【解決手段】インナー多片リム20は、アウタービードシートバンド23と、アウターサイドリング25と、インナービードシートバンド26と、インナーサイドリング28と、を有する。そのため、インナー多片リム20のリムベース21からタイヤT20を取外す際、タイヤT20を、アウタービードシートバンド23、アウターサイドリング25、インナービードシートバンド26およびインナーサイドリング28とのアッセンブリで取外すことができる。そのため、インナー多片リム20のリムベース21から取外したタイヤT20のアッセンブリ構造を、アウター多片リム10のリムベース11から取外したタイヤT10のアッセンブリ構造と同じにすることができる。よって、従来に比べてタイヤ交換における手間と時間を短縮できる。
(a)リムベース中央部と、該リムベース中央部より車両の幅方向外側であるリム軸方向外側に位置するアウターガター部と、前記リムベース中央部より車両の幅方向中央側であるリム軸方向内側に位置するインナーガター部と、を備えるリムベースと、
(b)前記リムベースのアウターガター部に設けられるアウターロックリング溝に装着されるアウターロックリングと、
(c)前記リムベースのアウターガター部に嵌められるアウタービードシートバンドと、
(d)前記アウターガター部と前記アウタービードシートバンドとの間に配置されるアウターOリングと、
(e)前記アウタービードシートバンドに嵌められるアウターサイドリングと、
(f)前記リムベースのインナーガター部に嵌められるインナービードシートバンドと、
(g)前記インナーガター部と前記インナービードシートバンドとの間に配置されるインナーOリングと、
(h)前記インナービードシートバンドに嵌められるインナーサイドリングと、
を有し、
前記インナーガター部の外周面は、水平面部と、該水平面部よりリム軸方向内側に位置しリム軸方向内側かつリム半径方向外側に傾斜し前記インナービードシートバンドと面接触して前記インナービードシートバンドの軸方向力を受ける傾斜面部と、前記インナーOリングをリム軸方向内側から支持するOリング軸方向支持面部と、を備えており、該Oリング軸方向支持面部は、リム軸方向で前記水平面部のリム軸方向内側端部と前記傾斜面部のリム軸方向内側端部との間に位置しており、リム半径方向で少なくとも一部が前記水平面部より外周側にある、
インナー多片リム。
【背景技術】
【0002】
図11は、複輪のアウター側であるアウター多片リム1に装着されるタイヤT1をアウター多片リム1のリムベース1aから取外した際に、アウター多片リム1のリムベース1aをハブ3から取外すことなく、複輪のインナー側であるインナー多片リム2に装着されるタイヤT2をインナー多片リム2のリムベース2aから取外すことができる、複輪構造を開示している。
【0003】
アウター多片リム1のリムベース1aの、車両の幅方向外側であるリム軸方向外側端部は、ロックリング溝とOリング溝を備えるアウターガター部1bとなっている。アウターガター部1bにはアウターロックリング4aが装着されるとともにアウタービードシートバンド5aが嵌められており、アウタービードシートバンド5aにはアウターサイドリング6aが嵌められている。アウターOリング7aは、アウターガター部1bとアウタービードシートバンド5aとの間に配置されている。
アウター多片リム1のリムベース1aの、車両の幅方向中央側であるリム軸方向内側端部は、ロックリング溝とOリング溝を備えるインナーガター部1cとなっている。インナーガター部1cにはインナーロックリング4bが装着されるとともにインナービードシートバンド5bが嵌められており、インナービードシートバンド5bにはインナーサイドリング6bが嵌められている。インナーOリング7bは、インナーガター部1cとインナービードシートバンド5bとの間に配置されている。
【0004】
インナー多片リム2のリムベース2aの、車両の幅方向外側であるリム軸方向外側端部は、ロックリング溝とOリング溝を備えるアウターガター部2bとなっている。アウターガター部2bにはアウターロックリング4a´が装着されるとともにアウタービードシートバンド5a´が嵌められており、アウタービードシートバンド5a´にはアウターサイドリング6a´が嵌められている。アウターOリング7a´は、アウターガター部2bとアウタービードシートバンド5a´との間に配置されている。
インナー多片リム2のリムベース2aの、車両の幅方向中央側であるリム軸方向内側部は、バックフランジ部2cとなっている。バックフランジ部2cにはインナーサイドリング6b´のみが嵌められている。
インナー多片リム2のアウターロックリング4a´、アウタービードシートバンド5a´アウターサイドリング6a´、アウターOリング7a´、インナーサイドリング6b´は、それぞれ、アウター多片リム1のアウターロックリング4a、アウタービードシートバンド5a、アウターサイドリング6a、アウターOリング7a、インナービードシートバンド6bと同形状である。
【0005】
アウター多片リム1に装着されるタイヤT1とインナー多片リム2に装着されるタイヤT2をそれぞれのリムベース1a、2aから取外した際、
図12に示すように、タイヤT1は、アウタービードシートバンド5a、アウターサイドリング6a、インナービードシートバンド5bおよびインナーサイドリング6bとのアッセンブリで取外されるが、タイヤT2は、アウタービードシートバンド5a´とアウターサイドリング6a´とのアッセンブリで取外される。そのため、タイヤT2のアッセンブリ構造が、タイヤT1のアッセンブリ構造と異なっている。
【0006】
従来のインナー多片リムにはつぎの問題点がある。
タイヤT2のアッセンブリ構造が、タイヤT1のアッセンブリ構造と異なっているため、タイヤT1,T2をそれぞれ取外してタイヤT1とタイヤT2の位置を変える場合(タイヤT1をインナー多片リム2のリムベース2aに組付けタイヤT2をアウター多片リム1のリムベース1aに組付ける場合)、タイヤT1からインナービードシートバンド5bとインナーサイドリング6bとを外さなければならず、またタイヤT2にインナービードシートバンド5bとインナーサイドリング6bとを組付けなければならず、手間と時間がかかる。また、タイヤT1を予備タイヤと交換する場合とタイヤT2を予備タイヤと交換する場合とで、予備タイヤをそれぞれ異なるアッセンブリ状態にしなければならず、手間と時間がかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、従来に比べてタイヤ交換における手間と時間を短縮できるインナー多片リムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成する本発明はつぎの通りである。
(1) (a)リムベース中央部と、該リムベース中央部より車両の幅方向外側であるリム軸方向外側に位置するアウターガター部と、前記リムベース中央部より車両の幅方向中央側であるリム軸方向内側に位置するインナーガター部と、を備えるリムベースと、
(b)前記リムベースのアウターガター部に設けられるアウターロックリング溝に装着されるアウターロックリングと、
(c)前記リムベースのアウターガター部に嵌められるアウタービードシートバンドと、
(d)前記アウターガター部と前記アウタービードシートバンドとの間に配置されるアウターOリングと、
(e)前記アウタービードシートバンドに嵌められるアウターサイドリングと、
(f)前記リムベースのインナーガター部に嵌められるインナービードシートバンドと、
(g)前記インナーガター部と前記インナービードシートバンドとの間に配置されるインナーOリングと、
(h)前記インナービードシートバンドに嵌められるインナーサイドリングと、
を有し、
前記インナーガター部の外周面は、水平面部と、該水平面部よりリム軸方向内側に位置しリム軸方向内側かつリム半径方向外側に傾斜し前記インナービードシートバンドと面接触して前記インナービードシートバンドの軸方向力を受ける傾斜面部と、前記インナーOリングをリム軸方向内側から支持するOリング軸方向支持面部と、を備えており、該Oリング軸方向支持面部は、リム軸方向で前記水平面部のリム軸方向内側端部と前記傾斜面部のリム軸方向内側端部との間に位置しており、リム半径方向で少なくとも一部が前記水平面部より外周側にある、
インナー多片リム。
(2) 前記Oリング軸方向支持面部は、前記傾斜面部に連なっている、(1)記載のインナー多片リム。
【発明の効果】
【0010】
上記(1)のインナー多片リムによれば、つぎの効果を得ることができる。
インナー多片リムが、アウタービードシートバンドと、アウターサイドリングと、インナービードシートバンドと、インナーサイドリングと、を有するため、インナー多片リムのリムベースからタイヤを取外す際、タイヤを、アウタービードシートバンド、アウターサイドリング、インナービードシートバンドおよびインナーサイドリングとのアッセンブリで取外すことができる。そのため、インナー多片リムのリムベースから取外したタイヤのアッセンブリ構造を、アウター多片リムのリムベースから取外したタイヤのアッセンブリ構造と同じにすることができる。したがって、インナー多片リムのリムベースから取外したタイヤとアウター多片リムのリムベースから取外したタイヤの位置を変える場合に、それぞれのアッセンブリ構造を変えることなく位置を変えることができる。また、インナー多片リムのリムベースから取外したタイヤを予備タイヤと交換する場合とアウター多片リムのリムベースから取外したタイヤを予備タイヤと交換する場合とで、予備タイヤのアッセンブリ構造を変更する必要もない。よって、従来に比べてタイヤ交換における手間と時間を短縮できる。
【0011】
また、上記(1)のインナー多片リムによれば、さらにつぎの効果を得ることができる。
インナーガター部の外周面が、インナーOリングをリム軸方向内側から支持するOリング軸方向支持面部を備えており、Oリング軸方向支持面部が、リム半径方向で少なくとも一部が水平面部より外周側にあるため、Oリング軸方向支持面部の全体がリム半径方向で水平面部より内周側にある場合に比べて、インナーガター部にOリング用の溝が設けられる場合であっても該溝の深さを小にすることができる。そのため、インナーガター部の内周面が、アウターガター部の内周面より大径であり、リムベース中央部の内周面と同径、または、リムベースの車両ハブへの嵌め込みを妨げない程度にリムベース中央部の内周面より小径とされている場合であっても、インナーガター部の強度を確保できる。
【0012】
インナーガター部の外周面が、水平面部よりリム軸方向内側に位置しリム軸方向内側かつリム半径方向外側に傾斜しインナービードシートバンドと面接触してインナービードシートバンドの軸方向力を受ける傾斜面部を備えるため、インナービードシートバンドの軸方向力を受けるためのロックリング(インナーロックリング)は不要である。そのため、インナーロックリングを要する場合と異なり、インナーOリングがインナーロックリングのリムベースへの着脱のための切れ目により変形してエア漏れすることや破損することを防止できる。そのため、インナーロックリングを要する場合と異なり、インナーOリングの配置位置がインナーロックリングにより制約を受けることを防止できる。よって、Oリング軸方向支持面部を、リム軸方向で水平面部のリム軸方向内側端部と傾斜面部のリム軸方向内側端部との間に位置させることができる。
【0013】
上記(2)のインナー多片リムによれば、つぎの効果を得ることができる。
Oリング軸方向支持面部が、傾斜面部に連なっているため、傾斜面部の一部をリム軸方向内側に凹ませる等により比較的簡単にOリング軸方向支持面部を形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1〜
図5は、本発明実施例1のインナー多片リムを示しており、
図6は、本発明実施例2のインナー多片リムを示しており、
図7は、本発明実施例3のインナー多片リムを示しており、
図8は、本発明実施例4のインナー多片リムを示しており、
図9は、本発明実施例5のインナー多片リムを示しており、
図10は、本発明実施例6のインナー多片リムを示している。なお、図において、INは、車両の幅方向中央側であるリム軸方向内側を示し、OUTは、車両の幅方向外側であるリム軸方向外側を示す。
本発明全実施例にわたって共通する部分には、本発明全実施例にわたって同じ符号を付してある。
まず、本発明全実施例にわたって共通する部分を説明する。
【0016】
本発明実施例のインナー多片リム20は、
図1に示すように、建設車両等に用いられる、複数のピースを有する多片リムである。インナー多片リム20は、複輪(リア複輪)のインナー側(車両の幅方向中央側)の車輪である。ただし、インナー多片リム20は、複輪ではないフロント車輪であってもよい。以下、本発明実施例および図示例では、インナー多片リム20が複輪のインナー側の車輪である場合を説明する。
インナー多片リム20より車両の幅方向外側に、複輪(リア複輪)のアウター側(車両の幅方向外側)の車輪であるアウター多片リム10が配置される。
【0017】
アウター多片リム10は、リムベース11と、アウターロックリング12と、アウタービードシートバンド13と、アウターOリング14と、アウターサイドリング15と、インナーロックリング16と、インナービードシートバンド17と、インナーOリング18と、インナーサイドリング19と、を備える。
【0018】
リムベース11は、車両のハブ30と別体に形成されており、ハブ30に固定される。リムベース11は、ハブ30の、リムベース11が配置される部分の外周面より大径である。リムベース11は、リムベース中央部11aと、リムベース中央部11aより車両の幅方向外側であるリム軸方向外側に位置するアウターガター部11bと、リムベース中央部11aより車両の幅方向中央側であるリム軸方向内側に位置するインナーガター部11cと、を備える。アウターガター部11bとインナーガター部11cは、リムベース中央部11aと一体に形成されていてもよく、リムベース中央部11aと別体に形成されてリムベース中央部11aに溶接されていてもよい。アウターガター部11bとインナーガター部11cのそれぞれの外周面11d、11eは、リムベース中央部11aの外周面11kに連なっている。アウターガター部11bとインナーガター部11cのそれぞれの内周面11f、11gは、リムベース中央部11aの内周面11hに連なっている。アウターガター部11bとインナーガター部11cは、それぞれの外周面11d、11eに、内周側に凹むロックリング溝とOリング溝を備える。アウターガター部11bとインナーガター部11cのそれぞれの内周面11f、11gは、リムベース中央部11aの内周面11hより内周側に位置する部分11i、11jを有する。アウターガター部11bとインナーガター部11cの外周面11d、11eは、内周側に凹むロックリング溝とOリング溝を除いて、リムベース中央部11aの外周面11kと同径(略同径を含む)とされている。ただし、アウターガター部11bとインナーガター部11cの外周面11d、11eは、内周側に凹むロックリング溝とOリング溝を除いて、全ビードシートバンド13,17,23,26のリム軸方向へのスライドを妨げない程度に、リムベース中央部11aの外周面11kより大径とされていてもよい。
【0019】
アウターガター部11bのロックリング溝には、周方向に一箇所切れ目を有するアウターロックリング12が装着される。アウターガター部11bには、軸方向力がアウターロックリング12により受けられるアウタービードシートバンド13が嵌められており、アウタービードシートバンド13には、軸方向力がアウタービードシートバンド13により受けられるアウターサイドリング15が嵌められている。
【0020】
アウターOリング14は、アウターガター部11bとアウタービードシートバンド13との間に配置されており、アウターガター部11bとアウタービードシートバンド13との間をシールしている。なお、アウターOリング14は、シール性を有する帯状リングであればよい。アウターOリング14は、アウターロックリング12(の切れ目)と干渉して破損することを抑制するために、アウターロックリング12からリム軸方向内側に隔たった位置に配置されている。アウターOリング14は、アウターガター部11bのOリング溝に装着されている。アウターOリング14は、アウターガター部11bのOリング溝の壁面によりリム軸方向外側から支持されている。
【0021】
インナーガター部11cのロックリング溝には、周方向に一箇所切れ目を有するインナーロックリング16が装着される。インナーガター部11cには、軸方向力がインナーロックリング16により受けられるインナービードシートバンド17が嵌められており、インナービードシートバンド17には、軸方向力がインナービードシートバンド17により受けられるインナーサイドリング19が嵌められている。
【0022】
インナーOリング18は、インナーガター部11cとインナービードシートバンド17との間に配置されており、インナーガター部11cとインナービードシートバンド17との間をシールしている。なお、インナーOリング18は、シール性を有する帯状リングであればよい。インナーOリング18は、インナーロックリング16(の切れ目)と干渉して破損することを抑制するために、インナーロックリング16からリム軸方向外側に隔たった位置に配置されている。インナーOリング18は、インナーガター部11cのOリング溝に装着されている。インナーOリング18は、インナーガター部11cのOリング溝の壁面によりリム軸方向内側から支持されている。
【0023】
リムベース11、アウタービードシートバンド13、アウターOリング14、アウターサイドリング15、インナービードシートバンド17、インナーOリング18およびインナーサイドリング19は、周方向に連続している。アウターロックリング12とインナーロックリング16は、周方向に1箇所リムベース11への着脱のための切れ目を有し、リング両端部は周方向に互いに離れて対向している。
【0024】
本発明実施例のインナー多片リム20は、リムベース21と、アウターロックリング22と、アウタービードシートバンド23と、アウターOリング24と、アウターサイドリング25と、インナービードシートバンド26と、インナーOリング27と、インナーサイドリング28と、を備える。
【0025】
リムベース21は、車両のハブ30と別体に形成されており、ハブ30に固定される。リムベース21は、ハブ30の、リムベース21が配置される部分の外周面より大径である。リムベース21は、リムベース中央部21aと、リムベース中央部21aより車両の幅方向外側であるリム軸方向外側に位置するアウターガター部21bと、リムベース中央部21aより車両の幅方向中央側であるリム軸方向内側に位置するインナーガター部21cと、を備える。アウターガター部21bとインナーガター部21cは、リムベース中央部21aと一体に形成されていてもよく、
図2、
図3に示すようにリムベース中央部21aと別体に形成されてリムベース中央部21aに溶接されていてもよい。
【0026】
図1に示すように、リムベース中央部21aの外周面21dは、アウター多片リム10のリムベース11のリムベース中央部11aの外周面11kと同径(略同径を含む)とされていてもよく、インナービードシートバンド17,26のリム軸方向へのスライドを妨げない程度にリムベース中央部11aの外周面11kより大径または小径とされていてもよい。なお、リムベース中央部21aの外周面21dと、アウター多片リム10のリムベース11のリムベース中央部11aの外周面11kと、のいずれか一方または両方は、ガター部11b,11c,21bの外周面11d、11e、21fおよびインナー多片リム20のリムベース21のインナーガター部21cの後述の水平面部21qより小径とされていてもよい。
リムベース中央部21aの内周面21eは、アウター多片リム10のリムベース11のリムベース中央部11aの内周面11hと同径(略同径を含む)とされていてもよく、リムベース21の強度を妨げない程度にリムベース中央部11aの内周面11hより大径とされていてもよい。
【0027】
アウターガター部21bの外周面21fは、
図3に示すように、リムベース中央部21aの外周面21dに連なっている。アウターガター部21bは、外周面21fに、内周側に凹むアウターロックリング溝21kとアウターOリング溝21mを備える。アウターガター部21bの外周面21fは、内周側に凹むアウターロックリング溝21kとアウターOリング溝21mを除いて、リムベース中央部21aの外周面21dと同径(略同径を含む)とされている。ただし、アウターガター部21bの外周面21fは、内周側に凹むアウターロックリング溝21kとアウターOリング溝21mを除いて、全ビードシートバンド13,17,23,26のリム軸方向へのスライドを妨げない程度に、リムベース中央部21aの外周面21dより大径とされていてもよい。アウターガター部21bの内周面21iは、リムベース中央部21aの内周面21eに連なっている。アウターガター部21bの内周面21iは、リムベース中央部21aの内周面21eより内周側に位置する部分21jを有する。
【0028】
アウターガター部21bのアウターロックリング溝21kには、周方向に一箇所切れ目を有するアウターロックリング22が装着される。アウターガター部21bには、軸方向力がアウターロックリング22により受けられるアウタービードシートバンド23が嵌められており、アウタービードシートバンド23には、軸方向力がアウタービードシートバンド23により受けられるアウターサイドリング25が嵌められている。
【0029】
アウターOリング24は、アウターガター部21bとアウタービードシートバンド23との間に配置されており、アウターガター部21bとアウタービードシートバンド23との間をシールしている。なお、アウターOリング24は、シール性を有する帯状リングであればよい。アウターOリング24は、アウターロックリング22(の切れ目)と干渉して破損することを抑制するために、アウターロックリング22からリム軸方向内側に隔たった位置に配置されている。アウターOリング24は、アウターOリング溝21mに装着されている。アウターOリング24は、アウターOリング溝21mの壁面によりリム軸方向外側から支持されている。
【0030】
インナーガター部21cの内周面21nは、
図2に示すように、リムベース中央部21aの内周面21eに連なっている。インナーガター部21cの内周面21nは、リムベース中央部21aの内周面21eと同径(略同径を含む)とされている。ただし、インナーガター部21cの内周面21nは、リムベース21のハブ30への嵌め込みを妨げない程度に、リムベース中央部21aの内周面21eより小径とされていてもよい。また、インナーガター部21cの内周面21eは、アウターガター部21bの内周面21iより大径とされていてもよい。
【0031】
インナーガター部21cの外周面21pは、水平面部21qと、傾斜面部21rと、Oリング軸方向支持面部21sと、を備える。
水平面部21qは、リムベース中央部21aの外周面21dに連なっている。水平面部21qの径は、リムベース中央部21aの外周面21dと同径(略同径を含む)である。ただし、水平面部21qの径は、インナービードシートバンド17,26のリム軸方向へのスライドを妨げない程度に、リムベース中央部21aの外周面21dより大径とされていてもよい。
傾斜面部21rは、リム軸方向内側かつ外周側(リム半径方向外側)に傾斜する平面である。傾斜面部21rの少なくとも一部は、水平面部21qよりリム軸方向内側に位置している。傾斜面部21rは、水平面部21qより外周側(リム半径方向外側)に位置している。傾斜面部21rは、インナービードシートバンド26に設けられる傾斜面26aと面接触してインナービードシートバンド26の軸方向力(リム軸方向の力)を受ける。
Oリング軸方向支持面部21sは、
図5に示すように、インナーOリング27をリム軸方向内側から支持する。Oリング軸方向支持面部21sは、リム軸方向で水平面部21qのリム軸方向内側端部21tと傾斜面部21rのリム軸方向内側端部21uとの間(両端部を含む)に位置している。Oリング軸方向支持面部21sの少なくとも一部は、リム半径方向で水平面部21qより外周側にある。Oリング軸方向支持面部21sは、平面であってもよく、少なくとも1つの屈曲部を有する面であってもよく、湾曲面であってもよく、これらのうちの少なくとも2つの複合面であってもよい。Oリング軸方向支持面部21sは、傾斜面部21rに連なっている。
【0032】
図2に示すように、インナーガター部21cには、軸方向力が傾斜面部21rにより受けられるインナービードシートバンド26が嵌められており、インナービードシートバンド26には、軸方向力がインナービードシートバンド26により受けられるインナーサイドリング28が嵌められている。
【0033】
インナーOリング27は、インナーガター部21cとインナービードシートバンド26との間のスペースに配置されており、インナーガター部21cとインナービードシートバンド26との間をシールしている。なお、アウターOリング24は、シール性を有する帯状リングであればよい。
インナーガター部21cとインナービードシートバンド26との間のスペースが狭い場合には、
図5〜
図7、
図9、
図10に示すように、インナーガター部21cに、インナーガター部21cとインナービードシートバンド26との間のスペースを大にする溝21vが設けられていてもよい。なお、インナーガター部21cだけでなくインナービードシートバンド26にも、インナーガター部21cとインナービードシートバンド26との間のスペースを大にする図示略の溝が設けられていてもよい。
溝21vは、(i)
図5〜
図7に示すように、リム軸方向で水平面部21qと傾斜面部21rとの間に設けられていてもよく、(ii)
図9に示すように、リム半径方向で水平面部21qと傾斜面部21rとの間に設けられていてもよく、(iii)
図10に示すように、傾斜面部21rの中間部に設けられていてもよい。
インナーOリング27は、リム半径方向で水平面部21qより外周側にある部分を有し、該部分は、Oリング軸方向支持面部21sによりリム軸方向内側から支持されている。
【0034】
リムベース21、アウタービードシートバンド23、アウターOリング24、アウターサイドリング25、インナービードシートバンド26、インナーOリング27およびインナーサイドリング28は、周方向に連続している。アウターロックリング22は、周方向に1箇所リムベース21への着脱のための切れ目を有し、リング両端部は周方向に互いに離れて対向している。
【0035】
図1に示すように、インナー多片リム20の、アウターロックリング22、アウタービードシートバンド23、アウターサイドリング25およびアウターOリング24は、それぞれ、アウター多片リム10の、アウターロックリング12、アウタービードシートバンド13、アウターサイドリング15およびアウターOリング14と同形状である。インナー多片リム20のインナービードシートバンド26とインナーサイドリング28は、それぞれ、アウター多片リム10のインナービードシートバンド17とインナーサイドリング19と同形状である。
【0036】
つぎに、本発明全実施例にわたって共通する作用を説明する。
(A−1)アウター多片リム10のリムベース11のアウターガター部11bの外周面11dが、内周側に凹むロックリング溝とOリング溝を除いて、リムベース中央部11aの外周面11kと同径、または、全ビードシートバンド13,17,23,26のリム軸方向へのスライドを妨げない程度にリムベース中央部11aの外周面11kより大径とされている。そのため、アウターロックリング12をリムベース11から外すことで、リムベース11をハブ30から取外すことなく、アウター多片リム10に装着されるタイヤT10を、リムベース11から取外すことができる。
【0037】
(A−2)インナー多片リム20のリムベース21のアウターガター部21bの外周面21fが、内周側に凹むアウターロックリング溝21kとアウターOリング溝21mを除いて、リムベース中央部21aの外周面21dと同径、または、全ビードシートバンド13,17,23,26のリム軸方向へのスライドを妨げない程度にリムベース中央部21aの外周面21dより大径とされている。そのため、アウターロックリング22をリムベース21から外すことで、インナー多片リム20に装着されるタイヤT20を、リムベース21から取外すことができる。
【0038】
(A−3)アウター多片リム10のリムベース11のアウターガター部11bとインナーガター部11cの外周面11d、11eが、内周側に凹むロックリング溝とOリング溝を除いて、リムベース中央部11aの外周面11kと同径、または、全ビードシートバンド13,17,23,26のリム軸方向へのスライドを妨げない程度にリムベース中央部11aの外周面11kより大径とされている。
また、インナー多片リム20のリムベース21のリムベース中央部21aの外周面21dが、アウター多片リム10のリムベース11のリムベース中央部11aの外周面11kと同径、または、インナービードシートバンド17,26のリム軸方向へのスライドを妨げない程度にリムベース中央部11aの外周面11kより大径または小径とされている。
また、インナー多片リム20のリムベース21のアウターガター部21bの外周面21fが、内周側に凹むアウターロックリング溝21kとアウターOリング溝21mを除いて、インナー多片リム20のリムベース21のリムベース中央部21aの外周面21dと同径、または、全ビードシートバンド13,17,23,26のリム軸方向へのスライドを妨げない程度にリムベース中央部21aの外周面21dより大径とされている。
したがって、
図4に示すように、アウター多片リム10に装着されているタイヤT10をアウター多片リム10のリムベース11から取外したときに、アウター多片リム10のインナーロックリング16をアウター多片リム10のリムベース11から外すとともにインナー多片リム20のアウターロックリング22をインナー多片リム20のリムベース21から外すことで、アウター多片リム10のリムベース11をハブ30から取外すことなく、インナー多片リム20に装着されるタイヤT20をインナー多片リム20のリムベース21から取外すことができる。
【0039】
(B−1)アウター多片リム10が、アウタービードシートバンド13と、アウターサイドリング15と、インナービードシートバンド17と、インナーサイドリング19と、を有するため、アウターロックリング12をリムベース11から外すことで、アウター多片リム10に装着されるタイヤT10を、アウタービードシートバンド13、アウターサイドリング15、インナービードシートバンド17およびインナーサイドリング19がアッセンブリ化された状態でリムベース11から取外すことができる。
【0040】
(B−2)インナー多片リム20が、アウタービードシートバンド23と、アウターサイドリング25と、インナービードシートバンド26と、インナーサイドリング28と、を有するため、インナー多片リム20のリムベース21からタイヤT20を取外す際、タイヤT20を、アウタービードシートバンド23、アウターサイドリング25、インナービードシートバンド26およびインナーサイドリング28とのアッセンブリで取外すことができる。そのため、インナー多片リム20のリムベース21から取外したタイヤT20のアッセンブリ構造を、アウター多片リム10のリムベース11から取外したタイヤT10のアッセンブリ構造と同じにすることができる。したがって、インナー多片リム20のリムベース21から取外したタイヤT20とアウター多片リム10のリムベース11から取外したタイヤT10の位置を変える場合に、それぞれのアッセンブリ構造を変えることなく位置を変えることができる。また、インナー多片リム20のリムベース21から取外したタイヤT20を予備タイヤと交換する場合とアウター多片リム10のリムベース11から取外したタイヤT10を予備タイヤと交換する場合とで、予備タイヤのアッセンブリ構造を変更する必要もない。よって、従来に比べてタイヤ交換における手間と時間を短縮できる。
【0041】
(C)インナー多片リム20のリムベース21のインナーガター部21cの内周面21nが、車両のハブ30より大径であり、リムベース中央部21aの内周面21eと同径、または、リムベース21のハブ30への嵌め込みを妨げない程度にリムベース中央部21aの内周面21eより小径とされているため、インナーガター部21cの内周面21nの少なくとも一部がハブ30の外周面より小径とされている場合(アウター多片リム10のインナーガター部11cのようなインナーガター部構造の場合)と異なり、リムベース21がハブ30と干渉してリムベース21をハブ30に嵌め込むことができなくなることを防止できる。
【0042】
(D)インナー多片リム20のリムベース21のインナーガター部21cの外周面21pが、インナーOリング27をリム軸方向内側から支持するOリング軸方向支持面部21sを備えており、Oリング軸方向支持面部21sが、リム半径方向で少なくとも一部が水平面部21qより外周側にあるため、Oリング軸方向支持面部21sの全体がリム半径方向で水平面部21qより内周側にある場合に比べて、インナーガター部21cにインナーOリング27用の溝21vが設けられる場合であっても溝21vの深さを小にすることができる。そのため、インナーガター部21cの内周面21nが、アウターガター部21bの内周面21iより大径であり、リムベース中央部21aの内周面21eと同径、または、リムベース21のハブ30への嵌め込みを妨げない程度にリムベース中央部21aの内周面21eより小径とされている場合であっても、インナーガター部21cの強度を確保できる。
【0043】
(E)インナー多片リム20のリムベース21の、インナーガター部21cの外周面21pが、水平面部21qよりリム軸方向内側に位置しリム軸方向内側かつリム半径方向外側に傾斜しインナービードシートバンド26と面接触してインナービードシートバンド26の軸方向力を受ける傾斜面部21rを備えるため、従来と異なり、インナービードシートバンド26の軸方向力を受けるためのロックリング(インナーロックリング)は不要である。そのため、インナーロックリングを要する場合と異なり、インナーOリング27がインナーロックリングのリムベースへの着脱のための切れ目により変形してエア漏れすることや破損することを防止できる。そのため、インナーロックリングを要する場合(従来)と異なり、インナーOリング27の配置位置がインナーロックリングにより制約を受けることを防止できる。よって、Oリング軸方向支持面部21sを、リム軸方向で水平面部21qのリム軸方向内側端部21tと傾斜面部21rのリム軸方向内側端部21uとの間に位置させることができる。
【0044】
(F)Oリング軸方向支持面部21sが、傾斜面部21rに連なっているため、傾斜面部21rの一部をリム軸方向内側に凹ませる等により比較的簡単にOリング軸方向支持面部21sを形成することができる。
【0045】
つぎに、本発明各実施例に特有な部分を説明する。
〔実施例1〕(
図1〜
図5)
本発明実施例1では、
図5に示すように、インナー多片リム20のリムベース21のインナーガター部21cに、溝21vが設けられている。Oリング軸方向支持面部21sの一部のみがリム半径方向で水平面部21qより外周側にある。Oリング軸方向支持面部21sは、平面であり、リム軸方向と直交する垂直面である。
【0046】
溝21vは、リム軸方向で水平面部21qと傾斜面部21rとの間に設けられている。溝21vは、リム半径方向の内周側に凹むようにして設けられている。溝21vは、インナーOリング27の内周側端部(一部)のみを受け入れる。
【0047】
〔実施例2〕(
図6)
本発明実施例2では、インナー多片リム20のリムベース21のインナーガター部21cに、溝21vが設けられている。Oリング軸方向支持面部21sの一部のみがリム半径方向で水平面部21qより外周側にある。Oリング軸方向支持面部21sは、平面であり、リム軸方向内側かつリム半径方向外側に傾斜する傾斜面からなる。
【0048】
溝21vは、リム軸方向で水平面部21qと傾斜面部21rとの間に設けられている。溝21vは、リム半径方向の内周側に凹むようにして設けられている。溝21vは、インナーOリング27の内周側端部(一部)のみを受け入れる。
Oリング軸方向支持面部21sの傾斜角度は、傾斜面部21rの傾斜角度よりも、リム軸方向と直交する方向に近い角度である(急である)。
【0049】
〔実施例3〕(
図7)
本発明実施例3では、インナー多片リム20のリムベース21のインナーガター部21cに、溝21vが設けられている。Oリング軸方向支持面部21sの一部のみがリム半径方向で水平面部21qより外周側にある。Oリング軸方向支持面部21sは、傾斜面部21rの傾斜角度よりもリム軸方向と直交する方向に近い角度である(急である)平面と、湾曲面と、の複合面である。
【0050】
溝21vは、リム軸方向で水平面部21qと傾斜面部21rとの間に設けられている。溝21vは、リム半径方向の内周側に凹むようにして設けられている。溝21vは、インナーOリング27の内周側端部(一部)かつリム軸方向の一部のみを受け入れる。
【0051】
〔実施例4〕(
図8)
本発明実施例4では、インナー多片リム20のリムベース21のインナーガター部21cに、溝21vは設けられていない。Oリング軸方向支持面部21sの全部がリム半径方向で水平面部21qより外周側にある。Oリング軸方向支持面部21sは、平面であり、リム軸方向と直交する垂直面である。
【0052】
〔実施例5〕(
図9)
本発明実施例5では、インナー多片リム20のリムベース21のインナーガター部21cに、溝21vが設けられている。Oリング軸方向支持面部21sの全部がリム半径方向で水平面部21qより外周側にある。Oリング軸方向支持面部21sは、傾斜面部21rの傾斜角度よりもリム軸方向と直交する方向に近い角度である(急である)平面と、湾曲面と、の複合面である。
【0053】
溝21vは、リム半径方向で水平面部21qと傾斜面部21rとの間に設けられている。溝21vは、リム軸方向内側に凹むようにして設けられている。溝21vは、インナーOリング27のリム軸方向内側端部(一部)のみを受け入れる。
【0054】
〔実施例6〕(
図10)
本発明実施例6では、インナー多片リム20のリムベース21のインナーガター部21cに、溝21vが設けられている。Oリング軸方向支持面部21sの全部がリム半径方向で水平面部21qより外周側にある。Oリング軸方向支持面部21sは、リム周方向と直交する断面視で、リム軸方向外側に開く「V」字状である。
【0055】
溝21vは、傾斜面部21rの中間部(リム軸方向中間部でリム半径方向中間部)に設けられている。溝21vは、リム軸方向内側かつリム半径方向の内周側に凹むようにして設けられている。溝21vは、インナーOリング27の全部を受け入れる。