【解決手段】機械式駐車装置は、車両が載置されるパレット18が車両格納棚と乗入階7との間で移動する。そして、機械式駐車装置は、乗入階7の入り口の外側周辺に設けられ、乗入階7の前で入庫待ちの利用者及び乗入階7の前で出庫待ちの利用者が画像を視認可能なように表示する画像表示器21、機械式駐車装置の動作状態に応じた画像を画像表示器21に表示させる表示指示部と、を備える。
前記表示指示手段は、前記車両の入庫待ちから入庫完了、又は前記車両の出庫待ちから出庫完了に至るまでの前記動作状態に応じた画像を前記画像表示手段に表示させる請求項1記載の機械式駐車装置。
前記表示指示手段は、全ての利用者の共通の生活に関する情報である共通生活情報を前記画像表示手段に表示させる請求項1から請求項4の何れか1項記載の機械式駐車装置。
前記表示指示手段は、各利用者に固有の生活に関する情報である固有生活情報を前記画像表示手段に表示させる請求項1から請求項5の何れか1項記載の機械式駐車装置。
前記画像表示手段は、前記乗入部の内部であって、前記車両に搭乗した利用者が視認できる位置にさらに設けられる請求項1から請求項6の何れか1項記載の機械式駐車装置。
前記表示指示手段は、パレットが前記乗入部に到着し、前記乗入部の扉が開き、該扉が再び閉じるまでの間、前記撮像手段によって撮像された画像を前記画像表示手段に表示させる請求項8記載の機械式駐車装置。
前記表示指示手段は、前記撮像手段によって撮像された画像と共に、利用者に注意喚起を促す模式図を組み合わせて前記画像表示手段に表示させる請求項8又は請求項9記載の機械式駐車装置。
車両が載置され、格納部と乗入部との間で移動するパレットと、前記乗入部の入り口の外側周辺に設けられ、前記乗入部の前で入庫待ちの利用者及び前記乗入部の前で出庫待ちの利用者が画像を視認可能なように表示する画像表示手段と、を備えた機械式駐車装置の画像表示方法であって、
機械式駐車装置の動作状態に応じた画像を前記画像表示手段に表示させる機械式駐車装置の画像表示方法。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に、本発明に係る機械式駐車装置及び機械式駐車装置の画像表示方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0033】
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
【0034】
図1は、機械式駐車場設備100の第1実施形態を示すエレベータ式の立体駐車場の縦断面図である。なお、本発明に係る制御装置及び制御方法は、以下に述べるエレベータ式の立体駐車場に限らず、複数の駐車スペースに搬送機で駐車車両を入出庫させる機械式駐車場設備100であれば、他の様々な形式のものにも幅広く適用することができる。また、機械式駐車場設備100は、複数の立体駐車場で構成されていてもよい。
【0035】
この立体駐車場とされた機械式駐車装置1は、複数の車両2を収容可能なタワー型の駐車塔3を備えている。駐車塔3の一階部分には車両2を入出庫させる入出庫口4が開設されている。入出庫口4には上下スライド式の入出庫扉4aが設けられている。
【0036】
駐車塔3の地上階は
図2にも示す乗入階7となっており、その床面には車両2の方向を転換させるターンテーブル8が設置されている。ターンテーブル8は、乗入階7の床面に形成された凹状のピット9内に旋回板10と旋回駆動部11が設けられた構成である。
【0037】
駐車塔3の中心部には垂直な昇降通路13が形成されており、この中にリフト14(エレベータ状のパレット搬送機)が上下に昇降可能に設けられている。リフト14は、例えば駐車塔3の上部に設けられた図示しないウインチから下方に延びる4組のワイヤロープ15に四隅を吊持され、上記ウインチが起動することにより昇降通路13内を上下に昇降することができる。
【0038】
一方、昇降通路13の両側には車両格納棚17が設けられている。この車両格納棚17は、昇降通路13を挟むようにして上下に多階層状に設けられており、それぞれの車両格納棚17には車両2を積載するためのパレット18が1枚ずつ収容されている。なお、車両格納棚17の支柱等は図示が省略されている。
【0039】
リフト14と車両格納棚17の床面には、リフト14と車両格納棚17との床面の高さが一致した時に、空荷のパレット18(以下「空パレット」という。)、又は車両2が積載されたパレット18(以下「実パレット」という。)を、リフト14から車両格納棚17に、又は車両格納棚17からリフト14に、スムーズに受け渡すことができる図示しない受渡機構が設けられている。
【0040】
車両2の入庫時は、まず空パレットが収容されている車両格納棚17から、リフト14によって空パレットが乗入階7に降ろされ、このパレット18に車両2が乗り上げて、そのままパレット18ごとターンテーブル8によって90°方向転回された後、リフト14で昇降通路13を上昇し、車両格納棚17に収容される。
【0041】
また、出庫時は、出庫する車両2が収容されている車両格納棚17の高さまでリフト14が上昇し、パレット18ごと出庫車両がリフト14に引き取られ、そのままパレット18はリフト14によって乗入階7に降ろされ、出庫車両が入出庫口4から出庫する。
【0042】
図2は、乗入階7を示す斜視透視図である。外側から見て、入出庫口4に向かって左側に非常用出入口20がある。さらに、入出庫口4に向かって右側に操作盤22が設けられている。
【0043】
乗入階7の入出庫口4の外側周辺には、画像表示器21が設けられる。画像表示器21が設けられる入出庫口4の外側周辺とは、例えば、乗入階7へ車両2を入出庫させる入出庫扉4aの上方である。本第1実施形態では、一例として、入出庫扉4aの上部に画像表示器21が設けられているが、これに限らず、左右の斜め上、又は左右に設けられてもよい。
画像表示器21は、乗入階7の前で入庫待ちの利用者及び乗入階7の前で出庫待ちの利用者が画像を視認可能なように表示する。なお、入庫待ちの利用者は、入庫させる車両2の搭乗者でもある。すなわち、画像表示器21は、大型のディスプレイ(例えば42インチ以上)であり、乗入階7から離れた位置であっても表示される画像が視認できるものである。
【0044】
操作盤22は、利用者が各自で、利用者認証と、入出庫予約と、入出庫扉4aの開閉操作等を含む機械操作とを行う入力部である。さらに、操作盤22の上方の壁面等に、緑、黄、赤の3色を有する三色灯23が設置されている。
【0045】
乗入階7の内部には、中央部にパレット18が配置されるスペースがあり、入出庫口4の正面の壁には車両2の位置をドライバーが確認するための鏡24と、「前進」、「停車」、「後退」の指示を行う電光式の停車位置指示灯25が設けられている。また、乗入階7の両側面の壁には、車両2の大きさや前後位置を検知するための人感・車両センサ26,27や、非常停止ボタン28等が設けられている。停車位置指示灯25は、人感・車両センサ26,27により検知される車両位置のデータに基づいて、車両2のドライバーに車両位置の指示を行う。
【0046】
さらに、
図1、
図2及び
図8に示すように、乗入階7の内部等に、この機械式駐車装置1の全体の制御を行う立駐制御装置(CPU)30が設置されている。立駐制御装置30は、入出庫口4、ターンテーブル8、リフト14等による一連の入出庫動作(機械操作)を実行する装置である。立駐制御装置30には操作盤22が接続されており、操作盤22と情報を交換しながら入出庫操作を実行する。
【0047】
図3に示すように、操作盤22は、手前側に開口する筐体33と、この筐体33の開口部を覆う開閉可能な蓋34とを備えており、筐体33の内部には、
図4に示すように、例えばタッチパネル式の液晶画面である操作画面35(表示部35aと入力部35bとを備える)と、認証用のトランスポンダリーダー36と、非常停止ボタン37等とが配置されている。操作画面35を使用しない時には、蓋34を閉じることで操作画面35を外部から覆い、内部を保護することができる。
【0048】
また、蓋34には、引き開けるための取手を兼ねるとともに、蓋34を施錠するための施錠部38が設けられている。施錠部38は、蓋34が閉められると同時に施錠されるオートロック形式であるが、立駐制御装置30からの解錠信号を受けると、図示しないソレノイド等の駆動機構によって解錠されるように構成されている。さらに、施錠部38は、蓋34の開閉状態を立駐制御装置30に出力することができる。
【0049】
施錠部38は、そのキーシリンダ38aに、詳細を後述する
図7に示すリモコン送信機50に内蔵された専用の機械式キー56を差し込んで捻ることにより、手動で解錠及び施錠することができる。また、リモコン送信機50を用いれば、立駐制御装置30から解錠司令を出力させて自動解錠させることができる。さらに、蓋34には、施錠部38の解錠時に緑色に点灯し、施錠時に赤色に点灯する施錠灯39と、ディスプレイ画面41(表示部)等が設置されている。また、例えば筐体33の下面にLF送信アンテナ46(リモコン照合信号送信部)と利用者検知部47とが設けられている。
【0050】
LF送信アンテナ46は、LF信号であるリモコン照合信号SDを送信する。このリモコン照合信号SDは、リモコン送信機50に対して認証(ID)を問い合わせる信号であり、この信号の最大到達距離は、操作盤22の直近に居る利用者の位置まで、例えば0.5〜1メートル程度に設定されている。
利用者検知部47は、例えば人感センサであり、利用者や車両2が操作盤22の正面に停止したことを検知し、後述するようにLF送信アンテナ46にリモコン照合信号SDを送信させるトリガー信号を発信する。
【0051】
また、操作盤22にはRF受信アンテナ48が設けられている。このRF受信アンテナ48は、利用者が所持しているリモコン送信機50から発信される各種のリモコン信号SA,SB,SCを受信する。
【0052】
操作盤22のトランスポンダリーダー36は、電磁波EMWを発信しながら、リモコン送信機50が所定の距離以内に接近した時に、リモコン送信機50のトランスポンダから送信される無電源認証信号SEを受信するようになっている。
【0053】
そして、操作盤22は、RF受信アンテナ48によるリモコン信号SAの受信、又はトランスポンダリーダー36による無電源認証信号SEの受信が行われることによってユーザー認証を行うことができる。
【0054】
図5は、出庫予約盤22B(操作盤)を示す斜視図である。出庫予約盤22Bは、利用者による出庫予約を受け付ける操作盤である。出庫予約盤22Bは、
図1に示す機械式駐車装置1(駐車塔3)の入出庫扉4aに対して遠隔位置にある、例えばマンションのロビー等に設けられている。なお、遠隔位置とは、乗入階7の入出庫扉4aが視認できない位置でもある。
【0055】
出庫予約盤22Bには、タッチパネル式のディスプレイ画面41Bと、トランスポンダリーダー36Bと、LF送信アンテナ46Bと、RF受信アンテナ48Bと、利用者検知部47Bとが設けられている。
【0056】
LF送信アンテナ46Bは、利用者が所持するリモコン送信機50に対して認証(ID)を問い合わせるリモコン照合信号SDを送信し、その最大到達距離は、出庫予約盤22Bの直近に居る利用者の位置まで、例えば0.5〜1メートル程度に設定されている。
【0057】
利用者検知部47Bは、例えば人感センサであり、利用者が出庫予約盤22Bの正面に立ったことを検知し、LF送信アンテナ46Bにリモコン照合信号SDを送信させるトリガー信号を発信する。
【0058】
また、出庫予約盤22Bの上方に出庫順番表示機49が設けられている。出庫順番表示機49は、出庫予約盤22Bの表示部としても用いられる。この出庫順番表示機49は、各出庫号機(1号機、2号機…等)における出庫順番を、利用者の登録番号(車両2のナンバープレート番号等)で表示し、出庫が近い順に上から表示するようになっている。そして、出庫が近くなると点滅する等して目立たせるようになっている。出庫順番表示機49の最下段には、出庫号機別に、「到着しました。出庫口にお進み下さい」、「待ち時間○分○○秒」といった案内が表示される。
【0059】
図6は、入庫予約盤22C(操作盤)を示す斜視図である。入庫予約盤22Cは、利用者による入庫予約を受け付ける操作盤である。入庫予約盤22Cは、
図1に示す機械式駐車装置1の入出庫扉4aに対して遠隔位置に設けられた遮断機型の入場ゲート90の位置に設けられている。入場ゲート90は、車両2の走路Rに近接して設けられたアイランド91に設置されており、このアイランド91に、入場ゲート90と共に入庫予約盤22Cが設置されている。
【0060】
入庫予約盤22Cには、操作盤22と同様に、タッチパネル式のディスプレイ画面41Cと、トランスポンダリーダー36Cと、LF送信アンテナ46Cと、RF受信アンテナ48Cとが設けられている。
【0061】
入庫予約盤22Cは、車両2が入場ゲート90の手前で停車した時に、車両2の運転席の真横付近に来るように位置付けられており、ユーザーは車両2の運転席に座ったまま、リモコン送信機50で操作することができる。操作盤22や出庫予約盤22Bと同様に、LF送信アンテナ46Cからは、リモコン送信機50に対して認証(ID)を問い合わせるリモコン照合信号SDが送信されるが、この信号の最大到達距離は、入庫予約盤22Cの直近に居る車両2の内部には到達可能であり、この車両2よりも後から来た車両2には到達不可能な距離、例えば1メートル程度に設定されている。
【0062】
入庫予約盤22Cの正面付近の走路Rにはループコイル状の利用者検知部47Cが埋設されている。この利用者検知部47Cは、入庫予約盤22Cの正面に車両2が接近(停車)したことを検知し、入庫予約盤22CのLF送信アンテナ46Cにリモコン照合信号SDを送信させるトリガー信号を発信する。
【0063】
図7は、リモコン送信機50の斜視図である。
リモコン送信機50には、その本体ケース51の片面に、認証ボタン52と、起動ボタン(呼出ボタン)53と、扉開ボタン54と、送信ランプ55とが設けられるとともに、操作盤22の蓋34の施錠を解錠可能な機械式キー56が付属している。機械式キー56は、例えば本体ケース51の内部に抜き差し可能に内蔵され、図示しないロックボタンを押すことによって本体ケース51から抜き取ることができる。この機械式キー56を操作盤22のキーシリンダ38aに差し込んで捻ることにより、施錠部38の施錠を手動で解錠し、操作盤22の蓋34を開けることができる。
【0064】
操作盤22のRF受信アンテナ48がリモコン送信機50から送信されるリモコン信号SA,SB,SCを受信できる距離(検知範囲)は、例えば10m程度に設定されている。これにより、遠くに居る他の利用者のリモコン信号SA,SB,SCを無用に受信してしまうことが防止されるとともに、入出庫する利用者が車両2に乗車したままでもリモコン信号SA,SB,SCを送信できるようになっている。
【0065】
また、リモコン送信機50は、ユーザーの認証情報を記憶しているトランスポンダを備えている。トランスポンダは、電池の電力を使用することなく、操作盤22のトランスポンダリーダー36から発信される電磁波EMWを受信することにより自ら励磁電力を発生させて起動し、ユーザーの認証情報を無電源認証信号SEに変換して操作盤22に送信するように構成されている。
【0066】
図8に示すように、機械式駐車装置1を利用する利用者には、当該利用者自身の固有の認証情報(ID)を記憶されたリモコン送信機50を貸与され、利用者が機械式駐車装置1を利用する時に携帯することが求められる。このリモコン送信機50は、例えばタグやキーホルダー状に形成され、車両2のキーと一緒に持ち歩いたり、鞄やバック等に入れたりして持ち運ぶものである。リモコン送信機50は、電池(ボタン型電池等)を内蔵されており、この電池から電力を供給されて、後述するように利用者認証や操作盤22の遠隔操作等を行う各種のリモコン信号SA,SB,SCを送信することができる。
【0067】
図9は、機械式駐車装置1の乗入階7の上面図である。
乗入階7の入り口前方には、入庫予約盤22Cが設置されると共に、入庫する車両2A及び出庫した車両2Bが入出する入出エリア60が設けられている。なお、入出エリア60は、建屋の内部に設けられている。
位置Aは、出庫予約盤22Bが備えられているマンションのロビー等と行き来するドア62の前であり、利用者が出庫待ちのために待機する位置である。位置Bは、操作盤22の前の位置であり、位置Bにおいて利用者が操作盤22を操作する位置である。入庫する車両2Aは、入場ゲート90の前で停止する。
すなわち、入庫待ちの利用者は、入場ゲート90の前に停止した車両2Aに搭乗した状態で画像表示器21に表示される画像を視認する。また、出庫待ちの利用者は、位置Aで画像表示器21に表示される画像を視認する。
なお、位置Aから画像表示器21までの距離は、例えば約3mである。また、入場ゲート90から画像表示器21までの距離は、例えば約6mであり、車両2に搭乗している利用者と画像表示器21までの距離は、例えば約8mとなる。
【0068】
図10は、機械式駐車装置1の制御装置の全体概略構成を示すブロック図である。
【0069】
立駐制御装置30は、機械式駐車装置1の全体の制御を司る。なお、
図10では、立駐制御装置30における画像表示器21への表示機能について主に示している。
立駐制御装置30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等である。
【0070】
また、立駐制御装置30は、機械式駐車装置1に対する操作が利用者によって入力される操作盤22、出庫予約盤22B、入庫予約盤22C、及び画像表示器21と接続され、これらと各種情報の送受信を行う。さらに、立駐制御装置30は、外部との情報の送受信のためにインターネット等の外部ネットワーク72や宅配ボックス74とも接続されている。
そして、立駐制御装置30は、立駐管理部76及び表示指示部78を備える。
【0071】
立駐管理部76は、機械式駐車装置1の動作状態に関する情報、及び機械式駐車装置1の利用者に関する情報を管理(記憶)している記憶媒体である。
立駐管理部76は、利用者情報部76A、状態管理部76B、入出庫待管理部76C、入出庫管理部76D、及び生活情報管理部76Eを備える。
【0072】
利用者情報部76Aは、利用者のIDや利用者の車両2の種類等を記憶している。車両2の種類とは、例えば普通車、ミッドルーフ車、ハイルーフ車等の車高の相違による種類や、普通車、電気自動車、低床車両、バリアフリー車等の車両2の特徴の相違や、充電必要性の有無による相違による種類のことである。
【0073】
状態管理部76Bは、機械式駐車装置1の現在の故障状態を記憶している。なお、状態管理部76Bは、機械式駐車装置1が故障している場合、故障個所や修理日時等を記憶する。
【0074】
入出庫待管理部76Cは、入出庫待ちの利用者のIDや入出庫の順番を記憶している。
【0075】
入出庫管理部76Dは、パレット18が車両格納棚17から取り出されて乗入階7に到着するまでの時間である到着時間(到着時間管理)、入出庫扉4aの開閉状態(扉開閉管理)、乗入階7への車両2の入車及び車両2の退車の状態(入車退車管理)、及び乗入階7内における人の有無(場内有人管理)を記憶する。
なお、入車退車管理及び場内有人管理は、人感・車両センサ26,27により検知された結果に基づくものである。
【0076】
生活情報管理部76Eは、利用者の生活に関する情報である生活情報を記憶している。
生活情報は、共通生活情報と固有生活情報がある。共通生活情報は、全ての利用者に共通する生活情報であり、例えばマンションの管理組合が発する情報である。固有生活情報は、各利用者に固有の生活情報であり、例えば利用者のEメールや宅配ボックス74への宅配物の到着の有無である。
これらの生活情報は、例えば、外部ネットワーク72を介して立駐制御装置30に入力され、生活情報管理部76Eに記憶される。また、宅配ボックス74は、例えば、扉の開閉を検知し、開閉があった場合に、宅配物が到着していると判定する。この判定結果は、立駐制御装置30に入力され、生活情報管理部76Eに記憶される。
【0077】
表示指示部78は、機械式駐車装置1の動作状態に応じた画像や利用者の生活に関する画像を画像表示器21に表示させる。
機械式駐車装置1の動作状態とは、例えば、パレット18の乗入階7への移動状態や、入出庫扉4aの開閉等であり、立駐管理部76で記憶されている情報に基づくものである。そして、機械式駐車装置1の動作状態に応じた画像とは、例えば、利用者の次の行動を促す画像や利用者に注意を促す画像等である。
利用者の生活に関する画像は、生活情報管理部76Eに記憶されている情報に基づくものである。
【0078】
図11は、画像表示器21に表示される画像の一例である。
図11に示される画像は、車両2が出庫される際に画像表示器21に表示される画像である。
上欄80Aには、入出庫待ちの車両2の利用者を示す利用者番号(1234、5678)が表示される。中欄80Bには、現在出庫中の車両2の利用者番号(5378)が表示される。なお、中欄80Bにおける利用者番号の右側の矢印は、パレット18が乗入階7へ到着するまでの残り時間(以下「パレット待ち時間」という。)を示しており、矢印が右端へ至ったらパレット18が乗入階7へ到着したことを示す。また、矢印の替りに、パレット18が乗入階7に到着するまでの時間が数字やゲージ(柱状グラフ、バーともいう。)で表示されてもよい。なお、上欄80A及び中欄80Bに示される利用者番号は入出庫待管理部76Cに記憶されている情報に基づき、入出庫管理部76Dの到着時間管理に基づき、中欄80Bに示されるパレット待ち時間は、入出庫管理部76Dの到着時間管理に基づくものである。
このように、中欄80Bに、現在の利用者を特定する画像が表示されると共に、上欄80Aには、他の利用者を特定する画像が表示される。
【0079】
また、下欄80Cには、機械式駐車装置1の動作状態を示すメッセージ、利用者の次の行動を促す画像や利用者に注意を促す画像、又は利用者の生活に関する画像等が表示される。
【0080】
図12は、車両2を入庫させる場合の処理の流れである。
図12では、利用者の動作(左端のフロー)、画像表示器21の表示動作(左端から2つめのフロー)、操作盤22への操作(右端から2つめのフロー)、及び機械式駐車装置1の動作状態(右端のフロー)毎に示されている。なお、
図12のフローにおける画像表示器21の動作は、表示指示部78の動作と同義である。表示指示部78は、機械式駐車装置1の動作状態に応じて、立駐管理部76に記憶されている情報を読み出し、それに応じた画像を画像表示器21に表示させる。
また、
図13から
図17は、画像表示器21に表示される画像の例を示している。
【0081】
まず、車両2を入庫する利用者が入庫予約盤22Cの前に到着する(S100)。このとき、機械式駐車装置1が動作を行っていない状態ならば、画像表示器21には
図13(A)に示されるような待機画像が表示される(S200)。
【0082】
利用者は、入庫予約盤22Cに対して認証操作を行う(S102)。認証操作は、入庫予約盤22Cのトランスポンダリーダー36Cにリモコン送信機50を接触させ、認証情報を入庫予約盤22Cへ送信することで行ってもよいし、タッチパネルとされているディスプレイ画面41Cに、認証情報を入力することで行ってもよい。入庫予約盤22Cは、認証に成功すると、入庫予約を受け付ける。なお、ディスプレイ画面41Cには「入庫予約中」の表示がされるとともに、音声案内がされる。
【0083】
入庫予約がされると、画像表示器21には、
図13(B)に示されるような待ち順番画像が更新して表示される(S202)。
図13(B)の中欄には、入庫又は出庫を現在行っている利用者の利用者番号が表示される。中欄の利用者番号の右横のゲージは、パレット待ち時間を示している。
図13(B)の上欄には、次の利用者番号が表示される。なお、次の利用者番号は、出庫の利用者又は入庫の利用者が判別できるように表示される。判別させるための例としては、出庫の利用者番号と入庫の利用者番号とで色を変えることや、一方を強調表示することや、利用者番号と共に出庫又は入庫を示す文字を表示させる等があげられる。
また、
図13(B)の下欄には、機械式駐車装置1がパレット18を乗入階7へ移動させていることを示す「準備中」が表示される。
さらに、
図13(C)に示されるように、
図13(B)の下欄に表示される日本語表記は、英語表記等の他の言語とで交互に表示されてもよい。
【0084】
機械式駐車装置1における前回の入庫又は出庫が完了すると(S400)、画像表示器21に表示される画像は、次の利用者に応じた画像へ更新される。すなわち、
図13(B)の上欄の次の利用者番号の先頭が消去され、中欄の利用者番号が次の利用者番号に更新される(S204)。
【0085】
次に、利用者番号に応じた空パレットを乗入階7へ移動させる入庫呼び出しが開始される(S402)。これに伴い、機械式駐車装置1の現在の動作状態を示す実行表示として、空パレットの移動に応じて、画像表示器21に表示されるパレット待ち時間の減少が開始される(S206)。
【0086】
そして、時間の経過と共に画像表示器21の現在の実行表示として、パレット18が到着していないことを示す画像(
図14(A))や車両2を入庫させるための注意事項を示す画像(以下「注意画像」という。)等が表示される(S208)。
注意画像は、
図14(B),(C)に示される車両2のアンテナやドアミラーの格納を促す画像、
図14(D),(E)に示される同乗者を降ろすことを促す画像等である。
図14(A)は、パレット18の到着を利用者が待っている間に表示される画像であり、日本語表記は、英語表記等の他の言語とで交互に表示される。
図14(B)は、車両2のアンテナやドアミラーの格納を促す文字を表示した画像であり、日本語表記は、英語表記等の他の言語とで交互に表示される。
図14(C)は、車両2のアンテナやドアミラーの格納を促す模式図を表示した画像であり、車両2のアンテナとドアミラーが未格納の状態と格納済みの状態を示す模式図が交互に表示される。
図14(D)は、同乗者を降ろすことを促す文字を表示した例であり、日本語表記は、英語表記等の他の言語とで交互に表示される。
図14(E)は、同乗者を降ろすことを促す模式図を表示した画像であり、車両2と共に同乗者として大人と子供が表示される。そして、大人と子供の横に、車両2から離れることを促す矢印が明滅表示される。
【0087】
また、ステップ208では、利用者の生活情報を示す画像も画像表示器21に表示される。
図15(A)は、下欄に表示される生活共通情報を示す画像であり、マンションの管理組合の集会日時を一例として示している。
図15(B)は、下欄に表示される固有生活情報を示す画像であり、利用者に固有生活情報があることを「伝言があります」とのメッセージで示している。固有生活情報は、利用者の私的な内容を示している。このため、他の利用者も視認できる画像表示器21にその内容を表示することは好ましくない。このため、固有生活情報があることを示す情報のみが画像表示器21に表示される。固有生活情報の具体的な内容は、操作盤22を操作することで他の利用者が視認できないディスプレイ画面41に表示される。ディスプレイ画面41に表示される固有生活情報は、例えば、Eメールや宅配便が届いていることを示す情報である。
【0088】
なお、ステップ208では、一例として、
図14(A)〜(E)、
図15(A),(B)の画像が交互に画像表示器21に表示される。ステップ208で画像表示器21に表示される画像を視認した利用者は、車両2のアンテナやドアミラーを格納する作業や、同乗者を車両2から降ろす等の入庫準備を行う(S104)。また、利用者は、操作盤22で固有生活情報の内容を確認する。
【0089】
機械式駐車装置1で空パレットの乗入階7への到着が間近となると(S404)、画像表示器21は現在の実行表示として、入出庫扉4aが開くことを注意喚起する画像を表示する(S210)。
図16(A)は、ステップ210において画像表示器21に表示される画像であり、入出庫扉4aが開くことを示す画像である。
図16(A)の例では、パレット待ち時間を表示していた個所に入出庫扉4aの模式図が表示され、入出庫扉4aが閉じた状態、途中まで開いた状態、完全に開いた状態が繰り返し表示されることを示している。また、
図16(A)の例では、入出庫扉4aが開くことを表した文字も表示され、日本語表記は、英語表記等の他の言語とで交互に表示される。
【0090】
そして、空パレットが乗入階7へ到着して入出庫扉4aが開かれると(S406)、画像表示器21は現在の実行表示として、車両2を乗入階7へ移動(以下「入場」という。)させることを促す画像を表示する(S212)。
図16(B)は、ステップ212において画像表示器21に表示される画像であり、車両2の入場を促す画像である。
図16(B)の例では、入出庫扉4aが完全に開いた模式図と共に入場を促す矢印が表示される。
図16(B)の例では、矢印が白色から赤色へ段階的に変化する画像を繰り返し表示することにより、利用者に対して車両2の入場を促す。また、
図16(B)の例では、車両2の入場を促す文字も表示され、日本語表記は、英語表記等の他の言語とで交互に表示される。
【0091】
ステップ212で画像表示器21に示される画像を視認した利用者は、車両2の入場を開始する(S106)。なお、以下の説明では、乗入階7を場内ともいう。
【0092】
車両2が入場し、乗入階7に停車すると(S408)、車両2を運転していた利用者が乗入階7に降りることとなる(S410)。これに伴い、画像表示器21には、現在の実行表示として、乗入階7に人が居ることを表示する(S214)。
図17(A)は、ステップ214において画像表示器21に表示される画像であり、乗入階7に人が居ることを示す画像である。
図17(A)の例では、入出庫扉4aが完全に開いた模式図と共に注意喚起を促す画像として感嘆符を組み合わせている。また、
図17(A)の例では、乗入階7に人が居ることを表した文字も表示され、日本語表記は、英語表記等の他の言語とで交互に表示される。
【0093】
利用者が乗入階7から退場すると(S412)、画像表示器21は現在の実行表示として、入出庫扉4aの閉操作を促す画像を表示する(S216)。
図17(B)は、ステップ216において画像表示器21に表示される画像であり、入出庫扉4aの閉操作を促す画像である。
図17(B)の例では、入出庫扉4aが開いた状態、途中まで閉じた状態、完全に閉じた状態が繰り返し表示されることを示している。また、
図17(B)の例では、入出庫扉4aの閉操作を促す文字も表示され、日本語表記は、英語表記等の他の言語とで交互に表示される。
【0094】
図17(B)に示される画像を視認した利用者は、操作盤22に対して入出庫扉4aを閉める操作を行う(S300)。
ここで、操作盤22への操作に伴い、個別利用者情報がある場合、利用者は操作盤22を介して個別利用者情報の内容を確認してもよい。
【0095】
入出庫扉4aの閉操作が行われると、入出庫扉4aは閉じられ(S414)、車両2が載置された実パレットが車両格納棚17に格納される(S416)。
また、画像表示器21には、入庫が完了したことを示す完了メッセージが表示される(S218)。
図17(C)は、完了メッセージを示す画像であり、日本語表記は、英語表記等の他の言語とで交互に表示される。
【0096】
そして、立駐制御装置30によって、次の入庫又は出庫の利用があるか否かが判断され(S220)、肯定判定の場合はステップ204へ戻り、次の利用者に応じた画像が画像表示器21に表示される。一方、否定判定の場合は
図13(A)のような待機画面が表示される(S224)。
【0097】
図18は、車両2を出庫させる場合の処理の流れである。なお、
図18における
図12と同一のステップについては
図12と同一の符号を付して、その説明を一部又は全部省略する。
【0098】
まず、車両2を出庫する利用者が出庫予約盤22Bの前に到着する(S100A)。そして、出庫予約盤22Bによる認証及び出庫予約が完了すると、利用者番号に応じた実パレットを乗入階7へ移動させる出庫呼び出しが開始される(S402A)。
【0099】
そして、画像表示器21に表示されるパレット待ち時間の減少が開始されると共に(S206)、車両2を出庫させるための注意事項を示す画像(以下「出庫注意画像」という。)が表示される(S208B)。出庫注意画像としては、車両2の同乗者の乗入階7への移動を禁止する画像や、出庫後の入出庫扉4aの閉め忘れを防止するための画像等である。
図19(A)は、出庫後の入出庫扉4aの閉め忘れを防止するため文字を表示した画像であり、日本語表記は、英語表記等の他の言語とで交互に表示される。
【0100】
注意画像を視認した同乗者を乗入階7へ入らないように、利用者は注意することとなる(S104B)。
【0101】
機械式駐車装置1で実パレットの乗入階7への到着が間近となると(S404B)、画像表示器21は現在の実行表示として、入出庫扉4aが開くことを注意喚起する画像を表示する(S210)。そして、空パレットが乗入階7へ到着して入出庫扉4aが開かれると(S406B)、画像表示器21は現在の実行表示として、利用者が乗入階7へ移動することを促す画像を表示する(S212B)。
ステップ212Bで画像表示器21に示される画像を視認した利用者は、乗入階7へ移動する(S106B)。
【0102】
乗入階7へ移動し、利用者が車両2を乗入階7から退場させると(S412B)、利用者は車両2から降り、操作盤22に対して入出庫扉4aを閉める操作を行う(S300)。
その後、画像表示器21には、出庫が完了したことを示す完了メッセージが表示される(S218B)。
図19(B)は、完了メッセージの画像であり、日本語表記は、英語表記等の他の言語とで交互に表示される。
【0103】
図12,18を用いて説明したように、画像表示器21は、車両2の入庫待ちから入庫完了、又は車両2の出庫待ちから出庫完了に至るまでの、機械式駐車装置1の動作状態に応じた画像を表示する。これにより、利用者は、入庫待ちから入庫完了又は出庫待ちから出庫完了の機械式駐車装置1の一連の運転状態を、一つの画面で把握することができる。また、画像表示器21に表示される画像は、出庫予約又は入庫予約がトリガーとなって、切り替わる。
【0104】
図20は、機械式駐車装置1に故障が発生した場合の処理の流れである。
画像表示器21に例えば任意の画面が表示されている状態で(S240)、機械式駐車装置1に故障が発生すると(S440)、画像表示器21には、故障表示がされる(S242)。
図21は、故障表示の一例であり、日本語と英語によって、故障が発していることを示している。また、メンテナンス会社が修理を行う日時が決定すると、その日時が画像表示器21に表示されてもよい。また、修理の日時は、共通利用者情報として画像表示器21に表示されてもよい。
【0105】
図22は、機械式駐車装置1を保守運転する場合の処理の流れである。
機械式駐車装置1が自動運転中であり(S450)、画像表示器21に一例として待機画面が表示されている状態(S250)において、保守運転が開始される場合に(S452)、画像表示器21に調整中表示がされる(S252)。
図23は、調整中表示の一例であり、日本語と英語によって、調整中であることを示している。
【0106】
以上説明したように、本第1実施形態に係る機械式駐車装置1は、乗入階7の入り口の外側周辺に設けられ、乗入階7の前で入庫待ちの利用者及び乗入階7の前で出庫待ちの利用者が画像を視認可能なように表示する画像表示器21、機械式駐車装置1の動作状態に応じた画像を画像表示器21に表示させる表示指示部78と、を備える。
これにより、機械式駐車装置1の利用者は、機械式駐車装置1の運転状態を容易に把握できる。
【0107】
(第1実施形態の第1変形例)
図24は、本第1実施形態に係る機械式駐車場設備100の変形例である。
【0108】
第1変形例に係る機械式駐車装置1は、乗入階7の内部であって、車両2に搭乗した利用者が視認できる位置にも画像表示器21Aが設けられる。
【0109】
図24の例では、乗入階7の正面の壁に停車位置指示灯25の替りに、画像表示器21Aが設けられる。この画像表示器21Aは、画像表示器21と同じ画面が表示されてもよいが、以下に説明するように、車両2を入場させる場合に特有の画像を表示させてもよい。
【0110】
図25から
図27は、画像表示器21Aに表示される画像の一例である。
図25(A)は、上方向を向いた矢印を2つ上下に並べて表示しており、車両2を前進させること促す画像である。
図25(B)は、上方向を向いた矢印に対して右方向を向いた矢印を表示しており、車両2を右に寄せることを促す画像である。
図25(C)は、上方向を向いた矢印に対して左方向を向いた矢印を表示しており、車両2を左に寄せることを促す画像である。
図25(D)は、上方向を向いた矢印を一つのみ表示しており、車両2をゆっくり前進させることを促す画像である。
図26(A)は、下方向を向いた矢印を2つ上下に並べて表示しており、車両2を後進させることを促す画像である。
図26(B)は、「停止」の文字によって、車両2を停止させることを促す画像である。
図26(C)は、「車高オーバー」の文字によって、車両2の車高が高すぎて入庫できないことを示す画像である。
図26(D)は、入庫させる車両2が電気自動車等の充電可能な自動車である場合に、充電プラグを車両2に接続することを促す画像である。
図27は、車両2のドアミラーの格納を促す画像である。
【0111】
図25から
図26(C)は、人感・車両センサ26,27により検知された結果に基づいて、表示指示部78によって選択されて画像表示器21Aに表示される。
図26(D)は、入庫させる車両2の種類に基づいて、表示指示部78によって選択されて画像表示器21に表示される。このように、車両2の種類に応じた画像が画像表示器21Aに表示されるので、利用者の利便性が高まる。
【0112】
なお、
図25から
図27に示される画像は、画像表示器21に適宜表示されてもよい。
また、固有生活情報を示す画像は、画像表示器21に表示されずに、画像表示器21Aにのみに表示されてもよい。画像表示器21Aは、他の利用者に視認され難いためである。
【0113】
(第1実施形態の第2変形例)
図28は、本第1実施形態に係る機械式駐車場設備100の変形例である。
【0114】
第2変形例に係る機械式駐車場設備100は、縦列式駐車装置である。
縦列式駐車装置は、複数の機械式駐車装置1が前後に並び、車両2の入出庫口4を共有している。すなわち、縦列式駐車装置は、入出庫口4を有する前側の機械式駐車装置1A及び後側の機械式駐車装置1Bで構成される。
【0115】
そして、変形例2では、機械式駐車装置1Bにも、乗入階7の正面の壁に画像表示器21Bが設けられる。
なお、画像表示器21Bに表示される画像は、画像表示器21と同じであってもよいし、画像表示器21Aのように機械式駐車装置1Bに入場させる車両2に特有の画像であってもよい。
【0116】
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態について説明する。
【0117】
本第2実施形態に係る機械式駐車場設備100の構成は、
図1に示す第1実施形態に係る機械式駐車場設備100の構成と同様であるので説明を省略する。
【0118】
図29は、本第2実施形態に係る乗入階7の斜視図である。
図29における
図2と同一の構成部分については
図2と同一の符号を付して、その説明を省略する。
本第2実施形態に係る乗入階7は、乗入階7の内部を撮像するカメラ95が備えられる。カメラ95は、一例として、入出庫扉4aが配置されている壁面の左右上方に一対備えられており、乗入階7の内部の略全域を撮像する。なお、これに限らず、カメラ95は3つ以上備えられてもよいし、乗入階7の内部を十分に撮像可能ならば一つのみ備えられてもよい。また、カメラ95は、車両2の運転者から死角になる乗入階7の位置を撮像することが好ましい。
【0119】
図30は、本第2実施形態に係る立駐制御装置30の全体概略構成を示すブロック図である。なお、
図30における
図10と同一の構成部分については
図10と同一の符号を付して、その説明を省略する。
本第2実施形態に係る立駐制御装置30は、カメラ管理部96を備える。
カメラ管理部96は、各カメラ95のオン、オフ等を行う。カメラ95は、例えば、リフト14が起動した場合や入出庫扉4aが開かれた場合にオン状態となる。一方、リフト14が停止した後や入出庫扉4aが閉じられた後に、カメラ95はオフ状態となる。
また、カメラ管理部96は、各カメラ95の撮像により得た画像信号が入力され、画像表示器21で表示可能なように画像処理を行い、表示指示部78へ出力する。なお、この画像処理とは、例えば、複数のカメラ95で撮像された乗入階7の内部の画像(以下「カメラ画像」という。)を一つの画像に結合する処理等である。画像結合の具体例としては、複数のカメラ95で撮像した画像を結合させ、乗入階7の上方から見下ろした画像とする等である。
【0120】
このように、利用者が車両2に搭乗した状態であっても、カメラ画像が画像表示器21に表示されることによって、利用者は乗入階7の安全を確認できる。
【0121】
図31(A1)〜(A4)は、第1実施形態に係る
図16(A)に対応した画像表示器21に表示される画像であって、入出庫扉4aが開く過程を示す画像である。
図31(A1)〜(A3)の例は、上述した第1実施形態に係る
図16(A)に示される画像と同様に模式図が表示される。一方、入出庫扉4aが完全に空いた状態を示す
図31(A4)の画像では、模式図の替わりにカメラ画像が表示される。
すなわち、パレット18が乗入階7に到着すると、カメラ95がオン状態とされて、表示指示部78が画像表示器21にカメラ画像を表示させる。これにより、利用者は乗入階7へのパレット18の到着、及び乗入階7内の安全の確認が可能となる。なお、車両2を出庫させる場合は、車両2が載置されたパレット18が乗入階7へ到着するため、利用者は乗入階7に自身の車両2が到着したことを確認できる。
【0122】
図31(B)は、第1実施形態に係る
図16(B)に対応した画像表示器21に表示される画像であり、車両2の入場を促す画像である。
図31(B)の例では、カメラ画像と共に入場を促す矢印(模式図)が表示される。これにより、入庫させる車両2を運転者は、車両2の前方と共に乗入階7の内部のカメラ画像を確認しつつ、入庫可能であるため、入庫時の安全性がより高められる。
【0123】
図32(A)は、第1実施形態に係る
図17(A)に対応した画像表示器21に表示される画像であり、乗入階7に人が居ることを示す画像である。
図32(A)の例では、カメラ95で撮像されたカメラ画像と共に注意喚起を促す画像として感嘆符等の模式図を組み合わせている。このように、表示指示部78は、カメラ画像と共に、利用者に注意喚起を促す模式図を組み合わせて画像表示器21に表示させる。
図32(B)は、第1実施形態に係る
図17(B)に対応した画像表示器21に表示される画像であり、入出庫扉4aの閉操作を促す画像である。
図32(B)の例では、カメラ95で撮像されたカメラ画像と共に入出庫扉4aを閉じる模式図とが組み合わされる。
これにより、利用者は、乗入階7の内部のカメラ画像を確認することで、乗入階7に人が居ないことを確認してから入出庫扉4aを閉じることができるため、入庫時の安全性がより高められる。
【0124】
以上説明したように、本第2実施形態に係る機械式駐車場設備100は、乗入階7の内部を撮像するカメラ95を備え、撮像された画像を画像表示器21に表示させる。また、パレットが乗入階7に到着し、乗入階7の入出庫扉4aが開き、該入出庫扉4aが再び閉じるまでの間、カメラ画像が画像表示器21に表示される。従って、本第2実施形態に係る機械式駐車場設備100によれば、利用者が乗入階7の安全確認を容易に行える。
【0125】
(第2実施形態の第1変形例)
図33は、本第2実施形態に係る機械式駐車場設備100の変形例である。
【0126】
第1変形例に係る機械式駐車装置1は、乗入階7の内部であって、車両2に搭乗した利用者が視認できる位置にも画像表示器21Aが設けられる。この画像表示器21Aには、画像表示器21と同様の画像が表示される。
【0127】
(第2実施形態の第2変形例)
図34は、本第2実施形態に係る機械式駐車場設備100の変形例である。
【0128】
第2変形例に係る機械式駐車場設備100は、縦列式駐車装置である。
縦列式駐車装置は、複数の機械式駐車装置1が前後に並び、車両2の入出庫口4を共有している。すなわち、縦列式駐車装置は、入出庫口4を有する前側の機械式駐車装置1A及び後側の機械式駐車装置1Bで構成される。
【0129】
そして、変形例2では、機械式駐車装置1Bの乗入階7にも、乗入階7の内部を撮像するカメラ95Bが備えられる。さらに、機械式駐車装置1Bには、乗入階7の正面の壁に画像表示器21Bが設けられる。
なお、一例として、画像表示器21,21Aに表示される画像は、カメラ95によって撮像されたカメラ画像が表示され、画像表示器21Bに表示される画像は、カメラ95Bによって撮像されたカメラ画像が表示される。
【0130】
以上、本発明を、上記各実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記各実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記各実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0131】
例えば、上記各実施形態では、画像表示器21に画像を表示させる形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、画像表示器21に画像を表示させると共に、音声による報知を行う形態としてもよい。
【0132】
また、上記各実施形態では、機械式駐車装置1が出庫予約盤22B及び入庫予約盤22Cを備える形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、機械式駐車装置1が出庫予約盤22B及び入庫予約盤22Cを備えず、操作盤22によって出庫予約及び入庫予約が行われる形態としてもよい。
【0133】
また、上記各実施形態で説明した処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。