(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-129818(P2015-129818A)
(43)【公開日】2015年7月16日
(54)【発明の名称】液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1333 20060101AFI20150619BHJP
G02F 1/1335 20060101ALI20150619BHJP
F21S 2/00 20060101ALI20150619BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20150619BHJP
F21Y 101/02 20060101ALN20150619BHJP
【FI】
G02F1/1333
G02F1/1335 500
F21S2/00 443
G02F1/13357
F21Y101:02
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-619(P2014-619)
(22)【出願日】2014年1月6日
(71)【出願人】
【識別番号】506087819
【氏名又は名称】パナソニック液晶ディスプレイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 孝
【テーマコード(参考)】
2H189
2H191
3K244
【Fターム(参考)】
2H189AA53
2H189AA55
2H189AA59
2H189AA67
2H189AA70
2H189AA71
2H189AA75
2H189AA94
2H189HA05
2H191FA02Y
2H191FA13X
2H191FA38Z
2H191FA71Z
2H191GA19
2H191GA23
2H191GA24
2H191LA03
3K244AA01
3K244BA18
3K244BA20
3K244CA03
3K244DA01
3K244EA02
3K244EA12
3K244KA02
3K244KA07
3K244KA09
3K244KA11
3K244LA10
(57)【要約】
【課題】液晶表示パネルの表示面の縁領域における表示特性の向上を図ることが可能な液晶表示装置を提供する。
【解決手段】本発明の液晶表示装置1において、中間フレーム7は、内周面71aから液晶表示パネル2とバックライトユニット3との間へ内周側に向かって突出する突出部73を有し、突出部73は、内周側に位置し、光学シート4が配置される第1の面73aと、外周側に位置し、第1の面73aよりも液晶表示パネル2に近く、遮光テープ9が配置される第2の面73bと、を有し、遮光テープ9は、第2の面73bよりも内周側に突出し、液晶表示パネル2の厚さ方向において第1の面73aと重複する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルに対向して配置されるバックライトユニットと、
前記液晶表示パネルと前記バックライトユニットとの間に配置される光学シートと、
前記液晶表示パネル、前記バックライトユニット及び前記光学シートの周囲に配置されるフレームであって、前記フレームの内周面から前記液晶表示パネルと前記バックライトユニットとの間へ内周側に向かって突出する突出部を有する、フレームと、
前記液晶表示パネルと前記突出部との間に配置される遮光部材と、
を備え、
前記突出部は、前記液晶表示パネルに対向する2つの面であって、内周側に位置し、前記光学シートが配置される第1の面と、外周側に位置し、前記第1の面よりも前記液晶表示パネルに近く、前記遮光部材が配置される第2の面と、を有し、
前記遮光部材は、前記第2の面よりも内周側に突出し、前記液晶表示パネルの厚さ方向において前記第1の面と重複する、
液晶表示装置。
【請求項2】
前記遮光部材は、クッション部材を介して前記第2の面に配置される、
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記遮光部材は、遮光テープである、
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記遮光部材は、前記液晶表示パネルの厚さ方向において前記光学シートと重複する、
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記遮光部材は、前記液晶表示パネルの厚さ方向において前記液晶表示パネルのカラーフィルター基板に含まれるブラックマトリクスと重複する、
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記遮光部材の、前記液晶表示パネルに対向する面が黒色であり、前記突出部に対向する面が白色である、
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記液晶表示パネルと前記光学シートとの間に空間が形成され、前記バックライトユニットと前記光学シートとの間に空間が形成される、
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記フレームは、前記液晶表示パネルの表示面の縁領域と対向するベゼル部を含み、
前記液晶表示パネルの表示面の縁領域と前記ベゼル部との間に空間が形成される、
請求項1に記載の液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、液晶表示パネルとバックライトユニットの間へ突出する支持枠が設けられたフレームを備え、液晶表示パネル、バックライトユニット及び支持枠に囲まれた空間に光学シートが配置された液晶表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−129240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記技術では、液晶表示パネルの表示面の縁領域を、外周側に向かって観察したときに、支持枠の内縁面で反射した光が見えてしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、液晶表示パネルの表示面の縁領域における表示特性の向上を図ることが可能な液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の液晶表示装置は、液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルに対向して配置されるバックライトユニットと、前記液晶表示パネルと前記バックライトユニットとの間に配置される光学シートと、前記液晶表示パネル、前記バックライトユニット及び前記光学シートの周囲に配置されるフレームであって、前記フレームの内周面から前記液晶表示パネルと前記バックライトユニットとの間へ内周側に向かって突出する突出部を有する、フレームと、前記液晶表示パネルと前記突出部との間に配置される遮光部材と、を備える。前記突出部は、前記液晶表示パネルに対向する2つの面であって、内周側に位置し、前記光学シートが配置される第1の面と、外周側に位置し、前記第1の面よりも前記液晶表示パネルに近く、前記遮光部材が配置される第2の面と、を有する。前記遮光部材は、前記第2の面よりも内周側に突出し、前記液晶表示パネルの厚さ方向において前記第1の面と重複する。
【0007】
また、本発明の一態様では、前記遮光部材は、クッション部材を介して前記第2の面に配置されてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様では、前記遮光部材は、遮光テープであってもよい。
【0009】
また、本発明の一態様では、前記遮光部材は、前記液晶表示パネルの厚さ方向において前記光学シートと重複してもよい。
【0010】
また、本発明の一態様では、前記遮光部材は、前記液晶表示パネルの厚さ方向において前記液晶表示パネルのカラーフィルター基板に含まれるブラックマトリクスと重複してもよい。
【0011】
また、本発明の一態様では、前記遮光部材の、前記液晶表示パネルに対向する面が黒色であり、前記突出部に対向する面が白色であってもよい。
【0012】
また、本発明の一態様では、前記液晶表示パネルと前記光学シートとの間に空間が形成され、前記バックライトユニットと前記光学シートとの間に空間が形成されてもよい。
【0013】
また、本発明の一態様では、前記フレームは、前記液晶表示パネルの表示面の縁領域と対向するベゼル部を含み、前記液晶表示パネルの表示面の縁領域と前記ベゼル部との間に空間が形成されてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、フレームの突出部の液晶表示パネルに対向する第1の面に光学シートが配置されるので、光学シートの存在によって突出部の内縁面で反射した光が見え難くなる。その結果、液晶表示パネルの表示面の縁領域における表示特性の向上を図ることが可能である。
【0015】
また、突出部の第1の面に光学シートが配置されることで、液晶表示パネルと突出部の間に形成される空間の光量が増加するが、突出部の第2の面に遮光部材が配置されるので、液晶表示パネルの縁から表示面側に回り込む光が抑制される。これによっても、液晶表示パネルの表示面の縁領域における表示特性の向上を図ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態に係る液晶表示装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置1の正面図である。
図2は、
図1のII−II線における断面図である。
図3は、
図2の要部を抜き出して拡大した図である。
【0018】
液晶表示装置1は、液晶表示パネル2と、液晶表示パネル2に対向して配置されるバックライトユニット3と、液晶表示パネル2とバックライトユニット3の間に配置される光学シート4と、これらの周囲に配置されるフレーム(上側フレーム5、下側フレーム6及び中間フレーム7)と、を備えている。
【0019】
以下の説明では、液晶表示パネル2の厚さ方向のうち、バックライトユニット3に対して液晶表示パネル2が位置する側を上側とし、その逆を下側とする。また、液晶表示パネル2の面内方向のうち、中間フレーム7に対して液晶表示パネル2が位置する側を内周側とし、その逆を外周側とする。
【0020】
液晶表示パネル2は、CF(カラーフィルター)基板21と、CF基板21の下側に配置されるTFT(薄膜トランジスタ)基板23と、CF基板21とTFT基板23の間に保持される液晶層25と、CF基板21の上側に配置される偏光板27と、TFT基板23の下側に配置される偏光板29と、を備えている。
【0021】
CF基板21は、不図示のブラックマトリクスを含んでいる。このブラックマトリクスは、液晶層25と基板端21aの間に定義される非表示領域の全体に配置されている。
【0022】
TFT基板23の基板端23aは、CF基板21の基板端21aよりも外周側に位置しており、TFT基板23の上面の一部が露出している。この露出部分には、ドライバICが実装されると共に、FPC等に接続される端子が設けられている。
【0023】
バックライトユニット3は、導光板31と、導光板31の下側に配置される反射シート33と、反射シート33の下側に配置される背面板35と、を備えている。
【0024】
導光板31は、1つの側面(本実施形態では、
図1の下側に位置する側面)から入射された光を上面から均一に出射することで、バックライトユニット3を面光源として機能させる。
【0025】
光学シート4は、複数のシート41〜43を含んでおり、これらのシート41〜43のうちの少なくとも1つは、バックライトユニット3からの光を拡散させる機能を備えている。
【0026】
上側フレーム5は、矩形状であり、その断面がL字状である。上側フレーム5の材料としては、鋼板などの、剛性が高くかつ軽量の材料が好適である。上側フレーム5は、L字状を成す側壁部51とベゼル部53を備えている。
【0027】
側壁部51は、下側フレーム6及び中間フレーム7よりも外周側に位置している。ベゼル部53は、側壁部51の上端から内周側へ延伸しており、液晶表示パネル2の表示面2aの縁領域と対向している。
【0028】
ベゼル部53の下面には、液晶表示パネル2がベゼル部53に衝突するときの衝撃を緩和するためのクッション部材81が貼り付けられている。クッション部材81の材料としては、発泡樹脂又は合成ゴムなどが好適である。
【0029】
ベゼル部53は、液晶表示パネル2の表示面2aの縁領域に貼り付けられておらず、液晶表示パネル2が上下方向の可動域の下側にあるとき、液晶表示パネル2の表示面2aの縁領域とベゼル部53の間に空間が形成される。
【0030】
下側フレーム6は、バックライトユニット3の下側を覆っている。下側フレーム6の材料としては、鋼板などの、剛性が高くかつ軽量の材料が好適である。下側フレーム6は、側壁部61と背面部63を備えている。
【0031】
中間フレーム7は、矩形状であり、その断面が概略T字状ないし概略L字状である。中間フレーム7の材料としては、合成樹脂などが好適である。中間フレーム7は、黒色ないし濃色で遮光性を有することが好ましい。中間フレーム7は、側壁部71と突出部73を備えている。
【0032】
側壁部71は、上側フレーム5の側壁部51と下側フレーム6の側壁部61の間に配置されており、側壁部71の上端は、上側フレーム5のベゼル部53の下面に突き当たっている。
【0033】
突出部73は、側壁部71の内周面71aから液晶表示パネル2とバックライトユニット3の間へ内周側に向かって突出している。突出部73は、階段状に形成された内周部731と外周部733を備えており、液晶表示パネル2と対向する2つの面73a,73bを有している(
図3を参照)。
【0034】
内周部731は、外周部733よりも内周側かつ下側に位置しており、第1の面73aを有している。外周部733は、内周部731よりも外周側かつ上側に位置しており、第2の面73bを有している。すなわち、第1の面73aよりも第2の面73bの方が液晶表示パネル2に近い。
【0035】
第1の面73aと第2の面73bの間には、第2の面73bよりも上側に突出した突起部735が設けられている。これにより、後述するクッション部材83の位置ずれが抑制される。
【0036】
内周部731の下面には、バックライトユニット3が配置されている。具体的には、内周部731の下面に両面テープ87を介してバックライトユニット3の上面が貼り付けられている。
【0037】
内周部731の第1の面73aには、光学シート4が配置されている。具体的には、液晶表示パネル2と第1の面73aの間に形成される空間内に、光学シート4の縁部が収容されている。
【0038】
このように内周部731の第1の面73aに光学シート4が配置されることで、突出部73の内縁面73cで反射した光が光学シート4によって拡散され、見え難くなる。
【0039】
バックライトユニット3の縁部と光学シート4の縁部との間に内周部731が介在していることから、バックライトユニット3と光学シート4の間には空間(クリアランス)が形成されている。このクリアランスにより、光学シート4の取り付けが容易になる。
【0040】
また、内周部731の第1の面73aには、上面が白色ないし明色の反射テープ85が貼り付けられており、光学シート4が拡散した光を上側へ反射する。なお、光学シート4は、第1の面73aにも反射テープ85にも貼り付けられていない。
【0041】
外周部733の第2の面73bには、クッション部材83と遮光テープ9が配置されている。具体的には、外周部733の第2の面73bにクッション部材83が貼り付けられており、クッション部材83の上面に遮光テープ9が貼り付けられている。
【0042】
クッション部材83は、液晶表示パネル2が突出部73に衝突するときの衝撃を緩和する。クッション部材83の材料としては、合成ゴム又は発泡樹脂などが好適である。
【0043】
遮光テープ9は、遮光部材の一例であり、液晶表示パネル2の縁部と突出部73の間に配置されている。遮光テープ9の材料としては、PETフィルム等の、テープ状に薄くしてもクッション部材83より剛性が高い材料が好適である。遮光部材としては、プラスチックなどの、遮光テープ9よりもさらに剛性が高いものであってもよいが、遮光テープ9の方が該クッション部材83への取り付けが容易である。
【0044】
遮光テープ9は、中間フレーム7の突出部73に配置されており、液晶表示パネル2の表示面2aの縁領域に貼り付けられていない。これにより、液晶表示パネル2が上下方向の可動域の上側にあり、液晶表示パネル2の表示面2aの縁領域と遮光テープ9の間に空間が形成された場合でも、遮光テープ9が庇の役割をして、光学シート4から拡散する光が液晶表示パネル2の端部を回り込んで表示面から漏れるのを防止することができる。
【0045】
遮光テープ9は、第2の面73bよりも内周側に突出し、液晶表示パネル2の厚さ方向において第1の面73aと重複している。さらに突出して、液晶表示パネル2の厚さ方向において光学シート4と重複してもよい。但し、表示領域の縁部での必要な光量が確保するために、液晶表示パネル2の厚さ方向において第1の面73aよりもさらに内周側には突出させないようにすることが好ましい。
【0046】
また、遮光テープ9は、液晶表示パネル2の厚さ方向においてCF基板21に含まれるブラックマトリクスと重複している。上述したように、ブラックマトリクスは、CF基板21の基板端21aまで広がっている。
【0047】
このように、外周部733の第2の面73bに遮光テープ9が配置されることで、液晶表示パネル2の基板端21a,23aから表示面2a側に回り込む光が抑制される。
【0048】
光学シート4が配置される第1の面73aよりも、クッション部材83と遮光テープ9が配置される第2の面73bが液晶表示パネル2に近いことから、液晶表示パネル2と光学シート4の間には空間(クリアランス)が形成される。これにより、液晶表示パネル2の取り付けが容易になる。
【0049】
また、遮光テープ9の上面は黒色であり、下面は白色である。これにより、液晶表示パネル2の縁部とベゼル部53の間に形成される空間の光量が低下し、液晶表示パネル2の縁部と突出部73の間に形成される空間の光量が向上する。
【0050】
なお、TFT基板23の上面の露出部分にはドライバIC等が配置されるため、液晶表示パネル2側に遮光部材を取り付けることは歩留まりの観点から好ましくない。本実施形態のように突出部73に遮光テープ9を配置することが好ましい。
【0051】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が当業者にとって可能であるのはもちろんである。
【符号の説明】
【0052】
1 液晶表示装置、2 液晶表示パネル、2a 表示面、21 CF基板、21a 基板端、23 TFT基板、23a 基板端、25 液晶層、27,29 偏光板、3 バックライトユニット、31 導光板、33 反射シート、35 背面板、4 光学シート、41〜43 シート、5 上側フレーム、51 側壁部、53 ベゼル部、6 下側フレーム、61 側壁部、63 背面部、7 中間フレーム、71 側壁部、71a 内周面、73 突出部、73a 第1の面、73b 第2の面、73c 内縁面、731 内周部、733 外周部、735 突起部、81,83 クッション部材、85 反射テープ、87 両面テープ、9 遮光テープ(遮光部材の一例)。