(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-130655(P2015-130655A)
(43)【公開日】2015年7月16日
(54)【発明の名称】アンテナ構造及びこれを用いた無線通信装置
(51)【国際特許分類】
H01Q 5/10 20150101AFI20150619BHJP
H01Q 9/42 20060101ALI20150619BHJP
H01Q 1/24 20060101ALI20150619BHJP
【FI】
H01Q5/01
H01Q9/42
H01Q1/24 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-238536(P2014-238536)
(22)【出願日】2014年11月26日
(31)【優先権主張番号】201310749270.8
(32)【優先日】2013年12月31日
(33)【優先権主張国】CN
(71)【出願人】
【識別番号】513235681
【氏名又は名称】群▲マイ▼通訊股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】曾 彦融
(72)【発明者】
【氏名】陳 依▲テイ▼
(72)【発明者】
【氏名】許 ▲タク▼綱
【テーマコード(参考)】
5J047
【Fターム(参考)】
5J047AA04
5J047AB06
5J047FD01
(57)【要約】
【課題】占有空間が小さく、帯域幅が広く、多くの通信システムに汎用できるアンテナ構造を提供すること。
【解決手段】本発明に係るアンテナ構造は、金属部材と、複数の電子部品と、第一アンテナモジュールと、第二アンテナモジュールと、第三アンテナモジュールと、第四アンテナモジュールと、を備える。金属部材には、スロットが設けられており、スロットは、金属部材を第一部分と第二部分とに分け、第一部分及び第二部分は、共同で1つの収容空間を形成し、電子部品、第一アンテナモジュール、第二アンテナモジュール、第三アンテナモジュール及び第四アンテナモジュールは、収容空間内に設けられ、第一アンテナモジュールは、金属部材の第一部分に電気的に接続され、第三アンテナモジュール及び第四アンテナモジュールは、それぞれ金属部材の第二部分に電気的に接続されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属部材と、複数の電子部品と、第一アンテナモジュールと、第二アンテナモジュールと、第三アンテナモジュールと、第四アンテナモジュールと、を備えるアンテナ構造であって、
前記金属部材には、スロットが設けられており、前記スロットは、前記金属部材を第一部分と第二部分とに分け、前記第一部分及び前記第二部分は、共同で1つの収容空間を形成し、前記電子部品、前記第一アンテナモジュール、前記第二アンテナモジュール、前記第三アンテナモジュール及び前記第四アンテナモジュールは、前記収容空間内に設けられ、
前記第一アンテナモジュールは、前記金属部材の前記第一部分に電気的に接続され、
前記第三アンテナモジュール及び前記第四アンテナモジュールは、それぞれ前記金属部材の前記第二部分に電気的に接続されていることを特徴とするアンテナ構造。
【請求項2】
前記金属部材は、第一枠部と、前記第一枠部の両端にそれぞれ連結された第二枠部及び第三枠部と、を含み、
前記スロットは、前記第一枠部に設けられて、前記第一枠部を第一側壁と第二側壁とに互いに離間して分け、
前記第一側壁及び前記第二枠部は、前記第一部分を構成し、
前記第二側壁及び前記第三枠部は、前記第二部分を構成することを特徴とする請求項1に記載のアンテナ構造。
【請求項3】
前記第一アンテナモジュールは、第一フィードイン部、第一放射部、第二放射部、第三放射部及び第四放射部を含み、
前記第一フィードイン部は、前記第一アンテナモジュールに信号をフィードインし、
前記第一放射部は、前記第一側壁と互いに間隔をあけて、且つ平行に設けられ、前記第一放射部の一端は、前記第一フィードイン部と前記第二放射部とが交差する箇所に連結され、前記第一放射部の他端は、前記第二枠部に垂直に連結され、
前記第二放射部は、前記第一放射部と同一直線上に位置し、前記第二放射部の一端は、前記第一放射部と前記第一フィードイン部とが交差する箇所に連結され、前記第二放射部の他端は、前記第三放射部に垂直に連結され、
前記第三放射部は、前記第一放射部及び前記第二放射部に対して垂直であり、
前記第四放射部は、前記第三放射部の前記第二放射部に連結された一端から離れた一端に垂直に連結され、且つ前記第二放射部に対して平行に延伸し、
前記第二放射部及び前記第四放射部は、それぞれ前記第三放射部の両端に垂直に連結され、且つ前記第三放射部の同じ側に位置することを特徴とする請求項2に記載のアンテナ構造。
【請求項4】
前記第二放射部の前記第一フィードイン部から離れた一端の末端は、前記スロットの一方の末端と同一直線上に位置することを特徴とする請求項3に記載のアンテナ構造。
【請求項5】
前記第二アンテナモジュールは、第二フィードイン部、接地部、移行部、連結部及びカップリング部を含み、
前記第二フィードイン部、前記接地部及び前記移行部は共同で、「U」字状の構造を構成し、
前記第二フィードイン部及び前記接地部は、それぞれ前記移行部の両端に垂直に連結され、且つ互いに対して平行であり、
前記第二フィードイン部は、前記第二アンテナモジュールに信号をフィードインし、
前記接地部は、前記第二アンテナモジュールを接地させ、
前記連結部の一端は、前記移行部と前記第二フィードイン部とが交差する箇所に垂直に連結され、前記連結部の他端は、前記カップリング部の一端に垂直に連結され、前記連結部の一部は、前記第一枠部に向かって前記第二枠部と平行するように延伸し、前記連結部の他の一部は、前記第三枠部に向かって前記第一枠部と平行するように延伸し、
前記カップリング部は、前記連結部の末端から前記第一枠部に向かって所定の距離だけ延伸して90度折り曲げられた後、前記第二枠部に向かって前記第一枠部と平行するように延在していることを特徴とする請求項2に記載のアンテナ構造。
【請求項6】
前記第三アンテナモジュールは、直線状のシートであり、前記第三アンテナモジュールの一端は、前記第三アンテナモジュールに信号をフィードインし、前記第三アンテナモジュールの他端は、前記第一枠部の前記第二側壁に電気的に接続され、
前記第三アンテナモジュールの全体は、前記第二枠部及び前記第三枠部に対して平行であることを特徴とする請求項2に記載のアンテナ構造。
【請求項7】
前記第四アンテナモジュールは、第三フィードイン部及び湾曲部を含み、
前記第三フィードイン部の一端は、前記第四アンテナモジュールに信号をフィードインし、前記第三フィードイン部の他端は、前記湾曲部に電気的に接続され、
前記湾曲部の一端は、前記第三フィードイン部に垂直に連結され、前記湾曲部の他端は、前記第三枠部に垂直に、且つ電気的に接続され、前記湾曲部の一部は、前記第三枠部に対して平行であり、前記湾曲部の他の一部は、前記第一枠部に対して平行であることを特徴とする請求項2に記載のアンテナ構造。
【請求項8】
前記第四アンテナモジュールは、共振部をさらに備え、
前記共振部は、前記複数の電子部品の中の1つの電子部品及び前記第三枠部とそれぞれ垂直に連結されていることを特徴とする請求項7に記載のアンテナ構造。
【請求項9】
回路基板及び前記回路基板の一端に装着されたアンテナ構造を備える無線通信装置であって、
前記アンテナ構造は、請求項1ないし8の何れか1項に記載のアンテナ構造であることを特徴とする無線通信装置。
【請求項10】
前記無線通信装置は、整合回路をさらに備え、
前記整合回路は、前記回路基板の第三フィードイン点と前記第三アンテナモジュールとの間に電気的に接続され、前記第三アンテナモジュールのインピーダンスマッチングを調整することを特徴とする請求項9に記載の無線通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ構造に関し、特に金属部材を利用したアンテナ構造及びこのアンテナ構造を備える無線通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線通信装置は益々軽薄になり、消費者の無線通信装置の外観に対する要求もさらに高まっている。この中で、金属ハウジングは、外観、強度及び放熱効果等に優れているため、現在、金属ハウジングを採用した無線通信製品が好まれている。しかし、金属ハウジングは、その内部に設けられているアンテナモジュールが生成した電磁波を遮蔽して妨害し、無線通信装置のアンテナモジュールに影響を与える。従って、金属ハウジングを採用する無線通信装置において、如何にアンテナモジュールの性能を維持させるかが、本業界の技術者の課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記の問題点を考慮してなされたものであり、占有空間が小さく、帯域幅が広く、多くの通信システムに汎用できるアンテナ構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を解決するために、本発明に係るアンテナ構造は、金属部材と、複数の電子部品と、第一アンテナモジュールと、第二アンテナモジュールと、第三アンテナモジュールと、第四アンテナモジュールと、を備える。金属部材には、スロットが設けられており、スロットは、金属部材を第一部分と第二部分とに分け、第一部分及び第二部分は、共同で1つの収容空間を形成し、電子部品、第一アンテナモジュール、第二アンテナモジュール、第三アンテナモジュール及び第四アンテナモジュールは、前記収容空間内に設けられ、第一アンテナモジュールは、金属部材の第一部分に電気的に接続され、第三アンテナモジュール及び第四アンテナモジュールは、それぞれ金属部材の第二部分に電気的に接続されている。
【0005】
また、上記の課題を解決するために、本発明に係る無線通信装置は、回路基板及び該回路基板の一端に装着されたアンテナ構造を備え、アンテナ構造は、金属部材と、複数の電子部品と、第一アンテナモジュールと、第二アンテナモジュールと、第三アンテナモジュールと、第四アンテナモジュールと、を備える。金属部材には、スロットが設けられており、スロットは、金属部材を第一部分と第二部分とに分け、第一部分及び第二部分は、共同で1つの収容空間を形成し、電子部品、第一アンテナモジュール、第二アンテナモジュール、第三アンテナモジュール及び第四アンテナモジュールは、収容空間内に設けられ、第一アンテナモジュールは、金属部材の第一部分に電気的に接続され、第三アンテナモジュール及び第四アンテナモジュールは、それぞれ金属部材の第二部分に電気的に接続されている。
【発明の効果】
【0006】
従来の技術と異なり、本発明のアンテナ構造は、金属部材をアンテナの放射体として使用し、且つ電子部品と金属部材、第一アンテナモジュール、第二アンテナモジュール、第三アンテナモジュール及び第四アンテナモジュールとの協働によって、複数の周波数帯域の無線信号を送受信することができるため、帯域幅が広くなる。一方、本発明のアンテナ構造は、無線通信装置のフレーム又はハウジング(金属部材)の特性を十分に利用して、金属構造下で、良好なアンテナの放射性能及び放射効率を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態に係る無線通信装置の一部を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示した無線通信装置を別の視点から見た図である。
【
図3】
図1に示した無線通信装置の中の整合回路を示すブロック図である。
【
図4】
図1に示した無線通信装置の第一アンテナモジュールのリターンロスを示す図である。
【
図5】
図1に示した無線通信装置の第二アンテナモジュールのリターンロスを示す図である。
【
図6】
図1に示した無線通信装置において、切換スイッチが第一整合回路を導通させた時の第三アンテナモジュールのリターンロスを示す図である。
【
図7】
図1に示した無線通信装置において、切換スイッチが第二整合回路を導通させた時の第三アンテナモジュールのリターンロスを示す図である。
【
図8】
図1に示した無線通信装置の第四アンテナモジュールのリターンロスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1及び
図2に示すように、本発明の実施形態に係るアンテナ構造50は、携帯電話機やタブレットPC等の無線通信装置100に用いられて、無線信号を送受信することに用いられる。無線通信装置100は、回路基板20を備える。回路基板20には、第一フィードイン点21、第二フィードイン点23、第三フィードイン点25、第四フィードイン点27及び接地点29が設けられている。第一フィードイン点21、第二フィードイン点23、第三フィードイン点25及び第四フィードイン点27は、アンテナ構造50に電流をフィードインする。接地点29は、アンテナ構造50を接地させる。
【0009】
アンテナ構造50は、金属部材51、電子部品52、第一アンテナモジュール53、第二アンテナモジュール55、第三アンテナモジュール57及び第四アンテナモジュール59を含む。第一アンテナモジュール53、第三アンテナモジュール57及び第四アンテナモジュール59は、それぞれ金属部材51に連結されると共に、回路基板20と電気的に接続されている。
【0010】
金属部材51は、無線通信装置100のフレームとして使用され、無線通信装置100に金属質感を付与する。本実施形態において、金属部材51は、第一枠部511と、第一枠部511の両端にそれぞれ連結された第二枠部513及び第三枠部515とを含む。第一枠部511には、スロット517が設けられており、このスロット517によって、第一枠部511は、第一側壁5111と第二側壁5113とに互いに離間して分けられている。第一側壁5111及び第二枠部513は、互いに連結されて金属部材51の第一部分を構成する。第二側壁5113及び第三枠部515は、互いに連結されて金属部材51の第二部分を構成する。第一部分は、第二部分と共同で収容空間519を形成している。
【0011】
本実施形態において、電子部品52は、少なくともマイク521、スピーカー523、フロントカメラ525及びバックカメラ527を含む。マイク521、スピーカー523、フロントカメラ525及びバックカメラ527は、全て収容空間519内に設けられ且つ回路基板20の機能回路に電気的に接続されている。
【0012】
本実施形態において、第一アンテナモジュール53は、第一フィードイン部531、第一放射部533、第二放射部535、第三放射部537及び第四放射部539を含む。第一フィードイン部531は、「L」字状であり、マイク521とバックカメラ527との間に位置する。第一フィードイン部531の一端は、回路基板20の表面に垂直に連結され、且つ第一フィードイン点21に電気的に接続されて、第一アンテナモジュール53に信号をフィードインする。第一フィードイン部531の他端は、第一放射部533と第二放射部535との接続部位に電気的に接続されている。第一放射部533は、細長いシートである。第一放射部533は、第一側壁5111と互いに間隔をあけて、且つ該第一側壁5111に対して平行に設けられている。第一放射部533の一端は、第一フィードイン部531と第二放射部535とが交差する箇所に連結されている。第一放射部533の他端は、第二枠部513に垂直に連結されている。第二放射部535は、第一放射部533と同じ幅を有するシートであり、且つ第一放射部533と同一直線上に位置する。より詳細には、第二放射部535の一端は、第一放射部533と第一フィードイン部531とが交差する箇所に連結され、第二放射部535の他端は、第三放射部537に垂直に連結されている。また、第二放射部535の第一フィードイン部531から離れた一端の末端は、スロット517の一方の末端と同一直線上に、且つ同一平面内に位置する。第三放射部537は、第一放射部533及び第二放射部535に対して垂直である。第四放射部539は、第三放射部537の第二放射部535に連結された一端から離れた一端に垂直に連結され、且つ第二放射部535に対して平行に延伸している。つまり、第二放射部535及び第四放射部539は、それぞれ第三放射部537の両端に垂直に連結され、且つ第三放射部537の同側に位置している。
【0013】
第二アンテナモジュール55は、第二フィードイン部551、接地部553、移行部555、連結部557及びカップリング部559を含む。第二フィードイン部551、接地部553及び移行部555は共同で、「U」字状の構造を形成する。この「U」字状の構造は、回路基板20に対して垂直である平面内に位置し、且つスピーカー523とフロントカメラ525との間に位置する。第二フィードイン部551及び接地部553は、それぞれ移行部555の両端に垂直に連結され、且つ互いに平行している。また、第二フィードイン部551は、回路基板20の第二フィードイン点23に電気的に接続されて、第二アンテナモジュール55に信号をフィードインする。接地部553は、回路基板20の接地点29に電気的に接続されて、第二アンテナモジュール55を接地させる。連結部557及びカップリング部559は、全て回路基板20と平行する平面内に位置する。連結部557は、ほぼ「L」字状を呈し、その一端は、移行部555と第二フィードイン部551とが交差する箇所に垂直に連結され、その他端は、カップリング部559の一端に垂直に連結されている。連結部557の短軸部は、第一枠部511に向かって、且つ第二枠部513に対して平行に延伸している。連結部557の長軸部は、第三枠部515に向かって、且つ第一枠部511に対して平行に延伸している。カップリング部559は、ほぼ「L」字状を呈し、連結部557の末端から第一枠部511に向かって所定の距離だけ延伸して90度折り曲げられた後、第二枠部513に向かって、且つ第一枠部511に平行するようにまっすぐに延在している。
【0014】
第三アンテナモジュール57は、直線状のシートであり、フロントカメラ525の上方に位置する。また、第三アンテナモジュール57の一端は、回路基板20の第三フィードイン点25に垂直に連結されて、第三アンテナモジュール57に信号をフィードインする。第三アンテナモジュール57の他端は、第一枠部511の第二側壁5113と電気的に接続されている。また、第三アンテナモジュール57の全体は、第二枠部513及び第三枠部515に対して平行であり、且つ回路基板20と第一枠部511との間で延在している。
【0015】
第四アンテナモジュール59は、フロントカメラ525と第三枠部515との間に設けられ、且つ第三フィードイン部591、湾曲部593及び共振部595を含む。第三フィードイン部591は、ほぼ「L」字状を呈し、その一部は、回路基板20が所在する平面内に位置し、且つ回路基板20の第四フィードイン点27に電気的に接続されて、第四アンテナモジュール59に信号をフィードインする。第三フィードイン部591の他の一部は、回路基板20に対して垂直であり、且つ湾曲部593に電気的に接続されている。湾曲部593は、ほぼ「L」字状を呈し、且つ所在する平面は、回路基板20に対して平行である。湾曲部593の一端は、第三フィードイン部591に垂直に連結され、湾曲部593の他端は、第三枠部515に対して垂直に、且つ電気的に接続されている。湾曲部593の長軸部は、第三枠部515に対して平行であり、湾曲部593の短軸部は、第一枠部511に対して平行である。共振部595は、直線状のシートであり、第三枠部515とフロントカメラ525との間に位置し、且つその両端はそれぞれ第三枠部515及びフロントカメラ525に垂直に連結されている。
【0016】
図3に示すように、本発明の無線通信装置100は、整合回路70をさらに備える。整合回路70の全体は、回路基板20の第三フィードイン点25と第三アンテナモジュール57との間に接続されている。整合回路70は、アンテナ構造50のインピーダンスマッチングを調整することによって、アンテナ構造50の高周波モードを調節する。本実施形態において、整合回路70は、切換スイッチ71、第一整合回路73及び第二整合回路75を含む。第一整合回路73及び第二整合回路75は、それぞれコンデンサ及びインダクタンスにより構成され、且つ同時に第三アンテナモジュール57に電気的に接続されている。第三フィードイン点25は、切換スイッチ71を介して第一整合回路73又は第二整合回路75に電気的に接続されている。
【0017】
以下、本発明のアンテナ構造50の動作原理について詳細に説明する。
【0018】
回路基板20の電流が、第一フィードイン点21、第二フィードイン点23、第三フィードイン点25及び第四フィードイン点27からアンテナ構造50にそれぞれフィードインされると、電流は、第一アンテナモジュール53、第二アンテナモジュール55、第三アンテナモジュール57及び第四アンテナモジュール59をそれぞれ流れる。これによって、電流は、第一アンテナモジュール53、第一側壁5111、第一アンテナモジュール53と第一側壁5111との接続部位、及び電子部品52とスロット517との間において、低周波モード及び第一高周波モードを生成する。これと同時に、電流は、第二アンテナモジュール55と電子部品52とスロット517との間で第二高周波モードを生成する。また、電流は、第三アンテナモジュール57、第二側壁5113、第三アンテナモジュール57と第二側壁5113との接続部位、及び電子部品52と共振部595とスロット517との間で第三高周波モードを生成する。さらに、電流は、第四アンテナモジュール59、第二側壁5113、第四アンテナモジュール59と第二側壁5113との接続部位、及び電子部品52と共振部595とスロット517との間で第四高周波モードを生成する。本実施形態において、低周波モードの帯域幅は、約880MHz〜960MHzである。第一高周波モードの帯域幅は、約1710MHz〜1880MHzである。第二高周波モードの帯域幅は、約2400MHz〜2480MHzである。第三高周波モードの帯域幅は、約1850MHz〜2690MHzである。第四高周波モードの中心周波数は、約1575MHzである。
【0019】
図4は、本発明のアンテナ構造50の第一アンテナモジュール53のリターンロスを示している。
図5は、本発明のアンテナ構造50の第二アンテナモジュール55のリターンロスを示している。
図6は、切換スイッチ71が第一整合回路73を導通させた時の、第三アンテナモジュール57のリターンロスを示している。
図7は、切換スイッチ71が第二整合回路75を導通させた時の、第三アンテナモジュール57のリターンロスを示している。
図8は、アンテナ構造50の第四アンテナモジュール59のリターンロスを示している。
図4〜
図8から分かるように、アンテナ構造50は、880MHz〜960MHz、1710MHz〜1880MHz、2400MHz〜2480MHz、1850MHz〜2690MHz及び1575MHzの周波数帯域の無線信号を送受信すると、好ましい放射効果を備え、アンテナの設計要求を満たす。
【0020】
本発明のアンテナ構造50は、金属部材51をアンテナの放射体として使用し、且つ電子部品52と、金属部材51、第一アンテナモジュール53、第二アンテナモジュール55、第三アンテナモジュール57及び第四アンテナモジュール59との協働によって、複数の周波数帯域の無線信号を送受信することができるため、帯域幅が広くなる。また、本発明のアンテナ構造50は、無線通信装置100のフレーム又はハウジング(金属部材51)の特性を十分に利用して、金属構造下で良好なアンテナの放射性能及び放射効率を維持することができる。
【符号の説明】
【0021】
100 無線通信装置
20 回路基板
21 第一フィードイン点
23 第二フィードイン点
25 第三フィードイン点
27 第四フィードイン点
29 接地点
50 アンテナ構造
51 金属部材
511 第一枠部
5111 第一側壁
5113 第二側壁
513 第二枠部
515 第三枠部
517 スロット
519 収容空間
52 電子部品
521 マイク
523 スピーカー
525 フロントカメラ
527 バックカメラ
53 第一アンテナモジュール
531 第一フィードイン部
533 第一放射部
535 第二放射部
537 第三放射部
539 第四放射部
55 第二アンテナモジュール
551 第二フィードイン部
553 接地部
555 移行部
557 連結部
559 カップリング部
57 第三アンテナモジュール
59 第四アンテナモジュール
591 第三フィードイン部
593 湾曲部
595 共振部
70 整合回路
71 切換スイッチ
73 第一整合回路
75 第二整合回路