特開2015-128531(P2015-128531A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-128531(P2015-128531A)
(43)【公開日】2015年7月16日
(54)【発明の名称】吸収性物品及び吸収性物品包装体
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/42 20060101AFI20150619BHJP
   A61F 13/49 20060101ALI20150619BHJP
   A61F 13/15 20060101ALI20150619BHJP
   A61F 13/511 20060101ALI20150619BHJP
   A61F 13/514 20060101ALI20150619BHJP
【FI】
   A41B13/02 L
   A61F13/18 310
   A41B13/02 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-1882(P2014-1882)
(22)【出願日】2014年1月8日
(71)【出願人】
【識別番号】000183462
【氏名又は名称】日本製紙クレシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113022
【弁理士】
【氏名又は名称】赤尾 謙一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100110249
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 昭
(74)【代理人】
【識別番号】100116090
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 和彦
(72)【発明者】
【氏名】石塚 洋海
(72)【発明者】
【氏名】水口 克
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200AA03
3B200BA04
3B200DA25
3B200DB05
3B200DB11
3B200DD01
3B200DD09
3B200DF01
3B200DF07
(57)【要約】
【課題】個々の吸収性物品毎に、具体的な吸収量の値を容易かつ確実に視認可能な吸収性物品及び吸収性物品包装体を提供する。
【解決手段】液透過性のトップシート2と、液不透過性のバックシート4と、トップシートとバックシートの間に配置される吸収体6とを備えた吸収性物品20であって、バックシートの外面側に、吸収体による吸収の広がりを示す少なくとも1つの吸収領域A1〜A4と該吸収領域における吸収体の吸収量の数値n1〜n4とが表示されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、前記トップシートと前記バックシートの間に配置される吸収体とを備えた吸収性物品であって、
前記バックシートの外面側に、前記吸収体による吸収の広がりを示す少なくとも1つの吸収領域と該吸収領域における前記吸収体の吸収量の数値とが表示されている吸収性物品。
【請求項2】
前記吸収体の最大吸収量における前記吸収領域と、該最大吸収量の数値とが表示されている請求項1記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記吸収領域が複数表示され、各吸収領域は、前記バックシートの中心側から外縁に向けて少なくとも一部が間隔を開けて配置されている請求項1又は2記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記吸収領域は、連続または不連続の輪郭線である請求項1〜3のいずれかに記載の吸収性物品。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の吸収性物品を少なくとも1つ包装してなる吸収性物品包装体であって、
前記バックシートに表示された前記吸収領域と前記吸収体の吸収量の数値とを、該バックシートと同一寸法で表示してなる別シートを、前記吸収性物品と共に包装してなる吸収性物品包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、失禁パッド、尿取パッド、失禁ライナー等の肌着やおむつ内に装着される吸収性物品、及びそれを包装してなる吸収性物品包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、成人や病人の排せつ物を吸収するため、使い捨て紙おむつを用いたり、肌着やおむつ内に小型の(軽)失禁パッドや尿取パッド等の吸収性物品を装着することが行われている。これらの吸収性物品の交換時期の判断は、排せつ物の吸収具合や濡れ具合を吸収性物品の外観を視認して行っているが判断がしにくいという問題がある。
そこで、尿等の拡散具合を、吸収性物品の受液部(トップシート)側から直接視認できるよう、吸収層とトップシートとを圧搾して凹凸を設け、輪郭線となる基準マークとする技術が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−126140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された基準マークの場合、排尿等の有無や広がり具合は視認できるが、具体的な排尿量を判別することが困難である。特に、最近の成人用吸収性物品では、吸収量の目安がml単位でパッケージに表示されていることから、吸収性物品の使用者や介護者が尿等をどの位の量だけ吸収したか視認でき、まだ使用可能か交換時期時かの判断が容易にできる製品が望まれている。
又、特許文献1記載の技術の場合、基準マークと共に拡散度の等級を示す簡単な数字(1、2、3等)を表示しているが、一桁程度の簡単な数字であれば吸収層とトップシートとを圧搾して凹凸を付けることができるが、具体的な排尿量を示す3桁程度の数値(一般に数100ml)を凹凸形成することは難しく、視認もしずらい。一方、トップシートは一般に不織布から構成され、毛羽立ちや凹凸(エンボス)があるので、文字や数字を印刷することは極めて困難である。
【0005】
又、使用者毎の排尿量等を把握することは現実には難しいため、吸収性物品を購入する際には、吸収量の多いものを選択する場合が多いが、吸収量の多いものは高価で経済的な負担増となる。一方で、吸収量が不足すると尿漏れが生じる。このため、使用者に応じて過不足のない吸収量の吸収性物品を選択できることが有用となる。
さらに、介護施設等では個々の吸収性物品をパッケージから開封し、他の種類の吸収性物品と混在させて一時保管したり、使用者のベッドの近くに保管することがある。この場合、個々の吸収性物品に具体的な吸収量が記載されていないことから、パッケージと吸収性物品が分離されると、吸収量の目安がわからなくなってしまうという問題がある。又、特許文献1には、吸収性物品と別体の確認シートを用意し、吸収性物品の代わりにこの確認シート上に基準マークを表示する点も記載されている。しかしながら、確認シートを紛失する等で吸収性物品と分離した場合には、個々の吸収性物品毎の吸収量の目安がわからなくなる点は同様である。
従って本発明は、個々の吸収性物品毎に、具体的な吸収量の値を容易かつ確実に視認可能な吸収性物品及び吸収性物品包装体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の吸収性物品は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、前記トップシートと前記バックシートの間に配置される吸収体とを備え、前記バックシートの外面側に、前記吸収体による吸収の広がりを示す少なくとも1つの吸収領域と該吸収領域における前記吸収体の吸収量の数値とが表示されている。
この吸収性物品によれば、バックシートの外面に、吸収領域と、それに対応した吸収体の吸収量の数値を表示することで、3桁等の数値であっても鮮明に表示することができ、吸収性物品の具体的な吸収量の値を容易かつ確実に視認可能となる。これにより、吸収性物品の使用者や介護者が尿等をどの位の量だけ吸収したか視認でき、まだ使用可能か交換時期時かの判断が容易にできる。
又、本実施形態の吸収性物品を実際に使用することで、使用者毎の排尿量等の具体的な数値を把握することができ、次回に吸収性物品を購入する際、使用者に応じて過不足のない吸収量の吸収性物品を選択できることができる。
さらに、本実施形態では、吸収性物品自身に吸収領域と吸収量の数値とが表示されているので、例えば吸収性物品の包装袋(パッケージ)にのみ吸収体の最大吸収量が表示されている場合に、個々の吸収性物品をパッケージから開封して別個保管しても、吸収量の目安がわからなくなってしまうことが防止できる。
又、吸収性物品と別体の確認シートを用意し、確認シート上に吸収領域と吸収量の数値とを表示した場合も、確認シートを紛失する等で吸収性物品と分離した場合には、個々の吸収性物品毎の吸収量の目安がわからなくなるが、本実施形態ではかかる不具合も防止できる。
【0007】
前記吸収体の最大吸収量における前記吸収領域と、該最大吸収量の数値とが表示されていてもよい。
この吸収性物品によれば、吸収体の最大吸収量を容易に把握することができ、使用者の排尿量等と照らし合わせて過不足のない吸収量の吸収性物品をより一層適切に選択できる。
【0008】
前記吸収領域が複数表示され、各吸収領域は、前記バックシートの中心側から外縁に向けて少なくとも一部が間隔を開けて配置されていてもよい。
前記吸収領域は、連続または不連続の輪郭線であってもよい。
【0009】
本発明の吸収性物品包装体は、前記吸収性物品を少なくとも1つ包装してなり、前記バックシートに表示された前記吸収領域と前記吸収体の吸収量の数値とを、該バックシートと同一寸法で表示してなる別シートを、前記吸収性物品と共に包装してなる。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、個々の吸収性物品毎に、具体的な吸収量の値を容易かつ確実に視認可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る吸収性物品の外観を示す斜視図である。
図2】吸収性物品の上面図である。
図3図2のIII−III線に沿う断面図である。
図4】バックシートの外面側に表示された吸収領域と、吸収体の吸収量の数値とを示す上面図である。
図5】吸収量を把握する方法の一例を示す図である。
図6】バックシートに表示される吸収領域及び吸収量の数値の変形例を示す図である。
図7】本実施形態の吸収性物品包装体を示す図である。
図8】別シートを示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る吸収性物品について説明する。本発明の実施形態に係る吸収性物品は、肌着(下着)やおむつ内に装着される失禁パッド、尿取パッド、失禁ライナー等であるが、肌着(下着)やおむつ内に装着されて排せつ物や分泌物を吸収するものであれば、これらの用途に限定されない。
図1は、本発明の実施形態に係る吸収性物品の外観を示す斜視図である。図1において、吸収性物品20は細長い片状をなし、液透過性のトップシート2と、液不透過性のバックシート4との間に図示しない吸収体を挟み込んだ構成を有している。又、吸収性物品20の幅方向両側縁から撥水性の不織布からなるサイドシート12がトップシートの上に立ち上がっている。吸収性物品20は、長手方向を使用者の股部の前後に渡され、トップシート2が股部に触れるようにして装着され、サイドシート12は尿等の横漏れを防止する。
なお、トランスファーシート8、撥水性シート10及びサイドシート12は本発明の必須の構成ではない。
又、上記各シートはホットメルト接着剤等により固定されている。
【0013】
図2は、吸収性物品20の上面図を示す。吸収性物品20は角部が曲線状に面取りされ、又、トップシート2の中央部付近がやや幅狭になっていて、股部に装着し易いようになっている。
【0014】
図3は、図2のIII−III線に沿う断面図である。吸収性物品20の表層となるトップシート2とバックシート4の間には吸収体6が介装され、さらに、トップシート2と吸収体6の間に尿などの流体を吸収体へ導いたり弾力性を付与するトランスファーシート8が配置されている。このような構成は、吸収性物品において一般的なものであり、例えば、特開2006-175022号公報や特開2006-181080号公報に記載されているものと同様である。
そして、トップシート2、トランスファーシート8、吸収体6及びバックシート4からなる積層体の両側端(幅方向の端部)を覆うように、バックシート4の縁からトップシート2へ向かって撥水性シート10が立ち上がるように覆っている。又、トップシート2の両側端からトップシート2より上に向かってサイドシート12が立ち上がり、トップシート2の両側端におけるサイドシート12の上を撥水性シート10の先端が覆っている。
【0015】
又、バックシート4の長辺より外側には、各長辺に沿って第1の弾性部材14が配置され、又、各サイドシート12の最も立ち上がる先端部分には、吸収性物品20の各長手方向に沿って第2の弾性部材16が配置されている。そして、撥水性シート10は、第1の弾性部材14を囲むように、また撥水性シート10に一体につながるサイドシート12は第2の弾性部材16を囲むようにして、前記積層体を覆っている。従って、撥水性シート10及びサイドシート12は、第1の弾性部材14及び第2の弾性部材16の弾性力によってこれらの間に展張され、撥水性シート10及びサイドシート12の立ち上がり部を立体形成し、横漏れを有効に防止する。
【0016】
トップシート2は、液透過性の不織布であればよく、使用者の皮膚に接するため、感触が柔らかで、皮膚に刺激を与えない材料から形成されていることが好ましい。トップシート2の坪量を15〜40g/m2(より好ましくは20〜35g/m)とすることが好ましい。
トランスファーシート8も、不織布から形成されていればよく、使用者の排せつ物や分泌物(尿等)を吸収体6へ移し、分散させ、弾力性を発現できればよい。特に、トランスファーシート8として、坪量20〜50g/m2(好ましくは30〜40g/m2)の親水性不織布を用いると好ましい。トップシート2及びトランスファーシート8としては、嵩の高いエアースルー不織布を用いると好ましい。
【0017】
吸収体6は、木材パルプフラッフのような、フラッフのウェブの親水性繊維マトリックスを、公知の高吸水性樹脂(SAP)の粒子と混合して形成すればよい。又、吸収体6表面にエンボスを施すと、尿等の拡散をコントロールすると共に、使用者の体型に応じて吸収体6が容易に変形するので好ましい。
フラッフとしては、木材パルプフラッフの代わりに合成繊維、ポリマー繊維などを使用してもよい。又、木材パルプフラッフとしては、嵩が低く、解繊装置の所要動力(パルプをフラッフ化する際の解繊機の消費電力)が抑えられるトリートメントパルプを用いることが好ましい。
吸収体6を薄くするためには、SAPの配合比を高くすることが一般的であるが、尿吸収の初期段階ではフラッフの役割が大きく、SAPが多過ぎてフラッフが少ないと初期吸収性が劣る。このため、吸収体6中のSAPの含有割合を50質量%未満とすることが好ましい。
SAPは、破砕タイプに比べてパールタイプ(逆相懸濁重合法により得られるもの)の方が加圧下でのダメージが少ないことから、パールタイプを用いることが好ましい。
【0018】
バックシート4は、吸収体6内において保持している液体などが下着に漏れないような防水性を有する液不透過性の材料から形成されていればよく、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンとポリプロピレンの複合フィルム等からなる薄いプラスチックフィルムとすることができるが、着用中にカサカサした音がしやすく、柔らかさを付与するよう、バックシート4にマイクロエンボスを施したり、プラスチックフィルムの外側に不織布を貼合わせたクロスライクバックシートを用いることもできる。バックシート4の坪量を15〜50g/m(より好ましくは20〜40g/m)とすることが好ましい。
又、透湿性のフィルムを用いてムレを低減することが好ましい。
バックシート4の外面に、吸収性物品20を下着等に固定する際のずれを防止するずれ止め(粘着剤)等を設けてもよい。
【0019】
撥水性シート10及びサイドシート12は、バックシート4と同様の材料から形成することができ、撥水性の不織布から形成してもよい。又、撥水性シート10はバックシート4と別個に取付けてもよく、バックシート4から延長されて形成されてもよい。同様に、サイドシート12も撥水性シート10と別個に取付けてもよく、撥水性シート10から延長されて形成されてもよい。
第1弾性部材14と第2弾性部材16としては、エラストマー性ポリマー材料からなるストランド、リボン、ポリウレタン、合成ゴム、天然ゴム等を用いることができるがこれらに限られない。
【0020】
図4に示すように、バックシート4の外面側に、吸収体6による吸収の広がりを示す吸収領域A1〜A4と、各吸収領域A1〜A4にそれぞれ対応して吸収体6の吸収量の数値n1〜n4とが印刷により表示されている。各吸収領域A1〜A4はほぼ楕円形の連続する輪郭線(閉曲線)であり、各吸収領域A1〜A4は吸収領域A1を中心にして同心円状にバックシート4の外縁に向けて間隔を開けて吸収領域A4を最外側としてそれぞれ配置されている。
バックシート4への各吸収領域A1〜A4と数値n1〜n4との印刷方法としては、フレキソ方式、グラビア方式、インクジェット方式等がある。インクジェット方式が簡便性の観点から好ましい。
吸収領域A1〜A4は、予め吸収体6に模擬液(例えば36℃の0.9%生理食塩水)を所定量注入したときの液の広がる領域を測定しておき、その外縁に近い領域を連続する輪郭線(閉曲線)で表示したものである。又、吸収領域A4は吸収体6の最大吸収量における吸収領域であり、数値n4は吸収体6の最大吸収量(ml)を示す。
このように、バックシート4の外面に、吸収領域と、それに対応した吸収体6の吸収量の数値を表示することで、3桁等の数値であっても鮮明に表示することができ、吸収性物品の具体的な吸収量の値を容易かつ確実に視認可能となる。これにより、吸収性物品の使用者や介護者が尿等をどの位の量だけ吸収したか視認でき、まだ使用可能か交換時期時かの判断が容易にできる。
又、本実施形態の吸収性物品を実際に使用することで、使用者毎の排尿量等の具体的な数値を把握することができ、次回に吸収性物品を購入する際、使用者に応じて過不足のない吸収量の吸収性物品を選択できることができる。
特に、吸収体6の最大吸収量における吸収領域A4と、そのときの吸収体6の最大吸収量(ml)を数値n4で表示すれば、吸収体6の最大吸収量を容易に把握することができ、使用者の排尿量等と照らし合わせて過不足のない吸収量の吸収性物品をより一層適切に選択できる。
【0021】
さらに、本実施形態では、吸収性物品20自身に吸収領域と吸収量の数値とが表示されているので、例えば吸収性物品の包装袋(パッケージ)にのみ吸収体6の最大吸収量が表示されている場合に、個々の吸収性物品をパッケージから開封して別個保管しても、吸収量の目安がわからなくなってしまうことが防止できる。
又、吸収性物品20と別体の確認シートを用意し、確認シート上に吸収領域と吸収量の数値とを表示した場合も、確認シートを紛失する等で吸収性物品と分離した場合には、個々の吸収性物品毎の吸収量の目安がわからなくなるが、本実施形態ではかかる不具合も防止できる。
【0022】
なお、図5に示すように、本実施形態では吸収量を例えば以下のようにして把握することができる。
図5において、まず、尿を吸収した使用後の吸収性物品21を、受液部(トップシート2)側から視認する。次に、同一の別の吸収性物品22のバックシート4側を向け、吸収性物品21側の実際の尿の吸収領域Wと、吸収性物品22側の各吸収領域A1〜A4とを比較し、ほぼ同じ大きさの吸収領域A2を視認し、吸収領域A2に対応した吸収量の数値n2(図5では100ml)を把握する。
さらに、本実施形態では、吸収体6の最大吸収量の数値n4(図5では200ml)も同じバックシート4上で視認できるので、1回の尿量が約100mlで、最大吸収量が200mlであるから、あと一回吸収性物品21を使用できることを容易に把握できる。
なお、使用後の吸収性物品21と同一の別の吸収性物品22が用意されていれば、上記した方法で吸収量を把握することができるが、別の吸収性物品22が手元になければ、吸収性物品21の表裏を裏返して吸収性物品21自身のバックシート4側の各吸収領域A1〜A4と比較すればよい。
【0023】
図6は、バックシート4'に表示される吸収領域及び吸収量の数値の変形例を示す。図6において、バックシート4'に表示される各吸収領域A11〜A42は、不連続の輪郭線となっている。具体的には、各吸収領域A11〜A42は、図4の各吸収領域A1〜A4の長手方向両端の楕円弧を残した形態となっている。つまり、吸収領域A11、A12は、それぞれ吸収領域A1の長手方向両端の楕円弧の組であり、他の吸収領域A21、A22の組、A31、A32の組、A41、A42の組も同様である。
又、各数値n11〜n42も同様であり、例えば、数値n11、n12は、図4の数値n1を吸収領域A11、A12にそれぞれ対応させて表示させたものである。
【0024】
次に、図7図8を参照し、本実施形態の吸収性物品包装体100について説明する。
吸収性物品包装体100は、複数の吸収性物品20と、別シート30とを包装袋(パッケージ)101に包装してなる。
ここで、図8に示すように、別シート30は、バックシート(図8ではバックシート4に対応)に表示された吸収領域A1〜A4と吸収体の吸収量の数値n1〜n4とを、バックシートと同一寸法で表示してなる。別シート30は、例えば透明のプラスチックフィルムとすることができ、例えば図5の使用後の吸収性物品21の上に別シート30を重ねることで、吸収領域Wと、別シート30側の各吸収領域A1〜A4とを容易に比較することができる。
【0025】
本発明は上記した実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。
例えば、吸収性物品の形状は上記に限られないし、吸収領域と吸収体の吸収量の数値との表示方法も上記に限られない。
【符号の説明】
【0026】
2 トップシート
4、4' バックシート
6 吸収体
20、21、22 吸収性物品
30 別シート
100 吸収性物品包装体
A1〜A4、A11〜A42 吸収領域
n1〜n4、n11〜n42 吸収体の吸収量の数値
A4 吸収体の最大吸収量における吸収領域
n4 最大吸収量の数値
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8