【課題】ホウ素を含む被処理水を処理する被処理水の処理装置においてホウ素選択性イオン交換樹脂を使用する場合でも、ホウ素選択性イオン交換樹脂の耐用期間を長くしやすい被処理水の処理装置等を提供する。
【解決手段】イオン交換樹脂Iを充填するための空間Kを内部に有する外殻部231と、外殻部231に被処理水を導入するための導入部232と、外殻部231から被処理水を排出するための排出部233と、を備え、イオン交換樹脂Iは、導入部232側に充填される強塩基性アニオン交換樹脂Aと、排出部233側に充填されるホウ素選択性イオン交換樹脂Bとからなることを特徴とする第1イオン交換樹脂塔23。
前記強塩基性アニオン交換樹脂は、層高を200mm〜400mmとし、前記ホウ素選択性イオン交換樹脂は、層高を800mm〜1000mmとすることを特徴とする請求項1または2に記載の被処理水の処理装置。
【背景技術】
【0002】
例えば、半導体デバイスの製造工程では、製造工程中における洗浄等の用途に純水が使用される。この純水を製造する装置において、設備コストや製造コストの低減化、設備設置面積の縮小化のような一般的に要求される事項の他に、純水を製造する際に発生する排水の減容化が要求されることがある。
純水を製造する際に使用される脱塩装置として、再生式のイオン交換装置を用いるとイオン交換樹脂を再生するときに薬品を使用するため、排水を多く発生しやすい。よって替わりに、例えば、逆浸透膜装置、電気再生式脱塩装置等と、非再生式のイオン交換装置とを組合せて使用することが提案されている。
【0003】
また近年、製造された純水中にホウ素が含まれる場合があることが注目されている。純水にホウ素が含まれると、製品に不具合が生じやすくなるため、除去を行なう必要がある。しかし逆浸透膜装置、電気再生式脱塩装置では装置の特性上十分に除去することが困難である。そのため非再生式のイオン交換装置において、純水中に含まれるホウ素が予め定められた濃度以下になるように除去を行なう必要がある。そしてこのイオン交換樹脂としてホウ素を選択的に除去することができるホウ素選択性イオン交換樹脂が使用される場合がある。
【0004】
特許文献1には、膜処理手段等を備えて前処理装置の処理水から純水を得る1次純水処理系と、この1次純水を貯水するタンクと、イオン交換手段、膜処理手段等を備えてタンクを経た1次純水から超純水を得る2次純水処理系とからなり、ほう素選択性イオン交換樹脂を、1次純水処理系中の2床3塔式イオン交換装置の塔内に強酸性陽イオン交換樹脂の上流に位置するように積層して設ける純水製造装置が開示されている。
また特許文献2には、前処理装置、脱塩装置、非イオン性物質除去装置を有する超純水製造装置の脱塩装置として、2段RO装置を備えるが、薬品再生型のイオン交換装置を備えていない超純水製造装置において、2段RO装置に通水した被処理水をほう素選択性イオン交換樹脂に接触させるほう素除去装置を設けたものが開示されている。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することが出来る。また、使用する図面は本実施の形態を説明するためのものであり、実際の大きさを表すものではない。
【0015】
(純水)
本実施の形態で製造される純水は、上述の通り半導体デバイス製造工程等において洗浄などの用途に使用される。この場合、純水中に含まれるホウ素の濃度は、例えば、1ppt未満〜10ppt未満とする必要がある。なおこの場合、純水は、超純水と呼ばれることがある。
ただし、本実施の形態において製造される純水は、半導体デバイス製造工程で使用される場合に限らず、例えば、薬品製造工程、食品製造工程等においても使用可能である。
【0016】
(被処理水)
本実施の形態では、被処理水は、特に限られるものではないが、例えば、井水、河川水、水道水等を原水とし、これを後述する一次純水系で処理された後で生成される水である。この場合、被処理水中には、ホウ素が、数十ppb程度含まれていることが多い。また被処理水中で、ホウ素は、ホウ素イオンとなっており、具体的には、例えば、BO
3−、BO
2−、B
4O
72−等の形態が挙げられる。
【0017】
(強塩基性アニオン交換樹脂)
本実施の形態で使用される強塩基性アニオン交換樹脂は、特に限られるものではないが、例えば、四級アンモニウム基を交換基として有するものが使用できる。また後述する第1イオン交換樹脂塔23や第2イオン交換樹脂塔26のようにイオン交換装置を二次純水系において使用する場合は、アニオン交換樹脂から有機体炭素(TOC)や金属が溶出することを押さえた低溶出グレードのものであることが好ましい。
本実施の形態では、強塩基性アニオン交換樹脂として、三菱化学株式会社製のダイヤイオンSAT20L等を使用することができる。
【0018】
(ホウ素選択性イオン交換樹脂)
本実施の形態で使用されるホウ素選択性イオン交換樹脂は、N−メチルグルカミン基を交換基として有するキレート樹脂からなるものである。ホウ素選択性イオン交換樹脂は、ホウ素イオンをより吸着しやすい性質を有するが、ホウ素イオンに限らず他のアニオンも吸着する場合がある。
本実施の形態では、ホウ素選択性イオン交換樹脂として、三菱化学株式会社製のダイヤイオンCRBT03等を使用することができる。
【0019】
次に、図面に基づき、本実施の形態が適用される純水の製造装置について説明を行う。
【0020】
<純水の製造装置全体の説明>
図1は、本実施の形態が適用される純水の製造装置について説明した図である。
図示する純水製造ユニット1は、この純水の製造装置の一例である。この純水製造ユニット1は、一次純水系10と二次純水系20とに大別される。
【0021】
一次純水系は、一般的に原水の濁質除去を目的とした凝集ろ過装置や除濁膜装置といった除濁装置と、溶存イオン成分を脱塩するための逆浸透膜装置(RO)、電気再生式脱塩装置、再生式イオン交換装置(例えば2床3塔式イオン交換装置や混床式イオン交換装置)といった原水に対し脱塩処理を行なう脱塩装置とを設置した設備である。また他に炭酸成分を除去する脱炭酸装置が設置される場合がある。
【0022】
また二次純水系は、一般的には、一次純水系で処理された水を、TOC(全有機体炭素)を分解するための紫外線酸化装置と、微量のイオン成分を除去する非再生式イオン交換装置と、溶存酸素を除去する脱気装置と、微粒子を除去する限外ろ過膜装置で処理する設備である。本実施の形態では、非再生式イオン交換装置で、一次純水系により処理され、ホウ素を含む水を処理する。
【0023】
本実施の形態の一次純水系10は、原水槽11と、除濁膜装置12と、濾過水槽13と、活性炭濾過装置(CF)14と、逆浸透膜装置(RO)15と、脱気装置16と、電気再生式脱塩装置(EDI:Electrodeionization)17と、一次純水槽18とを備える。
【0024】
原水槽11は、原水である井水、河川水、水道水等を一時的に貯留する水槽である。
除濁膜装置12は、内部に限外濾過膜(UF膜)を備え、原水をこの限外濾過膜に通すことで、原水に含まれる濁質を取り除く。この場合、濁質は、原水に含まれる汚れであり、泥、シルト等の夾雑物やプランクトン等の水生生物などの微粒子から構成される。
【0025】
濾過水槽13は、除濁膜装置12により処理された原水を一時的に貯留する水槽である。
活性炭濾過装置14は、内部に活性炭を備える装置である。そして、除濁膜装置12で処理後の原水をこの活性炭に通水して接触させることで、原水中に含まれる塩類や有機物を活性炭に吸着させる。本実施の形態では、例えば、粒状の活性炭を使用し、これに除濁膜装置12で処理後の原水を通過させることで、濾過を行なう。
【0026】
逆浸透膜装置15は、内部に逆浸透膜(RO膜)を備える装置である。逆浸透膜は、例えば、大きさが1nm〜2nmの孔を多数設けたポリアミド膜であり、この膜を通過させることで、原水中に含まれるイオンなどの塩類を除去することができる。
【0027】
脱気装置16は、中空糸状の気体分離膜を備え、この中空糸中に逆浸透膜装置15で処理後の原水を通すことで、原水中のガスを取り除く。即ち、中空糸の外部は、真空となっており、そのため中空糸中に原水を通水すると内部に含まれるガスが、中空糸状の気体分離膜を透過して外部に排出される。一方、原水は、そのまま中空糸を通り抜けるため、これにより原水中のガスを取り除くことができる。ここで取り除かれるガスは、主に二酸化炭素(CO
2)ガスである。
【0028】
電気再生式脱塩装置17は、陽イオンを通過させる陽イオン交換膜と陰イオンを通過させる陰イオン交換膜の間に陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂を充填した構造を一単位とし、この単位を複数並べる構成を採る。そしてこれらが並ぶ方向の両側に陽電極と陰電極を設け、これらの電極間に直流電圧を印可する。
【0029】
この場合、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂が充填された箇所(脱塩室)に脱気装置16で処理後の原水を通水すると、この中に含まれる陽イオンと陰イオンが、それぞれ陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂により除去される。さらに陽イオン交換樹脂により除去された陽イオンは、直流電圧の作用により陰電極側に引きつけられ、陽イオン交換膜を通過して、上記単位間の空間(濃縮室)に染み出てくる。また陰イオンも同様に、直流電圧の作用により陽電極側に引きつけられ、陰イオン交換膜を通過して、濃縮室に染み出てくる。その結果、脱塩室からは、脱気装置16で処理後の原水から陽イオンおよび陰イオンが除去された精製水が得られる。一方、濃縮室からは、陽イオンおよび陰イオンを多く含む水が、排水として装置外に排出される。
【0030】
これにより一次純水系における純水が生成する。
一次純水槽18は、電気再生式脱塩装置17により処理され、生成された純水を一時的に貯留する水槽である。
【0031】
また本実施の形態の二次純水系20は、第1脱気装置21と、第1紫外線酸化装置(TOC−UV)22と、第1イオン交換樹脂塔23と、第1カートリッジポリッシャ(CP)24と、第2紫外線酸化装置25と、第2イオン交換樹脂塔26と、第2脱気装置27と、第2カートリッジポリッシャ(CP)28と、限外濾過装置(UF)29とを備える。
【0032】
第1脱気装置21、第2脱気装置27は、上述した脱気装置16と同様の構造を有する装置である。ただし取り除かれるガスは、主に酸素(O
2)ガスであり、第1脱気装置21、第2脱気装置27によって純水中の溶存酸素が除去される。
【0033】
第1紫外線酸化装置22、第2紫外線酸化装置25は、内部に低圧紫外線ランプを備え、この紫外線ランプにより照射される紫外線により純水中の有機物を分解し除去する。この紫外線は、例えば185nmの波長を有する。そしてこの紫外線の照射により生成するヒドロキシルラジカル(OH・)により純水中の微量有機物を酸化分解する。
【0034】
第1イオン交換樹脂塔23、第2イオン交換樹脂塔26は、非再生式イオン交換装置である。そして第1イオン交換樹脂塔23、第2イオン交換樹脂塔26は、内部にイオン交換樹脂を備え、このイオン交換樹脂に第1紫外線酸化装置22や第2紫外線酸化装置25で処理された後の純水を通水することで、純水中に含まれる塩類を吸着する。なお本実施の形態では、この第1イオン交換樹脂塔23、第2イオン交換樹脂塔26は、塩類のうち特にホウ素イオンを取り除くために使用する。よって本実施の形態では、ホウ素を含む被処理水を処理するための被処理水の処理装置として機能する。第1イオン交換樹脂塔23、第2イオン交換樹脂塔26の詳しい構成については、後述する。
【0035】
第1カートリッジポリッシャ24、第2カートリッジポリッシャ28は、内部に陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂が混合して充填されている。そして装置内に第1イオン交換樹脂塔23や第2イオン交換樹脂塔26で処理された後の純水を通水することで、純水中に含まれる微量の陽イオンおよび陰イオンを更に除去することができる。
【0036】
限外濾過装置29は、純水に含まれる微細な固形物を除去するために設けられる。このために限外濾過装置29内部には、限外濾過膜(UF膜)が備えられている。限外濾過膜は、例えば、大きさが2nm〜200nmの孔を多数設けたポリアミドやポリスルホンからなる膜であり、この膜を通過させることで、微粒子等の固形物を除去することができる。
【0037】
このようにして一次純水系で製造された純水は、二次純水系でさらに純度が上げられる(ポリッシング)。二次純水系で製造された純水は、ユースポイントに送られ、予め定められた工程中で洗浄等の用途に使用される。
なお第2紫外線酸化装置25と、第2イオン交換樹脂塔26と、第2脱気装置27と、第2カートリッジポリッシャ(CP)28は、ユースポイントで要求される純水の純度等のレベルにより設置されない場合もある。
【0038】
<第1イオン交換樹脂塔23、第2イオン交換樹脂塔26の説明>
次に第1イオン交換樹脂塔23、第2イオン交換樹脂塔26についてさらに詳しく説明を行う。なお以下、第1イオン交換樹脂塔23を例に採り説明を行うが、第2イオン交換樹脂塔26でも装置構成は、同様である。
図2は、第1イオン交換樹脂塔23の構成について説明した図である。
図示するように第1イオン交換樹脂塔23は、イオン交換樹脂を充填するための空間Kを内部に有する外殻部231と、外殻部231に被処理水を導入するための導入部232と、外殻部231から被処理水を排出するための排出部233とを備える。
【0039】
外殻部231は、内部にイオン交換樹脂Iが充填され、被処理水をこのイオン交換樹脂Iに通水することで、被処理水中に含まれるホウ素イオンを吸着する。外殻部231は、材質として例えば、ステンレスなどからなるが、これに限られるものではなく、被処理水に対し耐久性を備えるものであれば、特に限定されることはない。また外殻部231の形状としては特に限られるものではないが、本実施の形態では、例えば、略円筒形状としている。
【0040】
被処理水は、ここでは、
図1で説明したように第1紫外線酸化装置22で処理された後の純水である。この被処理水は、第1紫外線酸化装置22から送られ、導入部232から導入される。そして外殻部231内部のイオン交換樹脂によりホウ素が除去された後、排出部233から排出されて、第1カートリッジポリッシャ24に送られる。この場合、通水方向は、下方向となる。
【0041】
本実施の形態で外殻部231に充填されるイオン交換樹脂Iは、強塩基性アニオン交換樹脂Aとホウ素選択性イオン交換樹脂Bの2種類である。そして強塩基性アニオン交換樹脂Aは、導入部232側に充填され、ホウ素選択性イオン交換樹脂Bは、排出部233側に充填される。さらに具体的には、強塩基性アニオン交換樹脂Aとホウ素選択性イオン交換樹脂Bとは積層されて充填され、このとき強塩基性アニオン交換樹脂Aは、通水方向に対し上流側に配され、ホウ素選択性イオン交換樹脂Bは、通水方向に対し下流側に配される。そして通水方向を下方向とすることで、イオン交換樹脂Iが被処理水により撹拌されにくくなり、強塩基性アニオン交換樹脂Aとホウ素選択性イオン交換樹脂Bとの積層構造が維持しやすくなる。
【0042】
このとき強塩基性アニオン交換樹脂Aの層高H
Aを200mm〜400mmとし、ホウ素選択性イオン交換樹脂Bの層高H
Bを800mm〜1000mmとすることが好ましい。強塩基性アニオン交換樹脂Aやホウ素選択性イオン交換樹脂Bの層高がこの範囲より小さいと、十分にホウ素を取り除くことが困難となりやすい。また強塩基性アニオン交換樹脂Aやホウ素選択性イオン交換樹脂Bの層高がこの範囲より大きいと、第1イオン交換樹脂塔23の大きさが過剰に大きくなりやすくなる。
【0043】
さらにこのとき被処理水の通水線速度は、15m/h〜20m/hであることが好ましい。被処理水の通水線速度が15m/h未満であると、第1イオン交換樹脂塔23による被処理水の処理速度が遅くなりすぎ、また被処理水の通水線速度が20m/hを超えると、十分にホウ素を取り除くことが困難となりやすい。
【0044】
以上説明したように2種類のイオン交換樹脂を充填することで、被処理水は、まず強塩基性アニオン交換樹脂Aと接触し、次にホウ素選択性イオン交換樹脂Bに接触することになる。そのため被処理水中に含まれるアニオンは、まず強塩基性アニオン交換樹脂Aと接触してその多くが取り除かれる。そして次にホウ素選択性イオン交換樹脂Bに接触して、特にホウ素イオンが選択的に取り除かれる。つまりアニオンの中には、ホウ素イオンよりホウ素選択性イオン交換樹脂Bに吸着しやすいものがあり(特に炭酸イオン(CO
2−))、ホウ素選択性イオン交換樹脂Bへのホウ素イオンの吸着を阻害する場合がある。しかし本実施の形態では、ホウ素選択性イオン交換樹脂Bに被処理水が到達する段階で、ホウ素イオンの吸着を阻害する他のアニオンが大部分取り除かれているため、ホウ素イオンをより効率的に吸着することができる。
【0045】
そしてその結果、ホウ素選択性イオン交換樹脂Bの耐用期間がより長くなる。そしてホウ素選択性イオン交換樹脂Bを頻繁に交換する必要性が少なくなり、装置の安定的な運用が可能となり、純水の製造費用が低減される。
【0046】
これが強塩基性アニオン交換樹脂Aとホウ素選択性イオン交換樹脂Bとを混合したり、強塩基性アニオン交換樹脂Aより先にホウ素選択性イオン交換樹脂Bが被処理水と接触する場合には、この効果は得ることができない。さらに強塩基性アニオン交換樹脂Aやホウ素選択性イオン交換樹脂Bを単独で使用する場合でもこの効果は得ることができない。
【0047】
なお上述した例では、強塩基性アニオン交換樹脂Aとホウ素選択性イオン交換樹脂Bとを二層積層した場合について説明したが、被処理水が、強塩基性アニオン交換樹脂Aと接触した後に、ホウ素選択性イオン交換樹脂Bに接触する形態になれば、これに限られるものではない。例えば、ホウ素選択性イオン交換樹脂Bの排出部233側にさらに強塩基性アニオン交換樹脂Aを設け、三層としてもよく、またさらに強塩基性アニオン交換樹脂Aやホウ素選択性イオン交換樹脂Bを積層して四層以上としてもよい。
【0048】
また外殻部231内部に、被処理水は通過可能であるが、強塩基性アニオン交換樹脂Aとホウ素選択性イオン交換樹脂Bは通過できない構造の仕切り板を設け、この仕切り板より導入部232側に強塩基性アニオン交換樹脂Aを充填し、排出部233側にホウ素選択性イオン交換樹脂Bを充填してもよい。即ちこれらを積層する形態に限られるものではない。
【0049】
またさらに上述した例では、第1イオン交換樹脂塔23や第2イオン交換樹脂塔26は、二次純水系20に設置されていたが、これに限られるものではない。即ち、一次純水系10に設置することを妨げるものではなく、さらに純水製造ユニット1で使用する以外の用途に使用してもよい。
【0050】
また上述した例では、第1イオン交換樹脂塔23と第2イオン交換樹脂塔26は、双方とも
図2に示す構成であるものとして説明を行なったが、何れか一方が
図2に示す構成のものにすればよい。
【0051】
なお上述した第1イオン交換樹脂塔23で被処理水を処理する方法は、被処理水を強塩基性アニオン交換樹脂Aに通水して処理する第1の処理工程と、第1の処理工程により処理された被処理水をホウ素選択性イオン交換樹脂Bに通水して処理する第2の処理工程と、を含み、被処理水は、積層された状態の強塩基性アニオン交換樹脂Aとホウ素選択性イオン交換樹脂Bとに順に通水されることを特徴とする被処理水の処理方法であると捉えることもできる。
【実施例】
【0052】
以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限りこれらの実施例により限定されるものではない。
【0053】
(実施例1)
本実施例では、第1イオン交換樹脂塔23として、
図2で示すものを用いた。このとき外殻部231としては、直径が20mmφで、高さが1000mmのサイズのものを用いた。
そして第1イオン交換樹脂塔23の外殻部231内部に、強塩基性アニオン交換樹脂Aとホウ素選択性イオン交換樹脂Bを
図2で示すように充填した。このとき強塩基性アニオン交換樹脂Aとして三菱化学株式会社製のダイヤイオンSAT20Lを使用し、層高H
Aが300mmとなるようにした。またホウ素選択性イオン交換樹脂Bとして、三菱化学株式会社製のダイヤイオンCRBT03を使用し、層高H
Bが870mmとなるようにした。
そして被処理水としてホウ素濃度が1ppbのものを、通水流量6.28L/h、通水線速度20m/hで通水した。
【0054】
(比較例1)
本比較例では、第1イオン交換樹脂塔23として実施例1と同様のものを用いた。
そして第1イオン交換樹脂塔23の外殻部231内部に、強塩基性アニオン交換樹脂Aとして実施例1と同様の三菱化学株式会社製のダイヤイオンSAT20Lを充填した。このとき層高H
Aを、468mmとなるようにした。またホウ素選択性イオン交換樹脂Bは充填しなかった。
そして被処理水としてホウ素濃度が1ppbのものを、通水流量14.1L/h、通水線速度20m/hで通水した。
【0055】
(評価)
第1イオン交換樹脂塔23の排出部233から排出される処理後の水について、オンライン型ホウ素計およびICP−MS分析計(誘導結合プラズマ質量分析計)を用いてホウ素の濃度を測定した。そして通水を継続し耐用期間(ライフ)について調査した。
【0056】
またイオン交換樹脂1Lあたりのホウ素吸着量として平衡吸着量を算出した。これは処理後のイオン交換樹脂をマイクロウェーブで酸分解後、ICP−MS分析計を用いて吸着したホウ素の量を測定し、それから算出することで行なった。平衡吸着量は、大きい値である方が、より多くのホウ素を吸着できたことを表し、良い結果であると言える。
【0057】
結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
表1に示したように、排出部233から排出される水に含まれるホウ素の濃度は、実施例1の場合でも比較例1の場合でも、1ppt未満となった。ただし耐用期間(ライフ)については、実施例1の場合は、425日経過しても、1ppt以上のホウ素の漏出は認められなかった。対して比較例1の場合は、39日経過後にホウ素の漏出が増加し、1ppt以上となった。
【0060】
さらに平衡吸着量は、実施例1の方が、比較例1に比較して、良い結果となった。