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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-136940(P2015-136940A)
(43)【公開日】2015年7月30日
(54)【発明の名称】伝導性弾性部材
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/18 20060101AFI20150703BHJP
【FI】
   B32B27/18 J
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-11174(P2015-11174)
(22)【出願日】2015年1月23日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0009210
(32)【優先日】2014年1月24日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2014-0014415
(32)【優先日】2014年2月7日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】511137183
【氏名又は名称】ジョインセット株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】510215684
【氏名又は名称】金 善基
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】李 承 珍
(72)【発明者】
【氏名】李 玄 一
(72)【発明者】
【氏名】金 應 元
(72)【発明者】
【氏名】金 善基
(72)【発明者】
【氏名】鄭 炳 善
【テーマコード(参考)】
4F100
【Fターム(参考)】
4F100AA01A
4F100AB01E
4F100AB10B
4F100AB10D
4F100AB16B
4F100AB16D
4F100AB17B
4F100AB17D
4F100AB25B
4F100AB25D
4F100AN00B
4F100AN00D
4F100AN02B
4F100AN02D
4F100AT00E
4F100BA05
4F100BA06
4F100DC11E
4F100DE01A
4F100DG11E
4F100DJ02C
4F100EH71E
4F100JG01
4F100JG01A
4F100JG01B
4F100JG01D
4F100JG01E
4F100JJ03B
4F100JJ03C
4F100JJ03D
(57)【要約】      (修正有)
【課題】滑らかな表面を具備して真空ピックアップが容易な伝導性弾性部材の提供。
【解決手段】シート状のオープンセル構造のポリマー発泡体140と、ポリマー発泡体140の上面と下面及び気孔142の内面に伝導性粒子が混合された液状の弾性ゴムが硬化により接着されて形成された伝導性弾性ゴムコーティング層150と、ポリマー発泡体140の上面に形成された伝導性弾性ゴムコーティング層150の上面に伝導性粒子が混合された液状のポリマーががポリマーの硬化によって接着されて形成された伝導性ポリマーカバー層110と、ポリマー発泡体の下面に形成された伝導性弾性ゴムコーティング層154の下面に弾性ゴムの硬化によって接着された伝導性基材130と、を含み、ポリマー発泡体140の上面と下面及び気孔142の内面に形成された伝導性弾性ゴムコーティング層を介して伝導性ポリマーカバー層と伝導性基材が電気的又は熱的に連結される弾性部材。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱伝導性又は電気伝導性のうち少なくともいずれか一つの伝導性を有する伝導性弾性部材において、
上面と下面にスキン層がなく上下に多数の気孔が連結されたシート状のオープンセル構造の弾性を有するポリマー発泡体と、
前記ポリマー発泡体の上面と下面及び前記気孔の内面に伝導性粒子が混合された液状の弾性ゴムが硬化によって接着されて形成された伝導性弾性ゴムコーティング層と、
前記ポリマー発泡体の上面に形成された伝導性弾性ゴムコーティング層の上面に伝導性粒子が混合された液状の弾性を有するポリマーが前記ポリマーの硬化によって接着されて形成された伝導性ポリマーカバー層と、
前記ポリマー発泡体の下面に形成された伝導性弾性ゴムコーティング層の下面に前記液状の弾性ゴムの硬化によって接着された伝導性基材と、を含み、
前記ポリマー発泡体の上面と下面及び気孔の内面に形成された伝導性弾性ゴムコーティング層を介して前記伝導性ポリマーカバー層と前記伝導性基材が電気的又は熱的に連結されることを特徴とする伝導性弾性部材。
【請求項2】
前記ポリマー発泡体はポリウレタンゴム、ネオプレンゴム又はシリコーンゴムを含むことを特徴とする請求項1に記載の伝導性弾性部材。
【請求項3】
前記伝導性弾性ゴムコーティング層の弾性ゴムはウレタンゴム又はシリコーンゴムであり、前記伝導性粒子は銅、ニッケル、銀、伝導性カーボン、伝導性グラファイト、アルミナ又はボロンのうち少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする請求項1に記載の伝導性弾性部材。
【請求項4】
前記伝導性弾性ゴムコーティング層の耐熱温度は前記ポリマー発泡体の耐熱温度と同じであるかそれより高いことを特徴とする請求項1に記載の伝導性弾性部材。
【請求項5】
前記伝導性基材は金属箔又は外面に金属がめっきされた伝導性布や伝導性メッシュであることを特徴とする請求項1に記載の伝導性弾性部材。
【請求項6】
前記伝導性基材の下面に伝導性粘着剤層が追加に形成されることを特徴とする請求項1に記載の伝導性弾性部材。
【請求項7】
前記伝導性基材は伝導性粘着テープであることを特徴とする請求項1に記載の伝導性弾性部材。
【請求項8】
前記伝導性基材ははんだ付けか可能な金属箔であり、前記ポリマー発泡体は前記伝導性弾性ゴムコーティング層によってリフローはんだ付けの温度条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の伝導性弾性部材。
【請求項9】
前記伝導性弾性部材はリールテープに包装されて真空ピックアップによってリフローはんだ付けが可能であることを特徴とする請求項8に記載の伝導性弾性部材。
【請求項10】
前記伝導性弾性部材の最大の押し率は最初の高さの80%以内であり、押す力を除去すれば前記最初の高さと類似した高さに復元されることを特徴とする請求項1に記載の伝導性弾性部材。
【請求項11】
前記ポリマー発泡体の下面に形成された伝導性弾性ゴムコーティング層はスキン層(skin lyaer)を形成することを特徴とする請求項1に記載の伝導性弾性部材。
【請求項12】
前記伝導性ポリマーカバー層はスキン層を形成することを特徴とする請求項1に記載の伝導性弾性部材。
【請求項13】
前記伝導性弾性ゴムコーティング層が形成されたポリマー発泡体の側面は前記ポリマー発泡体によってオープンセル構造を有することを特徴とする請求項1に記載の伝導性弾性部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は伝導性弾性部材に関するものであり、特に滑らかな表面を具備するため真空ピックアップが容易で伝導性を向上させ接着力が強い弾性を有するカバー層を具備した伝導性弾性部材に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器と情報通信機器に使用する高周波用電子部品又はモジュールから発生した電磁波を外部に送らないか、外部で発生した電磁波から内部の高周波用部品又はモジュールを保護するために押す力が少なくかかり復元力と弾性がよく電気伝導性が優秀な電磁波遮蔽用ガスケット又は電気伝導性粘着テープが使用される。
【0003】
これらの電気伝導性ガスケットや電気伝導性粘着テープは電気伝導性がよく電気抵抗が低いほど好ましく、また繰り返し印加される力によく復元されるように弾性がよいべきである。
【0004】
このような電気伝導性を製造する従来技術として、本出願人によって出願されて公開された特許文献1によると、上面と下面にスキン層がなく上下に多数の気孔が連結されたオープンセル構造のポリマー発泡体と、前記ポリマー発泡体の上面と下面、前記気孔に伝導性パウダが混合された液状の伝導性ポリマーが硬化によって接着形成されて互いに連結された伝導性ポリマー弾性コーティング層と、前記ポリマー発泡体の上面又は下面のうちいずれか一面に前記硬化によって前記伝導性ポリマー弾性コーティング層に接着されたはんだ付け可能な金属箔と、上面又は下面のうち他の一面に前記硬化によって前記伝導性ポリマー弾性コーティング層に接着された伝導性弾性部材と、を含み、前記非発泡伝導性ポリマー弾性コーティング層に関係なく内部に位置した前記ポリマー発泡体のオープンセル構造によって前記伝導性ポリマー発泡弾性体はオープンセル構造を有し、前記伝導性ポリマー発泡弾性体を上下方向に加圧する際、前記気孔の容積率が減少して前記気孔間の接触増加によって前記伝導性ポリマー発泡弾性体の伝導性が増加することを特徴とする伝導性ポリマー発泡弾性体が開示される。
【0005】
しかし、このような従来技術によると、ポリマーの上面に接着される金属箔や伝導性弾性部材が非発泡伝導性ポリマー弾性コーティング層の硬化によって接着されるため、非発泡伝導性ポリマー弾性コーティング層に沿って金属箔や伝導性弾性部材の表面が屈曲するか表面が粗くなって真空ピックアップが難しい問題点がある。
【0006】
また、ポリマー発泡体の上面に形成される非発泡伝導性ポリマー弾性コーティング層の厚さが薄ければ十分は接着力を得ることができず、接着された金属箔や伝導性弾性部材と信頼性のある接着を提供することが難しい短所がある。
【0007】
また、重力によってポリマー発泡体の上面に形成される非発泡伝導性ポリマー弾性コーティング層の厚さを厚く提供することが難しいため、結果的に上面の表面はオープンセル構造を有するポリマー発泡体のようにオープンセル構造のように気孔が形成されて摩擦の際に金属パウダーが剥離しやすく、また電気伝導度が悪い短所がある。
【0008】
前記では電気伝導性を有する弾性体を例に挙げて説明したが、熱をよく伝達する熱伝導性弾性体の場合にも前記のような方法などで製造可能であるため、前記と類似した短所を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】大韓民国特許公開第2013−0106749号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
よって、本発明の目的は滑らかな表面を具備して真空ピックアップが容易な伝導性弾性部材を提供することである。
【0011】
本発明の目的は、表面を摩擦する際に伝導性パウダーが少なく離脱する伝導性弾性部材を提供することである。
【0012】
本発明の他の目的は、ポリマー発泡体の上面に堅く接着されるカバー層を具備した伝導性弾性部材を提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、表面方向の電動度がよい伝導性弾性部材を提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、真空ピックアップによる表面実装とはんだクリームによるリフローはんだ付けが可能な伝導性弾性部材を提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は、使用が便利な弾性を有する伝導性粘着テープを含む伝導性弾性部材を提供することである。
【0016】
本発明の他の目的は、製造が容易で信頼性のある伝導性弾性部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記目的は、熱伝導性又は電気伝導性のうち少なくともいずれか一つの伝導性を有し、上面と下面にスキン層がなく上下に多数の気孔が連結されたシート状のオープンセル構造の弾性を有するポリマー発泡体と、前記ポリマー発泡体の上面と下面及び前記気孔の内面に伝導性粒子が混合された液状の弾性ゴムが硬化によって接着されて形成された伝導性弾性ゴムコーティング層と、前記ポリマー発泡体の上面に形成された伝導性弾性ゴムコーティング層の上面に伝導性粒子が混合された液状の弾性を有するポリマーが前記ポリマーの硬化によって接着されて形成された伝導性ポリマーカバー層と、前記ポリマー発泡体の下面に形成された伝導性弾性ゴムコーティング層の下面に前記弾性ゴムの硬化によって接着された伝導性基材と、を含み、前記ポリマー発泡体の上面と下面及び気孔の内面に形成された伝導性弾性ゴムコーティング層を介して前記伝導性ポリマーカバー層と前記伝導性基材が電気的又は熱的に連結されることを特徴とする伝導性弾性部材と、によって達成される。
【0018】
好ましくは、前記ポリマー発泡体はポリウレタンゴム、ネオプレンゴム又はシリコーンゴムを含む。
【0019】
好ましくは、前記伝導性弾性ゴムコーティング層の弾性ゴムはウレタンゴム又はシリコーンゴムであり、前記伝導性粒子は銅、ニッケル、銀、伝導性カーボン、伝導性グラファイト、アルミナ又はボロンのうち少なくともいずれか一つを含む。
【0020】
好ましくは、前記伝導性弾性ゴムコーティング層の耐熱温度は前記ポリマー発泡体の耐熱温度と同じであるかそれより高い。
【0021】
好ましくは、前記伝導性基材は金属箔又は外面に金属がめっきされた伝導性布や伝導性メッシュである。
【0022】
好ましくは、前記伝導性基材の下面に伝導性粘着剤層が追加に形成されてもよく、前記伝導性粘着剤層の露出面に離型シートが追加に付着されてもよい。
【0023】
好ましくは、前記伝導性基材は伝導性粘着テープである。好ましくは、前記伝導性基材ははんだ付けか可能な金属箔であり、前記ポリマー発泡体は前記伝導性弾性ゴムコーティング層によってリフローはんだ付けの温度条件を満足する。
【0024】
好ましくは、前記伝導性弾性部材はリールテープに包装されて真空ピックアップによってリフローはんだ付けが可能である。
【0025】
好ましくは、前記伝導性弾性部材の最大の押し率は最初の高さの80%以内であり、押す力を除去すれば前記最初の高さと類似した高さに復元される。
【0026】
好ましくは、前記ポリマー発泡体の下面に形成された伝導性弾性ゴムコーティング層はスキン層(skin layer)を形成し、より好ましくは、前記伝導性ポリマーカバー層はスキン層を形成する。
【0027】
好ましくは、前記伝導性弾性ゴムコーティング層が形成されたポリマー発泡体の側面は前記ポリマー発泡体によってオープンセル構造を有する。
【発明の効果】
【0028】
前記構造によると、液状の伝導性シリコーンゴムを保護フィルムの上に一定厚さで塗布した状態でポリマー発泡体の上面に形成された伝導性弾性ゴムコーティング層が液状の伝導性シリコーンゴムに接触するように積層した後、上から加圧して付着し、液状のシリコーンゴムを硬化して伝導性ポリマーカバー層を形成して硬化によって接着されるため、支持された保護フィルムによって伝導性ポリマーカバー層の表面が滑らかになって真空ピックアップが容易になる利点がある。即ち、一定厚さを有し上面が平面である伝導性ポリマーカバー層を提供するため、全体的に伝導性弾性部材の表面はスキン層が形成された滑らかな表面を有する。
【0029】
このように、伝導性ポリマーカバー層によって滑らかで優麗な概観を具備し真空ピックアップが容易で表面がポリマー発泡体のオープンセル構造を有する気孔が形成されないため、摩擦の際に伝導性弾性ゴムコーティング層に分散された伝導性粒子の離脱を容易に防止することができる。
【0030】
また、伝導性ポリマーカバー層を構成する液状の伝導性シリコーンゴムの硬化を利用して接着するため、十分な量の液状の伝導性シリコーンゴムを一定な厚さを有するように形成することで伝導性ポリマーカバー層がポリマー発泡体の上に堅く接着され、ポリマー発泡体の上面に形成される伝導性弾性ゴムコーティング層の厚さや容積について全く考慮する必要がない。
【0031】
また、伝導性ポリマーカバー層を具備することで水平電動度が大きく増加する利点がある。即ち、伝導性ポリマーカバー層の電気伝導度と熱伝導度が伝導性弾性ゴムコーティング層全体の電気伝導度と熱伝導度よりよく、例えば伝導性弾性部材が電気伝導性素材として使用される場合、上下方向の電気伝導度より上面の水平方向の電気伝導度がよいため対向する対象物と電気接触抵抗が低くなり電磁波遮蔽効果がよい利点がある。
【0032】
また、オープンセル構造に形成された気孔の内面と上下に形成された伝導性弾性ゴムのコーティング層によって外部から力を加えて押す際に伝導性が増加する。
【0033】
また、耐熱温度が高く表面が水平で裏面に金属箔が形成されるため、真空ピックアップによる表面実装とはんだ付けクリームによる離フリーはんだ付けが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の一実施例による伝導性弾性部材を示す図である。
図2図1の伝導性弾性部材の一部を切断した断面図である。
図3】伝導性弾性部材の側面を示す写真である。
図4】本発明の他の実施例による伝導性弾性部材を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。以下の説明において、「伝導性(conductive)」は熱伝導性又は電気伝導性であるか両者を具備すると解析する。
【0036】
図1は本発明の一実施例による伝導性弾性部材を示す図であり、図2は伝導性弾性部材の一部を切断した断面図である。
【0037】
伝導性弾性部材100は、内部に多数の気孔142が形成されたオープンセル(open cell)構造のポリマー発泡体140、ポリマー発泡体140の上面と下面、そして気孔142の内面に伝導性粒子が普く混合された液状の伝導性ポリマーが硬化によって接着形成されて電気的又は熱的に互いに連結された伝導性弾性ゴムコーティング層150、ポリマー発泡体140の上面に形成された伝導性弾性ゴムコーティング層152の上面に伝導性粒子が混合された液状のポリマーがポリマーの硬化によって接着されて形成された伝導性ポリマーカバー層110及びポリマー発泡体140の下面に形成された伝導性弾性ゴムコーティング層154の下面に弾性ゴムの硬化によって接着された伝導性基材130を含む。
【0038】
このような構造によると、ポリマー発泡体140の上面及び下面と気孔の内面にそれぞれ形成された伝導性弾性ゴムコーティング層152,153,154を介して伝導性ポリマーカバー層110と伝導性基材130が電気的又は熱的に連結される。
【0039】
気孔142は公知のように化学発泡剤などによって形成されるが、洞窟状に形成されてオープンセル構造では水平や垂直方向に互いに連通されて上面と下面に開放される。オープンセル構造を有するポリマー発泡体140は、開かれた気孔142によって通常押す力が少なくかかり弾性及び弾性復元力がよい。
【0040】
上述したように、伝導性は熱伝導性又は電気伝導性のうちいずれか一つであるか又は両者を全て含む。言い換えると、伝導性弾性ゴムコーティング層150に熱伝導性又は電気伝導性粒子のうちいずれか一つが含まれるか両者が全て含まれる。
【0041】
伝導性弾性ゴムコーティング層150に混合される伝導性粒子が電気伝導性粒子であれば上下電気抵抗が10オーム(Ω)以下で低いほどよいが、本発明はそれに限らずに静電気を容易に除去するためにポリマー発泡体140の電気抵抗より低くてもよい。また、伝導性粒子が熱伝導性粒子であれば熱伝導率が0.8W/m.k以上で大きいほどよいが、それに限らずにポリマー発泡体140の熱伝導性よりよくてもよい。
【0042】
本発明によると、伝導性弾性部材100は2mm以下の厚さを有し、例えば最大押し率は最初の高さ(押されていない正常状態の高さ)の80%以内が好ましいがそれに限らず、押す力を除去すると最初の高さと類似した高さに復元される。
【0043】
ポリマー発泡体140はオープンセル構造に製造するのに容易な材料を使用して製造されるが、好ましくはポリマー発泡体140を構成する材料の耐熱温度は伝導性弾性ゴムコーティング層150を構成する材料の耐熱温度と同じであるかそれより低くてもよく、例えばポリウレタンゴム、ネオプレンゴム又はシリコーンゴムであってもよい。
【0044】
ポリマー発泡体140は上下面にスキン層が形成されずに上下に気孔142が連続に形成されたオープンセル構造であり、厚さが均一で薄いシート状であって、例えばポリマー発泡体140の厚さは1.5mm以下であってもよいがそれに限らない。
【0045】
ポリマー発泡体140の上面には別途の伝導性ポリマーカバー層が接着されてもよいが、それについては後述する。
【0046】
このように、オープンセル構造に製造が容易なポリマー発泡体140が内部コア(core)として提供されるため、全体的に伝導性弾性部材100は押す力が少なく復元力及び弾性が優秀で製造が容易で生産性がよい。
【0047】
伝導性弾性ゴムコーティング層150は銅、ニッケル、銀、伝導性カーボン又は伝導性グラファイトのうち少なくともいずれか一つの電気伝導性粒子が普く混合された液状の電気伝導性弾性ゴム又はアルミナ又はボロンのうち少なくともいずれか一つのセラミック熱伝導性粒子が普く混合された液状の熱伝導性弾性ゴムが硬化によって形成されるが、液状の弾性ゴムとしてはウレタンゴム又はシリコーンゴムなどが使用される。ここで、電気伝導性粒子と熱伝導性粒子が同時に混合可能であることはもちろんである。
【0048】
電気伝導性又は熱伝導性弾性ゴムは熱硬化性であってもよいがそれに限らず、液状の電気伝導性又は熱伝導性弾性ゴムは硬化しながらポリマー発泡体140又は伝導性基材130と硬化によって磁気接着された伝導性弾性ゴムコーティング層150を形成する。即ち、伝導性弾性ゴムコーティング層150はそれに対応する液状の伝導性弾性ゴム接着剤が硬化によって発泡体140及び伝導性基材130と接着されて形成される。
【0049】
好ましくは、伝導性弾性ゴムコーティング層150は弾性と機械的強度がよいように非発泡弾性ゴムコーティング層であってもよい。
【0050】
ポリマー発泡体140と伝導性弾性ゴムコーティング層150は同じ材料で構成されるか他の材料で構成されてもよいが、他の材料で構成される場合には伝導性弾性ゴムコーティング層150の耐熱温度は発泡体140の耐熱温度と同じであるかそれより高いため全体的に伝導性弾性部材100の耐熱温度が高い。例えば、ポリマー発泡体140のポリマーは耐熱性が低いポリウレタンゴムであり、伝導性弾性ゴムコーティング層150の弾性ゴムは耐熱性が高く弾性がよいシリコーンゴムであってもよい。
【0051】
このような構造によると、高温のリフローはんだ付け条件や高温で使用する際に比較的耐熱温度が低いポリマー発泡体140を伝導性弾性ゴムコーティング層150が保護することができる。
【0052】
よって、ポリマー発泡体140だけではリフローはんだ付け条件を満足することができないが、ポリマー発泡体140の上に伝導性弾性ゴムコーティング層150が接着されて一体に形成される場合、伝導性弾性ゴムコーティング層150によってリフローはんだ付け条件を満足することができる。
【0053】
また、このような構造によると、価格が比較的安価でありながらも製造が容易で上下にスキン層が形成されないオープンセル構造のポリマー発泡体140材料を使用して耐熱温度を上げることができるため、全体的に適切な品質を適切な価格で提供することができる利点がある。
【0054】
更に、伝導性弾性ゴムコーティング層150に関係なく価格が比較的安価でありながらも製造が容易なポリマー発泡体140のオープンセル構造を利用して伝導性弾性部材100自体がオープンセル構造を有するようにしてもよい。
【0055】
また、ポリマー発泡体140のオープンセル構造によって外部から液状の伝導性弾性ゴムを発泡体140の上下面と気孔内部に提供することが容易である。
【0056】
また、ポリマー発泡体140のオープンセル構造によって伝導性弾性部材100を上下方向に加圧する際に伝導性弾性部材100の上下方向の伝導性が増加する。これは、加圧によってポリマー発泡体140の厚さが減少する場合、気孔142から空気が画部に排出されて気孔152が占める容積率が減少し、それによって気孔142の内面の接触が増加するか伝導性粒子の密度が増加することで気孔142の内面に形成された伝導性弾性ゴムコーティング層153の伝導性が増加するためである。
【0057】
ここで、気孔142の内面に形成された伝導性弾性ゴムコーティング層153の厚さは理想的に均一に形成されることが好ましいが、そのためにはナノ(nano)サイズの伝導性粒子が使用されるべきであるためナノサイズの粒子のみ液状の弾性ゴム接着剤に混ずる場合には電気的及び熱的性能が不均一であるか減少する恐れがある。よって、ナノとミクロン(micron)サイズの多様な形状と大きさの伝導性粒子が使用されて伝導性粒子が伝導性弾性ゴムコーティング層153から突出されるなどで伝導性弾性ゴムコーティング層153の厚さが不均一であっても伝導性弾性ゴムコーティング層153の電気的又は熱的伝導性がよいことが好ましい。
【0058】
伝導性粒子の大きさは特に限定されないが気孔142を塞ぐ程度の大きさは好ましくなく、それより小さい方が好ましい。
【0059】
ポリマー発泡体140の下面に形成された伝導性弾性ゴムコーティング層154は伝導性基材130によってスキン層を形成し、伝導性弾性ゴムコーティング層154を形成する液状の弾性ゴムが自重によって流れて伝導性粒子の密度が増加するため、ポリマー発泡体140の上面に形成された伝導性弾性ゴムコーティング層152より熱伝導性と電気伝導性がよい。
【0060】
結果的に、ポリマー発泡体140の上面と下面はそれぞれ伝導性ポリマーカバー層110と伝導性弾性ゴムコーティング層154によってスキン層を形成し、ポリマー発泡体140の側面がオープンセル構造を有する。
【0061】
伝導性ポリマーカバー層110は、例えば液状のシリコーンゴムに伝導性粒子を普く分散して構成し、0.01mm程度の薄い厚さで形成する。
【0062】
伝導性ポリマーカバー層110は伝導性ポリマーカバー層110を構成する液状のシリコーンゴムの硬化によって伝導性弾性ゴムコーティング層152に接着される。
【0063】
このような構造によると、液状のシリコーンゴムを保護フィルムの上に塗布した状態でポリマー発泡体140の上面に形成された伝導性弾性ゴムコーティング層152が液状のシリコーンゴムに接触するように積層した後、上から加圧して付着し、液状のシリコーンゴムを硬化して伝導性ポリマーカバー層110を形成するため、下に支持された保護フィルムによって伝導性ポリマーカバー層110の表面が滑らかになって真空ピックアップが容易になる利点がある。
【0064】
このように、伝導性ポリマーカバー層110によって滑らかで優麗な概観を具備し、真空ピックアップが容易で伝導性弾性ゴムコーティング層152に分散された伝導性粒子の離脱を防止することができる。
【0065】
また、伝導性ポリマーカバー層110を構成する液状のシリコーンゴムの硬化を利用して接着するため、十分な量の液状の伝導性シリコーンゴムを塗布することで伝導性ポリマーカバー層110がポリマー発泡体140の上に堅く接着され、ポリマー発泡体140の上面に形成される伝導性弾性ゴムコーティング層152の厚さや容積について全く考慮する必要がない。
【0066】
また、伝導性ポリマーカバー層110を具備することで水平電動度が大きく増加する利点がある。即ち、伝導性ポリマーカバー層110の電気伝導度と熱伝導度が伝導性弾性ゴムコーティング層150全体の電気伝導度と熱伝導度よりよく、例えば伝導性弾性部材100が放熱素材として使用される場合、熱ソースより大きいサイズで設置されると水平方向を介した熱伝導が放熱の主な要因として作用する。
【0067】
伝導性基材130としては外面に金属箔がめっきされた伝導性布や伝導性メッシュ(mesh)、銅箔やアルミニウム箔を含む金属箔が使用される。錫がめっきされた銅箔を使用すればはんだ付けが容易で、伝導性布やメッシュを使用すれば柔軟性がある長所がある。但し、伝導性弾性部材110が熱伝導性であれば伝導性布やメッシュの用途は熱伝導性を考慮して極めて制限されて使用される。
【0068】
この実施例の伝導性弾性部材100をはんだ付け可能な電気接触端子や電気伝導性ガスケット又は熱接触端子として使用する場合、伝導性基材130としてははんだ付け可能な金属箔が使用される。この場合、伝導性弾性部材100はリールテープに包装されて真空ピックアップによってリフローはんだ付けが可能である。
【0069】
伝導性弾性部材100がはんだ付け可能な電気接触端子や電気伝導性ガスケット又は熱接触端子として使用されるのか否かに関係なく、伝導性基材130を具備することで水平伝導度が大きく増加する利点がある。即ち、伝導性基材130全体の電気伝導度と熱伝導度は伝導性弾性ゴムコーティング層150の全体の電気伝導度と熱伝導度よりよい。
【0070】
図3は伝導性弾性部材の側面を示す写真であり、伝導性基材の上のオープンセル構造を有するシート状のウレタンゴム発泡体の上面と下面及び気孔の一部に伝導性シリコーンゴムコーティング層が硬化によって接着されて形成された実際の製品を30倍拡大した伝導性弾性部材の側面図である。
【0071】
図4は、本発明の他の実施例による伝導性弾性部材200を示す図である。
【0072】
伝導性機材130の下面には伝導性粘着剤層120が更に積層されて伝導性基材130が伝導性粘着テープを構成する。
【0073】
この場合、伝導性粘着剤120の下面には離型シート160が粘着されるが、離型シート160としては伝導性粘着剤層120と接着力が弱い離型紙や離型フィルムが使用される。
【0074】
伝導性粘着剤層120はアクリルやウレタンのように自己粘着性を有するポリマー接着剤に銅、ニッケル又はカーボン粒子が混合されて構成される。好ましくは、伝導性粘着剤層120は自己粘着力(Pressure Sensitive Adhesive)を有する。
【0075】
伝導性弾性部材200は図1の伝導性弾性部材100の伝導性基材130の下面に伝導性粘着剤120を介在して離型シート160を付着して製造するか、離型シート160が付着された伝導性粘着剤層120が既に形成されている伝導性部材130を使用して製造してもよい。
【0076】
前記では本発明の実施例を中心に説明したが、当業者の水準で多様な変更を加えることができることはもちろんである。よって、本発明の権利範囲は上述した実施例に限って解析されず、以下に記載される特許請求の範囲によって解析されるべきである。
図1
図2
図4
図3