【背景技術】
【0002】
半導体製造産業においては、フォトレジスト材料は、半導体基体上に配置される金属、半導体および誘電体層のような1以上の下層に、並びに基体自体に像を転写するために使用される。フォトレジスト材料は、例えば、イオン注入マスクの形成における半導体製造における用途を見いだしている。半導体デバイスの集積密度を増大させかつナノメートル範囲の寸法を有する構造物の形成を可能にするために、高解像能を有するフォトリソグラフィ処理ツールおよびフォトレジストが開発されてきており、かつ開発され続けている。
【0003】
ポジティブトーン化学増幅型フォトレジストは、従来、光リソグラフィにおける高解像処理のために使用されている。このレジストは典型的には酸不安定脱離基を有する樹脂および光酸発生剤を使用する。化学線への露光は酸発生剤に酸を形成させ、この酸は露光後ベーク中に、樹脂中の酸不安定基の開裂を引き起こす。このことが、水性アルカリ現像剤溶液中で、レジストの露光領域と未露光領域との間の溶解度特性の差を造り出す。ポジティブトーン現像(PTD)プロセスにおいては、このレジストの露光領域は水性アルカリ現像剤中で可溶性であって、そして基体表面から除去されるが、この現像剤中で不溶性である未露光領域は現像後に残ってポジティブ像を形成する。
【0004】
光像形成ツールのためのレイリー式(Rayleigh equation)によって定義される理論的な解像限界は以下に示される:
【0005】
【数1】
【0006】
式中、k
1はプロセス因子であり、λは像形成ツールの波長であり、およびNAは像形成レンズの開口数である。標準の193nmドライリソグラフィ、仮想NA=0.9およびk
1=0.25についてのラインアンドスペースパターンを印刷するための理論的解像限界は54nmである。このことは、193nmドライ液浸ツールは54nmのハーフピッチラインアンドスペースパターンを解像することができるのみであろうことを意味する。193nm液浸リソグラフィ(NA=1.35、K
1=0.25)については、理論解像限界は36nmに低減される。コンタクトホールまたは任意の2Dパターンを印刷するための解像度は、ダークフィールドマスクを用いた低空中像コントラストのせいで、さらに限定され、k
1についての理論限界はラインアンドスペースパターンについてのものよりも一般的により高い。
【0007】
直接イメージング単独で達成可能なものよりもより微細なフォトレジストパターンを形成するために、フォトレジストパターントリミングプロセスが提案されてきた。例えば、米国特許第6492075B1号はパターン形成されたレジストをトリミングする方法を開示する。この方法は、第1のサイズの構造フィーチャを有するパターン形成されたレジストを提供し、このパターン形成されたレジストが不安定基を有するポリマーを含んでいる工程、少なくとも一種の開裂用化合物を含むコーティングを接触させて、パターン形成されたレジストとコーティングとの間の界面に脱保護レジスト薄層を形成する工程、並びにこのコーティングおよび脱保護レジスト薄層を除去して、前記第1のサイズより小さい第2のサイズの構造フィーチャを有するパターン形成されたレジストを残す工程を含む。この文献は、酸、塩基および有機化合物から選択される様々な開裂用化合物、並びにこのトリミング組成物に使用するための多くの可能なポリマーの長いリストを開示する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
フォトレジストパターントリミング組成物
フォトレジストパターントリミング組成物はマトリックスポリマー、フッ素を含まない芳香族酸、および溶媒を含み、かつ任意の追加の成分を含んでいてよい。化学増幅フォトレジスト組成物から形成されるフォトレジストパターンを覆うように塗布される場合に、このフォトレジストトリミング組成物は、制御可能に低減されたレジストパターン寸法で非常に微細なリソグラフィパターンを提供することができ、かつ孤立したラインおよびポストのような孤立したパターンの形成のための向上したプロセスウィンドウ、および良好な粗密バイアスを提供できる。
【0016】
マトリックスポリマーは、所望の厚さを有する層の形態でこの組成物がフォトレジストパターンを覆って塗布されるのを可能にする。このことは、フォトレジストパターン表面との相互作用のために充分な含有量の酸の存在を確実にするのを助けるであろう。
【0017】
マトリックスポリマーはトリミングプロセスにおいて使用されるすすぎ液に良好な溶解度を有するべきである。例えば、マトリックスポリマーは水性アルカリ現像剤、好ましくは、水性テトラメチルアンモニウムヒドロキシドのような第四級アンモニウムヒドロキシド水溶液に、または水に可溶性であり得る。この上塗り材料からもたらされる残留物欠陥を最小限にするために、トリミング組成物の乾燥層の溶解速度は、現像剤溶液によって除去されるフォトレジストパターン表面領域の溶解速度よりも大きくあるべきである。マトリックスポリマーは、典型的には、100Å/秒以上、好ましくは、1000Å/秒以上の現像剤溶解速度を示す。マトリックスポリマーは、本明細書に記載されるトリミング組成物の溶媒に可溶性である。
【0018】
マトリックスポリマーは以下の一般式(I)のモノマーから形成される単位を含む:
【0020】
式中、R
1は水素、フッ素、C
1−C
3アルキル、およびC
1−C
3フルオロアルキルから選択され、典型的には、水素またはメチルであり、R
2はC
1−C
15アルキレンから選択され、かつ直鎖、分岐、環式、またはこれらの組み合わせであってよく、並びにR
3は少なくとも部分的にフッ素化されたC
1−C
3アルキル、典型的には、ペルフルオロアルキルから選択され、かつ直鎖または分岐であってよい。一般式(I)のモノマーから形成される単位は、水性塩基すすぎ液または水で現像される場合にマトリックスポリマーに良好な溶解度特性を与える。一般式(I)のモノマーは既知の技術によって製造されることができ、かつ商業的に入手可能である。
【0021】
一般式(I)の適するモノマーには、例えば、以下のものが挙げられる:
【0023】
一般式(I)のモノマーから形成される単位は典型的には、ポリマーを基準にして、5〜100モル%、例えば、30〜95モル%、または50〜90モル%の量でマトリックスポリマー中に存在する。
【0024】
マトリックスポリマーは1種以上の追加の種類の一般式(I)の他のモノマー(1種または複数種)から形成される単位、および/または他の異なる単位を含むことができる。ポリマーは、例えば、膜のガラス転移温度T
g、表面特性および溶解速度の1以上を調節する目的のための1種以上の追加の単位を含んでいてもよい。この1種以上の追加の単位には、例えば、ヒドロキシル、カルボキシル、スルホン酸、シラノール、フルオロアルコール、無水物、ラクトン、エステル、エーテル、アリルアミン、ピロリドンおよびこれらの組み合わせから選択される1以上の官能基が挙げられうる。これらの中で、フルオロアルコールおよびスルホン酸基が好ましい。
【0025】
フルオロアルコール基は部分的にまたは完全にフッ素化されていて良く、ヘキサフルオロアルコール基が典型的である。フルオロアルコール基を含む適する単位には、例えば、下記一般式(II)によって表されるモノマーから形成されるものが挙げられる:
【0027】
式中、R
4は水素、フッ素、C
1−C
3アルキル、およびC
1−C
3フルオロアルキルから選択され、典型的には、水素またはメチルであり、R
5はC
1−C
15アルキレンから選択されるn+1価の基であり、かつ直鎖、分岐、環式、またはこれらの組み合わせであってよく、並びにR
fはC
1−C
3フルオロアルキルから独立して選択され、典型的にはCF
3であり、かつ直鎖または分岐であってよく、並びにnは1〜4の整数、典型的には1または2である。
【0028】
一般式(II)の適するモノマーには、例えば、以下のものが挙げられる:
【0030】
このフルオロアルコール基を含む単位はマトリックスポリマー中に、ポリマーを基準にして0〜95モル%、例えば、30〜70モル%の量で存在していて良い。
【0031】
マトリックスポリマーの形成に使用するのに適する、スルホン酸基含有モノマーには、例えば、以下のものが挙げられる:
【0033】
使用される場合には、スルホン酸基含有単位は、典型的には、ポリマーを基準にして、0〜20モル%、例えば、1〜10モル%の量でマトリックスポリマー中に存在する。
【0034】
マトリックスポリマーは典型的には、ポリ(メタ)アクリラートおよび/またはポリ(メタ)アクリルアミド単位のみで作られているが、他の重合性基、例えば、ビニルおよびノルボルネン並びにこれらの組み合わせを有する単位を含んでいてもよい。本発明に従った適するマトリックスポリマーには、例えば、以下のものが挙げられる:
【0036】
上記式において、これら単位の含有量はモル%単位である。
【0037】
組成物中のマトリックスポリマーの含有量は、例えば、層の目標厚さに応じて変化するであろうが、より厚い層のためにはより高いポリマー含有量が使用される。マトリックスポリマーは典型的には、トリミング組成物の全固形分を基準にして80〜99重量%、より好ましくは90〜98重量%の量で組成物中に存在する。ポリマーの重量平均分子量は典型的には、400,000未満、好ましくは3000〜50,000、より好ましくは3000〜25,000である。
【0038】
この上塗り組成物において有用なポリマーはホモポリマーであっても、複数の区別できる繰り返し単位、例えば、2種類、3種類または4種類の区別できる繰り返し単位を有するコポリマーであってもよい。このトリミング組成物は、典型的には、単一種のポリマーを含むが、場合によっては、1種以上の追加のポリマーを含んでいてもよい。この上塗り組成物における使用に適するポリマーおよびモノマーは、商業的に入手可能であり、および/または当業者によって容易に製造されうる。
【0039】
このトリミング組成物は、フッ素を含まない1種以上の芳香族酸をさらに含む。フッ素を含まない芳香族酸はフッ素化された酸よりも環境に優しい場合がある。脱保護反応に基づくフォトレジストの場合には、この酸は熱と共に、フォトレジストパターンにおける酸不安定基の結合を開裂させうる。
【0040】
芳香族酸は、好ましくは、フェニル、ビフェニル、ナフチル、アントラセニル、チオフェンまたはフラン基を含むスルホン酸である。芳香族酸は好ましくは、以下の一般式(I)〜(VI)の1種以上の芳香族スルホン酸から選択される。
【0042】
式中、R
1は独立して、置換もしくは非置換C1−20アルキル基、置換もしくは非置換C5−C20アリール基、またはこれらの組み合わせを表し、場合によっては、カルボニル、カルボニルオキシ、スルホンアミド、エーテル、チオエーテル、置換もしくは非置換アルキレン基、またはこれらの組み合わせから選択される1種以上の基を含む;Z
1は独立して、カルボキシル、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、C1−C5アルコキシ、ホルミルおよびスルホン酸から選択される基を表し、aおよびbは独立して0〜5の整数であり、並びにa+bは5以下である。
【0044】
式中、R
2およびR
3はそれぞれ独立して、置換もしくは非置換C1−20アルキル基、置換もしくは非置換C5−C16アリール基、またはこれらの組み合わせを表し、場合によっては、カルボニル、カルボニルオキシ、スルホンアミド、エーテル、チオエーテル、置換もしくは非置換アルキレン基、またはこれらの組み合わせから選択される1種以上の基を含む;Z
2およびZ
3はそれぞれ独立して、カルボキシル、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、C1−C5アルコキシ、ホルミルおよびスルホン酸から選択される基を表し、cおよびdは独立して0〜4の整数であり、c+dは4以下であり、eおよびfは独立して0〜3の整数であり、並びにe+fは3以下である。
【0046】
式中、R
4、R
5およびR
6はそれぞれ独立して、置換もしくは非置換C1−20アルキル基、置換もしくは非置換C5−C12アリール基、またはこれらの組み合わせを表し、場合によっては、カルボニル、カルボニルオキシ、スルホンアミド、エーテル、チオエーテル、置換もしくは非置換アルキレン基、またはこれらの組み合わせから選択される1種以上の基を含む;Z
4、Z
5およびZ
6はそれぞれ独立して、カルボキシル、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、C1−C5アルコキシ、ホルミルおよびスルホン酸から選択される基を表し、gおよびhは独立して0〜4の整数であり、g+hは4以下であり、iおよびjは独立して0〜2の整数であり、i+jは2以下であり、kおよびlは独立して0〜3の整数であり、並びにk+lは3以下である。
【0048】
式中、R
4、R
5およびR
6はそれぞれ独立して、置換もしくは非置換C1−20アルキル基、置換もしくは非置換C5−C12アリール基、またはこれらの組み合わせを表し、場合によっては、カルボニル、カルボニルオキシ、スルホンアミド、エーテル、チオエーテル、置換もしくは非置換アルキレン基、またはこれらの組み合わせから選択される1種以上の基を含む;Z
4、Z
5およびZ
6はそれぞれ独立して、カルボキシル、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、C1−C5アルコキシ、ホルミルおよびスルホン酸から選択される基を表し、gおよびhは独立して0〜4の整数であり、g+hは4以下であり、iおよびjは独立して0〜1の整数であり、i+jは1以下であり、kおよびlは独立して0〜4の整数であり、並びにk+lは4以下である。
【0050】
式中、R
7およびR
8はそれぞれ独立して、置換もしくは非置換C1−20アルキル基、置換もしくは非置換C5−C14アリール基、またはこれらの組み合わせを表し、場合によっては、カルボキシル、カルボニル、カルボニルオキシ、スルホンアミド、エーテル、チオエーテル、置換もしくは非置換アルキレン基、またはこれらの組み合わせから選択される1種以上の基を含む;Z
7およびZ
8はそれぞれ独立して、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、C1−C5アルコキシ、ホルミルおよびスルホン酸から選択される基を表し、mおよびnは独立して0〜5の整数であり、m+nは5以下であり、o+pは独立して0〜4の整数であり、並びにo+pは4以下である。並びに
【0052】
式中、XはOまたはSであり、R
9は独立して、置換もしくは非置換C1−20アルキル基、置換もしくは非置換C5−C20アリール基、またはこれらの組み合わせを表し、場合によっては、カルボニル、カルボニルオキシ、スルホンアミド、エーテル、チオエーテル、置換もしくは非置換アルキレン基、またはこれらの組み合わせから選択される1種以上の基を含む;Z
9は独立して、カルボキシル、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、C1−C5アルコキシ、ホルミルおよびスルホン酸から選択される基を表し、qおよびrは独立して0〜3の整数であり、並びにq+rは3以下である。これら構造のそれぞれについては、R
1〜R
9基は場合によっては、それぞれの結合した環と一緒に縮合構造を形成することができることは明らかであろう。芳香族酸は典型的には、このトリミング組成物の全固形分を基準にして、0.01〜20重量%、より典型的には、0.1〜10重量%、または1〜5重量%の量で組成物中に存在する。
【0053】
このパターントリミング組成物に使用するのに典型的な芳香族酸には、限定されないが、以下のものが挙げられる:
【0058】
トリミング組成物は溶媒または溶媒混合物をさらに含む。トリミング組成物は水溶液の形態をとることができる。トリミング組成物を配合しそしてキャストするのに適した溶媒材料は、トリミング組成物の非溶媒成分に対して非常に良好な溶解度特性を示すが、インターミキシングを最小限にするように下にあるフォトレジストパターンを感知できるほどには溶解しない。溶媒は典型的には、水、有機溶媒およびこれらの混合物から選択される。トリミング組成物に適する有機溶媒には、例えば、アルキルエステル、例えば、プロピオン酸アルキル、例えば、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸n−ペンチル、プロピオン酸n−ヘキシル、およびプロピオン酸n−ヘプチル、並びに酪酸アルキル、例えば、酪酸n−ブチル、酪酸イソブチルおよびイソ酪酸イソブチル;ケトン、例えば、2,5−ジメチル−4−ヘキサノン、および2,6−ジメチル−4−ヘプタノン;脂肪族炭化水素、例えば、n−ヘプタン、n−ノナン、n−オクタン、n−デカン、2−メチルヘプタン、3−メチルヘプタン、3,3−ジメチルヘキサン、および2,3,4−トリメチルペンタン、およびフッ素化脂肪族炭化水素、例えば、ペルフルオロヘプタン;アルコール、例えば、直鎖、分岐または環式C
4−C
9一価アルコール、例えば、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、3−メチル−1−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−ヘキサノール、2−ヘプタノール、2−オクタノール、3−ヘキサノール、3−ヘプタノール、3−オクタノールおよび4−オクタノール;2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブタノール、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノールおよび2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロ−1−ヘキサノール、並びにC
5−C
9フッ素化ジオール、例えば、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1,5−ペンタンジオール、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキサンジオール、および2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロ−1,8−オクタンジオール;エーテル、例えば、イソペンチルエーテル、およびジプロピレングリコールモノメチルエーテル、並びにこれら溶媒の1種以上を含む混合物が挙げられる。これら有機溶媒の中では、アルコール、脂肪族炭化水素およびエーテルが好ましい。トリミング組成物の溶媒成分は典型的には、トリミング組成物を基準にして90〜99重量%の量で存在する。
【0059】
トリミング組成物は任意の添加剤を含むことができる。例えば、トリミング組成物はレジストパターンの表面領域と反応して、有機溶媒すすぎ剤中でこの表面領域を可溶性にする追加の成分を含むことができる。この任意成分は好ましくは−OH、−NH、−SH、ケトン、アルデヒド、−SiX(Xはハロゲンである)、ビニルエーテル、およびこれらの組み合わせから選択される官能基を含む。いかなる特定の理論に拘束されるのを望むものではないが、この成分はレジストパターン内に拡散し、そしてパターンのカルボン酸基と反応することが考えられる。
この反応は結果的にこの表面の極性変化をもたらし、この表面を有機溶媒に可溶性にする。この成分は、例えば、パターンが酸不安定基を含むフォトレジストの露光部分から構成されるネガティブトーン現像(NTD)によって、フォトレジストパターンが形成される場合に有用でありうる。この成分は、使用される場合には、典型的には、トリミング組成物の全固形分を基準にして、0.1〜10重量%の量で存在する。
【0060】
トリミング組成物は界面活性剤をさらに含むことができる。典型的な界面活性剤には、両親媒性を示す界面活性剤が挙げられ、両親媒性とは、界面活性剤が同時に親水性および疎水性の両方であり得ることを意味する。両親媒性界面活性剤は、水に強い親和性を有する親水性ヘッド基(1つもしくは複数)と、有機物親和性で水をはじく長鎖疎水性テイルを有する。好適な界面活性剤はイオン性(すなわち、アニオン性、カチオン性)または非イオン性であることができる。界面活性剤のさらなる例としては、シリコーン界面活性剤、ポリ(アルキレンオキシド)界面活性剤およびフルオロケミカル界面活性剤が挙げられる。好適な非イオン性界面活性剤には、これらに限定されないが、オクチルおよびノニルフェノールエトキシラート、例えば、トライトン(TRITON
(登録商標))X−114、X−100、X−45、X−15、並びに分岐第二級アルコールエトキシラート、例えば、テルジトル(TERGITOL
(商標))TMN−6(ザダウケミカルカンパニー、米国、ミシガン州、ミッドランド)が挙げられる。なおさらに典型的な界面活性剤には、アルコール(第一級および第二級)エトキシラート、アミンエトキシラート、グルコシド、グルカミン、ポリエチレングリコール、ポリ(エチレングリコール−コ−プロピレングリコール)、またはニュージャージー州、グレンロックのマニュファクチャーズコンフェクショナーズパブリシングカンパニー(Manufacturers Confectioners Publishing Co.)によって出版されたマカッチャンの乳化剤および洗浄剤(McCutcheon’s Emulsifiers and Detergents)2000年北米版に開示される他の界面活性剤が挙げられる。アセチレンジオール誘導体である非イオン性界面活性剤も好適でありうる。このような界面活性剤はアレンタウン、ペンシルバニア州のエアプロダクツアンドケミカルズインコポレーテッドから商品名サーフィノール(SURFYNOL
(登録商標))およびダイノール(DYNOL
(登録商標))で市販されている。追加の適する界面活性剤には、他のポリマー系化合物、例えば、トリブロックEO−PO−EOコポリマーである、プルロニック(PLURONIC
(登録商標))25R2、L121、L123、L31、L81、L101およびP123(BASF、Inc.)が挙げられる。このような界面活性剤および他の任意の添加剤は、使用される場合には、トリミング組成物の全固形分を基準にして0.01〜10重量%のような少量で組成物中に典型的には存在する。
【0061】
架橋剤はレジストパターンの寸法増大をもたらしうるので、トリミング組成物は好ましくは架橋剤を含まない。
【0062】
トリミング組成物は以下の既知の手順に従って製造されうる。例えば、組成物は、組成物の固体成分を溶媒成分中に溶解させることによって製造されうる。組成物の望まれる全固形分量は望まれる最終層厚さなどの要因に応じて変わるであろう。好ましくは、トリミング組成物の固形分量は、組成物の全重量を基準にして1〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%である。
【0063】
フォトレジストパターントリミング方法
ここで、本発明に従ったフォトレジストパターントリミング技術を使用したフォトリソグラフィパターンを形成するための典型的なプロセスフローを説明する
図1A〜Hを参照して本発明に従う方法が説明される。説明されるプロセスフローはポジティブトーン現像プロセスのものであるが、本発明は、ネガティブトーン現像(NTD)プロセスにも適用可能である。また、説明されるプロセスフローは、トリミングされたフォトレジストパターンを下にある基体に転写するために単一のレジストマスクが使用されるパターン形成プロセスを記載するが、このトリミング方法は他のリソグラフィプロセスに、例えば、リソ−リソ−エッチ(LLE)、リソ−エッチ−リソ−エッチ(LELE)または自己組織化ダブルパターニング(SADP)のようなダブルパターニングプロセスに、イオン注入マスクとして、またはフォトレジストパターンのトリミングが有利であろう何らかの他のリソグラフィプロセスに使用されうることは明らかであろう。
【0064】
図1Aは、様々な層およびフィーチャを含むことができる基体100の断面を示す。基体は、半導体、例えばケイ素、または化合物半導体(例えば、III−VまたはII−VI)、ガラス、石英、セラミック、銅などの物質からなることができる。典型的には、基体は半導体ウェハ、例えば、単結晶シリコン、または化合物半導体ウェハであり、基体はその表面上に形成された1以上の層およびパターン形成されたフィーチャを有することができる。パターン形成される1以上の層102が基体100上に提供されうる。場合によっては、例えば、基体物質に溝を形成することが望まれる場合には、下にあるベース基体物質自体がパターン形成されてよい。ベース基体物質自体をパターン形成する場合には、このパターンは基体の層に形成されると見なされるものとする。
【0065】
この層には、例えば、1以上の導電層、例えば、アルミニウム、銅、モリブデン、タンタル、チタン、タングステン、このような金属の合金、窒化物もしくはケイ化物、ドープされた非晶質ケイ素、またはドープされたポリシリコンの層、1以上の誘電層、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、もしくは金属酸化物の層、半導体層、例えば、単結晶シリコン、並びにこれらの組み合わせが挙げられ得る。エッチングされる層は様々な技術、例えば、化学蒸着(CVD)、例えば、プラズマ援用CVD、低圧CVDもしくはエピタキシャル成長、物理蒸着(PVD)、例えばスパッタリングもしくは蒸発、または電気めっきによって形成されうる。エッチングされる1以上の層102の具体的な厚みは、材料および形成される具体的なデバイスに応じて変化しうる。
【0066】
エッチングされる具体的な層、膜厚および使用されるフォトリソグラフィ材料およびプロセスに応じて、その上にフォトレジスト層106が塗布される反射防止塗膜(bottom antireflective coating;BARC)104および/またはハードマスク層103を、層102上に配置することが望まれる場合がある。例えば、エッチングされる層がかなりのエッチング深さを必要とし、および/または具体的なエッチング剤がレジスト選択性に劣る場合で、非常に薄いレジスト層を使用する場合には、ハードマスク層の使用が望まれる場合がある。ハードマスク層が使用される場合には、形成されるレジストパターンはハードマスク層103に移されることができ、これは次いで、下にある層102をエッチングするためのマスクとして使用されうる。好適なハードマスク材料および形成方法は当該技術分野において知られている。典型的な材料には、例えば、タングステン、チタン、窒化チタン、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸窒化アルミニウム、酸化ハフニウム、非晶質炭素、酸窒化ケイ素および窒化ケイ素が挙げられる。ハードマスク層は単一層を構成することができるか、または異なる材料の複数の層を含むことができる。ハードマスク層は、例えば、化学または物理蒸着技術によって形成されうる。
【0067】
反射防止塗膜がなければ、基体および/または下にある層が、フォトレジスト露光中に有意な量の入射放射線を反射し、その結果、形成されたパターンの品質が悪影響を受けるであろう場合には、反射防止塗膜が望まれる場合がある。このような塗膜は焦点深度、露光寛容度、ライン幅均一性およびCD制御を向上させうる。レジストが深紫外光(300nm以下)、例えば、KrFエキシマレーザー光(248nm)、ArFエキシマレーザー光(193nm)に露光される場合には、反射防止塗膜が典型的に使用される。反射防止塗膜は単一層を構成することができるか、または複数の異なる層を含むことができる。好適な反射防止材料および形成方法は当該技術分野において知られている。反射防止材料は市販されており、例えば、ロームアンドハースエレクトロニックマテリアルズエルエルシー(米国、マサチューセッツ州、マルボロ)により、AR
(商標)40AおよびAR
(商標)124反射防止材料などのAR
(商標)商標の下で販売されているものがある。
【0068】
酸不安定基を有するマトリックスポリマーを含む化学増幅型感光性組成物から形成されるフォトレジスト層106が基体上に、(存在する場合には)反射防止層上に配置される。フォトレジスト組成物は、スピンコーティング、ディッピング、ローラーコーティング、または他の従来のコーティング技術によって基体に適用されうる。これらのなかで、スピンコーティングが典型的である。スピンコーティングについては、コーティング溶液の固形分量は、所望の膜厚を提供するために、使用される具体的なコーティング装置、溶液の粘度、コーティングツールの速度および回転の時間量に基づいて調節されうる。フォトレジスト層106の典型的な厚みは約500〜3000Åである。
【0069】
層106は、次いで、ソフトベークされることができ、層内の溶媒含量を最小限にすることができ、それにより、粘着性のない塗膜を形成し、この層の基体に対する接着性を向上させることができる。ソフトベークはホットプレート上でまたはオーブン内で行われることができ、ホットプレートが典型的である。ソフトベーク温度および時間は、例えば、フォトレジストの具体的な材料および厚みに応じて変動しうる。典型的なソフトベークは約90〜150℃の温度で、約30〜90秒の時間で行われる。
【0070】
フォトレジスト層106は次いで、フォトマスク110を通した活性化放射線108に露光されて、露光領域と未露光領域との間に溶解度の差を作り出す。本明細書において、組成物を活性化する放射線にフォトレジスト組成物を露光することについての言及は、放射線がフォトレジスト組成物中に潜像を形成することができることを示す。フォトマスクは光学的に透明な領域および光学的に不透明な領域を有し、これらはそれぞれ、活性化放射線によって露光されるレジスト層の領域および露光されないレジスト層の領域に対応する。露光波長は典型的にはサブ−400nm、サブ−300nm、またはサブ−200nm、例えば、193nmまたはEUV波長(例えば、13.4または13.5nm)であり、193nm(液浸またはドライリソグラフィ)およびEUVが好ましい。露光エネルギーは、露光ツールおよび感光性組成物の成分に応じて、典型的には約10〜80mJ/cm
2である。
【0071】
フォトレジスト層106の露光の後で、露光後ベーク(PEB)が行われる。このPEBは、例えば、ホットプレート上でまたはオーブン内でおこなわれうる。PEBの条件は、例えば、具体的なフォトレジスト組成および層厚さに応じて変化するであろう。PEBは典型的には、約80〜150℃の温度で、約30〜90秒の時間で行われる。それにより、極性切り替えされた領域と極性切り替えされていない領域(それぞれ、露光領域および未露光領域に対応する)との間の境界によって画定される潜像が形成される。
【0072】
フォトレジスト層106は、次いで、現像されて、この層の露光領域を除去して、未露光領域を残し、
図1Bに示されるように、複数のフィーチャを有するレジストパターン106’を形成する。このフィーチャは限定されず、例えば、複数のラインおよび/または円柱形ポストが挙げられることができ、これらはパターン形成される下にある層におけるラインおよび/またはコンタクトホールパターンの形成を可能にするであろう。形成されるパターンは、ラインパターンの場合にはライン幅であり、ポストパターンについてはポスト直径であるL
1で示される当初寸法を有する。フォトレジスト層の未露光領域が除去され、そして露光領域が残ってレジストパターンを形成するネガティブトーン現像プロセスの場合には、有機溶媒現像剤が使用される。有機現像剤は、例えば、ケトン、エステル、エーテル、炭化水素、およびこれらの混合物から選択される溶媒であることができ、2−ヘプタノンおよび酢酸n−ブチルが典型的である。
【0073】
図1Cに示されるように、本明細書において説明されるフォトレジストパターントリミング組成物の層112がフォトレジストパターン106’上に形成される。このトリミング組成物は典型的にはスピンコーティングによって基体に適用される。コーティング溶液の固形分量は、使用される具体的なコーティング装置、溶液の粘度、コーティングツールの速度および回転のための可能な時間量に基づいて、所望の膜厚さを提供するように調節されうる。パターントリミング層112の典型的な厚さは200〜1500Åである。
【0074】
図1Dに示されるように、次いで、基体はベークされて、トリミング層内の溶媒を除去し、遊離酸を下にあるレジストパターン106’の表面に拡散させ、かつレジストパターン表面領域114における極性変換反応を可能にする。このベークはホットプレート上でまたはオーブンで行われうるが、ホットプレートが典型的である。適するベーク温度は50℃より高く、例えば、70℃より高く、90℃より高く、120℃より高く、または150℃より高く、70〜160℃の温度でかつ30〜90秒の時間が典型的である。単一ベーキング工程が典型的であるが、複数工程ベーキングが使用されることができ、かつレジスト形状調節に有用である場合がある。
【0075】
次いで、フォトレジストパターンがすすぎ剤、典型的には現像液と接触させられて、残留トリミング組成物層112およびフォトレジストパターンの表面領域114を除去し、得られるトリミングされたパターン106’’が
図1Eに示される。すすぎ剤は典型的には、水性アルカリ現像剤、例えば、第四級アンモニウムヒドロキシド溶液、例えば、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド溶液、例えば、0.26規定(N)(2.38重量%)のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)である。あるいは、有機溶媒現像剤、例えば、2−ヘプタノンおよび酢酸n−ブチルのような、ケトン、エステル、エーテル、炭化水素、およびこれらの混合物から選択される溶媒が使用されうる。すすぎ剤はさらに水であって良く、またはさらに水を含んでいてもよい。得られる構造は
図1Eに示される。トリミングの後のレジストパターンは、トリミングの前のフィーチャサイズと比べてより小さい寸法(L
2)を有する。
【0076】
レジストパターン106’’をエッチングマスクとして使用して、BARC層104が選択的にエッチングされて、
図1Fに示される様に、下にあるハードマスク層103を露出させる。このハードマスク層は、次いで、再びこのレジストパターンをエッチングマスクとして使用して選択的にエッチングされて、
図1Gに示されるように、パターン形成されたBARCおよびハードマスク層103’を生じさせる。BARC層およびハードマスク層をエッチングするのに好適なエッチング技術および化学物質は、当該技術分野において知られており、かつ、例えば、これらの層の具体的な材料に応じて変化するであろう。反応性イオンエッチングのようなドライエッチングプロセスが典型的である。レジストパターン106’’、およびパターン形成されたBARC層104’は、次いで、既知の技術、例えば、酸素プラズマアッシングを用いて、基体から除去される。次いで、ハードマスクパターン103’をエッチングマスクとして使用して、1以上の層102が選択的にエッチングされる。下にある層102をエッチングするのに好適なエッチング技術および化学物質は当該技術分野において知られており、反応性イオンエッチングのようなドライエッチングプロセスが典型的である。パターン形成されたハードマスク層103’は、次いで、既知の技術、例えば、反応性イオンエッチングのようなドライエッチングプロセス、または湿式剥離を用いて、基体表面から除去されうる。得られる構造は、
図1Hに示される様なエッチングされたフィーチャ102’のパターンである。別の典型的な方法においては、ハードマスク層103を使用することなく、フォトレジストパターン106’’を用いて層102を直接パターン形成することが望ましい場合がある。レジストパターンを用いた直接パターン形成が使用されるかどうかは、関連する材料、レジスト選択性、レジストパターン厚みおよびパターン寸法などの要因に応じて決定されるであろう。
【0077】
以下の非限定的な実施例は本発明の実例である。
【実施例】
【0078】
ポリマー合成
以下の実施例においては、マトリックスポリマー、表面活性ポリマー、および添加剤ポリマー合成のために以下のモノマーが使用された。モノマー比率はポリマーを基準にした重量パーセンテージ(重量%)である。
【0079】
【化20】
【0080】
モノマーフィード溶液は、118.44gの4−メチル−2−ペンタノール(4M2P)、78.98gのモノマーM1、および8.78gのモノマーM2を容器内で一緒にし、そしてこの混合物を攪拌してこれら2種類のモノマーを溶解させることにより調製された。開始剤フィード溶液は、2.63gのVazo
(商標)67フリーラジカル開始剤(E.I.du Pont de Nemours and Company)および85.06gの4M2Pを適する容器内で一緒にし、そしてこの混合物を攪拌して開始剤を溶解させることにより調製された。206.13gの4M2Pが反応容器に導入され、そしてこの容器は窒素ガスで30分間パージされた。この反応容器は、次いで、攪拌しつつ97℃まで加熱された。この反応容器へのモノマーフィード溶液および開始剤フィード溶液の導入は同時に開始された。モノマーフィード溶液は2時間にわたって供給され、開始剤フィード溶液は3時間にわたって供給された。この反応容器は97℃でさらに2時間攪拌しつつい侍され、次いで、室温まで冷却された。それにより、ポリマーP1が形成された。このコポリマーの重量平均分子量(Mw)は9,359ダルトンであった。
【0081】
ポリマーP1について使用されたのと同様の手順を用いて、ポリマーP2〜P4が合成された。表1はポリマーを基準にしたモノマーの重量パーセンテージ、ポリマーのM
wおよびPDIを示す。
【0082】
【表1】
【0083】
フォトレジストパターントリミング組成物
実施例1
1.67gのポリマーP1、0.077gのp−トルエンスルホン酸(pTSA)、15.65gのイソアミルエーテル(IAE)および62.61gの2−メチル−1−ブチノール(4M2P)が、全ての成分が溶解するまで混合され、そしてこの混合物が0.05ミクロンUPEフィルターで濾過されて、フォトレジストトリミング組成物(PTC1)を得た。
【0084】
実施例2〜4
実施例2〜4(PTC2〜4)は、表2に示された成分および量を使用した以外は、実施例1について上述したのと同じ方法で配合された。
【0085】
【表2】
【0086】
フォトレジストパターン形成ウェハ調製
TEL ACT−8(東京エレクトロン株式会社)コーティングトラック上で、200mmのシリコンウェハが、AR
(商標)40反射防止剤(ダウエレクトロニックマテリアルズ)でスピンコートされて、第1の反射防止塗膜(BARC)を形成した。このウェハは215℃で60秒間ベークされて、800ÅのBARC膜厚さを生じさせた。このBARCコートされたウェハ上に、EPIC
(商標)2096ポジティブフォトレジスト(ダウエレクトロニックマテリアルズ)が塗布され、そして120℃で60秒間ソフトベークされて、900Åのレジスト層厚さを生じさせた。このウェハはASML/1100、0.75NAステッパを用いて、193nmで、120nm1:1および1:8ライン/スペースパターンのPSMフィーチャサイズを有するフォトマスクを通して、ダイポール−35Yの下で、0.89/0.64のアウター/インナーシグマで操作して露光された。この露光されたウェハは95℃で60秒間露光後ベークされて、TMAH現像剤(2.38%)で現像されて、レジストパターンを形成した。1:1および1:8パターンについてのCDは日立9380CD−SEMを用いて、800ボルト(V)の加速電圧で、8.0ピコアンペア(pA)のプローブ電流で操作して、200K倍の倍率を用いて、トップダウン走査型電子顕微鏡観察(SEM)によって撮影された画像を処理することによって決定された。CD測定の結果が表3に示される。
【0087】
フォトレジストパターントリミング
実施例5〜8
これらフォトレジストパターン形成ウェハは、このパターン形成されたウェハ上でのスピンコーティングによって、実施例1〜4のフォトレジストパターントリミング組成物のそれぞれの60nm膜で覆われ、70℃で60秒間ホットプレート上でベークされ、そしてTMAH(2.38重量%)で12秒間TEL LDノズルを用いてすすがれた。元の像についてしたのと同じ手順を用いて、1:1および1:8パターンについてのCDが再び決定された。粗密(Iso/Dense)バイアスは、以下の式によって、トリミング前とトリミング後のCD測定値に基づいて計算された:
【0088】
【数2】
【0089】
式中:IDB=粗密バイアス;ΔCD
1:8=[(トリミング前の120nm 1:8パターンのCD)−(トリミング後の120nm 1:8パターンのCD)];並びに、ΔCD
1:1=[(トリミング前の120nm 1:1パターンのCD)−(トリミング後の120nm 1:1パターンのCD)]。粗密バイアスは既存のフォトマスクが光近接効果補正(Optical Proximity Correction:OPC)の必要なしに、マスク上に粗密パターンをプリントするために使用されうるかどうかの指標を提供する。OPCが必要とされる場合には、新たなフォトマスクが典型的には必要とされる。10nm以上の粗密バイアスが劣っていると見なされ、および10nm未満の粗密バイアスが良好であると見なされた。CD測定値の結果および粗密バイアス計算の結果が表3に提供される。
【0090】
【表3】
【0091】
これら結果は、120nm 1:8および1:1パターンのいずれのフォトレジストパターンもトリミング組成物によって効果的に小さくされそして良好な粗密バイアスが得られたことを示す。