【解決手段】透光性を有する基板11と印刷が施された表層シート21の少なくとも何れか一方にUV接着剤23を塗工する塗布工程。基板11の前面に表層シート21を置く載置工程。載置工程後に、基板11と表層シート21との一部分同士の間の位置固定を行う位置固定工程。基板11と表層シート21との間の脱泡を行う空気排除工程。空気排除工程後に、UV接着剤23の全体を硬化させる硬化工程。以上の工程によって遊技機用化粧板を製造する。
紫外線を透過しない部分を有する非透過パネル・シートと、前記非透過パネル・シートに重ねて配置される紫外線を透過する透過性パネル・シートとを、位置合わせして貼り合わせる工程を備えた遊技機用化粧板の製造方法において、非透過パネル・シートの裏面と透過性パネル・シートの前面との少なくとも何れか一方に紫外線硬化型接着剤を塗工する塗布工程と、
前記塗布工程後に、前記透過性パネル・シート前面に前記非透過パネル・シートを置く載置工程と、
前記載置工程後に、透過性パネル・シートと前記非透過パネル・シートとの一部分同士の間の位置固定を行う位置固定工程と、
前記位置固定を行った状態で、前記透過性パネル・シートと前記非透過パネル・シートとの間の脱泡を行う空気排除工程と、
空気排除工程後に、前記紫外線硬化型接着剤の全体を硬化させる硬化工程と、
を含むことを特徴とする遊技機用化粧板の製造方法。
前記透過性パネル・シートに前記紫外線硬化型接着剤を回収する凹部を形成しておき、前記空気排除工程において、前記位置固定を行った箇所から前記凹部に向けて押圧部材を移動させることにより、前記透過性パネル・シートと前記非透過パネル・シートとの間の脱泡を行い、余剰の前記紫外線硬化型接着剤を前記凹部に回収することを特徴とする請求項1に記載の遊技機用化粧板の製造方法。
前記透過性パネル・シートの位置決めを行う枠と、枠の上面に設けられた枠凹部とを備えた治具を用意し、前記空気排除工程において、前記枠と透過性パネル・シートとの少なくとも上面を密着させ、前記位置固定を行った箇所から前記凹部に向けて押圧部材を移動させることにより、前記透過性パネル・シートと前記非透過パネル・シートとの間の脱泡を行い、余剰の前記紫外線硬化型接着剤を前記枠凹部に回収することを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機用化粧板の製造方法。
前記位置固定工程は、前記透過性パネル・シートの少なくとも1辺と前記非透過パネル・シートの少なくとも1辺とを位置固定辺として、前記両1辺同士を固定する工程であり、
前記空気排除工程は、前記位置固定辺から対向する位置にある自由辺に向けて、前記透過性パネル・シートと前記非透過パネル・シートとの間の脱泡を行う工程であり、
前記自由辺は、前記透過性パネル・シートと前記非透過パネル・シートとが接着されていない辺であり、
前記位置固定辺同士の固定によって、前記脱泡を行う際に、前記透過性パネル・シートと前記非透過パネル・シートとの位置ずれが抑制され、
前記位置固定工程の固定は、前記塗布工程にて塗工された前記紫外線硬化型接着剤を硬化させることによってなされるものであり、これによって、前記位置固定工程用の別個の紫外線硬化型接着剤の塗工が不要となることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機用化粧板の製造方法。
前記硬化工程は、前記透過性パネル・シートを下にして複数の移送面上を移動させながら、前記複数の移送面間の隙間の下方から紫外線を上方に照射することによって、前記紫外線硬化型接着剤を順次硬化させるものであることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の遊技機用化粧板の製造方法。
前記塗布工程の前に前記透過性パネル・シートの前記前面以外の部分にマスキングを施し、前記硬化工程の後に前記マスキングを外すことを特徴とする請求項6又は7に記載の遊技機用化粧板の製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、印刷が施された印刷面を有するなどして紫外線を透過しない部分が形成された非透過パネル・シートと、前記非透過パネル・シートに重ねて配置される紫外線を透過する透過性パネル・シートとを、位置合わせして貼り合わせる工程を備えた遊技機用化粧板の製造方法において、正確な位置合わせによって、確実に、両者の接着固定が可能な遊技機用化粧板との製造方法と、この製造方法の実施に用いることができる製造装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、紫外線を透過しない部分を有する非透過パネル・シートと、前記非透過パネル・シートに重ねて配置される紫外線を透過する基材パネル透過性パネル・シートとを、位置合わせして貼り合わせる工程を備えた遊技機用化粧板の製造方法において、装飾シート非透過パネル・シートの裏面と基材パネル透過性パネル・シートの前面との少なくとも何れか一方に紫外線硬化型接着剤を塗工する塗布工程と、前記塗布工程後に、前記基材パネル透過性パネル・シート前面に前記装飾シート非透過パネル・シートを置く載置工程と、前記載置工程後に、基材パネル透過性パネル・シートと前記装飾シート非透過パネル・シートとの一部分同士の間の位置固定を行う位置固定工程と、前記位置固定を行った状態で、前記基材パネル透過性パネル・シートと前記非透過パネル・シートとの間の脱泡を行う空気排除工程と、空気排除工程後に、前記紫外線硬化型接着剤の全体を硬化させる硬化工程とを行なうことを特徴とする。
【0009】
前記位置固定工程によって、両シート・パネルが位置合わせした状態で固定されるため、次に行われる前記空気排除工程中に両者がずれるおそれがなく、正確な位置決めによって、両者を確実に接着することができる。
本発明にあっては、前記透過性パネル・シートに前記紫外線硬化型接着剤を回収する凹部を形成しておき、前記空気排除工程において、前記位置固定を行った箇所から前記凹部に向けてローラ等の押圧部材を移動させることにより、前記透過性パネル・シートと前記非透過パネル・シートとの間の脱泡を行い、余剰の前記紫外線硬化型接着剤を前記凹部に回収するようにしてもよい。これによって、余剰の前記紫外線硬化型接着剤を能率的に且つ確実に回収できる。
【0010】
特に、前記透過性パネル・シートの位置決めを行う枠と、前記枠に対して前記非透過パネル・シートの一部を固定するための位置固定手段とを備えた治具を用意することで、前記位置固定工程では、前記透過性パネル・シートが前記枠に対して位置決めされた状態で、前記非透過パネル・シートの一部を前記位置固定手段にて固定することにより、前記透過性パネル・シートと前記非透過パネル・シートとの一部分同士の間の位置固定を行うことができる。これによって、両パネル・シートを治具を介して能率的に位置固定をなすことができる。
【0011】
さらに、前記治具は、前記枠と前記枠の下部に配置された底板とを備え、前記底板は紫外線を透過するものであり、前記硬化工程は、前記底板の下方から、前記底板上に配置された前記透過性パネル・シートに向けて紫外線を照射するものとして実施することによって、前記透過性パネル・シートを底板の上に置いて枠に当てるだけで、治具に対して正確に位置決めできる。これによって載置工程を治具の上で行なうことができる。しかも、載置工程後及び位置固定工程後に、空気排除工程から硬化工程に移行する際にも、治具ごと移動させればよく、正確に能率的な加工が可能となる。
【0012】
前記治具は、前記枠と前記底板とを備え、前記枠は、前記透過性パネル・シートの縦横の少なくとも2辺に沿う縦枠部と横枠部とを備え、前記縦枠部と前記横枠部とは、前記底板からの高さが前記透過性パネル・シートの高さ以下であり、前記枠の上部に、前記位置固定手段として固定用突起が設けられたものであり、前記固定用突起を、前記非透過パネル・シートに設けられた仮固定穴に挿入することによって、前記非透過パネル・シートの一部を前記固定用突起にて固定するものとして実施することができる。これによって、非透過パネル・シートについても、固定用突起に単に合わせて載せるだけで、正確な位置にて位置固定が可能となる。
【0013】
前記治具は、前記枠と、その上面に設けられた枠凹部とを備えたものとして実施することもできる。そして、かかる治具を用いることによって、前記空気排除工程において、前記枠と透過性パネル・シートとの少なくとも上面を密着させ、前記位置固定を行った箇所から前記凹部に向けて押圧部材を移動させることにより、前記透過性パネル・シートと前記非透過パネル・シートとの間の脱泡を行い、余剰の前記紫外線硬化型接着剤を前記枠凹部に回収することができる。これによって、基板の周辺部分を廃棄する必要がなくなる。
【0014】
また本発明は、次のようにして実施することもできる。即ち、前記位置固定工程は、前記透過性パネル・シートの少なくとも1辺と前記非透過パネル・シートの少なくとも1辺とを位置固定辺として、前記両1辺同士を固定する工程であり、前記空気排除工程は、前記位置固定辺から対向する位置にある自由辺に向けて、前記透過性パネル・シートと前記非透過パネル・シートとの間の脱泡を行う工程であり、前記自由辺は、前記透過性パネル・シートと前記非透過パネル・シートとが接着されていない辺であり、前記位置固定辺同士の固定によって、前記脱泡を行う際に、前記透過性パネル・シートと前記非透過パネル・シートとの位置ずれが抑制され、前記位置固定工程の固定は、前記塗布工程にて塗工された前記紫外線硬化型接着剤を硬化させることによってなされることによって、前記位置固定工程用の別個の紫外線硬化型接着剤の塗工が不要となる。また、前記位置固定辺同士の固定が接着によってなされているため、その固定が確実であり、しかも、次の前記空気排除工程の作業を邪魔することもない。
【0015】
前記硬化工程は、前記透過性パネル・シートを下にして複数の移送面上を移動させながら、前記複数の移送面間の隙間の下方から紫外線を上方に照射することによって、前記紫外線硬化型接着剤を順次硬化させることができる。これによって、作業の都合上、前記透過性パネル・シートを下にした方が能率的であった場合にも、下方から紫外線を照射することできる。
【0016】
前記塗布工程の前に前記透過性パネル・シートの前記前面以外の部分にマスキングを施し、前記硬化工程の後に前記マスキングを外すことで、不要な箇所に接着剤が付着することも防止することができる。
本発明は、上記の遊技機用化粧板の製造方法を実施する装置において、前記非透過パネル・シートが重ねられた前記透過性パネル・シートを載置する載置台と、前記透過性パネル・シート及び前記非透過パネル・シートを前記載置台との間で挟む押圧体と、前記押圧体の上方から前記位置固定辺同士を固定するための紫外線を照射する事前照射装置と、前記位置固定工程後の前記非透過パネル・シートの上に配置されたローラと、前記ローラと、前記透過性パネル・シート及び前記非透過パネル・シートとの少なくとも何れか一方を移動させる移動装置とを備え、前記移動装置による移動は、前記ローラを前記位置固定辺から前記自由辺に向けて相対的に移動させるものであり、この相対的移動によって、前記透過性パネル・シートと前記非透過パネル・シートとの間の前記脱泡を行うものであることを特徴とする遊技機用化粧板の製造装置を提供する。
【0017】
また、本発明は、前記透過性パネル・シートを下にした状態で移動させる複数の移送面と、前記複数の移送面間の隙間の下方に配置された紫外線照射装置とを備えたことを特徴とする遊技機用化粧板の製造装置を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、印刷が施された印刷面を有するなどして紫外線を透過しない部分が形成された非透過パネル・シートと、前記非透過パネル・シートに重ねて配置される紫外線を透過する透過性パネル・シートとを、位置合わせして貼り合わせる工程を備えた遊技機用化粧板の製造方法において、正確な位置合わせによって、確実に、両者の接着固定が可能な遊技機用化粧板との製造方法と、この製造方法の実施に用いることができる製造装置を提供することができたものである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
(化粧板10の完成状態の構成)
まず、
図5を参照して、本発明の実施の形態に係る製造方法及び製造装置によって製造されるパチンコ遊技機の化粧板10の完成状態の構成を説明する。この化粧板10は、透過性パネル・シートである基板11の表面側(図の上方側)に、非透過パネル・シートである表層シート21をUV接着剤23にて接着固定したものである。表層シート21は、その裏面側(図の下方側)にインキ22を印刷することによって装飾が施されることによって紫外線を透過しない非透過シートであり、化粧板10全体では裏面側から表面側に向けて、基板11、UV接着剤23、インキ22、表層シート21が積層されている。この化粧板10は、表層シート21が遊技球の走行面を形成するものであり、その表面側から遊技球の走行路を規制する釘(図示せず)が打ち込まれて、基板11に固定される。なお、インキ22は、
図1にのみ図示し、他の図には図示していない。また各図は層構造のみを示すものであり、その厚みは正確に示されていない。
【0021】
基板11は、ポリメタクリル酸メチル樹脂などのアクリル樹脂製やポリカーボネート樹脂製の透光性パネルである。基板11の形状は、1辺が600mm程度の正方形又は長方形をなし、その厚みが10mm程度で、自立性ある剛体パネルである。この基板11の製法や材質は紫外線を透過し得るものであれば特に制限はなく、押し出し加工品を切断したものであってもよく、型成形品であってもよい。
【0022】
表層シート21は、PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂)やCAB樹脂(セルロースアセテートブチレート樹脂)製の1mm未満程度の合成樹脂製シートである。表層シート21の平面形状は、基板11と同じく1辺が600mm程度の正方形又は長方形をなす。一般的には、透明であるが、本発明の実施に関しては透明性は問わない。この表層シート21は、連続するウエブ状で提供され得るが、本発明の実施に際しては、上記の平面形状に切断済の形態で実施される。
【0023】
この表層シート21の表面側と裏面側との少なくとも何れか一方の面(
図5の例では裏面側)には、化粧板10の絵柄がインキ22によって印刷される。インキ22のインキは、表層シート21に印刷できることを条件に種々のものを用いることができ、印刷方法についても、シルクスクリーン印刷やグラビア印刷など自由に選択することができる。また、表層シート21は、1層である必要はなく、種々の材質で構成された積層体であってもよく、特許文献1に示された曲面鏡シートや特許文献2に示された金属蒸着層を含むものであってもよい。
【0024】
(製造工程の説明)
上記の化粧板10は、塗布工程、載置工程、位置固定工程、空気排除工程、硬化工程の各工程を順に経て製造される。以下、これらの各工程を製造装置と共に説明する。
【0025】
(塗布工程)
塗布工程は、非透過パネル・シートである表層シート21の裏面と、透過性パネル・シートである基板11の表面との少なくとも何れか一方に、UV接着剤23を塗布する工程である。UV接着剤は、紫外線エネルギーが照射されることにより、光開始剤などの作用により短時間に重合硬化する接着剤であり、重合の化学反応種としてはラジカル重合を用いるものやイオン重合を用いるものが知られている。ラジカル重合タイプとしては、エポキシ変性、ウレタン変性、シリコーン変性などのアクリレートラジカル重合を例示することができ、イオン重合としてはエポキシカチオン重合を例示することができるものであり、種々のものを選択して用いることができる。
【0026】
この工程は、シートやパネルに対して液体を塗布する種々の手段を採用でき、例えば、シルクスクリーンやグラビア印刷などの印刷方法で塗布することもでき、スプレーコート、エアレスコート、ロールコート、ハケ塗り、ローラ塗りによってなされてもよい。UV接着剤23の膜厚は、その種類によっても変化するが、10〜90μm程度が適当である。
【0027】
なお、基板11にUV接着剤23を塗布する場合には、その塗布前に基板11の周囲の4側面と裏面(下面)とにマスキング12を施しておくことが望ましい。表層シート21にUV接着剤23を塗布する場合には、載置工程の前に基板11の周囲の4側面と裏面(下面)とにマスキング12を施しておくことが望ましい。何れの場合にあっても、基板11の表面と裏面に保護シートが予め貼られている場合には、この保護シートを裏面のマスキング12として利用することもできる。
【0028】
(載置工程)
載置工程は、基板11の表面側を上面として、その上に表層シート21を置く工程であり、基板11の表面(上面)と、表層シート21の裏面(下面)との何れかにUV接着剤23が塗布され、UV接着剤23の上下に基板11と表層シート21とが配置されるものである。なお、基板11の表面と裏面に保護シートが予め貼られている場合には、表面の保護シートは剥がして基板11の表面を露出させておく。
【0029】
この載置工程において、基板11と表層シート21とは正しく位置決めされて重ねられる。具体的には、
図1に示すように、直交する2辺に直線状の位置決め部42が設けられた載置台41の上に、基板11を載置し、その上に表層シート21を載置する。その際に、基板11と表層シート21の2辺を正確に位置決め部42に当接させて載置することで、基板11と表層シート21とを正しく位置決めして重ねることができる。
【0030】
(位置固定工程)
位置固定工程は、載置工程の後に、基板11と表層シート21との一部同士を固定する工程であり、この工程によって基板11と表層シート21とが正しく位置決めされた状態下で固定される(
図2(A)(B)参照)。この固定は、次になされる空気排除工程に際して、基板11と表層シート21とがずれないように固定するものである。空気排除工程では、
図3に示すように、ローラ45やヘラなどの押圧部材に対して基板11と表層シート21とが一方向に相対的に移動させられるものである。従って、位置固定工程では、基板11と表層シート21とを、上記相対的移動の上手にあたる1辺(図では右辺)を、位置固定辺31として固定するものであり、他の3辺は固定されない自由辺33となる。この位置固定辺31における固定は、線状に行なっても良いが、前記目的のためになされるものであり、この例では、点状の接着部32を位置固定辺31に沿って複数形成することで、位置固定がなされる。
【0031】
より具体的には、載置台41(
図2では図示せず)上に重ねて載置された基板11及び表層シート21に対して、事前照射装置43から紫外線を照射することによって、接着部32が形成される。接着部32は、例えば直径5〜10mm程度の円形として実施することができ、表層シート21から数cm離れた位置に配置された紫外線照射用のLEDを備えた事前照射装置43から、紫外線を数秒間照射することで、UV接着剤23が硬化する。また、線状の事前照射装置43を用いて、位置固定辺31に沿って、所定の幅の接着部32を設けることも可能である。このように、基板11と表層シート21とを後述の硬化工程にて接着するために予め塗布されたUV接着剤23を利用して、位置固定を行なうため、別途の接着剤を位置固定用のために塗布する必要がなく有利である。
【0032】
この紫外線照射に際しては、基板11と表層シート21とが移動しないように、帯状の押圧体44を位置固定辺31に沿って配置することも望ましい。この押圧体44は、上方に配置された事前照射装置43からの紫外線を透過するように、透明体で構成することが望ましい。また、押圧体44と事前照射装置43とを連結して、押圧体44が表層シート21を押さえた段階で、表層シート21と事前照射装置43との間隔が上記の所定の間隔に設定維持されるようにしてもよい。
【0033】
(空気排除工程)
空気排除工程は、固定された位置固定辺31から対向する位置にある自由辺33に向けて、ローラ45などの押圧手段を相対的に移動させることによって、基板11と表層シート21との間の脱泡を行う工程である(
図3(A)(B)参照)。UV接着剤23は空気が存在すると良好な硬化が不可能なため、基板11と表層シート21との間の気泡24を排除する必要があり、ローラ45によって、脱泡を行なう。この空気排除工程の工程時に、基板11と表層シート21とが正確な位置を維持することが重要であり、そのため、前述の位置固定工程によって位置ずれを抑制する。この位置ずれは、例えば、押圧体で押さえておくことでも可能である。ただし、上述のように、UV接着剤23を位置決め部42で部分的に硬化させることよって、基板11上に何も存在しない状態で、基板11と表層シート21との位置固定辺31を固定できるため、ローラ45の相対的移動をスムーズに行なうことができる。また位置固定辺31の接着部32は、10mm以下の小さなドットや帯状部分であるため、その部分を最終段階で捨てるとしても、10mm以下の細い帯状部分を捨てるだけで済むため、材料に無駄を生じることがない。なお、前述の位置固定工程での接着と後述の硬化工程での接着とも、共に同じUV接着剤23を紫外線で硬化させるため、両者の均質性も得ることができるため、場合によっては、位置固定工程での接着部32を捨てることなく、製品として利用することも可能となる。なお、押圧手段は、回転可能なローラ4の他、スクレーパ等の回転せずに21を上から押すものであってもよい。
【0034】
ローラ45の移動は、位置固定辺31を上手として、対向する自由辺33を下手として、ローラ45によって表層シート21の上面を押圧しながら、移動させる。その際、基板11及び表層シート21を停止させた状態でローラ45を移動させてもよく、ローラ45を停止させた状態で基板11及び表層シート21を移動させてもよく、両者を移動させてもよい。ローラ45は自由回転状態としてもよく、自転するものであってもよい。ローラ45に代えて、へら状の板部材など、基板11を表層シート21に押圧して空気を抜くことができるものに変更して実施することも可能である。
【0035】
(硬化工程)
硬化工程は、基板11及び表層シート21の全面に介在するUV接着剤23の全体を硬化させる工程である。具体的には基板11及び表層シート21の全幅以上の照射範囲を有する紫外線照射装置55を、基板11及び表層シート21に対して、相対的に移動させることによって、その全面に紫外線を照射する。その際、この例では、基板11の上面に表層シート21を重ねた状態で、移動させる。ところが、表層シート21には予めインキ22が印刷されているため、上方のみから、紫外線を照射させた場合、表層シート21のインキ22によって、UV接着剤23に紫外線が到達しない箇所が生じる。そのため、下方から紫外線を照射することによって、全体が紫外線透過性を有する基板11内部を通って、UV接着剤23の全面に紫外線が到達するものである。
【0036】
この下方からの紫外線の照射を効率的に行なうには、
図4(A)(B)に示すように、上流ベルトコンベア51と下流ベルトコンベア52とにより構成される上流移送面53と下流移送面54との間を、基板11の上に表層シート21を重ねた状態で移動させ、その際、上流移送面53と下流移送面54との間に隙間56を設けておき、隙間56の下方に紫外線照射装置55を配置する。この紫外線照射装置55から紫外線を上方に照射することによって、UV接着剤23を順次硬化させることによって、全面のUV接着剤23をムラなく硬化させることができる。移動装置としては、上記のベルトコンベア51、52を用いることができる他、ローラコンベアや他のコンベアであってもよい。また、基板11及び表層シート21を紫外線透過性のある載置台に載置して、紫外線照射装置55を相対的に移動させるものであってもよく、より具体的には、載置台と紫外線照射装置55との少なくとも何れか一方をシリンダやギアなどの移動装置で相対的に移動させるものであってもよい。
なお、空気排除工程の後の適当な段階で、マスキング12を外すことで、不要な箇所に接着剤が付着することが防止することができる。
【0037】
(第2の実施の形態)
図6に示す第2の実施の形態は、前記の第1の実施の形態における基板11に主として変更を加えて実施するものである。変更を加えた部分を中心に説明し、特に説明を行わない点については、先の実施の形態と同じ符号を用いて、説明を省略する。
【0038】
この実施の形態の基板11は、完成品の化粧板10となる部分の周辺に、製造に際してのみ用いられる基板周辺部61を備えるものであり、この基板周辺部61は表層シート21の貼り合わせ後に、完成品となる前に切り落とされる。
この基板周辺部61には、その表面側に、溝状の凹部62が形成されている。この凹部62は、1本の対向凹部63と、2本の補助凹部64とを備える。対向凹部63は、前述の位置固定辺31(図の右辺)と対向する自由辺33(図の左辺)に形成されたものであり、補助凹部64は、対向凹部63の両端から位置固定辺31に向けて伸びるように形成されたものである。図の例では、対向凹部63と補助凹部64とは繋がっているが、必ずしもつなげる必要はない。また、補助凹部64は補助的に設けられたものであり、対向凹部63のみで実施することも可能である。
【0039】
この凹部62は,空気排除工程にて、余剰のUV接着剤23(
図6には図示せず)を回収するために設けられたものである。詳しくは、
図6(B)に示すように、空気排除工程にてローラ45などの押圧手段を移動させていく際、未硬化のUV接着剤23は、自由辺33の方に押し出されていく。この余剰のUV接着剤23について、先の実施の形態では、マスキング12で対応したが、この例では、余剰のUV接着剤23を凹部62で回収することによって対応するものである。余剰のUV接着剤23は、自由辺33のうち、位置固定辺31に対向する辺(図では左辺)に最も多く流れ出るため、この辺に対向凹部63を形成する。また、図の上下の辺には補助凹部64を設けて、ローラ45の両端から流れ出るUV接着剤23を回収する。なお、対向凹部63のみを設けた場合には、補助凹部64の代わりにマスキング12を設けるようにしてもよい。
【0040】
この凹部62の大きさは、余剰のUV接着剤23を回収して収容できる大きさとして実施すればよい。
この空気排除工程が行われた後は、先の例と同様に、硬化工程がなされ、余剰のUV接着剤23は凹部62に収容された状態で硬化する。この硬化工程後に、基板周辺部61が、凹部62の少し内側にて切断されることによって化粧板10が完成するが、この切断は、化粧板10の完成までのどの工程で行われてもよい。例えば、パチンコ遊技機の化粧板化粧板10の完成状態では、走行路を規制する釘が打たれたり、入賞穴や中央の表示部を配置する穴が形成されたりするが、これらの加工と同じ工程で行ってもよく、これらの工程に先立って行ってもよい。
【0041】
(変更例)
先の例にあっては、基板11として平板状のものを用いたが、
図6(C)に示すように、基板11として金型によって成型された成型板を用いることもできる。この成型板による基板11は、液晶表示や役物などの遊技盤に必要な種々の部材や仕掛けを設けるための開口67が、成型段階にて予め形成されている。もちろん、開口67は、全ての開口を形成しておく必要はなく、後加工で設けることもでき、予め形成された開口67についても後加工でその形状を変更することができる。
この基板11についても、先の例のように、対向凹部63と補助凹部64との凹部62が設けられている。これに加えて、凹部62として、固定側凹部65と開口凹部66とが設けられている。固定側凹部65は、対向凹部63の反対側の位置固定辺31に沿って形成されたものであり、開口凹部66は開口67の周囲に設けられたものである。固定側凹部65及び開口凹部66の深さや幅は、先の対向凹部63や補助凹部64と同様でよく、余剰のUV接着剤を回収することができるものであればよい。また、基板11の4辺のうち、どの辺を位置固定辺31とするかは、加工の容易性や装置の大きさ等に応じて適宜変更して実施することができるものであり、特に制約はない。
加工に際しては、UV接着剤を開口67以外の基板11表面に塗布する塗布工程。基板11の前面に表層シートを置く載置工程。載置工程後に、基板と表層シートとの一部分同士の間の位置固定を行う位置固定工程、基板11と表層シートとの間の脱泡を行う空気排除工程を行った後、硬化工程を行う。空気排除工程では、開口凹部66によって、開口67の内部に余剰のUV接着剤が入ってしまことを防ぐことができる。そして、硬化工程後に、上記の各凹部62に沿って基板11の周囲や開口67の周囲を切除すればよい。この切除の工程は、硬化工程完了後、遊技盤の完成までの何れの段階で行ってもよい。
【0042】
(第3の実施の形態)
図7及び
図8に示す第3の実施の形態は、前記の第1、第2の実施の形態おいて、治具81を用いて実施するものである。この例でも、変更を加えた部分を中心に説明し、特に説明を行わない点については、先の実施の形態と同じ符号を用いて、説明を省略する。
この治具81は、底板82と枠83とを備え、基板11と表層シート21とを仮固定した状態で空気排除工程を行うことができるようにたものである。枠83は、位置固定辺31側(図の右側)の縦枠部85と、縦枠部85の両端から伸びる横枠部84とを備える。縦枠部85は基板11の右辺に沿って伸び、横枠部84は基板11の前後辺に沿って伸びるもので、横枠部84と縦枠部85とで、基板11の位置決めを行うものであり、横枠部84は前後いずれか1本あればよい。また、横枠部84と縦枠部85とはつながっていてもよく、分離していてもよく、基板11の前後方向と左右方向との位置決めを行うことができるものであればよく、必ずしも線状である必要はなく点状のものであってもよい。
【0043】
固定用突起86は縦枠部85の上面に突出して形成されたものであり、これに対応して表層シート21の位置固定辺31には仮固定穴71が形成される。固定用突起86と仮固定穴71とは、同じ形状をなしていることが望ましく、表層シート21の位置決めを確実に行うために、複数箇所に設けたり、位置ずれを防ぐことができる程度の前後方向の長さを備えたものであることが望ましい。固定用突起86は、横枠部84の位置固定辺31寄りに設けて実施することもできる。
【0044】
底板82は紫外線を透過することができる透明体などである必要があるが、枠83は紫外線の透過性の有無は問わない。底板82と枠83とは一体に形成されたものであってもよく、別々の部材を接合したものであってもよい。
前記の載置工程に先立って、基板11を、枠83に沿わせて、底板82の上に置く。基板11はこれによって、基板11は治具81に対して位置合わせした状態となる。なお、基板11は、UV接着剤23を塗布した状態で底板82の上に置いてもよく、底板82に置いた状態で塗布してもよい。また、UV接着剤23を基板11には塗布せず、表層シート21に塗布してもよい。
【0045】
次に、基板11と表層シート21との少なくとも何れか一方にUV接着剤23を塗布した状態で、基板11の上に表層シート21を重ねるようにして置く。その際、表層シート21の仮固定穴71と、縦枠部85の固定用突起86とを合わせることによって、基板11と表層シート21との位置固定辺31が、位置合わせした状態で間接的に固定される。
【0046】
この状態で、ローラ45を位置固定辺31から自由辺33の方へ移動させて空気を抜く空気排除工程を行うことができ、さらに硬化工程を行うことができる。この硬化工程では、底板82を下にして移動させながら、下方から紫外線を照射することができる。
ここで、ローラ45の長さが、枠83にも及ぶようなものである場合には、枠83の高さは、基板11の上面の高さと略同一となるようにしておくことが、ローラ45のスムーズな移動の点から、最も望ましい。枠83の高さが、基板11の上面の高さよりも小さい場合には、ローラ45を移動は可能であるが、縦枠部85と基板11との間に大きな段差がある場合には、ローラ45のスムーズな移動が困難になる場合がある。枠83の高さが、基板11の上面の高さよりも大きい場合には、ローラ45を移動させても基板11と表層シート21とを押圧することができなくなるおそれがある。但し、ローラ45の長さを基板11の前後幅以下とすることによって、ローラ45を基板11及び表層シート21の上のみを移動させて、両者を押圧することが可能となる。
【0047】
なお、治具81の自由辺33側に、補助枠87を配置することもできる。この補助枠87は、ローラ45の移動中に基板11が位置ずれしないように、基板11の自由辺33側を押さえるように配置することが望ましい。また、その高さを基板11の上面の高さと同じかそれ以下とすることによって、ローラ45の移動をスムーズになすことができる。
【0048】
また、治具81を複数用意しておき、これらの治具81に基板11と表層シート21とを載せて位置合わせした状態で、位置固定工程から硬化工程までの各工程のステージを移動させることで、能率的で正確な作業をなすことができる。
この治具81を用いる場合には、先の第2の実施の形態のように凹部62を有する基板11と組み合わせて実施することが有利であるが、第1の実施の形態のように凹部62を備えない基板11と組み合わせて実施することも可能である。
この例では、位置固定手段として固定用突起86と仮固定穴71と設けて、両者を嵌合するようにしたが、枠83にクリップ状の挟持部材を設けたり、磁力などによって枠83に付着する押さえ板などの押さえ部材で表層シート21を枠83との間に固定してもよい。
【0049】
(第4の実施の形態)
図9に示す第4の実施の形態は、前記の第3の実施の形態ける治具の変更例に関するものである。この例でも、変更を加えた部分を中心に説明し、特に説明を行わない点については、先の実施の形態と同じ符号を用いて、説明を省略する。
【0050】
先の実施の形態では、基板11に凹部を設けたが、この例では、 枠に凹部を設けるものである。より詳しくは、この例では、枠は、固定されている固定枠91と、固定枠91に対して移動可能な移動枠92とから構成されている。固定枠91は、基板11の位置固定辺31側に配置され、移動枠92は、基板11の自由辺33側に配置される。固定枠91と移動枠92は、それぞれL字状をなしており、矩形の基板11の前後左右の各辺に対して、その全体若しくは少なくともその上面が密接する。
【0051】
移動枠92の上面には、先の例の対向凹部63に相当する対向枠凹部93が左辺側に設けられると共に、前辺側に補助枠凹部94が設けられている。この対向枠凹部93と補助枠凹部94とは繋がっているが、分離して設けることも可能であり、補助枠凹部94を省略することもできる。
【0052】
固定枠91の上面には、先の例の補助凹部64に相当する補助枠凹部94が後辺側に設けられると共に、右辺側の位置固定辺31にも固定側枠凹部95が設けられている。この補助枠凹部94と固定側枠凹部95とは繋がっているが、分離して設けることも可能であり、また省略することもできる。
この固定枠91は底板82に対して固定されているが、移動枠92は底板82に対して固定されていない。なお、先の例と同様に、底板82を用いずに実施することも可能である。また、先の例の対向凹部63と対向枠凹部93とを併用したり、先の例の補助凹部64と本例の補助枠凹部94とを併用したりしてもよい。
【0053】
使用に際しては、基板11を固定枠91に当接させて位置決めし(
図9(B))、次いで移動枠92を基板11に当接させる(
図9(C))。これによって、基板11の周囲に対向枠凹部93及び補助枠凹部94が配置されることになる。なお、移動枠92を移動させて固定するための固定用部材96を付加して実施することもできる。固定用部材96はエアシリンダなどを備えた自動の移動位置固定手段を用いることできるが、移動は作業者の手で行なって、固定のみを、機械的構造で行なうこともできる。機械的構造としては、固定枠91の端部と移動枠92の端部とに互いに係合する凹凸などの係合手段を設けたり、この係合を解除するボタンを設けて実施することができる。また、底板82と移動枠92とを着脱可能に固定するようにしてもよい。移動枠92は、前述のように、左辺側と前辺側のL字状をなしているが、両者を分離して別々に移動できるようにしてもよい。
このように固定が完了した状態では、固定枠91及び移動枠92の上面と、基板11の上面とが、面一となるようにその高さを設定しておくことが望ましい。
【0054】
次に、前述の載置工程と位置固定工程を行なう。載置工程では、固定枠91に、その上面から突出する固定用突起86を設けて、表層シート21の仮固定穴71を嵌合して、位置を固定できる。また位置固定工程を、接着で行なう場合には、固定用突起86を省略することができる。
【0055】
次に、空気排除工程では、脱泡を行う際に基板11と表層シート21との間から流出する余剰のUV接着剤を、固定枠91及び移動枠92に設けられた対向枠凹部93及び補助枠凹部94にて回収することができる。回収されたUV接着剤は、その硬化後に固定枠91及び移動枠92から剥離して廃棄される。この剥離のために、シリコン樹脂などの離型剤を固定枠91及び移動枠92の表面にコーティングしておくことも望ましい。
【0056】
(第5の実施の形態)
上記の各実施の形態にあっては、透過性パネル・シートとして、厚みの大きなパネルを用いたが、厚みの薄いシートを用いることもできる。
例えば、本願出願人は、特願2012−230353号において、表面側に反射化粧板120が配位され、反射化粧板120が、凸面鏡として光を反射する反射鏡セグメントが縦横に複数配列された曲面鏡シート129を含む遊技機を提案している。
図6、
図7に示すように、この反射化粧板120は、本発明における非透過シートとなる曲面鏡シート129と、透明の透過性シート128とを備えているが、両者の接着に本発明を適用することができるものであり、両者の接着に際して、UV接着剤127を用いて、両者を本発明の方法及び装置で接着することができる。
【0057】
詳しくは、まず曲面鏡シート129の表面側には印刷にて光調整層130が形成されている。この光調整層130は、遮光性インキ125や着色インキ126を塗布することによって形成されたもので、遮光性インキ125は曲面鏡シート129による光の反射を遊技者に見せないように調整する。着色インキ126は図柄などを表示するものであり、両インキの組み合わせによって多彩な装飾効果をあげるものである。
【0058】
曲面鏡シート129は、台紙121の表面側に接着剤122を介して金属膜製の反射層123が形成され、その前面側に透光性樹脂層124が形成されたもので、透光性樹脂層124の形状によって反射鏡セグメントが構成される。
反射化粧板120の一部には、透視部141を設けることができる。この透視部141は、曲面鏡シート129及び光調整層130がなく、透過性シート128を含む透明素材によって構成され、透視部141の裏面側が見えるようにしたものである。この例ではその裏面側に貫通孔145が形成され、さらにその裏面側に発光体142を配置して、その光を遊技者に見せるようにしている。
【0059】
この透視部141を形成する手段としては、UV接着剤127と透過性シート128との間に剥離層144が形成され、反射化粧板120の裏面側から剥離層144に達する刃物148で、少なくともUV接着剤127よりも裏面側の部位が取り除かれたものである。この剥離層144はUV接着剤127に対して接着性がない透明インキである。
【0060】
なお、この曲面鏡シート129は、木製の基板131に対して、予め接着剤132で接着した後、透視部141が形成される。ただし、曲面鏡シート129と透明の透過性シート128とをUV接着剤127に対して接着した反射化粧板120を、透明の基板131に接着してもよい。その場合には、反射化粧板120が非透過シートとなり、透明の基板131が透過シート・パネルとなり、両者を接着する接着剤132をUV接着剤として本発明を適用することができる。
【0061】
なお、本発明の非透過パネル・シート及び透過性パネル・シートは、両者がシートであってもよく、両者がパネルであってもよく、一方がシートで他方がパネルであってもよい。非透過パネル・シートは、透過性のあるシート・パネルに印刷や蒸着などが施されることによって非透過となったものであってもよく、素材自体が非透過性のものであってよい。また、非透過パネル・シート及び透過性パネル・シートは、それぞれが複数層によって構成されたものであってもよい。