【実施例1】
【0016】
図1は、本発明の実施例1に係るフルカラーの画像形成装置(以下、単にプリンタ、又は装置本体という)の内部構成を説明する断面図である。
【0017】
図1に示すプリンタ1(以下、装置本体1とも言う)は、電子写真式で二次転写方式のタンデム型のカラー画像形成装置であり、画像形成部2、転写ベルトユニット3、トナー供給部4、給紙部5、ベルト式定着ユニット6、及び両面印刷用搬送ユニット7で構成されている。
【0018】
上記画像形成部2は、いわゆる背面転写方式で転写ベルト8の下部走行部表面8aにトナー画像を転写するために、その転写ベルト8の下部走行部表面8aに接して上流側から下流側(同図の右側から左側)へ4個の画像形成ユニット9(9k、9c、9m、9y)を多段式に並設した構成をとっている。
【0019】
上記4個の画像形成ユニット9のうち上流側の3個の画像形成ユニット9y、9m及び9cは、それぞれ減法混色の三原色であるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の色トナーによるモノカラー画像を形成する。
【0020】
また、画像形成ユニット9kは、主として文字や画像の暗黒部分等に用いられるブラック(K)トナーによるモノクロ画像を形成する。上記の各画像形成ユニット9は、画像を現像するトナーの色を除き全て同じ構成である。したがって、以下イエロー(Y)のトナー用の画像形成ユニット9yを例にしてその構成を説明する。
【0021】
画像形成ユニット9は、最上部に像担持体としての感光体ドラム10を備えている。この感光体ドラム10は、その周面が例えば有機光導電性材料で構成されている。この感光体ドラム10の周面に当接し又は近傍を取り巻いて、クリーナ11、帯電ローラ12、光書込ヘッド13、及び現像器14の現像ローラ15が配置されている。
【0022】
書込ヘッド13は、矢印bで示すように、感光体ドラム10に対し近接する印字時の近接位置と、保守時等に画像形成ユニット9を装置本体前方に引き出す際に、下方に降下して感光体ドラム10から離れる離間位置とに移動可能に装置本体1のフレームに保持されている。
【0023】
現像器14は、外部を覆うユニット筐体16、内部に設けられた隔壁17、現像ローラ15、第1の攪拌搬送スクリュー18、及び第2の攪拌搬送スクリュー19を備えている。第1及び第2の攪拌搬送スクリュー18及び19は、特には図示しないが、スクリュー軸と、このスクリュー軸と一体に構成されて回転するフィンから成る。
【0024】
この現像器14には、トナー供給部4のトナーカートリッジ20(20y、20m、20c、20k)から、同図にはY、M、C、Kで示すようにイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のいずれかのトナーが供給される。
【0025】
転写ベルトユニット3は、装置本体のほぼ中央で図の左右方向に扁平なループ状になって延在する無端状の上述した転写ベルト8と、この転写ベルト8を掛け渡されて転写ベルト8を図の矢印aで示す反時計回り方向に循環移動させる駆動ローラ21と従動ローラ22を備えている。
【0026】
上記の転写ベルト8には、一次転写ローラ23がユニットと一体に組み込まれている。一次転写ローラ23は転写ベルト8を介して感光体ドラム10に圧接し、下方を循環移動する転写ベルト8の下部走行部表面8aにトナー像を直接転写(一次転写)する。
【0027】
転写ベルト8は、そのトナー像を更に用紙に転写(二次転写)すべく用紙への二次転写部24まで搬送する。二次転写部24は、駆動ローラ21に隣接して下流側(図では上方)に配置された転写補助ローラ25と、この転写補助ローラ25に転写ベルト8を介して圧接する二次転写ローラ26とで形成されている。
【0028】
転写ベルト8には、ベルトクリーナ27が配置されている。ベルトクリーナ27は、転写ベルト8の従動ローラ22に掛け渡されている表面に当接するクリーニングブレード28を備えている。また、ベルトクリーナ27の左方から下方にかけて隣接して、廃トナー回収容器29が着脱自在に配置されている。
【0029】
ベルトクリーナ27は、クリーニングブレード28により転写ベルト8の表面に残留する廃トナーを擦り取って除去し、その廃トナーを不図示の搬送スクリューにより廃トナー回収容器29に送り込んでいる。
【0030】
トナー供給部4は、転写ベルト8の上部走行部の上方に配置される4個のトナーカートリッジ20(20y、20m、20c、20k)を着脱自在に備えている。4個のトナーカートリッジ20には前述したようにイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナーが収容されている。
【0031】
これら4個のトナーカートリッジ20は、
図1では転写ベルトユニット3の向う側に隠れて見えないが、それぞれ装着部のトナー供給口に続くトナー供給路を介して、それぞれに対応する画像形成ユニット9の現像器14と連結されている。
【0032】
このトナー供給部4は、特には図示しないが、
図1に示す印刷実行時位置から、それより上方の保守位置に、昇降可能に装着部を介してプリンタ1本体のフレームに保持されている。
【0033】
給紙部5は、上下2段に配置された2個の給紙カセット30(30a、30b)を備えている。2個の給紙カセット30の給紙口(図の右方)近傍には、それぞれ用紙取出ローラ31、給送ローラ32、捌きローラ33、待機搬送ローラ対34が配置されている。
【0034】
待機搬送ローラ対34の用紙搬送方向(図の鉛直上方向)には、転写ベルト8、転写補助ローラ25、二次転写ローラ26による前述した用紙への二次転写部24が形成されている。
【0035】
この二次転写部24の下流(図では上方)側にはベルト式熱定着ユニット6が配置され、ベルト式熱定着ユニット6の更に下流側には、定着後の用紙をベルト式熱定着ユニット6から搬出する搬出ローラ対36、及びその搬出される用紙を装置上面に形成されている排紙トレー37に排紙する排紙ローラ対38が配設されている。
【0036】
両面印刷用搬送ユニット7は、外面(図の右方外側面)がプリンタ1の内部を側面から外部に開放又は遮蔽する開閉部材を兼ねている。
【0037】
この両面印刷用搬送ユニット7は、排紙ローラ対38の直前から図の右横方向に分岐する開始返送路39a、それから下方に曲がる中間返送路39b、更に上記とは反対の左横方向に曲がって最終的に返送用紙を反転させる終端返送路39cから成る返送路39を備えている。
【0038】
また、返送路39の途中には、5組の返送ローラ対41(41a、41b、41c、41d、41e)が配置されている。上記終端返送路39cの出口は、給紙部5の下方の給紙カセット30bに対応する待機搬送ローラ対34への搬送路に合流している。
【0039】
図2は、上記構成のプリンタ1の外観斜視図である。尚、
図2には
図1と同一の構成部分には
図1と同一の番号を付与して示している。
図2に示すように、プリンタ1には、前方に取っ手が付いた前扉40が備えられ、右側面には、これも取っ手が付いた開閉部材41が備えられている。開閉部材41には
図1に示した両面印刷用搬送ユニット7が一体化されている。
【0040】
このプリンタ1は、
図1に示したように、用紙に直接トナー像を転写する方式ではなく、待機搬送ローラ対34により二次転写部24まで鉛直方向に搬送される用紙に転写ベルト8を介してトナー像を転写し、更に鉛直方向に用紙を搬送して転写トナー像を用紙に定着する方式となっている。
【0041】
したがって、用紙の搬送路に発生する用紙ジャム等の不具合を回復するメンテナンス処理時には
図2に示す右側の開閉部材41を開放するのみで対処できるようになっている。
【0042】
つまり、用紙ジャム等の不具合は、
図1の左側に集中するキット類の配設部では発生しないので、キット類などの消耗品の着脱の操作は、
図2に示す前扉40を開いて、キット類を長手方向(前扉方向)に入れ替え操作するように構成されている。
【0043】
図3(a)は、上記プリンタ1の前扉40を開けたとき外部に露出する4個のトナーカートリッジ20と定着ユニット6の前面部分及び4個の画像形成ユニット9と転写ベルトユニット3とを保護するユニット前面カバーを示す図であり、
図3(b)はユニット前面カバーとその背後の転写ベルトユニット3を取り除いて示す図である。
【0044】
図4(a)は、
図3(b)を再掲した図であり、
図4(b)はそのロック・解除機構のみを示す側面図である。なお、
図3(a),(b)及び
図4(a),(b)には
図1に示した構成と同一の構成部分には
図1と同一の番号を付与して示している。
【0045】
図3(a),(b)及び
図4(a),(b)を用いて、以下に本例のロック・解除機構の構成を説明する。
図3(a),(b)及び
図4(a),(b)に示すロック・解除機構45は、複数(ここでは4個)のトナーカートリッジ20(20y、20m、20c、20k)にそれぞれ第1のロックレバー46を備えている。
【0046】
これら第1のロックレバー46は、それぞれ4個のトナーカートリッジ20を、それぞれの装着部に装着したとき装着部に固定してロックするために、又は装着部から取り出すときにロックを解除するために設けられている。
【0047】
個々のトナーカートリッジ20には、その前面に、円盤部47とこの円盤部47の直径に沿って立設された細長い形状の抓み部48からなる取っ手49が配設されている。抓み部48の細長い上面には、長さ方向の一方の端部に印刷、刻印、又は成形による三角記号51が三角の一角を抓み部48の外端部に向けて配置されている。
【0048】
この三角記号51の抓み部48の外側を向く一角が示す方向に、上記の第1のロックレバー46が延び出すように形成されている。特には図示しないが、第1のロックレバー46は、円盤部47の裏面の中心に回動支点を有している。
【0049】
この回動支点の近傍に、第1のロックレバー46の回動に連動して、第1のロックレバー46に係合し又は係合を解除する個々のトナーカートリッジ20に対応するロック部が円盤部47の裏面に形成されている。
【0050】
また、定着ユニット6には、第1のロックレバー46と同一形状の第2のロックレバー52が設けられている。第2のロックレバー52は、定着ユニット6をその装着部に装着したとき装着部に固定してロックするために、又は装着部から取り出すときにロックを解除するために設けられている。
【0051】
この定着ユニット6にも、その前面に、円盤部53とこの円盤部53の直径に沿って立設された細長い形状の抓み部54からなる取っ手55が配設されている。また、抓み部54の細長い上面には、長さ方向の一方の端部に、これも印刷、刻印、又は成形による三角記号56が三角の一角を抓み部54の外端部に向けて配置されている。
【0052】
この場合も、上記の三角記号56の抓み部54の外側を向く一角が示す方向に、上記の第2のロックレバー52が延び出すように形成されている。特には図示しないが、第2のロックレバー52は、円盤部53の裏面の中心に回動支点を有している。
【0053】
この回動支点の近傍に、第2のロックレバー52の回動に連動して、第2のロックレバー52に係合し又は係合を解除する定着ユニット6に単独に対応するロック部が形成されている。
【0054】
図3(a)には、上記4個のトナーカートリッジ20と定着ユニット6の前面部下方にユニット前面カバー50を示している。ユニット前面カバー50は、特には図示しないが、下部フレーム50aで4個の画像形成ユニット9を保持し、板状の上部フレーム50bで転写ベルトユニット3の側面(装置本体では前面に相当)を保護すると共に、ロック・解除機構45に関わる諸部材を保持している。
【0055】
そのユニット前面カバー50の上部フレーム50bの前面の中央よりもやや左に寄った位置に、円盤部57とこの円盤部57の直径に沿って立設された細長い形状の抓み部58からなるロック操作部59が配設されている。
【0056】
ロック操作部59の抓み部58の細長い上面には、長さ方向の一方の端部に、これも印刷、刻印、又は成形による三角記号61が三角の一角を抓み部58の外端部に向けて配置されている。
【0057】
図3(a)に示す例では、抓み部58は水平位置にあり、このとき、抓み部58の外側を向く三角記号61の一角は、上部フレーム50bの表面に印刷、刻印、又は成形により形成された三角記号62及びこの横に並ぶ施錠図柄63に対向する。
【0058】
すなわち、ロック操作部59の抓み部58の三角記号60が施錠図柄62を指し示していることにより、
図3(a),(b)及び
図4(a),(b)に示すロック・解除機構45の全ての構成部材の係合状態は、施錠時(ロック時)の態様にあることを示している。
【0059】
ここで、
図3(b)及び
図4(a)により、4個の画像形成ユニット9のロック・解除機構45に関連する部分について説明する。各画像形成ユニット9の前面には、円盤部65とこの円盤部65の直径に沿って立設された細長い形状の抓み部66からなる取っ手67が配設されている。
【0060】
抓み部66の細長い上面には、長さ方向の一方の端部に、印刷、刻印、又は成形による三角記号68が三角の一角を抓み部66の外端部に向けて配置されている。この三角記号68の抓み部66の外側を向く一角が示す方向に、第3のロックレバー69が延び出すように形成されている。
【0061】
特には図示しないが、第3のロックレバー69は、円盤部65の裏面の中心に回動支点を有している。この回動支点の近傍に、第3のロックレバー69の回動に連動して、第3のロックレバー69に係合し又は係合を解除する画像形成ユニット9それぞれ対応するロック部が形成されている。
【0062】
ところで、
図3(a)に示すロック操作部59は、抓み部58が、その外側を向く三角記号60の一角が上部フレーム50bの三角記号61及び施錠図柄62に対向するよう水平になる位置と、抓み部58が両方向矢印cで示す円弧角度内を回動して、三角記号60の一角が上部フレーム50bの他の三角記号63に対向するよう垂直になる位置とに移動可能である。
【0063】
三角記号63の左横には開錠図柄64が配置されている。すなわち、ロック操作部59が、三角記号63の位置に抓み部58がくるように回動したときは、
図3(a),(b)及び
図4(a),(b)に示すロック・解除機構45の全ての構成部材の係合状態が、開錠時(ロック解除時)の態様になったときである。
【0064】
この状態になることを説明する前に、
図3(a),(b)及び
図4(a),(b)を用いて、ロック・解除機構45の各構成部材の係合関係を説明する。尚、
図4(b)の側面図と
図3(a),(b)の構成との関連を参照しやすいように、前述したように、
図4(a)には
図3(b)と同じ図を示しているので、
図3(b)には番号の付与を一部省略している。
【0065】
図3(a)のユニット前面カバー50の裏面には、
図4(a),(b)に示すように、トナーカートリッジ20の第1のロックレバー46及び定着ユニット6の第2のロックレバーに係合する上部ラック71が配置されている。
【0066】
上部ラック71は、長手方向上部の5箇所に、断面が下方に丸みのないU字型の切欠部72を形成されており、これらの切欠部72がそれぞれ第1のロックレバー46と第2のロックレバー52に係合している。
【0067】
この上部ラック71の下方に、ロック操作部59のピニオン73と、このピニオン73に係合する二枚ギア74が配置されている。二枚ギア74は、大径ギア75と小径ギア76で構成され、大径ギア75はロック操作部59のピニオン73に噛合している。
【0068】
上部ラック71の下部には長手方向に沿って、図では定かに見えないが、ロック操作部59のピニオン73に噛合する歯が形成されている。ロック操作部59の下方には下部ラック77が配置されている。
【0069】
下部ラック77は、長手方向下部の4箇所に、断面が下方に丸みのないU字型の開口部が下を向いた形状の切欠部78を形成されている。これらの切欠部78はそれぞれ第3のロックレバー69に係合している。
【0070】
下部ラック77の上部には長手方向に沿って、図では定かに見えないが、二枚ギア74の小径ギア76に噛合する歯が形成されている。前述したように、
図3(a),(b)及び
図4(a),(b)に示す各構成部材の係合状態は、施錠時(ロック時)の態様である。
【0071】
図5は(a),(b)は、
図3(a),(b)に示すロック操作部59が、その抓み部58が水平位置から垂直位置になるよう反時計回り方向に90度回されて、各装置のロックが一度に解除された状態を示す図である。
【0072】
ロック解除時には、
図5(a)に示すように、抓み部58の外側を向く三角記号60の一角が、上部フレーム50bの開錠図柄64が左横に控える三角記号63を指すように、ロック操作部59が、
図3(a),(b)の位置から反時計回り方向に90度回転される。
【0073】
そうすると、
図5(b)に示すように、ロック操作部59の回転支持軸と一体なピニオン73が矢印dで示すように反時計回り方向に90度回転する。この回転により、このピニオン73に大径ギア75が噛合する二枚ギア74が矢印eで示す時計回り方向に所定角度回転する。
【0074】
これにより、ピニオン73に噛合する上部ラック71が矢印fで示すように、左方に所定距離移動する。この移動により、上部ラック71の切欠部72に係合する第1のロックレバー46及び第2のロックレバー52が切欠部72に押されて垂直位置に回動する。
【0075】
この垂直位置は、第1のロックレバー46及び第2のロックレバー52が、それぞれ対応するトナーカートリッジ20と定着ユニット6を、それらの装着部へのロックから解除する動作位置である。
【0076】
他方、ピニオン73に従動した二枚ギア74の小径ギア76の回転より、この小径ギア76に噛合する下部ラック77が矢印gで示すように、左方に所定距離移動する。この移動により、下部ラック77の切欠部78に係合する第3のロックレバー69が切欠部78に押されて垂直位置に回動する。
【0077】
この垂直位置は、第3のロックレバー69が、それぞれ対応する画像形成ユニット9を、それらの装着部へのロックから解除する動作位置である。
【0078】
このように、ロック操作部59に対する一度の回転操作で、画像形成ユニット9、トナーカートリッジ20、定着ユニット6というように異なる種類の複数の内部装置に対する装着部へのロックを一度に解除することができる。
【0079】
尚、
図5(a),(b)に示す状態から、ロック操作部59を
図3に示す位置に回転操作することにより、上述の動作を逆に辿って、画像形成ユニット9、トナーカートリッジ20、定着ユニット6という異なる種類の複数の内部装置に対する装着部へのロックを一度に出来ることはいうまでもない。
【0080】
また、上記実施例に於いては、ユニット前面カバー50の前面に円盤部57及び抓み部58が配設されている構成にて記述したが、例えば、
図6に示すように、円盤部57及び抓み部58をユニット前面カバー50が覆うようにユニット前面カバー50の内側に円盤部57及び抓み部58が配設されていて、ユニット前面カバー50を開けてから円盤部57及び抓み部58を操作するようにしてもよい。
【0081】
更にまた、例えば、
図7に示すように、ユニット前面カバー50に円盤部57及び抓み部58が貫通する孔が空いており、ユニット前面カバー50の開閉に関わらず円盤部57及び抓み部58を操作可能としてもよい。
【0082】
そしてまた、例えば、
図8に示すように、ユニット前面カバー50の前面に円盤部57及び抓み部58が配設されており、ユニット前面カバー50の内側に円盤部57及び抓み部58の裏側に連続する突起が出ており、ユニット前面カバー50を閉じた際にピニオンと係合する構成として、ロック解除した場合のみユニット前面カバー50が開けられるとしてもよい。
【0083】
また、例えば、
図9に示すように、ユニット前面カバー50の前面に円盤部57及び抓み部58が配設されており、ユニット前面カバー50の内側に円盤部57及び抓み部58から連結または係合されているピニオン、二枚ギア、ラックが配設されている構成として、ロック解除した場合のみユニット前面カバー50が開けられるとしてもよい。
【0084】
尚、上述した実施例及び変形例では、いずれも、ピニオン及び二枚ギアにより駆動されるラックの配置を上下二本としているが、例えば、
図10に示すように、二枚ギアを省いてピニオンとラックのみとしてもよく、更に、1個のピニオンに対して3個以上のラックを任意の傾斜を持たせて配置することもできる。
【0085】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明は特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
【0086】
複数の内部装置にそれぞれ設けられ複数の前記内部装置を装着位置に固定するための複数のロックレバーと、
前記ロックレバーに係合し、前記内部装置を装着位置にロック又はロック解除するラックと、
前記ラックに噛合するピニオンと、
を有することを特徴とする画像形成装置。
[付記2]
【0087】
前記ピニオンの回転軸には、回転抓みが固設或いは着脱可能に装着されていることを特徴とする付記1に記載の画像形成装置。
[付記3]
【0088】
前記ラックは、前記ピニオンの周囲に少なくとも2つ噛合されていることを特徴とする付記1または2に記載の画像形成装置。
[付記4]
【0089】
前記回転抓みは、第1の位置と第2の位置との間の回転角度内で回転可能であり、
前記回転抓みが前記第1の位置に回転した場合、前記ピニオンは、前記ピニオンが第2の位置から第1の位置に回転した方向の接線方向へ前記ラックを移動させ、前記ラックは、複数の前記ロックレバーを、それぞれに対応する複数の前記内部装置をそれぞれに対応する前記装着位置に固定する位置に設定する、
前記回転抓みが前記第2の位置に回転した場合、前記ピニオンは、前記ピニオンが第1の位置から第2の位置に回転した方向の接線方向へ前記ラックを移動させ、前記ラックは、複数の前記ロックレバーを、それぞれに対応する複数の前記内部装置をそれぞれに対応する前記装着位置から固定解除する位置に設定する、
ことを特徴とする付記2記載の画像形成装置。
[付記5]
【0090】
前記ラックは、複数の前記ロックレバーに対応する位置に前記ロックレバーの形状に合わせた凹部を形成され、該凹部がそれぞれ前記ロックレバーに係合することを特徴とする付記1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
[付記6]
【0091】
複数の内部装置にそれぞれ設けられ複数の前記内部装置を装着位置に固定するための複数のロックレバーと、
装置本体内の第1の領域に存在する複数の前記内部装置の複数の前記ロックレバーに係合し、前記第1の領域に存在する複数の前記内部装置を装着位置にロック又はロック解除する第1のラックと、
装置本体内の第2の領域に存在する複数の前記内部装置の複数の前記ロックレバーに係合し、前記第2の領域に存在する複数の前記内部装置を装着位置にロック又はロック解除する第2のラックと、
前記第1のラックに噛合するピニオンと、
一方のギアを前記ピニオンに噛合させ他方のギアを前記第2のラックに噛合させる二枚ギアと、
を有することを特徴とする画像形成装置。
[付記7]
【0092】
前記ピニオンの回転軸には、回転抓みが固設或いは着脱可能に装着されていることを特徴とする付記6に記載の画像形成装置。
[付記8]
【0093】
前記回転抓みは、第1の位置と第2の位置との間の回転角度内で回転可能であり、
前記回転抓みが前記第1の位置に回転した場合、前記ピニオンは前記第1のラックを順方向に移動させ、前記二枚ギアの前記他方のギアは前記第2のラックを前記第1のラックと同一方向に移動させ、前記第1のラックは、前記第1の領域に存在する複数の前記内部装置の複数の前記ロックレバーを、それぞれに対応する複数の前記内部装置をそれぞれに対応する前記装着位置に固定する位置に設定し、前記第2のラックは、前記第2の領域に存在する複数の前記内部装置の複数の前記ロックレバーを、それぞれに対応する複数の前記内部装置をそれぞれに対応する前記装着位置に固定する位置に設定する、
前記回転抓みが前記第2の位置に回転した場合、前記ピニオンは前記第1のラックを逆方向に移動させ、前記二枚ギアの前記他方のギアは前記第2のラックを前記第1のラックと同一方向に移動させ、前記第1のラックは、前記第1の領域に存在する複数の前記内部装置の複数の前記ロックレバーを、それぞれに対応する複数の前記内部装置をそれぞれに対応する前記装着位置から固定解除する位置に設定し、前記第2のラックは、前記第2の領域に存在する複数の前記内部装置の複数の前記ロックレバーを、それぞれに対応する複数の前記内部装置をそれぞれに対応する前記装着位置から固定解除する位置に設定する、
ことを特徴とする付記7記載の画像形成装置。
[付記9]
【0094】
前記第1のラック及び前記第2のラックは、複数の前記ロックレバーに対応する位置に前記ロックレバーの形状に合わせた凹部を形成され、該凹部がそれぞれ前記ロックレバーに係合することを特徴とする付記6乃至8のいずれかに記載の画像形成装置。
[付記10]
【0095】
前記内部装置は、複数のトナーカートリッジ、定着ユニット、複数の画像形成ユニット、光書込ヘッド、転写ベルトユニット、および/または、廃トナー回収容器であることを特徴とする付記1乃至9のいずれかに記載の画像形成装置。