【解決手段】電線モジュール10は、プロテクタ30と、プロテクタ30に収容された少なくとも1本の電線12とを含む。プロテクタ30は、複数の板状部分32と、複数の板状部分32の間に介在しそれらの間に中空構造を形成する介在部分36とを含み、複数の板状部分32のうち外部に面する主面を除く部分及び介在部分36のうちの少なくとも一方にシールド層40、42が設けられている。電線12は、プロテクタ30内の中空構造内に収容されている。
複数の板状部分と、前記複数の板状部分の間に介在しそれらの間に中空構造を形成する介在部分とを含み、前記複数の板状部分のうち外部に面する主面を除く部分及び前記介在部分のうちの少なくとも一方にシールド層が設けられたプロテクタと、
前記プロテクタの中空構造内に収容された少なくとも1本の電線と、
を備える電線モジュール。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のようなシールド電線は、シールド層を備えない一般的な電線と比べると高価である。
【0005】
また、シールド電線は、シールド層と被覆部とを備える多層構造とされているため、汎用的に使用されている被覆皮剥装置、端子圧着装置等を用いて加工することは困難である。
【0006】
これらのため、シールド電線を用いてワイヤーハーネス等を製造すると、高コストになってしまうという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、電線を電磁的にシールドしつつ物理的にも保護できる電線モジュールを、低コストで提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、第1の態様に係る電線モジュールは、複数の板状部分と、前記複数の板状部分の間に介在しそれらの間に中空構造を形成する介在部分とを含み、前記複数の板状部分のうち外部に面する主面を除く部分及び前記介在部分のうちの少なくとも一方にシールド層が設けられたプロテクタと、前記プロテクタの中空構造内に収容された少なくとも1本の電線とを備える。
【0009】
第2の態様は、第1の態様に係る電線モジュールであって、前記シールド層は、前記複数の板状部分のうち前記プロテクタの一方主面側及び他方主面側に配設される2枚の板状部分の少なくとも一方に設けられているものである。
【0010】
第3の態様は、第1又は第2の態様に係る電線モジュールであって、前記介在部分は、前記複数の板状部分の間で、並行状に延在する複数の空間を形成する仕切部分を含むものである。
【0011】
第4の態様は、第3の態様に係る電線モジュールであって、前記シールド層は、前記仕切部分に設けられているものである。
【0012】
第5の態様は、電線を保護するプロテクタであって、複数の板状部分と、前記複数の板状部分の間に介在しそれらの間に前記電線を収容可能な中空構造を形成する介在部分と、を備え、前記複数の板状部分のうち外部に面する主面を除く部分及び前記介在部分のうちの少なくとも一方にシールド層が設けられたものである。
【発明の効果】
【0013】
第1〜第5の態様によると、前記複数の板状部分のうち外部に面する主面を除く部分及び前記介在部分のうちの少なくとも一方にシールド層が設けられているため、当該プロテクタ内に収容された電線を電磁的にシールドすることができる。また、プロテクタによって、電線を物理的にも保護できる。また、この際、電線としては、シールド層を備えない一般的な電線を使用可能であり、また、汎用的な電線加工装置を用いた加工が可能である。このため、電線モジュールを低コストで提供できる。
【0014】
第2の態様によると、プロテクタの内外間で電磁的なシールドを行うことができる。
【0015】
第3の態様によると、電線を複数の空間内に収容することで、複数の電線を並行状態で収容保持することができる。
【0016】
第4の態様によると、各空間に収容された各電線間で電磁的なシールドを行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、実施形態に係る電線モジュール及びプロテクタについて説明する。
図1は電線モジュール10を示す概略斜視図であり、
図2は電線モジュール10のうちプロテクタ30部分を示す概略正面図であり、
図3はプロテクタ30を形成するための中空板材の一例を示す概略斜視図である。
【0019】
電線モジュール10は、プロテクタ30と、少なくとも1本の電線12とを備える。
【0020】
電線12は、導線の周囲に押出被覆等によって樹脂被覆が形成されたものである。電線12の端部には、圧着端子が接続され、当該圧着端子はコネクタ16に挿入固定されている。そして、本電線モジュール10が車両等に取付けられた状態で、コネクタ16が車両に搭載された電子制御ユニット、各種センサ、モータ等の電気部品に接続される。これにより、本電線モジュール10は、車両に搭載された各種電気部品同士を電気的に接続する配線材として用いられる。
【0021】
プロテクタ30は、複数の板状部分32と、介在部分36とを備え、全体として板状に形成されている。介在部分36は、複数の板状部分32間に介在し、複数の板状部分32の間に、少なくとも1本の電線を収容可能な中空構造を形成するように構成されている。また、複数の板状部分32のうち外部に面する主面を除く部分及び介在部分36のうちの少なくとも一方にシールド層40、42が設けられている。
【0022】
このプロテクタ30に、少なくとも1本の電線12の延在方向の少なくとも一部が収容されることで、電線モジュール10が構成される。プロテクタ30は、電線12を外部(例えば、配線経路の周辺にあるエッジ部分等)から保護する役割、電線12を所定の配線経路に沿って維持する役割等を果す。また、本プロテクタ30に複数の電線12が収容される場合には、当該複数の電線12を配線経路における経路スペースに応じた形状に維持する役割、即ち、複数の電線12を偏平な並列状態に維持する役割をも果す。なお、車両への配設状態において、プロテクタ30が曲げられていてもよい。また、シールド層40によって、電線12を電磁的にシールドすることができる。特に、複数の板状部分32のうち外部に面する主面を除く部分に設けられたシールド層40によって、本電線モジュール10と外部との間で、電線12に対する電磁的なシールドを行うことができる。また、介在部分36に設けられたシールド層42によって、複数の電線12の間で電磁的なシールドを行うことができる。
【0023】
プロテクタ30についてより具体的に説明すると、プロテクタ30は、複数(ここでは2つ)の板状部分32と、複数の板状部分32の間に設けられた介在部分36とを備える。
【0024】
複数の板状部分32及び介在部分36を形成する材質は特に限定されない。複数の板状部分32及び介在部分36は、紙によって形成されていてもよいし、樹脂(ポリプロピレン等)によって形成されていてもよいし、また、これらの組合わせによって構成されていてもよい。複数の板状部分32及び介在部分36の少なくとも1つを紙によって形成する場合には、その表面に撥水処理等を施すことが好ましい。ここでは、複数の板状部分32と介在部分36とが樹脂によって一体成型された例で説明する。
【0025】
板状部分32は、平板状に形成されている。複数の板状部分32が介在部分36を介して間隔をあけた状態で連結されている。
【0026】
介在部分36は、複数の仕切部分36aを備える。各仕切部分36aは、細長い帯板状に形成されている。複数の仕切部分36aは、板状部分32の間で、当該板状部分32に対し直交し、かつ、相互間に間隔をあけた並列状態で設けられている。各仕切部分36aの両側部は、板状部分32の内向き面に連結されている。これにより、複数の板状部分32が間隔をあけた状態で支持されている。また、複数の板状部分32の間であって各仕切部分36aの間に、並行状に延在する複数の空間(電線12を収容可能な空間)が形成される。
【0027】
かかるプロテクタ30を、仕切部分36aの延在方向に対して直交する面で切断すると、2つの板状部分32の間に複数の仕切部分36aが介在するはしご状断面を示す。
【0028】
このようなプロテクタ30は、例えば、前記はしご状断面に応じた押出孔から樹脂を押出す押出成型装置によって、中空板材30Bを連続的に押出成型し、この中空板材30Bを、保護対象となる電線12の本数、当該電線12において保護すべき距離等に応じて切断する(
図3の2点鎖線参照)ことで形成することができる(
図3参照)。これにより、プロテクタ30を容易に低コストで製造することができる。
【0029】
シールド層40は、上記各板状部分32のうち内向きの面に形成され、シールド層42は、仕切部分36aの少なくとも一方の面(ここでは両面)に形成されている。板状部分32の周囲の端面には、シールド層42は形成されていない。ここでは、2つの板状部分32と、隣合う2つの仕切部分36aとによって、角柱状の空間が形成されており、当該角柱状の空間の4方を囲むようにシールド層40、42が形成されている。そして、シールド層40によって、当該空間に収容された電線12と外部との間で電磁的なシールドを行うことができる。また、シールド層42によって、当該空間に収容された電線12と、その隣の空間に収容された電線12との間で電磁的なシールドを行うことができる。
【0030】
なお、板状部分32のうち外向きの主面には、シールド層は形成されていない。従って、本プロテクタの外周部のうち外部に露出している部分は、絶縁性を呈している。
【0031】
もっとも、
図4に示すように、シールド層40、42の接地目的等で、板状部分32の縁部が折返され、その折返し部分32pのシールド層40がプロテクタ30の表面に露出していてもよい。これにより、シールド層40のうち外部に露出する各部分に、アース線等を半田付等で容易に接続でき、シールド層40、42を容易に接地できる。
【0032】
上記シールド層40、42は、例えば、板状部分32と仕切部分36aとの間の空間に面する部分に、導電性塗料を塗布すること、導電性材料を樹脂に対してメッキ等することで形成することができる。当該部分に対する導電性塗料の塗布又は導電性材料のメッキは、例えば、プロテクタ30のうち板状部分32の外向きの面をマスクした状態で、中空板材30Bを導電性塗料又はメッキ液に浸漬すること等で行うことができる。
【0033】
その他、
図5に示す電線モジュール10Cのプロテクタ30Cのように、複数の板状部分32に対応する板状部分32Cと、介在部分36の仕切部分36aに対応する介在部分36Cの仕切部分36Caとが別々に形成されていてもよい。ここでは、2つの板状部分32Cのうち内面となる部分の全体にシールド層40Cが形成されている。また、仕切部分36Caの一方の面にシールド層42Cが形成されている。シールド層40C及びシールド層42Cは、上記と同様に、導電性塗料又は導電性メッキによって形成されていてもよいし、また、銅箔或はアルミニウム箔等を貼付けることによって形成されていてもよい。
【0034】
そして、各仕切部分36Caの両側部を2つの板状部分32Cの内面となる主面に接着剤又は熱溶着等で接合していくことで、上記プロテクタ30と同様の中空構造を持つプロテクタ30Cを製造することができる。
【0035】
このプロテクタ30Cについては、板状部分32Cの内面全体に、共通するシールド層40Cが貼付けられているため、
図6に示すように、板状部分32Cの1つの角部を折返し、その折返し部分32Cpのシールド層40Cを露出させれば、その露出部分を利用して、シールド層40Cの全体及び当該シールド層40Cに直接又は間接的に接する他のシールド層40C、42Cを容易に接地することができる。
【0036】
なお、プロテクタ30、30Cの厚み寸法は、1.5mm〜15.0mmであることが好ましい。また、プロテクタ30、30Cにおいて並列状に形成された空間を仕切る仕切部分36a、36Caのピッチは、4mm〜20mmであることが好ましい。
【0037】
以上のように構成された電線モジュール10によると、複数の板状部分32(又は32C)のうち外部に面する主面を除く部分及び介在部分36(又は36C)のうちの少なくとも一方(ここでは両方)にシールド層40、42(又は40C、42C)が設けられているため、プロテクタ30(又はプロテクタ30C)内に収容された電線を電磁的にシールドすることができる。また、プロテクタ30(30C)によって、電線12を、その周辺部材から物理的にも保護できる。
【0038】
特に、複数の板状部分32(又は32C)のうちプロテクタ30(又は30C)の一方主面側又は他方主面側に配設されるもののうちの少なくとも一方に設けられているため、プロテクタ30(30C)の内外間で電磁的なシールドを行うことができる。なお、プロテクタのいずれか一方の主面に設けられる板状部分のみにシールド層が設けられていてもよい。この場合でも、当該シールド層が設けられた側では、プロテクタ内の電線と外部との間で電磁的なシールドを行うことができる。
【0039】
また、介在部分36(又は36C)は、複数の板状部分32(又は32C)の間で、並行状に延在する複数の細長い空間を形成する仕切部分36a(又は36Ca)を含むため、複数の電線12を並行状態で収容保持することができる。
【0040】
そして、シールド層40(40C)が仕切部分36a(又は36Ca)に設けられているため、各空間に収容された電線12の間で電磁的なシールドを行うことができる。
【0041】
また、配線に対して電磁的なシールド性が要求される場合であっても、本プロテクタ30(又は30C)に収容される電線としては、編組層又はアルミ箔等によるシールド層を備えない一般的な電線を使用可能である。また、そのような一般的な電線を、汎用的な電線加工装置を用いて、端部の皮剥処理、端子圧着処理等することができる。このため、本電線モジュール10(又は10C)を低コストで提供できることになる。
【0042】
また、シールド層40、42(又は40C、42C)は、接地に供される部分を除き、プロテクタ30(又は30C)の外部に露出していないため、それらのシールド層40、42(又は40C、42C)が意図しない箇所で車体の導電部分等に接触し、意図しない箇所で接地されてしまうことを抑制できる。これにより、本電線モジュール10(又は10C)によって構成される電気回路の電位を安定させることができ、電気回路の信頼性向上を図ることができる。
【0043】
また、プロテクタ30(30C)自体は、板状形態であるため、効率よく保管、輸送することができるという利点がある。また、上記中空板材を適宜切断して、必要に応じた幅、長さのプロテクタ30(30C)を製造することができるため、汎用性に優れるという利点もある。
【0044】
{変形例}
なお、中空構造を有する板状のプロテクタとしては、上記構成の他、各種構成を採用することができる。
【0045】
図7は変形例に係るプロテクタ130を製造するための中空板材130Bを示す一部切欠斜視図である。
図7に示す例に係る中空板材130Bは、複数(ここでは2つ)の板状部分132の間に介在部分136が設けられた構成とされている。
【0046】
介在部分136は、凹凸形状を呈する板状に形成された部材である。かかる介在部分136が、複数の板状部分132の間に挟み込まれた状態で、当該板状部分132の内向き面に接合される。板状部分132と介在部分136との接合は、例えば、接着剤、粘着剤等により行われる。これにより、介在部分136が呈する凹凸形状に応じた中空構造が、複数の板状部分132の間に形成される。
【0047】
ここでは、介在部分136は、山部136aと谷部136bとが波状に連続する形状に形成されている。山部136aの延在方向と谷部136bの延在方向とは、平行な位置関係にあり、従って、介在部分136を平面視すると、複数の山部136aと複数の谷部136bとが交互に並列状に形成された構成とされている。山部136aの頂部と谷部136bの底部とは、湾曲していてもよいし、所定の角度をなして曲っていてもよい。山部136aと谷部136bとのうち板状部分132の間に配設される部分が、並行状に延在する複数の空間を形成する仕切部分となる。
【0048】
また、上記板状部分132のうち内側を向く面にシールド層140が形成され、介在部分136の少なくとも一方側の面にシールド層142が形成される。シールド層140、142は、上記と同様に、導電性塗料又は導電性メッキによって形成されていてもよいし、また、銅箔或はアルミニウム箔等を貼付けることによって形成されていてもよい。
【0049】
そして、介在部分136が複数の板状部分132の間に挟み込まれ、谷部136bの底部の下面と下側の板状部分132とが接合されると共に、山部136aの頂部の上面と上側の板状部分132とが接合されている。
【0050】
この中空板材130Bを、収容対象となる電線12の本数、収容すべき長さ寸法等に応じて適宜切断してプロテクタ130を構成し、各山部136a及び各谷部136bの内側に形成される細長い空間に電線12を収容することで(
図7の2点鎖線参照)、電線モジュールが構成される。
【0051】
このプロテクタ130及び電線モジュールによっても、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0052】
図8は他の変形例に係るプロテクタ230を製造するための中空板材230Bを示す一部切欠斜視図であり、
図9は中空板材230Bを示す部分断面図である。
図8に示す例に係る中空板材230Bは、複数(ここでは2つ)の板状部分232の間に介在部分236が設けられた構成とされている。
【0053】
すなわち、介在部分236は、凹凸形状を呈する板状に形成された部材であり、より具体的には、介在部分236の平面視において点在するように複数の突部237が形成された構成とされている。ここでは、介在部分236を平面視した状態において、複数の突部237が縦横に一定間隔で並ぶように形成されている。突部237は、介在部分236のうち平板状に延在する基板部238より一方主面側に突出するように形成されており、筒の上端部が閉じられた形状を呈している。ここでは、突部237は、上方に向けて徐々に狭まる形状、即ち、錐台形状に形成されている。突部237は、円錐台形状に形成されていてもよいし、角錐台形状に形成されていてもよいし、角錐台の角を丸めた形状に形成されていてもよい。
【0054】
また、上記板状部分232のうち内側を向く面にシールド層240が形成されている。シールド層240は、上記と同様に、導電性塗料又は導電性メッキによって形成されていてもよいし、また、銅箔或はアルミニウム箔等を貼付けることによって形成されていてもよい。
【0055】
そして、介在部分236が複数の板状部分232の間に挟み込まれ、基板部238の下面が下側の板状部分232に接合され、突部237の頂部が上側の板状部分232に接合されている。
【0056】
この中空板材230Bを、収容対象となる電線12の本数、収容すべき長さ寸法等に応じて適宜切断してプロテクタ230を構成し、各突部237間の空間に電線12を収容することで(
図8の2点鎖線参照)、電線モジュールが構成される。
【0057】
なお、
図9に示す変形例を、
図10に示す変形例のように変更してもよい。
図10に示す中空板材330Bでは、介在部分336として、上記介在部分236を2つ組合わせたものが用いられる。すなわち、下側の板状部分332の上面に介在部分236の基板部238が接合されており、その上方に突部237が突出している。また、上側の板状部分332の下面に介在部分236の基板部238が接合されており、その下方に突部237が突出している。そして、複数の突部237の頂部同士が接合されることで、2つの板状部分232の間に、2つの介在部分236が組合わされた介在部分336が介在している。
【0058】
このような構成の中空板材230B、330Bによって構成されるプロテクタ230及び電線モジュールによっても、介在部分にシールド層を設けることによる効果等を除いて、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0059】
また、上記実施形態等では、1つのプロテクタ30を備える電線モジュール10に係る構成を説明したが、電線モジュールは、複数のプロテクタを備えていてもよい。
【0060】
図11に示す例では、複数の電線12の延在方向中間部が共通する1つのプロテクタ530Aによって収容されている。当該プロテクタ530Aの一端部(
図11の左側)から延出する複数の電線12の一部が他のプロテクタ530Bによって収容され、残部がプロテクタによって保護されることなく外部に延出している。また、プロテクタ530Bの他端部(
図11の右側)から延出する複数の電線12の一部がさらに他のプロテクタ530Cによって収容され、他の一部がさらに他のプロテクタ530Dによって収容される。上記プロテクタ530A、530B、530C、530Dのうちの少なくとも1つに、上記実施形態又は各変形例で説明したようなシールド層が設けられたプロテクタが適用されていればよい。なお、複数の電線12の端部には、コネクタ550が接続され、当該コネクタが車両における電気部品にコネクタ接続される。
【0061】
これにより、複数の電線を適宜分岐させつつ、並行状態に維持した、配線用のワイヤーハーネスを構成することができる。
【0062】
なお、上記実施形態及び各変形例において、板状部分が3枚以上設けられていてもよい。この場合、板状部分の各間に介在部分が設けられていることが好ましい。
【0063】
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
【0064】
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。