特開2015-131332(P2015-131332A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2015-131332鋳型のガス針ボード式ガス穴あけ方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-131332(P2015-131332A)
(43)【公開日】2015年7月23日
(54)【発明の名称】鋳型のガス針ボード式ガス穴あけ方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B22C 23/00 20060101AFI20150630BHJP
【FI】
   B22C23/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-4734(P2014-4734)
(22)【出願日】2014年1月15日
(71)【出願人】
【識別番号】000191009
【氏名又は名称】新東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085523
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 文夫
(74)【代理人】
【識別番号】100078101
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 達雄
(74)【代理人】
【識別番号】100154461
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 由布
(72)【発明者】
【氏名】大野 泰嗣
【テーマコード(参考)】
4E094
【Fターム(参考)】
4E094CC46
4E094EE06
(57)【要約】
【課題】短時間でガス針ボードの交換を容易に行うことができる鋳型のガス針ボード式ガス穴あけ方法及び装置を提供する。
【解決手段】ガス針ボード5のクランプ機構8を備えた昇降テーブル1の下面に搬入出用ローラコンベア2を取付け、この搬入出用ローラコンベア2の一端または両端に供給取出用ローラコンベア12,13を固定配置する。クランプ機構8を解除して昇降テーブル1に取り付けてあるガス針ボード5を搬入出用ローラコンベア2から供給取出用ローラコンベア13に搬出し、次のガス針ボード14を供給取出用ローラコンベア12から搬入出用ローラコンベア2に搬入し、クランプ機構8により次のガス針ボード14を昇降テーブル1の下面に取り付ける。そのガス針ボード14を昇降テーブル1とともに昇降させて、鋳型22にガス穴をあける。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス針ボードのクランプ機構を備えた昇降テーブルの下面に搬入出用ローラコンベアを取付け、この搬入出用ローラコンベアの一端または両端に供給取出用ローラコンベアを固定配置し、
前記クランプ機構を解除して昇降テーブルに取り付けてあるガス針ボードを搬入出用ローラコンベアから供給取出用ローラコンベアに搬出し、また次のガス針ボードを供給取出用ローラコンベアから搬入出用ローラコンベアに搬入し、
その後、前記クランプ機構により次のガス針ボードを昇降テーブル下面に取り付けたうえ、
そのガス針ボードを昇降テーブルとともに昇降させて鋳型にガス穴をあけることを特徴とする鋳型のガス針ボード式ガス穴あけ方法。
【請求項2】
ガス針ボードのクランプ機構を備えた昇降テーブルと、
この昇降テーブルの下面に取付けられた搬入出用ローラコンベアと、
この搬入出用ローラコンベアの一端または両端に固定配置され、昇降テーブルに取り付けてあるガス針ボードを搬入出用ローラコンベアから取出し、また次のガス針ボードを搬入出用ローラコンベアに供給する供給取出用ローラコンベアとを備えたことを特徴とする鋳型のガス針ボード式ガス穴あけ装置。
【請求項3】
搬入出用ローラコンベア及び供給取出用ローラコンベアが、駆動源を有しないフリーローラコンベアで構成されたことを特徴とする請求項2記載の鋳型のガス針ボード式ガス穴あけ装置。
【請求項4】
搬入出用ローラコンベア及び供給取出用ローラコンベアが、駆動源を有する駆動ローラコンベアで構成されたことを特徴とする請求項2記載の鋳型のガス針ボード式ガス穴あけ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス針ボードを用いて鋳型へのガス穴あけを行う方法及び装置に関するものであり、さらに詳細には、片袖または両袖に待機ステーションを有し、ガス針ボードを自動または手動で交換可能なガス針ボード式ガス穴あけ方法及びその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鋳型にガス穴を自動的にあける装置は、特許文献1に記載のように古くから知られている。この特許文献1に記載の装置は、多数のガス針を備えたガス針ボードを昇降テーブルにボルト締めで固定し、シリンダで昇降させることによって鋳型への穴あけを行う構造のものであった。この構造はガス穴のパターンが一定であるときには、特に問題はない。
【0003】
しかし昨今の鋳造設備において、例えば、シリンダブロックであれば、1鋳型内2個込めとしていたものを、1鋳型内4個込めとして、1つの鋳型内の模型配置を高密度にして、生産性の向上を図る傾向が見受けられる。
【0004】
近年の多品種少量生産に適応する汎用鋳造設備においては、各鋳型毎に異なるガス穴配置に対応するため、ガス針を1本または2本程度を把持させたロボットに、各鋳型毎の穴あけパターンを記憶させ、穴あけする方法及び装置が主流であった。しかし、各鋳型に対し、1本または2本程度ずつの穴あけでは、限られた時間内で穴あけする個数に制限を受けるため、1つの鋳型内に配置する模型の数が、穴あけ可能なガス穴数に制限される場合が生じる様になってきた。
【0005】
これに対して、多数のガス針を備えたガス針ボード方式を採用すれば、ガス針ボード上に物理的に可能な限り近接して、数多くのガス針を配置する事が可能となる。そのため、従来からあった1枚の平面板に複数のガス針を垂直に配置したガス針ボードにて、鋳型に穴あけする方法及び装置が見直されるようになってきた。
【0006】
ガス針ボード式ガス穴あけ方法及び装置の短所は、各鋳型毎にガス針ボードを用意する必要があり、かつ、多品種少量生産における頻繁に行われるパターンチェンジに合わせて、ガス針ボードも交換する必要がある点である。上記した特許文献1の装置では、多数のガス針を備えたガス針ボードを昇降テーブルにボルト締めで固定した構造であるため、ガス穴のパターンチェンジを行ないたい場合に、ガス針ボードの交換作業が容易に行えないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特公昭48−40530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って本発明の目的は、頻繁かつ短時間(インサイクル)にて、ガス針ボードの交換を容易に行うことができる鋳型のガス針ボード式ガス穴あけ方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するためになされた本発明の鋳型のガス針ボード式ガス穴あけ方法は、ガス針ボードのクランプ機構を備えた昇降テーブルの下面に搬入出用ローラコンベアを取付け、この搬入出用ローラコンベアの一端または両端に供給取出用ローラコンベアを固定配置し、前記クランプ機構を解除して昇降テーブルに取り付けてあるガス針ボードを搬入出用ローラコンベアから供給取出用ローラコンベアに搬出し、また次のガス針ボードを供給取出用ローラコンベアから搬入出用ローラコンベアに搬入し、その後、前記クランプ機構により次のガス針ボードを昇降テーブル下面に取り付けたうえ、そのガス針ボードを昇降テーブルとともに昇降させて鋳型にガス穴をあけることを特徴とするものである。
【0010】
また上記の課題を解決するためになされた本発明の鋳型のガス針ボード式ガス穴あけ装置は、ガス針ボードのクランプ機構を備えた昇降テーブルと、この昇降テーブルの下面に取付けられた搬入出用ローラコンベアと、この搬入出用ローラコンベアの一端または両端に固定配置され、昇降テーブルに取り付けてあるガス針ボードを搬入出用ローラコンベアから取出し、また次のガス針ボードを搬入出用ローラコンベアに供給する供給取出用ローラコンベアとを備えたことを特徴とするものである。
【0011】
なお、搬入出用ローラコンベア及び供給取出用ローラコンベアは、駆動源を有しないフリーローラコンベアで構成することができ、あるいは駆動源を有する駆動ローラコンベアで構成することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、昇降テーブルのクランプ機構を解除して昇降テーブルに取り付けてあるガス針ボードを搬入出用ローラコンベアから供給取出用ローラコンベアに搬出し、また次のガス針ボードを供給取出用ローラコンベアから搬入出用ローラコンベアに搬入して昇降テーブル下面に取り付けることができるので、頻繁かつ短時間(インサイクル)にて、ガス針ボードの交換を容易に行うことができる。このため、ガス針を1本または2本程度を把持させたロボットによる方法とは異なり、ガス穴あけ時間により穴あけ数を制限される事が無い利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1の実施形態を示す平面図である。
図2図1のA−A断面図である。
図3図1のB−B断面図である。
図4図1のC−C断面図である。
図5】ガス針ボードを示す3面図である。
図6】自動クランプが開いた状態を示す要部の正面断面図である。
図7】自動クランプが閉じた状態を示す要部の正面断面図である。
図8】第1の実施形態の変形例を示す図2と同様の断面図である。
図9】第2の実施形態を示す平面図である。
図10図9のD−D断面図である。
図11図9のE−E断面図である。
図12図9のF−F断面図である。
図13】ガス針ボードを示す3面図である。
図14】手動クランプを開いた状態の説明図であり、aは正面断面図、bは側面断面図、cはフリーローラに乗った状態を示す側面断面図である。
図15】手動クランプを閉じた状態の説明図であり、aは正面断面図、bは側面断面図、cはフリーローラから持ち上げられた状態を示す側面断面図である。
図16】位置決めピンが開いた状態の説明図であり、aが正面断面図、bは側面断面図である。
図17】位置決めピンを閉じた状態の説明図であり、aは正面断面図、bは側面断面図である。
図18】第2の実施形態の変形例を示す図10と同様の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施形態)
図1図8は本発明の第1の実施形態を示す図面である。第1の実施形態は、駆動ローラコンベアおよび自動クランプ機構を使用したガス穴あけ装置である。
【0015】
図1図3において、50は4本の垂直支柱51と天井ビーム52とからなるフレーム構造体である。天井ビーム52の下側には、天井ビーム52に設けられたシリンダ等のアクチェータ26にて昇降できる昇降テーブル1が設けられている。この昇降テーブル1の下面には、ガス針ボード5を載せて搬送する搬入出用ローラコンベア2が取り付けられている。ガス針ボード5は鋳型にガス穴をあけるためのものである。
【0016】
図2図4に示すように、搬入出用ローラコンベア2は対向配置された複数対の鍔付きローラ27を備え、これらの鍔付きローラ27は中間軸15及びローラチェイン16を介して減速モータ17により正逆両方向に回転される。ガス針ボード5は図5に示すように、平板の下面にガス針3の先端4を下向きに配置した構造のもので、図4に示すように平板の両端縁を搬入出用ローラコンベア2の鍔付きローラ27に支持させることにより、図2における左右方向に搬送される。
【0017】
昇降テーブル1には、図6に示すクランプ機構8が設けられている。この実施形態ではクランプ機構8は自動クランプ機構であり、搬入出用ローラコンベア2上のガス針ボード5の上面との間に隙間を持たせて設けられた昇降ヘッド6と、シリンダ7を備えている。クランプ機構8はこの昇降ヘッド6の下面に密着する様に、シリンダ7で昇降される爪20を用いて自動でガス針ボード5を持ち上げながら位置決めし、昇降ヘッド6に固定する機能を有するものである。昇降ヘッド6とガス針ボード5の位置決めは、クランプ機構8が有する先端が楔形状の爪20とガス針ボード5側に設けた爪20がはまり込む形状の切欠き部21で行う。このように、搬入出用ローラコンベア2上のガス針ボード5はクランプ機構8により昇降テーブル1に固定され、またクランプ機構8を解除すると搬入出用ローラコンベア2上に戻される。
【0018】
図2に示すように、搬入出用ローラコンベア2の両端に供給取出用ローラコンベア12、13が固定配置されているが、図8の変形例に示すように、搬入出用ローラコンベア2の一端に供給取出用ローラコンベア12のみを固定配置することも可能である。供給取出用ローラコンベア12、13は中間軸15、ローラチェイン16を介し、減速モータ18、19で正転または逆転することができる。図2のように供給取出用ローラコンベア12、13を設けた場合には、一方をガス針ボード5の取り出し用とし、他方を次に使用されるガス針ボード14の供給用とすることができ、図8のように供給取出用ローラコンベア12のみを配置した場合には、取出しと供給を兼用させるものとする。なお図2に示されるように、供給取出用ローラコンベア12、13の高さは昇降テーブル1を上昇させたときの搬入出用ローラコンベア2の高さと同一としておく。
【0019】
図1及び図4に示すように、供給取出用ローラコンベア12、13に対して直交する方向に、鋳型22を搬送するためのローラコンベヤ24が配置されている。鋳型22は例えば金枠23内に造型され、ローラコンベア24上を昇降テーブル1の下に搬送されてくる。本図では、ガス針ボード5の搬入出用ローラコンベア2及び供給取出用ローラコンベア12、13を金枠23搬送用ローラコンベア24と直角方向に配置しているが、平行に配置しても良い。
【0020】
次に上記装置の作動を説明する。
ガス穴あけ時、昇降テーブル1上のガス針ボード5は、クランプ機構8を閉じる事により、昇降ヘッド6下面に密着した状態で取り付けられている。昇降テーブル1に位置決め、固定されたガス針ボード5を、シリンダ等のアクチェータ26にて昇降させる事により、鋳型22に上方からガス穴をあける事ができる。クランプ機構8が閉じ、ガス針ボード5が昇降ヘッド6下面に密着してガス穴あけ可能な状態を図3図7に示す。なお、ガス穴あけは位置決め装置25にて金枠23の位置決め、固定を行った後に行う。
【0021】
ガス針ボード5を交換する際には、図6に示すように昇降テーブル1を上昇させた状態でクランプ機構8を開き、ガス針ボード5を搬入出用ローラコンベア2上に載せる。この状態ではガス針ボード5の上面と昇降ヘッド6の下面との間に隙間を有し、ガス針ボード5を搬入出用ローラコンベア2で搬送可能な状態となる。この状態で搬入出用ローラコンベア2と、供給取出用ローラコンベア13を回転させる事により、ガス針ボード5を搬入出用ローラコンベア2から供給取出用ローラコンベア13上に搬出する事ができる。
【0022】
次に使用されるガス針ボード14は供給取出用ローラコンベア12上にある。このガス針ボード14は搬入出用ローラコンベア2に搬入され、クランプ機構8を閉じ、ガス針ボード14側に設けた切欠き部21に爪20がはまり込む事によりガス針ボード14の位置決め、固定を行う。この状態で、次の鋳型22のガス穴開けが可能となる。
【0023】
ガス針ボード14による穴あけと並行して、図示しないホイスト、チェインブロックでガス針ボード5を装置外に搬出し、次に使用するガス針ボードを供給取出用ローラコンベア12または13上に載せる事ができるためガス穴無き鋳物の生産が無く、ガス穴を有する鋳物の生産が続き、インサイクルでガス針ボード5を交換する必要がある場合に使用するに適している。
【0024】
図8に示すように供給取出用ローラコンベア12のみを設けた場合には、クランプ機構8を開いてガス針ボード5を搬入出用ローラコンベア2上に載せ、供給取出用ローラコンベア12に取り出す。この状態で図示しないホイスト、チェインブロックでガス針ボード5を装置外に搬出し、次に使用するガス針ボード14を供給取出用ローラコンベア12上に載せる。搬入出用ローラコンベア2、供給取出用ローラコンベア12を搬出方向と逆方向に回転させる事により、ガス針ボード14を搬入出用ローラコンベア2上に搬入した後、クランプ機構8を閉じてガス穴あけを行う。
【0025】
この場合には手動操作によるガス針ボード交換工程が必要なため、ガス穴を有する鋳物と、ガス穴無き鋳物を交互に生産する場合等、インサイクルでガス針ボードを交換する必要が無い場合に使用するに適する。
【0026】
(第2の実施形態)
図9図18は本発明の第2の実施形態を示す図面である。第2の実施形態は第1の実施形態と基本構造は共通するものであり、シリンダ等のアクチェータ126にて昇降させる昇降テーブル101があること、昇降テーブル101の下面に搬入出用ローラコンベア102が取り付けられていること、搬入出用ローラコンベア102上にガス針103の先端104を下向きに配置したガス針ボード105を載せた状態で搬送できること、搬入出用ローラコンベア102の一方端1か所または両方端2か所に供給取出用ローラコンベア112、113を固定配置し、昇降テーブル101に取り付けてあるガス針ボード105の搬出及び、次に昇降テーブル101に取り付けるガス針ボード114の搬入を可能とすること等は、前記した第1の実施形態と同様である。
【0027】
しかし第2の実施形態は第1の実施形態とは異なり、搬入出用ローラコンベア102及び供給取出用ローラコンベア112、113が、駆動源を有しないフリーローラコンベアで構成されている。なお、搬入出用ローラコンベア102は鍔無しローラ127とサイドローラ128を組み合わせて使用している。
【0028】
また第2の実施形態では第1の実施形態とは異なり、手動のクランプ機構108が用いられている。図14図15に示すように、この手動のクランプ機構108は、ガス針ボード105上面と隙間を有して配置した昇降ヘッド106の下面に対し、昇降ヘッド106の下面に密着する様に、ガス針ボード105を持ち上げながら固定する機能を有するものである。またこれとは別に、ガス針ボード105を位置決めするために、図16図17に示す手動の位置決めピン120が設けられている。
【0029】
次に、第2の実施形態の装置の作動を説明する。
ガス穴あけ時には、昇降テーブル101上のガス針ボード105は、図15に示すようにクランプ機構108を閉じることにより、昇降ヘッド106下面に密着した状態で取り付けられている。図13にガス針ボード105の三面図を示す。
【0030】
昇降ヘッド106とガス針ボード105の位置決めは、クランプ機構108とは別の手動で昇降する位置決めピン120と、ガス針ボード105側に設けた穴121で行う。その様子は図16図17に示す通りである。位置決めピン120、クランプ機構108が閉じ、昇降テーブル101に位置決め、固定されたガス針ボード105を昇降させる事により、シリンダ126等のアクチェータにて昇降させる事により鋳型122に上方からガス穴をあける事が出来る。
【0031】
鋳型は、例えば金枠123内に造型され、ローラコンベア124上を昇降テーブル101の下に搬送され、位置決め装置125にて金枠123の位置決め、固定を行った後、ガス穴あけを行う。
【0032】
ガス針ボード105を交換する際には、位置決めピン120を上昇させ、図14に示すようにクランプ機構108を開き、ガス針ボード105を搬入出用ローラコンベア102上に載せる。この状態で搬入出用ローラコンベア102上から、供給取出用ローラコンベア113側にガス針ボード105を手動で搬出する。次に、使用するガス針ボード114を待機させておいた供給取出用ローラコンベア112から搬入出用ローラコンベア102上に手動で搬入する。
【0033】
ガス針ボード114を供給取出用ローラコンベア112から搬入出用ローラコンベア102側に手動で搬入した後、図17に示すように位置決めピン120を下降させ、位置決めを行った後、図15に示すように手動クランプ機構108を閉じ、ガス針ボード114の固定を行う。この状態で次の鋳型のガス穴開けが可能となる。
【0034】
ガス針ボード114による穴あけと並行して、図示しないホイスト、チェインブロックでガス針ボード105を装置外に搬出し、次に使用するガス針ボードを供給取出用ローラコンベア112または113上に載せる事ができるため、ガス穴無き鋳物の生産が無く、ガス穴を有する鋳物の生産が続き、インサイクルでガス針ボードを交換する必要がある場合に使用するに適する。
【0035】
図18に示すように供給取出用ローラコンベア112のみを設けた場合には、クランプ機構108を開き、位置決めピン120を上昇させる事により、ガス針ボード105が搬入出用ローラコンベア102上に載せられるまでは前述の工程と同じである。搬入出用ローラコンベア102上から供給取出用ローラコンベア112側にガス針ボード105を手動で搬出した後、図示しないホイスト、チェインブロックでガス針ボード105を装置外に搬出し、次に使用するガス針ボード114を供給取出用ローラコンベア112上に載せる。その後、供給取出用ローラコンベア112のガス針ボード114を供給取出用ローラコンベア112上から搬入出用ローラコンベア102側に手動で搬入することができる。図18の実施形態は手動操作によるガス針ボード交換工程が必要なため、ガス穴を有する鋳物と、ガス穴無き鋳物を交互に生産する場合等、インサイクルでガス針ボードを交換する必要がない場合に使用する。
【0036】
以上に説明したように、本発明によれば、短時間でガス針ボードの交換を容易に行うことができる。このため、ガス針を1本または2本程度を把持させたロボットによる方法とは異なり、ガス穴あけ時間により穴あけ数を制限される事が無い 。
【符号の説明】
【0037】
1 昇降テーブル
2 搬入出用ローラコンベア
3 ガス針
4 先端
5 ガス針ボード
6 昇降ヘッド
7 シリンダ
8 クランプ機構
12 供給取出用ローラコンベア
13 供給取出用ローラコンベア
14 ガス針ボード
15 中間軸
16 ローラチェイン
17 減速モータ
18 減速モータ
19 減速モータ
20 爪
21 切欠き部
22 鋳型
23 金枠
24 ローラコンベア
25 位置決め装置
26 シリンダ
27 鍔付きローラ
50 フレーム構造体
51 垂直支柱
52 天井ビーム
101 昇降テーブル
102 搬入出用ローラコンベア
103 ガス針
104 先端
105 ガス針ボード
106 昇降ヘッド
108 クランプ機構
112 供給取出用ローラコンベア
113 供給取出用ローラコンベア
114 ガス針ボード
120 位置決めピン
121 穴
122 鋳型
123 金枠
124 ローラコンベア
125 位置決め装置
126 シリンダ
127 鍔無しローラ
128 サイドローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18