【解決手段】被検眼からの視距離に応じた毛様体緊張性微動を示す高周波数成分の出現頻度の程度を表示する自覚式検眼装置50であって、制御部59を備え、制御部59は、棒を表示部51bに表示し、棒の軸方向を、被検眼からの視距離を示すように表示し、棒を、高周波数成分の出現頻度を視覚的に視認可能に表示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、眼調節機能の検眼情報を分かりやすく表示する眼調節機能表示装置、検眼システム、眼調節機能解析プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
・第1の発明は、
被検眼からの視距離に応じた毛様体緊張性微動を示す高周波数成分の出現頻度の程度を表示する眼調節機能解析装置であって、
制御部(59)を備え、
前記制御部(59)は、
棒(62,70R〜79R,70L〜79L)を表示部(51b)に表示し、
前記棒の軸方向を、前記被検眼からの視距離を示すように表示し、
前記棒を、前記高周波数成分の出現頻度を視覚的に視認可能に表示すること、
を特徴とする眼調節機能解析装置である。
・第2の発明は、
第1の発明の眼調節機能解析装置において、
前記制御部(59)は、
左眼及び右眼に対応した前記棒(70R〜79R,70L〜79L)を、並べて表示すること、
を特徴とする眼調節機能解析装置である。
・第3の発明は、
第1又は第2の発明の眼調節機能解析装置において、
前記制御部(59)は、
前記棒(71R〜79R,71L〜79L)を、前記高周波数成分の出現頻度を、加入度又は近方視距離を反映して、前記視覚的に視認可能に表示すること、
を特徴とする眼調節機能解析装置である。
・第4の発明は、
第3の発明の眼調節機能解析装置において、
前記制御部(59)は、
前記加入度又は前記近方視距離を反映前後の前記棒(71R〜79R,71L〜79L)を、並べて表示すること、
を特徴とする眼調節機能解析装置である。
・第5の発明は、
第1から第4のいずれかの発明の眼調節機能解析装置(50)と、
毛様体緊張性微動を示す高周波数成分の出現頻度の程度を測定する他覚式検眼装置(10)とを備える検眼システムであって、
前記眼調節機能解析装置は、前記他覚式検眼装置が測定した前記高周波数成分の出現頻度を解析して、前記棒(62,70R〜79R,70L〜79L)を前記表示部(51b)に表示すること、
を特徴とする検眼システムである。
・第6の発明は、
コンピュータ(50)を、
被検眼からの視距離に応じた毛様体緊張性微動を示す高周波数成分の出現頻度の程度を表示する制御手段(59)として機能させ、
前記制御手段を、
棒(62,70R〜79R,70L〜79L)を表示部(51b)に表示し、
前記棒の軸方向を、前記被検眼からの視距離を示すように表示し、
前記棒を、前記高周波数成分の出現頻度を視覚的に視認可能に表示するように機能させること、
を特徴とする眼調節機能解析プログラムである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
・第1、第7の発明は、棒の軸方向を、被検眼からの視距離を示すように表示し、高周波数成分の出現頻度を視覚的に視認可能に表示するので、被検眼からの視距離に応じた毛様体緊張性微動を示す高周波数成分の出現頻度の程度を、分かりやすく表示できる。医療現場において、被検者に説明しやすい。
・第2の発明は、左眼及び右眼に対応した棒を、並べて表示するので、左眼及び右眼の相違を分かりやすく表示できる。
・第3の発明は、加入度を反映した高周波数成分の出現頻度の程度を、分かりやすく表示できる。また、近用における目の疲労度を、一目瞭然に表示できる。これにより、加入度の効果を一目瞭然に表示でき、検者等は、眼鏡等を処方する場合に参考にできる。
・第4の発明は、加入度又は近方視距離を反映前後の棒を、並べて表示するので、加入度を反映前後において、高周波数成分の出現頻度の程度を、分かりやすく表示できる。このため、加入度の有無による目の疲れの相違を比較しやすい。また、遠用及び近用間でのリラックス状態の連続性等を、分かりやすく表示できる。
・第5の発明は、他覚式検眼装置が取得した検眼情報を眼調節機能解析装置が解析して、上記棒を表示部に表示できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、実施形態の検眼システム1の構成を説明する斜視図である。
図2は、実施形態の検眼システム1のブロック図である。
検眼システム1は、他覚式検眼装置10の検眼情報18aを自覚式検眼装置50(眼調節機能解析装置)に移動して、自覚式検眼装置50で自覚式検眼を行うシステムである。検眼情報18aは、被検眼の眼調節機能の情報を含んでいる。自覚式検眼装置50は、この眼調節機能の検眼情報18aを解析して、その解析結果を自覚式検眼に利用する。
【0009】
検眼システム1は、他覚式検眼装置10、自覚式検眼装置50を備える。
他覚式検眼装置10は、他覚式検眼の機能と、眼調節機能の測定の機能とを有する。他覚式検眼装置10としては、特許公報(第4173296号)に記載されたものを利用できる。上記特許公報に記載されているように、眼調節機能の測定は、左右の被検眼の毛様体緊張性微動を示す高周波数成分(1.0〜2.3Hz)の出現頻度の程度を測定するものである。
【0010】
他覚式検眼装置10は、操作部11、他覚式測定部12、記憶部18、制御部19を備える。
操作部11は、検者が他覚式検眼装置10を操作するための操作装置である。操作部11は、ボタン等を備える。
他覚式測定部12は、被検眼を他覚式検眼するための部分である。他覚式測定部12は、他覚式検眼するための検眼光学系、視標、チョッパ等を備える。
他覚式検眼装置10は、左右の被検眼の測定として、眼調節機能の他に、球面度数、乱視度数、乱視軸、瞳孔間距離、加入度(ADD)等の測定を行うことができる。他覚式検眼装置10の検眼情報18aには、これらの測定情報が含まれる。
【0011】
記憶部18は、他覚式検眼装置10の動作に必要なプログラム、情報等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶装置である。
記憶部18は、検眼情報18aを記憶する。
【0012】
制御部19は、他覚式検眼装置10を統括的に制御するための演算装置、制御装置であり、例えば、CPU等から構成される。
制御部19は、記憶部18に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、前述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
【0013】
(自覚式検眼装置50)
図1、
図2に示すように、自覚式検眼装置50は、卓上操作装置51、自覚式測定部52、記憶部58、制御部59を備える。
なお、本発明でいうコンピュータとは、記憶装置、制御装置等を備えた情報処理装置をいい、自覚式検眼装置50は、記憶部58、制御部59等を備えた情報処理装置であり、本発明のコンピュータの概念に含まれる。
卓上操作装置51及び自覚式検眼装置50の本体間は、通信ケーブル51cで接続されている。卓上操作装置51は、操作部51a、表示部51bを備える。
操作部51aは、検者が自覚式検眼装置50を操作するための操作する操作装置である。操作部51aは、キーボード、テンキー等を備える。また、操作部51aは、必要に応じて、ダイヤル等を備えていてもよい。操作部51aは、後述する解析処理の操作等を受け付ける。
表示部51bは、液晶表示装置等である。後述するように、表示部51bは、眼調節機能の解析結果を示す棒グラフ等を表示する。
卓上操作装置51は、通信ケーブル51cを介して操作情報を自覚式検眼装置50の本体に送信し、また、表示部51bの表示情報を自覚式検眼装置50の本体から受信する。
【0014】
自覚式測定部52は、被検眼を自覚式検眼するための部分である。自覚式測定部52は、右眼及び左眼用にそれぞれ設けられている。自覚式測定部52は、自覚式検眼するための検眼光学系等を備える。自覚式測定部52の検眼光学系は、球面度数を生成したり、乱視度数、乱視軸を生成する。
【0015】
記憶部58は、自覚式検眼装置50の動作に必要なプログラム、情報等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶装置である。
記憶部58は、検眼情報18a、解析プログラム58b(眼調節機能解析プログラム)を記憶する。
検眼情報18aは、他覚式検眼装置10の検眼情報18aと同一のものである。つまり、検眼情報18aは、他覚式検眼装置10の記憶部18から移動されたものである。なお、移動とは、コピー(複製)を含む概念である。
検眼情報18aの移動方法は、限定されない。この移動方法は、例えば、検眼情報18aを、他覚式検眼装置10から記憶媒体(USBメモリー等)に移動して、さらに記憶媒体から自覚式検眼装置50に移動するものでもよい。また、この移動方法は、他覚式検眼装置10及び自覚式検眼装置50間を有線通信(通信ケーブルを介した通信等)、又は無線通信(赤外線通信等)で接続して、検眼情報18aを移動するものでもよい。
解析プログラム58bは、検眼情報18aに対して、後述する解析処理をするためのプログラムである。解析プログラム58bは、後述する処理に必要な演算式、各種テーブル等を記憶する。
【0016】
制御部59は、自覚式検眼装置50を統括的に制御するための演算装置、制御装置であり、例えば、CPU等から構成される。
制御部59は、記憶部58に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、前述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
【0017】
(検眼情報解析処理)
眼調節機能の検眼情報18aの解析処理について説明する。
(一軸の棒グラフに変換する処理)
最初に、眼調節機能の検眼情報18aを、一軸の棒グラフ61に変換する処理について説明する。
図3は、実施形態の眼調節機能の検眼情報18aを、棒グラフ61に変換する形態を説明する図である。
図3(A)は、他覚式検眼装置10で測定した眼調節機能の測定結果を棒グラフ60で示す図である。
図3(B)は、
図3(A)の2軸の棒グラフ60を、一軸の棒グラフ61に変換した図である。
眼調節機能の検眼情報18aは、左右両眼ついてそれぞれ有する。ここでは、簡略して片眼のみを説明する。検眼情報18aは、裸眼の状態の情報である。
【0018】
図3(A)の棒グラフ60の表示手法の概略を説明する。
棒グラフ60の表示手法は、特許文献1の
図5、
図6等と同様なものである。
棒グラフ60は、二軸のグラフである。
棒グラフ60の横軸は、遠点位置D0(=0D)から視標までの距離を示す。
遠点は、視標の移動に被検眼の屈折力が変化しなくなる位置であり調節していない状態である。つまり、遠点は、被検眼が明視できる一番遠くの位置である。遠点位置は、被検眼が、視標が遠点に配置されているように見える配置位置である。従って、棒グラフ60は、被検眼によって遠点位置が異なり、眼鏡等で矯正される球面度数が反映されたものになる。
棒グラフ60の横軸の単位は、通常は、D(ディオプタ)である。
図3(A)は、D(ディオプタ)をメートル(m)に換算して、D(ディオプタ)、メートル(m)を併記した。
棒グラフ60の縦軸は、各視標位置での眼屈折力を示す。単位は、D(ディオプタ)である。
【0019】
各視標位置での測定回数は、5回であり、この5回の測定を1セットとする。測定範囲は、0〜−3Dである。視標の移動距離は、0.5D間隔である。このため、測定は、7箇所で計7セット(合計35回)行われる。
なお、各視標位置の測定回数(5回)、移動距離(0.5D)、測定範囲(0〜−3D)等は、適宜変更できる。
【0020】
各回の測定結果は、棒グラフ60によって表示される。棒グラフ60の棒の内部は、毛様体緊張性微動を示す高周波数成分の出現頻度の程度に応じたハッチングが付される。このため、各回の被検眼の緊張度合は、視覚的に視認できる。
図3(A)の棒グラフ60は、被検眼の以下の3段階の緊張度合を、3種のハッチングにより示す。
・リラックス状態(Relaxed):高周波数成分の出現頻度0〜50db
・やや緊張状態(Less strain):高周波数成分の出現頻度50〜70db
・緊張状態(More strain):高周波数成分の出現頻度70〜100db
なお、緊張度合の段階の数は、適宜変更できる。
また、緊張度合は、視認して判別できればよく、その表現は、ハッチングに限定されず、例えば、色彩、濃度、輝度等のいずれか、又はこれらを組み合わせてもよい。
【0021】
図3(A)の棒グラフ60を、
図3(B)に、一軸の棒グラフ61に変換する処理は、自覚式検眼装置50の制御部59が、以下の手順で行う。
(1)視標位置の1箇所の緊張度合を1種類に変換する。
1箇所の検眼情報18aは、5回の緊張性微動の測定情報を有する。制御部59は、これらを平均化して、緊張度合を1種類に変換する。制御部59は、変換後の緊張度合に対応したハッチングを、上記3種から選択する。
制御部59は、この処理を、全7箇所において行う。
(2)制御部59は、検眼情報18aから眼屈折力の情報を削除する。これにより、
図3(A)の情報から縦軸の情報が削除される。
(3)
図3(B)に示すように、制御部59は、最後に、横軸の棒62を表示する。横軸は、
図3(A)と同様に、遠点位置D0(=0D)から視標までの距離を示す。そして、制御部59は、棒の内部を、上記(1)のハッチングで表示する。後述するように、制御部59は、棒グラフ61を、表示部51bに表示する。
なお、棒とは、線を含む概念である。線の場合でも、緊張度合の相違は、色彩等の相違によって表現できる。
【0022】
このように、検眼システム1は、複数の情報を有する
図3(A)の棒グラフ60を、
図3(B)の棒グラフ62に変換する。これにより、検眼システム1は、被検眼からの視距離に応じた眼調節機能を、分かりやすく表示できる。このため、医療についての専門の知識を有さない被検者等でも、視距離、緊張度合の関係が分かりやすい。
【0023】
(検者の操作に応じた解析処理)
次に、検者の自覚式検眼装置50の操作に応じて、自覚式検眼装置50が行う解析処理について説明する。
図4は、実施形態の解析処理を説明するフローチャートである。
図5から
図6は、実施形態の解析処理における表示部51bの表示を示す図である。
【0024】
解析処理では、以下の状態を前提とする。
・他覚式検眼装置10で両眼の測定を終えている。
・両眼の検眼情報18aが、自覚式検眼装置50から他覚式検眼装置10の記憶部58に移動されている。
なお、以下の例は、説明を簡略するために、両眼の検眼情報18aが、同一である例を説明する。
【0025】
S1において、検者が検眼情報18aをグラフ表示するための操作をすると、制御部59は、この操作を受け付けて、S2に進む。
S2において、
図5(A)に示すように、制御部59は、記憶部58に記憶された両眼の検眼情報18aに対して、上記一軸の棒グラフに変換する処理を行う。制御部59は、左眼及び右眼に対応した棒71R,71Lを作成して、棒グラフ71を作成する。棒グラフ71は、棒71R,71Lを並べられたものである。制御部59は、この棒グラフ71を、卓上操作装置51の表示部51bに表示する。
なお、制御部59は、被検眼からの視距離を、被検者等が分かりやすいように、メートル(m)に換算したものを表示する。
また、前述したように、棒グラフ71は、眼鏡等で矯正される球面度数S又は等価球面度数S+C/2が反映されたものになる。
【0026】
ここで、検眼情報18aには、矯正値として加入度(ADD)が含まれている場合がある。検者は、操作部51aを操作して、この加入度を反映した棒グラフを表示できる。
S10において、制御部59は、加入度を反映させるための操作を受け付けたと判定した場合には(S10:YES)、S11に進み、一方、受け付けていないと判定した場合には(S10:NO)、S20に進む。
S11において、
図5(B)に示すように、制御部59は、棒71R,71Lに対して、眼鏡等で矯正される加入度(ADD)を反映した棒72R,72Lを作成し、棒グラフ72を作成する。
図5(B)は、加入度+1.00を反映した例である。そして、制御部59は、棒グラフ71を上側に、棒グラフ72を下側に、並べて表示する。
これにより、検眼システム1は、遠近両用の眼鏡を処方した場合において、近用及び遠用における目の疲労度を一目瞭然に表示でき、かつ、加入度の効果を視認可能に表示できる。また、検眼システム1は、例えば、遠用及び近用間において、リラックス状態が連続しているか否か等を視認可能に表示できる。
なお、棒グラフは、球面度数S、加入度ADDがマイナス(−)に付加されれば左方向に移動し、一方、プラス(+)に付加されれば右方向に移動する。さらに、距離(m)は、ディオプタ(D)の逆数で表すので、棒グラフは、被検眼に近づく程短くなる。この場合、遠点∞よりも遠い方向(左側)と、0.2mよりも被検者側(右側)とは、カットされる。
【0027】
ここで、検者は、操作部51aを操作することにより、加入度の変更に応じて棒グラフが変化する態様を確認できる。
S20において、制御部59は、加入度の変更操作を受け付けたと判定した場合には(S20:YES)、S21に進み、一方、受け付けていないと判定した場合には(S20:NO)、S30に進む。
S21において、
図6(A)に示すように、制御部59は、棒71R,71Lに対して、加入度ADD+1,00を反映した棒73R,73Lを作成し、棒グラフ73を作成する。
図6(B)は、加入度を+1.00から+0.50に変更した例である。制御部59は、棒グラフ71を上側に、棒グラフ74を下側に変更後の加入度ADDを反映した棒74R,74Lを作成し、並べて表示する。
図6(B)は、
図6(A)よりも加入度を弱くしている。このため、例えば近方視の距離は、0.25m(
図6(A))から0.28m(
図6(B))に変化している。
【0028】
ここで、検者は、操作部51aを操作して、解析を終了するか否かを選択できる。
S50において、制御部59は、解析終了の操作を受け付けたと判定した場合には(S50:YES)、S60に進み、一方、受け付けていないと判定した場合には(S50:NO)、S10からの処理を繰り返す。
【0029】
S10から繰り返す処理によって、検者は、棒グラフを、繰り返し変形させることができる。これにより、被検眼にとって、疲れにくかったり、使用時の近方視距離に適切な矯正値を求めることができる。検者は、このように求めた矯正値を、自覚式測定部52の検眼光学系を用いた検眼に反映させることができる。
S60において、制御部59は、一連の処理を終了する。
【0030】
自覚式検眼装置50は、上記の他に、例えば、以下の裸眼グラフ表示処理、レンズメータ表示処理を行うことができる。
図7は、実施形態の裸眼グラフ表示処理における表示部51bの表示を示す図である。
図8は、実施形態のレンズメータ表示処理における表示部51bの表示を示す図である。
図9は、実施形態の球面度数又は等価球面度数調整処理における表示部51bの表示を示す図である。
(裸眼グラフ表示処理)
制御部59は、球面度数S又は等価球面度数S+C/2を反映した
図7(A)の棒グラフ81(棒81R,81L)を表示した状態から、操作部51aの操作に応じて、球面度数S又は等価球面度数S+C/2の処方値を変更した
図7(B)の棒グラフ82(棒82R,82L)を作成して表示する。なお、棒81R,81Lは、上記棒71R,71Lと同様に、他覚式検眼装置10に測定情報に基づいて、作成したものである。
これにより、自覚式検眼装置50は、球面度数S又は等価球面度数S+C/2の矯正前後の緊張状態を分かりやすく表示できる。
つまり、自覚式検眼装置50は、遠視の処方をした状態の緊張状態(
図7(A)又は
図7(B)の上図)と、この処方をしない状態の緊張状態(
図7(B)の下図)とを比較できるように、表示できる。
【0031】
(レンズメータ表示処理)
制御部59は、球面度数S又は等価球面度数S+C/2を反映した
図8(A)のグラフ83(棒83R,83L)に対して、被検者が装用している眼鏡等のレンズ情報を反映した
図8(B)に示す棒グラフ84(棒84R,84L)を作成して表示する。レンズ情報は、レンズメータで取得して、USBメモリ等の記憶媒体、通信ケーブル等を用いて、自覚式検眼装置50にコピー等すればよい。
なお、
図8の緊張度合のグラフ表示は、2段階に簡略した。また、棒83R,83Lは、上記棒71R,71Lと同様に、他覚式検眼装置10に測定情報に基づいて、作成したものである。
これにより、自覚式検眼装置50は、被検者が装用している眼鏡等の装用前後の緊張状態を分かりやすく表示できる。
【0032】
(球面度数調整処理)
図9(A)に示すように、制御部59は、球面度数S又は等価球面度数S+C/2を反映した棒グラフ84(棒84R,84L)を表示した状態から、操作部51aの操作に応じて、球面度数S又は等価球面度数S+C/2の調整入力を受け付ける。
図9(B)は、球面度数S又は等価球面度数S+C/2を、−1.50から−1.00への変更を受け付けた場面である。制御部59は、棒グラフ84に対して、球面度数S又は等価球面度数S+C/2の調整を反映した棒グラフ85(棒85R,85L)を作成して表示する。
なお、
図9の緊張度合のグラフ表示は、2段階に簡略した。また、棒84R,84Lは、上記棒71R,71Lと同様に、他覚式検眼装置10に測定情報に基づいて、作成したものである。
これにより、自覚式検眼装置50は、球面度数S又は等価球面度数S+C/2の調整前後の緊張状態を分かりやすく表示できる。なお、検者等は、
図9(B)の棒グラフ85を参照することにより、この情報に基づいて作製した眼鏡等は、2m以上の遠用視に用いなければ、近用視には十分に利用できるものであると解析できる。これにより、加入度を有する遠近両用の眼鏡等を作製するか、球面度数S又は等価球面度数S+C/2のみを調整した眼鏡等を作製するか等を、被検者に問診しならが決定できる。
【0033】
なお、
図7から
図9に示す上記3つの各処理は、加入度の変更処理(S20,S21)等と同様に、
図4に示すフローチャートに組み込むことができる。これにより、検者等は、棒グラフを、様々に繰り返し変形させて、被検眼にとって適切な矯正値を求めることができる。
【0034】
以上説明したように、実施形態の自覚式検眼装置50は、毛様体緊張性微動を示す高周波数成分の出現頻度の程度を有する検眼情報18aを、グラフ表示して、自覚式検眼に有効に利用できる。また、被検眼の疲れ易さ等を分かりやすく表示でき、医療現場において、被検者に説明しやすい。
【0035】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、後述する変形形態等のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0036】
(変形形態)
(1)実施形態において、眼調節機能の検眼情報の解析処理は、他覚式検眼装置が行う例を示したが、これに限定されない。この解析処理は、解析プログラムを記憶する記憶装置、これを実行する制御装置等を備える情報端末(例えばパーソナルコンピュータ等)であれば行うことができる。また、卓上操作装置にこのような情報端末の機能を設けて、卓上操作装置がこの解析処理を行ってもよい。
【0037】
(2)実施形態において、他覚式検眼装置の制御部は、加入度の入力を受け付けて、棒グラフの棒に反映した例を示したが、これに限定されない。例えば、制御部は、近方視距離の入力を受け付けて、棒グラフの棒に反映してもよい。例えば、近方視距離N=0.5mである場合には、被検眼の近点を、例えば、N‘=0.7mとする。ディオプタ(D)に換算すると、1/N−1/N’≒0.6(D)となる。制御部は、これを加入度として、棒グラフの棒に反映してもよい。
【0038】
(3)実施形態において、自覚式測定装置は、各数値の変更操作に応じてグラフ表示等のみを行う例を示したが、これに限定されない。例えば、自覚式測定部は、検者からの操作を受け付けて、自覚式測定部を、変更後の数値(球面度数、加入度)を反映するように駆動してもよい。これにより、自覚式測定装置は、変更後の数値に対応した検眼光学系を作成できる。この場合には、被検者は、作製する眼鏡等の見え具合を確認でき、適切であるかを確認できる。