【解決手段】天井Wに設けられたレール10に取り付けられ、レール10を走行する天井走行車20の光センサ装置3で検出されることにより天井走行車20を停止させる停止板30であって、レール10に係合可能な係合部32と、係合部32から下方に延びるとともに、係合部32をレール10に対して係合状態及び非係合状態のいずれかに設定する操作棒33と、を備える。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。また、図面においては実施形態を説明するため、一部分を大きくまたは強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現している。以下の各図において、XYZ座標系を用いて図中の方向を説明する場合がある。このXYZ座標系においては、水平面に平行な平面をXY平面とする。このXY平面において天井走行車20の走行方向をY方向と表記し、Y方向に直交する方向をX方向と表記する。また、XY平面に垂直な方向はZ方向と表記する。X方向、Y方向及びZ方向のそれぞれは、図中の矢印の方向が+方向であり、矢印の方向とは反対の方向が−方向であるものとして説明する。なお、+Z方向は床部から天井部へ向けた方向(上方向)、−Z方向は天井部から床部へ向けた方向(下方向)である。また、Z軸周りの回転方向をθZ方向と表記する。
【0013】
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態に係る処理室1の天井Wの一例を示す図である。処理室1は、例えばクリーンルーム内部であり、不図示の半導体処理装置などが設けられている。
【0014】
処理室1の天井Wには、レール10が設けられている。レール10は、天井走行車20を案内する軌道である。レール10は、XZ平面による断面がコ字状に形成されており、下部10a、10bが内側に突出した構成となっている。また、下部10aと下部10bとは、X方向に所定の間隔dを空けて配置されている。天井走行車20は、レール10に吊り下げられた状態でレール10に沿って移動する。天井走行車20には、例えば不図示のリニアモータが内装されており、そのリニアモータによってY方向に駆動される。
【0015】
天井走行車20の走行方向の前面(+Y側の面)には、光センサ装置3が取付けられている。光センサ装置3は、光射出部3aと、受光部3bとを有している。光射出部3aは、走行方向の前方(+Y方向)に向けて検出光Lを射出する。受光部3bは、走行方向の前方で反射された検出光Lを受光する。天井走行車20は、光センサ装置3の光射出部3aから検出光Lを射出しながら走行する。この天井走行車20の走行方向の前方に障害物が存する場合、検出光Lが障害物によって反射され、その反射光が受光部3bに受光される。これにより、天井走行車20の前方に障害物が存在するか否かが判別できると共に、天井走行車20と障害物との距離が算出できる。天井走行車20は、障害物との距離が所定値以下になる場合、減速または停止されるようになっている。
【0016】
天井走行車20には、全周に亘って接触式のバンパスイッチ4が取付けられている。このバンパスイッチ4は、隙間を空けて二重に巻き付けられたテープ状のスイッチを有している。この構成において、外部から外側のスイッチが内側に押し付けられ、内側のスイッチに接触すると作動する構成である。バンパスイッチ4の外側のスイッチは、天井走行車20よりも僅かに突出されている。このバンパスイッチ4が作動すると、天井走行車20は停止する。
【0017】
また、レール10には、停止装置の一例である停止板30が取り付けられている。この停止装置30は、天井走行車20の光センサ装置3によって障害物として検出されることにより、天井走行車20を停止させるためのものである。停止装置30は、例えばレール10等の保守、点検等を行う際に、天井走行車20の走行を一時的に停止させる場合に用いられる。なお、停止装置は板状のものに限定されず、例えばブロック状等、他の形状のものであってもよい。
【0018】
次に、停止板30の構成を説明する。
図2(a)及び(b)は、停止板30の一例を示す図である。
図2(a)は走行方向とは反対方向に見たときの図であり、(b)は走行方向の斜め上方から見たときの図である。
【0019】
図1、
図2(a)及び(b)に示すように、この停止板30は、光反射部31と、係合部32と、操作棒33と、延長棒34とを有している。光反射部31は、矩形の板状に形成されており、例えば発泡樹脂材等の軽量な材料を用いて形成されている。光反射部31の寸法は、天井走行車20の光センサ装置3から射出される検出光Lの広がり幅に対応している。光反射部31は、固定具31aによって操作棒33に固定されている。
【0020】
係合部32は、レール10に係合される。係合部32は、例えば棒状に形成されており、レール10の下部10a、10bの間に架けられた状態でレール10に係合される。係合部32の長手方向の寸法は、レール10の下部10aと下部10bとの間隔dよりも大きくなっており、下部10aと下部10bとの間に脱落することなく架け渡すことができるようになっている。
【0021】
操作棒33は、係合部32から下方(−Z方向)に延びている。操作棒33は、レール10に対して係合部32が係合された状態(係合状態)と、この係合部32がレール10に係合されていない状態(非係合状態)と、のいずれかに設定する。操作棒33は、中空パイプ33aと、連動部材33bと、操作部33cと、接続部33dとを有している。
【0022】
中空パイプ33aは、樹脂材料などの軽量な材料を用いて例えば円筒状に形成されている。中空パイプ33aは、上下方向に沿って配置されている。中空パイプ33aの下側(−Z側)端部には、フランジ部33iが形成されている。また、中空パイプ33aの上側(+Z側)端部には、カバー部33hが配置されている。カバー部33hは、固定具を介してサポート部35に固定されている。
【0023】
サポート部35は、レール10の下面(−Z側の面)10cに当接される。サポート部35は、レール10の幅方向(敷設方向に直交する方向:X方向)から両端がはみ出すと共に、その両端が上側に湾曲した形状となっている。サポート部35は、係合部32との間でレール10の下部10a及び10bを上下から挟みこんでいる。また、この状態において、サポート部35の長手方向の両端は、レール10の側部に係止される。
【0024】
サポート部35は、突出部35aを有している。突出部35aは、上側に突出しており、サポート部35の長手方向(X方向)に間隔を空けて2つ設けられている。各突出部35aは、係合部32の下部に設けられる凹部32aに挿入される。突出部35aが凹部32aに挿入されることにより、サポート部35と係合部32との間が係止される。また、係合部32の−Z側には、突出部32bが設けられている。この突出部32bは、サポート部35の突出部35aと、レール10の下部10a、10bとの間に挿入される。
【0025】
連動部材33bは、円筒状又は円柱状に形成されており、中空パイプ33aの内部に挿入されている。
図2(a)に示すように、連動部材33bの一部は、中空パイプ33aの下側端部から下方に突出している。連動部材33bの上側は、中空パイプ33aの内部で操作部33cに接続される。
【0026】
図3(a)は、
図2(a)に示す停止板30の一部分Aの断面を拡大して示す図である。
図3(a)示すように、連動部材33bの上側端部は、中空パイプ33aの内部において連結部33fを介して操作部33cに連結されている。
【0027】
操作部33cは、軸部材33eを有している。軸部材33eは、円柱状又は円筒状に形成され、上下方向に沿って配置されている。軸部材33eの下側端部は、連結部33fに連結されている。このため、操作部33cは、連動部材33bと一体的に設けられている。軸部材33eの上側は、カバー部33hと、サポート部35と係合部32とを貫通して設けられている。軸部材33eの上側端部は、固定部材33gを介して係合部32に固定されている。このため、操作部33cは、係合部32と一体的に設けられている。また、軸部材33eは、カバー部33h及びサポート部35に対しては連結されていない。
【0028】
この操作部33cは、中空パイプ33a、カバー部33h及びサポート部35とは独立して上下方向に移動可能である。また、操作部33cは、中空パイプ33a、カバー部33h及びサポート部35とは独立して、操作棒33の中心軸AXの軸回り方向(θZ方向)に回転可能である。
【0029】
係合部32の凹部32aにサポート部35の突出部35aが挿入された状態では、係合部32とサポート部35とが係止状態にあるため、係合部32がθZ方向に回転するのが規制される。一方、中空パイプ33a、カバー部33h及びサポート部35の各部に対して操作部33cを上側に移動させた場合、操作部33cと一体的に係合部32が上側に移動し、凹部32aに挿入されていた突出部35aが抜けた状態となる。この場合、係合部32とサポート部35との係止状態が解消されるため、係合部32がサポート部35とは独立して、θZ方向に回転可能となる。
【0030】
連結部33fとカバー部33hとの間には、弾性部材36a、36bが配置されている。弾性部材36a、36bは、連結部33fとカバー部33hとの間を広げる方向に弾性力を付与する。つまり、この弾性部材36a、36bは、操作部33cを下方に押し下げようとするため、係合部32がサポート部35に近づく方向に弾性力を付与する。この弾性力により、係合部32とサポート部35との間でレール10の下部10a、10bが挟み込まれることになるため、停止板30の位置ズレ等が抑制される。
【0031】
図3(b)は、
図2(a)に示す停止板30の一部分Bの断面を拡大して示す図である。
図3(b)に示すように、連動部材33bは、中空パイプ33aの下側端部から下方に突出する部分に、フランジ部33jを有している。フランジ部33jは、フランジ部33iとの間に所定の間隔を空けて設けられる。連動部材33bは、フランジ部33jがフランジ部33iに当接するまで上方に移動可能である。したがって、フランジ部33jとフランジ部33iとの距離は、連動部材33bを上方に移動可能な距離の上限となる。
【0032】
連動部材33bは、連結部33fを介して操作部33cの軸部材33eに連結されている。このため、連動部材33bを上側に移動させると、軸部材33e及び係合部32が一体的に上側に移動する。したがって、フランジ部33jとフランジ部33iとの距離は、係合部32を上側に移動させてサポート部35の突出部35aから係合部32の凹部32aを抜くことができる距離に設定されている。
【0033】
接続部33dは、固定具33kによって、連動部材33bのフランジ部33jの下方に固定されている。接続部33dは、係合部32をレール10に係合させた状態において、処理室1の床面から作業者が上方に手を伸ばして届く位置に設けられる。接続部33dの下側端部には、延長棒34を挿入するための挿入部33mが形成されている。
【0034】
延長棒34は、接続部33dに対して着脱可能に設けられている。延長棒34は、上端を挿入部33mに挿入した状態で、ローレットねじ34aとナット34bとで接続部33dに固定される。ローレットねじ34a及びナット34bは、作業者が手作業によって取り付け及び取り外しが可能である。
【0035】
延長棒34を接続部33dに装着することにより、延長棒34は接続部33dと一体になる。接続部33dに装着された状態の延長棒34は、接続部33d及び連動部材33bを介して操作部33cに接続される。この場合、延長棒34を上下方向に移動させたり、θZ方向に回転させたりすることによって操作部33cを上下方向に移動させ、θZ方向に回転させることが可能である。このように延長棒34を用いて操作部33cを操作することにより、係合部32の係合状態及び非係合状態を設定可能となる。
【0036】
次に、上記のように構成された停止板30をレール10に取り付ける場合の操作の一例を説明する。以下の説明では、
図4(a)〜(c)を用いている。
図4(a)〜(c)は、それぞれ停止板30の操作状態の一例を示す図である。
まず、作業者は、接続部33dの挿入部33mに延長棒34を挿入し、ローレットねじ34a及びナット34bによって固定することで、操作棒33に延長棒34を装着した状態とする。この状態で、作業者は、延長棒34を把持して停止板30を持ち上げ、係合部32をレール10に近づける。
【0037】
その後、作業者は、中空パイプ33aに対して延長棒34を押し上げ、係合部32を上側に移動させる。これにより、凹部32aと突出部35aとの係止状態が解消される。そして、作業者は、中空パイプ33aに対して延長棒34をθZ方向に90°程度回転させて、係合部32の長手方向とサポート部35の長手方向とが交差(例えば直交)した状態とする。なお、上記の係止状態の解消動作及び係合部32の90°回転動作は、停止板30を持ち上げる前などに予め行っておいてもよい。
【0038】
その後、作業者は、この状態を維持したまま、
図4(a)に示すように、延長棒34を持ち上げて、レール10の下部10a、10bの間から係合部32をレール10の内部に挿入する。この場合、係合部32の長手方向をレール10の下部10a、10bの延びる方向に沿った状態で挿入する。これにより、係合部32を下部10a、10bに干渉させることなく、レール10の内部に挿入できる。作業者は、係合部32をレール10の内部に挿入するのに伴い、サポート部35をレール10の下部10a、10bに当接させる。そして、この状態から、延長棒34をさらに押し上げる。すると、サポート部35がレール10の下部10a、10bに当接されているため、サポート部35及び中空パイプ33aの上側への移動が規制され、操作部33c及び係合部32のみが上側に移動する。
【0039】
その後、作業者は、
図4(b)に示すように、延長棒34をθZ方向に90°程度回転させる。このとき、サポート部35の両端部がレール10の側部に係止されているため、サポート部35のθZ方向への回転が規制される。このため、係合部32のみがθZ方向に回転する。作業者は、係合部32をθZ方向に回転させることで、係合部32の長手方向とサポート部35の長手方向とがほぼ平行となるようにする。この操作により、上下方向視において係合部32の長手方向の両端部がレール10の下部10a、10bに重なった状態となる。
【0040】
この状態から、作業者は、
図4(c)に示すように、中空パイプ33aに対して延長棒34を引き下げ、係合部32を下側に移動させる。この操作により、係合部32の長手方向の両端部がレール10の下部10a、10bの間に架けられた状態となる。よって、係合部32がレール10に対して係合状態となる。また、突出部35aが凹部32aに挿入され、係合部32とサポート部35との間が係止される。したがって、係合部32がθZ方向に回転するのが規制される。さらに、係合部32の突出部32bが、それぞれサポート部35の突出部35aとレール10の下部10a、10bとの間に挿入される。このとき、弾性部材36a、36bの弾性力が係合部32に対して下方に付与されるため、係合部32とサポート部35との間でレール10の下部10a、10bを挟み込む力が強くなる。このため、係合部32の係合位置の位置ズレ等が抑制される。そして、作業者は、ローレットねじ34a及びナット34bを外し、延長棒34を操作棒33から取り外す。これにより、停止板30がレール10に取り付けられる。
【0041】
次に、レール10に取り付けられた停止板30を取り外す場合の操作の一例を説明する。
作業者は、停止板30のうち下方に延びた状態の操作棒33の下側端部に、延長棒34を装着する。この場合、上記同様にローレットねじ34a及びナット34bで延長棒34を接続部33dに固定させる。
【0042】
延長棒34を固定させた後、作業者は、延長棒34を押し上げる。この場合、サポート部35がレール10の下部10a、10bに当接されるため、サポート部35及び中空パイプ33aの上側への移動が規制され、操作部33c及び係合部32のみが上側に移動する。これにより、係合部32がサポート部35から外れ、係合部32の長手方向の両端部がレール10の下部10a、10bから離れた状態となる。よって、係合部32がレールに対して非係合状態となる。
【0043】
また、係合部32がサポート部35から外れることにより、係合部32とサポート部35との係止状態が解消されている。そこで、作業者は、中空パイプ33aに対して延長棒34をθZ方向に90°程度回転させて、係合部32の長手方向とサポート部35の長手方向とが交差(例えば直交)した状態とする。
【0044】
この状態を維持したまま、作業者は、操作棒33及び延長棒34を引き下げて、レール10の下部10a、10bの間から係合部32をレール10の外部に引き出す。これにより、停止板30がレール10から取り外される。その後、作業者は、係合部32の長手方向とサポート部35の長手方向の向きを揃えたり、突出部35aを凹部32aに挿入させたりするなど、停止板30の保守作業を行ってもよい。
【0045】
以上のように、本実施形態によれば、レール10に係合可能な係合部32と、係合部32から下方に延びるとともに、係合部32をレール10に対して係合状態及び非係合状態のいずれかに設定する操作棒33とを備えるため、レール10から離れた位置で、レール10に対して容易に設置したり、取り外したりすることができる。また、磁性板などを別途設ける必要がないため、重量を抑えることができる。これにより、取り付け及び取り外しの作業性を高めることができる。
【0046】
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。本実施形態では、停止板の一部の構成が第1実施形態とは異なるため、この相違点を中心として説明する。他の構成については、第1実施形態と同一であるため、説明を簡略化または省略する。
【0047】
図5は、第2実施形態に係る処理室1の天井Wの一例を示す図である。本実施形態に係る停止板130は、レール10に吊り下げられた状態で取り付けられる。
図5に示すように、停止板130は、光反射部31と、係合部32と、操作棒133と、延長棒134とを有している。この停止板130は、操作棒133の長手方向の寸法が第1実施形態に比べて短くなっており、その分、延長棒134の長手方向の寸法が第1実施形態に比べて長くなっている。この停止板130をレール10に取り付けた場合、操作棒133の下側端部は、第1実施形態に比べて、床面から離れた位置(高い位置)に配置されることになる。
【0048】
図6(a)は、本実施形態に係る停止板130のうち操作棒133と延長棒134との接続部分の一例を示す図である。
図5及び
図6(a)に示すように、操作棒133は、中空パイプ133aと、連動部材133bと、接続部133dとを有している。また、操作棒133は、連動部材133bに連結された操作部(不図示)を有している。なお、中空パイプ133a、連動部材133b及び不図示の操作部の構成は、第1実施形態と同一であるため、説明を省略する。
【0049】
接続部133dは、固定部材133mによって連動部材133bの下側端部に固定されている。接続部133dの下側端部には、ねじ部133eが形成されている。これに対して、延長棒134の上側端部には、ねじ穴134eが形成されている。ねじ部133e及びねじ穴134eは、螺合するように形成されている。したがって、作業者は、ねじ穴134eにねじ部133eを螺合させることにより、延長棒134を操作棒133に接続することが可能である。
【0050】
第2実施形態の停止板130をレール10に取り付ける場合、作業者は、第1実施形態と同様に、延長棒134を把持して停止板130を持ち上げ、係合部32をレール10に近づける。その後、作業者は、係合部32とサポート部35との係止状態を解消させ、係合部32の長手方向とサポート部35の長手方向とが交差(例えば直交)した状態とする。
【0051】
この状態を形成した後、作業者は、延長棒134を持ち上げて、レール10の下部10a、10bの間から係合部32をレール10の内部に挿入する。そして、係合部32の長手方向をレール10の下部10a、10bの延びる方向に沿った状態で挿入し、サポート部35がレール10の下部10a、10bに当接するまで延長棒134を持ち上げる。また、作業者は、この状態から、延長棒134を押し上げて係合部32を上側に移動させ、
延長棒134をθZ方向に90°程度回転させた後に延長棒134を引き下げることで、
係合部32を係合状態とする。その後、作業者は、延長棒134をθZ方向に回転させてねじ穴134eとねじ部13eとの螺合を解消し、延長棒134を操作棒133から取り外す。これにより、停止板130がレール10に取り付けられる。
【0052】
また、レール10に取り付けられた停止板130を取り外す場合、まず作業者は、停止板130のうち下方に延びた状態の操作棒133の下側端部に、延長棒134を装着する。この場合、延長棒134のねじ穴134eに操作棒133のねじ部133eを挿入し、延長棒134をθZ方向に回転させて螺合させる。
【0053】
延長棒134を装着した後、作業者は、第1実施形態と同様に延長棒134を押し上げて、係合部32をサポート部35から外し、係合部32をレール10に対して非係合状態とする。その後、作業者は、延長棒134をθZ方向に90°程度回転させて、係合部32の長手方向とサポート部35の長手方向とが交差(例えば直交)した状態とする。
【0054】
この状態を維持したまま、作業者は、延長棒134を引き下げて、レール10の下部10a、10bの間から係合部32をレール10の外部に引き出す。これにより、停止板130がレール10から取り外される。その後、作業者は、第1実施形態と同様に、停止板30の保守作業を行ってもよい。
【0055】
以上のように、本実施形態によれば、接続部133dの下側端部にねじ部133eが形成され、延長棒134の上側端部にねじ穴134eが形成され、ねじ部133e及びねじ穴134eが螺合するように形成されているため、離れた位置からであっても、延長棒134を操作棒133に容易に接続することが可能となる。よって、レール10から離れた位置で、レール10に対して容易に停止板130を設置したり、取り外したりすることができる。これにより、停止板130の取り付け及び取り外しの作業性が向上する。また、磁性板などを別途設ける必要がないため、重量を抑えることができる。これにより、取り付け及び取り外しの作業性を高めることができる。
【0056】
以上、実施形態について説明したが、本発明は、上述した説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
例えば、第2実施形態において、一部材で形成された連動部材133bが接続部133dに固定された構成を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。
【0057】
図6(b)は、変形例に係る操作棒133Aの構成を示す図である。
図6(b)では、接続部133dの内部の構成を断面で示している。
図6(b)に示すように、接続部13dの内部において、連動部材133bは第1部分133fと第2部分133gとに分割されている。第1部分133fは、固定部材133mを介して接続部133dに固定されている。第1部分133fの下側端部には、ねじ穴133hが形成されている。
【0058】
第2部分133gは、第1部分133fの下方に配置されている。第2部分133gの上側端部には、ねじ部133jが形成されている。ねじ部133jは、ねじ穴133hと螺合するように形成されている。第2部分133gの下側端部には、ねじ部133kが形成されている。ねじ部133kは、延長棒134Aのねじ穴134kに螺合するように形成されている。
【0059】
この構成において、停止板130Aをレール10に取り付けていない状態では、第1部分133fと第2部分133gとの間が螺合していない状態にしておく。この状態から、停止板130Aを取り付ける作業を行う場合、作業者は、延長棒134Aのねじ穴134kにねじ部133kを挿入してθZ方向に延長棒134Aを回転させる。これにより、ねじ穴134kとねじ部133kとが螺合され、延長棒134Aが第2部分133gに接続される。次に、作業者が延長棒134AをさらにθZ方向に回転させることにより、ねじ部133jとねじ穴133hとが螺合される。これにより、第2部分133gが第1部分133fに接続される。その後、上記同様に停止板130Aの取り付けを行う。停止板130Aを取り付けた後、操作棒133Aから延長棒134Aを取り外す際に、第1部分133fと第2部分133gとの螺合を解消してもよい。このように、第1部分133fと第2部分133gとを分離させておき、必要に応じて連結させる構成とすることにより、安全性を確保することができる。
【0060】
また、上記第2実施形態又は上記変形例では、操作棒133と延長棒134とが螺合する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、延長棒134によって連動部材133b及び係合部32をZ方向(上下方向)に移動可能な構成を有し、かつ、連動部材133b及び係合部32をθZ方向に回転させるための係止部などの構成を有していればよい。
【0061】
また、上記各実施形態及び変形例では、係合部32がレール10の下部10a、10bに架け渡されることでレール10に係合される構成を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。係合部がレール10の一部に係合される構成であればよく、例えばフックなどをレール10に引っ掛ける構成であってもよい。また、レール10に係合部を係合させるための構成を別途設けるようにしてもよい。