【解決手段】ガラス材質からなり、光透過率が1〜50%である第1絶縁層と、前記第1絶縁層の一面に形成される第1回路パターン層と、前記第1絶縁層の他面に形成される第2回路パターン層と、前記第1絶縁層の一面および前記第1回路パターン層を覆う第1ビルドアップ部と、前記第1絶縁層の他面および前記第2回路パターン層を覆う第2ビルドアップ部と、を含み、歪みを低減しつつ、スリム化が可能で、不良率を低減できる多層基板を提供する。
ガラス材質からなるコアと、前記コアの両面に形成された回路パターン部と、前記回路パターン部および前記コアの表面を覆うビルドアップ部と、を含む多層基板の製造方法であって、
前記コアの少なくとも一面にエンボス処理を施す段階を含む、多層基板の製造方法。
【背景技術】
【0002】
電子機器の軽量化、小型化、高速化、多機能化および高性能化の傾向に対応するために、プリント回路基板(Printed Circuit Board;PCB)に複数の配線層を形成する、いわゆる多層基板技術が開発されている。
【0003】
特に、モバイル電子機器に用いられる半導体は、パッケージ化しつつあり、複数のパッケージが結合した形態でリリースされることもある。例えば、スマートフォンに搭載されるアプリケーションプロセッサ(Application Processor;AP)がメモリ素子とともにパッケージオンパッケージ(Package On Package;POP)をなす場合などがこれに該当する。
【0004】
一方、APなど、モバイル半導体の性能が継続して向上しているが、このように向上した性能を効率的に発現するためには、APとメモリ素子との通信速度向上が裏付けられなければならない。
【0005】
ここで、パッケージの内部またはパッケージ間の通信速度を向上するためには、通信線路のインピーダンスを低める必要がある。また、通信線路のインピーダンスを低めるために配線幅を広める方法が考えられるが、配線幅が広められるにつれて配線密度が減少するため限界がある。
【0006】
他方、パッケージをスリム化して配線距離を短縮することで通信線路のインピーダンスを低めることもできるが、パッケージがスリム化するにつれて歪み現象が深刻な問題として現れている。
【0007】
かかる歪み現象をいわゆる歪み(Warpage)とも称し、熱膨張係数が異なる様々な物質でパッケージまたは多層基板を構成するにつれて歪みがひどくなる。
【0008】
かかる歪みを低減するために、従来は、剛性の高い材料で絶縁層を形成する方法を適用することもあった。例えば、特許文献1には、ガラス繊維を含むコア層を用いて歪みを低減した例が開示されており、特許文献2には、ガラスコアを用いた例が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の一つの目的は、歪みを低減しつつ、スリム化が可能で、不良率を低減できる多層基板を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、歪みを低減しつつ、スリム化が可能で、不良率を低減できる多層基板の製造方法を提供することにある。
【0012】
本発明が解消しようとする技術的課題は、上述の技術的課題に制限されず、言及されていない他の技術的課題は、以下の記載から本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が明確に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の例示的な実施形態による多層基板は、ガラス材質からなり、光透過率が1〜50%である第1絶縁層と、前記第1絶縁層の一面に形成される第1回路パターン層と、前記第1絶縁層の他面に形成される第2回路パターン層と、前記第1絶縁層の一面および前記第1回路パターン層を覆う第1ビルドアップ部と、前記第1絶縁層の他面および前記第2回路パターン層を覆う第2ビルドアップ部と、を含むことができる。
【0014】
この際、前記光透過率はIt/Ioを意味し、前記Ioは、前記第1絶縁層の一面に向かって照射された光の強度を意味し、前記Itは、前記第1絶縁層を通過して前記第1絶縁層の他面に透過される光の強度を意味することができる。
【0015】
また、前記第1絶縁層の少なくとも一つの表面は、50μm以上のサンプリング範囲で測定されたRMS表面粗さの値が0.1〜5μmであることがある。
【0016】
また、前記第1ビルドアップ部と前記第2ビルドアップ部は、ビルドアップされた層の数が互いに異なることができる。
【0017】
また、前記第1絶縁層には、前記第1絶縁層の一面と他面との間を貫通するキャビティまたは前記第1絶縁層の一面または他面において窪んだ凹部が設けられ、前記キャビティまたは前記凹部に少なくとも一部が挿入され、少なくとも一面に少なくとも一つの外部電極が設けられた電子部品をさらに含むことができる。
【0018】
また、前記第1絶縁層が、着色剤を含有することができる。
【0019】
また、前記第1絶縁層の表面に有色樹脂がコーティングされていることができる。
【0020】
また、前記第1回路パターン層または第2回路パターン層は、チタンまたはクロムから選択される物質を含有する接着膜と、前記接着膜の表面に形成されためっき膜と、を含むことができる。
【0021】
本発明の一実施形態による多層基板は、コアと、前記コアの両面に形成された回路パターン部と、前記回路パターン部および前記コアの表面を覆うビルドアップ部と、を含む多層基板であって、前記コアは、不透明部が設けられたガラスからなり、前記コアの光透過率が1〜50%であることができる。
【0022】
この際、前記コアの上面から前記多層基板の上面までの厚さと、前記コアの下面から前記多層基板の下面までの厚さとが相違することができる。
【0023】
本発明の一実施形態による多層基板の製造方法は、ガラス材質からなるコアと、前記コアの両面に形成された回路パターン部と、前記回路パターン部および前記コアの表面を覆うビルドアップ部と、を含む多層基板の製造方法であって、前記コアの少なくとも一面にエンボス処理を施す段階を含むことができる。
【0024】
この際、前記コアの少なくとも一面にエンボス処理を施す段階は、前記コアの少なくとも一面にエッチング液を提供して行われることができる。
【0025】
また、前記コアの少なくとも一面にエンボス処理を施す段階は、前記コアの少なくとも一面において、50μm以上のサンプリング範囲で測定されたRMS表面粗さの値が0.1〜5μmの範囲になるように行われることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の一実施形態によれば、多層基板の歪みを低減しつつ、スリム化が可能で、不良率を低減できるという有用な効果を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の利点および特徴、そしてそれらを果たす方法は、添付の図面とともに詳細に後述する実施形態を参照すると明確になるであろう。しかし、本発明は以下に開示される実施形態に限定されず、互いに異なる様々な形態に具現することができる。本実施形態は、本発明の開示を完全にするとともに、本発明が属する技術分野において通常の知識を有した者に発明の範疇を完全に伝達するために提供されることができる。明細書全体において、同一の参照符号は同一の構成要素を示す。
【0029】
本明細書で用いられる用語は、実施形態を説明するためのものであり、本発明を限定しようとするものではない。本明細書において、単数型は文章で特に言及しない限り複数型も含む。明細書で用いられる「含む(comprise)」および/または「含んでいる(comprising)」は言及された構成要素、段階、動作および/または素子は一つ以上の他の構成要素、段階、動作および/または素子の存在または追加を排除しない。
【0030】
図示の簡略化および明瞭化のために、図面は一般的な構成方式を図示しており、本発明の説明において実施形態の論議を不明瞭にすることを避けるために、公知の特徴および技術に関する詳細な説明を省略することができる。さらに、図面の構成要素は必ずしも縮尺によって図示されたものではない。例えば、本発明の実施形態を容易に理解するために、図面の一部の構成要素のサイズが他の構成要素より誇張されることができる。互いに異なる図面における同一の参照符号は同一の構成要素を示し、必ずしもそうではないが、類似した参照符号は類似した構成要素を示すことができる。
【0031】
明細書および請求範囲において、「第1」、「第2」、「第3」および「第4」などの用語が記載されている場合、類似した構成要素同士を区別するために用いられ、必ずしもそうではないが、特定の順次または発生順序を記述するために用いられる。そのように用いられる用語は、ここに記述された本発明の実施形態が、例えば、ここに図示または説明されたものではなく他のシーケンスで動作するように適切な環境下で互換可能であることを理解することができる。同様に、ここで、方法が一連の段階を含むと記述される場合、ここに提示されたそのような段階の順序が必ずしもそのような段階が実行される順序ではなく、任意に記述された段階は省略することができ、および/またはここに記述されていない任意の他の段階をその方法に付加することができる。
【0032】
明細書および請求範囲において、「左側」、「右側」、「前」、「後」、「上部」、「底部」、「上に」、「下に」などの用語が記載されている場合には、説明のために用いられるものであり、必ずしも不変の相対的な位置を記述するためのものではない。そのように用いられる用語は、ここに記述された本発明の実施形態が、例えば、ここに図示または説明されたものではなく他の方向に動作するように適切な環境下で互換可能であることを理解することができる。ここで用いられた用語「連結された」は、電気的または非電気的な方式で直接または間接的に接続されることに定義される。ここで、互いに「隣接する」と記述された対象は、その文章が用いられる文脈に対して適切に、互いに物理的に接触するか、互いに近接するか、互いに同一の一般的な範囲または領域に存在することができる。ここで、「一実施形態において」という文章は、必ずしもそうではないが、同一の実施形態を意味する。
【0033】
以下、添付の図面を参照して本発明の構成および作用効果についてより詳細に説明する。
【0034】
図1は本発明の一実施形態による多層基板100を概略的に示す断面図であり、
図2は本発明の他の実施形態による多層基板100を概略的に示す断面図であり、
図3は
図1のA部分を拡大して概略的に示す図である。
【0035】
図1から
図3を参照すると、本発明の一実施形態による多層基板100は、第1絶縁層110と、第1回路パターン層P1と、第2回路パターン層P2と、第1ビルドアップ部120と、第2ビルドアップ部130と、を含むことができる。
【0036】
一実施形態において、第1絶縁層110は、コアとしての機能を果たすことができる。すなわち、多層基板100の剛性を強化して歪み現象を低減する役割を担当することができる。
【0037】
したがって、第1絶縁層110は、剛性の高い材質からなることができ、一実施形態において、第1絶縁層110は、ガラス材質からなることができる。
【0038】
一実施形態において、第1絶縁層の一面111には第1回路パターン層P1が形成され、第1絶縁層の他面112には第2回路パターン層P2が形成されることができる。ここで、第1回路パターン層P1と第2回路パターン層P2を回路パターン部と称することもできる。また、第1回路パターン層P1および第2回路パターン層P2は、第1絶縁層110の表面に接触する接着膜と、接着膜の表面に形成されるめっき膜と、を含むことができる。この際、接着膜は、チタンまたはクロムなどの金属材質からなることができ、めっき膜は、銅などの金属材質からなることができる。
【0039】
一方、第1絶縁層110の表面に第1回路パターン層P1および第2回路パターン層P2を形成する工程として、通常の露光、現像工程を適用することができる。一実施形態において、第1絶縁層110がガラス材質からなることができるが、一般的なガラス材質は透明であるため、第1回路パターン層P1を形成する過程で露光のために第1絶縁層の一面111に提供された光が第1絶縁層の他面112に逹して第2回路パターン層P2が形成される領域に影響を及ぼすことがある。すなわち、第1回路パターン層P1と第2回路パターン層P2が異なるパターン形状に具現される必要がある場合にも、第1回路パターン層P1の形状を具現するために照射された光が、第2回路パターン層P2が形成される領域に存在するフォトレジストの特性を変化させることがある。そのため、第2回路パターン層P2を所望の形態に形成することができない問題を誘発しうる。
【0040】
それだけでなく、第1絶縁層110の表面に第1回路パターン層P1や第2回路パターン層P2が設計されたことに応じて、正確に具現されたかを検査するための検査過程でも光を照射することがあるが、この過程でも第1絶縁層110がガラス材質からなることで、照射された光が第1絶縁層110を通過することがある。また、このように第1絶縁層110を通過した光が検査工程の精度を減少させることがある。
【0041】
一実施形態において、第1絶縁層110の光透過率が1〜50%になるようにすることができる。これにより、第1絶縁層の一面111に向かって照射された光が第1絶縁層の他面112に及ぼす影響が減少することができ、露光や検査工程で発生しうる上述の問題を解消することができる。
【0042】
ここで、光透過率とは、第1絶縁層の一面111に向かって照射された光の強度に対して、第1絶縁層の他面112に透過される光の強度の割合を意味することができる。すなわち、第1絶縁層の一面111に向かって照射された光の強度をIoとし、第1絶縁層110を通過して第1絶縁層の他面112に透過される光の強度をItとしたときに、光透過率はIt/Ioになるとのことである。
【0043】
一方、一実施形態において、第1絶縁層110に着色剤が含有されることで、第1絶縁層110の光透過率が1〜50%になることができる。この際、着色剤として様々な物質を適用してもよく、例えば、遷移金属イオンなどが含まれた錯化合物がガラス構成成分に含有されるようにしてもよい。
【0044】
また、他の実施形態において、第1絶縁層の一面111または第1絶縁層の他面112に有色樹脂をコーティングすることもできる。
【0045】
さらに他の実施形態において、第1絶縁層の一面111または第1絶縁層の他面112に表面粗さを形成することができる。
【0046】
固体が透明であるということは、固体に向かって照射された光が固体を通過しながら損失するエネルギーが少ないということを意味する。また、固体の表面に光が照射される場合、固体に吸収(absorption)されるか、反射(reflection)されるか、散乱(scattering)されることで、エネルギーの損失が発生しうる。ここで、固体の表面粗さ(surface roughness)が大きいほど散乱する程度が大きくなる。
【0047】
一方、露光工程や光学検査工程には、可視光線、i‐line(365nm)、h‐line(405nm)、g‐line(436nm)、KrF excimer laser(248nm)、ArF laser(193nm)などが用いられることができる。
【0048】
一実施形態において、第1絶縁層の一面111または第1絶縁層の他面112に向かって上述の光が照射されて光透過率が1〜50%になるようにするために、表面粗さを0.1μm以上にすることができる。
【0049】
表面粗さは、様々な方法で定義してもよく、本明細書では、所定のサンプリング範囲で測定されたRMS(Root Mean Square)表面粗さをもって表面粗さを定義する。
【0050】
図3を参照すると、第1絶縁層の一面111に表面粗さが形成された状態を理解することができる。
図3に示すLRはロングレンジ(Long Range)を意味し、SRはショートレンジ(Short Range)を意味することができる。
【0051】
光の散乱は、ヘイズ(haze)現象と、コントラスト(contrast)低下現象とに分けられる。
【0052】
ここで、ヘイズ現象は、ローアングル(low angle)での散乱によって相が曇る現象を意味する。また、コントラスト低下現象は、ラージアングル散乱(large angle scattering)によって誘発されうる。また、ヘイズ現象は、ラージスケール粗さ(large scale roughness)によって誘発され、ラージアングル散乱によるコントラスト低下は、スモールスケール粗さ(small scale roughness)によって誘発されうる。
【0053】
基板製造過程における光学検査や露光などに用いられる光学機器の場合、ヘイズ現象によるローアングル散乱に対して敏感に反応する傾向にある。したがって、表面粗さを、基板の検査、露光などによる回路形成などに有用に活用するためには、ラージスケール粗さ(large scale roughness)の管理が特に重要になる。これにより、一実施形態において、第1絶縁層の一面111または第1絶縁層の他面112上の表面粗さは、50μm以上のサンプリング範囲で測定されたRMS表面粗さの値が0.1μm以上になるものと定義することができる。
【0054】
一方、第1絶縁層110の表面粗さが増加するほど光透過率は低くなるが、表面粗さが大きくなりすぎると第1絶縁層110の表面に形成される第1回路パターン層P1や第2回路パターン層P2の精度に影響を及ぼすことがある。すなわち、第1絶縁層110の表面粗さが大きすぎると、第1回路パターン層P1や第2回路パターン層P2の配線幅またはパターンピッチを減少させることを妨げる恐れがある。したがって、一実施形態において、50μm以上のサンプリング範囲で測定されたRMS表面粗さの値を5.0μm以下にすることができる。
【0055】
これにより、第1絶縁層の一面111または第1絶縁層の他面112に、第1回路パターン層P1または第2回路パターン層P2を精密に形成することができ、その検査工程の正確度も向上することができる。
【0056】
特に、第1絶縁層110に着色剤が含有される場合と比較して、第1絶縁層110の表面に表面粗さが形成される場合には、第1絶縁層110の誘電率に影響を及ぼさず、第1絶縁層110を具現する製造コストの面においても有利である。
【0057】
また、第1絶縁層110の表面に有色樹脂をコーティングする場合と比較して、第1絶縁層110の表面に表面粗さが形成される場合には、多層基板100のスリム化においても有利である。
【0058】
また、第1絶縁層110の表面に適切な表面粗さが具現された場合、第1回路パターン層P1または第2回路パターン層P2をなす物質と第1絶縁層110との結合力を増加させる効果を奏することもできる。
【0059】
一方、
図1を再度参照すると、一実施形態において、第1絶縁層の一面111および第1回路パターン層P1上には第1ビルドアップ部120が設けられることができる。また、第1絶縁層110の下面および第2回路パターン層P2上には第2ビルドアップ部130が設けられることができる。
【0060】
ここで、第1ビルドアップ部120は、第1上部ビルドアップ絶縁層121を含み、第2ビルドアップ部130は、第1下部ビルドアップ絶縁層131を含むことができる。
【0061】
また、一実施形態において、第1ビルドアップ部120と第2ビルドアップ部130は、ビルドアップされた層数が互いに異なっていてもよい。例えば、第1ビルドアップ部120には、第2上部ビルドアップ絶縁層122および第3上部ビルドアップ絶縁層123がさらに含まれ、第2ビルドアップ部130には、第2下部ビルドアップ絶縁層132がさらに含まれてもよい。この際、第3上部ビルドアップ絶縁層123および第2下部ビルドアップ絶縁層132は、ソルダレジスト層であってもよい。
【0062】
本発明の一実施形態による多層基板100は、ガラス材質からなる第1絶縁層110を含むことで剛性が向上するため、第1絶縁層110を中心に両面に形成されるビルドアップ部が非対称的な構造に具現されても歪みを低減することができる。
【0063】
一方、第1絶縁層110には、キャビティCまたは凹部(図示せず)が設けられてもよく、このキャビティCまたは凹部には、電子部品10の一部または全部が挿入されてもよい。また、電子部品10には、外部電極11が設けられてもよい。
【0064】
図1には一面に外部電極11らが形成された能動素子である電子部品10が多層基板100に内蔵された場合が示されており、
図2にはキャパシタなどの受動素子である電子部品10´が多層基板200に内蔵された場合が示されている。
【0065】
また、示されていないが、第1ビルドアップ部120の外面には他の素子が接続されてもよく、第2ビルドアップ部130の外面はマザーボードなど他の基板構造に結合されてもよい。すなわち、
図1に示すように、電子部品10がアプリケーションプロセッサ(Application Processor;AP)の場合、第1ビルドアップ部120の外面にメモリ素子が結合することで、一種のパッケージオンパッケージ(Package On Package;POP)が具現されることもでき、このPOPがマザーボードに搭載されることもできる。
【0066】
以下、
図4Aから
図4Gを参照して、本発明の一実施形態による多層基板100の製造方法について説明する。
【0067】
図4Aは本発明の一実施形態により第1絶縁層110が提供された状態を概略的に示す図である。
図4Aを参照すると、光透過率が1〜50%であるガラス材質からなる第1絶縁層110が提供されることができる。この際、上述のように、第1絶縁層110が着色剤を含有するか、有色樹脂が表面にコーティングされるか、表面粗さが形成されることで光透過率が調整されることができる。
【0068】
一方、第1絶縁層110の表面粗さは、エンボス処理を施して形成されることができる。
【0069】
一実施形態において、エンボス処理は、サンドブラスト(sand blasting)などの機械的加工方法で具現することができる。
【0070】
他の実施形態において、第1絶縁層110にエッチング(etching)液を提供して化学的エッチング工程を行うことで、エンボス処理を具現することもできる。
【0071】
第1絶縁層110が薄型に形成される場合、機械的加工方法に比べて化学的エッチング工程を行うことが、第1絶縁層110の製造収率の向上において有利である。
【0072】
図4Bは本発明の一実施形態により第1絶縁層110にキャビティCが形成された状態を概略的に示す図である。
図4Bを参照すると、第1絶縁層110にキャビティCが形成されることができ、このキャビティCはレーザドリリングなどの方法で具現することができる。
【0073】
また、示されていないが、第1絶縁層110を貫通しない凹部が形成されてもよい。
【0074】
図4Cは本発明の一実施形態により第1絶縁層110に第1回路パターン層P1および第2回路パターン層P2が形成された状態を概略的に示す図である。
図4Cを参照すると、第1絶縁層の一面111に第1回路パターン層P1を形成し、第1絶縁層の他面112に第2回路パターン層P2を形成することができる。この際、第1絶縁層の一面111または第1絶縁層の他面112にエンボス処理が施されて表面粗さが形成された場合、回路パターンを具現するための露光工程や、回路パターンが適切に形成されたかを確認する検査工程などが精密に行われることができる。
【0075】
一方、第1絶縁層110を貫通するビアにより、第1回路パターン層P1と第2回路パターン層P2とが電気的に連結されることもできる。
【0076】
図4Dは本発明の一実施形態により第1絶縁層110のキャビティCに電子部品10が挿入された状態を概略的に示す図である。
図4Dを参照すると、キャビティCの内部に電子部品10の全部または一部が挿入されることができる。
【0077】
図4Eは本発明の一実施形態により第1絶縁層110に第1上部ビルドアップ絶縁層121および第1下部ビルドアップ絶縁層131が形成された状態を概略的に示す図である。
図4Eを参照すると、第1上部ビルドアップ絶縁層121および第1下部ビルドアップ絶縁層131は、通常の絶縁物質からなることができる。
【0078】
図4Fは本発明の一実施形態により導電パターンがさらに形成された状態を概略的に示す図であり、
図4Gは本発明の一実施形態によりビルドアップ絶縁層がさらに形成された状態を概略的に示す図である。
【0079】
図4Fおよび
図4Gを参照すると、第1上部ビルドアップ絶縁層121および第1下部ビルドアップ絶縁層131上に導電パターンがさらに形成されることができ、第2上部ビルドアップ絶縁層122、第3上部ビルドアップ絶縁層123、第2下部ビルドアップ絶縁層132などがさらに形成されることができることを理解することができる。