特開2015-134552(P2015-134552A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2015-134552航空機の乗客用シートの収納ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-134552(P2015-134552A)
(43)【公開日】2015年7月27日
(54)【発明の名称】航空機の乗客用シートの収納ユニット
(51)【国際特許分類】
   B64D 11/06 20060101AFI20150701BHJP
   B60N 3/12 20060101ALI20150701BHJP
【FI】
   B64D11/06
   B60N3/12
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-6521(P2014-6521)
(22)【出願日】2014年1月17日
(71)【出願人】
【識別番号】000132013
【氏名又は名称】株式会社ジャムコ
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】特許業務法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 道人
(57)【要約】
【課題】航空機の乗客シートに装備される収納ユニットの改良を図る。
【解決手段】収納ユニット100は、収納ボックス110と、収納ボックスに着脱自在に取り付けられるベースフレーム130を有する。ベースフレーム130のヒンジ取付部140にはヒンジ160が設けられ、蓋150を開閉自在に支持する。ヒンジ160は、2本の内側アーム170と外側アーム180により構成される。ヒンジの回転軸は、内側アーム170、外側アーム180でガードされ、物や指を挟むことは防止される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機の乗客シートの周囲に配設される収納ユニットであって、
収納ボックスと、収納ボックスに着脱自在に取り付けられるベースフレームと、ベースフレームの端部に設けられるヒンジ取付部と、ヒンジ取付部に一端部が取り付けられて、他端部が蓋に取り付けられる2本の内側アームと2本の外側アームを備える4節リンク構造のヒンジと、を備える航空機の乗客シートの収納ユニット。
【請求項2】
収納ボックスは、弾性を有する取付部と取付部に形成される横長のスリットを備え、ベースフレームはスリットに嵌合する係合爪と収納ボックスの端部が当接する係止部を備える請求項1記載の航空機の乗客シートの収納ユニット。
【請求項3】
ヒンジはフリクションダンパーを備え、フリクションダンパーは、インナーアームに設けられるセクターギアと、セクターギアに噛み合うピニオンギアを備え、ピニオンギアの回転軸に摩擦ブレーキ力を与える手段を備える請求項1記載の航空機の乗客シートの収納ユニット。
【請求項4】
部品は合成樹脂で製造される請求項1から3のいずれか1項に記載の航空機の乗客シートの収納ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機のビジネスクラスの乗客用シートの周囲に配設されるアメニティセットやヘッドセットなどの小物を収納するためのユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、航空機の客室に配設されるビジネスクラスやファーストクラスのシートの斜視図である。
シート1は、座席10をシェル20で囲む構造を有し、オットマン30などが装備される。また、シェル20の内側には電装品のジャック40や読書灯42が設けられる。
また、オーディオ用のヘッドセットなどを収納するユニット50も配設される。
【0003】
図7は、従来の収納ユニットの要部の断面図である。
全体を符号50で示す従来の収納ユニットは、収納ボックス60に対してヒンジ80を介して蓋70が開閉するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−113806号公報
【特許文献2】特開2012−210844号公報
【特許文献3】特開2006−282132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
航空機は、水平飛行時に通常、上方に3度傾けて飛行する。そこで、この従来の収納ユニットの蓋70も、開放した状態では直立した姿勢を保つが、機体の傾きや振動などにより閉まる方向に倒れると、物を挟んだり、乗客の指の挟むなどの原因となる。
【0006】
そこで、ヒンジ80にフリクションによるブレーキ作用を持たせるものもあるが、物を挟み込むことは完全に防止することが難しく、また、ヒンジの故障の際には、ユニット全体を交換する必要があった。
本発明の目的は、上述した不具合を解消する収納ユニットを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の航空機の乗客シートの周囲に配設される収納ユニットは、収納ボックスと、収納ボックスに着脱自在に取り付けられるベースフレームと、ベースフレームの端部に設けられるヒンジ取付部と、ヒンジ取付部に一端部が取り付けられて、他端部が蓋に取り付けられる2本の内側アームと2本の外側アームを備える4節リンク構造のヒンジと、を備える。
【0008】
そして、収納ボックスは、弾性を有する取付部と取付部に形成される横長のスリットを備え、ベースフレームはスリットに嵌合する係合爪と収納ボックスの端部が当接する係止部を備える。
【0009】
また、ヒンジはフリクションダンパーを備え、フリクションダンパーは、インナーアームに設けられるセクターギアと、セクターギアに噛み合うピニオンギアを備え、ピニオンギアの回転軸に摩擦ブレーキ力を与える手段を備える。
【0010】
さらに、部品は合成樹脂で製造されるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の航空機の乗客シートに設けられる収納ユニットは以上の構成を備えることにより、蓋の開閉時にヒンジに物や指を挟むことが防止される。また、ヒンジの下方のスペースも有効に利用することができる。さらに、メンテナンスも容易であり、部品交換に要するコストも削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は本発明を実施する航空機の乗客用シートの斜視図である。
図2図2は本発明の収納ユニットの全体を示す斜視図である。
図3図3は本発明の収納ユニットの部品構成を示す斜視図である。
図4図4は本発明の収納ユニットの要部を示す説明図である。
図5図5は本発明の収納ユニットの要部を示す説明図である。
図6図6は本発明の収納ユニットの要部を示す説明図である。
図7図7は従来の収納ユニットの要部を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図2は、本発明の収納ユニットの全体を示す斜視図、図3は、部品構成図である。
収納ユニット100は、主要な部品は全てプラスチックで製造されるもので、収納ボックス110は、上部に取付部112を有する。取付部112は、薄肉のプラスチックであり、弾性を有し、横長のスリット114が形成されている。
【0014】
収納ボックス110とは別体に製造されるベースフレーム130は、係合爪132と係止部134を有し、係合爪132は、スリット114に嵌合する。
【0015】
収納ボックス110の一方の端部には、ヒンジ取付部140が設けられ、ヒンジ160が装備される。ヒンジ160は、2本の内側アーム170と2本の外側アーム180を有して4節リンクを構成する。内側アーム170の内側アームのベースフレーム側取付部172は、ヒンジ取付部内のベースフレーム130に回動自在に取り付けられる。外側アーム180の外側アームのベースフレーム側取付部182もヒンジ取付部内のベースフレーム130に回動自在に取り付けられる。
【0016】
蓋150は、ヒンジアーム取付部152を有し、2本の内側アーム170の内側アームの蓋側取付部174と2本の外側アーム180の外側アームの蓋側取付部184が、それぞれに回動自在に取り付けられる。
このヒンジ160により蓋150は開閉自在にベースフレーム130の開口部を覆う。
【0017】
図4は、ヒンジ160のメンテナンスや蓋150の交換のために、ベースフレーム130を収納ボックス110から引き抜く状態を示す。
取付部112は、弾性を有するので、ベースフレーム130を上方へ引き上げることで、係合爪132を取付部112のスリット114から外すことができる。
【0018】
図5は、蓋150を取り付けたベースフレーム130を収納ボックス側に挿入する状態を示す。取付部112は弾性を有するので、係合爪132を取付部112のスリット114に摺動して係合させることができる。
【0019】
図6は、ヒンジ160に付設するフリクションダンパー機構の説明図である。
フリクションダンパー200は、プラスチック製の内側アーム170と一体に形成されるセクターギア210を備える。そしてセクターギア210は、フリクション機能付ピニオン220に噛み合う。
【0020】
蓋150の開閉と同期して内側アームのベースフレーム側取付部172の軸心を中心として内側アーム170とともにセクターギア210が回動する。
セクターギア210の旋回動は、フリクション機能付ピニオン220を高速で回転させる。
【0021】
フリクション機能付ピニオン220は、図示しないフリクションブレーキ機構を備える。このフリクションブレーキ機構は、例えばフリクション機能付ピニオン220の回転軸に軽い制動力を与えるものが採用される。
【0022】
このフリクションダンパー200にあっては、内側アーム170や外側アーム180のヒンジにフリクションダンパー機構を組み込むことにかえて、ヒンジの回転軸とは別体にフリクションダンパー200を設けたもので、破損等が防止でき、確実なダンパー機能を確保することができる。
【0023】
以上のように、この収納ユニット100にあっては、ヒンジの回動部がアームでガードされているので物や指を挟むことが防止される。
【符号の説明】
【0024】
100 収納ユニット
110 収納ボックス
112 取付部
114 スリット
130 ベースフレーム
132 係合爪
134 係止部
140 ヒンジ取付部
150 蓋
152 ヒンジアーム取付部
160 ヒンジ
170 内側アーム
172 内側アームのベースフレーム側取付部
174 内側アームの蓋側取付部
180 外側アーム
182 外側アームのベースフレーム側取付部
184 外側アームの蓋側取付部
200 フリクションダンパー
210 セクターギア
220 フリクション機能付ピニオン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2015年3月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機の乗客シートの周囲に配設される収納ユニットであって、
収納ボックスと、収納ボックスに着脱自在に取り付けられるベースフレームと、ベースフレームの端部に設けられるヒンジ取付部と、ヒンジ取付部に一端部が取り付けられて、他端部が蓋に取り付けられる2本の内側アームと2本の外側アームを備える4節リンク構造のヒンジと、を備える航空機の乗客シートの収納ユニット。
【請求項2】
収納ボックスは、弾性を有する取付部と取付部に形成される横長のスリットを備え、ベースフレームはスリットに嵌合する係合爪と収納ボックスの端部が当接する係止部を備える請求項1記載の航空機の乗客シートの収納ユニット。
【請求項3】
ヒンジはフリクションダンパーを備え、フリクションダンパーは、内側アームに設けられるセクターギアと、セクターギアに噛み合うピニオンギアを備え、ピニオンギアの回転軸に摩擦ブレーキ力を与える手段を備える請求項1記載の航空機の乗客シートの収納ユニット。
【請求項4】
部品は合成樹脂で製造される請求項1から3のいずれか1項に記載の航空機の乗客シー
トの収納ユニット。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
また、ヒンジはフリクションダンパーを備え、フリクションダンパーは、内側アームに設けられるセクターギアと、セクターギアに噛み合うピニオンギアを備え、ピニオンギアの回転軸に摩擦ブレーキ力を与える手段を備える。