【解決手段】 本発明の実施形態はHAMRヘッドに関し、これは、アンテナとアンテナの一部の上に配置された表面拡散防止層と表面拡散防止層の上に配置された開口部を有する近接場トランスデューサを含む。表面拡散防止層はアンテナより融点が高く、表面拡散防止層の材料はアンテナの材料と混ざらない。
前記表面拡散防止層が、Rh、Ru、W、Mo、Ir、Co、Pt、BおよびNiからなる群から選択される材料を含むAu合金である、請求項2に記載の熱アシスト磁気記録ヘッド。
前記表面拡散防止層の上に配置された接着層をさらに含み、前記接着層がSi、Ta、Ti、Zr、Cr、Hf、NiTa、NiCr、NiTi、NiHf、NiZrからなる群から選択される材料を含む、請求項2に記載の熱アシスト磁気記録ヘッド。
前記表面拡散防止層が、Rh、Ru、W、Mo、Ir、Co、Pt、BおよびNiからなる群から選択される材料を含むAu合金である、請求項7に記載の熱アシスト磁気記録ヘッド。
前記表面拡散防止層の上に配置された接着層をさらに含み、前記接着層が、Si、Ta、Ti、Zr、Cr、Hf、NiTa、NiCr、NiTi、NiHf、NiZrからなる群から選択される材料を含む、請求項7に記載の熱アシスト磁気記録ヘッド。
前記表面拡散防止層が、Rh、Ru、W、Mo、Ir、Co、Pt、BおよびNiからなる群から選択される材料を含むAu合金である、請求項10に記載の熱アシスト磁気記録ヘッド。
前記表面拡散防止層の上に配置された接着層をさらに含み、前記接着層が、Si、Ta、Ti、Zr、Cr、Hf、NiTa、NiCr、NiTi、NiHf、NiZrからなる群から選択される材料を含む、請求項10に記載の熱アシスト磁気記録ヘッド。
前記第三の表面拡散防止層が、前記媒体対向面に配置され、前記開口部、前記導電層、前記磁性縁部、及び前記主磁極の端を覆う、請求項14に記載の熱アシスト磁気記録ヘッド。
前記第一、第二、及び第三の表面拡散防止層が、Rh、Ru、W、Mo、Ir、Co、Pt、BおよびNiからなる群から選択される材料を含むAu合金である、請求項16に記載の熱アシスト磁気記録ヘッド。
前記複数の表面拡散防止層が、Rh、Ru、W、Mo、Ir、Co、Pt、BおよびNiからなる群から選択される材料を含むAu合金である、請求項19に記載の熱アシスト磁気記録ヘッド。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】本明細書で説明する実施形態によるディスクドライブシステムを示す。
【
図1B】本明細書で説明する実施形態によるディスクドライブシステムを示す。
【
図2】本明細書で説明する1つの実施形態によるHAMR対応ヘッドの断面概略図を示す。
【
図3A】本発明の1つの実施形態による磁気ヘッドの、各種の加工段階におけるABSの図である。
【
図3B】本発明の1つの実施形態による磁気ヘッドの、各種の加工段階におけるABSの図である。
【
図3C】本発明の1つの実施形態による磁気ヘッドの、各種の加工段階におけるABSの図である。
【
図3D】本発明の1つの実施形態による磁気ヘッドの、各種の加工段階におけるABSの図である。
【
図3E】本発明の1つの実施形態による磁気ヘッドの、各種の加工段階におけるABSの図である。
【
図3F】本発明の1つの実施形態による磁気ヘッドの、各種の加工段階におけるABSの図である。
【
図3G】本発明の1つの実施形態による磁気ヘッドの、各種の加工段階におけるABSの図である。
【
図3H】本発明の1つの実施形態による磁気ヘッドの、各種の加工段階におけるABSの図である。
【
図3I】本発明の1つの実施形態による磁気ヘッドの、各種の加工段階におけるABSの図である。
【
図3J】本発明の1つの実施形態による磁気ヘッドの、各種の加工段階におけるABSの図である。
【
図4A】本発明の1つの実施形態による磁気ヘッドの、各種の加工段階におけるABSの図である。
【
図4B】本発明の1つの実施形態による磁気ヘッドの、各種の加工段階におけるABSの図である。
【
図4C】本発明の1つの実施形態による磁気ヘッドの、各種の加工段階におけるABSの図である。
【
図4D】本発明の1つの実施形態による磁気ヘッドの、各種の加工段階におけるABSの図である。
【
図5A】本発明の1つの実施形態による磁気ヘッドの、各種の加工段階におけるABSの図である。
【
図5B】本発明の1つの実施形態による磁気ヘッドの、各種の加工段階におけるABSの図である。
【
図5C】本発明の1つの実施形態による磁気ヘッドの、各種の加工段階におけるABSの図である。
【
図5D】本発明の1つの実施形態による磁気ヘッドの、各種の加工段階におけるABSの図である。
【
図5E】本発明の1つの実施形態による磁気ヘッドの、各種の加工段階におけるABSの図である。
【
図5F】本発明の1つの実施形態による磁気ヘッドの、各種の加工段階におけるABSの図である。
【
図5G】本発明の1つの実施形態による磁気ヘッドの、各種の加工段階におけるABSの図である。
【
図5H】本発明の1つの実施形態による磁気ヘッドの、各種の加工段階におけるABSの図である。
【
図6A】本発明の実施形態によるHAMR対応ヘッドの断面概略図である。
【
図6B】本発明の実施形態によるHAMR対応ヘッドの断面概略図である。
【
図7】本発明の1つの実施形態によるHAMR対応ヘッドの断面概略図である。
【
図8】本発明の1つの実施形態による、
図7に示されるアンテナの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
理解し易くするために、複数の図面に共通する同じ要素を指すのにできるだけ同じ参照番号を使用した。1つの実施形態で開示される要素は、有利な点として、具体的な記載がなくても他の実施形態でも利用できることが想定される。
【0014】
以下で、本発明の実施形態を参照する。しかしながら、本発明は説明された具体的な実施形態に限定されないと理解するべきである。その代わりに、異なる実施形態に関するものか否かを問わず、後述の特徴と要素を組み合わせて本発明を実施、実践することも想定される。さらに、本発明の実施形態は他の考えうる解決策および/または先行技術と比較した利点も実現しうるが、ある実施形態で特定の利点が実現されるか否かは本発明を限定しない。それゆえ、以下の態様、特徴、実施形態、利点は単に例示にすぎず、特許請求項において明確に記載されていないかぎり、付属の特許請求項の要素または限定とはみなされない。同様に、「本発明」への言及は、本明細書で開示される本発明の主旨を一般化したものと理解するべきではなく、請求項において明確に記載されていないかぎり、付属の特許請求項の要素または限定とはみなされないものとする。
【0015】
本発明の実施形態は一般にHAMRヘッドに関し、このHAMRヘッドは、アンテナと、アンテナの一部の上に配置された表面拡散防止層と、表面拡散防止層の上に配置された開口部(aperture)を有する近接場トランスデューサとを含む。表面拡散防止層の融点はアンテナより高く、表面拡散防止層の材料はアンテナの材料と混ざらない。
【0016】
図1Aは、本発明を具現化したディスクドライブ100を示す。図のように、少なくとも1つの回転可能な磁気ディスク112がスピンドル114の上に支持され、ディスクドライブモータ118によって回転される。各ディスク上の磁気記録は、磁気ディスク112上の同心円のデータトラック(図示せず)の環状パターンの形態である。
【0017】
磁気ディスク112の付近に少なくとも1つのスライダ113が位置付けられ、各スライダ113は1つまたは複数の磁気ヘッドアセンブリ121を支持し、磁気ヘッドアセンブリ121はディスク表面122を加熱するための放射源(例えば、レーザまたは電気抵抗ヒータ)を含んでいてもよい。磁気ディスクが回転すると、スライダ113はディスク表面122の上方で半径方向に内側および外側に移動し、磁気ヘッドアセンブリ121が磁気ディスク112の異なるトラックにアクセスすることができ、そこで所望のデータが書き込まれる。各スライダ113はサスペンション115によってアクチュエータアーム119に取り付けられている。サスペンション115はわずかなばね力を供給し、これがスライダ113をディスク表面122に向かって付勢する。各アクチュエータアーム119はアクチュエータ手段127に取り付けられている。アクチュエータ手段127は、
図1Aに示されるように、ボイスコイルモータ(VCM)であってもよい。VCMは、固定された磁界内で移動可能なコイルを含み、コイルの移動の方向と速度は制御ユニット129によって供給されるモータ電流信号により制御される。
【0018】
TARまたはHAMR対応ディスクドライブ100の動作中、磁気ディスク112の回転によってスライダ113とディスク表面122の間に空気軸受(エアベアリング)が発生し、これが上方への力、すなわち揚力をスライダ113に付与する。空気軸受はそれゆえ、通常の動作中、サスペンション115のわずかなばね力と釣り合い、スライダ113をディスク112の表面の少し上に、小さな、実質的に一定の間隔を空けて支持する。放射源が高保磁力の媒体を加熱し、それによって磁気ヘッドアセンブリ121の書込み要素が媒体内のデータビットを正確に磁化することができる。
【0019】
ディスクドライブ100の各種の構成部品は、制御ユニット129によって生成される制御信号、例えばアクセス制御信号や内部クロック信号によって制御される。一般に、制御ユニット129は、論理制御回路と、記憶手段と、マイクロプロセッサと、を含む。制御ユニット129は、各種のシステム動作を制御するために、ライン123上のドライブモータ制御信号やライン128上のヘッド位置および探索制御信号等を生成する。ライン128上の制御信号は、スライダ113をディスク112上の所望のデータトラックに最適に移動させ、位置決めするための所望の電流プロファイルを提供する。書込みおよび読取り信号は、記録チャネル125によってアセンブリ121上の書込みおよび読取りヘッドへ、およびそこから伝送される。
【0020】
一般的な磁気ディスク記憶システムに関する上記の説明と添付の
図1Aの図は、代表的なものを示すことを目的としているにすぎない。ディスク記憶システムは多数のディスクとアクチュエータを含んでいてもよく、また各アクチュエータが多数のスライダを支持していてもよいことは明らかなはずである。
【0021】
図1Bは、本明細書で説明する1つの実施形態によるHAMR対応書込みヘッド101の断面概略図である。ヘッド101は、レーザドライバ150によって電源供給されるレーザ155(すなわち、放射源)に動作的に取り付けられている。レーザ155はヘッド101の上に直接設置されても、またはスライダから離れた位置にあるレーザ155から放射が光ファイバまたは導波路を通じて供給されてもよい。同様に、レーザドライバ150の回路はスライダ113の上にあっても、
図1Aに示されるような制御ユニット129等のディスクドライブ100に関連するシステムオンチップ(SOC)の上にあってもよい。ヘッド101は、レーザ155により伝送された放射を導波路135に集束するためのスポットサイズ変換器130を含む。他の実施形態において、ヘッド101は、発せられた放射がスポットサイズ変換器130に到達する前にレーザ155のビームスポットを集束するための1つまたは複数のレンズを含んでいてもよい。導波路135は、上記の放射を、ヘッド101の高さにわたって、例えば、空気軸受面(ABS)等の媒体対向面に、またはその付近に位置するNFT 140(プラズモンデバイスまたは光トランスデューサ等)まで伝送する経路である。NFT 140は、ビームスポットをさらに集束させて、ディスク112上の隣接すデータトラックを加熱しないようにし、すなわち、回折限界よりはるかに小さいビームスポットを作る。矢印142により示されるように、この光エネルギーは、NFT 140からヘッド101のABSの下方のディスク112の表面へと放出される。しかしながら、本明細書中の実施形態は、放射源の、または放射源から発せられたエネルギーをABSに伝達するための技術の、いずれの特定の種類にも限定されない。
【0022】
図2は、本発明の1つの実施形態によるHAMR対応ヘッド101の断面概略図を示す。図のように、ヘッド101のこの部分は導波路135を含み、導波路135は導波路コア235と導波路被覆材230から構成されるが、被覆材230(およびヘッド101の裏面の被覆材)の一部はヒートシンク225の詳細をよりよく示すために取り除かれている。NFT 140はヒートシンク225に直接または熱的に連結されていてもよく、これによって過剰な熱がNFT 140から除かれる。
図2はヘッド101の断面であるため、図のヒートシンク225の反対に他のヒートシンクがあってもよい。戻り磁極240がNFT 140と、この図には示されていないシールド層または読取り磁極の間に配置される。
【0023】
1つの実施形態において、書込み磁極205は磁性縁部210の部分を含み、磁性縁部210は導波路135のコア235の下まで延びていてもよい。磁性縁部210をNFT 140の近くに設置することは、NFTによって磁気媒体上に生成された光場に磁束を接近させるのに役立つ。
【0024】
コア235(および導波路135)はNFT 140の位置で終端となる(terminate)ようにしてもよい。NFT 140は、少なくとも、アンテナ220と開口部(aperture)215を含む。アンテナ220は、基底層(base layer)とノッチ(後に詳しく説明する)を有する。いくつかの実施形態において、磁極縁部210の設計および/または材料がアンテナ220の効率を高める可能性があるため、磁極縁部210はNFT 140の一部と考えてもよい。アンテナ220は、Au、Cu、Ag、Alまたはこれらの元素を含む合金であってもよい。開口部215は通路であり、そこに屈折率が低く、光透過性の材料、例えばSiO
2またはその他の誘電性材料を充填してもよい。開口部215は通路に充填される材料を指してもよい。1つの実施形態において、開口部215は被覆材230と同じ材料からなっていてもよい。書込み磁極205と磁極縁部210は、Ni、Co、Fe、Crまたはこれらのいずれかの組み合わせまたはそれらの合金からなっていてもよい。NFT 140はアンテナ220と開口部215を使って、導波路135により磁気媒体に供給される光エネルギーをさらに集束させる。
【0025】
NFT 140内で生成される熱によってNFT 140の温度が摂氏400度を超える温度まで上昇しうる。アンテナ220は一般に、融点が摂氏950〜1070度の範囲の材料からなる。しかしながら、温度が摂氏150度に到達すると、アンテナ220の原子の表面拡散が増大し、その結果、アンテナ220が形状変化し、例えばアンテナ220の縁が丸くなり、またはアンテナ220のノッチが消える。ノッチが損傷を受けた、またはなくなったアンテナは、ノッチがNFTの焦点であることから、NFTの光学的効率を大幅に低下させる。この問題を回避するために、表面拡散防止層250がアンテナ220と開口部215の間に配置される。表面拡散防止層250はアンテナ220より融点が高い材料、例えばRh、Ru、W、Mo、Ir、Co、Pt、BまたはNi等で作製され、アテナ220と混ざらない。1つの実施形態において、表面拡散防止層250はRh、Ru、W、Mo、Ir、Co、Pr、BまたはNiのAu合金で作製される。表面拡散防止層250は、厚さが10nm未満であり、融点は摂氏1100度より高い。表面拡散防止層250を設けることによって、例えば摂氏400度の動作温度でNFT 140の形状安定性が確保される。
【0026】
図3A〜3Jは、本発明の1つの実施形態による磁気ヘッド300の、各種の加工段階におけるABSの図である。
図3Aは、Auから作製された層301を示す。層301の厚さは約100nm〜約200ナノメートル(nm)であり、その上に部分的に形成されたHAMRヘッドが配置されている基板上に堆積される。
図3Bに示されるように、マスク304が層301の一部の上に配置され、層301の、マスク304により覆われていない部分が除去されて、アンテナ302が形成される。除去工程はイオンミリングまたは反応性イオンエッチング(RIE)であってもよい。アンテナ302は、
図2のアンテナ220であってもよい。アンテナ302は、基底層303と、NFT 140の焦点の役割を果たすノッチ306を有する。ノッチ306の厚さ「T1」は約50nmであり、基底層303の厚さ「T2」は約150nmである。ノッチ306の幅「W1」は10nm〜50nmである。
【0027】
次に、
図3Cに示されるように、マスク304が除去され、表面拡散防止層308がアンテナ302の上に堆積される。表面拡散防止層308は、
図2の表面拡散防止層250であってもよい。接着層309が表面拡散防止層308の上に堆積されてもよい。接着層309は、厚さが約5nm未満であってもよく、Ti、Ta、Cr、Zr、Hf、Siまたはその合金、例えばNiTi、NiTa、NiCr、NiZr、NiHf等の材料で作製されてもよい。層308、309はどちらも、物理蒸着法(PVD)、イオンビーム蒸着法(IBD)、原子層堆積法(ALD)、またはプラズマ化学気相成長(PECVD)により堆積されてもよい。
図3Dに示されるように、誘電層311が表面拡散防止層308の上に堆積される。誘電層311は、表面拡散防止層308の上に堆積されてもよい。誘電層311はSiO
2であってもよい。1つの実施形態において、接着層309は誘電層311の堆積の前にその場で堆積される。
【0028】
マスク312は誘電層311の一部の上に堆積され、誘電層311と表面拡散防止層308のうち、マスク312で覆われていない部分が除去される。除去工程は、イオンミリングおよび/または反応性イオンエッチング(RIE)であってもよい。その結果、
図3Eに示されるように、開口部310が形成される。開口部310は、
図2の開口部215であってもよい。開口部310は、厚さ「T3」が約50nm、幅「W2」が約300nmであってもよい。ノッチ306は、開口部310の中央に位置付けられてもよい。
【0029】
次に、
図3Fに示されるように、マスク312が除去され、アンテナ302、開口部310、及び拡散防止層308が残り、これがNFT 140を形成する。アンテナ302と開口部310は様々な形状であってもよい。1つの実施形態において、アンテナ302は、「E」の文字を反時計回り方向に90度回転させたような形状を有していてもよい。開口部310はアンテナ302の上に配置され、文字「C」を時計回り方向に90度回転させたような形状を有していてもよい。
【0030】
次に、
図3Gに示されるように、導電層318がアンテナ302と開口部310の上に堆積される。導電層318はまた、開口部310の露出した垂直側面314も覆っていてもよい。導電層318は良好な熱伝導性を有していてもよく、Au、Rh、Ru、Ir、Pd、Pt、ReまたはOs等の貴金属で作製されてもよい。導電層318はまた、Au、Rh、Ru、Ir、Pd、Pt、ReまたはOs等の貴金属のうちの1種を95%より多く含む合金であってもよく、これは2013年12月18日に出願された特許文献1に記載されており、これを参照によって本願に援用する。導電層318の厚さは10nm未満またはそれと等しくてもよい。1つの実施形態において、導電層318の厚さは約5nmである。導電層318は、スパッタリング等、いずれかの適当な堆積工程を用いて形成されてもよい。
【0031】
導電層318は、開口部310と良好に接着しないかもしれないため、シード層316がまずアンテナ302と開口部310上にわたって堆積されてもよく、その後、導電層318がシード層316の上に堆積される。シード層316はTa、NiTa、Cr、Ti、Siまたはその合金、例えばNiTi、NiTa、NiCr、NiZrまたはNiHf等、いずれかの適当な材料であってよい。1つの実施形態において、シード層316の厚さは約1nmである。
【0032】
次に、
図3Hに示されるように、レジスト320が導電層318の上に堆積され、第二の導電層322が導電層318とレジスト320の上にわたって堆積される。レジスト320は、いずれかの適当な工程を使って堆積され、パターニングされてよい。第二の導電層322は、レジスト320の垂直側面323も覆ってよい。第二の導電層322はまた、良好な熱伝導性を有していてもよく、Au、Rh、Ru、Ir、Pd、Pt、ReまたはOs等の貴金属で作製されてもよい。第二の導電層322はまた、Au、Rh、Ru、Ir、Pd、Pt、ReまたはOs等の貴金属の1種を95%より多く含む合金であってもよい。いずれかの適当な堆積工程を用いて第二の導電層322が堆積されてもよく、このような工程の一例はスパッタリングである。第二の導電層322の厚さは100nm未満か、それと等しくてもよい。
【0033】
1つの実施形態において、第二の導電層322は導電層318と同じ材料を含む。他の実施形態において、第二の導電層322は導電層318と異なる材料を含む。第二のシード層(図示せず)が、任意選択により導電層318とレジスト320の上にわたって堆積されてもよく、第二の導電層322が第二のシード層の上に堆積される。次に、ヒートシンク324が第二の導電層322の上に堆積される。ヒートシンク324は、良好な熱伝導性を有する材料、例えばCr、Au、Ir、Pt、Pd、RuまたはRh等で作製され、例えば物理蒸着法(PVD)等のいずれかの適当な堆積工程を用いて堆積される。
【0034】
図3Iに示されるように、1回または複数回の除去工程が実行されて、通路(開口(opening))330が形成される。除去工程は、レジストウェットストリップ、イオンミリングおよび反応性イオンエッチング等のサブトラクティブ法の組み合わせを含むであろう。通路330は、垂直側面332と底334を有する。垂直側面332は第二の導電層322であり、底334は導電層318である。導電層318、322はどちらも貴金属または貴金属合金であってもよいため、通路330の垂直側面332と底334で酸化は起こらないであろう。したがって、磁気ヘッドがこの加工段階において酸素に曝される際に、通路330の垂直側面332と底334に酸化膜は形成されないであろう。
【0035】
図3Jに示されるように、磁性材料が、通路330の中とヒートシンク324の上にわたって堆積される。磁性材料のうち通路330の中にある部分は磁極縁部340であり、磁性材料のうちヒートシンク324と磁極縁部340の上にある部分は書込み磁極350である。磁極縁部340と書込み磁極350は、
図2の磁極縁部210と書込み磁極205であってもよい。その結果として得られる、
図3Jに示されるような磁気ヘッド300はアンテナ302の上に配置された表面拡散防止層308を有し、表面拡散防止層308はアンテナ302の原子が拡散するのを防止し、これによって動作温度でのNFT 140の形状安定性が確保される。
【0036】
図4A〜4Dは、本発明の1つの実施形態による磁気ヘッド400の、各種の加工段階におけるABSの図である。
図4Aは、アンテナ302と、表面拡散防止層308と、接着層309と、開口部(aperture)310と、開口部310の上にコーティングされ、リソグラフィでパターニングされたレジスト402を示している。再び、レジスト402はいずれかの適当な工程を使って堆積され、パターニングされてもよい。次に、
図4Bに示されるように、導電層404が、アンテナ302、開口部310のうちレジスト402によって覆われていない部分、レジスト402の上にわたって堆積される。レジスト402の垂直側面413と開口部310の垂直側面405もまた、導電層404によって覆われる。
【0037】
導電層404は、PVDまたはALD等のいずれかの堆積工程により堆積されてよく、厚さは100nm未満またはそれと等しくてもよい。導電層404は、Au、Rh、Ru、Ir、Pd、Pt、ReまたはOs等の貴金属であってもよい。導電層404はまた、Au、Rh、Ru、Ir、Pd、Pt、ReまたはOs等の貴金属の1種を95%より多く含む合金であってもよい。
【0038】
導電層404を堆積させる前に、任意選択によるシード層(図示せず)がアンテナ302、開口部310のうちレジスト402により覆われていない部分、レジスト402の上にわたって堆積されてもよい。次に、導電層404がシード層の上に堆積される。ヒートシンク414が導電層404の上に堆積される。ヒートシンク414は、Cr、Au、Ir、Pt、Pd、RuまたはRh等、良好な熱伝導性を有する材料で作製され、いずかれの適当な堆積工程、例えば物理蒸着法(PVD)を使って堆積される。
【0039】
次に、
図4Cに示されるように、1回または複数回の除去工程が実行されて、通路(開口(opening))420が形成される。除去工程は、レジストウェットストリップ、イオンミリング、反応性イオンエッチング等のサブトラクティブ法の組み合わせを含むであろう。次に第二の導電層422が通路420の中に堆積され、通路420の垂直側面と底が覆われる。
【0040】
第二の導電層422もまた、良好な熱伝導性を有してしてもよく、Au、Rh、Ru、Ir、Pd、Pt、ReまたはOs等の貴金属で作製されてもよい。第二の導電層422はまた、Au、Rh、Ru、Ir、Pd、Pt、ReまたはOs等の貴金属の1種を95%より多く含む合金でもよい。いずれかの適当な堆積工程を使って第二の導電層422が堆積されてもよい。このような工程の一例はALDである。第二の導電層422の厚さは10nm未満またはそれと等しくてもよい。1つの実施形態において、第二の導電層の厚さは約5nmである。
【0041】
シード層423がまず通路420の中に堆積されてもよく、その後、第二の導電層422がシード層423の上に堆積される。シード層423はTa、NiTa、Cr、TiまたはSi等、いずれかの適当な材料であってよい。1つの実施形態において、シード層423は厚さ約1nmである。導電層404と第二の導電層422は、同じ材料でも、異なる材料でもよい。この加工段階における磁気ヘッド400は通路420の中に酸化膜が形成されていないかもしれず、これは、通路420の側面と底面が第二の導電層422によって覆われ、これが酸素と反応しない貴金属であってよいからである。
【0042】
磁気材料が、通路420の中とヒートシンク414の上にわたって堆積される。磁性材料のうちの通路420の中にある部分は磁極縁部430であり、磁性材料のうちヒートシンク414と磁極縁部430の上にある部分は書込み磁極440である。磁極縁部430と書込み磁極440は、
図2の磁極縁部210と書込み磁極205であってもよい。
【0043】
図5A〜5Hは本発明の1つの実施形態による磁気ヘッド500の、各種の加工段階におけるABSの図である。
図5Aは、その中に通路(開口(opening))503が形成された「E」字形のアンテナ502を示す。アンテナ502は
図2のアンテナ220であってもよい。
図5Bに示されるように、表面拡散防止層501がアンテナ502の上に堆積される。表面拡散防止層501は、
図3と4の表面拡散防止層308であってもよい。接着層550が表面拡散防止層501の上に堆積され、接着層550は
図3と4の接着層309であってもよい。「C」字形の開口部(aperture)504が、表面拡散防止層501の上とアンテナ502の上にわたって堆積され、
図5Bに示されるように平坦化される。次に、
図5Cに示されるように、シード層505が開口部504の上に堆積される。シード層505は、Ta、NiTa、Cr、TiまたはSi等、いずれかの適当な材料であってよく、厚さは約1nmである。
【0044】
導電層506がシード層505の上に堆積される。導電層506は、いずれかの堆積工程、例えばALDを使って堆積されてもよく、その厚さは10nm未満か、これと等しくてもよい。1つの実施形態において、導電層506の厚さは約2nmである。導電層506は、Au、Rh、Ru、Ir、Pd、Pt、ReまたはOs等の貴金属であってもよい。導電層506はまた、Au、Rh、Ru、Ir、Pd、Pt、ReまたはOs等の貴金属の1種を95%より多く含む合金であってもよい。
【0045】
マスク508が導電層506の上に堆積され、導電層506の一部を覆う。1回または複数回の除去工程が実行されて、導電層506、開口部504、接着層550、表面拡散防止層501のうちのマスク508で覆われていない部分が除去される。除去工程は、複数回のシオンミリング工程、複数回の反応性イオンエッチング(RIE)工程、またはイオンミリングとRIE工程の組み合わせであってもよい。マスク508はまた、1回または複数回の除去工程の結果として除去される。その結果として得られる構造は、
図5Dに示されるように、開口部504を有し、その垂直側面の一部がアンテナ502の上に露出して、シード層505と導電層506が開口部504の上に配置される。開口部504は
図2の開口部215であってもよい。
【0046】
次に、
図5Eに示されるように、レジスト510が導電層506の上に堆積され、導電層506の一部を覆う。第二の導電層512がアンテナ502、レジスト510により覆われていない導電層506、及びレジスト510の上に堆積される。レジスト510、導電層506、シード層505、開口部504の垂直側面もまた第二の導電層512によって覆われる。第二の導電層512は、ALD等のいずれかの堆積工程を使って堆積されてよく、その厚さは100nm未満またはそれと等しくてもよい。第二の導電層512は、Au、Rh、Ru、Ir、Pd、Pt、ReまたはOs等の貴金属であってもよい。第二の導電層512はまた、Au、Rh、Ru、Ir、Pd、Pt、ReまたはOs等の貴金属の1種を95%より多く含む合金であってもよい。
【0047】
図5Fに示されるように、ヒートシンク514が第二の導電層512の上に堆積される。ヒートシンク514は、良好な熱伝導性を有する材料、例えばCr、Ir、Pt、Pd、RuまたはRh等で作製され、いずれかの適当な堆積工程、例えば物理蒸着法(PVD)を用いて堆積される。
【0048】
次に、
図5Gに示されるように、1回または複数回の除去工程が実行されて、通路(開口(opening))520が形成される。除去工程は、レジストウェットストリップ、イオンミリングおよび反応性イオンエッチング等のサブストラクティブ型工程の組み合わせを含むであろう。ヒートシンク514と第二の導電層512のうちレジスト510の上面を覆う部分がまず、イオンミリング等のいずれかの適当な除去工程によって除去されて、レジスト510の上面が露出される。次に、レジスト510が、湿式剥離等のいずれかの適当な除去工程により除去され、通路520が形成される。
【0049】
通路520は垂直側面522と底524を有する。垂直側面522は第二の導電層512であり、底524は導電層506である。導電層506、512はどちらも貴金属または貴金属合金であってよいため、通路520の垂直側面522と底524では酸化が起こらないようにすることもできる。したがって、この工程段階で磁気ヘッド500が酸素に曝される際に、通路520の垂直側面522と底524に酸化膜は形成されないようにすることもできる。
【0050】
図5Hに示されるように、磁性材料が、通路520の中とヒートシンク514の上にわたって堆積される。磁性材料のうち通路520の中にある部分は磁極縁部530であり、磁性材料のうちヒートシンク514と磁極縁部530の上にある部分は書込み磁極540である。磁極縁部530と書込み磁極540は、
図2の磁極縁部210と書込み磁極205であってもよい。
【0051】
図2、3、4、5は、アンテナと開口部(aperture)の間に配置された表面拡散防止層を示している。しかしながら、表面拡散防止層は、アンテナの原子の表面拡散の防止を助けるためのアンテナと開口部の間の位置に限定されなくてもよい。
図6Aと6Bは、HAMR対応ヘッド101の断面図であり、表面拡散防止層のための複数の位置を示している。
【0052】
図6Aに示されるように、表面拡散防止層601がアンテナ605と開口部(aperture)604の間に配置されてもよい。導電層606が、開口部604と磁性縁部608の間に配置される。誘電性下地材料610が、磁性縁部608、導電層606、開口部604、表面拡散防止層601、アンテナ605の上にわたって配置される。導波路コア611は、誘電性下地層材料610の上に配置され、上側被覆材640が導波路コア611に隣接して配置され、下側被覆材630が誘電性下地層材料610とアンテナ605に隣接して配置される。第二の表面拡散防止層612が、アンテナ605と誘電性材料610の間に設置されてもよい。第三の表面拡散防止層614がアンテナ605とABSの間に配置されてもよい。
【0053】
図6Bは、表面拡散防止層601と612を示し、表面拡散防止層614の代わりに、表面拡散防止層616がABSに配置されて、アンテナ605だけでなく、開口部604、導電層606、磁性縁部608、主磁極618、下側被覆材630が覆われるようにしてもよい。表面拡散防止層601、612、614、616は表面拡散防止層308であってもよく、これはアンテナ605の原子の表面拡散を防止するために利用される。
【0054】
アンテナは上述のもの以外の形状を有していてもよい。例えば、アンテナは、狭くなってABSで点となるバーズビークと似た形状を有するナノビーク設計とすることができる。
図7と
図8は、アンテナがナノビークアンテナ712であるこのような実施形態を示している。被覆材704が基板702の上に配置され、その上にHAMRヘッドの構成部品が配置されてもよい。導波路コア706が被覆材704の上に配置され、被覆材708が導波路コア706の上に配置される。被覆材704、708と導波路コア706が導波路710を形成する。ナノビークアンテナ712は、表面拡散防止層714、716、718によって取り囲まれ、被覆材708の中に埋め込まれる。表面拡散防止層714、716、718は、表面拡散防止層308であってもよい。磁性縁部720がアンテナ712の上と非磁性スペーサ層722に隣接して配置される。磁性縁部720と非磁性スペーサ層722の上には、上側戻り磁極724があってもよい。
図8は、ナノビークアンテナ712の上面図であり、そこから、アンテナ712もまた上から見た時にABSにおいて点状に狭くなることがわかる。導波路710を通過する光はアンテナ712へと引き付けられ、アンテナ712の尖った先端において、非常に焦点の絞られたホットスポットが形成される。表面拡散防止層714、716、718は、ナノビークアンテナ712の原子の表面拡散を防止するために利用される。
【0055】
要約すると、改良された磁気ヘッドが開示される。磁気ヘッドは、アンテナと開口部の間に配置された表面拡散防止層を有する。表面拡散防止層は、アンテナより高い融点を有する材料で作製され、アンテナと混ざらない。それゆえ、動作中、高温によって引き起こされるアンテナの原子の表面拡散が表面拡散防止層によって防止される。
【0056】
以上は本発明の実施形態に関するものであるが、本発明の他の、また別の実施形態も本発明の基本的範囲から逸脱せずに考案されてもよく、その範囲は以下の特許請求の範囲によって決定される。