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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-13660(P2015-13660A)
(43)【公開日】2015年1月22日
(54)【発明の名称】ブリスター包装体
(51)【国際特許分類】
   B65D 75/36 20060101AFI20141219BHJP
【FI】
   B65D75/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-140386(P2013-140386)
(22)【出願日】2013年7月4日
(71)【出願人】
【識別番号】313004403
【氏名又は名称】株式会社フジシール
(74)【代理人】
【識別番号】100104640
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 陽一
(72)【発明者】
【氏名】平山 龍一
(72)【発明者】
【氏名】青木 聡司
(72)【発明者】
【氏名】河野 二郎
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AA05
3E067AA17
3E067AB82
3E067AC03
3E067AC05
3E067AC12
3E067BA33A
3E067BB16A
3E067EA05
3E067EA06
3E067EB02
3E067FA01
3E067FB02
3E067FC01
(57)【要約】
【課題】物品を効率よく収容することができ、物品の使用忘れを極力防止することができるブリスター包装体を提供する。
【解決手段】1回の服用量毎に分包した医薬品10と、医薬品10を収容するために窪ませた複数の物品収容部21及び物品収容部21の周囲から外側に張りだすフランジ部22を有するケース部材20と、物品収容部21に医薬品10を収容した状態でフランジ部22に貼着することで物品収容部21の開口側を閉塞する蓋部材30とから構成されており、物品収容部21には1日に服用しなければならない3包の医薬品10が収容されている。蓋部材30は、ケース部材20のフランジ部22に物品収容部21毎に剥離可能に貼着された内層粘着シートと、内層粘着シートの外面に剥離可能に貼着される外層粘着シートとから構成されており、内層粘着シートには、服用日が記入可能な医薬品10の管理情報が物品収容部毎に表示されている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装体である物品と、
物品を収容するために窪ませた一または複数の物品収容部及びこの物品収容部の周囲から外側に張りだすフランジ部を有するケース部材と、
ケース部材の物品収容部に物品を収容した状態で、ケース部材のフランジ部に貼着することによって物品収容部の開口側を閉塞するシート状の蓋部材とを備えたブリスター包装体において、
一つの物品収容部には、使用タイミングの異なる複数の物品が収容されており、
蓋部材は、ケース部材のフランジ部に物品収容部毎に剥離可能に貼着された、一旦剥離した状態においても貼着可能な内層粘着シートと、この内層粘着シートの外面に剥離可能に貼着される、一旦剥離した状態においても内層粘着シート及びケース部材のフランジ部に貼着可能な外層粘着シートとを有し、
内層粘着シートは、収容物品の管理情報を物品収容部毎に表示可能に構成されていることを特徴とするブリスター包装体。
【請求項2】
被包装体である物品と、
物品を収容するために窪ませた一または複数の物品収容部及びこの物品収容部の周囲から外側に張りだすフランジ部を有するケース部材と、
ケース部材の物品収容部に物品を収容した状態で、ケース部材のフランジ部に貼着することによって物品収容部の開口側を閉塞するシート状の蓋部材とを備えたブリスター包装体において、
一つの物品収容部には、使用タイミングの異なる複数の物品が収容されており、
蓋部材は、ケース部材のフランジ部に剥離可能に貼着された、一旦剥離した状態においてもケース部材のフランジ部に再貼着可能な内層粘着シートと、内層粘着シートの外面に物品収容部毎に剥離可能に貼着される、一旦剥離した状態においても貼着可能な外層粘着シートとを有し、
外層粘着シートは、収容物品の管理情報を物品収容部毎に表示可能に構成されていることを特徴とするブリスター包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、服用方法が指定される医薬品等の包装形態に適したブリスター包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
各種物品の包装形態の一つとしてブリスター包装体がある。このブリスター包装体は、被包装体である物品を収容するために窪ませた一または複数の物品収容部及びこの物品収容部の周囲から外側に張りだすフランジ部を有するケース部材と、このケース部材の物品収容部に物品を収容した状態で、ケース部材のフランジ部に貼着することによって物品収容部の開口側を閉塞する蓋部材とを備えており、蓋部材として粘着シートを使用する場合は、蓋部材にミシン目等の破断手段を形成しておき、物品収容部に対応する部分を部分的に剥離することができるようになっている。
【0003】
また、1日3回毎食後に1包づつ服用するといった具合に、服用方法が指定される医薬品のブリスター包装体については、医薬品の飲み忘れをなくすために、例えば、1回の服用量を各物品収容部に収容し、服用時に部分剥離される蓋部材としての粘着シートに服用日時を記載することができるようにしたものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−067406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ケース部材の各物品収容部の間には、ある程度のスペースを確保する必要があるので、1回の服用量分の医薬品を各物品収容部に収容すると、ブリスター包装体が大きくなり、取扱性が悪いといった問題がある。特に、粉末タイプや顆粒タイプのように、小袋に収容された状態で提供される医薬品の場合は、その問題が顕著に現れる。
【0006】
また、ある医薬品は、1日3回毎食後に服用しなければならないが、他の医薬品は、朝、晩の食後に服用しなければならないような場合、服用タイミングが異なる複数種類の医薬品を1回分毎に1つの物品収容部に収容すると、各物品収容部に収容する医薬品の量がまちまちとなり、収容効率が悪いといった問題もある。
【0007】
さらに、1回に服用する医薬品を1つの物品収容部に収容する場合は、部分剥離した粘着シートは廃棄することになるので、次回の服用時までに、ブリスター包装体を手に取らなければ、飲み忘れが発生するといった問題もある。
【0008】
そこで、この発明の課題は、物品を効率よく収容することができ、物品の使用忘れを極力防止することができるブリスター包装体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、被包装体である物品と、物品を収容するために窪ませた一または複数の物品収容部及びこの物品収容部の周囲から外側に張りだすフランジ部を有するケース部材と、ケース部材の物品収容部に物品を収容した状態で、ケース部材のフランジ部に貼着することによって物品収容部の開口側を閉塞するシート状の蓋部材とを備えたブリスター包装体において、一つの物品収容部には、使用タイミングの異なる複数の物品が収容されており、蓋部材は、ケース部材のフランジ部に物品収容部毎に剥離可能に貼着された、一旦剥離した状態においても貼着可能な内層粘着シートと、この内層粘着シートの外面に剥離可能に貼着される、一旦剥離した状態においても内層粘着シート及びケース部材のフランジ部に貼着可能な外層粘着シートとを有し、内層粘着シートは、収容物品の管理情報を物品収容部毎に表示可能に構成されていることを特徴とするブリスター包装体を提供するものである。
【0010】
また、請求項2に係る発明は、被包装体である物品と、物品を収容するために窪ませた一または複数の物品収容部及びこの物品収容部の周囲から外側に張りだすフランジ部を有するケース部材と、ケース部材の物品収容部に物品を収容した状態で、ケース部材のフランジ部に貼着することによって物品収容部の開口側を閉塞するシート状の蓋部材とを備えたブリスター包装体において、一つの物品収容部には、使用タイミングの異なる複数の物品が収容されており、蓋部材は、ケース部材のフランジ部に剥離可能に貼着された、一旦剥離した状態においてもケース部材のフランジ部に再貼着可能な内層粘着シートと、内層粘着シートの外面に物品収容部毎に剥離可能に貼着される、一旦剥離した状態においても貼着可能な外層粘着シートとを有し、外層粘着シートは、収容物品の管理情報を物品収容部毎に表示可能に構成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、請求項1に係る発明のブリスター包装体は、一つの物品収容部に、使用タイミングの異なる複数の物品が収容されているので、使用タイミングが同じ物品を一つの物品収容部に収容する場合に比べて物品収容部の数が少なくなる。このため、ブリスター包装体全体を小型化することができ、取扱性が向上する。
【0012】
また、蓋部材は、ケース部材のフランジ部に物品収容部毎に剥離可能に貼着された、一旦剥離した状態においても貼着可能な内層粘着シートと、この内層粘着シートの外面に剥離可能に貼着される、一旦剥離した状態においても内層粘着シート及びケース部材のフランジ部に貼着可能な外層粘着シートとを有しており、内層粘着シートは、収容物品の管理情報を物品収容部毎に表示可能に構成されているので、外層粘着シートを剥離した後、内層粘着シートにおける物品収容部に対応する部分を部分的に剥離することによって物品を取り出すことができ、一旦剥離した外層粘着シートを内層粘着シート及びケース部材のフランジ部に貼着することによって、開封した物品収容部を再封することができる。しかも、内層粘着シートには、収容物品の管理情報を物品収容部毎に表示することができるので、部分剥離した内側粘着シートを、目に付きやすいところに貼着しておくことで、開封した物品収容部に残された物品の使用忘れを極力防止することができる。
【0013】
また、請求項2に係る発明のブリスター包装体も、一つの物品収容部に、使用タイミングの異なる複数の物品が収容されているので、ブリスター包装体全体を小型化することができ、取扱性が向上するという請求項1に係る発明と同様の効果が得られる。
【0014】
また、蓋部材は、ケース部材のフランジ部に剥離可能に貼着された、一旦剥離した状態においてもケース部材のフランジ部に再貼着可能な内層粘着シートと、内層粘着シートの外面に物品収容部毎に剥離可能に貼着される、一旦剥離した状態においても貼着可能な外層粘着シートとを有し、外層粘着シートは、収容物品の管理情報を物品収容部毎に表示可能に構成されているので、外層粘着シートが貼着された内層粘着シートを剥離することによって物品を取り出すことができ、一旦剥離した内層粘着シートをケース部材のフランジ部に再貼着することによって、開封した物品収容部を再封することができる。しかも、外層粘着シートには、収容物品の管理情報を物品収容部毎に表示することができるので、部分剥離した外層粘着シートを、目に付きやすいところに貼着しておくことで、開封した物品収容部に残された物品の使用忘れを極力防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】(a)はこの発明に係るブリスター包装体の一実施形態を示す平面図、(b)、(c)は同上のブリスター包装体を示す側面図である。
図2】同上のブリスター包装体を示す底面図である。
図3】同上のブリスター包装体を示す分解側面図である。
図4】同上のブリスター包装体を示す分解側面図である。
図5】同上のブリスター包装体のケース部材を示す平面図である。
図6】(a)は同上のブリスター包装体の蓋部材を構成している内層粘着シートを示す底面図、(b)は同上の蓋部材を構成している外層粘着シートを示す底面図である。
図7】(a)は図6(a)のX−X線に沿った断面図、(b)は図6(a)のY−Y線に沿った断面図である。
図8】同上の外層粘着シートを示す断面図である。
図9】(a)は図2のX−X線に沿った断面図、(b)は図2のY−Y線に沿った断面図である。
図10】同上のブリスター包装体の使用方法を説明するための説明図である。
図11】医薬品を取り出した物品収容部の再封状態を示す断面図である。
図12】他の実施形態であるブリスター包装体の蓋部材を示す底面図である。
図13】(a)は同上の蓋部材を構成している内層粘着シートを示す底面図、(b)は同上の蓋部材を構成している外層粘着シートを示す底面図である。
図14】(a)は図13(a)のX−X線に沿った断面図、(b)は図13(a)のY−Y線に沿った断面図である。
図15】同上の外層粘着シートを示す断面図である。
図16】(a)は図12のX−X線に沿った断面図、(b)は図12のY−Y線に沿った断面図である。
図17】医薬品を取り出した物品収容部の再封状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1図4は、この発明に係るブリスター包装体1を示している。このブリスター包装体1は、同図に示すように、1回の服用量毎に分包した粉状または顆粒状の医薬品10と、この医薬品10を収容するために窪ませた複数の物品収容部21及びこの物品収容部21の周囲から外側に張りだすフランジ部22を有するケース部材20と、ケース部材20の物品収容部21に医薬品10を収容した状態で、ケース部材20のフランジ部22に貼着することによって物品収容部21の開口側を閉塞するシート状の蓋部材30とから構成されており、医薬品10は、1日3回、朝・昼・晩の毎食後に1包づつ服用することになっている。
【0017】
前記ケース部材20は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成樹脂シートまたはこれらのシートが積層された複層シートを用いてシート成形法によって製造されており、図5に示すように、複数の物品収容部21が配置された物品収容領域PRと、フランジ部22のみからなる表示領域DRとから構成されている。なお、ケース部材20は、透明または半透明であることが望ましいが、非透明であってもよく、その厚さは、0.1mm〜1mm、好ましくは、0.2mm〜0.5mmである。
【0018】
各物品収容部21は、1日に服用しなければならない3包の医薬品10を立てた状態で収容することができるような形状及び寸法を有しており、隣接する物品収容部21間の窪み量を小さくすることによって、隣接する物品収容部21の先端側だけが区画され、蓋材30側は複数の物品収容部21全体で1つの空間が形成されている。
【0019】
前記フランジ部22は、蓋部材30の貼着面積を減らすために、周縁部を残して僅かに窪ませてあり、各物品収容部21に対応する両側縁部分には、蓋部材30を剥離する際に蓋部材30を摘むことができるように、半円形状の切欠部22aが形成されている。
【0020】
前記蓋部材30は、図9(a)、(b)に示すように、ケース部材20のフランジ部22に剥離可能に貼着された内層粘着シート31(図6(a)参照)と、この内層粘着シート31に貼着される外層粘着シート33(図6(b)参照)とから構成されており、内層粘着シート31は、ケース部材20のフランジ部22における窪ませていない周縁部のみに貼着されるようになっている。
【0021】
前記内層粘着シート31は、図7(a)、(b)に示すように、合成紙、合成樹脂フィルム、紙等の各種シートまたはこれらの積層シートやこれらのシートに金属蒸着層等の他の機能層が積層された積層シートによって形成された、厚さ0.05mm〜1.0mm、好ましくは、0.1mm〜0.5mmの基材層31aと、この基材層31aの外面におけるケース部材20の物品収容領域PRに対応する領域に積層された厚さ1μm〜20μmの表示印刷層31bと、この表示印刷層31bの外面に積層された、ワックス、滑剤、シリコーン等の易剥離剤を含む厚さ10μm〜30μmの剥離層31cと、基材層31aの内面に積層された、厚さ3μm〜50μm、好ましくは、10μm〜30μmの粘着剤層31dと、この粘着剤層31dの内面に部分的に積層されたフィルムまたは印刷インキによって形成される厚さ3μm〜20μmの隠蔽層31eとから構成されており、隠蔽層31eは、物品収容部21に収容された医薬品10が粘着剤層31dに接触しないように、ケース部材20の各物品収容部21に対応する部分に配置されている。なお、粘着剤層31dを構成する粘着材としては、ゴム系、アクリル系、ホットメルト系等の種々の粘着材を使用することができる。
【0022】
また、この内層粘着シート31には、ケース部材20の各物品収容部21に対応する部分を個別に剥離することができるように、複数のミシン目32が形成されており、隣り合うミシン目32間には、対応する物品収容部21に収容された医薬品10の服用日等を記入可能な医薬品の服用に関する管理情報が表示印刷層31bによって表示されている。なお、この内層粘着シート31は、一旦剥離しても、その粘着剤層31cの粘着力は保持されており、必要に応じて適宜貼着することができる。
【0023】
前記外層粘着シート33は、図8に示すように、例えば、ポリエステル系合成紙等の合成紙、合成樹脂フィルム、紙等の各種シートまたはこれらの積層シートやこれらのシートに金属蒸着層等の他の機能層が積層された積層シートによって形成された、厚さ0.05mm〜1.0mm、好ましくは0.1mm〜0.5mmの基材層33aと、この基材層33aの外面に積層された、医薬品の名称、効能、服用方法及び注意書き等を表示する厚さ1μm〜20μmの表示印刷層33bと、基材層33aの内面に積層された、厚さ3μm〜50μm、好ましくは10μm〜30μmの粘着剤層33cとから構成されており、粘着剤層33cを介して、内層粘着シート31の外面に貼着されている。なお、粘着剤層33cを構成する粘着材としては、ゴム系、アクリル系、ホットメルト系等の種々の粘着材を使用することができる。
【0024】
従って、外層粘着シート33におけるケース部材20の表示領域DRに対応する部分(図6(b)の網掛表示部分)は、内層粘着シート31の基材層31aに貼着されているので、この部分については外層粘着シート33を内層粘着シート31から容易に剥離することができず、内層粘着シート31の剥離層31cに貼着されている、ケース部材20の物品収容領域PRに対応する部分だけを剥離することができる。なお、この外層粘着シート33は、一旦剥離しても、その粘着剤層33cの粘着力は保持されており、内層粘着シート31やケース部材20のフランジ部22に再貼着することができる。
【0025】
以上のように構成されたブリスター包装体1は、薬剤師等が蓋部材30を構成している外層粘着シート33におけるケース部材20の物品収容領域PRに対応する部分を内層粘着シート31から剥離して、各物品収容部21毎に医薬品の服用に関する管理情報の表示部分に医薬品の服用日を記入した後、外層粘着シート33の剥離部分を再度内層粘着シート31に貼着した状態で、医薬品の服用者に提供する。
【0026】
このブリスター包装体1を受け取った医薬品の服用者は、外層粘着シート33におけるケース部材20の物品収容領域PRに対応する部分を剥離すると、各物品収容部21毎に医薬品の服用に関する管理情報が表示された内層粘着シート31が露出するので、該当する服用日が記入された物品収容部21に対応する部分の一方の側縁を摘んで、上下のミシン目32で破断しながら剥離すると、図10に示すように、医薬品10が収容された物品収容部21が開放されるので、その指示に従って医薬品10を取り出して服用する。
【0027】
このようにして服用すべき医薬品10を取り出した後は、図9(a)及び図11に示すように、外層粘着シート33の剥離部分を、内層粘着シート31及び内層粘着シート31を部分剥離することによって露出したケース部材20のフランジ部22に貼着することによって再封すると共に、内層粘着シート31における剥離部分を、例えば、ビジネスマンであれば手帳、主婦であれば冷蔵庫といった、自分の目に付きやすいところに貼着しておくと、注意を喚起することができる。
【0028】
以上のように、このブリスター包装体1は、1日で服用する3回分の医薬品10が一つの物品収容部21にまとめて収容されているので、1回分の医薬品を一つの物品収容部に収容する場合に比べて物品収容部の形成数を少なくすることができる。このため、ブリスター包装体1全体を小型化することができ、携帯性等の取扱性が向上する。
【0029】
また、このブリスター包装体1は、蓋部材30を、ケース部材20の物品収容部21毎に剥離可能にフランジ部22に貼着された内層粘着シート31と、この内層粘着シート31の外面に剥離可能に貼着される外層粘着シート33とによって構成したので、ケース部材20の各物品収容部21から医薬品10を取り出すために、内層粘着シート31を部分剥離することによってその一部を切除しても、一旦剥離した外層粘着シート33を残された内層粘着シート31及び内層粘着シート31を一部切除することによって露出したケース部材20のフランジ部22に貼着することによって、物品収容部21を再封することができる。
【0030】
さらに、内層粘着シート31には、物品収容部21毎に医薬品の服用に関する管理情報が表示されており、そこには、医薬品10の服用日を物品収容部21毎に記入することができるようになっているので、物品収容部21毎に医薬品10の服用日を予め記入しておくと、各物品収容部21から最初に医薬品10を取り出すために部分剥離することによって一部が切除された内側粘着シート31を、目に付きやすいところに貼着しておき、例えば、開封した物品収容部21に収容された医薬品10を服用する度に、「朝・昼・晩」の該当表示部分に丸印を記入しておくことで、開封した物品収容部21に残された医薬品10の飲み忘れを極力防止することができる。
【0031】
また、このブリスター包装体1は、外層粘着シート33の全面を表示領域として使用することができるので、表示しなければならない情報量が多い医薬品等の包装形態として適している。
【0032】
なお、上述した実施形態では、蓋部材30を、ケース部材20の物品収容部21毎に剥離可能にフランジ部22に貼着された内層粘着シート31と、この内層粘着シート31の外面に剥離可能に貼着される外層粘着シート33とによって構成し、医薬品10の服用に関する管理情報を物品収容部21毎に内層粘着シート31に表示しているが、例えば、図12及び図13(a)、(b)に示すように、蓋部材30Aを、ケース部材20のフランジ部22に剥離可能に貼着された、一旦剥離した状態においてもケース部材20のフランジ部22に再貼着可能な内層粘着シート31Aと、この内層粘着シート31Aの外面に剥離可能に貼着される、一旦剥離した状態においても貼着可能な外層粘着シート33Aとによって構成し、外層粘着シート33Aには、ケース部材20の各物品収容部21に対応する部分を個別に剥離することができるように、複数のミシン目34を形成すると共に、医薬品10の服用日等を記入可能な医薬品の服用に関する管理情報を物品収容部21毎に表示するようにしてもよい。
【0033】
この蓋部材30Aの場合、内層粘着シート31Aは、図14(a)、(b)に示すように、上述したブリスター包装体1の蓋部材30を構成している外層粘着シート31と基本的に同様の層構造を有しているが、表示印刷層31bは基材層31aの全面に形成されており、その上に積層される剥離層31cはケース部材20の物品収容領域PRに対応する部分にだけ形成されている。また、外層粘着シート33Aも、図15に示すように、上述したブリスター包装体1の蓋部材30を構成している外層粘着シート33と同様の層構造を有しているが、ケース部材20の物品収容領域PRに対応する部分にだけ貼着されており、内層粘着シート31Aの全面を覆っていない。なお、内層粘着シート31Aは、外層粘着シート33Aを剥離する際、その側縁部を摘むことができるように、ケース部材20と同一の平面形状に形成されており、(図13(a)及び図16(a)、(b)参照)、物品収容部21に収容された医薬品10が接触しないように、粘着面(粘着剤層31dの内面)におけるケース部材20の各物品収容部21に対応する部分に隠蔽層31eが形成されている。
【0034】
以上のように構成された蓋部材30Aを採用したブリスター包装体は、薬剤師等が蓋部材30Aを構成している外層粘着シート33Aにおける医薬品の服用に関する管理情報の表示部分に物品収容部21毎に医薬品の服用日等を記入した状態で、医薬品の服用者に提供する。一方、このブリスター包装体を受け取った医薬品の服用者は、内層粘着シート31Aにおけるケース部材20の物品収容領域PRに対応する部分を剥離することで物品収容部21を開放し、外層粘着シート33Aに表示された医薬品の服用に関する管理情報に従って医薬品10を取り出して服用する。剥離した内層粘着シート31Aは、図17に示すように、ケース部材20に貼着することで物品収容部21を再封すると共に、外層粘着シート33Aにおける医薬品10を取り出した物品収容部21に対応する部分を部分剥離して自分の目に付きやすいところに貼着しておき、上述したブリスター包装体1と同様に、開封した物品収容部21に収容された医薬品10を服用する度に、「朝・昼・晩」の該当表示部分に丸印を記入しておくと、開封した物品収容部21に残された医薬品10の飲み忘れを極力防止することができる。
【0035】
また、内層粘着シート31Aを構成している基材層31aを透明素材によって形成すると共に、内層粘着シート31Aにおける外層粘着シート33Aの貼着領域については表示印刷層を省略または透過印刷を施すことによって表示印刷層31bを形成することで、ケース部材20の物品収容領域PRを視認可能に構成しておくと、開封して外層粘着シート33Aを部分剥離した物品収容部21内の医薬品10の服用状態(服用完了状態または服用途中の状態)を視覚的に簡単に管理することができる。
【0036】
また、上述したブリスター包装体1では、内層粘着シート31における粘着剤層31dの内面に隠蔽層31eを形成しているが、これに限定されるものではなく、物品収容部に収容する物品によっては、隠蔽層を省略することも可能である。
【0037】
また、上述したブリスター包装体1を構成しているケース部材20は、隣接する物品収容部21間の窪み量を小さくすることによって、隣接する物品収容部21の先端側だけが区画され、蓋材30側は複数の物品収容部21全体で1つの空間が形成されているので、ケース部材20のフランジ部22に蓋部材30を貼着しても、各物品収容部21が密封されない状態になっているが、これに限定されるものではなく、各物品収容部の周辺部分に蓋部材が貼着されるようなフランジ部を形成しておくことで、各物品収容部を密封することも可能であり、防塵効果や防湿効果を得ることができる。
【0038】
また、上述したブリスター包装体1では、複数の物品収容部21が形成されたケース部材20を採用しているが、これに限定されるものではなく、物品収容部は1つでもよく、その場合も上述したブリスター包装体1と同様の効果を得ることができる。
【0039】
また、上述した各実施形態では、分包された医薬品が包装されたブリスター包装体について説明したが、錠剤やカプセル剤等の医薬品についても適用可能であることはいうまでもない。
【0040】
また、上述した各実施形態では、1種類の医薬品が包装されたブリスター包装体について説明したが、これに限定されるものではなく、服用タイミングの異なる複数種類の医薬品を1日分毎に各物品収容部に収容するようにしてもよく、そうすることによって、服用タイミングが異なる複数種類の医薬品を1回分毎に1つの物品収容部に収容する場合のように、各物品収容部に収容する医薬品の量がまちまちとなることがなく、飲み忘れを防止しつつ、医薬品の収容効率を高めることができるという効果が得られる。
【0041】
また、上述したブリスター包装体1では、蓋部材30を構成している外層粘着シート33の外面側だけを表示領域として使用しているが、内面側にも表示することが可能であり、そうすることによって、表示すべき情報量を拡大することができる。
【0042】
また、被包装体は上述したような医薬品に限定されるものではなく、例えば、毎食後使用する使い捨てタイプの歯間ブラシ等について本発明のブリスター包装体を適用することによって、磨き忘れを防止することができるという効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、使用タイミングが定められた種々の物品を包装する場合に利用することができる。
【符号の説明】
【0044】
1 ブリスター包装体
10 医薬品
20 ケース部材
21 物品収容部
22 フランジ部
22a 切欠部
30、30A 蓋部材
31、31A 内層粘着シート
31a 基材層
31b 表示印刷層
31c 剥離層
31d 粘着剤層
31e 隠蔽層
32 ミシン目
33、33A 外層粘着シート
33a 基材層
33b 表示印刷層
33c 粘着剤層
34 ミシン目
DR 表示領域
PR 物品収容領域
図1
図2
図3
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図5
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図17