【解決手段】花火支持台1は、花火を支持するための第1開口部11が設けられた天板3と、天板3をその両側方で所定の高さに支持する左右脚部7と、左右脚部7に挟まれて天板3の下面に沿ってスライド移動可能な可動部材9と、を備えており、可動部材9のスライド移動に伴って第1開口部11の開口面積が変化し、天板3、左右脚部7及び可動部材9は、それぞれ、板部材から組み立て可能である。
前記第1開口部の開口面積が前記可動部材により調整される際には、前記開口面積の調整時における開口部位の形状が多角形状となる請求項1乃至4のいずれか1項に記載の花火支持台。
前記第1開口部の開口面積が前記可動部材により調整される際には、前記開口面積の調整時における開口部位の形状が四角形状となり、その形状と相似形状をもって縮小又は拡大可能とされている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の花火支持台。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の花火支持台では、蝶ナット等のネジ構造での固定が必要であるなど、構造が煩雑であり、花火をより簡便に支持できる構造のものが求められている。更には、従来の花火支持台は、搬送時において嵩張るものが多く、持ち運びがより容易な形態のものが求められている。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、持ち運びが容易であるとともに、花火の径の太さに応じて花火を簡便に支持することができる花火支持台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は以下のとおりである。
1.花火を支持するための第1開口部が設けられた天板と、
前記天板をその両側方で所定の高さに支持する左右脚部と、
前記左右脚部に挟まれて前記天板の下面に沿ってスライド移動可能な可動部材と、を備えており、
前記可動部材のスライド移動に伴って前記第1開口部の開口面積が変化し、
前記天板、前記左右脚部及び前記可動部材は、それぞれ、板部材から組み立て可能であることを特徴とする花火支持台。
2.前記天板よりも下方に前記左右脚部によって支持され、前記第1開口部に対応する位置に設けられた第2開口部を具備する中板を備え、
前記可動部材は前記天板と前記中板とに挟まれてスライド移動し、前記可動部材のスライド移動に伴って前記第1開口部と前記第2開口部とが連通する開口面積が変化する前記1.に記載の花火支持台。
3.前記第1開口部の縁部では、前記板部材の一部が下方に折り曲げられた後に折り返されて第1弾性片とされており、
前記第1弾性片は、前記可動部材と前記天板との間に挟まれつつ、その弾性により前記可動部材側に付勢されている前記2.に記載の花火支持台。
4.前記可動部材の側面には、折り返して形成された第2弾性片が設けられ、
前記第2弾性片は、その弾性により前記左右脚部の少なくとも一方の内側面に付勢されている前記2.又は3.に記載の花火支持台。
5.前記第1開口部の開口面積が前記可動部材により調整される際には、前記開口面積の調整時における開口部位の形状が多角形状となる前記1.乃至4.のいずれかに記載の花火支持台。
6.前記第1開口部の開口面積が前記可動部材により調整される際には、前記開口面積の調整時における開口部位の形状が四角形状となり、その形状と相似形状をもって縮小又は拡大可能とされている前記1.乃至4.のいずれかに記載の花火支持台。
【発明の効果】
【0006】
上記1.の花火支持台は、第1開口部が設けられた天板と、天板をその両側方で所定の高さに支持する左右脚部と、左右脚部に挟まれて天板の下面に沿ってスライド移動可能な可動部材とを備えた花火支持台である。天板、左右脚部及び可動部材は、それぞれ、板部材から組み立て可能となっている。そして、可動部材のスライド移動に伴って第1開口部の開口面積が変化する。
このような構成とされていると、花火の径の太さに応じて第1開口部の開口面積を調整することができ、この調整された第1開口部に花火を入れて支持することができる。この場合には、花火の径の太さに応じた複数の花火支持台を作成するよりも簡便である。また、花火支持台は、板部材から組立可能となっているから、搬送時には折り畳むことで嵩張らない。
【0007】
上記2.の花火支持台は、天板よりも下方に左右脚部によって支持され、第1開口部に対応する位置に設けられた第2開口部を具備する中板を備える。そして、可動部材は天板と中板とに挟まれてスライド移動し、可動部材のスライド移動に伴って第1開口部と第2開口部とが連通する開口面積が変化する。
このような構成とされていると、花火の径の太さに応じて第1開口部と第2開口部とが連通する開口面積を調整することができ、この調整された第1開口部及び第2開口部に花火を入れて支持することができる。この場合には、第1開口部及び第2開口部の両方で花火を支持することができ、花火の支持状態をより安定させることができる。
【0008】
上記3.の花火支持台は、第1開口部の縁部では、板部材の一部が下方に折り曲げられた後に折り返されて第1弾性片とされている。また、第1弾性片は、可動部材と天板との間に挟まれつつ、その弾性により可動部材側に付勢されている。
このような構成とされていると、可動部材に第1弾性片が付勢されているので、可動部材が不用意に動いて花火の支持が不安定になることを抑制することができる。
【0009】
上記4.の花火支持台は、可動部材の側面には、折り返して形成された第2弾性片が設けられており、第2弾性片は、その弾性により左右脚部の少なくとも一方の内側面に付勢されている。
このような構成とされていると、可動部材に第2弾性片が付勢されているので、可動部材が不用意に動いて花火の支持が不安定になることを抑制することができる。
【0010】
上記5.の花火支持台は、第1開口部の開口面積が可動部材により調整される際には、開口面積の調整時における開口部位の形状が多角形状となる。
このような構成とされていると、用いられる花火が様々な径の太さであっても、常に、多角形における複数の辺に相当する部分で花火を支持することができるため、花火の姿勢を安定して保つことができる。
【0011】
上記6.の花火支持台は、第1開口部の開口面積が可動部材により調整される際には、開口面積の調整時における開口部位の形状が四角形状となり、その形状と相似形状をもって縮小又は拡大可能とされている。
このような構成とされていると、用いられる花火が様々な径の太さであっても、常に、四角形の4辺に相当する部分で花火を支持することができるため、花火の姿勢を安定して保つことができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の花火支持台は、板部材から組立可能となっており、天板と、天板を支える左右脚部と、左右脚部に挟まれて天板の下面に沿ってスライド移動可能な可動部材と、を備えたものである。そして、天板には、第1開口部が設けられるとともに、可動部材のスライド移動に伴って、第1開口部の開口面積が変化する。
【0014】
本発明の花火支持台を構成する上記板部材の材質は特に限定されず、例えば、紙製、樹脂製、金属製のものを用いることができ、特に、難燃性が付与された紙製、樹脂製、金属製の板部材を用いることが好ましい。また、搬送時における折り畳み性や軽量性の観点から、この板部材は、厚紙やダンボール等の紙製の板部材(特に、難燃性が付与された、厚紙やダンボール等の紙製の板部材)とすることが好ましい。
また、板部材の厚みは特に限定されず、例えば、0.1〜10mm(特に0.3〜8mm、更には0.5〜5mm)とすることができる。
【0015】
上記天板の形状は特に限定されず、例えば、略矩形状とすることができる。
この天板の配設される高さは特に限定されないが、花火支持台の設置面から、10〜300mm(特に20〜200mm、更には30〜100mm)の高さに配設されることが好ましい。
【0016】
また、上記天板には上記第1開口部が設けられており、本発明の花火支持台により支持される花火は、この第1開口部に挿通される。
第1開口部の形状は、花火を挿通することができる限り特に限定されない。具体的には、例えば、ホームベース形状(
図1における第1開口部11を参照)、四角等の多角形状とすることができる。
尚、支持される花火の形状は、通常、筒状等の長尺状の花火である。また、花火の支持される部位の直径は、通常、150mm以下(特に0.5〜120mm、更には1〜100mm)である。
【0017】
また、第1開口部の開口面積は、上記可動部材のスライド移動に伴って変化させることができる。即ち、上記可動部材により開口面積を調整可能な構成とされている。
この開口面積が可動部材により調整される際には、開口面積の調整時における開口部位の形状(第1開口部と可動部材とにより形成される開口部位の形状)が、多角形状(例えば、三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、八角形等)となることが好ましい。開口部位の形状が、多角形状である場合、開口部位における複数の辺に相当する部分で花火を支持することができるため、即ち、開口部位における複数の支点で花火を支持することができるため、花火の姿勢を安定して保つことができる。
特に、本発明の花火支持台においては、第1開口部の開口面積が可動部材により調整される際には、開口面積の調整時における開口部位の形状が四角形状となり、その形状と相似形状をもって縮小又は拡大可能とされていることが好ましい。このような構成とされていると、用いられる花火が様々な径の太さであっても、常に、四角形の4辺に相当する部分で花火を支持することができるため、花火の姿勢を安定して保つことができる。
【0018】
上記可動部材の構成は、左右脚部に挟まれて天板の下面に沿ってスライド移動させることにより、第1開口部の開口面積を調整可能である限り特に限定されない。具体的には、例えば、一端側が開放された箱体であって、一端側における上面及び下面には、略V字状の切り欠き部が形成されたものを挙げることができる(
図4における可動部材9を参照)。更には、板状体や、その一端側に略V字状の切り欠き部が形成された板状体等を挙げることができる。尚、これらの形態においては、略V字状の切り欠き部を備えるものは、切り欠き部が形成された側が、花火側となる。
【0019】
上記左右脚部の構成は特に限定されず、上記天板をその両側方で所定の高さに支持できる構成であればよい。具体的には、例えば、花火支持台の側方に壁状に立設された形態を挙げることができる(
図1における左右脚部7を参照)。
【0020】
また、本発明の花火支持台は、天板よりも下方に左右脚部によって支持され、第1開口部に対応する位置に設けられた第2開口部を具備する中板を備える形態とすることができる。この際、可動部材は天板と中板とに挟まれてスライド移動し、可動部材のスライド移動に伴って第1開口部と第2開口部とが連通する開口面積が変化する。
このような形態である場合、花火の径の太さに応じて第1開口部と第2開口部とが連通する開口面積を調整することができ、この調整された第1開口部及び第2開口部に花火を入れて支持することができる。そして、第1開口部及び第2開口部の両方で花火を支持することができ、花火の支持状態をより安定させることができる。
【0021】
上記中板の形状は特に限定されず、例えば、略矩形状とすることができる。
この中板の配設される高さは上記天板よりも下方の位置である限り特に限定されないが、花火支持台の設置面から、5〜150mm(特に10〜100mm、更には15〜50mm)の高さに配設されることが好ましい。
また、第2開口部の形状は、花火を挿通することができる限り特に限定されない。具体的には、例えば、ホームベース形状(
図1における第2開口部19を参照)、四角等の多角形状とすることができる。特に、第1開口部の形状と同等であることが好ましい。
【0022】
また、本発明の花火支持台は、第1開口部の縁部では、板部材の一部が下方に折り曲げられた後に折り返されて第1弾性片(
図3における第1弾性片15を参照)とされており、第1弾性片は、可動部材と天板との間に挟まれつつ、その弾性により可動部材側に付勢されている形態とすることができる。
このような構成とされていると、可動部材に第1弾性片が付勢されているので、可動部材が不用意に動いて花火の支持が不安定になることを抑制することができる。
【0023】
また、本発明の花火支持台は、可動部材の側面には、折り返して形成された第2弾性片(
図4における第2弾性片43を参照)が設けられ、第2弾性片は、その弾性により左右脚部の少なくとも一方の内側面に付勢されている形態とすることができる。
このような構成とされていると、可動部材に第2弾性片が付勢されているので、可動部材が不用意に動いて花火の支持が不安定になることを抑制することができる。
【実施例】
【0024】
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。
<実施例1>
[1]花火支持台の構成
図1〜
図9に示すように、実施例1における花火支持台1は、天板3と、天板3の下方に設けられた中板5と、花火支持台1の側方において壁状に立設され、天板3及び中板5をそれらの両側方で所定の高さに支持する左右脚部7と、天板3及び中板5に挟まれてスライド移動可能に設けられた可動部材9と、を備えている。尚、この花火支持台1は、難燃性を有する紙製の板部材から組立可能となっている。
天板3には、ホームベース形状の第1開口部11が設けられており、その縁部13には、板部材の一部が下方に折り曲げられた後に折り返された弾性片(第1弾性片15)を備えている。また、天板3の端部17は、下方側に略直角となるように折り曲げられており、先端側が中板5に系着されている(
図3参照)。
中板5には、天板3における第1開口部11の下方で、この第1開口部11に対応する位置(重なる位置)に、第1開口部11と同形状の第2開口部19が設けられており、その縁部21には、板部材の一部が上方に折り曲げられた後に折り返された弾性片(第3弾性片23)を備えている。
左右脚部7の一方の側面側の下方には羽根部25が形成されており、他方の側面側には窓部27、29が形成されている。
可動部材9は、板部材から組立可能となっており、
図4に示すように、一端側31が開放された箱体である。可動部材9の一端側31における上面33及び下面35には、同一の略V字状の切り欠き部37が形成されており、その他端側39には、把持部41が形成されている。また、可動部材9の一側面(花火支持台1の左右脚部7における窓部27、29が形成されている側)には、板部材の一部が外方に折り曲げられた後に折り返された弾性片(第2弾性片43)を備えている。
そして、実施例1の花火支持台1では、スライド移動可能な可動部材9により、第1開口部11及び第2開口部19の開口面積が調整可能とされている。具体的には、
図5の(a)〜(e)に示すように、可動部材9を移動させることにより、第1開口部11の開口面積を調整することができる。特に、
図5の(a)〜(c)に示すように、開口部位の形状が四角形状である場合には、その形状と相似形状をもって縮小又は拡大可能とされている。また、
図5の(c)よりも更に開口部位の開口面積を拡げた場合には、開口部位の形状は、六角形(
図5の(d)参照)や、七角形(
図5の(e)参照)となる。
【0025】
[2]実施例1の作用効果
実施例1の花火支持台1を用いることで、以下のように花火を支持することができる。
まず、
図5の(e)に示すように、第1開口部11及び第2開口部19の開口面積が拡大する方向に可動部材9を移動させた状態で、花火を花火支持台1の上方又は下方から第1開口部11及び第2開口部19に挿通する。次いで、
図5の(a)に示すように、第1開口部11及び第2開口部19の開口面積が縮小する方向に可動部材9を移動させる。このように操作することで、
図6〜
図9に示すように、花火45の径の太さに応じて、花火45を安定して支持することができる。
【0026】
実施例1の花火支持台1では、可動部材9を移動させることにより、第1開口部11及び第2開口部19の開口面積を調整することができるため、花火の径の太さに応じて、花火を支持することができる。この際、開口面積の調整時における開口部位の形状が多角形状となり、用いられる花火が様々な径の太さであっても、常に、多角形における複数の辺に相当する部分で花火を支持することができるため、花火の姿勢を安定して保つことができる。特に、開口面積の調整時における開口部位の形状が四角形状となる際には、その形状と相似形状をもって縮小又は拡大可能とされているため、常に、四角形の4辺に相当する部分で花火を支持することができ、花火の姿勢を安定して保つことができる。
また、この花火支持台1では、開口面積が調整された第1開口部11及び第2開口部19の両方で花火を支持することができるため、花火の姿勢を安定して保つことができる。
【0027】
実施例1の花火支持台1では、第1開口部11の縁部13に第1弾性片15が設けられており、この第1弾性片15は、可動部材9と天板3との間に挟まれつつ、その弾性により可動部材側に付勢されているので、可動部材9が不用意に動いて花火の支持が不安定になることを抑制することができる。
また、この花火支持台1では、可動部材9の側面に第2弾性片43が設けられており、可動部材9に第2弾性片が付勢されているので、可動部材9が不用意に動いて花火の支持が不安定になることを抑制することができる。
更に、この花火支持台1では、第2開口部19の縁部21に第3弾性片23が設けられており、この第3弾性片23は、可動部材9と中板5との間に挟まれつつ、その弾性により可動部材側に付勢されているので、可動部材9が不用意に動いて花火の支持が不安定になることを抑制することができる。
【0028】
実施例1の花火支持台1では、天板3の端部17が、下方側に略直角となるように折り曲げられており、先端側が中板5に系着されているため、十分な強度を備えている。
また、この花火支持台1における左右脚部7の一方の側面側の下方には羽根部25が形成されており、この羽根部25の上方に水の入ったバケツや石等のオモリを載置することで、風等による花火支持台1の転倒を十分に抑制することができる。
更に、この花火支持台1における左右脚部7の他方の側面側には窓部27、29が形成されており、花火45の導火線47が下方に配設されている場合には、導火線47が窓部側となるように花火45を支持させ、この窓部27、29を介して、導火線に着火することができる(
図9参照)。
また、この花火支持台1は、板部材から組立可能となっており、搬送時には平面的に折り畳むことができ、嵩張らない。尚、可動部材9も本体から取り外し、搬送時には平面的に折り畳むことができる。
【0029】
尚、本発明においては、上記実施例1に限られず、目的、用途に応じて、本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。
例えば、実施例1の花火支持台1においては、中板5を配設しているが、この中板5を省いた構成としてもよい。また、実施例1の花火支持台1においては、可動部材9の構成を箱体としているが、板状の構成とすることもできる。