特開2015-13679(P2015-13679A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-13679(P2015-13679A)
(43)【公開日】2015年1月22日
(54)【発明の名称】包装箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/10 20060101AFI20141219BHJP
【FI】
   B65D5/10 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-142098(P2013-142098)
(22)【出願日】2013年7月5日
(71)【出願人】
【識別番号】506100990
【氏名又は名称】日本トーカンパッケージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 智弘
(72)【発明者】
【氏名】石松 健治
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA08
3E060BC02
3E060DA11
3E060DA13
(57)【要約】
【課題】 ロック式の底壁の支持強度をより高めることができる包装箱を提供する。
【解決手段】 包装箱10は、突合わせた一対の内フラップ30の外側に一対の外フラップ50を重ねることで底壁21を形成するものである。外フラップ50は、一対の内フラップ30の突合わせ部30aを挟んで互いに離間する一対の差込み片51と、一対の差込み片51の間に形成され、一方の差込み片51の基端から他方の差込み片51の基端にかけて円弧状に膨らむ補強部56とを有する。内フラップ30は、押込むことにより開口して差込み片51を差込ませる押込み部31を有する。そして、補強部56の円弧状の縁57の頂点位置αは、差込み片51の先端位置βよりも差込み片51の基端側に設定される。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する一対の第1側壁と、前記一対の第1側壁と直交する方向に対向する一対の第2側壁と、前記一対の第1側壁のそれぞれの下端に折り曲げ可能に連なる一対の内フラップと、前記一対の第2側壁のそれぞれの下端に折り曲げ可能に連なる一対の外フラップと、を有し、突合わせた前記一対の内フラップの外側に前記一対の外フラップを重ねることで底壁を形成する包装箱であって、
前記外フラップは、
前記一対の内フラップの突合わせ部を挟んで互いに離間する一対の差込み片と、
前記一対の差込み片の間に形成され、一方の前記差込み片の基端から他方の前記差込み片の基端にかけて円弧状に膨らむ補強部と、
を有し、
前記内フラップは、
押込むことにより開口して前記差込み片を差込ませる押込み部を有し、
前記補強部の円弧状の縁の頂点位置は、
前記差込み片の先端位置よりも前記差込み片の基端側に設定される、
ことを特徴とする包装箱。
【請求項2】
前記外フラップは、
前記補強部を挟む両側で且つ前記円弧状の縁の延長線上に係止用切込みを有し、
前記押込み部の開口縁は、
前記差込み片が前記押込み部に差込まれた状態において、前記係止用切込みに係止される係止部を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の包装箱。
【請求項3】
前記押込み部の開口縁は、
前記差込み片が前記押込み部に差込まれて行く過程において、前記差込み片を前記内フラップの裏側に案内する凹状の丸み部を有する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の包装箱。
【請求項4】
前記押込み部の開口縁は、
前記差込み片が前記押込み部に差込まれた状態において、前記差込み片の外面を押圧する凸状の丸み部を有する、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の包装箱。
【請求項5】
前記差込み片は、
先端縁の幅方向の端部に面取り部を有する、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装箱に関し、特に、ロック式の底壁を備える包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
ロック式の底壁を備える包装箱が広く利用されている。従来、この種の包装箱について、各種の技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、一対の側壁から延出した側フラップに切込みを設け、一対の端壁から延出した端フラップの両側部に先端側へ延びる差込み片を形成した段ボール箱のフラップロックが開示されている。この段ボール箱のフラップロックでは、端フラップを屈曲させつつ差込み片を切込みに差込んで、側フラップと端フラップとを係止する。これにより、フラップ同士をロックした底壁が得られる。
【0004】
ところで、近年、包装箱のさらなる品質向上が求められる中、底抜けの防止や底壁の撓み抑制の観点から、底壁の支持強度をより高めた包装箱が要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-338758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のフラップロックにおいては、差込み片を切込みに差込み易くするため、一対の差込み片の間の部分は、側フラップと干渉しないように大きく抜けており、一対の差込み片の間における支持面が小さい。このため、底壁の支持強度をより高めるには、差込み片の周辺において、何らかの構造上の対策を講じる必要がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ロック式の底壁の支持強度をより高めることができる包装箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するため、本発明は、以下の構成によって把握される。
(1)本発明は、対向する一対の第1側壁と、前記一対の第1側壁と直交する方向に対向する一対の第2側壁と、前記一対の第1側壁のそれぞれの下端に折り曲げ可能に連なる一対の内フラップと、前記一対の第2側壁のそれぞれの下端に折り曲げ可能に連なる一対の外フラップと、を有し、突合わせた前記一対の内フラップの外側に前記一対の外フラップを重ねることで底壁を形成する包装箱であって、前記外フラップは、前記一対の内フラップの突合わせ部を挟んで互いに離間する一対の差込み片と、前記一対の差込み片の間に形成され、一方の前記差込み片の基端から他方の前記差込み片の基端にかけて円弧状に膨らむ補強部と、を有し、前記内フラップは、押込むことにより開口して前記差込み片を差込ませる押込み部を有し、前記補強部の円弧状の縁の頂点位置は、前記差込み片の先端位置よりも前記差込み片の基端側に設定される、ことを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、一対の差込み片の間に補強部が形成されるので、この補強部によって、底壁の支持強度がより高まる。また、補強部の幅方向の両端は、一対の差込み片のそれぞれの基端に連なるため、差込み片の動きが補強部によって影響を受ける心配もない。さらに、補強部の円弧状の縁の頂点位置を、差込み片の先端位置よりも差込み片の基端側に設定したので、差込み片を押込み部に差込む際、補強部が内フラップに干渉することを防止できる。このため、押込み部に対し、差込み片をより円滑に差込んで行くことができるので、包装箱の組立て作業性を高めることもできる。
【0010】
(2)本発明では、(1)の構成において、前記外フラップは、前記補強部を挟む両側で且つ前記円弧状の縁の延長線上に係止用切込みを有し、前記押込み部の開口縁は、前記差込み片が前記押込み部に差込まれた状態において、前記係止用切込みに係止される係止部を有する、ことを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、差込み片が押込み部に差込まれた状態において、押込み部の開口縁の係止部によって、外フラップの係止用切込みが係止されるので、差込み片が押込み部から引き抜けることをより確実に防止できる。これにより、底壁の支持強度を一層高めることができる。
【0012】
(3)本発明では、(1)または(2)の構成において、前記押込み部の開口縁は、前記差込み片が前記押込み部に差込まれて行く過程において、前記差込み片を前記内フラップの裏側に案内する凹状の丸み部を有する、ことを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、差込み片が押込み部に差込まれて行く過程において、凹状の丸み部により、差込み片が押込み部の裏側に円滑に案内されるため、押込み部に差込み片をより容易に差込むことができ、包装箱の組立て作業性のさらなる向上を図ることができる。
【0014】
(4)本発明では、(1)〜(3)のいずれかの構成において、前記押込み部の開口縁は、前記差込み片が前記押込み部に差込まれた状態において、前記差込み片の外面を押圧する凸状の丸み部を有する、ことを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、差込み片が押込み部に差込まれた状態において、押込み部の開口縁の丸み部により、差込み片の外面が局所的に押圧されるので、差込み片に対する押込み部の保持力が高まる。その結果、底壁のさらなる強度向上を実現することができる。
【0016】
(5)本発明では、(1)〜(4)のいずれかの構成において、前記差込み片は、先端縁の幅方向の端部に面取り部を有する、ことを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、差込み片を押込み部に差込む際、面取り部によって、差込み片を押込み部に容易に差込むことができる。これにより、包装箱の組立て作業性をより一層高めることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ロック式の底壁の支持強度をより高めることができる包装箱を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係る実施形態の包装箱の斜視図である。
図2図1のA矢視図である。
図3図1に示す包装箱の展開図である。
図4】(a)は図3のB部拡大図、(b)は図3のC部拡大図である。
図5】包装箱の組立て方法の説明図であり、上下反転させた包装箱の斜視図である。
図6】包装箱の組立て方法における差込み片の差込み過程を説明する図であり、(a)は初期段階を示す図、(b)は途中段階を示す図、(c)は差込みが終了した段階を示す図である。
図7図6(c)のD部を拡大して示す斜視図である。
図8図6(c)のE―E断面図である。
図9】組立て作業が完了した包装箱の平面図である。
図10】比較例に係る包装箱の説明図であり、図6(a)に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と称する)について詳細に説明する。実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
【0021】
(包装箱10の全体構成)
まず、包装箱10の全体構成を図1図2に基づいて説明する。
図1に示すように、実施形態の包装箱10は、段ボールシート11(図3参照)を折り曲げて形成される段ボール箱であり、周壁12と、この周壁12の上端側を塞ぐ上壁13とを有する。周壁12は、対向する一対の第1側壁15と、一対の第1側壁15と直交する方向に対向する一対の第2側壁16とを有する。上壁13は、一対の第2側壁16のそれぞれの上端に折り曲げ可能に連なる一対の内フラップ17と、一対の第2側壁16のそれぞれの上端に折り曲げ可能に連なる一対の外フラップ18とを有し、一対の内フラップ17の外側(上側)に一対の外フラップ18を重ねることで形成される。
【0022】
なお、この例では、水平断面が長方形状に形成された包装箱10を示すが、包装箱10の水平断面は、長方形状や正方形などの四角形状の他、六角形や八角形状でもよい。
【0023】
図1に示すように、包装箱10は、いわゆるA式カートンの基本構成において底構造を変更したものであり、周壁12の下端側を塞ぐロック式の底壁21を有する。この底壁21は、一対の第1側壁15のそれぞれの下端に折り曲げ可能に連なる一対の内フラップ30と、一対の第2側壁16のそれぞれの下端に折り曲げ可能に連なる一対の外フラップ50とを有し、突合わせた一対の内フラップ30の外側(下側)に一対の外フラップ50を重ねてロックすることで形成される。
【0024】
(段ボールシート11の構成)
次に、段ボールシート11の構成を図3に基づいて説明する。
図3に示すように、段ボールシート11は、長尺のシートから打抜いたブランクであり、段ボールシート11では、第1側壁15と第2側壁16とが縦罫線11aを介して交互に連なっており、最も側端に位置する第1側壁15の開放端には、縦罫線11aを介して接合部11bが設けられる。各第1側壁15の上下両端には、それぞれ、横罫線11cを介して外フラップ18、内フラップ30が連なり、各第2側壁16の上下両端には、それぞれ、横罫線11cを介して内フラップ17、外フラップ50が連なる。
【0025】
外フラップ50は、幅方向の両端部に一対の差込み片51を有する。これら一対の差込み片51は、包装箱10の組立て状態において一対の内フラップ30の突合わせ部30a(図2参照)を挟んで互いに離間する。一方、内フラップ30は、押込むことにより開口して差込み片51を差込ませる押込み部31を有する。
【0026】
(外フラップ50、内フラップ30の構成)
続いて、外フラップ50および内フラップ30の詳しい構成を図4に基づいて説明する。
【0027】
図4(a)に示すように、外フラップ50は、横罫線11cに連なるフラップ基部52と、このフラップ基部52に差込み用罫線53を介して連なる機能部55とによって構成される。機能部55は、一対の差込み片51と、一対の差込み片51の間に形成され、一方の差込み片51の基端から他方の差込み片51の基端にかけて円弧状に膨らむ補強部56とを有する。また、機能部55は、補強部56を挟む両側で且つ円弧状の縁57の延長線上に係止用切込み58を有する。
【0028】
差込み片51は、横罫線11cと平行な先端縁61と、この先端縁61の幅方向の両端部に設けられる面取り部62と、補強部56側の面取り部62から円弧状の縁57の側端に延びる傾斜部63とを有する。この傾斜部63は、補強部56側の面取り部62から矢印P1で示す差込み方向(以下、「差込み方向P1」と称する)に対して所定の角度θだけ傾斜している。差込み片51では、面取り部62および傾斜部63によって、先端縁61側に行くに従って幅が徐々に小さくなるように形成される。
【0029】
さらに、補強部56において、円弧状の縁57の頂点位置αは、差込み片51の先端位置βよりも、距離Qだけ差込み片51の基端側に設定される。つまり、頂点位置αと先端位置βとは、差込み方向P1において距離Qだけずれている。
【0030】
図4(b)に示すように、押込み部31は、差込み方向P1と直交する方向(以下、「直交方向P2」と称する)に沿って形成される押込み用罫線32と、この押込み用罫線32よりも差込み方向P1の前方側に形成される切込み33とによって構成される。押込み用罫線32は、内フラップ30の横罫線11cから直交方向P2に沿って内フラップ30の先端側に向けて延びる。切込み33によって囲われる折曲げ片35は、押込み用罫線32を基点に折り曲げ可能であり、折れ曲がることで、内フラップ30の裏面側に押込まれる。これにより、押込み部31では、切込み33と同一形状の開口縁36が形成される。
【0031】
切込み33は、押込み用罫線32の一端から差込み方向P1に沿って延びる第1切込み41と、この第1切込み41から差込み方向P1に対して斜めに延びる第2切込み42と、この第2切込み42から差込み方向P1に沿って延びる第3切込み43とを有する。また、切込み33は、第3切込み43から直交方向P2に沿って延びる第4切込み44と、この第4切込み44に連なる円弧状の第5切込み45と、この第5切込み45から直交方向P2に沿って延びる第6切込み46と、この第6切込み46から押込み用罫線32の他端に円弧状に形成される第7切込み47とによって構成される。
【0032】
ここで、第2切込み42は、開口縁36において、本発明にいう「係止部」に相当する部分であり、係止用切込み58に対応した形状に形成され、且つ、差込み片51が押込み部31に差込まれた状態において係止用切込み58に嵌合・係止される。また、第5切込み45は、開口縁36において、本発明にいう「凸状の丸み部」に相当する部分であり、差込み片51が押込み部31に差込まれた状態で、差込み片51の外面を押圧する。さらに、第7切込み47は、開口縁36において、本発明にいう「凹状の丸み部」に相当する部分であり、差込み片51が押込み部31に差込まれて行く過程で、差込み片51を内フラップ30の裏側に案内する。
【0033】
(包装箱10の組立て方法)
次に、包装箱10の組立て方法を図5図9に基づいて説明する。
図5に示すように、この組立て方法では、まず、縦罫線11aに沿って、段ボールシート11(図3参照)を角筒状に形成し、接合部11bを介して最も側端に位置する第1側壁15と第2側壁16を接合する。次に、一対の内フラップ30を横罫線11cに沿って折り曲げ、突合わせる(矢印(1),(2))。そして、一対の外フラップ50のそれぞれを横罫線11cおよび差込み用罫線53に沿って折り曲げながら、各差込み片51を押込み部31に押込むようにして差込む(矢印(3),(4))。
【0034】
ここで、差込み片51を押込み部31に差込む過程を詳細に説明する。
図6(a)に示すように、横罫線11cおよび差込み用罫線53で折り曲げつつ、差込み片51を折曲げ片35に押当てることにより、押込み用罫線32を基点に折曲げ片35を折り曲げながら、差込み片51を押込む(矢印(5))。このとき、差込み片51の先端位置βでは、差込み片51と内フラップ30(折曲げ片35)が接触するが、円弧状の縁57の頂点位置αでは、差込み片51の先端位置βよりも距離Q(図4(a)参照)だけ差込み片51の基端側にずれているため、補強部56が内フラップ30に接触しない。また、第7切込み47によって、差込み片51の面取り部62が内フラップ30の裏側に円滑に案内される。
【0035】
図6(b)に示すように、差込み片51を押込み部31にさらに差込んで行くと(矢印(6))、直線状の第1切込み41と傾斜部63が接触する。このため、押込み部31への差込み片51の差込みが若干きつくなる。そして、図6(c)に示すように、差込み片51を押込み部31に完全に差込んだ段階では、第2切込み42と、開いた係止用切込み58とが嵌合する。すなわち、図7に示すように、外フラップ50の係止用切込み58が第2切込み42にしっかりと係止される。これにより、差込み片51が押込み部31に確実に保持される。また、図8に示すように、開口縁36の第5切込み45によって、差込み片51の外面が局所的に押圧されるので、差込み片51は、高い保持力で押込み部31に保持される。
【0036】
なお、差込み片51の傾斜部63および直線状の第1切込み41は、接触する際、互いに変形しながら接触するが、図6(b)では、傾斜部63および第1切込み41を交差させて模式的に示している。
【0037】
このような差込み片51の差込み作業を一対の外フラップ50のそれぞれについて行うことで、包装箱10の底壁21の組立てが完了する。
【0038】
(実施形態の効果)
以上、説明した包装箱10の効果について述べる。
包装箱10によれば、一対の差込み片51の間に補強部56が形成されるので、この補強部56によって増えた面積分(図9において斜線部で示す)、底壁21の支持強度がより高まる。また、補強部56の幅方向の両端は、一対の差込み片51のそれぞれの基端に連なるため、差込み片51の動きが補強部56によって影響を受ける心配もない。
【0039】
さらに、補強部56の頂点位置αを、差込み片51の先端位置βよりも差込み片51の基端側に設定したので、差込み片51を押込み部31に差込んで行く際、補強部56の頂点位置αが内フラップ30に干渉することを防止できる。
【0040】
仮に、差込み方向P1において補強部56の頂点位置αと差込み片51の先端位置βとを一致させた場合について考える。この場合、図10に示すように、包装箱10Aにおいて、差込み片51の先端位置βが内フラップ30に接触すると、頂点位置αにおいて、補強部56も内フラップ30に干渉してしまう。このため、押込み部31に対し、差込み片51を差込みづらくなる。
【0041】
この点、本実施形態では、補強部56の頂点位置αが内フラップ30に干渉することを防止できるので、押込み部31に対し、差込み片51をより円滑に差込んで行くことができる。したがって、包装箱10の組立て作業性を高めることができる。
【0042】
また、差込み片51が押込み部31に差込まれた状態において、開口縁36の第2切込み42によって、外フラップ50の係止用切込み58が係止されるので、差込み片51が押込み部31から引き抜けることをより確実に防止することができる。これにより、底壁21の支持強度を一層高めることができる。
【0043】
また、差込み片51が押込み部31に差込まれて行く過程において、第7切込み47によって、差込み片51が内フラップ30の裏側に円滑に案内されるため、押込み部31に差込み片51をより容易に差込むことができ、包装箱10の組立て作業性のさらなる向上を図ることができる。
【0044】
さらに、差込み片51が押込み部31に差込まれた状態において、開口縁36の第5切込み45によって、差込み片51の外面が局所的に押圧されるので、差込み片51に対する押込み部31の保持力が高まる。その結果、底壁21のさらなる強度向上を実現することができる。
【0045】
加えて、差込み片51を押込み部31に差込む際、面取り部62によって、差込み片51を押込み部31に容易に差込むことができる。これにより、包装箱10の組立て作業性をより一層高めることができる。
【0046】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0047】
10 包装箱
15 第1側壁
16 第2側壁
21 底壁
30 内フラップ
30a 突合わせ部
31 押込み部
33 切込み
36 開口縁
42 第2切込み(係止部)
45 第5切込み(凸状の丸み部)
47 第7切込み(凹状の丸み部)
50 外フラップ
51 差込み片
56 補強部
57 円弧状の縁
58 係止用切込み
61 先端縁
62 面取り部
P1 差込み方向
α 円弧状の縁の頂点位置
β 差込み片の先端位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10