特開2015-134076(P2015-134076A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-134076(P2015-134076A)
(43)【公開日】2015年7月27日
(54)【発明の名称】什器用脚キャップ
(51)【国際特許分類】
   A47B 91/12 20060101AFI20150701BHJP
   A47B 91/04 20060101ALN20150701BHJP
【FI】
   A47B91/12
   A47B91/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-6772(P2014-6772)
(22)【出願日】2014年1月17日
(71)【出願人】
【識別番号】395016143
【氏名又は名称】株式会社ジェクティブ
(74)【代理人】
【識別番号】100087653
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 正二
(72)【発明者】
【氏名】柳楽 行雄
【テーマコード(参考)】
3B069
【Fターム(参考)】
3B069BA02
3B069EA03
3B069EA08
(57)【要約】
【課題】鋭意研究による構造工夫により、従来品に比べて接地部材が剥がれ難くなるようにして、実質的に耐久性や信頼性が向上する状態に改善された什器用脚キャップを提供する。
【解決手段】什器用脚キャップにおいて、家具類の脚先端4aを受止め可能な有底筒状のキャップ本体1と、キャップ本体1の底面1b及び側周面9に亘って被さる状態でキャップ本体1に設けられる接地部材2と、接地部材2における側周面9に外囲される側周壁部5及び側周面9に嵌着され、かつ、家具類の脚先端部4に嵌着可能な筒状のキャップ上部3と、を有してなることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具類の脚先端を受止め可能な有底筒状のキャップ本体と、
前記キャップ本体の底面及び側周面に亘って被さる状態で前記キャップ本体に設けられる接地部材と、
前記接地部材における前記側周面に外囲される側周壁部及び前記側周面に嵌着され、かつ、家具類の脚先端部に嵌着可能な筒状のキャップ上部と、
を有してなる什器用脚キャップ。
【請求項2】
前記キャップ上部がエラストマー製であるとともに、前記キャップ本体は前記キャップ上部のエラストマーと同質で、かつ、硬度は硬いエラストマーからなる請求項1に記載の什器用脚キャップ。
【請求項3】
前記キャップ本体と前記キャップ上部との何れか一方に形成される凸部と、何れか他方に形成される凹部との嵌合による凹凸嵌合部が設けられている請求項1又は2に記載の什器用脚キャップ。
【請求項4】
前記キャップ上部は、前記接地部材が設けられている状態の前記キャップ本体と一体化されている請求項1〜3の何れか一項に記載の什器用脚キャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーブルや椅子等の家具類(什器)の脚の下端部に嵌めて使用されるキャップ、即ち、什器用脚キャップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
椅子の脚や食卓用テーブルの脚といった家具類の脚の先端に被せて使用される脚キャップが知られている。これらの脚キャップは、椅子等の引き摺りによって床や脚先に傷が付かないようにする防護機能、或いは、容易に移動しないように安定的に設置させる滑り止め機能を得るために、脚の下端部に装着される。脚のある什器としては、勉強机や会議用机といった机、ベッド、マガジンラックなど種々のものが考えられる。
【0003】
このような脚キャップの例としては、特許文献1において開示されたものがあり、このものでは、キャップの底面に床面保護用としてシート状の接地部材(12)を接着している。
【0004】
しかしながら、下面に接地部材を貼り付けた脚キャップでは、繰り返し床と擦れること、即ち、通常使用での経時により、接地部材が剥がれるとか剥がれて取れたり千切れたりする、という問題が多く出ているのが実情であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−017901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、鋭意研究による構造工夫により、従来品に比べて接地部材が剥がれ難くなるようにして、実質的に耐久性や信頼性が向上する状態に改善された什器用脚キャップを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、什器用脚キャップにおいて、
家具類の脚先端4aを受止め可能な有底筒状のキャップ本体1と、
前記キャップ本体1の底面1b及び側周面9に亘って被さる状態で前記キャップ本体1に設けられる接地部材2と、
前記接地部材2における前記側周面9に外囲される側周壁部5及び前記側周面9に嵌着され、かつ、家具類の脚先端部4に嵌着可能な筒状のキャップ上部3と、
を有してなることを特徴とするものである。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の什器用脚キャップにおいて、
前記キャップ上部3がエラストマー製であるとともに、前記キャップ本体1は前記キャップ上部3のエラストマーと同質で、かつ、硬度は硬いエラストマーからなることを特徴とするものである。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の什器用脚キャップにおいて、
前記キャップ本体1と前記キャップ上部3との何れか一方に形成される凸部1tと、何れか他方に形成される凹部3cとの嵌合による凹凸嵌合部10が設けられていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の什器用脚キャップにおいて、
前記キャップ上部3は、前記接地部材2が設けられている状態の前記キャップ本体1と一体化されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、キャップ本体の底面及び側周面に被さる立体的なものに形成されている接地部材の側周壁部が、キャップ本体とキャップ上部とによって挟持支持されている。従って、接地部材はその開放端である上端部がサンドイッチ構造でしっかりと挟まれた状態で支持されているから、接地部材に強い又は重い引き摺り力が、そしてそれらの力が繰り返されても接地部材は剥がれ難く、早期に剥がれないものに改善されている。
その結果、従来品に比べて接地部材が剥がれ難くなるようにして、実質的に耐久性や信頼性が向上する状態に改善された什器用脚キャップを提供することができる。
【0012】
請求項2の発明によれば、キャップ本体は硬質エラストマー製とされて強度及び剛性に富み、家具類の荷重やは引き摺りの力やその作用に耐えることができる。そして、家具類の脚などに被さるキャップ上部は軟質エラストマー製とされて、弾性に富むことで各種の径の脚類に弾性嵌合可能である、という脚キャップとして好ましいものに構成することができる。
【0013】
請求項3の発明によれば、互いに嵌合する凸部と凹部とが、キャップ本体とキャップ上部とに振り分け形成されてなる凹凸嵌合部が設けられているので、大型化することなく接触面積を増やすことができて、キャップ本体とキャップ上部との一体化強さが補強される利点がある。
【0014】
請求項4の発明によれば、接地部材が設けられているキャップ本体にキャップ上部が一体化されているから、キャップ本体、キャップ上部、接地部材の3部品が各別に一体化される場合に比べて、接地部材の側周壁部をキャップ上部とキャップ本体とで強固に挟持しての強固な一体化手段が、生産し易いものとしながら得ることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】脚キャップの正面図
図2】(a)脚キャップの平面図、(b)脚キャップの底面図
図3】脚キャップの断面図
図4】脚キャップの構造を示す分解斜視図
図5】キャップ本体とキャップ上部との凹凸嵌合構造を示す要部の断面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明による什器用脚キャップの実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以降においては簡単のため、什器用脚キャップは基本的に「脚キャップ」と称呼するものとする。
【0017】
〔実施形態1〕
図1図3に本発明による脚キャップAが示されている。この脚キャップAは、硬質エラストマー製のキャップ本体1と、キャップ本体1の下側に装備される接地部材2と、キャップ本体1の上側に配備される軟質エラストマー製のキャップ上部3との3部品を一体化することにより構成されている。実施形態1による脚キャップAは、軸心Pを有する回転体の形状に形成されており、軸心P方向視で円形を呈している。
図1は、脚キャップAの使用状況の例を示しており、家具類の脚Lに装填されて接地部材2が床Fに接地している。
【0018】
キャップ本体1は、図1,3,4に示すように、本体底壁1Aと本体側周壁1Bとを有してなる有底筒状のエラストマー体である。
比較的肉厚の本体底壁1Aは、家具類の脚Lの脚先端4aを受止め可能な受止め面1c、接地部材2を貼り付けて設ける下部貼着面である底面1bを備えている。
本体側周壁1Bには、接地部材2を設置して固定する面である下部側周面1d、下方に行くほど大径となる角度が付けられた傾斜面である上部側周面1e(側周面9)、内周面1a、及び上部側周面1eと内周面1aとに連なる幅の狭い環状上面1fを備えている。
【0019】
上部側周面1eの下端の径は、一例として、下部側周面1dの上端の径に接地部材2の厚みの2倍を加えた値に設定される。
また、本体側周壁1Bには、軸心Pに関して対称となる位置において上方突出する突起部である一対の凸部1t,1tが形成されている。凸部1tの内側面は、内周面1aと面一の面となっている。
【0020】
接地部材2は、図1図4に示すように、略茶碗形状(又は有底筒状形状)に形成されたフェルトからなる。このフェルトでなる接地部材2は、本体側周壁1Bの下部側周面1dに外装される側周壁部5、本体底壁1Aの底面1bに外装される底面部分6、及び、これら側周壁部5と底面部分6とを繋ぐ曲面部分7とを有している。接地部材2は、接着材などを用いてキャップ本体1を外囲する状態で貼着(接着)されている。
【0021】
キャップ上部3は、図1図5に示すように、家具類の脚Lの脚先端部4に密外嵌可能とすべく比較的小径の窄まり上部3Bと、全体的に窄まり上部3Bよりも大径な上部本体3Aとを有する下拡がり状の筒体に構成されている。このキャップ上部3は、キャップ本体1のエラストマーと材質は同じであるが硬度は硬いエラストマー製とされている。
上部本体3Aには、キャップ本体1の上部側周面1e、環状上面1fに外囲する面である傾斜内周面3a、及び環状底面3bが形成されるとともに、凸部1tを内嵌させるために凹入形成された内嵌部である凹部3cを備えている。
また、上部本体3Aは、下方ほど薄肉となる状態で接地部材2の側周壁部5を外囲する下端周壁部8を有している。なお、上部側周面1eと下部側周面1dとをまとめて側周面9と呼ぶものとする。
【0022】
要するに、脚キャップAは、家具類の脚Lの脚先端4aを受止め可能な受止め面1cを備える有底筒状のキャップ本体1と、キャップ本体1の底面1b及び下部側周面1dに亘って被さる状態でキャップ本体1に設けられる接地部材2と、接地部材2におけるキャップ本体1の下部側周面1dに外囲される側周壁部5及びキャップ本体1の上部側周面1eに嵌着され、かつ、家具類の脚Lの脚先端部4に嵌着可能な筒状のキャップ上部3と、を有して構成されている。
【0023】
脚キャップAの作製方法の例としては、次のとおりに行う。まず、フェルトでなる接地部材2を型に入れておき、それから型に硬質エラストマー樹脂をインジェクションしてキャップ本体1を成形するインサート成形を行う。次いで、接地部材2が一体化されたキャップ本体1を型に設置してから、軟質エラストマー樹脂をインジェクションしてキャップ上部3を成形するインサート成形を行う。
この言わば二段階インサート成形により、キャップ本体1、接地部材2、キャップ上部3の三者が強固に一体化された丈夫な脚キャップAを形成することが可能である。
【0024】
なお、キャップ上部3を軟質ゴム製とし、キャップ本体1を硬質ゴム製として上記の二段階インサート成形を行うとともに、その後の加熱処理による加硫によって接地部材2をキャップ本体1に加硫接着するととにより、3部品(キャップ本体1、接地部材2、キャップ上部3)が一体化された脚キャップAを形成しても良い。
また、先に成形されているキャップ本体1に接着剤などを用いて接地部材2を貼着し、それからキャップ上部3をインサート成形する、という方法、或いその他の製法も可能である。
【0025】
上述のように構成された脚キャップAは、図3図5に示すように、立体的な形状に形成されている接地部材2は、その側周壁部5をキャップ本体1とキャップ上部3とで挟まれた状態で、つまりは強固に一体化されている。そのため、家具類の脚Lに装着されて繰り返し引き摺られるなどされても、早期に剥がれる不都合なく、長期に亘って持ち応える耐久性が発揮されるものとなっている。
【0026】
フェルトやプラスチック、或いはゴムなどによる接地部材が平面状の底面に単に貼られた従来構造のものでは、引き摺りなどの外力により、比較的簡単に、或いは早期に接地部材が剥がれたり破れたりする不都合が生じていた。
これに対して、立体的な形状に形成された接地部材2の上部である側周壁部5が挟持支持される構造を採る本発明品の脚キャップAでは、強い又は重い引き摺りが、又はそれらが繰り返されても接地部材2が剥がれ難くなっており、早期に剥がれないものに改善されている。
【0027】
キャップ本体1とキャップ上部3とは、互いに内外に密に被さり、かつ、凸部1tと凹部3cとによる凹凸嵌合部10も有していて接触面積が増大されているので、強固に一体化されている。つまり、キャップ本体1とキャップ上部3との一体化強さを補強する凹凸嵌合部10が設けられている。
そして、キャップ本体1は硬質エラストマー製とされて強度及び剛性に富むので、家具類(什器)の荷重やは引き摺りの力やその作用に耐えるものになっている。家具類(什器)の脚Lなどに被さるキャップ上部3は軟質エラストマー製とされて、弾性(弾力)に富むことで各種の径の脚類に弾性嵌合可能な好ましいものに構成されている。
【0028】
また、キャップ上部3は、接地部材2が設けられている状態のキャップ本体1と一体化されているので、キャップ上部3と接地部材2とキャップ本体1との3部品を一挙に一体化する場合に比べて、キャップ上部3とキャップ本体1との一体化が行い易いものとしながら、接地部材2の側周壁部5をキャップ上部3とキャップ本体1とで強固に挟持しての一体化も可能となる優れものである。
【0029】
〔別実施形態〕
キャップ本体1の底面1bが球状であり、従って接地部材2の底面部分6も球状となる形状など、脚キャップAの形状は種々の変更設定が可能である。
この球状の場合のように、「キャップ本体1の底面1b及び側周面9に亘って被さる状態」とは、底面1bと側周面9(下部側周面1d)とが境目の無い連続した形状のものに被さる状態も含んでいる。
【0030】
エラストマー(エラストマー樹脂)とは、常温で大きな弾性(可撓性)を有する高分子物質の総称であり、TPE(Thermo‐Plastic Elastomer)、TPR(Thermo‐Plastic Rubber)、ゴム、合成ゴム、EPDM、その他の各種材料が使用可能である。
また、キャップ本体1、キャップ上部3、接地部材2の材質も種々の変更設定が可能であるし、キャップ上部3に凸部1tが、かつ、キャップ本体1に凹部3cが形成されてなる凹凸嵌合部10でも良い。
【符号の説明】
【0031】
1 キャップ本体
1b 底面
1t 凸部
2 接地部材
3 キャップ上部
3c 凹部
4 脚先端部
4a 脚先端
5 側周壁部
9 側周面
10 凹凸嵌合部
図1
図2
図3
図4
図5