特開2015-134439(P2015-134439A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社 日本ブッカーの特許一覧

<>
  • 特開2015134439-ブックカバー 図000003
  • 特開2015134439-ブックカバー 図000004
  • 特開2015134439-ブックカバー 図000005
  • 特開2015134439-ブックカバー 図000006
  • 特開2015134439-ブックカバー 図000007
  • 特開2015134439-ブックカバー 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-134439(P2015-134439A)
(43)【公開日】2015年7月27日
(54)【発明の名称】ブックカバー
(51)【国際特許分類】
   B42D 3/18 20060101AFI20150701BHJP
【FI】
   B42D3/18 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-6311(P2014-6311)
(22)【出願日】2014年1月17日
(71)【出願人】
【識別番号】597005381
【氏名又は名称】株式会社 日本ブッカー
(74)【代理人】
【識別番号】100102761
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 元也
(72)【発明者】
【氏名】倉田 聡
(57)【要約】

【課題】 コミック誌のような書籍の表面に被せるためのブックカバーに関し、その貼り着上の多少のずれによる問題発生が回避されるようにしたブックカバーの提供を図る。
【解決手段】 背表紙覆い用シート部1aの両側部寄りの上縁及び下縁に折り曲げ用V溝Rを形成すると共に、当該折り曲げ用V溝Rの最狭部から内向き方向に垂設するように切溝rを切設し、当該切溝rの存在に基づき、当該切溝rに隣接するリップ片を折り曲げる際、その折り曲げ位置のずれが当該切溝rの長さ分だけ許容されるように構成したブックカバー。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飾りカバーを付けた状態にある書籍に対して、その表面全体を覆うように取り付けるためのブックカバーであって、背表紙覆い用シート部(1a)の両側部寄りの上縁及び下縁に折り曲げ用V溝(R)を形成すると共に、当該折り曲げ用V溝(R)の最狭部から内向き方向に向かう切溝(r)を切設し、当該切溝(r)の存在に基づき、当該切溝(r)に隣接するリップ片を折り曲げる際、その折り曲げ位置のずれの範囲が、当該切溝(r)の長さ分だけ許容されるように構成したブックカバー。
【請求項2】
一枚のシート材で形成したブックカバー主体(1)の表面全体に接着剤塗布層(2)を形成すると共に、その表面をセパレーター材(3)で覆うように構成した請求項1に記載のブックカバー。
【請求項3】
セパレーター材(3)のほぼ折半部に剥離開始用切断線(3a)を形成し、この部分からセパレーター材を剥離することにより、書籍の背表紙部分の接着を、他の部分に先行して行うことが出来るように構成した請求項2に記載のブックカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コミック誌のような書籍の表面に被せるためのブックカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
書籍の表面を覆うことにより、破損及び汚れを防止するためのブックカバーは各種のものが存在する。 そして、多くは一枚のシート状を呈し、書籍の表表紙、背表紙、裏表紙に対して全面的にカバーするような形態を具えたものである(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6-92063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように全面的にカバーするような従来のブックカバーの欠点は、特に背表紙部分に対する密接性の点にあった。 すなわち、図6に示すように、ブックカバーの背表紙覆いシート部Bの両側部に形成してある折り曲げ用V溝b,bの最狭位置が、書籍の背表紙Bの端縁に接するように位置した場合(鎖線Mで示す状態)は何ら問題が生じない。
然し乍、ブックカバーを当てる際に、上記折り曲げ用V溝b,bの最狭位置が、書籍の背表紙Bの端縁の外側に位置すると言うようなズレが生じた場合(鎖線Nで示す状態)、ブックカバーの該当部を折り曲げた際に、そのズレに基づき本の上下端縁部に対する接触性がそがれ、折り曲げ用V溝b,bの存在目的が失われてしまうこととなる そのため、背表紙部分のブックカバーよる包み込みの安定性欠如と言う事態を招いてしまうこととなる。
【0005】
本発明は、このような従来の問題を解消した、新規のブックカバーの提供を図ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は請求項1に記載のように、飾りカバーを付けた状態にある書籍に対して、その表面全体を覆うように取り付けるためのブックカバーであって、背表紙覆い用シート部1aの両側部寄りの上縁及び下縁に折り曲げ用V溝Rを形成すると共に、当該折り曲げ用V溝Rの最狭部から内向き方向に向かう切溝rを切設し、当該切溝rの存在に基づき、当該切溝rに隣接するリップ片を折り曲げる際、その折り曲げ位置のずれの範囲が、当該切溝rの長さ分だけ許容されるように構成したブックカバーに係る。
【0007】
本発明は請求項2に記載のように、一枚のシート材で形成したブックカバー主体1の表面全体に接着剤塗布層2を形成すると共に、その表面をセパレーター材3で覆うように構成した請求項1に記載のブックカバーを実施の態様とする。
【0008】
本発明は請求項3に記載のように、セパレーター材3のほぼ折半部に剥離開始用切断線3aを形成し、この部分からセパレーター材を剥離することにより、書籍の背表紙部分の接着を、他の部分に先行して行うことが出来るように構成した請求項2に記載のブックカバーを実施の態様とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るブックカバーは、請求項1に記載のように構成したから、本発明に係るブックカバー対する書籍のセット位置が、やや下方にずれていた場合であっても、折り曲げ用V溝Rの最狭部から内向き方向に垂設するように所要長さ切設した切溝r上であれば(図4参照)、当該切溝rに隣接するリップ片を折り曲げる際、その折り曲げ位置のずれを包含し、当該折り曲げ用V溝Rに接するリップ片の折り曲げが、当該切溝rの開閉性に基づき、しっくりとした状態での折り曲げが許容化され(図5参照)、不自然性若しくは折り曲げシワ発生と言うようなことなく果たされる。 すなわち、書籍のあてがいが正確なものとされる位置から、切溝rの長さ分だけ上下にずれた状態であっても、何ら齟齬なくその折り曲げ接着が整然と行われることとなる。
【0010】
従って、ブックコーティングに際して、書籍に合わせて型抜きしている点と、上記書籍に対する位置ズレの許容範囲の拡大性に基づき、鋏等の道具を用いた修正作業を要することがない。 換言すれば、本発明によれば、鋏等の道具を用いることなく誰でも簡単にブックコーティングを行うことが出来ることとなる。
【0011】
また、本発明は前述したように、折り曲げ用V溝Rに接するリップ片の折り曲げが、当該切溝rの開閉性に基づき、しっくりとした状態での折り曲げが許容化されため、リップ片の折り曲げが歪みのない整然たるものとされる。 従って、当該リップ片の折込に基づく表紙の背の部分に対する補強が、遊びの無いしっかりとしたものとされ、書架からの出し入れに伴う書籍の痛みの軽減化が図られる。
【0012】
本発明に係るブックカバーは請求項2に記載のように構成したから、セパレーター材を剥離するだけで、直ちに接着目的が達成され、書籍に対するブックカバーの貼り着作業は極めて容易かつ迅速に行うことが出来る。
【0013】
本発明に係るブックカバーは請求項3に記載のように構成したから、書籍の背表紙部分の接着を、他の部分に先行して行うことが出来る。 従って、ブックカバーの中央部分を先に安定させ、この状態で左右部分の貼り着を行うと言うような工程を採ることが出来、従って、作業上の左右のバランスが確保され、貼り着作業は著しく迅速かつ安定して成されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の平面図である。
図2】本発明の側面図である。
図3】セパレーター材の一部を開いた状態を表した平面図である。
図4】背表紙部分包み込み開始状態を表した説明用平面図である。
図5】同上包み込み完了状態を表した説明用平面図である。
図6】従来のブックカバーにおける背表紙部分の包み込み上の欠点を表した説明用平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図に於いて、1は一枚のシート材で形成したブックカバー主体であって、その表面全体に接着剤塗布層2を形成すると共に、その表面をセパレーター材3で覆うように構成してある。 3aは当該セパレーター材3のほぼ折半部に形成した剥離開始用切断線であって、書籍の背表紙部分を当てながら剥離していくように構成してある。 これにより、書籍に対するブックカバーの貼り着が、背表紙部分が他の部分に先行して行われるように構成してある。
【0016】
上記したブックカバー主体1は、ほぼ中央部分を背表紙覆い用シート部1aとすると共に、これに左側縁及び右側縁に対して表表紙覆い用シート部1bと裏表紙覆い用シート部1cを連設してある。 そして、上記した各シート部の外縁には、書籍の内面側に対して折り返して貼り着するための折り返し貼り着用リップ片Lが連設してある。 図1に於いて、Pは拡開状態にある書籍のあてがい位置を鎖線で示したものである。
【0017】
Rは折り曲げ用V溝であって、背表紙覆い用シート部1aの両側部寄りの上縁及び下縁に、それぞれ対称的に形成してある。 そして、 当該V溝Rの底部端(V字状の端部)は、拡開状態の書籍のあてがい位置に接するように形成してある。 換言すると、書籍のあてがいは、当該V溝Rの底部端を目安とするようにして行うように構成してある。
【0018】
rは上記折り曲げ用V溝Rの最狭部から内向き方向に垂設するように所要長さ切設した切溝であって、当該切溝rに隣接するリップ片を折り曲げる際、その折り曲げ位置のずれを、当該切溝rの長差分だけ許容化するためのものである。
【0019】
本発明は、飾りカバーを付けた状態にあるコミック誌のような書籍に対して、その表面を覆うようにして取り付けるものである。 その操作は下記のようにして行われる。
【0020】
先ず、セパレーター材3を、背表紙の広い部分側をはがすと共に、その狭い部分側に書籍を置き、上下にあるV溝Rの底部端に合わせる。 この状態でセパレーター材3をはがしながら、書籍の背表紙部分を貼り付ける。 次に表表紙覆い用シート部1bと裏表紙覆い用シート部1cを書籍に対して貼り付けると共に、それぞれのリップ片を折り曲げて書籍の内側に貼り着することにより、当該部分の書籍外面に対する貼り着を完了させる。 最後に、上下にあるV溝R間のリップ片を背表紙の内側に折り曲げて接着する。 これにより、書籍に対する本発明係るブックカバーの貼り着作業は完了する。
【0021】
ところで、本発明に係るブックカバー対する書籍のセット位置が、やや下方にずれていた場合であっても、折り曲げ用V溝Rの最狭部から内向き方向に垂設するように所要長さ切設した切溝r上であれば(図4参照)、当該切溝rに隣接するリップ片を折り曲げる際、その折り曲げ位置のずれを包含し、当該折り曲げ用V溝Rに接するリップ片の折り曲げが、当該切溝r部分が開くことにより、しっくりとした状態での折り曲げが許容化され(図5参照)、不自然な折り曲げシワ発生と言うようなことなく果たされる。
【0022】
換言すると、書籍のあてがいが正確なものとされる位置から、切溝rの長さ分だけ上下にずれた状態であっても、何ら齟齬なくその折り曲げ接着が整然と行われることとなる。
【符号の説明】
【0023】
1 ブックカバー主体
1a 背表紙覆い用シート部
1b 表表紙覆い用シート部
1c 裏表紙覆い用シート部
L リップ片
R 折り曲げ用V溝
r 切溝
2 接着剤塗布層
3 セパレーター材
3a 剥離開始用切断線
P 書籍のあてがい位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6