【解決手段】シート加工装置100は、搬送されるシートSを、加工処理するシートの加工処理部と、前記加工処理部により加工処理されることで得られた加工処理物Qを載置する載置部2と、加工処理物Qを加工処理部から載置部2へ排出する排出部30と、加工処理物Qの排出部による排出速度を制御する制御部45とを備えた。
搬送されるシートを、加工処理するシートの加工処理部と、前記加工処理部により加工処理されることで得られた加工処理物を載置する載置部と、加工処理物を加工処理部から載置部へ排出する排出部と、加工処理物の排出部による排出速度を制御する制御部とを備えたシート加工装置。
制御部は、加工処理物を載置部の所定位置に載置するために予め設定された所定速度で、該加工処理物の後端部分を排出するよう制御する請求項1または請求項2に記載のシート加工装置。
制御部は、加工処理部におけるシートの加工処理時点または排出部による加工処理物の排出開始時点のいずれかから所定時間経過後に加工処理物の排出速度を変更するよう制御する請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のシート加工装置。
搬送されるシートを、加工処理部において加工処理し、加工処理されることで得られた加工処理物を、加工処理部から下流側の載置部へと排出部によって排出するシートの加工処理方法であって、排出部による加工処理物の排出速度を調整しつつ該加工処理物を排出するシートの加工処理方法。
排出部により、加工処理物を載置部の所定位置に載置するために予め設定された所定速度で、該加工処理物の後端部分を排出する請求項6または請求項7に記載のシートの加工処理方法。
加工処理部におけるシートの加工処理時点または排出部による加工処理物の排出開始時点のいずれかから所定時間経過後に加工処理物の排出速度を変更する請求項6乃至請求項8のいずれか一項に記載のシートの加工処理方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の装置では、シートの加工処理により得られた加工処理物を載置台上へ搬送する際、加工処理物の大きさ、コシの強さ、厚さなどによっては、加工処理物が載置台上のストッパーに突き当たって跳ね返り、載置台上に適正に載置されないという問題が生じることがある。また、跳ね返った加工処理物が上流側へと逆走して後続の加工処理物に衝突しジャムを生じることもある。
【0005】
本発明の目的は、加工処理物を載置部の適正な位置に載置することの可能なシート加工装置及びシートの加工処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明のシート加工装置は、搬送されるシートを、加工処理するシートの加工処理部と、前記加工処理部により加工処理されることで得られた加工処理物を載置する載置部と、加工処理物を加工処理部から載置部へ排出する排出部と、加工処理物の排出部による排出速度を制御する制御部とを備えた。
【0007】
また、前記構成において、制御部は、加工処理物の後端縁からの所定領域を、該所定領域の直前の排出速度より遅い速度で排出するよう制御する。
【0008】
そして、前記各構成において、制御部は、加工処理物を載置部の所定位置に載置するために予め設定された所定速度で、該加工処理物の後端部分を排出するよう制御する。
【0009】
更に、前記各構成において、制御部は、加工処理部におけるシートの加工処理時点または排出部による加工処理物の排出開始時点のいずれかから所定時間経過後に加工処理物の排出速度を変更するよう制御する。
【0010】
更に、前記各構成において、加工処理部は、シートを搬送方向に交差する向きに裁断する裁断部である。
【0011】
また、本発明のシートの加工処理方法は、搬送されるシートを、加工処理部において加工処理し、加工処理されることで得られた加工処理物を、加工処理部から下流側の載置部へと排出部によって排出するシートの加工処理方法であって、排出部による加工処理物の排出速度を調整しつつ該加工処理物を排出する。
【0012】
また、前記構成において、加工処理物の後端縁からの所定領域を、該所定領域の直前の排出速度より遅い速度で排出する。
【0013】
そして、前記各構成において、排出部により、加工処理物を載置部の所定位置に載置するために予め設定された所定速度で、該加工処理物の後端部分を排出する。
【0014】
更に、前記各構成において、加工処理部におけるシートの加工処理時点または排出部による加工処理物の排出開始時点のいずれかから所定時間経過後に加工処理物の排出速度を変更する。
【0015】
更に、前記各構成において、加工処理部において、シートを搬送方向に交差する向きに裁断する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、加工処理物の排出部による排出速度を制御する制御部とを備えたので、加工処理物を適正な位置に載置するよう排出部による排出速度を制御し、加工処理物を載置部に適正に載置することができる。
【0017】
また、制御部は、加工処理物の後端縁からの所定領域を、該所定領域の直前の排出速度より遅い速度で排出するよう制御する場合は、載置部にストッパー等が設置されていても加工処理物がこのストッパー等に突き当たり跳ね返るのを抑制でき、ジャムの発生を防ぐことができる。
【0018】
そして、制御部は、加工処理物を載置部の所定位置に載置するために予め設定された所定速度で、該加工処理物の後端部分を排出するよう制御する場合は、加工処理物を載置部により適正に載置することができる。
【0019】
更に、制御部は、加工処理部におけるシートの加工処理時点または排出部による加工処理物の排出開始時点のいずれかから所定時間経過後に加工処理物の排出速度を変更するよう制御する場合は、加工処理途中またはそれ以前の時点を基準とする場合に比較して、より適正なタイミングで排出速度を変更できる。
【0020】
更に、加工処理部は、シートを搬送方向に交差する向きに裁断する裁断部である場合は、搬送方向に交差する向きにシートを裁断処理するために、シートの搬送を一旦停止した場合であっても、裁断後、得られた加工処理物を排出部によって適正な排出速度で排出することができる。
【0021】
本発明にかかるシートの加工処理方法は、排出部による加工処理物の排出速度を調整しつつ該加工処理物を排出するので、載置部の所定位置に加工処理物を載置することができる。
【0022】
また、加工処理物の後端縁からの所定領域を、該所定領域の直前の排出速度より遅い速度で排出する場合は、載置部にストッパー等が設けられていても、該ストッパーに加工処理物が突き当たりにくくすることができる。
【0023】
そして、排出部により、加工処理物を載置部の所定位置に載置するために予め設定された所定速度で、該加工処理物の後端部分を排出する場合は、加工処理物を載置部により適正に載置することができる。
【0024】
更に、加工処理部におけるシートの加工処理時点または排出部による加工処理物の排出開始時点のいずれかから所定時間経過後に加工処理物の排出速度を変更する場合は、加工処理途中またはそれ以前の時点に基づき排出速度を変更する場合に比較して、より適正なタイミングで排出速度を変更可能である。
【0025】
更に、加工処理部において、シートを搬送方向に交差する向きに裁断する場合は、搬送方向に交差する向きにシートを裁断処理するために、シートの搬送を一旦停止した場合であっても、裁断後、得られた加工処理物を排出部によって適正な排出速度で排出することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[シート加工装置の全体構成]
本発明にかかるシート加工装置の第1の実施形態を、図面を用いて説明する。
図1は本発明に係るシート加工装置の模式縦断面図である。この
図1において、シート加工装置100は、装置本体1のシートSの搬送方向Fの上流端部に供給部3を備え、搬送方向Fの下流端部に加工処理物Qを載置する載置部2を備え、該供給部3と載置部2との間に、略水平な搬送経路5が構成されている。
【0028】
搬送経路5には、上下一対の搬送ローラ9〜18が複数設置された搬送部4を備えている。搬送ローラ9〜18は、搬送方向Fに間隔をおいて配置される。最も下流側に設置された2組の搬送ローラ17,18は、シートSが加工処理されることで得られた加工処理物Qを載置部2へと排出する排出部30を構成する。更に、搬送経路5には、搬送されるシートSを加工処理する加工処理部が設置されている。
図1では、加工処理部として、裁断部19及びクリース処理部21が設けられている。裁断部19は、3つのスリッター処理部20と、カッター処理部22とにより構成される。
【0029】
スリッター処理部20、クリース処理部21及びカッター処理部22は、それぞれ着脱可能なユニットとして構成されており、カセット方式により、装置本体1内の所望の位置に着脱できる構造となっている。したがって、加工の種類に応じて、各処理部20,21,22の配置順序を変更したり、あるいは搬送方向Fに沿ったクリース処理を施す機構、面取り機構やミシン目形成機構等の他の加工処理部と取り替えたり、追加したりすることができる。
【0030】
スリッター処理部20の上流側には、読取部26及びリジェクト機構25が配置され、スリッター処理部20の下流側には、紙片落とし機構27が配置されている。また、装置本体1内の下部には、紙片回収部23が配置されている。
【0031】
搬送部4を構成する各搬送ローラ9〜18は、図示しない動力伝達機構を介してローラ駆動部41〜44にそれぞれ連結されており、各ローラ駆動部41〜44は制御部45に電気的に接続されている。最も下流側に設置された2組の搬送ローラ17,18を駆動するローラ駆動部44は、加工処理物Qを載置部2へと排出するための排出駆動部を構成する。制御部45には、CPUや、RAM及びROM等の記憶装置が内蔵されており、制御部45のインターフェースには、操作パネル46及び読取部26が電気的に接続されている。操作パネル46は、シートSの裁断処理に関する情報を含む各種加工処理情報を設定する設定部と表示部とを兼ねて構成する。また、読取部26は、前記設定部を構成する。
【0032】
搬送経路5には、さらに、シートSまたは加工処理物Qの前端縁(下流側端縁)SaあるいはシートSまたは加工処理物Qの後端(上流側端縁)Sbを検出する複数の光透過式の検出部31〜35が配置されており、それぞれ制御部45のインターフェースに電気的に接続されている。シートSの搬送方向Fにおいて最も上流側の第1検出部31は、読取部26の上流側近傍に配置され、次の第2検出部32は、スリッター処理部20の上流側近傍に配置され、次の第3検出部33は,スリッター処理部20の途中に配置され、次の第4検出部34は、クリース処理部21の上流側近傍に配置され、最も下流側の第5検出部35は、載置部2の上流側近傍に傾斜して配置されている。
【0033】
第1検出部31は、供給部3からシートSが供給された後、搬送ローラ9で把持されたシートSの前端縁Sa又は後端縁Sbを検出し、検出したシート位置を基準にして、搬送経路5上で搬送されている各シートSの位置を一義的に検出する。
【0034】
第2検出部32及び第3検出部33は、シートSや加工処理物Qの詰まりを検出する。第4検出部34は、搬送経路5が長くなって搬送経路5上の加工処理物Qの搬送方向Fの位置ずれ(搬送誤差)の累積が起こった場合に備えて、第1検出部31で得られたシート位置情報を修正して、当該シート位置情報をより正確なものにするために補助的に設置している。第5検出部35は、載置部2への加工処理物Qの排出を検出する。また、第5検出部35は、傾斜配置されることで、載置部2に載置された加工処理物Qが所定量に達した際、上側の発光素子35aからの光が下側の受光素子35bに受光されなくなり、載置部2が満杯となったことを検知する。さらに、第5検出部35は、載置部2での加工処理物Qのジャム等を検出する。
【0035】
[供給部3]
供給部3には給紙ローラ8が配置される。また、供給部3は、吸引搬送ベルト機構51を内蔵しており、供給台52上に積載された所定枚数のシートSを、吸引搬送ベルト機構51及び上下一対の給紙ローラ8により、上から順に、一枚ずつ搬送経路5に供給する。一対の給紙ローラ8のうち下方の給紙ローラ81及び吸引搬送ベルト機構51は、給紙用駆動部47に接続され、該給紙用駆動部47は制御部45に電気的に接続されている。
【0036】
[読取部26]
読取部26は、前記操作パネル46による各種加工処理情報の手動入力とは別に、自動的に加工処理情報を読み取り、設定を行う設定部を構成する。具体的には、
図2に示すようなシートSの前端隅部に印刷された位置マークM1の画像を読み取って、シートSの搬送方向F及び搬送方向Fと直交する幅方向Wの加工の基準位置を検出するとともに、シートSの前端部に印刷されたバーコードM2の画像を読み取ってシートSに施されるべき各種加工処理情報を取得するCCDセンサー等により構成される。加工処理情報としては、たとえば、シートSの搬送方向Fの全長Lf及び全幅Lwに加え、裁断部19としてのスリッター処理部20及びカッター処理部22による裁断線T、Kの位置情報、クリース処理部21による折線Cの位置情報、これらの加工処理によって得られる加工処理物Qの寸法、数及び配置の情報等が挙げられる。
【0037】
[リジェクト機構25]
図1のリジェクト機構25は、シートSに印刷された位置マークM1やバーコードM2が不鮮明であるために読取部26による読取が不能であった場合、そのシートSに対して、作動し、読取不能のシートSを落下させてトレイ25aで回収する。
【0038】
[スリッター処理部20]
スリッター処理部20は、搬送方向Fに3つのユニットを並べており、各ユニットには、上下の回転刃からなる一対の裁断刃36が、それぞれ幅方向Wに間隔を置いて2組ずつ配置されている。回転刃駆動部48の駆動力で下側の各回転刃を回転させることにより、搬送部4による搬送方向Fに沿った裁断を行いシートSに対して裁断線Tを形成するようになっている。前記2組の上下裁断刃36の幅方向Wの位置は任意に変更可能となっている。
【0039】
最上流のユニット20aには、裁断刃36の下流側にマージン落し部材55が設置されている。最上流のユニット20aでは、主としてシートSの左右両端縁の不要な紙片Ja(
図2参照)が切り取れられる。マージン落し部材55は、この裁断刃36によって切り取られた左右両端縁の紙片Jaを紙片回収部23へ案内し、落下させる。
【0040】
[紙片落とし機構27]
紙片落とし機構27は、前記スリッター処理部20の3つのユニットのうち、搬送方向F中央のユニット20b及び最下流のユニット20cで、搬送部4による搬送方向Fに沿ったシートSの裁断を行うことで搬送方向Fに沿って切り取られ不要となったシートSのなかほどの紙片Jbを、搬送経路5の下方へ排除する。紙片落とし機構27は、例えば、最下流のユニット20cの裁断刃36の幅方向Wの移動に伴って移動するよう構成することができ、シートSが紙片落とし機構27を通過する際に、前記紙片Jbを紙片回収部23へ案内し、落下させる。
【0041】
[クリース処理部21]
クリース処理部21は、上端凹部を有する下型39と、前記凹部に嵌合する下端凸部を有する上型38とを備えており、前記上型38は、モータ等の折り型駆動部49に動力伝達機構を介して連結されている。すなわち、折り型駆動部49の駆動力で上型38を下降させることにより、シートSに対して、搬送方向Fと直交する幅方向Wに折り目を形成する。
【0042】
[カッター処理部22]
カッター処理部22では、シートSが搬送方向Fに交差する向きに裁断される。そして、本実施形態では、カッター処理部22では、シートSが搬送方向Fに直交する向きに裁断される。カッター処理部22は、幅方向Wに延び、相対向する上側可動刃71及び下側固定刃73からなる一対の裁断刃41を備える。上側可動刃71は下側固定刃73に対し近接離間し、これにより、シートSを搬送方向Fと直交する幅方向Wに沿って設定された所定位置でシートSを裁断する。上側可動刃71は、動力伝達機構を介してモータ等の裁断駆動部50に連結されている。
【0043】
[載置部2]
載置部2は、載置台57及びストッパー58を備える。載置台57は、排出部30により排出された加工処理物Qが載置される。載置台57は、図示しない昇降手段によって昇降自在となっており、搬送ローラ18による加工処理物Qの排出高さより所定量低い位置に、載置台57上に積載された複数の加工処理物Qのうち最上位の加工処理物Qが位置するよう調整される。よって、シートSの加工処理が進行し、加工処理物Qの積載量が増大するのに伴って載置台57は徐々に下降される。
【0044】
ストッパー58は、合成樹脂製で透明または半透明に形成され、載置台57上に着脱自在に立設される。ストッパー58の下部には、磁石等の載置台57への取付部材59を備える。この取付部材59により、ストッパー58は、最終成果物である加工処理物Qの搬送方向F長さに応じて、鉄製等の載置台57上の所望する位置に移動可能である。ストッパー58は、加工処理物Qが載置台57上に適正に載置されるよう必要により加工処理物Qの前端縁Qfが突き当てられ、該加工処理物Qを所定位置に保持する。
【0045】
[紙片回収部23]
紙片回収部23は、紙片収容箱65及びガイド69、70を備える。紙片収容箱65は、上部開口を有する直方体状に形成される。紙片収容箱65は、裁断部19において切り取られ不要となった紙片Jを回収し、収容する。ガイド69、70は、裁断部19において切り取られ、落下する不要な紙片Jを紙片収容箱65へと案内する。
【0046】
[制御部45]
制御部45は、シート加工装置100全体の動作を制御する。そして、制御部45は、検出部31〜35からの情報を取得し、操作パネル46または読取部26により設定されたシートSの加工処理情報に基づいて供給部3、搬送部4及び各加工処理部の駆動を制御し、シートSの加工処理を行う。
【0047】
更に、制御部45は、排出部30による加工処理物Qの載置部2への排出速度を制御する。排出速度の制御方法として、制御部45は、加工処理物Qの後端部分Qrを排出部30による通常排出速度を変更した速度で排出するよう制御することができる。排出部30による通常排出速度は、搬送部4の通常搬送速度と同じであってもよく、速くてもよく、遅くてもよい。排出部30の通常排出速度が搬送部4の通常搬送速度より速い場合には、加工処理物Qの載置部2への排出時間を短縮可能であり、加工処理部においてシートSの搬送を一時的に停止し、シートSを加工処理する場合には、搬送経路5上で前後する加工処理物Qの衝突によるジャムの発生を抑制可能である。
【0048】
後端部分Qrの排出時に通常排出速度を変更した後の速度は、通常排出速度より速くてもよく、遅くてもよい。また、制御部45は、加工処理物Qの後端部分Qrを、加工処理物Qを載置部2の所定位置に載置するために予め設定された所定速度で排出するよう制御する。所定速度は、通常排出速度より速くてもよく、遅くてもよい。所定速度が通常排出速度より速い場合には、最終成果物である加工処理物Qが搬送方向Fに長い場合や比較的コシの弱い場合、厚さが薄い場合等に、加工処理物Qがストッパー58立設位置まで届かず、載置台57の途中で排出時の勢いを失ってそのまま載置されるといったことを防止し、加工処理物Qを載置台57上の適正な位置に載置することができる。
【0049】
また、制御部45は、後端部分Qrを排出する際に減速しつつ排出するよう制御してもよく、加速しつつ排出するよう制御してもよい。そして、制御部45は、搬送ローラ17,18によって加工処理物Qの後端部分Qrを挟持し搬送する際、搬送ローラ17,18の排出速度の最高値で排出するよう制御することができ、また、排出速度の最高値より遅い速度で排出するよう制御してもよい。そして、制御部45は、加工処理物Qの後端縁Qeからの所定領域を、該所定領域の直前の排出速度Voより遅い速度で排出するよう制御してもよい。
【0050】
制御部45は、このような排出速度を変更する制御を、カッター処理部22において裁断処理を行う際に行うよう制御することができる。また、制御部45は、この排出速度を変更する制御を、裁断処理する際には必ず行うよう制御してもよく、所定条件を満たす場合に限って排出速度を変更するよう制御してもよい。所定条件とは、シートSの大きさ、コシの強さ、厚さ、種類、加工処理物Qの配列、数、搬送方向長さLq、幅方向長さLv、加工処理の際のシートSの通常の搬送速度、載置台57の高さ等の各種加工処理情報に関する条件である。
【0051】
例えば、搬送部4の通常の搬送速度が、比較的高速となる所定値以上の速度である場合や、加工処理物Qの搬送方向長さLqまたは幅方向長さLvが所定値より短い場合、シートSのコシの強さが強い場合、シートSの厚さが厚い場合等の加工処理物Qの前端縁Qfがストッパー58に突き当たって跳ね返る等して加工処理物Qが適正に載置部2に載置されにくいときには、制御部45は、加工処理物Qの排出部30による排出速度制御し、加工処理物Qの後端部分Qrを通常排出速度より遅い所定速度で排出するよう制御することができる。
【0052】
このように、制御部45が、カッター処理部22での裁断処理の後加工処理物Qの後端部分Qrを通常排出速度より遅い所定速度で排出するよう制御する制御方法の一例を、
図3を基に以下に説明する。
図3は、排出部30の排出速度Voを説明する図である。同図の上段には、カッター処理部22から載置部2に至る構成、即ち、カッター処理部22、排出部30、検出部35及び載置部2の各配置を示す。同図中段には、加工処理物Qが、カッター処理部22での裁断後、搬送経路5上を下流側へと排出される際の各タイミングでの位置を示す。そして同図の下段には、横軸を、搬送経路5における加工処理物Qの後端縁Qeの位置P1〜P7とし、縦軸を、排出部30の排出速度の大きさとした場合における排出部30の排出速度Voの変化を示している。
【0053】
図3下段に示す排出速度Voを示す図において、P1は、加工処理物Qの後端縁Qeが裁断刃24によって裁断された直後の状態を示す。加工処理物Qの後端縁Qeを裁断する際、制御部45は、まず
図1に示す給紙用駆動部47及びローラ駆動部41〜44のを全て停止し、シートSの搬送を一時的に中断する。そして、制御部45は、裁断駆動部50を駆動する。これより、カッター処理部22の上側可動刃71が下降し、下側固定刃73との間でシートSが幅方向Wに沿って裁断され、裁断線Kが形成され、シートSから下流側の加工処理物Qが切り離される。
【0054】
図3に示すように、P1においては、加工処理物Q1の後端縁Qeが上側可動刃71と下側固定刃73の当接面に位置している。また、同図下段に示すように、このP1の状態では、排出部30の排出速度Voは0である。
【0055】
その後、制御部45は、引き続き裁断駆動部50の駆動を継続し、裁断時下死点に至った上側可動刃71を上昇させる。また、これと同時に、制御部45は、ローラ駆動部44を駆動し、加工処理物Qの載置部2への排出を開始する。一方、制御部45は、給紙用駆動部47及びローラ駆動部41〜43については停止した状態を継続している。このため吸引搬送ベルト機構51は駆動せず、給紙ローラ8及び搬送ローラ9〜16は回転しない。このため裁断刃24の上流側に位置するシートSの搬送は行われず、裁断位置に留まったままである。
【0056】
ローラ駆動部44の駆動により搬送ローラ17,18は、停止した状態から回転開始される。そして、加工処理物Q1の後端縁QeがP2の位置に至るまでの間、排出部30の排出速度Voは所定割合で上昇し、加工処理物Q1は下流側へ向けて加速して搬送される。加工処理物Q1の後端縁Qeが搬送ローラ17のニップ部手前のP2の位置に至ると、排出部30の排出速度Voは、最高値Vhに達する。この排出速度の最高値Vhは、シートSを加工処理する際に、搬送部4によってシートSを搬送する際の通常の搬送速度と同じであってもよく、搬送部4の通常の搬送速度より速くてもよく、遅くてもよい。排出速度の最高値Vhが搬送部4の通常の搬送速度より速い場合には、加工処理物Qの排出時間を短縮可能である。また、排出部30による排出のために制御部45が給紙用駆動部47及びローラ駆動部41〜43を停止して上流側にあるシートSの搬送を中断している時間を短くすることができるので、シート加工装置100全体としてのシートSの加工処理効率を向上可能である。
【0057】
制御部45は、排出速度が最高値Vhである状態を、後端縁QeがP2からP4に移動する間中維持する。この間、後端縁QeがP3に至ると、加工処理物Q3の後端縁Qeは搬送ローラ17のニップ部に位置し、その後、後端縁Qeはこのニップから開放され、加工処理物Q3は下流側の搬送ローラ18のみにより挟持搬送される状態となる。
【0058】
更に、後端縁Qeが搬送ローラ18のニップ部手前のP4に至ると、制御部45は、加工処理物Q4の排出速度Voを変更し、排出速度Voの減速を開始し、加工処理物Q4の後端部分Qrを減速しつつ排出するよう制御する。この後端縁QeがP4に至る時点は、カッター処理部22におけるシートSの裁断処理時点及び排出部30による加工処理物Qの排出開始時点であるP1の状態から所定時間経過後の時点である。また、P4では、加工処理物Q4の後端部分Qrが搬送ローラ18によって挟持搬送されている状態である。
【0059】
P4からP6までの所定時間に亘り、制御部45は、搬送ローラ18による加工処理物Q4〜Q6の排出速度Voを所定割合で減速するようローラ駆動部44を制御する。このように、制御部45は、加工処理物Q4〜Q6の後端部分Qrを、排出部30による排出速度Voの最高値Vhより遅い速度で排出するよう制御する。そして、制御部45は、加工処理物Qの後端縁Qeからの所定領域を、該所定領域の直前の排出速度より遅い速度で排出するよう制御する。所定領域とは、P4の時点で、加工処理物Q4が搬送ローラ18にニップされている箇所Qnから後端縁Qeまでの範囲である。この所定領域については、直前の排出速度となる最高値Vhより遅い減速した速度で加工処理物Q4〜Q6を排出する。
【0060】
P5では、加工処理物Q5の後端縁Qeが搬送ローラ18のニップ部に至る。このP5での加工処理物Q5の排出速度Voは、排出部30の最高速度Vhの約半分程度の速度Vrとしている。P5において後端部分Qrの排出速度Vrを、排出部30の最高速度Vhの約半分程度とすることで、加工処理物Qのストッパー58への衝突及びその後の跳ね返りを抑制し、適正な位置に加工処理物Qを載置可能である。
【0061】
P5の後、加工処理物Q5の後端縁Qeが搬送ローラ18のニップから外れると、加工処理物Q5は載置部2へ向けて速度Vr、乃至速度Vrよりやや遅い速度で排出される。加工処理物Q5の排出後、後端縁QeがP6に至るころには、制御部45は、ローラ駆動部44を停止し、搬送ローラ17,18の回転を停止する。
【0062】
P7では、載置台57の上方を飛翔していた加工処理物Q6が該載置台57上の所定位置に着地し、加工処理物Q7の後端縁QeがP7の位置となる。また、P6で制御部45がローラ駆動部44を停止した後、制御部45は、給紙用駆動部47及び全てのローラ駆動部41〜44を駆動し、シートSの搬送を再開する。これより、裁断刃24の上流側に位置しているシートSを含む後続のシートSの加工処理が再開される。
【0063】
P5からP7までの間、加工処理物Qは、載置台58の上方を排出速度Vr以下の通常排出速度である最高値Vhより遅い速度で飛翔し、ストッパー58の手前で載置台57上へ着地するかまたはストッパー58に跳ね返されない程度の勢いで突き当たり、そのまま載置台57上へと落下し、載置される。
【0064】
[シートの加工処理物配列パターン]
図2は、シートSの加工処理物Qの配列パターンの一例を示す平面図である。同図に示す加工処理物Qの配列パターンは、一枚のシートSから折り目を有する4枚の加工処理物Qを製作するようになっている。基本的には、搬送方向Fと平行に延びる4本の裁断線Tと、幅方向Wに延びる2本の折線C及び幅方向Wに延びる4本の裁断線Kが設定されている。2本の折線C及び裁断線Kは、シートSが裁断線Tで搬送方向Fに平行に裁断され、シートSから切り取られた長尺の紙片Ja,Jbが除去されることで、幅方向Wに並んだ2枚の加工処理物Qcに対し、同時にクリース処理または裁断処理が複数回施されることで形成される。
【0065】
尚、
図2に示す加工処理物の配列パターンでは、スリッター処理部20による搬送方向Fと平行な裁断線Tが4本となっているので、スリッター処理部20のうち中央のユニット20bまたは最下流のユニット20cのいずれか一方のみ幅方向Wの所定位置に移動して裁断処理し、他方は、シートSの搬送経路5の外側へ移動して待機させる。
【0066】
このような加工処理物Qの配列パターンについてのシートSに施されるべき各種加工処理情報は、使用者によって操作パネル46を用いて設定されるか、または、シートSのバーコードM2に記録される。この各種加工処理情報には、シートSの大きさ、コシの強さ、厚さ、種類、加工処理物Qの配列、数及び寸法、シートSから切り取られる不要な紙片Jの大きさ、搬送方向Fや幅方向W等の所定方向の長さ、数等のシートSの加工処理に関する情報に加え、シートS自体に関する情報も含まれる。
【0067】
[シート加工装置の全体作業の概要]
(1)
図1に示す操作パネル46より、使用者が各種加工処理情報を入力する。なお、この手動入力の代わり、あるいは、手動入力と協働して、読取部26によるバーコードM2等の読み取りにより、加工処理情報を自動的に入力させることもできる。
【0068】
(2)
図1の供給部3の供給台52上に積載された複数のシートSを、吸引搬送ベルト機構51及び給紙ローラ8により、上端から一枚ずつ搬送経路5に供給する。供給速度は、加工処理情報として入力された搬送速度と等しくなるよう制御部45により調整される。また、制御部45は、供給用駆動部47及びローラ駆動部41〜44の駆動を制御することによって、搬送経路5上のシートSが所定の搬送速度で搬送されるよう制御する。そして、制御部45は、加工処理部で加工処理するためにシートSの搬送を一時的に停止する場合には、搬送部4による搬送速度を所定割合で減速するとともに、加工処理後に所定割合で加速するよう制御する。
【0069】
(3)搬送部4によってシートSが所定の搬送速度で搬送されることで、該シートSが読取部26にいたると、シートSの位置マークM1並びに、必要に応じてバーコードM2が読み取られてシートSに施されるべき各種加工処理情報が取得される。
【0070】
(4)リジェクト機構25では、仮に、読取部26による読取が不能であり、加工条件が不明である場合には、そのシートSに対して、作動し、読取不能のシートSを落下させてトレイ25aで回収する。
【0071】
(5)スリッター処理部20では、裁断刃36により搬送方向Fと平行な複数の裁断線TでシートSを裁断する。最上流のユニット20aでシートSから切り取られた左右両端縁の不要な紙片Jaは、マージン落し部材55によって下方の紙片回収部23へと下向きに移動させられ、ガイド69に案内され、紙片収容箱65に収容される。
【0072】
(6)紙片落とし機構27では、スリッター処理部20のうち中央のユニット20b及び最下流のユニット20cによってシートSから切り取られた不要な紙片Jbが、下方の紙片回収部23へと下向きに移動させられ、紙片収容箱65に収容される。
【0073】
(7)クリース処理部21では、シートSの折線C形成位置が上型38及び下型39の設置位置に接近すると、制御部45が、給紙用駆動部47及びローラ駆動部41〜44の駆動を制御し、供給部3及び搬送部4による搬送速度を所定割合で減速開始し、その後シートSの折線C形成位置が上型38及び下型39の設置位置に至ると、該シートSの搬送を装置全体で停止する。
【0074】
そして、制御部45は、折り型駆動部49を駆動し、上型38を下降させ、下型39の凹部に嵌合することにより、シートSに対して、幅方向Wに沿った折線Cを形成する。その後、折り型駆動部49の駆動を継続することで、下死点に至った上型38を上昇させ、更に、給紙用駆動部47及びローラ駆動部41〜44の駆動を再開し、シートSを下流側へ搬送する。
【0075】
(8)カッター処理部22では、シートSの裁断線K形成位置が裁断刃24の設置位置に接近すると、制御部45が、給紙用駆動部47及びローラ駆動部41〜44の駆動を制御し、供給部3及び搬送部4による搬送速度を所定割合で減速開始し、その後シートSの裁断線K形成位置が裁断刃24の設置位置に至ると、給紙用駆動部47及びローラ駆動部41〜44の駆動を停止し、該シートSの搬送を装置全体で停止する。
【0076】
そして、制御部45は、裁断駆動部50を駆動し、上側可動刃71を下降させ、下側固定刃73に接触させることにより、シートSを幅方向Wに沿って裁断する。
【0077】
その後、制御部45が、裁断駆動部50の駆動を継続することで、下死点にある上側可動刃71を上死点まで上昇し、更に、給紙用駆動部47及びローラ駆動部41〜44の駆動を再開し、シートSを下流側へ搬送する。裁断線KでシートSが裁断されることで、シートSから切り取られ不要となった紙片Jcはガイド70により案内され、紙片回収箱65に回収される。裁断及びクリース処理によって得られた加工処理物Qは載置部2に搬送され、載置される。
【0078】
加工処理物Qの載置部2への搬送の際、シートSや加工処理物Qの大きさ、種類などによっては、加工処理物Qを搬送ローラ17,18によって通常の搬送速度で載置部2へと排出すると、該加工処理物Qの前端縁Qfがストッパー58に突き当たって跳ね返り、載置台57上に適正に載置されなかったり、上流側へと逆走して後続の加工処理物Qに衝突しジャムを生じたりすることがある。特に、搬送部4による搬送速度が、比較的高速となる所定値以上の速度である場合には、このような問題が生じやすくなる。また、加工処理物Qの搬送方向長さLqや幅方向長さLvが所定値より短い場合や、シートSのコシの強さが強い場合、シートSの厚さが厚い場合等においても、加工処理物Qが排出部30によって勢いよく排出されたり、加工処理物Qが排出時のままの速度を低下されることなくストッパー58に突き当たり、跳ね返されやすくなる。
【0079】
そこで、本実施形態にかかるシートSの加工処理方法では、加工処理物Qを排出する際には、排出部30による排出速度Voを調整しつつ該加工処理物Qを排出可能としている。これより、シートSや加工処理物Qの大きさ、コシの強さ、厚さ等のシートSや加工処理物Qに関する各種条件、及びシートSの搬送速度や加工処理物Qの排出速度VoといったシートSの加工処理に関する各種条件に応じて、加工処理物Qの排出速度Voを適正な速度に調整し、載置部2に適正に加工処理物Qを載置することができる。
【0080】
また、排出部30による加工処理物Qの載置部2への排出速度Voは、加工処理物Qの後端部分Qrを排出部30による通常排出速度を変更した速度で排出することができ、変更後の排出速度は、通常排出速度より速くてもよく、遅くてもよい。加工処理物Qの後端部分Qrを、排出部30による通常排出速度より遅い速度で排出する場合は、加工処理物Qがストッパー58に突き当たりにくくすることができる。
【0081】
そして、加工処理物Qを載置部2の所定位置に載置するために予め設定された所定速度で、加工処理物Qの後端部分Qrを排出するよう調整することができる。所定速度は、通常排出速度より速くてもよく、遅くてもよい。このように加工処理物Qの後端部分Qrを所定速度で排出する場合は、加工処理物Qを積載部2に適正に載置することができる。
【0082】
また、後端部分Qrを排出する際には、減速しつつ排出してもよく、加速しつつ排出してもよい。そして、搬送ローラ17,18によって加工処理物Qの後端部分Qrを挟持し搬送する際、搬送ローラ17,18の排出速度の最高値Vhで排出するよう制御することができ、排出速度の最高値Vhより遅い速度で排出してもよい。
【0083】
そして、加工処理物Qの排出速度を変更する時点を、加工処理部におけるシートQの加工処理時点及び排出部30による加工処理物Qの排出開始時点である
図3に示すP1の時点から所定時間経過後とすることで、加工処理物Qの状態に応じて排出速度を変更でき、より適正なタイミングで排出速度を変更可能である。
【0084】
以上より、本実施形態にかかるシート加工装置100は、加工処理物Qの排出部30による排出速度Voを制御する制御部45を備えたので、加工処理物Qを載置部2に適正に載置することができる。また、制御部45は、加工処理物Qの後端縁Qeからの所定領域を、該所定領域の直前の排出速度Voより遅い速度で排出するよう制御する場合は、加工処理物Qが載置部2のストッパー58等に突き当たり難くなり、ジャムの発生を防ぐことができる。そして制御部45は、加工処理物Qを載置部2の所定位置に載置するために予め設定された所定速度で、該加工処理物Qの後端部分Qrを排出するよう制御する場合は、加工処理物Qを載置部2に適正に載置することができる。
【0085】
また、制御部45は、加工処理部におけるシートSの加工処理時点または排出部30による加工処理物Qの排出開始時点のいずれかから所定時間経過後に加工処理物Qの排出速度を変更するよう制御する場合は、シートSの供給部3による供給開始時点や読取部26の読み取り時点を基に排出速度を変更する場合に比較して、より正確に加工処理物Qの位置を把握することができ、ジャムの発生を更に低減可能である。
【0086】
尚、上記実施形態では、シートSを搬送方向Fに交差する向きに裁断する裁断部19であるカッター処理部22から載置部2へ加工処理物Qを排出する際に、排出部30による排出速度Voを制御したが、これに限定されず、加工処理部として搬送方向Fに沿った裁断線を形成するスリッター処理や、搬送方向または該搬送方向に交差する方向に折り目を形成するクリース処理、面取り処理、ミシン目形成処理等他の加工処理部であってもよい。また、裁断刃24は搬送方向Fに直交する幅方向Wに沿ってシートSを裁断したが、搬送方向Fに対し斜めの裁断線に沿ってシートを裁断してもよい。
【0087】
また、制御部45は、加工処理物Qの後端部分Qrを、加工処理物Qを載置部2の所定位置に載置するために予め設定された所定速度で排出するよう制御したが、所定速度を予め設定せず、加工処理の各段階に応じ最適となる速度に随時変更してもよい。また、制御部45は、加工処理部におけるシートの加工処理時点または排出部30による加工処理物Qの排出開始時点のいずれかから所定時間経過後に加工処理物の排出速度を変更するよう制御したが、シートの加工処理時点または排出部による加工処理物Qの排出開始時点ではない他の時点、例えば、供給部によるシートの供給開始時点等を基に排出速度を変更するよう制御してもよい。
【0088】
また、制御部45は、加工処理物Qを載置部2へ排出する際、排出部30のローラ駆動部44を駆動している間、上流側の供給用駆動部47及びローラ駆動部41〜43を全て停止し、後続のシートSの搬送を全て停止した状態で加工処理物を排出したが、加工処理物の排出中に上流側のシートの搬送を開始し搬送を行ってもよい。これより、シートの加工処理時間をより短縮可能である。また、加工処理物Qの後端縁Qrを裁断直後、裁断駆動部50の駆動を継続して上側可動刃71を上昇させる時点で、ローラ駆動部44を駆動開始し、加工処理物の排出を開始したが、上側可動刃を上昇させた後、加工処理物の排出を開始してもよい。
【0089】
また、載置台57は、昇降手段によって昇降自在とされたが、昇降手段を設けず、載置台が装置本体に固定されていてもよい。載置台が昇降せず、装置本体に固定される場合には、載置台上に積載される加工処理物の積載量に応じて、排出部による排出速度を変更するよう制御することが好ましい。載置台上の加工処理物の積載量が少ない場合、積載量が多いときに比較して、排出部によって排出された加工処理物が載置台上に積載された複数の加工処理物のうち最上位の加工処理物の上に着地するまでに要する時間が長くなる。よって、このように積載量が少ないときには多いときより排出速度を遅くすることで、着地するまでに長い時間要した場合であっても、加工処理物を適正な位置に載置することができる。そして、載置台上の加工処理物の積載量が徐々に増大し、最上位の加工処理物の高さが排出部の排出高さに接近するにつれ、排出部による排出速度を徐々に速くする。これより、排出高さから、載置台上の最上位の加工処理物までの落差が小さくなったために、排出された加工処理物が着地までに要する時間が短くなる場合であっても、ストッパーの立設位置に到達するまで加工処理物を飛翔させることができる。
【0090】
また、各種加工処理情報は、操作パネル46より使用者が手動設定するかまたは読取部26によりバーコードM2を読み取ることで自動的に入力したが、パソコンなど外部の情報処理装置と通信を行って設定してもよい。また、予め操作パネルからの手動入力によって、シートの配列パターンを複数記憶手段に記憶しておき、各パターンを番号などによって呼出して、設定することとしてもよい。
【0091】
また、シート加工装置100は、スリッター処理部20、カッター処理部22及びクリース処理部21を備えたが、スリッター処理部及びカッター処理部の少なくともいずれかの裁断部を備えてもよく、裁断部と他の加工機構(ミシン目形成機構、丸み形成機構等も含む)とを適宜組み合わせたシート加工装置、更には加工機構、搬送ローラの数が前記実施の形態と異なるシート加工装置にも、本発明を適用できることはいうまでもない。また、シートの配列パターンは、
図2に例示したものに限定されず、裁断線T,Kや折線Cの数について、他の種々のパターンが設定可能である。
【0092】
また、排出部30は、2組の搬送ローラ17,18により構成したが、1組または3組以上の搬送ローラを用いてもよく、ローラに替えてベルトを用いてもよい。また、載置部3は、ストッパー58を備えたが、ストッパーがなくてもよい。また、載置部は、ベルトコンベアを備え、該ベルトコンベア上に加工処理物を載置してもよい。