特開2015-137844(P2015-137844A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-137844(P2015-137844A)
(43)【公開日】2015年7月30日
(54)【発明の名称】プレート式熱交換器
(51)【国際特許分類】
   F28F 3/00 20060101AFI20150703BHJP
   F28D 9/02 20060101ALI20150703BHJP
   F28F 3/08 20060101ALI20150703BHJP
【FI】
   F28F3/00 311
   F28D9/02
   F28F3/08 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-11845(P2014-11845)
(22)【出願日】2014年1月24日
(71)【出願人】
【識別番号】000152480
【氏名又は名称】株式会社日阪製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100114432
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 寛昭
(72)【発明者】
【氏名】田中 信雄
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA37
3L103BB42
3L103BB43
3L103CC02
3L103CC28
3L103CC30
3L103DD52
(57)【要約】
【課題】第一流入路によって伝熱プレートの積層方向における本体部の中間領域に第一流体を流入させても熱交換の効率が低下し難いプレート式熱交換器を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明では、複数の伝熱プレート2,…が、第一空間61と第二空間62とを伝熱プレート2の積層方向において交互に画定し、本体部3は、積層方向における本体部3の中間領域にある第一又は第二空間61,62のいずれか一方の少なくとも一つを区画する区画部7と、区画部7によって区画された分岐基準空間S1と積層方向における分岐基準空間S1よりも一端側及び他端側にある少なくとも一つの第一空間61とを連通させる少なくとも一対の一次分岐路37A,37Aとを有し、第一流入路33は、分岐基準空間S1のみに連通し、第一流出路34は、第一流体Aの流路の終端となる第一空間61のみに連通することを特徴とする。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層された複数の伝熱プレートを有する本体部を備え、本体部が、第一流体の流れる第一流路と、第二流体の流れる第二流路と、第一流路に第一流体を流入させる第一流入路と、第一流路から第一流体を流出させる第一流出路と、第二流路に第二流体を流入させる第二流入路と、第二流路から第二流体を流出させる第二流出路と、を有するプレート式熱交換器であって、
複数の伝熱プレートは、第一流路となる第一空間と、第一流路及び第二流路のうちの少なくとも第二流路となる第二空間とを伝熱プレートの積層方向において交互に画定し、
本体部は、
伝熱プレート間に画定される空間を区画する区画部であって、前記積層方向における前記本体部の中間領域にある第一空間又は第二空間のいずれか一方の少なくとも一つを区画する区画部と、
区画部によって区画された空間である分岐基準空間と前記積層方向における分岐基準空間よりも一端側及び他端側のそれぞれにある少なくとも一つの第一空間とを連通させる少なくとも一対の一次分岐路と、を有し、
第一空間は、互いに連通することによって、第一流入路から分岐基準空間を経て第一流出路に至る第一流体の流路を形成し、
第一流入路は、分岐基準空間のみに連通し、
第一流出路は、第一流体の流路の終端となる第一空間のみに連通することを特徴とするプレート式熱交換器。
【請求項2】
前記区画部は、伝熱プレート間に画定される空間を分岐基準空間を含む二つの空間に区画し、
前記二つの空間のうちの分岐基準空間でない他方の空間は、前記第一流体の流路、又は第二流入路から第二流出路に至る第二流体の流路の一部を構成する、請求項1に記載のプレート式熱交換器。
【請求項3】
前記分岐基準空間は、前記他方の空間より小さい、請求項2に記載のプレート式熱交換器。
【請求項4】
前記区画部は、第一空間に設けられ、
前記他方の空間は、第一流体の流路の一部を構成する、請求項2又は3に記載のプレート式熱交換器。
【請求項5】
前記区画部は、第二空間に設けられ、
前記他方の空間は、第二流体の流路の一部を構成する、請求項2又は3に記載のプレート式熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸発器や凝縮器として用いられるプレート式熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プレート式熱交換器は、第一流体と第二流体との熱交換によって第一流体を蒸発させる蒸発器、及び第一流体と第二流体との熱交換によって第一流体を凝縮させる凝縮器に用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一般的に、プレート式熱交換器は、図14に示すように、複数の伝熱プレート102,…を含む本体部103を備える。本体部103は、第一流体Aを流通させる第一流路130と、第二流体Bを流通させる第二流路131と、第一流路130に第一流体Aを流入させる第一流入路132と、第一流路130から第一流体Aを流出させる第一流出路133と、第二流路131に第二流体Bを流入させる第二流入路134と、第二流路131から第二流体Bを流出させる第二流出路135と、を有する。
【0004】
より具体的に説明する。複数の伝熱プレート102,…は、少なくとも四つの開口(採番しない)をそれぞれ有する。そして、本体部103において、複数の伝熱プレート102,…が積層されている。これにより、第一流路130を形成する第一空間と、第二流路131を形成する第二空間とが、伝熱プレート102の積層方向において交互に画定される。即ち、第一流体Aを流通させる第一流路130と、第二流体Bを流通させる第二流路131とが、伝熱プレート102,…を境にして交互に形成される。
【0005】
また、複数の伝熱プレート102,…が積層されることで、伝熱プレート102に形成された各開口は、複数の伝熱プレート102,…の積層方向に連なる。これにより、第一流路130に第一流体Aを流入させる第一流入路132と、第一流路130から第一流体Aを流出させる第一流出路133と、第二流路131に第二流体Bを流入させる第二流入路134と、第二流路131から第二流体Bを流出させる第二流出路135とが、伝熱プレート102,…を貫通し、前記積層方向に延びて形成される(例えば、特許文献1参照)。そして、プレート式熱交換器101では、第一流入路132に供給された第一流体Aが第一流路130を通って第一流出路133に流出する。また、第二流入路134に供給された第二流体Bが第二流路131を通って第二流出路135に流出する。このとき、プレート式熱交換器101では、第一流体Aが第一流路130を流通すると共に、第二流体Bが第二流路131を流通する。これにより、プレート式熱交換器101は、第一流路130と第二流路131とを仕切る伝熱プレート102の伝熱面を介して第一流体Aと第二流体Bとを熱交換させる。
【0006】
近年、熱交換の効率の向上や流路における圧力損失の低減等を目的として、プレート式熱交換器101において種々の流路配置が検討されている。例えば、第一流入路によって伝熱プレート102の積層方向における本体部103の中間領域にある第一空間に第一流体を流入させ、この第一空間から第一流体Aを前記積層方向における一方側第一空間と他方側の第一空間とに振り分ける(分岐させる)流路配置が考えられる。
【0007】
この場合、例えば、図15に示すプレート式熱交換器101Aのように、分岐基準空間136に流入してすぐに分岐路137によって第一流体Aの流路を分岐させる流路配置とすると、分岐基準空間136における第一流入路132が連通する位置と反対の端部側(図15における破線で示す範囲)に気化した第一流体(ガス)が溜まる。このように、ガスの溜まった空間(領域)では、第一流体Aと第二流体Bとの熱交換がほとんど行われないため、プレート式熱交換器101Aにおける熱交換の効率が低下する。
【0008】
一方、図16に示すプレート式熱交換器101Bのように、分岐基準空間136における第一流入路132が連通する位置と反対の端部に分岐路137を連通させると、上述のようなガス溜りを防ぐことができる。しかし、第一流入路132を通じて分岐基準空間136に流入してから分岐路137に至るまでの第一流体Aの流路の長さ(流路長)が大きくなるため、第一流体Aの流路の下流端(第一流出路133側の端部)における第一流体Aの流速を確保するためには、第一流体Aの流路の上流側(第一流入路132側)の圧力をより高くしなければならない。このように第一流体Aの圧力を高くすると、第一流体Aの蒸発温度が上昇するため、例えば、プレート式熱交換器101Bが蒸発器として用いられる場合には、第一流体Aが蒸発し難くなる。即ち、プレート式熱交換器101Bにおける熱交換の効率が低下する。
【0009】
尚、図15及び図16では、説明の便宜上、第一流体Aの流路のみを示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平11−287572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、第一流入路によって伝熱プレートの積層方向における本体部の中間領域に第一流体を流入させても熱交換の効率が低下し難いプレート式熱交換器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るプレート式熱交換器は、積層された複数の伝熱プレートを有する本体部を備え、本体部が、第一流体の流れる第一流路と、第二流体の流れる第二流路と、第一流路に第一流体を流入させる第一流入路と、第一流路から第一流体を流出させる第一流出路と、第二流路に第二流体を流入させる第二流入路と、第二流路から第二流体を流出させる第二流出路と、を有するプレート式熱交換器であって、複数の伝熱プレートは、第一流路となる第一空間と、第一流路及び第二流路のうちの少なくとも第二流路となる第二空間とを伝熱プレートの積層方向において交互に画定し、本体部は、伝熱プレート間に画定される空間を区画する区画部であって、前記積層方向における前記本体部の中間領域にある第一空間又は第二空間のいずれか一方の少なくとも一つを区画する区画部と、区画部によって区画された空間である分岐基準空間と前記積層方向における分岐基準空間よりも一端側及び他端側のそれぞれにある少なくとも一つの第一空間とを連通させる少なくとも一対の一次分岐路と、を有し、第一空間は、互いに連通することによって、第一流入路から分岐基準空間を経て第一流出路に至る第一流体の流路を形成し、第一流入路は、分岐基準空間のみに連通し、第一流出路は、第一流体の流路の終端となる第一空間のみに連通することを特徴とする。
【0013】
このように、区画部によって第一空間又は第二空間を区画し、第一流入路から第一流体が流入して該第一流体を各分岐路に振り分ける空間(分岐基準空間)を第一空間全体又は第二空間全体よりも小さな空間とすることで、分岐基準空間にガス(気化した第一流体)が溜まるのを抑えると共に、第一流入路から分岐路まで第一流体が流れる距離を短くすることができる。これにより、第一流入路によって伝熱プレートの積層方向における本体部の中間領域に第一流体を流入させても、プレート式熱交換器における熱交換の効率が低下し難くなる。
【0014】
前記区画部は、伝熱プレート間に画定される空間を分岐基準空間を含む二つの空間に区画し、前記二つの空間のうちの分岐基準空間でない他方の空間は、前記第一流体の流路、又は第二流入路から第二流出路に至る第二流体の流路の一部を構成することが好ましい。
【0015】
かかる構成によれば、前記他方の空間を第一流体又は第二流体の流路の一部とすることによって、区画部が設けられた第一空間又は第二空間において、第一流体の流路の分岐に用いる空間(分岐基準空間)以外の空間(前記他方の空間)を有効に利用でき、その結果、装置の小型化を図ることが可能となる。
【0016】
この場合、前記分岐基準空間は、前記他方の空間より小さいことがより好ましい。
【0017】
かかる構成によれば、分岐基準空間大きさが十分に抑えられ、これにより、分岐基準空間にガス(気化した第一流体)が溜まるのをより効果的に防ぐと共に、第一流入路から分岐路までの第一流体の流れる距離をより短くすることができる。
【0018】
プレート式熱交換器において、前記区画部は、第一空間に設けられ、前記他方の空間は、第一流体の流路の一部を構成してもよい。
【0019】
かかる構成によれば、所定の第一空間全体を分岐基準空間として構成されるプレート式熱交換器に比べ、分岐基準空間にガス(気化した第一流体)が溜まるのを防ぎながら有効な(即ち、第一流体と第二流体とで熱交換の行われる)第一流体の流路の長さ(流路長)を確保しつつ、伝熱プレートの数を減らす(即ち、プレート式熱交換器の小型化を図る)ことが可能となる。
【0020】
また、プレート式熱交換器において、前記二つの空間のうちの分岐基準空間でない他方の空間は、前記第一流体の流路、又は第二流入路から第二流出路に至る第二流体の流路の一部を構成してもよい。
【0021】
このように、第二流体の流路が形成される第二空間の一部を分岐基準空間とすることによっても、分岐基準空間が区画される第一空間を設ける必要がないため、所定の第一空間全体を分岐基準空間として構成されるプレート式熱交換器に比べ、伝熱プレートの数を減らすことができる。
【発明の効果】
【0022】
以上より、本発明によれば、第一流入路によって伝熱プレートの積層方向における本体部の中間領域に第一流体を流入させても熱交換の効率が低下し難いプレート式熱交換器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るプレート式熱交換器の概略全体斜視図である。
図2図2は、同実施形態に係るプレート式熱交換器の一部を省略した概略分解斜視図である。
図3図3は、同実施形態に係るプレート式熱交換器の第一流体及び第二流体の流路の模式図である。
図4図4は、同実施形態に係るプレート式熱交換器の第一流体の流路の模式図である。
図5図5は、図4の破線Aで示す位置の伝熱プレートを説明するための概略図である。
図6図6は、第一空間を画定する一対の伝熱プレートの互いに対向する面の概略図であって、第一空間における仕切り部と囲繞空間と残りの空間とを説明するための概略図である。
図7図7は、第一空間を画定する一対の伝熱プレートにおける仕切り部周辺の分解図であって、一次基準空間を形成する一対の伝熱プレートにおける仕切り部周辺の分解図である。
図8図8は、第一空間を画定する一対の伝熱プレートにおける仕切り部周辺の分解図であって、二次基準空間を形成する一対の伝熱プレートにおける仕切り部周辺の分解図である。
図9図9は、第一空間を画定する一対の伝熱プレートにおける仕切り部周辺の分解図であって、一次分岐路の下流側端部を形成する一対の伝熱プレートにおける仕切り部周辺の分解図である。
図10図10は、一次基準空間及び二次基準空間が第二空間に形成されるプレート式熱交換器における第一流体及び第二流体の流路の模式図である。
図11図11は、一次基準空間及び第二基準空間を経て分岐された第一流体の流路が、下流端において合流するプレート式熱交換器の第一流体の流路の模式図である。
図12図12は、他実施形態に係る伝熱部の開口及び仕切り部の構成を示す模式図である。
図13図13は、他実施形態に係る伝熱部の開口及び仕切り部の構成を示す模式図である。
図14図14は、従来のプレート式熱交換器の第一流体及び第二流体の流路を説明するために概要図である。
図15図15は、第一流体の流路において、分岐基準空間の上流位置に一次分岐路が連通するプレート式熱交換器の一例を示す模式図である。
図16図16は、第一流体の流路において、分岐基準空間の下流位置に一次分岐路が連通するプレート式熱交換器の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0025】
プレート式熱交換器は、図1及び図2に示すように、積層された複数の伝熱プレート2,…を含む本体部3を備える。
【0026】
本体部3は、図3及び図4に示すように、第一流体Aの流れる第一流路31と、第二流体Bの流れる第二流路32と、第一流路31に第一流体Aを流入させる第一流入路33と、第一流路31から第一流体Aを流出させる第一流出路34と、第二流路32に第二流体Bを流入させる第二流入路35と、第二流路32から第二流体Bを流出させる第二流出路36と、を有する。本実施形態の第一流路31は、フロンやアンモニア等の相変化する第一流体Aを流通させる。また、本実施形態の第二流路32は、水やブライン等の液状の第二流体Bを流通させる。
【0027】
また、本体部3では、複数の伝熱プレート2,…は、積層されることにより、図2に示すように、第一流路31となる(を含む)第一空間61と、第一流路31及び第二流路32のうちの少なくとも第二流路32となる(を含む)第二空間62とを伝熱プレート2の積層方向(以下、第一方向という)において交互に画定する。また、本体部3では、伝熱プレート2に設けられた開口(採番しない)が第一方向に連なることによって、第一流入路33、第一流出路34、第二流入路35、及び第二流出路36のそれぞれが、各伝熱プレート2,…を貫通し、第一方向に延びるように形成される。
【0028】
具体的に説明する。図1図4に示すように、本実施形態に係るプレート式熱交換器1は、積層された複数の伝熱プレート2,…を含む本体部3と、本体部3を挟む一対のエンドプレート4,5とを備える。
【0029】
複数の伝熱プレート2,…のそれぞれは、金属プレートをプレス成形したものである。各伝熱プレート2,…は、第一空間61及び第二空間62を画定する伝熱部20と、伝熱部20と面交差する方向に該伝熱部20の外周から延出した環状の嵌合部21とを備える。
【0030】
各伝熱プレート2,…の伝熱部20の表裏には、図示しない複数の凹条及び凸条が交互に形成されている。そして、各伝熱プレート2,…の伝熱部20には、第一流入路33、第一流出路34、第二流入路35、及び第二流出路36を形成するための開口(採番しない)が形成されている。即ち、伝熱プレート2,…の伝熱部20の少なくとも四箇所には、開口が設けられている。これらの開口は、第一方向に延びる流路を形成するためのものであって、伝熱部20を貫通している。
【0031】
本実施形態に係るプレート式熱交換器1は、複数種類の伝熱プレート2,…を備えている。このプレート式熱交換器1は、上述の如く、第一流入路33、第一流出路34、第二流入路35、及び第二流出路36を形成するための開口が形成された伝熱プレート2,…以外に、第一流入路33、第一流出路34、第二流入路35、及び第二流出路36を形成するための開口、及び、後述する一次分岐路37A、二次分岐路37B等を形成するための複数の開口が形成された伝熱プレート2,…等を備える。
【0032】
この一次分岐路37A、二次分岐路37B等を形成するための開口が形成された伝熱プレート2,…の伝熱部20には、図5及び図6に示すように、隔壁構成部70が形成されている。本実施形態の隔壁構成部70は、伝熱プレート2の伝熱部20において、第一流入路33等を形成するための複数の開口を囲うように第一空間61側に突出した突条である。本実施形態の隔壁構成部70は、例えば、3つの開口、詳しくは、第一流入路33を形成するための開口233、一次分岐路37Aを形成するための開口237A、及び二次分岐路37Bを形成するための開口237Bを囲っている。この隔壁構成部70は、第一空間61を画定する伝熱プレート対2,2の対向する位置にそれぞれ設けられている。そして、各伝熱プレート2,…が積層されて本体部3が形成されたときに、対向する突条(隔壁構成部70)の先端同士が当接し、これにより、第一空間61を囲繞空間611と残りの空間(他方の空間)612とに区画する隔壁(区画部)7が形成される。即ち、区画部7が第一空間を囲繞空間611と残りの空間612とに仕切る。ここで、図6は、第一空間61を画定する伝熱プレート対2,2において、隔壁構成部70,70同士の当接領域と、囲繞空間611を画定する領域と、残りの空間612を画定する領域とをハッチングの種類を変えることによって示している。
【0033】
尚、本実施形態の区画部7は、対向する伝熱プレート2,2にそれぞれ設けられた突条形状の隔壁構成部70によって構成されているが、この構成に限定されない。例えば、対向する伝熱プレート2,2のいずれか一方にのみ突条等が設けられ、この突条等が囲繞空間611と残りの空間612とを区画する(仕切る)区画部7を構成してもよい。また、伝熱プレート2と別体の区画部7が一対の伝熱プレート2,2間に配置等される構成でもよい。また、本実施形態の区画部7は、第一空間61を囲繞空間611と残りの空間612とに仕切っているが、第二空間62を仕切っていてもよく、第一空間61及び第二空間62の両方を仕切るように設けられてもよい。
【0034】
以下では、第一流入路33、第一流出路34、第二流入路35、第二流出路36、一次分岐路37A、及び二次分岐路37B等の流路について詳述する。また、これらを形成するための開口の数、配置、及びサイズ等は、一般的なプレート式熱交換器と同様、該プレート式熱交換器1の使用目的、第一流体A及び第二流体Bの種類及び流量等によって、適宜、選択される。
【0035】
一対のエンドプレート4,5のそれぞれは、図1及び図2に示すように、金属プレートをプレス成形したものであり、伝熱プレート2,…と略同形に形成される。具体的に、エンドプレート4,5は、封止部40,50と、環状の嵌合部41,51とを備える。封止部40,50は、伝熱部20と略同形に形成されている。環状の嵌合部41,51は、封止部40,50の外周全周から該封止部40,50と面交差する方向に延出している。
【0036】
一方のエンドプレート(以下、第一エンドプレートという)4は、隣り合う伝熱プレート2に形成された開口であって、第一流入路33、第一流出路34、第二流入路35、及び第二流出路36を形成するための開口と対応する開口(採番しない)を有する。即ち、開口が第一エンドプレート4の封止部40の四箇所に設けられている。これに伴い、配管を接続するための筒状のノズル(採番しない)が、第一エンドプレート4の封止部40の外面における各開口に対応した位置に接続されている。
【0037】
他方のエンドプレート(以下、第二エンドプレートという)5の封止部50には、開口が設けられていない。即ち、第二エンドプレート5は、重ね合わされた伝熱プレート2,…の開口によって形成される流路を封止可能な封止部50を備える。
【0038】
複数の伝熱プレート2,…は、互いに重ね合わされる(積層される)。この状態では、隣り合う伝熱プレート2の伝熱部20の凸条同士が交差衝合すると共に、隣り合う伝熱プレート2の嵌合部21同士が嵌合する。この状態で、隣り合う伝熱プレート2との密接部分がロウ付けによって封止され、本体部3が形成される。そして、第一エンドプレート4及び第二エンドプレート5は、積層された複数の伝熱プレート2,…(即ち、本体部3)を挟み込むように、複数の伝熱プレート2,…に重ね合わされる。この状態では、第一エンドプレート4及び第二エンドプレート5のそれぞれの嵌合部41,51は、隣り合う伝熱プレート2の嵌合部21と嵌合する。この状態で、第一エンドプレート4及び第二エンドプレート5のそれぞれと、隣り合う伝熱プレート2との密接部分が、ロウ付けによって封止される。これにより、本体部3において、複数の伝熱プレート2,…は、第一空間61と第二空間62とを第一方向において交互に画定する(図2参照)。
【0039】
この状態において、積層された複数の伝熱プレート2,…の対応する開口同士が連なることによって、第一方向に延びる各流路(第一流入路33、第一流出路34、第二流入路35、第二流出路36、一次分岐路37A、及び二次分岐路37B等)が形成される。
【0040】
より具体的に説明する。伝熱プレート2の伝熱部20は、伝熱部20の法線方向視において、長方形状に形成されている(図5及び図6参照)。そして、例えば、図4において破線Aで示す位置の伝熱プレート2の伝熱部20では、図5及び図6に示すように、第一流出路34、第二流入路35、後述する第一接続路38Aが伝熱部20の長手方向(以下、第二方向という)における伝熱プレート2の一端側に設けられる。詳しくは、第二流入路35を形成するための開口235が伝熱部20の一端側の一方の隅部に設けられ、第一接続路38Aを形成するための開口238Aが伝熱部20の一端側の他方の隅部に設けられ、第一流出路34を形成するための開口234が伝熱部20の一端側における短手方向(第一方向及び第二方向と直交する方向:以下、第三方向という)の中央部に設けられる。
【0041】
また、第二流出路36及び後述する第二接続路38Bは、第二方向における伝熱プレート2の他端側に設けられる。詳しくは、第二流出路36を形成するための開口236が伝熱部20の他端側の他方の隅部(第二流入路35を形成するための開口235に対して対角方向の隅部)に設けられ、第二接続路38Bを形成するための開口238Bが伝熱部20の他端側の一方の隅部(第一接続路38Aを形成するための開口238Aに対して対角方向の隅部)に設けられる。
【0042】
また、第一流入路33を形成するための開口233、一次分岐路37Aを形成するための開口237A、及び二次分岐路37Bを形成するための開口237Bは、伝熱部20の他端側における短手方向の中央に設けられ、区画部7(隔壁構成部70)によって囲まれている。
【0043】
尚、図3及び図4は模式的な図のため、第一流入路33、第一流出路34、第二流入路35、及び第二流出路36は、各図において第二方向に並んでいる(並列に配置されている)。しかし、実際には、第一流入路33及び第二流出路36は、図5及び図6に示すように、伝熱部20の短手方向(第三方向)に並んでいる。また、第二流入路35及び第一流出路34も、伝熱部20の短手方向(第三方向)に並んでいる。
【0044】
これらの構成によって、プレート式熱交換器1では、第一流体Aが第一流路31内を第一方向と直交する第二方向に流通する。また、第二流体Bが第二流路32内を第二方向に流通する。即ち、本実施形態に係るプレート式熱交換器1では、第一流体Aが第一流路31において伝熱部20の長手方向に流通し、第二流体Bが第二流路32において伝熱部20の長手方向に流通する。
【0045】
本実施形態のプレート式熱交換器1において、第一流入路33から第一流出路34までの第一流体Aの流路が形成されている。そして、このプレート式熱交換器1では、第一方向の途中位置の少なくとも一カ所(本実施形態の例では二カ所)にある少なくとも一つ(本実施形態の例では一つ)の第一空間61に、第一流体Aの流路の分岐位置となる一次基準空間(分岐基準空間)S1が設けられる。本実施形態の一次基準空間S1は、第一空間61に設けられた(形成された)囲繞空間611を利用している。即ち、一次基準空間S1が設けられた第一空間61において、該第一空間61は、区画部7によって一次基準空間S1(囲繞空間611)と残りの空間612とに区画されている。例えば具体的に、図4のαで示す位置の一次基準空間S1は、図7に示すように構成されている。この図7において、一方の伝熱プレート2の隔壁構成部70のハッチングで示す面と、他方の伝熱プレート2の隔壁構成部70のスモークで示す部位の裏面とが接合される。尚、本実施形態における途中位置とは、第一方向における両端の第一空間61を除いた任意の位置である。
【0046】
本体部3は、各一次基準空間S1に対して少なくとも一対の一次分岐路37A,37Aを有する。本実施形態の本体部3では、各一次基準空間S1に対してそれぞれ一対の一次分岐路37A,37Aが設けられている。
【0047】
一対の一次分岐路37A,37Aは、一次基準空間S1と、第一方向において該一次基準空間S1よりも一端側にある少なくとも一つの第一空間61とを直接又は間接に連通させると共に、前記一次基準空間S1と、第一方向における該一次基準空間S1よりも他端側にある少なくとも一つの第一空間61とを直接又は間接に連通させる。本実施形態の一対の一次分岐路37A,37Aは、一次基準空間S1と、第一方向において該一次基準空間S1よりも一端側にある少なくとも一つの二次基準空間S2(囲繞空間611)とを連通させると共に、前記一次基準空間S1と、第一の方向において該一次基準空間S1よりも他端側にある少なくとも一つの二次基準空間S2(囲繞空間611)とを連通させる。即ち、本実施形態の本体部3は、各一次基準空間S1に対して、一次基準空間S1と該一次基準空間S1よりも第一方向の一端側にある少なくとも一つの第一空間61とを連通させる(接続する)一次分岐路37A、及び、一次基準空間S1と該一次基準空間S1よりも第一方向の他端側にある少なくとも一つの第一空間61とを連通させる(接続する)一次分岐路37Aを有する。本実施形態において、一次分岐路37A,37Aは、伝熱部20における区画部7に囲まれた領域(囲繞空間611を画定する領域)を貫通している(図5参照)。
【0048】
本実施形態の二次基準空間S2は、第一方向における一次基準空間S1の一端側と他端側とのそれぞれにある第一空間61に設けられた囲繞空間611である。即ち、本実施形態の一対の一次分岐路37A,37Aは、一次基準空間S1と、第一方向における該一次基準空間S1の一端側の少なくとも一つの第一空間61(詳しくは、囲繞空間611)と他端側の少なくとも一つの第一空間61(詳しくは囲繞空間611)とを直接連通する。例えば具体的に、図4のβで示す位置の二次基準空間S2は、図8に示すように構成されている。この図8において、一方の伝熱プレート2の隔壁構成部70のハッチングで示す面と、他方の伝熱プレート2の隔壁構成部70のスモークで示す部位の裏面とが接合される。
【0049】
本実施形態において、本体部3は、各一次基準空間S1よりも第一方向の一端側及び他端側のそれぞれに複数の第一空間61,…を有する。
【0050】
本体部3の複数の第一空間61,…は、図4に示すように、第一流入路33から第一流出路34までの第一流体Aの流路毎のブロック(以下、このブロックを大ブロックという)B1,…に区分けされる。本実施形態の本体部3は、二つの一次基準空間S1を有し、第一流入路33と各一次基準空間S1との連通位置を始点として第一流出路34まで延びる二つの第一流体Aの流路を有する。このため、本実施形態の本体部3は、第一方向に並ぶ二つの大ブロックB1,B2に区分けされる。以下では、第一方向における一端側の大ブロックを第一大ブロックB1といい、第一方向における他端側の大ブロックを第二大ブロックB2という。
【0051】
各大ブロックB1,B2は、一次基準空間S1から第一流出路34までの第一流体Aの流路毎のブロック(以下、このブロックを中ブロックという)B11,B12,…,B21,B22,…にそれぞれ区分けされる。本実施形態では、第一及び第二大ブロックB1,B2のそれぞれが二つの中ブロック(第一中ブロックB11,B21及び第二中ブロックB12,B22)に区分けされている。
【0052】
具体的には、第一大ブロックB1は、一次基準空間S1の形成された第一空間61よりも第一方向の一端側にある全ての第一空間61(複数の第一空間61,…)を包含した第一中ブロックB11と、一次基準空間S1の形成された第一空間61を含み且つ該第一空間61よりも第一方向の他端側にある全ての第一空間61(複数の第一空間61,…)を包含した第二中ブロックB12とに、区分けされている。
【0053】
また、第二大ブロックB2は、一次基準空間S1の形成された第一空間61を含み且つ該第一空間61よりも第一方向の一端側にある全ての第一空間61(複数の第一空間61,…)を包含した第二中ブロックB21と、一次基準空間S1よりも第一方向の他端側にある全ての第一空間61(複数の第一空間61,…)を包含した第二中ブロックB22とに、区分けされている。
【0054】
各中ブロックB11,B12,B21,B22のそれぞれにある複数の第一空間61,…は、第一方向における中ブロックB11,B12,B21,B22の中間領域(途中位置)にある第一空間61に設けられた二次基準空間S2から第一流出路34までの第一流体Aの流路毎のブロック(以下、このブロックを小ブロックという)B111,B112,…B123,B124,…,B211,B212,…,B223,B224,…にそれぞれ区分けされる。本実施形態では、第一中ブロックB11,B21のそれぞれが二つの小ブロック(第一小ブロックB111,B211及び第二小ブロックB112,B212)に区分けされ、第二中ブロックB12,B22のそれぞれが二つの小ブロック(第三小ブロックB123,B223及び第四小ブロックB124,B224)に区分けされている。
【0055】
具体的には、第一及び第二中ブロックB11,B21,B12,B22のそれぞれの第一方向の中間領域にある第一空間61には、上述のように第一流体Aの流路の分岐位置となる二次基準空間S2が形成されている。そして、第一中ブロックB11,B21のそれぞれは、二次基準空間S2よりも第一方向の一端側にある全ての第一空間61(複数の第一空間61,…)を包含した第一小ブロックB111,B211と、二次基準空間S2の形成された第一空間61を含み且つ該第一空間61よりも第一方向の他端側にある全ての第一空間61(複数の第一空間61,…)を包含した第二小ブロックB112,B212とに、区分けされている。また、第二中ブロックB12,B22のそれぞれは、二次基準空間S2の形成された第一空間61を含み且つ該第一空間61よりも第一方向の一端側にある全ての第一空間61(複数の第一空間61,…)を包含した第三小ブロックB123,B223)と、二次基準空間S2の形成された第一空間61よりも第一方向の他端側にある全ての第一空間61(複数の第一空間61,…)を包含した第四小ブロックB124,B224)とに、区分けされている。これら各小ブロックB111,B112,B121,B122,B211,B212,B221,B222は、二つ以上の第一空間61,…をそれぞれ有する。本実施形態の各小ブロックB111,B112,B121,B122,B211,B212,B221,B222は、例えば、四つの第一空間61,…をそれぞれ有している。
【0056】
一次分岐路37A,37Aは、上述のように、一次基準空間S1と二次基準空間S2とを連通する。より具体的に説明すると、各大ブロックB1,B2において、一方の一次分岐路37Aは、第一中ブロックB11,B21における第二小ブロックB112,B212を貫通し、該第一中ブロックB11,B21の二次基準空間S2に連通している。各大ブロックB1,B2において、他方の一次分岐路37Aは、第二中ブロックB12,B22における第三小ブロックB123,B223を貫通し、該第二中ブロックB12,B22の二次基準空間S2に連通している。
【0057】
そして、本実施形態に係る本体部3は、上述のように、各中ブロックB11,B12,B21,B22のそれぞれにおいて、二次基準空間S2を基準にして区分けされる。これに伴い、本体部3は、少なくとも四対の二次分岐路37B,37B(四つの二次分岐路対37B,37B)を有する。
【0058】
各二次分岐路対37B,37Bは、二次基準空間S2と、該二次基準空間S2よりも第一方向の一端側にある少なくとも一つの第一空間61及び該二次基準空間S2よりも第一方向の他端側にある少なくとも一つの第一空間61と、を連通させる(接続する)。即ち、本実施形態に係る各中ブロックB11,B12,B21,B22のそれぞれは、二次基準空間S2と、第一小ブロックB111,B211(又は第三小ブロックB123,B223)の少なくとも一つの第一空間61とを連通させる(接続する)二次分岐路37B、及び、二次基準空間S2と、第二小ブロックB112,B212(又は第四小ブロックB124,B224)の少なくとも一つの第一空間61とを連通させる(接続する)二次分岐路37Bを有する。本実施形態において、二次分岐路37B,37Bは、伝熱部20における区画部7に囲まれた領域(囲繞空間611を画定する領域)を貫通している(図5参照)。例えば具体的に、図4のγで示す位置の二次分岐路37Bの端部では、図9に示すように一方の伝熱プレート2の隔壁構成部70Aの一部が途切れ、この途切れた部位によって囲繞空間611と残りの空間612とが連通している。これにより、第二分岐路37Bを流れてきた第一流体Aは、前記途切れた部位を通って囲繞空間611から流出し、後述する第一接続路38Aに向かって流れる。この図9において、一方の伝熱プレート2の隔壁構成部70のハッチングで示す面と、他方の伝熱プレート2の隔壁構成部70のスモークで示す部位の裏面とが接合される。
【0059】
第一〜第四小ブロックB111,B211,B112,B212,B123,B223,B124,B224のそれぞれは、複数の第一空間61を含む。本実施形態の各小ブロックB111,B211,B112,B212,B123,B223,B124,B224のそれぞれは、例えば、五つの第一空間61を含む。これに伴い、本体部3は、第一〜第4小ブロックB111,B211,B112,B212,B123,B223,B124,B224のそれぞれにおいて、隣り合う第一空間61,61同士を連通させる接続路38A,38Bを有する(図5及び図6参照)。本実施形態において、接続路38A,38Bのそれぞれは、隣り合う第一空間61の残りの空間612同士を連通する。即ち、接続路38A,38Bのそれぞれは、伝熱部20における残りの空間612を画定する領域を貫通している。
【0060】
より具体的に説明すると、各小ブロックB111,B211,B112,B212,B123,B223,B124,B224のそれぞれは、上述のように、五つの第一空間61,…を有する。かかる五つの第一空間61,…は、第一方向に並んでいる。そして、五つの第一空間61のうちの第一方向の中央の第一空間(以下、中央第一空間という)61は、二次分岐路37Bを介して二次基準空間S2と連通している。この中央第一空間61は、該中央第一空間61と第一方向の両側において隣り合う第一空間(以下、中間第一空間という)61,61と、接続路(以下、第一接続路という)38Aを介して連通する。そして、中間第一空間61は、中央第一空間61の反対側で隣り合う第一空間(以下、最外第一空間という)61と接続路(以下、第二接続路という)38Bを介して連通している。
【0061】
上述のように、第一空間61で第一流体Aを第二方向に流通させるべく、二次分岐路37B,37Bと第一接続路38Aとは、第二方向に間隔をあけて配置される。また、第一接続路38Aと第二接続路38Bとは、第二方向に間隔をあけて配置される。これにより、各小ブロックB111,B211,B112,B212,B123,B223,B124,B224のそれぞれにおいて、中央第一空間61、第一接続路33A、中間第一空間61、第二接続路38B、最外第一空間61によって構成される第一流体Aの流路は、蛇行する。
【0062】
本実施形態の本体部3では、第一方向の一端側の一次基準空間S1(囲繞空間611)と、第三小ブロックB123の第一方向の一端側における第一流体Aの流路の終端を形成する伝熱プレート2,2間の空間(詳しくは、残りの空間612)と、が共通の第一空間61に含まれる。また、第一方向の他端側の一次基準空間S1(囲繞空間611)と、第二小ブロックB212の第一方向の他端側における第一流体の流路の終端を形成する伝熱プレート2,2間の空間(残りの空間612)と、が共通の第一空間61に含まれる。また、第二小ブロックB112,B212の二次基準空間S2と、第二小ブロックB112,B212の第一方向の一端側における第一流体Aの流路の終端を形成する伝熱プレート2,2間の空間(残りの空間612)と、が共通の第一空間61に含まれる。また、第三小ブロックB123,B223の二次基準空間S2と、第三小ブロックB123,B223の第一方向の他端側における第一流体Aの流路の終端を形成する伝熱プレート2,2間の空間(残りの空間612)と、が共通の第一空間61に含まれる。
【0063】
このように、一次基準空間S1(囲繞空間611)及び二次基準空間S2(囲繞空間611)が形成された第一空間61における残りの空間612が、第一流体Aの流路の一部を構成することにより、第一空間全体を用いて一次基準空間S1及び二次基準空間S2を形成する場合に比べ、第一流体Aの流路の長さを維持しつつ、伝熱プレート2の枚数を減らすことができる。
【0064】
本実施形態において、第一流入路33は、本体部3において、第一方向の一端から、複数の一次基準空間S1,…のうちの最も他端側の一次基準空間S1まで延び、複数の一次基準空間S1,…のみに連通するように形成されている。
【0065】
これに対し、第一流出路34は、本体部3において、第一方向の一端から他端にまで延び、各小ブロックB111,B211,B112,B212,B123,B223,B124,B224の最外第一空間61のみに連通している。即ち、本実施形態において、第一中ブロックB11,B21及び第二中ブロックB12,B22における第一流体Aの流路の終端(第一空間61,…同士が連通して一次基準空間S1を始点として形成される第一流体Aの流路の終端)は、それぞれの各小ブロックB111,B211,B112,B212,B123,B223,B124,B224の最外第一空間61によって形成される。
【0066】
これに対し、第二流入路35及び第二流出路36のそれぞれは、図3に示すように、第一方向における本体部3の一端から他端まで延びている。そして、第一方向に並ぶ複数の第二空間62,…のそれぞれは、第二流入路35及び第二流出路36に連通している。
【0067】
以上のように、第一空間と第二空間とによって第一流体の流路及び第二流体の流路が形成(構成)されることにより、本実施形態のプレート式熱交換器1において、第一流体Aの流路は、第一流入路33と第一流出路34との間で蛇行するように構成される。また、第二流体Bの流路は、第二流入路35と第二流出路36との間で真っ直ぐに構成される(図3参照)。
【0068】
以上のプレート式熱交換器1では、区画部7によって第一空間61を区画し、第一流入路33から第一流体Aが流入して該第一流体Aを各一次分岐路37Aに振り分ける空間(分岐基準空間)S1を第一空間61全体又は第二空間62全体よりも小さな空間とすることで、一次基準空間S1にガス(気化した第一流体)が溜まるのを抑えると共に、第一流入路33から一次分岐路37Aまで第一流体Aが流れる距離を短くすることができる。これにより、第一流入路33によって第一方向における本体部3の中間領域に第一流体Aを流入させても、プレート式熱交換器1における熱交換の効率が低下し難くなる。
【0069】
また、本実施形態のプレート式熱交換器1では、残りの空間612を第一流体A又は第二流体Bの流路の一部とすることによって、区画部7が設けられた第一空間61において、第一流体Aの流路の分岐に用いる空間(分岐基準空間)S1以外の空間(残りの空間)612を有効に利用でき、その結果、プレート式熱交換器1の小型化を図ることが可能となる。
【0070】
また、本実施形態の本体部3では、一次基準空間S1が残りの空間612より小さいため、一次基準空間S1の大きさが十分に抑えられ、これにより、一次基準空間S1にガス(気化した第一流体A)が溜まるのをより効果的に防ぐと共に、第一流入路33から一次分岐路37Aまでの第一流体Aの流れる距離をより短くすることができる。
【0071】
また、本実施形態のプレート式熱交換器1では、区画部7が第一空間61に設けられ、残りの空間612が第一流体Aの流路の一部を形成している。このため、第一空間61全体を一次基準空間(分岐基準空間)として構成されるプレート式熱交換器1に比べ、有効な(即ち、第一流体Aと第二流体Bとで熱交換の行われる)第一流体Aの流路の長さ(流路長)を維持しつつ、伝熱プレート2の数を減らす(即ち、プレート式熱交換器1の小型化を図る)ことが可能となる。
【0072】
尚、本発明に係るプレート式熱交換器は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更を加え得ることは勿論である。
【0073】
上記実施形態のプレート式熱交換器1では、一次基準空間S1及び二次基準空間S2が第一空間61を区画部7で仕切ることによって形成されているが、この構成に限定されない。図10に示すように、一次基準空間S1及び二次基準空間S2は、一次基準空間S1及び二次基準空間S2の少なくとも一方が区画部7によって区画されることで形成されてもよい(図10に示す例では、一次基準空間S1及び二次基準空間S2のいずれもが第二空間62に形成されている。)。このように、第二流体Bの流路が形成される第二空間62の一部を一次基準空間S1又は二次基準空間S2とすることによっても、一次基準空間S1及び二次基準空間S2が区画される第一空間61を設ける必要がないため、第一空間61全体を一次基準空間S1又は二次基準空間S2として構成されるプレート式熱交換器(従来のプレート式熱交換器)に比べ、伝熱プレート2の数を減らすことができる。
【0074】
また、上記実施形態の本体部3では、一次分岐路37Aは、一次基準空間S1から第一方向に延び、一次基準空間S1よりも第一方向の一端側及び他端側の第一空間61(詳しくは、該第一空間61の一部である二次基準空間S2)のそれぞれと直接連通しているが、この構成に限定されない。一次分岐路37Aは、一次基準空間S1よりも第一方向の一端側又は他端側の第二空間62(詳しくは、前記第二空間62に区画部7を設けて形成した囲繞空間611(二次基準空間S2等))を介して、一次基準空間S1よりも第一方向の一端側又は他端側の第一空間61に連通してもよい。
【0075】
また、図11に示すように、二次基準空間S2及び該二次基準空間S2と連通する一対の二次分岐路37B,37Bによって分岐させた第一流体Aの流路を、第一流出路34に至る前に合流させる構成でもよい。
【0076】
区画部7(隔壁構成部70)の具体的な構成は、限定されない。上記実施形態の区画部7は、一対の伝熱プレート2,2間の空間(第一空間61)を伝熱部20の法線方向視において五角形状となるように延びる突条によって構成されているが、例えば、図12及び図13に示すように、伝熱部20を第三方向(伝熱部20の短手方向)に横切る突条によって構成されてもよい。この場合、区画部7は、直線状に延びる突条でもよく、一又は複数回、屈曲又は湾曲等する非直線状に延びる突状でもよい。また、区画部7を構成する突状の幅は、一定でなく、途中で変化していてもよい。
【0077】
上記実施形態の区画部7は、伝熱プレート2,2間に画定される空間(第一空間61又は第二空間62)を二つの空間(囲繞空間611及び残りの空間612)に区画しているが、三つ以上の空間に区画してもよい。
【0078】
また、一次基準空間S1又は二次基準空間S2と共通の第一空間61又は第二空間62に含まれる残りの空間612は、第一流体Aの流路及び第二流体Bの流路のいずれにも用いられなくてもよい。
【0079】
上記実施形態の区画部7は、各第一空間61に設けられているが、この構成に限定されない。区画部7は、各第二空間62に設けられてもよい。この場合、第二空間62の残りの空間612に形成された第二流体Bの流路と、伝熱部20において区画部7に囲まれた部位(囲繞空間611を画定する部位)を貫通する流路(上記実施形態の本体部3では第一流入路33、一次分岐路37A及び二次分岐路37B)とが、区画部7によって隔離されているため、本体部3に流入して間もない第一流体A(第一流入路33、一次分岐路37A及び二次分岐路37Bを流れる第一流体A)と第二流体Bとの熱交換を防ぐことができる。
【0080】
本体部3における第一流体Aの具体的な流路の構成は、限定されない。上記実施形態の本体部3では、第一流体Aの流路が第一方向において対称である(図4参照)が、非対称であってもよい。即ち、一次基準空間S1、二次基準空間S2、一次分岐路37A、二次分岐路37B等の配置は、上記実施形態の本体部3における配置に限定されない。
【0081】
上記実施形態の本体部3は、各一次基準空間S1に対して一対の一次分岐路37A,37Aを有しているが、この構成に限定されない。本体部3は、各一次基準空間S1に対して二対以上の一次分岐路37Aを有していてもよい。即ち、本体部3は、各一次基準空間S1に対して少なくとも一対の一次分岐路37A.37Aを有していればよい。
【0082】
また、上記実施形態の本体部3では、第一流入路33が連通する一次基準空間S1が二つであるが、一つでもよく、三つ以上でもよい。
【0083】
上記実施形態において、複数の第二流路32,…のそれぞれが第二流入路35と第二流出路36とに連通し、第二流入路35と第二流出路36とを繋ぐ第二流体Bの流路が真っ直ぐに構成されたが、これに限定されない。例えば、第二流入路35と第二流出路36とを繋ぐ第二流体Bの流路は、第一流体Aの流路と同様に蛇行するように形成されてもよい。即ち、第二流体Bの流路が、第一流体Aの流路と同様に、第一方向における本体部3の一端側及び他端側のそれぞれで少なくとも一回分岐し、第二流出路36が、第一方向における本体部3の一端側及び他端側のそれぞれにある第二流路32であって、第二流体Bの流路の終端となる第二流路32のみに連通していてもよい。この場合においても、第二流体Bの流路の分岐位置となる流路を設定すると共に、該流路を基準に細分化したブロックに区分けし、第二流体Bの流路を二回以上分岐させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0084】
1…プレート式熱交換器、2…伝熱プレート、20…伝熱部、21…嵌合部、3…本体部、31…第一流路、32…第二流路、33,33A…第一流入路、233…第一流入路を形成するための開口、34…第一流出路、35…第二流入路、36…第二流出路、37A…一次分岐路、237A…一次分岐路を形成するための開口、37B…二次分岐路、237B…二次分岐路を形成するための開口、38A…第一接続路(接続路)、38B…第二接続路(接続路)、4…第一エンドプレート(エンドプレート)、5…第二エンドプレート(エンドプレート)、40,50…封止部、41,51…嵌合部、7…仕切り部、70,70A…仕切り構成部、61…第一空間、62…第二空間、611…囲繞空間、612…残りの空間、A…第一流体、B…第二流体、B1…第一大ブロック、B2…第二大ブロック、B11,B21…第一中ブロック、B12,B22…第二中ブロック、B111,B211…第一小ブロック、B112,B212…第二小ブロック、B123,B223…第三小ブロック、B124,B224…第四小ブロック、S1…一次基準空間(分岐基準空間)、S2…二次基準空間
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