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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-131269(P2015-131269A)
(43)【公開日】2015年7月23日
(54)【発明の名称】フィルタ取付枠
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/10 20060101AFI20150630BHJP
   F24F 7/06 20060101ALI20150630BHJP
【FI】
   B01D46/10 B
   F24F7/06 101A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-3803(P2014-3803)
(22)【出願日】2014年1月11日
(71)【出願人】
【識別番号】000250432
【氏名又は名称】理研軽金属工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098615
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 学
(72)【発明者】
【氏名】石川 博光
【テーマコード(参考)】
3L058
4D058
【Fターム(参考)】
3L058BK05
4D058JA12
4D058KC32
4D058KC52
4D058KC83
4D058SA02
(57)【要約】
【課題】レンジフードなどの現場ごとの微細な寸法調整を正確、迅速、且つ容易に行えると共に、フィルタの取り付け作業の労力および時間を低減できるフィルタ取付枠を提供する。
【解決手段】平面視が矩形状で且つ所要の厚みを有する板状のフィルタFの少なくとも一辺に沿って配置され、且つ該フィルタFの外側に張り出した延出片4の一方の表面4aに単数の底広凹溝6を有するフィルタ枠2aと、該フィルタ枠2aの表面4aに対向する表面11aに、上記底広凹溝6と嵌合する複数の先広凸条12を有する嵌合枠10aと、を備え、上記フィルタ枠2aの底広凹溝6と、上記嵌合枠10aの先広凸条12との嵌合により、該嵌合枠10aのフィルタ枠2aに対する嵌合位置をフィルタFの一辺と直交する方向に沿って複数カ所選択できる、フィルタ取付枠1a。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視が矩形状で且つ所要の厚みを有する板状のフィルタの少なくとも一辺に沿って配置され、且つ前記フィルタの外側に張り出した延出片の一方の表面に単数または複数の底広凹溝あるいは先広凸条を有するフィルタ枠と、
上記フィルタ枠の上記表面に対向する表面に、上記底広凹溝または先広凸条と嵌合する単数または複数の先広凸条あるいは底広凹溝を有する嵌合枠と、を備え、
上記フィルタ枠の底広凹溝あるいは先広凸条と、上記嵌合枠の先広凸条あるいは底広凹溝との嵌合により、該嵌合枠の上記フィルタ枠に対する嵌合位置を上記フィルタの一辺と直交する方向に沿って複数カ所選択できる、
ことを特徴とするフィルタ取付枠。
【請求項2】
前記フィルタ枠は、前記延出片の前記表面における外端側に単数の底広凹溝を有し、前記嵌合枠は、前記表面に互いに平行な複数の先広凸条を突設している、
ことを特徴とする請求項1に記載のフィルタ取付枠。
【請求項3】
前記嵌合枠は、前記表面と反対の裏面側に、前記表面と直交する厚み方向に沿った厚みを変更するための厚み調整枠が取り付け可能であり、
上記嵌合枠は、その表面を挟んだ内外一対の側面ごとに凹部あるいは凸部を対称に有し、前記厚み調整枠は、上記裏面に隣接して対向する表面における内外方向の両端に、上記凹部に進入する一対の凸部あるいは上記一対の凸部を受け入れる凹部を有していると共に、上記表面における内外の両端には、前記フィルタの厚み方向に沿って延びた長さの異なる一対の脚片を個別に有している、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のフィルタ取付枠。
【請求項4】
前記嵌合枠は、前記表面に複数の先広凸条または底広凹溝を有し、前記表面と反対の裏面側の両端に、前記表面と直交する前記フィルタの厚み方向に沿って互いに長さが異なる一対の脚片を一体に有している、
ことを特徴とする請求項1に記載のフィルタ取付枠。
【請求項5】
前記嵌合枠の外側の辺、あるいは該嵌合枠および該嵌合枠に取り付けられた厚み調整枠の外側の辺は、通風路の路壁面に固定される固定枠により、該通風路の路壁面に支持される、
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のフィルタ取付枠。
【請求項6】
平面視が矩形状で且つ所要の厚みを有する板状のフィルタの少なくとも一辺に沿って配置され、且つ前記フィルタの外側に張り出した延出片の一方の表面に単数または複数の底広凹溝あるいは先広凸条を有するフィルタ枠と、
上記フィルタ枠の上記表面に対向する表面に、上記底広凹溝または先広凸条と嵌合する単数または複数の先広凸条あるいは底広凹溝を有し、且つ通風路の路壁面に固定される固定枠と、を備え、
上記フィルタ枠の底広凹溝あるいは先広凸条と、上記固定枠の先広凸条あるいは底広凹溝との嵌合により、該固定枠の上記フィルタ枠に対する嵌合位置を上記フィルタの一辺と直交する内外方向に沿って複数カ所選択できる、
ことを特徴とするフィルタ取付枠。
【請求項7】
前記フィルタ枠は、前記延出片の前記表面における外端側に単数の底広凹溝を有し、前記固定枠は、前記表面に互いに平行な複数の先広凸条を突設している、
ことを特徴とする請求項6に記載のフィルタ取付枠。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、レンジフード用のフィルタを所要の位置に取り付けるためのフィルタ取付枠に関する。
【背景技術】
【0002】
レンジフードの内部に取り付けられた換気扇や排気用ダクトの汚れを防ぐため、上記レンジフードにおける排気の入口側には、該レンジフード用のフィルタが取り付けられている。一般に、レンジフードは、該フードの専門メーカーや該フードを備えたシステムキッチンのメーカーにより、各部分の寸法が相違している。
上記寸法の相違に対応するため、全体が長方形状のフィルタにおいて対向する一対の辺ごとに、断面ほぼh字形状を呈する枠辺部を取り付け、かかる枠辺部 ごとの上記フィルタと反対側の外側に、該枠辺部の係合用突起に係合する係合部を上記フィルタ側に有し且つ該フィルタと反対側に上記同様の係合用突起を備えた所望数(任意数)の補助片を、順次係合するようにしたレンジフードフィルタ用アタッチメントが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、前記レンジフードフィルタ用アタッチメントによる場合には、取り付けるべきフィルタの外側に、前記補助片の幅寸法と同じであるか、該幅寸法の整数倍に限った範囲での寸法調整でしか対応できず、微細で且つ正確な寸法調整には不向きである、という問題点があった。しかも、レンジフードごとの現場では、所要数の補助片を順次係合する作業が必要となるので、フィルタの取り付け作業に多くの労力と時間を要する、という問題点もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3523366号公報(第1〜7頁、図1〜8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、背景技術で説明した問題点を解決し、例えば、レンジフードの現場ごとの微細な寸法調整を正確且つ容易に行えると共に、フィルタの取り付け作業の労力および時間を低減できるフィルタ取付枠を提供する、ことを課題とする。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0006】
本発明は、前記課題を解決するため、取り次けるべきフィルタの少なくとも一辺に配置するフィルタ枠と、該フィルタ枠に対向する嵌合枠あるいは固定枠とに、互いに嵌合し合う単数または複数の底広凹溝および先広凸条を形成する、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明による第1のフィルタ取付枠(請求項1)は、平面視が矩形状で且つ所要の厚みを有する板状のフィルタの少なくとも一辺に沿って配置され、且つ前記フィルタの外側に張り出した延出片の一方の表面に単数または複数の底広凹溝あるいは先広凸条を有するフィルタ枠と、該フィルタ枠の上記表面に対向する表面に、上記底広凹溝または先広凸条と嵌合する単数または複数の先広凸条あるいは底広凹溝を有する嵌合枠と、を備え、上記フィルタ枠の底広凹溝あるいは先広凸条と、上記嵌合枠の先広凸条あるいは底広凹溝との嵌合により、該嵌合枠の上記フィルタ枠に対する嵌合位置を上記フィルタの一辺と直交する方向に沿って複数カ所選択できる、ことを特徴とする。
【0007】
これによれば、前記フィルタ枠の延出片が有する単数または複数の底広凹溝あるいは先広凸条と、前記嵌合枠が有する単数または複数の先広凸条あるいは底広凹溝とが個別に嵌合する位置を選択することにより、隣接する底広凹溝同士間あるいは先広凸条同士間のピッチや該ピッチの整数倍の寸法に応じて、該嵌合枠の上記フィルタ枠に対する嵌合位置を上記フィルタの一辺と直交する方向に沿って複数カ所選択することができる。従って、例えば、レンジフードなどの現場ごとの微細な寸法調整を、比較的少ない構成部材数によって、正確で、迅速且つ容易に行えると共に、前記フィルタの取り付け作業の労力および時間を低減することも可能となる。
【0008】
尚、前記フィルタ枠および嵌合枠は、例えば、アルミニウム合金の押出形材、あるいは耐熱性樹脂からなる射出成形材または押出成形材からなる。
また、前記底広凹溝は、断面が台形状、半台形状、ほぼ逆T字形状、あるいは逆Ω形状などを呈し、開口部の幅よりも奥側の幅が大きい形態のものである。
更に、前記先広凸条は、断面が逆台形状、半逆台形状、ほぼT字形状、あるいはΩ形状などを呈し、基部の幅よりも先端部の幅が大きい形態のものである。
また、前記底広凹溝および先広凸条は、前記フィルタ枠および嵌合枠の同じ表面に複数個ずつが互いに隣接して交互に配置された形態としても良い。
更に、前記フィルタ枠および嵌合枠は、平面視が矩形(長方形または正方形)状のフィルタにおいて、対向する一対の辺の何れかのみに配設して、該一対の辺と直交する方向の寸法を調整する形態のほか、更に、残りの一対の辺にも配設して、直交する縦横の2方向の寸法を調整する形態にも活用される。
加えて、本発明のフィルタ取付枠は、レンジフードの通風路に限らず、強制的な換気や空調設備などの通風路に適用することも可能である。
【0009】
また、本発明には、前記フィルタ枠は、前記延出片の前記表面における外端側に単数の底広凹溝を有し、前記嵌合枠は、前記表面に互いに平行な複数の先広凸条を突設している、第1のフィルタ取付枠(請求項2)も含まれる。
これによれば、上記フィルタ枠の延出片の外端側に有する単数の底広凹溝に対し、上記嵌合枠の表面に互いに平行に突設された複数の先広凸条の何れかを選択して嵌合することにより、互いに隣接し合う先広凸条同士間のピッチや該ピッチの整数倍の寸法ごとに応じて、該嵌合枠の上記フィルタ枠に対する嵌合位置を、前記フィルタの一辺と直交する方向に沿って複数カ所容易に選択できる。
【0010】
更に、本発明には、前記嵌合枠は、前記表面と反対の裏面側に、前記表面と直交する厚み方向に沿った厚みを変更するための厚み調整枠が取り付け可能であり、上記嵌合枠は、その裏面を挟んだ内外一対の側面ごとに凹部あるいは凸部を対称に有し、前記厚み調整枠は、上記裏面に隣接して対向する表面における内外方向の両端に、上記凹部に進入する一対の凸部あるいは上記一対の凸部を受け入れる凹部を有していると共に、上記表面における内外の両端には、前記フィルタの厚み方向に沿って延びた長さの異なる一対の脚片を個別に有している、第1のフィルタ取付枠(請求項3)も含まれる。
これによれば、前記嵌合枠の内外一対の側面ごとに設けた凹部あるいは凸部と、前記厚み調整枠に設けた一対の凸部あるいは凹部とを嵌合して、上記嵌合枠に前記フィルタの厚み方向に沿って延びた長さの異なる一対の脚片を個別に有する上記厚み調整枠が取り付けられる。従って、嵌合枠の外側における前記フィルタの厚み方向に沿った寸法を、後述する固定枠ごとにおける縦片の高さ(厚み)の寸法に容易に整合することが可能となる。
尚、前記厚み調整枠も、アルミニウム合金の押出形材、あるいは耐熱性樹脂からなる射出成形材または押出成形材からなる。
また、前記厚み調整枠も、前記フィルタにおける対向する一対の辺の何れかのみに配設し、該一対の辺と直交する方向の寸法を調整する形態の他、残りの一対の辺にも配設して、直交する縦横の2方向の寸法を調整する形態にも活用される。
【0011】
また、本発明には、前記嵌合枠は、前記表面に複数の先広凸条または底広凹溝を有し、前記表面と反対の裏面側の両端に、前記表面と直交する前記フィルタの厚み方向に沿って互いに長さが異なる一対の脚片を一体に有している、第1のフィルタ取付枠(請求項4)も含まれる。
これによれば、前記同様にしてフィルタ枠に嵌合枠を取り付ける際に、該嵌合枠の断面を前記フィルタの内外方向において、長短何れかの脚片が外側となるように選択することにより、後述する固定枠ごとにおける縦片の寸法に対し、微細で、一層容易且つ迅速に整合することが可能となる。
尚、前記嵌合枠の表面に設けられる複数の先広凸条または底広凹溝は、該表面の内外方向において左右対称となる位置ごとに配設される。
【0012】
加えて、本発明には、前記嵌合枠の外側の辺、あるいは該嵌合枠および該嵌合枠に取り付けられた厚み調整枠の外側の辺は、通風路の路壁面に固定される固定枠により、該通風路の路壁面に支持される、第1のフィルタ取付枠(請求項5)も含まれる。
これによれば、前記フィルタを、その少なくとも一辺に配置した前記フィルタ枠および嵌合枠、更には厚み調整枠を介して、上記一辺と直交する寸法を取り付けるべき通風路の路壁面に固定した固定枠に支持させられる。従って、現場ごとの微細な寸法調整を、比較的少ない構成部材数によって、正確で、迅速且つ容易に行えると共に、前記フィルタの取り付け作業の労力および時間を低減できる。
尚、前記固定枠も、アルミニウム合金の押出形材、あるいは耐熱性樹脂からなる射出成形材または押出成形材からなり、例えば、ほぼ断面Z形状を呈する。
【0013】
一方、本発明による第2のフィルタ取付枠(請求項6)は、平面視が矩形状で且つ所要の厚みを有する板状のフィルタの少なくとも一辺に沿って配置され、且つ前記フィルタの外側に張り出した延出片の一方の表面に単数または複数の底広凹溝あるいは先広凸条を有するフィルタ枠と、該フィルタ枠の上記表面に対向する表面に、上記底広凹溝または先広凸条と嵌合する単数または複数の先広凸条あるいは底広凹溝を有し、且つ通風路の路壁面に固定される固定枠と、を備え、 上記フィルタ枠の底広凹溝あるいは先広凸条と、上記固定枠の先広凸条あるいは底広凹溝との嵌合により、該固定枠の上記フィルタ枠に対する嵌合位置を上記フィルタの一辺と直交する内外方向に沿って複数カ所選択できる、ことを特徴とする。
これによれば、前記フィルタ枠の延出片が有する単数または複数の底広凹溝あるいは先広凸条と、前記固定枠が有する単数または複数の先広凸条あるいは底広凹溝と、を個別に嵌合する位置を選択することで、隣接する底広凹溝同士間または先広凸条同士間のピッチや該ピッチの整数倍の寸法に応じて、該固定枠のフィルタ枠に対する嵌合位置を上記フィルタの一辺と直交する方向に沿って複数カ所選択することができる。従って、レンジフードなどの現場ごとの微細な寸法調整を2種類だけの構成部材数により、微細で、迅速且つ容易に行えると共に、上記フィルタの取り付け作業の労力および時間を一層低減することが可能となる。
【0014】
また、本発明には、前記フィルタ枠は、前記延出片の前記表面における外端側に単数の底広凹溝を有し、前記固定枠は、前記表面に互いに平行な複数の先広凸条を突設している、第2のフィルタ取付枠(請求項7)も含まれる。
これによれば、上記フィルタ枠の延出片の外端側に有する単数の底広凹溝に対し、上記固定枠の表面に互いに平行に突設された複数の先広凸条の何れかを選択して嵌合することにより、互いに隣接し合う先広凸条のピッチや該ピッチの整数倍の寸法ごとに応じて、該固定枠の上記フィルタ枠に対する嵌合位置を、前記フィルタの一辺と直交する方向に沿って複数カ所容易に選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1のフィルタ取付枠の一形態およびフィルタを示す分解斜視図。
図2】上記フィルタの一辺に沿った上記フィルタ取付枠を示す断面図。
図3】(A),(B),(C)は上記フィルタ取付枠を構成するフィルタ枠、嵌合枠、および厚み調整枠を示す断面図。
図4】上記フィルタ取付枠の作用を例示する断面図。
図5】異なる形態のフィルタ取付枠を示す図2と同様な断面図。
図6】(A),(B)は上記フィルタ取付枠を構成するフィルタ枠と、嵌合枠を示す断面図。
図7】上記異なる形態のフィルタ取付枠の作用を例示する断面図。
図8】(A),(B)は更に異なる形態の嵌合枠と、該嵌合枠を含む更に異なる形態のフィルタ取付枠を示す断面図。
図9】上記更に異なる形態のフィルタ取付枠の作用を例示する断面図。
図10】(A),(B)は前記一形態のフィルタ取付枠の応用形態を示す断面図。
図11】(A),(B)は前記更に異なる形態のフィルタ取付枠の応用形態を示す断面図。
図12】第2のフィルタ取付枠を構成する一形態の固定枠を示す断面図。
図13】(A),(B)は上記固定枠を含む第2のフィルタ取付枠の断面図と、その作用を例示する断面図。
図14】第2のフィルタ取付枠を構成する異なる形態の固定枠を示す断面図。
図15】(A),(B)は異なる形態第2のフィルタ取付枠と、その作用を例示する断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下において、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、一形態の第1のフィルタ取付枠1aおよび該取付枠1aが適用されるフィルタFを示す分解斜視図である。尚、本明細書において、内(端)側および外(端)側とは、上記フィルタFの中央部と四辺とに沿った方向の呼称である。
図1に示すように、上記フィルタFは、周知の合成樹脂(例えば、ポリフェニレン系樹脂)または天然樹脂(例えば、セルロース)からなる多数の繊維を、不織布と同様にランダムに積層して平面視が矩形(長方形)状で且つ所要の厚みを有する板状体である。該フィルタFにおいて、左右で対向する一対の長辺は、断面がコ字形状の外枠60の凹部62に挟持され、上下で対向する一対の短辺には、第1のフィルタ取付枠1aがそれぞれ配置される。
上記フィルタ取付枠1aは、図2に示すように、上記フィルタFの短辺ごとに配置されるフィルタ枠2aと、該フィルタ枠2aの下側に連結される嵌合枠10aと、該嵌合枠10aの下側に取り付けられる厚み調整枠20と、これらを外側から支持してレンジフードの通風路(図示せず)の路壁面64に固定する固定枠40aとから構成されている。
【0017】
前記フィルタ枠2aは、図3(A)に示すように、前記フィルタFの上面に面接触する基板3と、該基板3から該フィルタFの外側に水平に張り出した延出片4と、該延出片4における一方の表面(裏面)4aの外端側に配置された単数の底広凹溝6と、上記基板3および延出片4の間から垂下した縦片9と、該縦片9の下端から内側に延び且つ基板3と平行で且つ上記フィルタFの下面に面接触する支持片8とを、図示の奥行き方向の全長に沿って備えている。上記底広凹溝6は、断面が逆半台形状を呈し、外端側の凸条5と断面が半台形状の凸条7との間に位置している。また、上記基板3、縦片9、および支持片8に囲まれた凹部3aには、上記フィルタFの短辺側が挿入される。
【0018】
また、前記嵌合枠10aは、図3(B)に示すように、前記フィルタ枠2aの表面4aに対向する表面11aを有する基板11と、該表面11aに互いに平行に突設された3個(複数)の先広凸条12と、上記基板11の外端側に立設する凸片13と、上記表面11aを挟んだ内外一対の両側面ごとに位置する凹部14,15とを、図示の奥行き方向の全長に沿って備えている。
上記先広凸条12は、断面が逆半台形状を呈し、追って前記フィルタ枠2aの底広凹溝6と嵌合する。また、上記凸片13は、該嵌合の一態様において、フィルタ枠2aにおける外端の凸条5に隣接するものである。
【0019】
更に、前記厚み調整枠20は、図3(C)に示すように、前記嵌合枠10aの基板11の表面11aと反対側の裏面に隣接する基板21と、該基板21の表面21aにおける内外の両端部に対称に突設した一対の凸部22と、これらに囲まれた浅くて幅広の凹溝23と、上記基板21の内外の両端から上記表面11aに直交し且つ前記フィルタFの厚み方向に沿って垂下した長さの異なる一対の脚片25,27と、これらの下端から横向きで且つ該調整枠20の中央側に対称に延びた一対の水平片24,26とを、図示の奥行き方向の全長に沿って備えている。
上記一対の凸部22は、追って前記嵌合枠10aの凹部14,15内に個別に進入して、当該厚み調整枠20を、上記嵌合枠10aの基板11の裏面(下)側に取り付けるためのものである。
尚、前記図2の左側に示すように、前記フィルタ枠2a、嵌合枠10a、および厚み調整枠20の外側には、これらを支持する水平片41、縦片42a、および固定片43からなる断面がほぼZ字形状を呈する固定枠40aが配設される。上記固定片43には、釘またはネジが貫通する貫通孔44が穿孔されている。
また、前記フィルタ枠2a、嵌合枠10a、厚み調整枠20、および固定枠40aは、アルミニウム合金(例えば、JIS:A6063−T5)の押出形材、あるいは、耐熱性を有する合成樹脂の射出成形材ないし押出成形材からなる。
【0020】
以上のようなフィルタ取付枠1aでは、前記図2において、前記フィルタ枠2aの底広凹溝6に、嵌合枠10aにおける外端側の先広凸条12が嵌合して、両者を連結することで、前記フィルタFと固定枠40aとの距離を最短としている。
ところで、例えば、レンジフードの現場において前記フィルタFの長辺方向に沿った寸法を若干延ばすような寸法調整が必要となる場合がある。
かかる場合には、例えば、図4に示すように、前記フィルタ枠2aの底広凹溝6に、嵌合枠10aにおける中央部の先広凸条12を嵌合させるか、あるいは内端の先広凸条12を嵌合して、両者を連結することにより、前記寸法調整を微細で、迅速且つ容易に行うことが可能となる。しかも、上記寸法調整は、前記フィルタ枠2aと嵌合枠10aとの2部材のみによって正確に行うことができる。
更に、前記のような第1のフィルタ取付枠1aでは、図4に示すように、前記固定枠40aの縦片42aよりも長い縦片42bを含む固定枠40bを用いる場合には、前記厚み調整枠20を内外方向で逆向きに配置して、嵌合枠10aの基板11の裏面側に取り付けることにより、容易に対応することも可能である。
【0021】
図5は、異なる形態の第1のフィルタ取付枠1bを示す断面図である。
かかるフィルタ取付枠1bは、図5に示すように、前記フィルタFの短辺ごとに配置されるフィルタ枠2bと、該フィルタ枠2bに連結する嵌合枠10bと、該嵌合枠10bの下側に取り付けられる厚み調整枠20と、これらを外側から支持する前記同様の固定枠40aとから構成されている。尚、固定枠40aは、厚み調整枠20を内外逆向きに配置して、前記固定枠40bに取り替えても良い。
上記嵌合枠10bは、図6(A)に示すように、平坦な基板11の表面11aに、複数の底広凹溝16と複数の先広凸条18とを交互に配置し、且つ上記表面11aの裏面側の両端には、斜め下向きに突出した一対の凸部19が左右対称に形成されている。また、上記底広凹溝16と先広凸条18とは、断面が互いに相似形の台形あるいは逆台形である。尚、図6(A)の左側には、左側の上記凸部19と外端側の底広凹溝16とに挟まれた凸片17が位置している。
【0022】
更に、前記フィルタ枠2bは、図6(B)に示すように、前記同様の基板3、延出片4、支持片8、および縦片9を有すると共に、前記嵌合枠10bの表面11aに対向する上記延出片4の表面4aには、前記先広凸条18と個別に嵌合する複数の底広凹溝6bと、前記底広凹溝16と個別に嵌合する複数の先広凸条7bとが交互に且つ連続して配置されている。尚、前記嵌合枠10bや上記フィルタ枠2bも、前記同様の押出形材あるいは射出成形材からなる。
以上のようなフィルタ取付枠1bは、前記図5においては、フィルタ枠2bの全ての底広凹溝6bと、嵌合枠10bの全ての先広凸条18とが個別に嵌合し、且つフィルタ枠2bの各先広凸条7bと、嵌合枠10bの全底広凹溝16とが個別に嵌合して、両者を連結することにより、前記フィルタFと固定枠40aとの距離を最短としている。
【0023】
ところで、前記と同様に、上記フィルタFの長辺方向に沿った寸法を若干延ばすような寸法調整が必要となる場合がある。
かかる場合、前記のようなフィルタ取付枠1bによれば、例えば、図7に示すように、フィルタ枠2bにおける外側の2個の底広凹溝6bと、嵌合枠10bにおける内側の2個の先広凸条18とを個別に嵌合し、且つフィルタ枠2bにおける外側の2個の先広凸条7bと、嵌合枠10bにおける内側の2個の底広凹溝16とを個別に嵌合して、両者を連結する。その結果、前記フィルタFと固定枠40aとの距離を若干延ばす前記寸法調整を、微細で、迅速且つ容易に行える。
尚、上記寸法調整は、少なくとも1個ずつの底広凹溝6bと先広凸条18とを嵌合し、且つ1個ずつの先広凸条7bと底広凹溝16とを嵌合して連結することで、前記フィルタFと固定枠40a(b)との距離を、前記フィルタ枠2bと嵌合枠10bのみにより、最長距離にして正確且つ迅速に調整することができる。
【0024】
図8(A)は、異なる形態の嵌合枠30aを示す断面図、図8(B)は、該嵌合枠30aを含む更に異なる形態の第1のフィルタ取付枠1cを示す断面図である。
上記嵌合枠30aは、図8(A)に示すように、平坦な基板21の表面に複数の底広凹溝16と複数の先広凸条18とを交互に連続して配置し、上記基板21の両端から長さの異なる一対の脚片25,27を垂下し、これらの下端に前記同様の水平片24,26を配設したものである。即ち、上記嵌合枠30aは、前記嵌合枠10bと、厚み調整枠20との両者の機能を併有させたものであり、前記同様の押出形材あるいは射出成形材からなる。
上記フィルタ取付枠1cは、図8(B)に示すように、上記嵌合枠30aと前記フィルタ枠2bと固定枠40aとから構成される。即ち、フィルタFの短辺に沿って配置された前記同様のフィルタ枠2bにおける複数の底広凹溝6bと、嵌合枠30aにおける複数の先広凸条18とを個別に嵌合し、且つフィルタ枠2bにおける複数の先広凸条7bと、嵌合枠30aにおける複数の先広凸条18とを個別に嵌合して、フィルタ枠2bと嵌合枠30aとを連結することにより、フィルタ枠2bの下側に厚み調整機能を有する嵌合枠30aが配置される。
【0025】
更に、図8(B)に示すように、上記フィルタFや、フィルタ取付枠1cを構成するフィルタ枠2bおよび嵌合枠30aは、固定枠40aによって支持され、フィルタFと固定枠40aとの間は、最短距離とされている。
一方、前記フィルタ取付枠1cにおいて、前記と同様な寸法調整が必要な場合には、例えば、図9に示すように、フィルタ枠2bにおける外側の2個の底広凹溝6bと、嵌合枠30aにおける内側の2個の先広凸条18とを個別に嵌合し、且つフィルタ枠2bにおける外側の3個の先広凸条7bと、嵌合枠30aにおける内側の3個の底広凹溝16とを個別に嵌合して、両者を連結する。これによって、前記フィルタFと固定枠40bとの距離を若干延ばす前記寸法調整を、微細で、迅速且つ容易に行うことができる。
更に、前記嵌合枠30aは、断面が互いに相似形である複数の底広凹溝16と複数の先広凸条18とが交互に形成されている、即ち、内外方向で左右対称である。そのため、図9に示すように、嵌合枠30aを内外逆向きとし、且つ長い脚片25を外側に位置させることで、固定枠40bに支持させることもできる。
【0026】
図10(A)は、前記フィルタ取付枠1aの応用形態であるフィルタ取付枠1a´を示す断面図であり、該フィルタ取付枠1a´は、図示のように、フィルタ枠2cと、嵌合枠10cと、厚み調整枠20と、固定枠40aとから構成されている。
上記フィルタ枠2cは、前記同様の延出片4の表面4aにおける外端側と中央部とに、断面が逆台形状である一対の底広凹溝6aを有し、これらを形成するため、それらの両側には、凸部5a,7または一対の凸部7,7が突設されている。
また、上記嵌合枠10cは、図10(A)に示すように、前記同様の基板11の表面に断面が逆台形状である3個の先広凸条12aを等間隔で突設し、上記基板11の両端には、一対の凹部15が形成されている。尚、上記基板11の表面の左端には、左側の上記凹部15を形成するための凸部13aが突設されている。
尚、上記フィルタ枠2cや嵌合枠10cも、前期同様の押出形材などからなる。
【0027】
図10(A)に示すように、フィルタFの短辺に配置されたフィルタ枠2cにおける外端側および中央部の一対の底広凹溝6aと、嵌合枠10cにおける外端側および中央部の一対の先広凸条12aとを嵌合して、フィルタ枠2cの下側に嵌合枠10cを連結する。更に、該嵌合枠10cの各凹部15に、内外両端の凸部22を嵌合して、嵌合枠10cの下側に厚み調整枠20を連結した後、該厚み調整枠20の短い脚片27を固定枠40aの水平片41に支持することで、フィルタFと固定枠40aとの距離を最短としたフィルタ取付枠1a´が構成される。
また、前記同様に、フイルタFと固定枠40aとの間の距離を拡げる寸法調整を行うには、例えば、図10(B)に示すように、フィルタ枠2cにおける一対の底広凹溝6aと、嵌合枠10cにおける中央部および内端側の一対の先広凸条12aとを嵌合することで可能となる。
【0028】
更に、前記距離を拡げたい場合には、フィルタ枠2cにおける外端側の1個の底広凹溝6aと、嵌合枠10cにおける内端側の1個の先広凸条12aとだけを嵌合することにより可能となる。
しかも、図10(B)に示すように、前記嵌合枠10cに対して、厚み調整枠20を内外逆向きに連結することにより、該調整枠20の長い脚片25を、固定枠40bに支持させることもできる。
以上のようなフィルタ取付枠1a´によっても、前記フィルタ取付枠1aと同様な効果を奏することが可能である。
【0029】
図11(A)は、前記フィルタ取付枠1cの応用形態であるフィルタ取付枠1c´を示す断面図であり、該フィルタ取付枠1c´は、図示のように、前記フィルタ枠2cと、嵌合枠30bと、前記固定枠40a(40b)とから構成されている。
上記嵌合枠30bは、図11(A)に示すように、前記同様の基板21や内外一対の脚片25,27を備え、該基板21の表面における内外方向の中央部に断面が逆台形状の先広凸条18を突設すると共に、上記基板21の表面における内外方向の両端側に断面が逆半台形状の先広凸条18aを左右対称に突設している。尚、上記嵌合枠30bも、前記同様の押出形材または射出成形材などからなる。
【0030】
図11(A)に示すように、フィルタFの短辺に配置されたフィルタ枠2cにおける外端側および中央部の一対の底広凹溝6aと、嵌合枠30bにおける外端側および中央部の一対の先広凸条18a,18とを個別に嵌合して、フィルタ枠2cの下側に嵌合枠30bを連結する。更に、該嵌合枠30bの短い脚片27を固定枠40aの水平片41上に支持することで、フィルタFと固定枠40aとの距離を最短としたフィルタ取付枠1c´が構成される。
また、前記同様に、フィルタFと固定枠40aとの間の距離を拡げる寸法調整を行うには、例えば、図11(B)に示すように、フィルタ枠2cにおける一対の底広凹溝6aと、嵌合枠30bにおける中央部および内端側の一対の先広凸条18,18aとを個別に嵌合することによって可能となる。
【0031】
更に、前記距離を拡げたい場合には、フィルタ枠2cにおける外端側の1個の底広凹溝6aと、嵌合枠30bにおける内端側の1個の先広凸条18aとだけを嵌合することにより可能となる。
しかも、図11(B)に示すように、前記フィルタ枠2cに対し、嵌合枠30bを内外逆向きに連結することにより、該嵌合枠30bの長い脚片25を、固定枠40bに支持させることもできる。
以上のようなフィルタ取付枠1c´によっても、前記フィルタ取付枠1cと同様な効果を奏することが可能である。
尚、前記嵌合枠30bの基板21における中央部の先広凸条18は、左右の何れか向きの先広凸条18aにしても良い。
【0032】
図12は、第2のフィルタ取付枠1dに用いる固定枠50aの断面図である。
上記固定枠50aは、前記同様の押出形材または射出成形材からなり、図12に示すように、平坦な基板51と、該基板51の表面51aに等間隔で突設された互いに平行で且つ断面が逆半台形状である複数の先広凸条52と、斜めの接続部53を介して接続された貫通孔54を有する固定片55とを、図示の前後方向の全長に沿って有している。
図13(A)は、上記固定枠50aとフィルタ枠2aとからなる一形態の第2のフィルタ取付枠1dを示す断面図である。前記と同様に、フィルタ取付枠1dは、フイルタFの短辺に配置したフィルタ枠2aの底広凹溝6に、固定枠50aにおける外端側の先広凸条52を嵌合して、フィルタ枠2aの外側に固定枠50aを連結することで、フィルタFと固定枠50aとを最短距離で接続している。
【0033】
前記と同様に、前記フィルタ取付枠1dにおいて、フィルタFと固定枠50aとの距離を調整する場合には、例えば、図13(B)に示すように、フィルタ枠2aの底広凹溝6と、固定枠50aにおいて内外方向の中央部に位置する先広凸条52とを嵌合して、両者を連結することで、フィルタFと固定枠50aとの距離を微細で、正確、迅速且つ容易に拡げる(調整する)ことが可能となる。
【0034】
図14は、異なる形態の固定枠50bを示す断面図である。
上記固定枠50bは、図14に示すように、平坦な基板51と、その表面51aに交互に連続して配置され且つ断面が台形状である複数の底広凹溝56および断面が逆台形状である複数の先広凸条58と、上記基板51と厚肉の接続部57を介して連結された前記同様の固定片55とを、図示の前後方向の全長に沿って有している。かかる固定枠50bも、前記同様の押出形材または射出成形材などからなる。
図15(A)は、上記固定枠50bとフィルタ枠2bとからなる形態の第2のフィルタ取付枠1eを示す断面図である。前記と同様に、フィルタ取付枠1eは、フィルタFの短辺に配置したフィルタ枠2bにおける複数の底広凹溝6と、固定枠50bにおける複数の先広凸条58を個別に嵌合して、フィルタ枠2aの外側に固定枠50bを連結することにより、フィルタFと固定枠50bとを最短距離で接続している。
【0035】
前記と同様に、前記フィルタ取付枠1eにおいて、フィルタFと固定枠50bとの距離を調整する場合には、例えば、図15(B)に示すように、フィルタ枠2bにおける外側の2個の底広凹溝6bと、固定枠50bの内側に位置する2個の先広凸条58とを個別に嵌合して、両者を連結することにより、フィルタFと固定枠50bとの距離を正確且つ迅速に拡げる(調整する)ことが可能となる。
尚、前記フィルタ取付枠1eにおいて、フィルタ枠2bにおける最外側の底広凹溝6bと、固定枠50bにおける最内側の先広凸条58とを嵌合して、フィルタ枠2bと固定枠50bとを連結することで、フィルタFと固定枠50bとの距離が最大となるように微細で、正確、迅速且つ容易に拡げる(調整する)ことができる。
【0036】
以上のような第2のフィルタ取付枠1d,1eによれば、例えば、レンジフードなどの現場ごとの微細な寸法調整を、フィルタ枠2a,2bと固定枠50a,50bとの2種類だけの構成部材数により、微細で、正確、迅速且つ容易に行え、上記フィルタFの取り付け作業の労力および時間を一層低減することが可能となる。
【0037】
本発明は、以上において説明した各形態に限定されるものではない。
例えば、前記底広凹溝は、断面がほぼΩ形状や逆T字形状を呈しても良い。
また、前記先広凸条は、断面がほぼ逆Ω形状やT字形状を呈しても良い。
更に、前記嵌合枠における基板は、その表面に2個または1個の先広凸条のみを突設した形態や、2個または1個の先広凸条と、これらと交互に位置する2個または3個の底広凹溝を形成した形態としても良い。
また、前記フィルタ枠2a〜2cは、前記基板3と支持片8とに挟まれた縦片9の丈(高さ)を、配置すべきフィルタFの厚みに応じて変更することで、厚み方向の寸法も複数の種類を用意するようにしても良い。
更に、前記フィルタFは、平面視がほぼ正方形であっても良く、あるいは、平面視が長方形状または正方形状で且つ側面視で上向きに凸のカーブした湾曲形状を呈する形態であっても良い。
加えて、本発明のフィルタ取付枠は、台所や飲食店などの厨房におけるレンジフードの通風路に限らず、各種の空調設備、あるいは粉塵や塵埃などの除去設備にも適用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明によれば、例えば、レンジフードの現場ごとの微細な寸法調整を正確、迅速、且つ容易に行えると共に、フィルタの取り付け作業の労力および時間を低減できるフィルタ取付枠を確実に提供できる。
【符号の説明】
【0039】
1a〜1e………………………………………………フィルタ取付枠
2a〜2c………………………………………………フィルタ枠
4…………………………………………………………延出片
4a,11a,21a…………………………………表面
6,6a,6b,16,56…………………………底広凹溝
7b,8b,12,12a,18,18a,52,58…先広凸条
10a〜10c,30a,30b……………………嵌合枠
14,15,19………………………………………凹部
20………………………………………………………厚み調整枠
23………………………………………………………凹溝
25,27………………………………………………脚片
40a,40b,50a,50b……………………固定枠
64………………………………………………………路壁面
F…………………………………………………………フィルタ
図1
図2
図3
図4
図5
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