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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-128551(P2015-128551A)
(43)【公開日】2015年7月16日
(54)【発明の名称】遊技機及び機構
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20150619BHJP
【FI】
   A63F7/02 312Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-2235(P2014-2235)
(22)【出願日】2014年1月9日
(71)【出願人】
【識別番号】593145799
【氏名又は名称】フィールズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】森田 龍夫
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088AA42
2C088AA48
2C088BA67
2C088DA07
2C088EB03
2C088EB50
2C088EB52
2C088EB74
(57)【要約】
【課題】中々始動口に入賞しない時間を低減する。
【解決手段】本発明にかかる遊技機は、遊技盤の盤面に特定の入賞口を有し、遊技球が前記入賞口に入賞すると、特定遊技状態の発生抽選を実行する遊技機であって、自身に到来した遊技球を、一定の割合で、前記入賞口へ導く機構を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤の盤面に特定の入賞口を有し、遊技球が前記入賞口に入賞すると、特定遊技状態の発生抽選を実行する遊技機であって、
自身に到来した遊技球を、一定の割合で、前記入賞口へ導く機構を備えること、
を特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記機構は、
遊技球を貯留し、特定の貯留部を一定の割合で含む複数の貯留部を有し、
前記特定の貯留部に貯留された遊技球を、前記入賞口又は前記入賞口へのルートへ排出し、
前記特定の貯留部以外の貯留部に貯留された遊技球を、前記入賞口又は前記入賞口へのルート以外へ排出すること、
を特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記機構は、
遊技球を貯留する貯留部を有し、
前記貯留部に貯留された遊技球を、前記入賞口又は前記入賞口へのルートへ排出し、
前記貯留部に貯留されない遊技球を、前記入賞口又は前記入賞口へのルート以外へ排出すること、
を特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項4】
遊技盤の盤面に特定の入賞口を有し、遊技球が前記入賞口に入賞すると、特定遊技状態の発生抽選を実行する遊技機の一機構であって、
自身に到来した遊技球を、一定の割合で、前記入賞口へ導く機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機及び機構に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パチンコ機には、遊技領域に液晶画面からなる図柄表示装置が設けられているものがある。このような方式のパチンコ機では、打ち出された遊技球が始動口に入賞すると、図柄表示装置に表示された図柄が変動し、停止表示となった図柄が所定の図柄である場合、遊技者にとって有利な特定遊技状態(いわゆる大当たり状態)が発生する。
【0003】
遊技者は、図柄を変動させ大当たりを獲得するために、通常、始動口を狙うようにして遊技球を打ち出すことで、始動口に遊技球を入賞させる(通常入賞ルート)。
【0004】
また、始動口への入賞ルートの一つとして、いわゆるワープ入賞ルートも知られている。例えば図柄表示装置の左付近には、ワープルートへの開口部が設けられ、遊技球が開口部を通過すると、その遊技球はステージ台等を通過し、始動口の直ぐ上部付近から排出されることで、排出された遊技球が、高い確率で始動口に入賞する仕組みである(特許文献1参照)。
【0005】
このようなワープルートについては、所謂羽モノタイプのパチンコ機にも適用され得る。即ち、羽モノタイプのパチンコ機において、上記ワープルートの排出口(出口)を入賞口の上部付近に設けるのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平09−276489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、遊技者により打ち出された遊技球の全てが始動口へ入賞するわけではない。例えば、通常入賞ルートの場合、例えば風車、道釘、ヘソ釘によって、始動口への入賞が阻まれることがある。また、ワープ入賞ルートの場合、特にワープルートへの開口部手前付近の釘によって、ワープルートへの誘導が阻まれることもある。最終的に始動口へ入賞する遊技球は、打ち出された遊技球のうち何分の一かの個数に留まるのが通常である。
【0008】
このため、遊技機の釘次第によっては、遊技球が始動口へなかなか入賞しないという状態(例えば、回りムラなどという)が継続する場合があり、このような場合、遊技者に興味を持って遊技を継続させることは困難であった。
【0009】
本発明は上記の点に鑑み提案されたものであり、その目的とするところは、中々始動口に入賞しない時間を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明の一態様にかかる遊技機は、遊技盤の盤面に特定の入賞口を有し、遊技球が前記入賞口に入賞すると、特定遊技状態の発生抽選を実行する遊技機であって、自身に到来した遊技球を、一定の割合で、前記入賞口へ導く機構を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の一態様にかかる機構は、遊技盤の盤面に特定の入賞口を有し、遊技球が前記入賞口に入賞すると、特定遊技状態の発生抽選を実行する遊技機の一機構であって、自身に到来した遊技球を、一定の割合で、前記入賞口へ導くことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の実施の形態によれば、中々始動口に入賞しない時間を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係るパチンコ機の正面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る回転体及びワープ入賞ルートの拡大図である。
図3】本発明の一実施形態に係る回転体の動作説明図(その1)である。
図4】本発明の一実施形態に係る回転体の動作説明図(その2)である。
図5】本発明の一実施形態に係る回転体の動作説明図(その3)である。
図6】本発明の一実施形態に係る回転体の動作説明図(その4)である。
図7】本発明の一変形例に係るパチンコ機の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態について説明する。
【0015】
[実施形態1]
(パチンコ機)
図1は、本発明の一実施形態に係るパチンコ機の正面図である。図1に示されるように、パチンコ機(弾球遊技機)10は、前面枠20の前面に前面ガラス枠30が左方向に回動可能に取り付けられている。また、前面枠20の内側には、遊技盤21が設けられている。
【0016】
遊技盤21には、複数釘により玉の落下経路が形成されており、大当たり演出等を表示する液晶パネル(LCD)22、遊技球が入賞する毎に大当たり抽選を行う始動口(スタートチャッカー)23、大当たり発生時に開放する大入賞口(大当たりアタッカー)24、非入賞の遊技球を排出する排出口25、ワープ入賞ルート27に一定の割合で遊技球を振り分ける回転体26、高確率で遊技球を始動口23へ導くワープ入賞ルート27などが設けられている。また、前面枠20の下部には、遊技球の受け皿40及び発射装置の操作ハンドル50を有する下部パネル60が左方向に回動可能に取り付けられている。
【0017】
本発明の一実施形態に係るパチンコ機10は、いわゆるデジタルパチンコ機(デジパチ機)である。遊技者は、操作ハンドル50操作によって、貸与された遊技球の打ち出しを行うと、遊技盤21内に遊技球が打ち出される。打ち出された遊技球が始動口23に入賞すると、パチンコ機10内部では、大当たり抽選が行われる。また、始動口23に遊技球が入賞するとほぼ同時に液晶パネル22に表示された図柄が変動し、大当たり抽選に当選した場合、例えば、停止図柄が揃うなどして、大当たり状態が発生する。
【0018】
ここで、遊技者が遊技球を始動口23に入賞させるルートとしては、主に2つのルートがある。
【0019】
1つ目は、通常入賞ルート経由である。通常入賞ルートでは、打ち出した遊技球が、遊技盤21の左サイド(又は右サイド)を通過しながら落下していき、始動口23に直接的に入賞する。通常入賞ルートの入賞率のポイントになるのは、始動口23に遊技球が寄ること(風車や道釘が良好なこと)、ヘソ釘(命釘)が広いことなどが挙げられる。
【0020】
2つ目は、ワープ入賞ルート経由である。ワープ入賞ルート27は、自身に導入してきた(入ってきた)遊技球を始動口23近傍の位置まで伝搬する経路である。即ち、ワープ入賞ルート27では、打ち出した遊技球が、液晶パネル22の左サイド(又は右サイド)付近に設けられたワープ開口部(入り口)29を通過すると、その遊技球はルート内及びステージ台等を通過して、始動口23の直ぐ上部付近から排出されることで、排出された遊技球が、高い確率で始動口23に入賞する。
【0021】
従来、ワープ入賞ルートへの入り口であるワープ開口部は、釘によって形成されており、ワープ入賞ルートに遊技球がどの程度入りやすいかは、ワープ開口部の釘間隔に影響される。つまり、釘間隔が狭ければ遊技球はワープ入賞ルートへ入りにくく、始動口23への入賞率も下降する。これに対し、釘間隔が広がれば遊技球はワープ入賞ルートへ入りやすく、始動口23への入賞率も上昇する。
【0022】
一方、本実施形態において、ワープ入賞ルート27へのワープ開口部29に隣接して回転体26が配置されており、回転体26を通過した遊技球がワープ開口部29に送られるため、回転体26を通過した遊技球は、ワープ開口部29を確実に通過することが可能である。以降、ワープ開口部29を通過した遊技球は、ワープ入賞ルート27を通過して、始動口23の直ぐ上部付近から排出されるため、排出された遊技球は高い確率で始動口23に入賞する。
【0023】
なお、高い確率で始動口23に入賞するとの意味は、稀に始動口23に入賞しない遊技球も存在するという意味を含んでいる。例えば、始動口23の直ぐ上部付近から排出直後、他の遊技球に弾かれるなどしてその軌道が変わり、始動口23への入賞しないケースも想定される。
【0024】
(回転体及びワープ入賞ルート)
図2は、本発明の一実施形態に係る回転体及びワープ入賞ルートの拡大図である。図2に示されるように、実施形態に係る回転体26には、円形状機構の外周に窪むようにして、各々が1個の遊技球を貯留可能な貯留部(窪み部)26a、26bが均等間隔に複数設けられている。また、回転体26は、貫通部(中空部)26cを有しており、貫通部26cは、対向配置された2つの貯留部26aと連通している。よって、重力方向上側に位置する一方の貯留部26aに導入された遊技球は、貫通部26cを介して重力方向下側に位置する他方の貯留部26aから排出されることになる。なお、本実施形態では、貫通部26cは直線状であるが、曲線状、くの字状など曲がっていてもよい。即ち、本実施形態では、回転体26が、入口と、出口と、該入口と出口とを連通する貫通部とを有し、入口と出口とを結ぶ線分に対して垂直方向の軸を中心に回転する部材であればいずれであってもよい。
【0025】
遊技者により打ち出された遊技球は、複数の寄り釘28aにより回転体26の上部に寄るようになっている。即ち、複数の寄り釘28aが、遊技球を回転体26にガイドするためのガイド経路28を形成している。よって、寄り釘28aは、従来のワープルート近傍に設けられた釘のように、遊技球がワープルートに入ることを規制するためのものではない。この点から、本実施形態では、上記ガイド経路28を形成する複数の寄り釘28aのうち、上記ガイド経路28の入り口(ガイド経路28の、回転体26と対向側の端部)に設けられた2本の釘28bの間隔は、従来のワープルート近傍に設けられた釘の間隔よりも広く設定されている。よって、ガイド経路28の入り口に到来した遊技球が該ガイド経路28内に入ることが阻害されにくくなる。遊技球が上方より回転体26へ向けて落下すると、ちょうど落下地点に位置する回転体26の貯留部(貯留部26a、貯留部26b)に一旦貯留される。回転体26は、貯留部に遊技球が貯留されると、遊技球の自重により、左方向へ回転する。
【0026】
ここで、回転体26の貯留部は、貯留部26a、貯留部26bという2種類の貯留部を有している。
【0027】
図3は、本発明の一実施形態に係る回転体の動作説明図(その1)である。貯留部26aにおいては、貯留部26aに貯留された遊技球が貯留後すぐに回転体26内部を通過して回転体26の反対側へ抜けて排出される構造である。また、回転体26の、遊技球が回転体26の反対側へ抜けて排出される位置には、ちょうどワープ入賞ルートへのワープ開口部29が設けられている。
【0028】
具体的に、遊技者により打ち出された遊技球が、ガイド経路28を構築する寄り釘28aの誘導の下、貯留部26aに貯留されると(図3(a)参照)、貯留部26aに貯留された遊技球は回転体26内部を転がりながら通過して(図3(b)参照)、ワープ開口部29からワープ入賞ルート27へ進行する(図3(c)参照)。以降、遊技球は、ワープ開口部29からステージ台を通過して、始動口23の直ぐ上部付近から排出されることで、高い確率で始動口23に入賞する。
【0029】
なお、回転体26は、貯留部26aに遊技球が貯留されると、遊技球の自重により、左方向へ回転するが、遊技球が回転体26の反対側へ抜けて排出されるタイミングで回転を停止する。このとき、停止位置は、新しい遊技球を貯留可能なように、ちょうど落下地点に次の貯留部が位置する(図3(c)参照)。即ち、回転体26は、1個の遊技球が1つの貯留部に貯留される毎に、1コマ分(1貯留部分)、回転するように構成されている。
【0030】
図4は、本発明の一実施形態に係る回転体の動作説明図(その2)である。貯留部26bにおいては、貯留部26aと異なり、貯留部26bに貯留された遊技球は、回転体26内部を通過して回転体26の反対側へ抜けて排出される構造になっていない。具体的に、貯留部26bに遊技球が貯留されると(図4(d)参照)、遊技球の自重により回転体26が左方向へ回転し(図4(e)参照)、遊技球は貯留部26bから左下方へ排出される(図4(f)参照)。排出された遊技球は再び遊技盤21を落下する。
【0031】
また、回転体26は、貯留部26bに遊技球が貯留されると、遊技球の自重により、左方向へ回転するが、遊技球が貯留部26bから排出されるタイミングで回転を停止する。このとき、停止位置は、新しい遊技球を貯留可能なように、ちょうど落下地点に次の貯留部が位置する(図4(f)参照)。即ち、回転体26は、1個の遊技球が1つの貯留部に貯留される毎に、1コマ分(1貯留部分)、回転するように構成されている。
【0032】
以上のように、本実施形態1に係る回転体26は、2つの貯留部26a及び6つの貯留部26bからなる合計8つの貯留部が設けられている。そして、回転体26は、1個の遊技球が1つの貯留部に貯留される毎に、貯留された遊技球の自重によって、1コマ分、左に回転する。このため、回転体26に貯留された遊戯球は、1/4(=2/8)の確率で、ワープ入賞ルート27へ進行する。即ち、貯留された遊技球(回転体26が受け取った遊技球)4個につき1個という割合で、遊技球をワープ入賞ルート27へ進行させることで、始動口23へ入賞させることが可能である。
【0033】
即ち、本実施形態1に係るパチンコ機10によれば、一定以上コンスタントに、遊技球を始動口23へ入賞させることができるため、遊技球が始動口へなかなか入賞しないという状態(例えば、回りムラなどという)の継続を防止、ないしは低減し、遊技者に飽きさせることなく興味を持って遊技を継続させることが可能である。
【0034】
なお、回転体26において、貯留部26a及び貯留部26bの割合(比率)は、設計次第で変更可能である。即ち、遊技性に応じて、貯留部26a及び貯留部26bの数や割合を変化させることで、ワープ入賞ルート27へ進行率、ひいては始動口23への入賞率を変化させることができる。
【0035】
また、打ち出された遊技球のうち、どの程度の遊技球が、回転体26に貯留されるかは、例えば、寄り釘28a次第である。例えば、打ち出された遊技球の全てが回転体26に貯留される場合、即ち、打ち出された遊技球が、1/4(=2/8)の確率で、ワープ入賞ルート27へ進行する。一方、例えば、打ち出された遊技球のうち、いくつかが回転体26に貯留される場合、回転体26に貯留された遊技球が、1/4(=2/8)の確率で、ワープ入賞ルート27へ進行する。
【0036】
[実施形態2]
図5は、本発明の一実施形態に係る回転体の動作説明図(その3)である。図5に示されるように、実施形態に係る回転体26−2は、円形状機構の外周に窪むようにして、1個の遊技球を貯留可能な貯留部26cが1つ設けられている。また、回転体26−2は、貯留外壁26−3によってその外周が一定部分を除いて覆われている。
【0037】
遊技者により打ち出された遊技球は、寄り釘28aにより回転体26−2の上部に寄るようになっている。遊技球が回転体26−2へ向けて落下すると、ちょうど落下地点に位置する貯留外壁26−3の非覆部の位置で一旦保留される(図5(a)参照)。回転体26は、右方向(時計周り)に回転しており(図5(b)、(c)参照)、貯留部26cが12時の位置に移動すると、非覆部上に一旦保留されていた遊技球は、落下して回転体26−2の貯留部26cに貯留される(図5(d)参照)。貯留部26cに貯留された遊技球は、回転体26の回転に伴って移動し(図5(e)参照)、4時付近に位置する貯留外壁26−3の非覆部の位置に移動すると、貯留部26cに貯留された遊技球は回転体26−2から排出され、ワープ開口部29からワープ入賞ルート27へ進行する(図5(f)参照)。以降、遊技球は、ワープ開口部29からステージ台を通過して、始動口23の直ぐ上部付近から排出されることで、高い確率で始動口23に入賞する。
【0038】
一方、遊技球が回転体26−2へ向けて落下した場合であっても、既に他の遊技球が貯留外壁26−3の非覆部上に保留されてるときは(図5(a)参照)、落下してきた遊技球は、保留中の遊技球にぶつかる(弾かれる)などして、例えば左下方向へ落下する。
【0039】
図6は、本発明の一実施形態に係る回転体の動作説明図(その4)である。回転体26−2は、右方向(時計周り)に回転しているが、図6(a)、図6(b)の2例を挙げて、回転体26−2の回転動作の仕組みについて説明する。
【0040】
まず、図6(a)を参照して説明する。
【0041】
上述の通り、既に1個の遊技球が貯留外壁26−3の非覆部上に保留されてるときは(図6(a)参照)、遊技球は保留中の遊技球にぶつかる(弾かれる)などして、例えば左下方向へ落下する。遊技球の落下時、歯車26dに遊技球がぶつかることで、歯車26dが左方向へ送り出されて回転する。これに伴い、歯車26dと噛み合う歯車26eは、歯車26dの回転に伴って、ちょうど1コマ分、右方向へ回転する。よって、遊技球が歯車26dを1回分回転させる度に、回転体26−2は、ちょうど1コマ分、右方向へ回転する。
【0042】
従って、例えば、回転体26−2の1回転を8分割(8コマ分割)とするとすれば、遊技球は、1/8の割合で、回転体26−2の貯留部26cに貯留され、7/8の割合で、回転体26−2の貯留部26cに貯留されることなく、例えば左下方向へ落下する。このため、回転体26−2に貯留された遊戯球は、1/8の割合で、ワープ入賞ルート27へ進行することになる。
【0043】
次いで、図6(b)を参照して説明する。
【0044】
上述の通り、既に1個の遊技球が貯留外壁26−3の非覆部上に保留されてるときは(図6(a)参照)、遊技球は保留中の遊技球にぶつかる(弾かれる)などして、例えば左下方向へ落下する。遊技球の落下時、センサー26fは、落下(通過)する1個の遊技球を検知する。センサー26fが遊技球1個を検知した場合、モーター26gは、ちょうど1コマ分、右方向へ回転する。よって、遊技球がセンサー26fにより1個検知される度に、回転体26−2は、ちょうど1コマ分、右方向へ回転する。
【0045】
従って、例えば、回転体26−2の1回転を8分割(8コマ)とすると、遊技球は、1/8の割合で、回転体26−2の貯留部26cに貯留され、7/8の割合で、回転体26−2の貯留部26cに貯留されることなく、例えば左下方向へ落下する。このため、回転体26−2に貯留された遊戯球は、1/8の割合で、ワープ入賞ルート27へ進行することになる。
【0046】
以上のように、本実施形態2に係る回転体26−2は、1つの貯留部26cが設けられ、貯留外壁26−3によってその外周が一定部分を除いて覆われている。回転体26−2は、所定の割合(例えば、1/8)で、1個の遊技球が1つの貯留部に貯留されるので、回転体26に貯留された遊戯球は、1/8の確率で、ワープ入賞ルート27へ進行する。即ち、貯留された遊技球8個につき1個という割合で、遊技球をワープ入賞ルート27へ進行させることで、始動口23へ入賞させることが可能である。
【0047】
即ち、本実施形態2に係るパチンコ機10によれば、一定以上コンスタントに、遊技球を始動口23へ入賞させることができるため、遊技球が始動口へなかなか入賞しないという状態(例えば、回りムラなどという)の継続を防止、ないしは低減し、遊技者に飽きさせることなく興味を持って遊技を継続させることが可能である。
【0048】
[変形例]
図7は、本発明の一変形例に係るパチンコ機の正面図である。図7のパチンコ機10−2と、図1のパチンコ機10とを比較すると、回転体26の位置が異なっており、具体的に、回転体26は、始動口23の直近に設けられている。
【0049】
遊技者により打ち出された遊技球は、回転体26の上部に寄るようになっており、遊技球が上方より回転体26へ向けて落下すると、ちょうど落下地点に位置する回転体26の貯留部に一旦貯留される。回転体26は、貯留部に遊技球が貯留されると、遊技球の自重により、左方向へ回転する。
【0050】
回転体26の排出部には、始動口23が配置されており、回転体26を通過した遊技球が始動口23に送られるため、回転体26を通過した遊技球は確実に始動口23に入賞する。
【0051】
ここで、回転体26については、上述の実施形態1と同様の回転体を用いればよく、また実施形態2の回転体26−2を用いてもよい。
【0052】
従って、本変形例によれば、ワープ入賞ルート27に隣接して配置された回転体26に到来した遊技球を一定の割合で始動口23へ入賞させることが可能である。即ち、本変形例に係るパチンコ機10−2によれば、一定以上コンスタントに、遊技球を始動口23へ入賞させることができるため、遊技球が始動口へなかなか入賞しないという状態(例えば、回りムラなどという)の継続を防止し、遊技者に飽きさせることなく興味を持って遊技を継続させることが可能である。
【0053】
なお、本変形例によれば、遊技球が始動口23に入賞するには、構造上、必ず回転体26を通過する必要がある。つまり、遊技球は常に一定の割合で始動口23へ入賞するため、よりコンスタントに遊技球を始動口23へ入賞させることができる。
【0054】
一方、上述の実施形態1、2の場合、遊技球が始動口23に入賞する入賞ルートとしては、ワープ入賞ルートのほか、通常入賞ルートが存在する。よって、遊技球が回転体26に貯留されない場合であっても、遊技球が通常入賞ルートから始動口23に直接入賞することもある。よって、実施形態1、2によれば、遊技球が回転体を通過することでワープ入賞ルートから遊技球をある一定の割合で始動口23へ入賞させつつも、一で、ヘソ釘等に応じて、通常入賞ルートから始動口23に入賞する遊技球の程度を調整することができる。
【0055】
また、本変形例で示す回転体の位置はあくまで一例である。つまり、回転体は、打ち出された遊技球を、一定の割合で始動口23へ導く機構であり限り、遊技盤21の盤面上、何処にでも配置されることができる。また、例えば、近年、パチンコ機によっては、始動口23の位置自体も、遊技盤21の盤面上、様々な位置に配置されるようになってきた(例えば、液晶パネル22の直上など)。よって、始動口23の位置に応じて、回転体の位置自体も変更することができる。さらには、本発明の一実施形態に係る回転体を所謂羽モノ型のパチンコ機に適用してもよい。
【0056】
以上、本発明の好適な実施の形態により、特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨及び範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正及び変更を加えることができることは明らかである。即ち、具体例の詳細及び添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
【符号の説明】
【0057】
10 パチンコ機
21 遊技盤
22 液晶パネル
23 始動口
24 大入賞口
26 回転体
27 ワープ入賞ルート
28 ガイド経路
28a 寄り釘
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7