(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-133275(P2015-133275A)
(43)【公開日】2015年7月23日
(54)【発明の名称】防水コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/52 20060101AFI20150630BHJP
【FI】
H01R13/52 301H
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-4794(P2014-4794)
(22)【出願日】2014年1月15日
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】増田 健志
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE02
5E087FF13
5E087GG26
5E087HH04
5E087JJ06
5E087LL04
5E087LL13
5E087MM05
5E087RR12
5E087RR15
(57)【要約】
【課題】コネクタハウジングの形状変更を伴うことなく耐振動性能を向上させる。
【解決手段】本発明の防水コネクタ10は、防水用のゴムリング80と、このゴムリング80が嵌着される本体部41を有し、この本体部41の外周にロックアーム43が形成された雌ハウジング40と、本体部41を内嵌可能なフード部22を有し、このフード部22の外周面に形成されたロック突部23とロックアーム43を係止させることで本体部41とフード部22とを嵌合状態にロックする雄ハウジング24と、本体部41におけるゴムリング80の前側に装着されて同ゴムリング80の前方への抜けを防止するフロント部材70と、フロント部材70の前端部に装着され、フード部22の奥面22Bに対して弾性的に当接する弾性部材90とを備えた構成としたところに特徴を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
防水用のゴムリングと、
このゴムリングが嵌着される本体部を有し、この本体部の外周にロックアームが形成された第1コネクタハウジングと、
前記本体部を内嵌可能なフード部を有し、このフード部の外周面に形成されたロック突部と前記ロックアームを係止させることで前記本体部と前記フード部とを嵌合状態にロックする第2コネクタハウジングと、
前記本体部における前記ゴムリングの前側に装着されて同ゴムリングの前方への抜けを防止するフロント部材と、
前記フロント部材の前端部に装着され、前記フード部の奥面に対して弾性的に当接する弾性部材とを備えた防水コネクタ。
【請求項2】
前記弾性部材は、前記フード部の内周面に対して弾性的に当接する請求項1に記載の防水コネクタ。
【請求項3】
前記弾性部材は、金属材からなる板ばねであって、前記フロント部材の前端部に嵌合方向に係止する一対の係止片を備えている請求項1または請求項2に記載の防水コネクタ。
【請求項4】
前記弾性部材は、ゴム材からなるシールリングであって、前記フロント部材の前端部に周設された装着部に嵌着されている請求項1または請求項2に記載の防水コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ間のがたつきを抑制する防水コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、嵌合後の端子相互間の嵌合方向の摺動を防止する技術として、下記特許文献1に記載の防水コネクタが知られている。この防水コネクタは、互いに嵌合可能な雄コネクタハウジングおよび雌コネクタハウジングを備えて構成されている。雄コネクタハウジングの外周壁に沿って立上り後壁が立設され、その先端から外周壁に対向する防水壁が設けられている。雄コネクタハウジングの外周壁と立上り後壁と防水壁とによって囲まれた空所内には防水のためのパッキングが装着されている。
【0003】
雄コネクタハウジングの空所に雌コネクタハウジングの套体部が嵌入すると、パッキングが圧縮されるとともに、雄コネクタハウジングに設けられたロッキングアームの先端部と雌コネクタハウジングに形成された係止突起が係合して雌雄のコネクタハウジングは嵌合状態にロックされる。パッキングには、同パッキングの端面が延長されて環状の鍔となった突起部が形成されている。この突起部は、嵌合時は雄コネクタハウジングの立上り後壁と、雌コネクタハウジングの套体部の先端面に圧接され得るように形成されている。これにより、雌雄コネクタハウジング間のがたつきが抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公平5−50113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、雌雄コネクタハウジングの嵌合面(嵌合方向に対向する面)間においては、樹脂成形に伴う寸法公差を考慮したクリアランスが設定されているため、嵌合面間における嵌合方向のがたつきを許容せざるを得ない。仮に嵌合面間にクリアランスを設定しなかった場合、ロッキングアームが係止突起に係合する前に嵌合面同士が当接してしまって、ロックができなくなるおそれがあった。また、特殊な形状のパッキングを使用するには、雌雄コネクタハウジングの形状を変更する必要があり、設計変更の申請、承認等を行う必要がある。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、コネクタハウジングの形状変更を伴うことなく耐振動性能を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の防水コネクタは、防水用のゴムリングと、このゴムリングが嵌着される本体部を有し、この本体部の外周にロックアームが形成された第1コネクタハウジングと、本体部を内嵌可能なフード部を有し、このフード部の外周面に形成されたロック突部とロックアームを係止させることで本体部とフード部とを嵌合状態にロックする第2コネクタハウジングと、本体部におけるゴムリングの前側に装着されて同ゴムリングの前方への抜けを防止するフロント部材と、フロント部材の前端部に装着され、フード部の奥面に対して弾性的に当接する弾性部材とを備えた構成としたところに特徴を有する。
【0008】
このような構成によると、ロックアームとロック突部を係止させることで第1コネクタハウジングの本体部を第2コネクタハウジングのフード部に内嵌させた状態にロックする。ここで、ロックアームとロック突部の係止を確実に行わせるため、フード部の奥面とフロント部材の前面との間に所定のクリアランスを設けているものの、このクリアランスに配された弾性部材がフード部の奥面に当接するようにしたから、嵌合方向のがたつきをなくして耐振動性能を向上させることができる。また、フロント部材に弾性部材を装着するようにしたので、第1コネクタハウジングの形状変更を伴うこともない。
【0009】
本発明の実施の形態として、以下の構成が好ましい。
弾性部材は、フード部の内周面に対して弾性的に当接する構成としてもよい。
このような構成によると、嵌合方向に加えて、嵌合方向と直交する方向のがたつきをなくして耐振動性能を向上させることができる。
【0010】
弾性部材は、金属材からなる板ばねであって、フロント部材の前端部に嵌合方向に係止する一対の係止片を備えている構成としてもよい。
このような構成によると、弾性部材の耐久性能を高めることができる。
【0011】
弾性部材は、ゴム材からなるシールリングであって、フロント部材の前端部に周設された装着部に嵌着されている構成としてもよい。
このような構成によると、嵌合方向および径方向(嵌合方向と直交する方向)のがたつきを弾性部材によってなくすことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、コネクタハウジングの形状変更を伴うことなく耐振動性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態1において本体部をフード部に内嵌させる前の状態を示した防水コネクタの断面図
【
図2】本体部をフード部に内嵌させた後の状態を示した防水コネクタの断面図
【
図3】板ばねをフロント部材に装着した状態を拡大して示した断面図
【
図4】実施形態2において本体部をフード部に内嵌させる前の状態を示した防水コネクタの断面図
【
図5】本体部をフード部に内嵌させた後の状態を示した防水コネクタの断面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を
図1ないし
図3の図面を参照しながら説明する。本実施形態における防水コネクタ10は、互いに嵌合可能な雄コネクタ20と雌コネクタ30とを備えて構成されている。以下においては雌雄両コネクタ20、30の嵌合方向を前後方向とし、相手側コネクタと嵌合する側を前側として説明する。
【0015】
雄コネクタ20は合成樹脂製の雄ハウジング24を有し、
図1に示すように、この雄ハウジング24は、機器Eの一部として構成されている。雄ハウジング24には、機器Eから前方に突出して前方に開口する形態をなすフード部22が形成されている。フード部22の外周面には、ロック突部23が形成されている。ロック突部23は、後方に向けて緩やかな上り勾配をなす傾斜面23Aと、この傾斜面23Aの後縁から後方に向けて水平面23Bと、この水平面23Bの後縁から下方に向けて垂直に切り立った垂直面23Cとを有している。フード部22内の奥壁22Aには、前方に突出する形態をなす雄端子21が配設されている。この奥壁22Aの内面は、嵌合方向と直交する奥面22Bとされている。
【0016】
雌コネクタ30は合成樹脂製の雌ハウジング40を有し、雌ハウジング40は、雌端子50を内部に収容してなる本体部41と、この本体部41の外周に形成された嵌合筒部42と、本体部41の上面に形成されたロックアーム43とを備えて構成されている。ロックアーム43はロック孔43Aを有し、このロック孔43Aにロック突部23が嵌まり込むことでロック孔43Aの内壁とロック突部23の垂直面23Cとが前後方向に係止して本体部41とフード部22が嵌合状態にロックされることになる。
【0017】
雌端子50は、雄端子21に接続される端子接続部51と、この端子接続部51の後方に形成されたワイヤバレル部52と、このワイヤバレル部52の後方に形成されたインシュレーションバレル部53とを備えて構成されている。ワイヤバレル部52は、電線Wの芯線W1に圧着されている。また、インシュレーションバレル部53は、ゴム栓54を介して電線Wの被覆W2に圧着されている。
【0018】
本体部41の内部には、端子収容孔41Aおよびゴム栓収容孔41Bが形成されている。この端子収容孔41Aおよびゴム栓収容孔41Bは互いに連通し、前後方向に貫通する形態をなしている。ゴム栓収容孔41Bには、ゴム栓54が収容され、このゴム栓54によって本体部41内に水が浸入することが防止されている。また、端子収容孔41Aには、ランス44が形成され、このランス44が雌端子50の端子接続部51に後方から係止することで雌端子50が本体部41内に保持されている。
【0019】
本体部41内には、リテーナ60が装着されている。このリテーナ60の一部は、端子収容孔41A内に突出しており、この突出した部分が雌端子50の端子接続部51の後端に後方から係止している。これにより、雌端子50は、ランス44とリテーナ60によって二重係止された状態で本体部41内に保持されている。
【0020】
本体部41の外周面における後端側には、ゴムリング80が嵌着されている。このゴムリング80は主に防水用のものであるが、雌雄両コネクタ20、30間の径方向(前後方向と直交する方向)のがたつきを防止することも可能である。このようなゴムリング80の材料としては、主に油を含浸させたシリコーンゴム等が使用される。
【0021】
ゴムリング80は、複数条の内周リップ81と複数条の外周リップ82とを有しており、雌雄両コネクタ20、30を嵌合させると、
図2に示すように、内周リップ81が本体部41の外周面に密着し、外周リップ82がフード部22の内周面22Cに密着する。これにより、フード部22と本体部41の間がゴムリング80によってシールされる。
【0022】
本体部41の外周面における前端部には、フロント部材70が冠着されている。このフロント部材70は、前壁部71と、この前壁部71の周縁から後方に延びる筒状の周壁部72とから構成されている。この周壁部72は、ゴムリング80の前側に配されるようになっており、本体部41の外周面に嵌着されたゴムリング80の前方への抜けを防止している。
【0023】
前壁部71は、本体部41の前側に配され、周壁部72は、本体部41の外周面に沿って配されている。周壁部72の内周面には、上下一対の保持突起73が形成され、本体部41の外周面には、保持突起73と前後方向に係止する上下一対の保持凹部45が形成されている。各保持突起73が各保持凹部45に嵌まり込んで係止することにより、フロント部材70が本体部41の前端部に冠着した状態にロックされる。
【0024】
前壁部71には、雌端子50の前端部を収容する凹部が形成され、この凹部は端子収容孔41Aの一部を構成している。前壁部71には、雄端子21を挿通させる端子挿通孔74が形成され、この端子挿通孔74から雄端子21が端子収容孔41Aに進入可能となっている。そして、雄端子21が雌端子50の端子接続部51に嵌合することで雌雄両端子21、50が導通可能に接続される。
【0025】
フロント部材70の前端部には、弾性部材90が装着されている。本実施形態の弾性部材90は金属材からなる板ばねであって、その両端部には一対の係止片91が備えられている。一方、フロント部材70の前壁部71の外周面には、
図3に示すように、上下一対の導入溝75が形成されている。これらの導入溝75の後端部には、上下一対の係止片91と係止する上下一対の係止凹部76が凹設されている。導入溝75および係止凹部76の配置は、雌雄両コネクタ20、30の嵌合時に雄端子21が弾性部材90に干渉しないように設定されている。
【0026】
弾性部材90をフロント部材70の前壁部71に装着する際には、係止片91が導入溝75に沿って後方へ移動し、弾性部材90が正規の装着位置に至ると、係止片91が係止凹部76に勢いよく嵌まり込んで前後方向に係止する。これにより、弾性部材90がフロント部材70の前壁部71に装着された状態にロックされる。
【0027】
図1に示すように、弾性部材90における上下一対の係止片91の間には、振動吸収部92が形成されている。この振動吸収部92は、上下方向に延びる第1当接部93と、この第1当接部93の上下両側に配されて弧状をなす上下一対の第2当接部94とを備えている。第1当接部93は、フロント部材70の前壁部71から前方に離れた位置に配されている。また、上下一対の第2当接部94は、フロント部材70の前壁部71よりも上下両側に迫り出した形状をなしている。したがって、雌雄両コネクタ20、30を嵌合させると、
図2に示すように、振動吸収部92の第1当接部93がフード部22の奥面22Bに対して前後方向に面接触するとともに、上下一対の第2当接部94がフード部22の内周面22Cに対して上下方向に当接する。これにより、前後方向および上下方向の双方における雌雄両コネクタ20、30間のがたつきをなくして耐振動性能を向上させることができる。
【0028】
本実施形態は以上のような構成であって、続いてその作用を説明する。雌雄両コネクタ20、30を互いに嵌合させると、フード部22の内周側に、フロント部材70が装着された本体部41が嵌合し、同時に、フード部22の外周側に、嵌合筒部42が嵌合する。また、雄コネクタ20の雄端子21は、端子挿通孔74を通って端子収容孔41Aに進入し、雌端子50の端子接続部51と嵌合して電気的に接続される。また、雌雄両コネクタ20、30の嵌合により、雄ハウジング24のロック突部23は、雌ハウジング40のロックアーム43を上方へ撓ませた後、ロック孔43Aの内壁と前後方向に係止し、
図2に示すように、雌雄両ハウジング24、40を嵌合状態にロックする。
【0029】
雌雄両ハウジング24、40が嵌合することにより、本体部41は、その後方部までフード部22に内嵌し、装着されたゴムリング80の外周リップ82がフード部22の内周面22Cに押圧され、内周リップ81が本体部41の外周面に押圧され、これによって外部から本体部41への水入りを防止する。また、それとともに、フード部22の奥面22Bは、弾性部材90の第1当接部93を前後方向に押圧してやや撓ませた状態で当接することにより、雌雄両ハウジング24、40間の前後方向のがたつきを低減する。さらに、フード部22の内周面22Cは、弾性部材90の第2当接部94を上下方向に押圧してやや撓ませた状態で当接することにより、雌雄両ハウジング24、40間の上下方向のがたつきを低減する。
【0030】
以上のように本実施形態では、ロックアーム43とロック突部23を係止させることで雌ハウジング40の本体部41を雄ハウジング24のフード部22に内嵌させた状態にロックする。ここで、ロックアーム43とロック突部23の係止を確実に行わせるため、フード部22の奥面22Bとフロント部材70の前面との間に所定のクリアランスを設けているものの、このクリアランスに配された弾性部材90がフード部22の奥面22Bに当接するようにしたから、嵌合方向のがたつきをなくして耐振動性能を向上させることができる。また、フロント部材70に弾性部材90を装着するようにしたので、雌ハウジング40の形状変更を伴うこともない。
【0031】
弾性部材90は、フード部22の内周面22Cに対して弾性的に当接する構成としてもよい。
このような構成によると、嵌合方向に加えて、嵌合方向と直交する方向のがたつきをなくして耐振動性能を向上させることができる。
【0032】
弾性部材90は、金属材からなる板ばねであって、フロント部材70の前端部(前壁部71)に嵌合方向に係止する一対の係止片91を備えている構成としてもよい。
このような構成によると、弾性部材90の耐久性能を高めることができる。
【0033】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を
図4および
図5の図面を参照しながら説明する。本実施形態の防水コネクタ110は、実施形態1の防水コネクタ10の弾性部材90を変更したものであって、実施形態1と同じ構成については実施形態1と同一の符号を付すものとする。本実施形態の弾性部材190はゴム材からなるシールリングとされている。また、実施形態1と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。
【0034】
防水コネクタ110は、互いに嵌合可能な雄コネクタ20と雌コネクタ130とを備えて構成されている。雌コネクタ130のフロント部材170の前端部には、前壁部171が形成され、この前壁部171の外周には、弾性部材190が装着される装着部177が全周に亘って凹設されている。この装着部177は、前壁部171の前方に開口しており、弾性部材190を装着部177に装着した状態では、弾性部材190の前端部に形成された突当部193が前壁部171の前面よりも前方に突出して配される。
【0035】
弾性部材190は、複数条の内周リップ195と複数条の外周リップ196とを有しており、雌雄両コネクタ20、130を嵌合させると、
図5に示すように、内周リップ195が本体部41の外周面に密着し、外周リップ196がフード部22の内周面22Cに密着する。さらに、弾性部材90の突当部193は、フード部22の奥面22Bに突き当たり、弾性的に当接する。これにより、弾性部材90は、前後方向および径方向(前後方向と直交する方向)の双方において圧縮され、前後方向および径方向における雌雄両ハウジング24、40間のがたつきを低減することができる。
【0036】
以上のように本実施形態では、弾性部材190は、ゴム材からなるシールリングであって、フロント部材170の前端部(前壁部171)に周設された装着部177に嵌着されている構成としたから、、前後方向および径方向(前後方向と直交する方向)のがたつきを弾性部材190によってなくすことができる。
【0037】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では弾性部材として板ばね、ゴム材からなるシールリングを例示したが、本発明によると、コイルばね等を用いてもよい。
【0038】
(2)上記実施形態では弾性部材が前後方向以外の方向におけるがたつきも防止しているものの、本発明によると、前後方向のがたつきのみを防止するものとしてもよい。
【符号の説明】
【0039】
10、110…防水コネクタ
22…フード部
22B…奥面
22C…内周面
23…ロック突部
24…雄ハウジング(第2コネクタハウジング)
30、130…雌コネクタ
40…雌ハウジング(第1コネクタハウジング)
41…本体部
43…ロックアーム
70、170…フロント部材
71、171…前壁部(前端部)
80…ゴムリング
90、190…弾性部材
91…係止片
177…装着部