(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-131291(P2015-131291A)
(43)【公開日】2015年7月23日
(54)【発明の名称】焼却灰の洗浄処理方法
(51)【国際特許分類】
B09B 3/00 20060101AFI20150630BHJP
B09B 5/00 20060101ALI20150630BHJP
G21F 9/28 20060101ALI20150630BHJP
G21F 9/12 20060101ALI20150630BHJP
G21F 9/06 20060101ALI20150630BHJP
【FI】
B09B3/00 304G
B09B3/00 301M
B09B3/00 301S
B09B5/00 NZAB
G21F9/28 521A
G21F9/12 501A
G21F9/06 521B
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-184727(P2014-184727)
(22)【出願日】2014年9月11日
(62)【分割の表示】特願2014-4885(P2014-4885)の分割
【原出願日】2014年1月15日
(71)【出願人】
【識別番号】308000034
【氏名又は名称】吉村 政宏
(72)【発明者】
【氏名】吉村 政宏
【テーマコード(参考)】
4D004
【Fターム(参考)】
4D004AA36
4D004AB09
4D004BA02
4D004CA13
4D004CA15
4D004CA40
4D004CA45
4D004CB45
4D004CB46
4D004CC03
4D004CC11
4D004CC13
4D004DA01
4D004DA11
(57)【要約】
【課題】本発明は震災発生地、地方自治体等のガレキ等の焼却炉よりの焼却灰処理方法を提案する。
【解決手段】焼却灰に散水する第一工程と、第一工程において散水された焼却灰と土石を混合し、混合した後にセメントを混合する第二工程と、第二工程で混合された混合物並びに、セメント固化を補助する固化薬剤、原水槽からの水、および固化薬剤と原水槽からの水の混合物の流動を容易にする流動可剤とを混合したセメント固化補助剤とを混合し、混合した後の混合物を養生ヤードにて固化する第三工程とで構成することにより、焼却灰を処理することができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼却灰に散水する第一工程と、前記第一工程において散水された焼却灰と土石を混合し、前記混合した後にセメントを混合する第二工程と、前記第二工程で混合された混合物並びに、セメント固化を補助する固化薬剤、原水槽からの水、および前記固化薬剤と前記原水槽からの水の混合物の流動を容易にする流動可剤とを混合したセメント固化補助剤とを混合し、前記混合した後の混合物を養生ヤードにて固化する第三工程からなる焼却灰処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は放射性物質を含む焼却灰の処理に関する放射性物質除去方法及び処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来は放射性物質を含む焼却灰と固化に使用するセメントの一部を水分と共に撹拌処理して可燃性廃棄物中の両性金属をイオン化し又は、両性金属水酸化物とした後残余のセメントを投入して混練し、成型して固化するセメント固化処理方法があった。(特許文献1参照)
【0003】
可燃性廃棄物の廃棄物焼却灰のセメント固化処理する処理方法で焼却灰、水、固化に使用するセメントの一部を撹拌し、撹拌した後固化使用するセメントの残余を投入後混練し固化する方法であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−202464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、震災発生場所等の地区における放射性物質を含むガレキ等の焼却炉よりの放射性物質を含む焼却灰処理問題を解決する事にある。
【0006】
従来は両性金属を含む放射性物質等を含む廃棄物質等を固化して使用するセメントの一部と水と放射性物質を含む灰を撹拌後固化に使用するセメントの残余と混合して、セメント固化するという方法で処理していた。又固化した固化物は放射性物質を含む固化物となっていた為再利用い出来ない処理方法であった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を解決するために、放射性物質を含む焼却灰と洗浄水と混合撹拌し、混合撹拌した混合物を洗浄済焼却灰と洗浄後洗浄水に分離し、洗浄済焼却灰を脱水して洗浄済脱水焼却灰を生成し、洗浄後洗浄水に放射性物質吸着剤および凝集剤を混合し、混合した混合物を脱水処理し、脱水処理した後の脱水後混合物を封入処理し、洗浄後洗浄水に放射性物質吸着剤および凝集剤を混合した時の処理水および混合物を脱水処理した時の処理水を貯留した後放出処理する第一工程と、第一工程の洗浄済脱水焼却灰と土石を混合し、混合した後にセメントを混合する第二工程と、第二工程で混合された混合物とセメント固化補助剤を混合し、混合した混合物を養生ヤードにて固化する第三工程とで構成したものである。
【0008】
また本発明は、放射性物質を含む焼却灰と洗浄水とを混合撹拌する混合撹拌機と、混合撹拌した混合物を洗浄済焼却灰と洗浄後洗浄水に分離する静置分離槽と、洗浄済焼却灰を脱水して洗浄済脱水焼却灰を生成する脱水機と、洗浄後洗浄水に放射性物質吸着剤および凝集剤を混合する混合機と、混合した混合物を脱水処理する脱水機と、脱水処理した後の脱水後混合物を封入処理する封入容器と、洗浄後洗浄水に放射性物質吸着剤および凝集剤を混合した時の処理水および混合物を脱水処理した時の処理水を貯留した後に放出処理する処理水槽とからなる第一工程と、前記第一工程の洗浄済脱水焼却灰と土石を混合し、混合した後にセメントを混合する混合機とからなる第二工程と、第二工程で混合された混合物とセメント固化補助剤を混合する混合機と、混合機で混合した混合物を養生ヤードにて固化する第三工程とで構成したものである。
【0009】
さらに、本発明は第三工程におけるセメント固化補助剤は、セメント固化する固化薬剤と原水槽からの水量調整をした後の水を混合し、混合した混合物の重量を計量して生成する構成としたものである。
【0010】
そして本発明は、第三工程におけるセメント固化補助剤は、セメント固化する固化薬剤を供給する薬剤槽と、原水槽からの水量を調整する水量調整機と、水量調整した後の水を混合する混合機と、混合した混合物の重量を計量する計量機とで構成したものである。
【0011】
また本発明は、焼却灰に散水する第一工程と、第一工程において散水された焼却灰と土石を混合し、混合した後にセメントを混合する第二工程と、第二工程で混合された混合物並びに、セメント固化を補助する固化薬剤、原水槽からの水、および固化薬剤と原水槽からの水の混合物の流動を容易にする流動可剤とを混合したセメント固化補助剤とを混合し、混合した後の混合物を養生ヤードにて固化する第三工程とで構成したものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば放射性物質を含む焼却灰を洗浄水で洗浄することにより、洗浄後には焼却灰中の放射性物質を除去できる洗浄処理方法及び処理装置を提供する事が出来るものである。また本発明は放射性物質を含む焼却灰を洗浄水で洗浄し、洗浄後の放射性物質を含まない洗浄済焼却灰と土石とを混合し再生土石廃材として再利用可能とするものである。
さらに本発明は、放射性物質の洗浄後洗浄水と放射性物質を吸収吸着した放射性物質吸収剤の混合物は、封入容器へ投入し保管処理する放射性物質の洗浄処理方法及び処理装置を提供する事が出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】放射性物質を含む焼却灰の洗浄処理装置を示すシステム図
【
図2】洗浄水と放射性物質を含む焼却灰が合流する送水管の構造図
【
図3】放射性物質を含まない焼却灰の処理装置を示すシステム図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下図面に基づいて本発明の実施例を説明する
【0015】
まず
図1の第一工程について説明する。第一工程の源水槽100よりポンプ8で洗浄水7を送水管6へ送る。
【0016】
洗浄水7の送られて来る送水管6へ放射性物質を含む焼却灰槽1より放射性物質を含む焼却灰2をスクリューコンベア3で送水管6の焼却灰の投入口113より放水管6へ送る。この時放射性物質を含む焼却灰2の飛散を防止する為、源水槽100よりポンプ5で水を散水スプレー4へ送り放射性物質を含む焼却灰2の散布を防止する。
【0017】
放水管6で混合した洗浄水7と放射性物質を含む焼却灰2の混合物(図に示せず)を混合撹拌機9へ送り混合撹拌した混合物10は静置分離槽11へ送る。
【0018】
静置分離槽11では混合物は洗浄後洗浄水12と洗浄済焼却灰13に二分し洗浄後洗浄水12は混合機17へ送り洗浄済焼却灰13は脱水機14へ送る。
【0019】
脱水機14は洗浄済焼却灰13より分離水15と分離水15を取除いた洗浄済脱水焼却灰16に二分する。
【0020】
脱水機14で二分した分離水15を取除いた洗浄済焼却灰16は第二工程の土石が乗ったベルトコンベア32へ送る。
【0021】
脱水機14で二分した分離水15は洗浄後洗浄水12の入った混合機17へ送る。
【0022】
混合機17で混合した混合物23は脱水機24へ送られ、脱水機で脱水される。脱水後の混合物の脱水後混合物26(汚泥)は封入容器28へ投入する。
【0023】
混合機17からの処理水22と脱水機24からの処理水25は、処理水槽27へ送る。
【0024】
次に第二工程の説明をする。源石ホッパー29より土石30をベルトコンベア31によりベルトコンベア32へ送る。コンベア32の土石30の上へ分離水15を取除いた洗浄済脱水焼却灰16を送り、洗浄済脱水焼却灰16と土石30との混合物33を混合機34へ送る。
【0025】
セメント槽35よりセメント36はスクリューコンベア37を介してベルトコンベア38へ送られる。ベルトコンベア38でセメント36を混合物33が入った混合機34へ送り混合することで混合物39を作る。
【0026】
混合物39はベルトコンベア40を介して計量機付中間層41へ送られた後、第三工程へ送られる。計量機付中間層41は混合物39の適量を計量するものある。
【0027】
第三工程の説明をする。薬剤槽44より固化薬剤45を薬注ポンプ46で2段式計量機付混合機47の上部へ投入する。
【0028】
源水槽100より水をポンプ48で水量調整機49へ送り、水量調整後に固化薬剤45の入った2段式計量機付混合機47の上部に送り混合しセメント固化補助剤50を作り、2段式計量機付混合機47の下部へ送る。
【0029】
混合物39の入った混合機43へ2段式計量機付混合機47の下部より適量に計量したセメント固化補助剤50を送り、混合物39とセメント固化補助剤50を混合する。
【0030】
混合機43で混合した混合物51は水分含む土石廃材となる。
【0031】
混合機43で混合した混合物51はベルトコンベア52を介して製品ホッパー53へ送る
【0032】
製品ホッパー53内の混合物51の適量を可逆ベルトコンベア54で養生ヤード55へ送り養生する。
【0033】
養生ヤード55で養生した混合物51は養生後土石廃材となり再利用する事で洗浄焼却灰は海等に処分することなく処理する事が出来る。
【0034】
図2の説明をする。洗浄水110を送る送水管111に放射性物質を含む焼却灰114を投入する投入口113を示す図である。
【0035】
投入口113の前に送水管111内に水速弁112を設け洗浄水110の水速を水速弁112により水速弁112の上流より下流の水速を早くする。
【0036】
洗浄水110の水速が、水速弁112上流より、水速弁112下流が速くなる事により投入口113より送る放射性物質を含む焼却灰114が、投入口外部への悲惨を少なくしスムーズに洗浄水110との混合が出来る。
【0038】
図3は、放射性物質を含まない焼却灰の処理を行うものである。
【0039】
先ず、第一工程を説明する。焼却灰槽120からの焼却灰121を、スクリューコンベア122を介して第二工程の土石126の乗ったベルトコンベア128へ送る。この時、焼却灰121の飛散を防止する為、源水槽200よりポンプ123で水を散水スプレー124へ送り、焼却灰121の飛散を防止する。
【0040】
第二工程の説明をする。源石ホッパー125より土石126を、ベルトコンベア127を介してベルトコンベア128へ送る。
【0041】
土石126の乗ったベルトコンベア128へ第一工程よりの焼却灰121を投入する。
【0042】
ベルトコンベア128に乗った土石126、焼却灰121の混合物129を混合機130へ投入する。
【0043】
セメント槽131よりセメント132を、スクリューコンベア133を介して、ベルトコンベア134へ送り、混合物129の入った混合機130へ送り混合物135を作る。
【0044】
混合物135を、ベルトコンベア136を介して計量機付中間槽137へ送る。
【0045】
計量機付中間槽137は混合物135と第三工程のセメント固化補助剤150を混合する時の混合物135の適量を計量する計量機付中間槽137である。
【0046】
計量機付中間槽137で計量した混合物135を、ベルトコンベア138を介して第三工程の混合機139へ送る。
【0047】
薬剤槽140より固化薬剤141を薬注ポンプ142で2段式計量機付混合機143の上部へ投入する。
【0048】
源水槽200よりポンプ147で水148を水量調整機149へ送り、水量調整後固化薬剤141の入った2段式計量機付混合機143の上部に送り混合する。
【0049】
流動可剤槽144に入った流動可剤145をポンプ146で固化薬剤141と水量調整した水の入った2段式計量機付混合機143の上部へ投入する。
【0050】
流動可剤145は混合機139で混合する混合物135とセメント固化補助剤150の混合物をスムーズにする働きをする。
【0051】
2段式計量機付混合機143の上部で混合した固化薬剤141、水量調整後の水と流動可剤145はセメント固化補助剤150となり2段式計量機付混合機143の下部へ送る。
【0052】
混合物135の入った混合機139へ2段式計量機付混合機143の下部より適量に計量したセメント固化補助剤150を混合機139へ投入し混合物135とセメント固化補助剤150を混合する。
【0053】
混合機139で混合した混合物151は水分を含む土石廃材となる。
【0054】
混合機139で混合した混合物151はベルトコンベア152を介して製品ホッパー153へ送る。
【0055】
製品ホッパー153内の混合物151の適量を可逆ベルトコンベア154で養生ヤード155に送り養生する。
【0056】
養生ヤード155で養生した混合物151は養生後土石廃材となり再利用する事で洗浄焼却灰は海等に処分することなく処理する事が出来る。
【0057】
尚、図において太字二点鎖線は第1工程、第2工程、第3工程の区画を示す線である。
【符号の説明】
【0058】
1 放射性物質を含む焼却灰槽
2 放射性物質を含む焼却灰
3 スクリューコンベア
4 散水スプレー
5 ポンプ
6 送水管
7 洗浄水
8 ポンプ
9 混合撹拌機
10 混合物
11 静置分離槽
12 洗浄後洗浄水
13 洗浄済焼却灰
14 脱水機
15 分離水
16 洗浄済脱水焼却灰
17 混合機
18 吸収剤槽
19 放射性物質吸収剤
20 凝集剤槽
21 凝集剤
22 処理水
23 混合物
24 脱水機
25 処理水
26 脱水後混合物
27 処理水槽
28 封入容器
29 源石ホッパー
30 土石
31 ベルトコンベア
32 ベルトコンベア
33 混合物
34 混合機
35 セメント槽
36 セメント
37 スクリューコンベア
38 ベルトコンベア
39 混合物
40 ベルトコンベア
41 計量機付中間層
42 ベルトコンベア
43 混合機
44 薬剤槽
45 固化薬剤
46 薬注ポンプ
47 二段式計量機付混合機
48 ポンプ
49 水量調整機
50 セメント固化補助剤
51 混合物
52 ベルトコンベア
53 製品ホッパー
54 可逆ベルトコンベア
55 養生ヤード
100 源水槽
110 洗浄水
111 送水管
112 水速弁
113 投入口
114 放射性物質を含む焼却灰
120 焼却灰槽
121 焼却灰
123 ポンプ
124 散水スプレー
125 源石ホッパー
126 土石
127 ベルトコンベア
128 ベルトコンベア
129 混合物
130 混合物
131 セメント槽
132 セメント
133 スクリューコンベア
134 ベルトコンベア
135 混合物
136 ベルトコンベア
137 計量機付中間層
138 ベルトコンベア
139 混合機
140 薬剤槽
141 固化薬剤
142 薬注ポンプ
143 二段式計量機付混合機
144 流動可剤槽
145 流動可剤
146 ポンプ
147 ポンプ
148 水
149 水量調整機
150 セメント固化補助剤
151 混合物
152 ベルトコンベア
153 製品ホッパー
154 可逆ベルトコンベア
155 養生ヤード
200 源水槽