(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-130274(P2015-130274A)
(43)【公開日】2015年7月16日
(54)【発明の名称】バルーン型照明装置、バルーン型投光機
(51)【国際特許分類】
F21L 13/00 20060101AFI20150619BHJP
F21S 2/00 20060101ALI20150619BHJP
F21S 8/08 20060101ALI20150619BHJP
F21V 3/02 20060101ALI20150619BHJP
F21V 31/00 20060101ALI20150619BHJP
G09F 19/00 20060101ALI20150619BHJP
G09F 19/18 20060101ALI20150619BHJP
G03B 21/14 20060101ALI20150619BHJP
F21W 111/02 20060101ALN20150619BHJP
F21W 131/103 20060101ALN20150619BHJP
F21Y 101/02 20060101ALN20150619BHJP
【FI】
F21L13/00 110
F21S2/00 663
F21S8/08 300
F21V3/02 310
F21V31/00
G09F19/00 D
G09F19/18 Z
G03B21/14 E
F21W111:02
F21W131:103
F21Y101:02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-1256(P2014-1256)
(22)【出願日】2014年1月7日
(71)【出願人】
【識別番号】392018595
【氏名又は名称】株式会社ライトボーイ
(71)【出願人】
【識別番号】504133110
【氏名又は名称】国立大学法人電気通信大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】特許業務法人 英知国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100118898
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 立昌
(72)【発明者】
【氏名】大西 篤
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 太一
(72)【発明者】
【氏名】橋本 直己
【テーマコード(参考)】
2K103
3K014
3K243
【Fターム(参考)】
2K103AA17
2K103AA21
2K103AA25
2K103AB10
2K103BA02
2K103CA02
2K103CA28
2K103CA73
3K014AA01
3K014NA01
3K243DA12
3K243DA14
3K243EA07
3K243MA01
3K243MA05
(57)【要約】
【課題】バルーン型照明装置において、照明機能を低減させること無く効果的な情報発信機能を付与する。
【解決手段】バルーン外皮10Aを有するバルーン10と、バルーン10を膨らませる送風機12と、光源とを備え、光源からバルーン外皮10Aを介して外部に出射される光で周囲を照明するバルーン型照明装置1において、光源の一つとしてバルーン外皮10Aの内面に投射光Lを照射するプロジェクタ2を備え、プロジェクタ2は外部からの信号で駆動し、バルーン外皮10Aが透過型スクリーンとして機能する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルーン外皮を有するバルーンと、前記バルーンを膨らませる送風機と、光源とを備え、前記光源から前記バルーン外皮を介して外部に出射される光で周囲を照明するバルーン型照明装置において、
前記光源の一つとして前記バルーン外皮の内面に投射光を照射するプロジェクタを備え、
前記プロジェクタは外部からの信号で駆動し、前記バルーン外皮が透過型スクリーンとして機能することを特徴とするバルーン型照明装置。
【請求項2】
前記光源は、前記プロジェクタとは別に前記バルーンの内部に照明専用光源を備え、前記照明専用光源を点灯させる電源制御回路を前記バルーンの内部又は下部外側に備えることを特徴とする請求項1記載のバルーン型照明装置。
【請求項3】
前記プロジェクタは前記バルーンの内部に配置されることを特徴とする請求項1又は2記載のバルーン型照明装置。
【請求項4】
前記プロジェクタは前記バルーンの外部に配置され、前記投射光は前記バルーンの透明部分を透過して前記バルーン外皮の内面に照射されることを特徴とする請求項1又は2記載のバルーン型照明装置。
【請求項5】
前記プロジェクタは、外部から送信された映像信号又は内部に保存した映像信号に基づく映像を前記バルーン外皮の内面に投影し、
前記映像信号は、投射光が照射される前記バルーン外皮の内面形状に応じて補正された信号であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のバルーン型照明装置。
【請求項6】
表示情報を無線で受信する無線受信部を備え、前記無線受信部が受信した表示情報によって前記映像信号が形成されることを特徴とする請求項5に記載のバルーン型照明装置。
【請求項7】
前記プロジェクタ内の投影光源が白色LEDであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のバルーン型照明装置。
【請求項8】
前記バルーン外皮が防水性を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のバルーン型照明装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のバルーン型照明装置を支柱上に設置したバルーン型投光機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルーン型照明装置及びバルーン型投光機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
バルーン型照明装置は、無指向性の広い照明範囲が得られること、高い防眩効果が得られることなどの優位性から、工事現場などの屋外照明に用いられる投光機としてだけでなく、屋内外を問わない各種用途の照明装置として需要が高まっている。
【0003】
従来のバルーン型照明装置或いはバルーン型投光機は、空気圧によって膨らませることができるバルーンを備えており、その内部に光源とバルーンを膨らませるための送風機が配備されている。バルーン型照明装置や投光機の光源としては、一般にHIDランプなどの放電ランプが用いられ、発電機や商用電源から供給される電力が安定器を介して放電ランプに供給されている。
【0004】
また、バルーン型照明装置やバルーン型投光機は、バルーンを膨らませた状態の胴部外周に「工事中」や「注意」などの文字を印刷などにより表示することで、通行車両の運転手に注意を促すものが提案されている(下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−36709号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述したようにバルーン型照明装置は各種の用途への需要が高まっている。特に、広い照明範囲が得られることで緊急時の避難場所やイベント会場などでの照明に適しており、多くの人が集まる場所でより効果的な用途が期待されている。多くの人が集まる場所にバルーン型照明装置を設置すると、光を放つバルーン型照明装置は多くの人から注目される存在になる。そのため、このバルーン型照明装置から様々な情報を発信すると多くの人に素早く情報を伝達することが可能になる。しかしながら、従来技術のようにバルーンの胴部に文字や絵柄を付与するだけでは、効果的な情報発信を行うことができない問題があり、また、文字や絵柄によってバルーンから発せられる光が遮断されてしまうので、本来備えている高い照明機能を低減させてしまう問題もあった。
【0007】
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。バルーン型照明装置やバルーン型投光機において、照明機能を低減させること無く効果的な情報発信機能を付与することができること、などが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するために、本発明は、明細書に記載された幾つかの発明のうち以下の構成を具備するものである。
バルーン外皮を有するバルーンと、前記バルーンを膨らませる送風機と、光源とを備え、前記光源から前記バルーン外皮を介して外部に出射される光で周囲を照明するバルーン型照明装置において、前記光源の一つとして前記バルーン外皮の内面に投射光を照射するプロジェクタを備え、前記プロジェクタは外部からの信号で駆動し、前記バルーン外皮が透過型スクリーンとして機能することを特徴とするバルーン型照明装置。
【発明の効果】
【0009】
このような特徴を有する本発明は、バルーン型照明装置やこのバルーン型照明装置を備えるバルーン型投光機において、照明機能を低減させること無く効果的な情報発信機能を付与することができる。すなわち、本発明では、プロジェクタの映像をバルーンの内側からバルーン外皮の内面に投射することで、透過型スクリーンとして機能するバルーン外皮に多くの情報を表示することができる。これによって多くの情報を自在に伝達できる機能を有するバルーン型照明装置或いはバルーン型投光機を提供することができる。
【0010】
本発明のバルーン型照明装置或いはバルーン型投光機をイベント会場や緊急時の避難場所などに設置すると、多くの人が注目するバルーン型照明装置或いはバルーン型投光機に各種の情報が表示されるので、効果的に情報伝達機能を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態を示したバルーン型照明装置を示した説明図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るバルーン型照明装置の他の形態例を示した説明図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るバルーン型照明装置の他の形態例を示した説明図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るバルーン型照明装置の他の形態例を示した説明図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るバルーン型照明装置における情報信号の伝達経路の一例を示した模式図である。
【
図6】(a),(b)は、本発明の実施形態に係るバルーン型照明装置を備えた投光機(バルーン型投光機)を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態に係るバルーン型照明装置は、バルーン外皮を有するバルーンと、バルーンを膨らませる送風機と、光源とを備え、光源からバルーン外皮を介して外部に出射される光で周囲を照明するものであり、光源の一つとしてバルーン外皮の内面に投射光を照射するプロジェクタを備えている。プロジェクタは、バルーンの内部又は外部に1台又は複数台設置されており、これを外部からの信号で駆動して、映像をバルーン外皮の内面に投影し、バルーン外皮を透過型スクリーンとして機能させている。
【0013】
このような特徴を有する本発明の実施形態に係るバルーン型照明装置は、多くの人々がバルーンの外側から映像を見ることができ、効果的な情報伝達機能を有するバルーン型照明装置を提供することができる。
【0014】
従来のバルーン型照明装置はバルーン外皮その物或いはバルーンの外側に文字や画像を書いたシートを張り付けることで、簡単な情報表示ができる機能を持っており、例えば、工事現場では工事の種類や車の誘導の表示、非常時の使用においては救護所の所在、避難所の所在などを明示することができるようになっていた。これに対して近年、バルーン型照明装置は、特にイベント会場、非常時の避難所などで使われることが多くなってきており、非常時の避難所などの使用においては、避難をしている人々に多彩な情報を伝達する機能や娯楽を提供する機能が求められている。
【0015】
本発明の実施形態に係るバルーン型照明装置は、バルーン外皮をプロジェクタの透過型スクリーンとして機能させることで、情報伝達機能をバルーン型照明装置に持たせたものであり、イベント会場や非常時の避難場所などで使用することで、多くの人々に多彩な情報を伝達することができると共に、映像による娯楽を提供することができる。特に、プロジェクタはスピーカーを内蔵したものを設置することで、テレビジョン放送などを、そのまま楽しむこともできる。また、非常に目立つバルーン型照明装置に情報伝達機能を付与することで、多くの人々に効果的に情報を伝達することが可能になる。
【0016】
本発明の一実施形態としては、比較的投射距離の短いプロジェクタをバルーン内に少なくとも1台設置し、バルーン外皮内面に映像を投射するものであるが、プロジェクタの台数を複数台(例えば2から4台)設置することで、バルーン外側のどの位置からも映像を見ることができるようになり、より多くの人に情報を伝達することが可能になる。また、プロジェクタの台数を複数台設置することで、様々な情報を同時に表示して多彩な情報伝達を行うことが可能になる。
【0017】
プロジェクタは基本的には平面スクリーンに画像を投射した反射画像を見るようになっているため、平面スクリーンの反射画像で、画像の歪が無く、画面全体の明るさが均一になるように設計されている。これをバルーンの内側にそのまま投射してバルーンの外側から見ると、画像は左右反転し、歪みを持ち、明るさも不均一な投射画像になってしまう。これを補正するために、プロジェクタに送る映像信号にはバルーン外皮の内面形状に応じた補正がなされると共に、透過型スクリーンに投影するための補正がなされている。
【0018】
プロジェクタの投影光源には色再現を良くするために、可視光の波長分布が比較的均一なハロゲンランプを使用していることが多いが、非常時の使用を考えた場合、消費電力をできるだけ少なくすることが望ましい。このため、本発明の実施形態に係るバルーン型照明装置では、プロジェクタ内の投影光源としてハロゲンランプの代りに白色LEDを用いても良い。白色LEDを用いることで、ハロゲンランプを用いる場合と比較してプロジェクタからの投射画像の色再現性は低下するが、消費電力を大幅に少なくすることができる。消費電力の抑制は、非常時においては重要な要素であり、例えば1台の発電機で使用できるバルーン型照明装置や投光機の数を増やすことができる。
【0019】
また、本発明の実施形態に係るバルーン型照明装置は、バルーン外皮が防水性を有するので、雨天時の屋外においても情報伝達機能を発揮することができる。これにより、例えば非常時の避難場所の屋外でも、照明のみでなく、多くの人々に情報を伝達することができる。
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の各図において共通する部位には同一符号を付して重複説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態を示したバルーン型照明装置を示した説明図である。
図1に示したバルーン型照明装置1は、バルーン10の内側下端近傍に設置され照明と情報伝達機能を兼ねたプロジェクタ2を備えている。ここでは、バルーン型照明装置1の光源がプロジェクタ2によって構成されており、プロジェクタ2からの投射光Lは、点線で示したようにプロジェクタ2の投影部からバルーン外皮10Aの内面に照射され、バルーン外皮10Aを介して外部に出射することで周囲を照明している。
【0021】
バルーン10の下端部にはコントロールボックス11が設置されている。バルーン外皮10Aを膨らますためと、プロジェクタ2から排出されるランプを冷却した温風をバルーン10外へ排出するための送風機12、この送風機12用の電源回路などがコントロールボックス11に収納されている。また、電源コネクタ13から入力された電源を各プロジェクタ2に分配するための配線、及び映像信号コネクタ14から入力された映像信号を各プロジェクタ2に送るための配線などがこのコントロールボックス11に収納されている。
【0022】
バルーン外皮10Aは支柱15上端部に取り付けたトップシート16、及びバルーン10下端部のボトムシート17にファスナーなどの取り付け手段で固定されており、コントロールボックス11内に設置された送風機12を駆動させて膨らますことができるようになっている。
【0023】
また、バルーン10上端外部には、バルーン型照明装置1の非使用時にバルーン外皮10Aを破損・汚れなどから保護するためのバルーンカバー18が畳んで取り付けられており、バルーン外皮10Aを畳んでバルーンカバー18を展開した中に収納できるようになっている。
【0024】
このようなバルーン型照明装置1は、プロジェクタ2からの投射光Lがバルーン外皮10Aを介して外部に照射されることで周囲を照明することができる。更に、バルーン外皮10Aが透過型スクリーンとして機能して様々な情報をバルーン外皮10Aに表示することができる。
【0025】
図2は、本発明の実施形態に係るバルーン型照明装置の他の形態例を示している。
図2に示したバルーン型照明装置1Aは、
図1に示した例と同様に、バルーン10の内側下端近傍に設置され照明と情報伝達機能を兼ねたプロジェクタ2を備えている。更に、プロジェクタ2とは別にバルーン10の内部に照明専用光源20を備えている。この照明専用光源20はバルーン10の中央部に設けている。この例では、プロジェクタ2と照明専用光源20がバルーン型照明装置1Aの光源であり、照明専用光源20を点灯することにより、より明るい照明が可能になっている。
【0026】
図2に示したバルーン型照明装置1Aは、送風機12がバルーン10の上端側に設置されている。この送風機12は、バルーン外皮10Aを膨らますため、照明専用光源20を点灯させるための電源部及び照明専用光源20を冷却するため、プロジェクタ2のランプを冷却した温風を排出するために用いられる。
【0027】
図2に示したバルーン型照明装置1Aのコントロールボックス11Aは、
図1で示したコントロールボックス11から、送風機12を取り除き、照明専用光源20を点灯させるための電源制御回路(図示していない)を設置したものである。送風機12が作動すると、引き込まれた外気はコントロールボックス11A内を流れて照明専用光源20を点灯させるための電源制御回路を冷却し、気道を兼ねた支柱15の内側空間を流れて照明専用光源20を冷却し、更にバルーン10内に吹き出されてバルーン外皮10Aを膨らます。照明専用光源20は、高輝度放電ランプを用いても良いが発熱が大きいため、内部に設置されたプロジェクタ2の保護の為にもLEDを用いる方が望ましい。
【0028】
図2に示したバルーン型照明装置1Aを用いた投光機を照明として用いる場合には、照明専用光源20を点灯することで、広範囲を明るく照らすことが可能となり、情報伝達用として用いる場合は、照明専用光源20を消灯しプロジェクタ2を駆動させればよい。
【0029】
図3は、本発明の実施形態に係るバルーン型照明装置の他の形態例を示している。
図3に示したバルーン型照明装置1Bは、バルーン10の直径よりバルーン10の高さの方が大きい形態になっており、この例では内部の縦方向の空間が広いため、後述する無線受信部,TVチューナー,信号変換回路,映像信号補正部(PC)など、プロジェクタ2を駆動させるために必要な機能を全てバルーン10内部のコントロールボックス11B内に設置することができる。
図3に示した例でも、照明専用光源20の上に送風機12が設置されており、送風機12によってバルーン10の下端部から引き込まれた空気は、コントロールボックス11Bの中を通過し、内部を冷却した後に、気道を兼ねた支柱15の内側空間を流れ、照明専用光源20を冷却し、バルーン10内に吹き出してバルーン10を膨らませる。このような形態のバルーン型照明装置1Bは、非使用時には全体を縦長の細い円柱状に収納できるため、保管スペースが少なくて済む。
【0030】
図4は、本発明の実施形態に係るバルーン型照明装置の他の形態例を示している。
図4に示したバルーン型照明装置1Cは、プロジェクタ2をバルーン10の下部外側に置き、バルーン10の下端部に透明部分10Bを設け、バルーン10の外部に設置されたプロジェクタ2からの映像を透明部分10Bを介して透過させ、バルーン外皮10Aの内面に投影できるようにしたものである。この場合、前述したバルーン型照明装置1,1A,1Bと比べてプロジェクタ2の投射部からバルーン外皮10Aの内面(投影面)までの距離を長くすることができ、映像の明るさ、及び鮮明性のムラを小さくすることができる。図示の例では、照明専用光源20を点灯するための電源制御回路を備えたコントロールボックス11Cがバルーン10内に設置され、プロジェクタ2を駆動するためのコントロールボックス11Dがバルーン10の外に設置されている。
【0031】
前述したバルーン型照明装置1(1A,1B)は、本来、バルーン外皮10Aが防水性を有しているので、バルーン10内にプロジェクタ2を設置することで、雨天時の屋外使用が可能になる。また、
図4に示したバルーン型照明装置1Cは、プロジェクタ2がバルーン10の外に配置されることになるが、防水性の保護シート部材19で、プロジェクタ2を囲ってしまえば、プロジェクタ2を雨水から保護することが可能となり、雨天時の屋外でも使用することが可能となる。
【0032】
図5は、本発明の実施形態に係るバルーン型照明装置における情報信号の伝達経路の一例を示した模式図である。プロジェクタ2は、外部から送信された映像信号又は内部に保存した映像信号に基づく映像をバルーン外皮10Aの内面に投影する。プロジェクタ2には、映像信号補正部30によって補正された映像信号が送られる。映像信号補正部30では、映像信号がバルーン外皮10Aの内面形状に応じて補正される。映像信号補正部30は、映像補正ソフトが組み込まれたパーソナルコンピュータ(PC)などで構成することができ、このコンピュータは、バルーン10の内部に設けても外部に設けても良い。
【0033】
プロジェクタ2が表示する表示情報の情報源は、タブレット端末又はスマートフォンなど、通信機能を有する情報端末機器40で作成した文章又は画像などを用いることができる。バルーン型照明装置1(1A,1B,1C)は、情報端末機器40から送信される表示情報を無線で受信する無線受信部31を備えており、無線受信部31が受信した表示情報によって映像信号が形成される。
【0034】
すなわち、無線受信部31で受信したもの或いはTVチューナー32で受信したTV放送信号などの受信映像信号は、信号変換回路33で処理してプロジェクタ2を駆動できる映像信号に変換されて、映像信号補正部(PC)30に送られ、ここで映像補正された信号がプロジェクタ2に送られる。前述したように、無線受信部31、TVチューナー32、信号変換回路33、映像信号補正部30を構成するコンピュータのすべて、又は一部は、バルーン10内のコントロールボックス11(11A,11B,11C)に設置することができる。
【0035】
図5に示した例では、4台のプロジェクタ2((1)〜(4))を1台のコンピュータで駆動しており、同じ映像を4台のプロジェクタ2に同時に投射することも、それぞれ別の映像を4台のプロジェクタで投射することも可能である。従って、4画面とも同じ映像を投射することでバルーンの周囲全方向の多くの人に同時に情報を伝達することが可能であり、また複数のプロジェクタ2で横長の一つの映像を投影することも可能で、変化に富んだ映像を投影することができる。
【0036】
図6(a),(b)は、前述した本発明の実施形態に係るバルーン型照明装置を備えた投光機(バルーン型投光機)を示した説明図である。
図6(a)に示した投光機100は、台車101に取り付けられた伸縮支柱103の上にバルーン型照明装置1(1A,1B,1C)が設置されている。図示の例では、台車101には発電機や二次電池などの電源装置102が搭載されている。
図6(b)に示した投光機100Aは、三脚104に取り付けた伸縮支柱103A上にバルーン型照明装置1(1A,1B,1C)が設置されている。
【0037】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更などがあっても本発明に含まれる。また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成などに特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0038】
1,1A,1B,1C:バルーン型照明装置,2:プロジェクタ,
10:バルーン,10A:バルーン外皮,10B:透明部分,
11(11A,11B,11C,11D):コントロールボックス,
12:送風機,13:電源コネクタ,14:映像信号コネクタ,
15:支柱,16:トップシート,17:ボトムシート,
18:バルーンカバー,19:保護シート部材,
20:照明専用光源,30:映像信号補正部(PC),
31:無線受信部,32:TVチューナー,33:信号変換回路,
40:情報端末機器,100,100A:投光機(バルーン型投光機)