が連動し、この下板50の前端部55a及び左右の支持部62によって、扁平状の正面板下部70Dが前側に膨らむように湾曲する(矢印(2))。更に、台板40及び下板50が、それぞれの直径部分41a,51aを基点に前下方に回動すると、それぞれの円弧部分41b,51bが正面板70の内面を摺動しながら正面板下部70Dの内側に押し込まれていく。これにより、正面板下部70Dが、円弧部分41b,51bによって更に前側に大きく膨らんで湾曲していき、正面板下部70Dが扁平状から略半円筒状に徐々に変形する。
【0040】
次に、
図6(a)に示すように、後側折り曲げ部21を基点にして、背板上部20U及び正面板上部70Uを背板下部20Dの後側から上方に起こす(矢印(3))。そして、
図6(b)に示すように、正面板上部70Uを背板上部20Uから離間する方向に湾曲させる(矢印(4))。更に、湾曲させた正面板上部70Uの下端部を正面板下部70Dの上端部に被せて嵌合させるとともに係合部75を係合穴73に係合する(矢印(5))。その結果、正面板上部70Uが正面板下部70Dに組み付けられた略半円筒状の陳列台10(
図1参照)が得られる。
【0041】
一方、陳列台10を使用形態(
図1参照)から折り畳み形態(
図2参照)に変形する際は、台板40及び下板50を背板20の前面に沿うように上方に折り畳む。すると、正面板下部70Dが台板40及び下板50から解放され、台板40の裏面及び下板50の裏面に沿って扁平状に折り畳まれる。同時に、正面板下部70Dから解放された正面板上部70Uも、背板上部20Uに沿って扁平状に折り畳まれる。そして、背板20の後面を内向きにして、後側折り曲げ部21を基点に背板20を2つ折りにする。これにより、扁平状に折り畳まれ、かつ、2つ折りにされた陳列台10(
図2参照)が得られる。
【0042】
(実施形態の効果)
以上、説明した陳列台10の効果について述べる。
陳列台10によれば、美粧性を高めるうえで有効とされる湾曲した正面部分(正面板70)及び棚構造30を折り畳み可能とすることで、美粧性及び折り畳み性の両立を図ることができる。また、商品11が載置される台板40を前側に倒すだけで容易に組み立てることができ、組み立て方が見て簡単に分かるため、いわゆるユニバーサルデザインを備える陳列台10を提供することができる。
【0043】
そして、本実施形態では、
図7(a)に示すように、台板40及び下板50において、直径部分41a,51aを固定側とし、円弧側の前端部41c,55aを可動側として設定した。これにより、陳列台10を折り畳み形態から使用形態に変形する際、円弧部分41b,51b(
図5(b)参照)及び前端部41c,55aを正面板下部70Dの内面で摺動させることにより扁平状の正面板下部70Dを略半円筒状に組み立てる。この際、円弧部分41b,51b(
図5(b)参照)及び前端部41c,55aは、正面板下部70Dの内面との接触面積が緩やかに増していくため、正面板下部70Dの内面を円滑に摺動する。したがって、台板40及び下板50の可動側の動作を円滑にするために前端部41c,55a同士を連結するスライド部分が不要である。
【0044】
これに対し、円弧側の前端部を固定側として、直径部分を可動側とした場合(例えば、特許文献1に記載される陳列台)について考える。
【0045】
図7(b)は、比較例の陳列台100の説明図である。
図7(b)に示すように、陳列台100では、台板101及び下板102を補強板103で連結し、台板101及び下板102のそれぞれの半円部101a,102aの前端部101b,102bを正面板下部105の内面に接合して固定側に設定する。一方、台板101及び下板102のそれぞれの直径部分101c,102cを可動側に設定する。
【0046】
このように構成される陳列台100において、陳列台100を折り畳み形態から使用形態に変形する場合、幅の広い直径部分101c,102cを常時、背板下部106の前面に対して摺動させる必要があるため、動作抵抗が大きい。特に、直径部分101c,102cを背板下部106の下方から上向きに動作させて組み立てる場合は、下板102の直径部分102cが背板下部106の下端106aに引っ掛かり易い。このように大きな動作抵抗や直径部分102cの引っ掛かりによる不具合を解消するため、陳列台100では、直径部分101c,102c同士を連結するスライド部分107(例えば、特許文献1に記載される縦板)を設ける必要がある。すなわち、このスライド部分107によって、可動側である直径部分101c,102cの動作を円滑にする必要がある。このため、スライド部分107を設ける分、部品点数及び使用材料が多くなってしまう。
【0047】
この点、本実施形態によれば、
図7(a)に示すように、可動側である円弧側の前端部41c,55aの動作を円滑にするためのスライド部分(連結部分)が不要である。したがって、スライド部分(連結部分)を削減することができ、使用材料を削減して環境負荷及びコストをより低減することができる。
【0048】
また、台板40及び下板50において直径部分41a,51aを固定側に設定することにより、直径部分41a,51aに沿って長い接合片42a,52aを背板20の前面に接合できる。これにより、陳列台100(
図7(b)参照)のように幅の狭い前端部101b,102bで接合する固定構造に比べ、格段に広い接着面積で台板40及び下板50が接合された固定構造を得ることができる。
【0049】
更に、
図8に示すように、後側折り曲げ部21によって背板20を2つ折りにすることによって、よりコンパクトに陳列台10を折り畳むことができる。この例では、2つ折りの陳列台10の高さH1を、2つ折りにされる前の陳列台10Aの高さH2に比べ、陳列台10Aの上端から台板40の前端部41cまでの距離Lだけ縮小することができる。
【0050】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。