特開2015-132319(P2015-132319A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2015132319-湯水混合弁 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-132319(P2015-132319A)
(43)【公開日】2015年7月23日
(54)【発明の名称】湯水混合弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 11/04 20060101AFI20150630BHJP
   F16K 31/70 20060101ALI20150630BHJP
【FI】
   F16K11/04 B
   F16K31/70 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-3821(P2014-3821)
(22)【出願日】2014年1月13日
(71)【出願人】
【識別番号】391060029
【氏名又は名称】株式会社ダンレイ
(74)【代理人】
【識別番号】100095245
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 嘉彦
(72)【発明者】
【氏名】堀内 海里
【テーマコード(参考)】
3H057
3H067
【Fターム(参考)】
3H057AA02
3H057BB24
3H057BB42
3H057CC12
3H057DD13
3H057EE03
3H057FA03
3H057FA22
3H057FC04
3H057FD03
3H057FD08
3H057HH03
3H057HH14
3H067AA01
3H067CC47
3H067CC56
3H067DD03
3H067DD12
3H067DD23
3H067DD43
3H067EB09
3H067ED11
3H067FF02
3H067FF12
3H067GG13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】意図的に適正範囲を超える高温の混合水の吐出を試みても、当該試みを阻止する機能を有し、機能が奏された後に、湯水混合弁としての機能を復旧できる湯水混合弁を提供する。
【解決手段】同軸に配設され軸線延在方向に接近離隔する可動弁体2と弁座を有する固定弁座形成体3と、可動弁体2を固定弁座形成体3に接近する方向に付勢する感温バネ4と、可動弁体2を間に挟んで感温バネ4と対峙し可動弁体2を固定弁座形成体3から離隔する方向に付勢する第2バネ5と、第2バネ5の可動弁体2から離隔する端部に係合するバネ押さえ6と、バネ押さえ6の軸線方向位置を可変調整する手動ハンドル9(調整機構)とを備え、バネ押さえ6に当接してバネ押さえ6の移動を停止させバネ押さえ6の適正範囲を超える可動弁体2への接近を阻止するバネ押さえ移動阻止機構を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同軸に配設され軸線延在方向に接近離隔する可動弁体と弁座を有する固定弁座形成体と、弁体を弁座に接近する方向に付勢する感温バネと、弁体を間に挟んで感温バネと対峙し弁体を弁座から離隔する方向に付勢する第2バネと、第2バネの弁体から離隔する端部に係合するバネ押さえと、バネ押さえの軸線方向位置を可変調整する調整機構とを備え、バネ押さえの側から弁座と弁体との間の隙間を通って感温バネ収容空間に流入した湯と前記隙間よりも下流側で湯に合流し感温バネ収容空間に流入した水とが感温バネ収容空間内で混合して感温バネ収容空間から吐出し、更に、バネ押さえに当接してバネ押さえの移動を停止させバネ押さえの適正範囲を超える弁体への接近を阻止するバネ押さえ移動阻止機構を備えることを特徴とする湯水混合弁。
【請求項2】
移動阻止機構は、バネ押さえに当接してバネ押さえの移動を停止させる際に、バネ押さえの側から弁座と弁体との間の隙間へ流入する湯の流量を低減させることを特徴とする請求項1に記載の湯水混合弁。
【請求項3】
バネ押さえは固定弁座形成体に挿通され、湯はバネ押さえと固定弁座形成体との間の隙間と弁座と弁体との間の隙間とを通って感温バネ収容空間に流入し、バネ押さえ移動阻止機構は、バネ押さえの弁体から離隔する端部に形成された外フランジと、バネ押さえの外フランジに当接可能な固定弁座形成体の端面とによって形成され、調整機構が適正範囲を超えてバネ押さえを弁体に接近させると、バネ押さえの外フランジが固定弁座形成体の端面に当接してバネ押さえの移動を阻止すると共に、バネ押さえの外フランジがバネ押さえと固定弁座形成体との間の隙間を狭め或いは閉じることを特徴とする請求項2に記載の湯水混合弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湯水混合弁に関するものである。
【背景技術】
【0002】
同軸に配設され軸線延在方向に接近離隔する可動弁体と弁座を有する固定弁座形成体と、弁体を弁座に接近する方向に付勢する感温バネと、弁体を間に挟んで感温バネと対峙し弁体を弁座から離隔する方向に付勢する第2バネと、第2バネの弁体から離隔する端部に係合するバネ押さえと、バネ押さえの軸線方向位置を可変調整する調整機構とを備え、バネ押さえの側から弁座と弁体との間の隙間を通って感温バネ収容空間に流入した湯と前記隙間よりも下流側で湯に合流し感温バネ収容空間に流入した水とが感温バネ収容空間内で混合して感温バネ収容空間から吐出する湯水混合弁が、特許文献1に開示されている。
特許文献1の湯水混合弁においては、感温バネ収容空間内の湯水混合水の温度に応じて感温バネが伸縮し、弁体が弁座に接近離隔する。弁体が弁座から離隔すると、感温バネ収容空間へ流入する湯の流量が増加して感温バネ収容空間内の湯水混合水の温度が上昇し、感温バネが第2バネの付勢力に抗して伸長し弁体が弁座に接近し、感温バネ収容空間へ流入する湯の流量が減少する。感温バネ収容空間へ流入する湯の流量が減少すると、感温バネ収容空間内の湯水混合水の温度が低下し、感温バネが収縮し弁体が弁座から離隔し、感温バネ収容空間へ流入する湯の流量が増加する。弁体の弁座への接近離隔が繰り返されて、弁体と弁座との距離が所定値に収束し、感温バネ収容空間内の湯水混合水の温度が所定値に収束する。第2バネの付勢力が大であると、弁体と弁座との距離の収束値は大となり、湯水混合水の温度の収束値は高くなる。第2バネの付勢力が小であると、弁体と弁座との距離の収束値は小となり、湯水混合水の温度の収束値は低くなる。調整機構を手動操作してバネ押さえの軸線方向位置ひいてはバネ押さえと弁体との間の距離を可変調整し、第2バネの付勢力を可変調整することにより、弁体と弁座との距離の収束値を可変調整し、湯水混合弁の吐出水の温度の収束値を可変調整することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−247785公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の湯水混合弁には、調整機構を手動操作し意図的に適正範囲を超えてバネ押さえを弁体に接近させることにより、湯水混合弁の吐出水の温度を適正範囲を超えて上昇させることができるという問題がある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、同軸に配設され軸線延在方向に接近離隔する可動弁体と固定弁座と、弁体を弁座に接近する方向に付勢する感温バネと、弁体を間に挟んで感温バネと対峙し弁体を弁座から離隔する方向に付勢する第2バネと、第2バネの弁体から離隔する端部に係合するバネ押さえと、バネ押さえの軸線方向位置を可変調整する調整機構とを備え、バネ押さえの側から弁座と弁体との間の隙間を通って感温バネ収容空間に流入した湯と前記隙間よりも下流側で湯に合流し感温バネ収容空間に流入した水とが感温バネ収容空間内で混合して感温バネ収容空間から吐出する湯水混合弁であって、意図的に適正範囲を超える高温の混合水の吐出を試みても、当該試みを阻止する機能を有し、前記機能が奏された後に、湯水混合弁としての機能を復旧できる湯水混合弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明においては、同軸に配設され軸線延在方向に接近離隔する可動弁体と弁座を有する固定弁座形成体と、弁体を弁座に接近する方向に付勢する感温バネと、弁体を間に挟んで感温バネと対峙し弁体を弁座から離隔する方向に付勢する第2バネと、第2バネの弁体から離隔する端部に係合するバネ押さえと、バネ押さえの軸線方向位置を可変調整する調整機構とを備え、バネ押さえの側から弁座と弁体との間の隙間を通って感温バネ収容空間に流入した湯と前記隙間よりも下流側で湯に合流し感温バネ収容空間に流入した水とが感温バネ収容空間内で混合して感温バネ収容空間から吐出し、更に、バネ押さえに当接してバネ押さえの移動を停止させバネ押さえの適正範囲を超える弁体への接近を阻止するバネ押さえ移動阻止機構を備えることを特徴とする湯水混合弁を提供する。
本発明に係る湯水混合弁においては、移動阻止機構がバネ押さえに当接してバネ押さえの移動を停止させバネ押さえの適正範囲を超える弁体への接近を阻止するので、調整機構を手動操作し適正範囲を超えてバネ押さえを弁体に接近させることができない。この結果、湯水混合弁からの高温混合水の吐出が阻止される。調整機構を手動操作して、バネ押さえの軸線方向位置を適正位置に復帰させれば、湯水混合弁は適正温度の混合水を吐出する機能を回復する。
【0006】
発明の好ましい態様においては、移動阻止機構は、バネ押さえに当接してバネ押さえの移動を停止させる際に、バネ押さえの側から弁座と弁体との間の隙間へ流入する湯の流量を低減させる。
移動阻止機構がバネ押さえの側から弁座と弁体との間の隙間へ流入する湯の流量を低減させる機能をも有していれば、感温バネ収容空間への湯の流入量が低減するので、湯水混合弁の高温混合水吐出阻止機能が更に向上する。
本発明の好ましい態様においては、バネ押さえは固定弁座形成体に挿通され、湯はバネ押さえと固定弁座形成体との間の隙間と弁座と弁体との間の隙間とを通って感温バネ収容空間に流入し、バネ押さえ移動阻止機構は、バネ押さえの弁体から離隔する端部に形成された外フランジと、バネ押さえの外フランジに当接可能な固定弁座形成体の端面とによって形成され、調整機構が適正範囲を超えてバネ押さえを弁体に接近させると、バネ押さえの外フランジが固定弁座形成体の端面に当接してバネ押さえの移動を阻止すると共に、バネ押さえの外フランジがバネ押さえと固定弁座形成体との間の隙間を狭め或いは閉じる。
バネ押さえが固定弁座形成体に挿通されていれば、バネ押さえの弁体から離隔する端部に形成された外フランジと、バネ押さえの外フランジに当接可能な固定弁座形成体の端面とによって移動阻止機構を構成することができる。湯がバネ押さえと固定弁座形成体との間の隙間と弁座と弁体との間の隙間とを通って感温バネ収容空間に流入する場合には、バネ押さえの外フランジが固定弁座形成体の端面に当接してしバネ押さえの移動を阻止する際に、バネ押さえの外フランジがバネ押さえと固定弁座形成体との間の隙間を狭め或いは閉じるように、外フランジと前記隙間との関係を構成することにより、感温バネ収容空間への湯の流入量を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施例に係る湯水混合弁の構造図である。(a)は縦断面図であり、(b)は(a)のB矢視図であり、(c)は(a)のC矢視図であり、(d)は(a)のDD断面図であり、(e)は(a)のEE断面図であり、(f)は閉弁時の弁体と弁座との当接部の拡大部分縦断面図であり、(g)は開弁時の弁体と弁座との当接部の拡大部分縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施例に係る湯水混合弁を説明する。
図1に示すように、湯水混合弁1は、同軸に配設され中心軸線Xの延在方向に接近離隔する可動弁体2と弁座3aを有する固定弁座形成体3と、弁体2を弁座3aに接近する方向に付勢する形状記憶合金から成る感温バネ4と、弁体2を間に挟んで感温バネ4と対峙し弁体2を弁座3aから離隔する方向に付勢する第2バネ5と、第2バネ5の弁体2から離隔する端部に係合するバネ押さえ6と、バネ押さえ6の軸線X方向位置を可変調整する調整部材7と、前記諸部材を収容する円筒状のケーシング8とを備えている。
ケーシング8は、周側面に形成された湯流入口8aと水流入口8bと、長手方向一端が形成する混合水吐出口8cとを有している。弁体2は円柱体の弁本体2aと弁本体から延びる複数の脚部2bとを有しており、ケーシング8の長手方向中央部に挿入されている。弁体2の脚部2bはケーシング8の水流入口8bに対峙している。固定弁座形成体3は円筒体でありケーシング長手方向他端側で弁体2に隣接してケーシング8に挿入されケーシング8に螺合固定されている。固定弁座形成体3の螺合固定部はシールされている。固定弁座形成体3は、弁体2に近接する大内径部3bと、弁体2から離隔する小内径部3cとを有している。大内径部3bと小内径部3cの境界を形成する環状段部が弁座3aを形成している。大内径部3bの内周側面に長手方向に延在する複数の縦溝3dが形成され、小内径部3cの内周側面に長手方向に延在する複数の縦溝3eが形成されている。固定弁座形成体3の大内径部3bに弁体2の弁本体2aが挿入されている。感温バネ4はケーシング8の長手方向一端側で弁体2に隣接してケーシング8に挿入され、ケーシング8の長手方向一端から離隔する一端が弁体2の脚部2bに当接し他端がケーシング8の長手方向一端近傍に形成された内フランジ8dに当接している。第2バネ5はケーシング8の長手方向他端側で弁体2に隣接してケーシング8に挿入され、弁体2に近接する側の一端が弁体2に当接している。第2バネ5の弁体2寄りの部分は固定弁座形成体3の小内径部3c内で延在している。バネ押さえ6は、ケーシング8の長手方向他端側の端部に外フランジ6aが形成された円筒体である。外フランジ6aの外径は、固定弁座形成体の小内径部3cの内径よりも大きな値に設定されている。バネ押さえ6の弁体2寄りの部分は固定弁座形成体3の小内径部3c内で延在しており、外フランジ6aはケーシング8の湯流入口8aに対峙している。外フランジ6aは第2バネ5の弁体2から離隔する側の他端に当接している。外フランジ6aの外周側面から径方向外方へ延びる一対の二股の爪の間に形成された一対の長手方向に延在する案内溝6bが、ケーシング8の内周側面に形成された長手方向に延在するガイド突起8eに、長手方向に相対移動可能に係合している。調整部材7はケーシング8の長手方向他端を貫通してケーシング8外からケーシング8内に延びている。調整部材7のケーシング長手方向他端貫通部は、シールされている。調整部材7の弁体2に近接する一端部は弁押さえ6に挿入され弁押さえ6に螺合している。ケーシング8の長手方向他端から突出する調整部材7の他端部に、手動ハンドル9が取り付けられている。
【0009】
湯水混合弁1の作動を説明する。
湯流入口8aを通ってケーシング8内に流入した湯が、バネ押さえ6と固定弁座形成体3との間の隙間、主として溝3eによって形成される隙間、と、弁座3aと弁体2の弁本体2aとの間の隙間と、固定弁座形成体3と弁本体2aとの間の隙間、主として溝3dによって形成される隙間、とを通ってケーシング8の感温バネ収容空間に流入する。水流入口8bを通ってケーシング8内に流入にし、弁座3aと弁本体2aとの間の隙間より下流側で湯に合流した水が、弁体2の脚部2b間の隙間を通ってケーシング8の感温バネ収容空間に流入する。ケーシング8の感温バネ収容空間内で湯と水とが混合され、前記収容空間から混合水吐出口8cを通って、湯水混合弁1から適温の湯水混合水が吐出する。
湯水混合弁1においては、感温バネ収容空間内の湯水混合水の温度に応じて感温バネ4が伸縮し、弁体2の弁本体2aが弁座3aに接近離隔する。弁本体2aが弁座3aから離隔すると、感温バネ収容空間へ流入する湯の流量が増加して感温バネ収容空間内の湯水混合水の温度が上昇し、感温バネ4が第2バネ5の付勢力に抗して伸長し弁本体2aが弁座3aに接近し、感温バネ収容空間へ流入する湯の流量が減少する。感温バネ収容空間へ流入する湯の流量が減少すると、感温バネ収容空間内の湯水混合水の温度が低下し、感温バネ4が収縮し弁本体2aが弁座3aから離隔し、感温バネ収容空間へ流入する湯の流量が増加する。弁本体2aの弁座3aへの接近離隔が繰り返されて、弁本体2aと弁座3aとの距離が所定値に収束し、感温バネ収容空間内の湯水混合水の温度が所定値に収束する。手動ハンドル9を介して調整部材7を回動操作し、調整部材7に螺合すると共にガイド突起8eによって回動不能に案内されたバネ押さえ6を駆動して、バネ押さえ6の軸線方向位置ひいてはバネ押さえ6と弁本体2aとの間の距離を可変調整し、第2バネ5の付勢力を可変調整することにより、弁本体2aと弁座3aとの距離の収束値を可変調整し、湯水混合弁1の吐出水の温度の収束値を可変調整することができる。
【0010】
手動ハンドル9には、操作量を所定範囲に限定し、ひいてはバネ押さえ6の軸線方向位置の可変調整を適正範囲に規制する安全装置が設けられているが、調整部材7から手動ハンドルを取り外せば、安全装置も作動しなくなる。この状態において、調整部材7を直接手動操作し、適正範囲を超えてバネ押さえ6を弁体2に接近させ、湯水混合弁1の吐出水の温度を適正範囲を超えて上昇させようとすると、バネ押さえ6の外フランジ6aが固定弁座形成体3の弁体2から離隔する側の端面に当接し、バネ押さえ6の弁体2への更なる接近が阻止される。この結果、感温バネ収容空間に流入する湯の流量の不適正な増加が阻止され、湯水混合弁1からの高温混合水の吐出が阻止される。また、外フランジ6aが固定弁座形成体3の弁体2から離隔する側の端面に当接することにより、外フランジ6aが小内径部3cの内周側面に形成した溝3eの入口部を部分的或いは全面的に塞ぎ、ひいては溝3eを部分的或いは全面的に塞ぎ、感温バネ収容空間に流入する湯の流量が減少し或いは零になり、湯水混合弁1からの高温混合水の吐出が阻止される。調整部材7を手動操作して、或いは調整部材7に再装着した手動ハンドル9を介して調整部材7を手動操作して、バネ押さえ6の軸線方向位置を適正位置に復帰させれば、湯水混合弁1は適正温度の混合水を吐出する機能を回復する。
【0011】
上記実施例ではバネ押さえ6の外フランジ6aを固定弁座形成体3の弁体2から離隔する側の端面に当接させて、バネ押さえ6の移動を阻止したが、ケーシング8内周面に形成した突起に外フランジ6aを当接させてバネ押さえ6の移動を阻止しても良い。
上記実施例では、湯は、バネ押さえ6と固定弁座形成体3との間の隙間を通って弁座3aと弁体2の弁本体2aとの間の隙間に流入したが、特許文献1の湯水混合弁のように、湯が固定弁座形成体の外側を通って弁座と弁体との間の隙間に流入する構成の湯水混合弁においても、バネ押さえの固定弁座形成体への最大螺合深さを、バネ押さえの適正範囲を超える弁体への接近を阻止できる値に設定し、或いはバネ押さえの弁体から離隔する部位に固定弁座形成体の端面と当接可能なフランジを形成し、或いはバネ押さえの弁体から離隔する部位にフランジを形成すると共に前記フランジに当接可能な突起をケーシング内周面に形成すれば、バネ押さえの適正範囲を超える弁体への接近を阻止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0012】
本発明は、湯水混合弁に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0013】
1 湯水混合弁
2 可動弁体
3 固定弁座形成体
4 感温バネ
5 第2バネ
6 バネ押さえ
7 調整部材
8 ケーシング
9 手動ハンドル
図1