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特開2015-132010絶縁コーティング層を有するパワーインダクタ用非晶質合金粉末及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-132010(P2015-132010A)
(43)【公開日】2015年7月23日
(54)【発明の名称】絶縁コーティング層を有するパワーインダクタ用非晶質合金粉末及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B22F 9/04 20060101AFI20150630BHJP
   B22F 1/02 20060101ALI20150630BHJP
   H01F 1/153 20060101ALI20150630BHJP
   H01F 1/24 20060101ALI20150630BHJP
   H01F 1/33 20060101ALI20150630BHJP
   B22F 1/00 20060101ALI20150630BHJP
【FI】
   B22F9/04 E
   B22F1/02 E
   H01F1/14 C
   H01F1/24
   H01F1/33
   B22F1/00 F
   B22F1/00 Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-92742(P2014-92742)
(22)【出願日】2014年4月28日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0002990
(32)【優先日】2014年1月9日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】李 成 宰
(72)【発明者】
【氏名】徐 正 旭
(72)【発明者】
【氏名】松元 裕之
(72)【発明者】
【氏名】尹 ▲宗▼ 植
(72)【発明者】
【氏名】安 成 庸
【テーマコード(参考)】
4K017
4K018
5E041
【Fターム(参考)】
4K017AA04
4K017AA06
4K017BA06
4K017BB17
4K017CA07
4K017DA02
4K017EA02
4K017EA03
4K018AA25
4K018BB04
4K018BB07
4K018BC28
4K018CA02
4K018CA11
4K018KA43
5E041AA11
5E041BC01
5E041BD03
5E041CA02
5E041HB14
5E041HB17
5E041NN01
5E041NN05
5E041NN06
5E041NN17
(57)【要約】
【課題】本発明は、パワーインダクタとして製造された場合に電流の損失を最小化できる絶縁コーティング層を有するパワーインダクタ用非晶質合金粉末及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明による絶縁コーティング層を有するパワーインダクタ用非晶質合金粉末及びその製造方法は、本発明に係る乾式工程に酸化燐(P)粉末ガラスを使用することにより、パワーインダクタ用非晶質合金粉末の表面に薄くて均一でかつ緻密な絶縁コーティング層を形成することができ、絶縁コーティングにより粉末の比抵抗を増加させ、粉末と粉末との間の渦電流による損失を最小化することができることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末ガラス及び非晶質合金粉末を準備するステップと、
機械的な摩擦を利用して前記粉末ガラスと合金粉末との間に摩擦熱を発生させて昇温させるステップと、
前記昇温された温度を用いて粉末ガラスを軟化させ、非晶質合金粉末の表面に均一にコーティングされるようにするステップ
とを含む、絶縁コーティング層を有するパワーインダクタ用非晶質合金粉末の製造方法。
【請求項2】
前記昇温させるステップは、粉末ガラスのガラス転移温度以上から非晶質合金粉末の結晶化温度未満までの温度範囲に昇温させることを特徴とする、請求項1に記載の絶縁コーティング層を有するパワーインダクタ用非晶質合金粉末の製造方法。
【請求項3】
前記粉末ガラスは、酸化燐を含むことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の絶縁コーティング層を有するパワーインダクタ用非晶質合金粉末の製造方法。
【請求項4】
酸化燐を含むガラスが、10〜20nm範囲の均一な厚さで空隙がないように緻密にコーティングされた絶縁コーティング層を有する、パワーインダクタ用非晶質合金粉末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁コーティング層を有するパワーインダクタ用非晶質合金粉末及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、モバイルデバイスの仕様が高くなることにつれ、使用される部品のスペックも高くなっている。チップパワーインダクタの場合、軽薄短小化に対する要求とともに高周波数領域においても動作する製品が求められている。すなわち、現在の周波数帯域である 1〜2MHzよりも高い9MHz以上の周波数帯域においても適用可能である特性が要求されている。
【0003】
材料の側面からは、フェライトよりも2倍以上の磁気モーメント(Ms)が高くて高電流においても動作し、保磁力(Hc)が低くてコア損失を最小化できる非晶質合金粉末を採用しようとする努力が行われつつある。しかし、フェライトに比べて高周波数領域では動作特性が良くないという非晶質合金粉末の短所のため、これを改善するための研究がさらに必要なのが実情である。
【0004】
通常、可用周波数が高くなるほど渦電流損失によるコア損失が増加するので、電力効率が悪くなる。高周波数領域で動作するパワーインダクタに非晶質合金粉末を使用するためには、コア損失をより低減する必要がある。このためには、非晶質合金粉末同士の間に高抵抗の電気絶縁特性が要求される。また、高い透磁率)を維持しなければならないため、一定水準以上の充填率を具備する必要があり、上記非晶質合金粉末には、より薄い絶縁コーティング層を採用しなければならない。インダクタ製造工程の高圧成形の際には、非晶質合金粉末同士の間に摩擦が発生するため、絶縁コーティング層の毀損を最小化するためには、より緻密な絶縁コーティング層が要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国登録特許第10−0671952号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来技術の問題点を解消するために、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明は、薄くて均一でかつ緻密な絶縁コーティング層を有するパワーインダクタ用非晶質合金粉末を提供する。本発明はまた、上記の非晶質合金粉末を製造する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面によれば、粉末ガラス及び非晶質合金粉末を準備するステップと、機械的摩擦により上記粉末ガラスと合金粉末との間に摩擦熱を発生させて昇温させるステップと、上記昇温された温度を利用して粉末ガラスを軟化させ、非晶質合金粉末の表面に均一にコーティングされるようにするステップとを含む絶縁コーティング層を有するパワーインダクタ用非晶質合金粉末の製造方法が提供される。
【0009】
一実施例において、上記昇温させるステップは、粉末ガラスのガラス転移温度以上から非晶質合金粉末の結晶化温度未満までの温度範囲に昇温させることであってもよい。
【0010】
一実施例において、上記粉末ガラスは、酸化燐を含むものであってもよい。
【0011】
本発明の他の側面によれば、酸化燐を含むガラスが、10〜20nm範囲の均一な厚さで空隙なしに緻密にコーティングされた絶縁コーティング層を有する、パワーインダクタ用非晶質合金粉末が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る乾式工程では、酸化燐(P)粉末ガラスを使用することにより、パワーインダクタ用非晶質合金粉末の表面に、薄くて均一でかつ緻密な絶縁コーティング層を形成することができる。また、絶縁コーティングにより、粉末の比抵抗を増加させ、粉末同士の間の渦電流による損失を最小化することができる。これは、パワーインダクタとして製造された場合にも電流の損失を最小化できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明に係る乾式工程の模式図を示す。
図2図2は、本発明に係る非晶質合金粉末の断面の画像である。
図3図3は、従来技術により製造された、緻密ではない非晶質合金粉末の断面の画像である。スケールバーの長さは10nmを示す。
図4図4は、本発明に係る絶縁コーティング前後の粉体抵抗を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、本発明をより詳細に説明する。
【0015】
本発明に係る非晶質合金は、合金を製造する工程で、溶解された金属を急冷することにより形成されたものであって、一般の合金には存在しない性質を有する。
【0016】
交流電流に用いられるパワーインダクタは、低いコア損失や高い磁束密度が要求される部品である。また、高い透磁率を確保するためには充填率が高くなる必要があるので、薄くて均一な絶縁コーティング層が要求される。
【0017】
従来パワーインダクタ用非晶質合金粉末に採用されている絶縁コーティング層としては、シリコーン樹脂、ポリイミドのように耐熱性に優れた有機高分子系の電気絶縁性樹脂、または、SiO、ケイ酸ナトリウム、MgO、タルクのように、電気抵抗の大きい無機系酸化物、または有機系高分子系樹脂と無機系酸化物との複合体を採用する技術が開発されている。
【0018】
等を含む酸化燐化成皮膜のガラス状化合物を絶縁層として用いる技術も知られている。しかし、成膜工程では、化学的方法による湿式工程を利用するため、コーティング及び洗浄工程が複雑であり、エッチングや析出反応による被膜剤の損傷が不可避である。また、未反応不純物が生成されて品質が劣るという問題点がある。
【0019】
これに対して、本発明は、上記粉末を製造するために、従来の湿式工程である化学的エッチングや析出反応による燐酸塩コーティング、及びシリカゾルを用いた方式ではなく、メディアのない機械的な摩擦力による方法、すなわち、乾式工程を用いて絶縁コーティング層を形成する。
【0020】
本発明の一側面によれば、粉末ガラス及び非晶質合金粉末を準備するステップと、機械的摩擦により上記粉末ガラスと合金粉末との間に摩擦熱を発生させて昇温させるステップと、上記昇温された温度を利用して粉末ガラスを軟化させ、非晶質合金粉末の表面に均一にコーティングされるようにするステップとを含む絶縁コーティング層を有するパワーインダクタ用非晶質合金粉末の製造方法が提供される。
【0021】
図1は、本発明に係る乾式工程の模式図である。本発明の乾式工程では、非晶質合金粉末と酸化燐粉末ガラスとを混合してチャンバに入れ、チャンバを回転してグラインダーにより粒子同士の間に機械的な摩擦を誘導する。このような摩擦により摩擦熱が発生することになり、上記チャンバの回転速度を調整すれば、上記の摩擦熱及び温度の上昇を制御できる。本発明では、他のメディアのない状態で、単に粉末同士の間の摩擦エネルギーのみによりコーティングが行われる。
【0022】
粉末ガラスは、従来からガラスや金属に付着されて、絶縁性、気密性などの機能を発揮するものであることがよく知られている素材であって、化学的耐久性に優れて電子材料として使用される材料である。
【0023】
一実施例において、上記の昇温させるステップは、粉末ガラスのガラス転移温度以上から非晶質合金粉末の結晶化温度未満までの温度範囲に昇温させることであってもよい。
【0024】
一実施例において、上記粉末ガラスは、酸化燐を含むものであってもよい。
【0025】
本発明での粉末ガラスは、摩擦熱によりコーティング可能になる物性を示すように軟化されなければならないが、一方、非晶質合金粉末は、本来の固体相を維持する必要がある。このため、上記摩擦熱による昇温条件は、非晶質合金粉末の結晶化温度よりも低い温度範囲であって、かつ、絶縁コーティング層を形成することになる粉末ガラスのガラス転移温度よりも高い温度範囲に維持することが重要である。
【0026】
したがって、上記絶縁コーティング層の材料としては、非晶質合金粉末の結晶化温度に比べてガラス転移温度が低いほど有利である。
【0027】
一実施例において上記酸化燐は、五酸化燐(P)であってもよい。
【0028】
本発明に係る乾式工程で五酸化燐粉末ガラスを使用することにより、薄くて均一でかつ緻密な絶縁コーティング層を形成することができる。
【0029】
本発明の粉末ガラスの粒度は、数μm〜20μmの大きさが好ましい。
【0030】
本発明に係る乾式工程では機械的な摩擦を利用するので、コーティングしようとする粉末ガラスの大きさには特に制限がないが、最小値と最大値との大きさの偏差が、100倍未満であるものが好ましい。すなわち、最初に投入された粉末は、摩擦により適当な大きさに粉砕されて所定の大きさに小さく変更することになるが、大きすぎる粉末ガラスが投入される場合は、破鎖時間が不要に長くなることがあり、好ましくない。また、粒子同士の間の大きさの偏差が上記範囲を超えると、粉末ガラス粒子同士の軟化の時点に差が生じることがあるので、コーティングの品質が均一でなくなることもあり、好ましくない。
【0031】
上述のような本発明の粉末ガラスの粒度を用いると、上記投入された粉末ガラスが類似の時点で軟化が行われて、コーティングしようとする非晶質合金粉末の表面に均一な厚さで、空隙の発生がなく一様にコーティングされるので、緻密なコーティング層を形成することができる。
【0032】
本発明の他の側面によれば、酸化燐を含有するガラスが、10〜20nm範囲の均一な厚さで空隙の発生がなく緻密にコーティングされた絶縁コーティング層を有する、パワーインダクタ用非晶質合金粉末を提供することができる。
【0033】
以下では、実施例を参照して本発明をさらに詳細に説明する。しかし、これらの実施例は本発明を例示するためのものであって、本発明の範囲がこれらの実施例により制限されるものではない。
【実施例】
【0034】
1.様々なガラス転移温度を有するガラス成分を用いた絶縁コーティング層を形成
平均粒径が、3〜10μmであるFe系非晶質合金粉末を使用して、上述した乾式工程により様々なガラス転移温度を有するガラス成分を用いて絶縁コーティング層を形成した。
【0035】
【表1】
上記表1を参照すると、本発明に係る乾式工程を用いた各例の結果を比較することができる。すなわち、ガラス転移温度が相対的に高い、比較例1〜3の粉末ガラスにより絶縁コーティング層を形成した場合は、コーティング層の付着力が劣り、電磁気的特性も良くない結果を示すことが確認された。
【0036】
上記において、電磁気特性を測定するための試片の作製は、絶縁コーティング層が形成された非晶質合金粉末にエポキシ系バインダー2.5wt%を分散及び混合した後、外径20mm、内径13mmのモールドに装入して、3ton/cmで成形し、160℃で硬化させて、非晶質合金粉末とバインダーとのドーナツ型(toroidal)のコンポジットに作製した。
【0037】
完成された試片は、IWATSU社のB−H分析機を用いて周波数300kHz、磁束密度Bが50mTである状態でコア損失を測定した。コア損失は、ヒステリシス損と渦電流損に区分されるが、このうち、渦電流損は、金属粉末同士の間または金属粉末内部の電気抵抗に反比例するので、非伝導性物質は、粉末ガラスの絶縁コーティングの後、金属粉末同士の間の抵抗変化によるコア損失の測定により磁気的特性を評価することができる。以下に粉末ガラスの成分によるコア損失を示した。
【0038】
【表2】
比較例1〜3は、450〜500℃の温度条件下で絶縁コーティング層を形成したものであり、実施例1は、300〜360℃の条件で絶縁コーティング層を形成したものである。
【0039】
その結果、比較例1〜3のコア損失が、コーティング前に比べて、かえって増加したことが確認された。これは、機械的なコーティングによる摩擦熱によって非晶質粉末の結晶化温度より高くなることにより、結晶化されたからである。これに対して、実施例1は、非晶質粉末の結晶化温度より低い、安定的な温度範囲で絶縁コーティングが行われて、コア損失が低減されたことが確認された。
【0040】
実施例1は、比較例1〜3に比べて、低い温度条件で行われたが、酸化燐(P) 粉末ガラスのガラス転移温度(Tg)が非常に低くて、摩擦熱による温度条件により粉末ガラスの付着力を十分に高めることができた。
【0041】
上記実施例1で使用された酸化燐(P)粉末ガラスのガラス転移温度は、300〜360℃であって、非晶質合金粉末の結晶化温度である450〜550℃より非常に低い。従って、非晶質合金粉末が結晶化されることなく、粉末ガラスの絶縁コーティングが可能となる。また、実施例1の場合は、コーティングの品質が均一であった。結局、上記実施例1のように、酸化燐粉末ガラスを用いて、非晶質粉末の利点である低い保磁力(Hc)を維持しながら、均一な品質の絶縁コーティング層を形成できることが確認された。
【0042】
上記実施例1で用いた酸化燐粉末ガラスの元素組成は、下記の表3の通りである。
【0043】
【表3】
表3に示すように、上記粉末ガラスの組成は酸化物形態であって、主要成分がPであり、P成分が20wt%以上含有されている。
2.酸化燐粉末ガラスを用いた絶縁コーティング層の電子顕微鏡による観察
上記実施例1により絶縁コーティングされたFe−P−B系の非晶質合金粉末の断面が図2に示されている。
【0044】
図2を参照すると、絶縁コーティング層の厚さは、約15nmであり、緻密で均一なコーティング層が形成されていることが確認できる。
【0045】
図3には、本発明に係るコーティング方法ではなく、従来の湿式工程により製造された、絶縁コーティング層の緻密性や均一性の低い絶縁コーティング層が示されている。図2及び図3を比較すると、本発明に係るコーティング方法の優秀性や、緻密に構成されているコーティング層の形状を確認できる。
3.酸化燐粉末ガラスを用いた絶縁コーティング層の粉体抵抗の測定
以下に、Fe−P−B系の非晶質合金粉末の絶縁コーティングの前と酸化燐粉末ガラスにより絶縁コーティングされた後の粉体抵抗を測定した。粉体抵抗は、MITSUBISHI社の粉体抵抗測定器MCP−PD51モデルを使用して測定した。
【0046】
図4は、本発明の実施例1により絶縁コーティングされたコーティング前後の粉体抵抗を示す。
【0047】
図4に示すように、実施例1により絶縁コーティングされた後の抵抗値は、絶縁の前と比べると、最大10から最小10倍に増加したことが確認できる。絶縁コーティングにより粉末の比抵抗を増加させ、粉末と粉末との間の渦電流による損失を最小化することができる。これは、パワーインダクタとして製造された場合にも電流の損失を最小化できる効果がある。
【0048】
以上のように、本発明の特定部分を詳細に説明したが、当該分野の通常の知識を有する者であれば、このような具体的な説明は、単に好ましい実施形態に過ぎず、これにより本発明の範囲が制限されるものではないことを理解できよう。したがって、本発明の実質的な範囲は、添付された特許請求範囲及びそれらの等価物により定義されるべきである。
図1
図4
図2
図3