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特開2015-138300MR支援装置、MR支援方法及びMR支援システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-138300(P2015-138300A)
(43)【公開日】2015年7月30日
(54)【発明の名称】MR支援装置、MR支援方法及びMR支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/24 20120101AFI20150703BHJP
【FI】
   G06Q50/24 130
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-8083(P2014-8083)
(22)【出願日】2014年1月20日
(71)【出願人】
【識別番号】513278622
【氏名又は名称】エイザス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100145698
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 俊介
(72)【発明者】
【氏名】西 章彦
(72)【発明者】
【氏名】板倉 亜希子
(72)【発明者】
【氏名】鐘ヶ江 麻子
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA25
(57)【要約】
【課題】医薬品に対する医療従事者の理解度に合った的確な医薬情報を提供する。
【解決手段】MR支援装置1は、医薬品に対する理解度のフェーズをMRがディテールを行う医師毎に記憶すると共に、このフェーズ毎にディテール時に用いる医療情報を記憶する記憶部17と、記憶部17に記憶された医療情報のうち、MRがディテールを行う医療従事者の現在の理解度のフェーズに応じた医療情報を特定する特定部11と、特定した医療情報をMR端末2に表示させるための制御情報を前記MR端末に配信する配信部12と、を備える。MR支援装置1は、MRに配信した医療情報のフェーズの更新に対する寄与度を算出する寄与度算出部15を更に備え、配信部12は、特定部11が特定した医療情報を、寄与度に基づく順にMR端末に表示させるための制御情報をMR端末2に配信してもよい。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬品に対する医療従事者の現在の理解度の段階を示すフェーズを医療従事者毎に記憶する共に、前記フェーズ毎にディテール時に用いる医療情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記医療情報のうち、MRがディテールを行う医療従事者の現在の理解度のフェーズに応じた医療情報を特定する特定部と、
前記特定部が特定した前記医療情報をMRが用いるMR端末に表示させるための制御情報を前記MR端末に配信する配信部と、
を備えるMR支援装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記理解度のフェーズ毎に前記医薬品についての質問を示す質問情報を記憶し、
前記配信部は、前記医療情報と共に前記質問情報をMRに配信し、
MRから前記質問情報に対する前記医療従事者の回答情報を受け付ける回答受付部と、
受け付けた前記回答情報に基づいて、前記記憶部に記憶された当該医療従事者の理解度のフェーズを更新する理解度更新部と、
を更に備える請求項1に記載のMR支援装置。
【請求項3】
前記MR端末に表示させた前記医療情報の前記フェーズの更新に対する寄与度を算出する寄与度算出部、
を更に備える請求項1又は2に記載のMR支援装置。
【請求項4】
前記特定部は、医療従事者の現在の理解度のフェーズに応じた医療情報のうち、前記寄与度の高い前記医療情報を特定し、
前記配信部は、前記特定部が特定した前記医療情報を、前記寄与度に基づく順に前記MR端末に表示させるための前記制御情報を前記MR端末に配信する、
請求項3に記載のMR支援装置。
【請求項5】
前記記憶部は、前記医療従事者毎に当該医療従事者の属性情報を記憶し、
前記寄与度算出部は、前記属性情報が規定する前記医療従事者の属性毎に前記寄与度を算出し、
前記特定部は、医療従事者の現在の理解度に応じた医療情報のうち、当該医療従事者の属性に対して前記寄与度の高い前記医療情報を特定する、
請求項3又は4に記載のMR支援装置。
【請求項6】
前記寄与度算出部は、複数の医療従事者のうち一部の医療従事者についての前記フェーズの更新結果に基づいて、前記寄与度を算出する、
請求項3から5のいずれかに記載のMR支援装置。
【請求項7】
前記寄与度算出部は、前記フェーズの更新結果に基づいて、第1医療情報と当該第1医療情報とは異なる第2医療情報とを所定順序で配信することによる前記フェーズの更新に対する組合せ寄与度を算出し、
前記特定部は、前記第1医療情報を配信した後に新たな医療情報を配信する場合、前記組合せ寄与度の高い第2医療情報を特定する、
請求項3から5のいずれかに記載のMR支援装置。
【請求項8】
医薬品に対する医療従事者の現在の理解度の段階を示すフェーズを医療従事者毎に記憶する共に、前記フェーズ毎にディテール時に用いる医療情報を記憶する記憶部を備えるコンピュータが実行する、
前記記憶部に記憶された前記医療情報のうち、MRがディテールを行う医療従事者の現在の理解度のフェーズに応じた医療情報を特定するステップと、
特定した前記医療情報をMRが用いるMR端末に表示させるための制御情報を前記MR端末に配信するステップと、
を含むMR支援方法。
【請求項9】
MRが用いるMR端末とMRのディテール活動を支援するMR支援装置とが通信可能に接続されたMR支援システムであって、
前記MR支援装置は、
医薬品に対する医療従事者の現在の理解度の段階を示すフェーズを医療従事者毎に記憶する共に、前記フェーズ毎にディテール時に用いる医療情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記医療情報のうち、MRがディテールを行う医療従事者の現在の理解度のフェーズに応じた医療情報を特定する特定部と、
前記特定部が特定した前記医療情報をMRが用いるMR端末に表示させるための制御情報を前記MR端末に配信する配信部と、
を備えるMR支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品に関する情報を医療従事者に提供するMRのディテール活動を支援するMR支援装置、MR支援方法及びMR支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
医師や薬剤師といった医療従事者への医薬品に関する情報の提供は、医薬品についての専門的な知識を有するMR(医薬情報担当者)により行われている。MRは、病院や診療所等の医療施設を訪問して医療従事者と面会し、口頭で説明することで、医薬品に関する情報を医療従事者に対して提供する。なお、MRが医薬品に関する情報を医療従事者に提供する行為を、以下ではディテール活動と呼ぶ。
【0003】
従来、このようなディテール活動は、医薬品を紹介するパンフレット等の書類を用いて行われていたが、情報処理技術の発展に伴い、近年では、Eディテールといった取り組みも注目されている。当初のEディテールは、インターネットを介して医薬品に関する情報を医療従事者に提供するものであり、医療従事者からのアクセスを待ってディテール活動を行うものであった。
【0004】
そこで、近年では、MR側からの働きかけに応じて医療従事者に対するディテール活動を行う新たな形式のEディテールも知られている。例えば、特許文献1には、タッチパネル形式のタブレット端末に電子化した医薬等情報を記憶しておき、MRによる直観的な操作で医薬等情報を医師に提供する医薬等情報提供システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−238286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、医薬品の理解度は医療従事者毎に異なっており、医療従事者の理解度と合わない情報を提供してディテール活動を行ったのでは、医薬品の処方に結びつかず成果が上がらない。そのため、MRは、医療従事者の理解度を把握しておき、この理解度に応じた医療情報を用いて医療従事者に対してディテール活動を行う必要がある。
【0007】
この点、従来の医薬等情報提供システムでは、医療従事者の考え方に合わせたストーリーを提供することとしているが、医療従事者の考え方に合うか否かは、MRに選択させることとしており、医療従事者の理解度の把握がMRの主観によって行われてしまっている。そのため、従来の医薬等情報提供システムでは、MRによってディテール活動の成果が大きく異なってしまうという問題があった。
【0008】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、医薬品に対する医療従事者の理解度に合った的確な医薬情報を提供可能なMR支援装置、MR支援方法及びMR支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るMR支援装置は、医薬品に対する医療従事者の現在の理解度の段階を示すフェーズを医療従事者毎に記憶する共に、前記フェーズ毎にディテール時に用いる医療情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記医療情報のうち、MRがディテールを行う医療従事者の現在の理解度のフェーズに応じた医療情報を特定する特定部と、前記特定部が特定した前記医療情報をMRが用いるMR端末に表示させるための制御情報を前記MR端末に配信する配信部と、を備える。
【0010】
上記のMR支援装置では、前記記憶部は、前記理解度のフェーズ毎に前記医薬品についての質問を示す質問情報を記憶し、前記配信部は、前記医療情報と共に前記質問情報をMRに配信し、MRから前記質問情報に対する前記医療従事者の回答情報を受け付ける回答受付部と、受け付けた前記回答情報に基づいて、前記記憶部に記憶された当該医療従事者の理解度のフェーズを更新する理解度更新部と、を更に備えることとしてもよい。
【0011】
上記のMR支援装置では、前記MR端末に表示させた前記医療情報の前記フェーズの更新に対する寄与度を算出する寄与度算出部を更に備えることとしてもよい。
【0012】
上記のMR支援装置では、前記特定部は、医療従事者の現在の理解度のフェーズに応じた医療情報のうち、前記寄与度の高い前記医療情報を特定し、前記配信部は、前記特定部が特定した前記医療情報を、前記寄与度に基づく順に前記MR端末に表示させるための前記制御情報を前記MR端末に配信することとしてもよい。
【0013】
上記のMR支援装置では、前記記憶部は、前記医療従事者毎に当該医療従事者の属性情報を記憶し、前記寄与度算出部は、前記属性情報が規定する前記医療従事者の属性毎に前記寄与度を算出し、前記特定部は、医療従事者の現在の理解度に応じた医療情報のうち、当該医療従事者の属性に対して前記寄与度の高い前記医療情報を特定することとしてもよい。
【0014】
上記のMR支援装置では、前記寄与度算出部は、複数の医療従事者のうち一部の医療従事者についての前記フェーズの更新結果に基づいて、前記寄与度を算出することとしてもよい。
【0015】
上記のMR支援装置では、前記寄与度算出部は、前記フェーズの更新結果に基づいて、第1医療情報と当該第1医療情報とは異なる第2医療情報とを所定順序で配信することによる前記フェーズの更新に対する組合せ寄与度を算出し、前記特定部は、前記第1医療情報を配信した後に新たな医療情報を配信する場合、前記組合せ寄与度の高い第2医療情報特定することとしてもよい。
【0016】
また、本発明に係るMR支援方法は、医薬品に対する医療従事者の現在の理解度の段階を示すフェーズを医療従事者毎に記憶する共に、前記フェーズ毎にディテール時に用いる医療情報を記憶する記憶部を備えるコンピュータが実行する、前記記憶部に記憶された前記医療情報のうち、MRがディテールを行う医療従事者の現在の理解度のフェーズに応じた医療情報を特定するステップと、特定した前記医療情報をMRが用いるMR端末に表示させるための制御情報を前記MR端末に配信するステップと、を含む。
【0017】
また、本発明に係るMR支援方法は、MRが用いるMR端末とMRのディテール活動を支援するMR支援装置とが通信可能に接続されたMR支援システムであって、前記MR支援装置は、医薬品に対する医療従事者の現在の理解度の段階を示すフェーズを医療従事者毎に記憶する共に、前記フェーズ毎にディテール時に用いる医療情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記医療情報のうち、MRがディテールを行う医療従事者の現在の理解度のフェーズに応じた医療情報を特定する特定部と、前記特定部が特定した前記医療情報をMRが用いるMR端末に表示させるための制御情報を前記MR端末に配信する配信部と、を備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、医薬品に対する医療従事者の理解度に合った的確な医薬情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明のMR支援装置の動作フローを示す図である。
図2】医薬品の理解度とコンテンツとの関係性を示す図である。
図3】第1実施形態のMR支援システムの構成を示す図である。
図4】MR支援装置の構成を示す図である。
図5】記憶部に記憶される医師情報DBの一例を示す図である。
図6】記憶部に記憶される医療情報DBの一例を示す図である。
図7】理解度更新に対する医療情報の寄与度の算出方法の一例を示す図である。
図8A】医師の属性に応じた寄与度の算出方法の一例を示す図である。
図8B】医師の属性に応じた寄与度の算出方法の一例を示す図である。
図8C】医師の属性に応じた寄与度の算出方法の一例を示す図である。
図9】医療情報の寄与度の出力例を示す図である。
図10】MR支援装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図11】MR支援装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図12】第2実施形態のMR支援装置の動作の概要を示す図である。
図13】医薬品の理解度とコンテンツとの別の関係性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[MR支援装置の概要]
医療従事者が医薬品の処方を行うまでに、医療従事者は、医薬品に関する様々な情報を理解する必要がある。
本発明のMR支援装置では、医薬品に対する医療従事者の現在の理解度に応じた医療情報を、ディテール活動を行うMRに対して提供する。このとき、MR支援装置では、医療従事者の理解度を深める可能性の高い医療情報を予測し、予測した医療情報をMRに対して提供することで、MRのディテール活動を支援する。
【0021】
具体的には、MR支援装置では、医療従事者の医薬品に対する理解度をフェーズとして管理する。このフェーズは、医療従事者が医薬品を処方するまでの医薬品についての理解度の段階を示し、MR支援装置の管理者により医薬品毎に設定される。MR支援装置では、フェーズ毎にディテール活動に用いる医療情報を記憶しておき、多数のMRのディテール活動の活動ログから、フェーズを更新しやすい(理解度を深めやすい)医療情報を算出することで、フェーズ毎に有効な医療情報を予測する。そして、MR支援装置では、予測した医療情報をMRに対して提供すると共に、MRのディテール活動の活動ログから予測の正確性の検証を行う。
このように本発明は、製品が顧客に受け入れられるまでに複数の段階を経る医薬品において、段階毎に有効な医療情報に関する仮説の検証を適切に行うための新たな仕組みを提供する。
【0022】
図1に示すMR支援装置の動作フローを用いて、MR支援装置の概要について説明する。
MR支援装置は、MRが医療従事者に対してディテール活動を行う際に、医療従事者の医薬品に対する理解度に応じた医療情報を提供する。そこで、MR支援装置は、図1(A)に示すように、医療情報の提供前にディテール活動の対象である医療従事者(医師)の状況を確認する。この状況確認で対象の医療従事者の医薬品に対する理解度の段階を示すフェーズを把握すると、MR支援装置は、図1(B)に示すように、この理解度のフェーズに応じた医療情報をMRに対して提供する。
【0023】
ここで、図2を参照して、医薬品の理解度と配信する医療情報との関係について説明する。医薬品は、顕著な効果を有する反面、副作用を有するため、医療従事者は、医薬品の品質、有効性、安全性等の医薬品に関する様々な情報を適切に理解する必要がある。本実施形態では、医療従事者の理解度の段階をフェーズとして管理する。なお、フェーズは、医薬品毎に段階数及び内容が設定される。図2の例では、フェーズ1「医薬品の良さを理解している」からフェーズ4「治療パターンに入れている」まで4段階のフェーズが設定されているが、フェーズの段階数及び夫々のフェーズの内容は、医薬品によって異なる。
【0024】
MR支援装置では、夫々のフェーズに対して、次のフェーズへ移行しない原因(ボトルネック)を特定し、この原因を解消するための医療情報を夫々のフェーズに対して設定する。図2の例では、フェーズ1からフェーズ2に移行しない原因を「安全性に不安を感じている」と特定しており、この原因を解消するための医療情報として「長期による安全性の確立」「発がんリスクが他と同様」「他医薬品との比較」といった医療情報が設定されている。
【0025】
MR支援装置では、MRがディテール活動を行う医療従事者の理解度のフェーズに応じた医療情報をMRに対して提供すると共に、この医療情報を用いた多数のMRにおけるディテール活動の成果(活動ログ)からフェーズを更新する可能性の高い医療情報を特定する。そして、MR支援装置では、特定した医療情報をMRに対して提供することで、MRのディテール活動を支援する。
即ち、MR支援装置では、フェーズ1からフェーズ2に移行しない「安全性に不安を感じている」という原因を解消する可能性の高い医療情報を、多数のMRの活動ログから特定し、フェーズ1に対して設定された「長期による安全性の確立」「発がんリスクが他と同様」「他医薬品との比較」といった医療情報のうちボトルネックとして設定した原因を解消しやすい有効な医療情報をMRに対して提供する。
【0026】
具体的には、医療情報の提供を受けると、図1(C)に示すように、MRは、この医療情報を用いて医療従事者に対してディテール活動を行う。ここで、MRに提供した医療情報は、医療従事者の現在の理解度のフェーズに応じた内容であるため、MRのディテール活動により医療従事者が医薬品についての理解度を深める場合がある。そこで、MRは、図1(D)に示すように、医療従事者に対してディテール活動の内容について所定の質問を行い、この質問の回答をMR支援装置に提供する。
【0027】
MR支援装置では、図1(E)に示すように、この質問に対する回答に基づいて、医薬品に対する医療従事者の理解度のフェーズを次のフェーズに更新する。医療従事者の理解度のフェーズを次のフェーズに更新するか否かをシステム的に算出するため、MR支援装置では、医療従事者の理解度を、MRの主観によらずに客観的に把握することができる。
【0028】
また、MR支援装置では、医療従事者の理解度に応じた医療情報をMRに提供するところ、医療情報の中には理解度の更新に有効な医療情報と、そうでない医療情報とが含まれる。そこで、図1(E)に示すように、MR支援装置では、個々のMRの活動ログではなくMR支援装置を利用する全てのMRのディテール活動の活動ログに基づいて、理解度の更新に有効な医療情報を予測し、MRに対して提供する。また、MR支援装置では、MR支援装置を利用する全てのMRのディテール活動の活動ログに基づいて、仮説の検証を行う。
これにより、MRには、医療従事者の理解が深まりやすい医療情報が優先して提供されることになるため、MRのディテール活動の成果を高めることができる。
【0029】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態では、MRがディテール活動を行う医療従事者が医師であるものとする。また、以下の実施形態は、本発明を実施するための一例にすぎず、多様な変更又は改良を加えることが可能である。
【0030】
<第1実施形態>
図3は、本発明のMR支援システム100の構成を示す図である。MR支援システム100は、MR支援装置1と、MR端末2と、製薬企業用端末3と、を含んで構成される。MR支援装置1、MR端末2及び製薬企業用端末3は、制御部及び記憶部を備えるコンピュータであり、所定の通信ネットワークを介して通信可能に接続される。
【0031】
MR端末2は、MRが用いるタッチパネル形式のタブレット端末である。MR端末2には、MR支援装置1から医薬品に対する医師の理解度に応じた医療情報が、所定のタイミングで配信される。また、MR支援装置1からMR端末2に対して、MR端末2に表示させる医療情報を選択させるために用いられる制御情報も配信される。制御情報は、医薬品に対する医師の理解度を高めるための医療情報の有効性を示す寄与度に基づいて生成される情報である。MR端末2において、制御情報に基づいて医療情報が利用されると、その利用履歴がMR端末2からMR支援装置1に送信される。
【0032】
また、MR支援装置1は、医療情報を用いてディテール活動を行った後に医師に対して行う医薬品についての質問をMR端末2に送信し、MRが医師から質問に対する回答を受けると、MR端末2からMR支援装置1に、質問情報に対する回答情報が送信される。MR支援装置1では、利用履歴及び回答情報等を解析し、医薬品に対する医師の理解度を更新すると共に、理解度の更新に寄与する医療情報を特定する。
【0033】
また、MR端末2には製薬企業用端末3から医師の情報が送信される。この医師の情報には、例えば、医師の診療科や医師の医薬品についての理解度等が含まれ、ディテール活動を行うMRが医師の傾向を把握するため等に用いられる。
【0034】
製薬企業用端末3は、医師に紹介する医薬品を製造する製薬企業により用いられるコンピュータである。製薬企業用端末3からMR支援装置1には、医薬品の情報や、医薬品を紹介するターゲットとなる医師の情報(例えば、医師の属性や医師の所属する施設の売り上げ等)が送信される。製薬企業用端末3から提供された医師の情報は、医師の現在の理解度の把握に用いられ、施設の売上データは分析に用いられる。
また、MR支援装置1から製薬企業用端末3には、医療情報の利用履歴から得られたMRの活動報告が送信される。製薬企業用端末3では、この活動報告を製薬企業に導入されているSFA(活動支援システム)に同期させ、MRのディテール活動を管理することとしてもよい。
【0035】
[MR支援装置1の構成]
続いて、図4を参照して、MR支援装置1の構成について説明する。MR支援装置1は、特定部11と、配信部12と、回答受付部13と、理解度更新部14と、寄与度算出部15と、出力制御部16と、記憶部17と、を含んで構成される。なお、特定部11乃至出力制御部16は、MR支援装置1の制御部が所定のプログラムに従うことで実現される機能である。
【0036】
記憶部17は、製薬企業が医薬品を紹介する対象である医師の情報を記憶する医師情報DBと、MR端末2に配信する医療情報を記憶する医療情報DBと、を含む。なお、各種情報は、MR支援装置1が利用可能であれば足り、必ずしも記憶部17に記憶される必要はない。
【0037】
医師情報DBは、図5に示すように、対象となる医師毎に、属性情報と、医薬品毎のフェーズと、担当MRと、を含む各種情報を記憶する。
属性情報とは、診療科、勤務形態、年齢、ターゲットランク等であり、医師の属性を特定するための情報である。また、フェーズとは、ディテール活動を行う医薬品に対する医師の理解度を特定するための情報である。また、担当MRとは、医師に対してディテール活動を行う担当のMRを特定するための情報である。
【0038】
医療情報DBは、図6に示すように、医師の理解度を示すフェーズ毎に、ディテール活動時に用いる医療情報及び質問情報を記憶する。
医療情報は、ディテール活動において紹介する医薬品に関する情報、例えば、紹介する医薬品の有効性を示すデータ等を含む。質問情報は、医療情報を用いてディテール活動を行った後に医師に対して行う医薬品についての質問である。なお、質問の回答に応じて医師の理解度を把握することとしているため、質問情報は多肢選択形式の質問とし、医師の理解度を客観的に把握可能にする。
なお、フェーズ毎に記憶する医療情報及び質問情報の数は任意であり、フェーズ毎に異なることとしてもよく、また、同一であってもよい。また、図示は省略しているが、医療情報DBには、医師の理解度の更新に寄与する度合いを示す寄与度を、夫々の医療情報に対して記憶することとしてもよい。
【0039】
図4に戻り、特定部11は、記憶部17に記憶された医療情報のうち、医師の現在のフェーズに応じた医療情報及び質問情報を特定する。具体的には、特定部11は、記憶部17に記憶された医療情報のうち、フェーズ毎に設けられた複数の医療情報のうち寄与度の高い順に所定数の医療情報を特定する。
【0040】
配信部12は、特定部11が特定した医療情報及び質問情報をMR端末2に表示させるための制御情報をMR端末2に配信する。なお、配信部12により配信される制御情報には様々な態様が考えられるが、任意の態様を採用することとしてよい。一例として、MR支援システム100は、医療情報を予め全てMR端末2に記憶しておくこととし、配信部12が、MR端末2に記憶された医療情報のうちの特定部11が特定した医療情報を特定する識別情報を含む制御情報を配信することで、フェーズ毎に有効な医療情報をMR端末2に表示させることとしてもよい。また、MR支援システム100は、全ての医療情報を予めMR端末2に記憶することなく、配信部12は、特定部11が特定した医療情報を含む制御情報を配信することで、MR端末2にフェーズ毎に有効な医療情報を表示させることとしてもよい。
【0041】
また、配信部12は、特定部11が特定した医療情報を、寄与度に基づく順にMR端末2に表示させるための制御情報をMR端末2に配信してもよい。配信部12は、例えば、MR端末2に記憶された複数の医療情報の寄与度が高い順を示す情報を含む制御情報を配信する。配信部12は、複数の医療情報と、夫々の医療情報の寄与度を示す情報とを含む制御情報を配信してもよい。このようにすることで、MR支援システム100は、例えば、寄与度が高い順に、MR端末2に医療情報を表示させることが可能になる。
【0042】
回答受付部13は、配信した質問情報に対する医師の回答を示す回答情報をMR端末2から受け付ける。なお、質問情報が選択形式の質問であるため、回答情報は、複数の選択肢のうちの選択された選択肢である。
【0043】
理解度更新部14は、受け付けた回答情報に基づいて医薬品に対する医師の理解度(フェーズ)を更新、即ち、記憶部17に記憶された医師の医薬品に対する理解度のフェーズを更新する。理解度更新部14による理解度の更新方法は任意であり、例えば、医師が選択した選択肢に基づく所定の演算により行うことができる。なお、理解度の更新は、フェーズを上げる方向の更新の他、フェーズを下げる方向の更新も含めることとしてもよい。
【0044】
寄与度算出部15は、MR支援装置1を用いてディテール活動を行った全ての医師の理解度の更新結果に基づいて、MR端末2に表示させた医療情報の理解度の更新に対する寄与度を算出する。寄与度算出部15による寄与度の算出方法は任意であり、例えば、医療情報を配信した回数又は医療情報がディテール活動に利用された回数に対する、理解度の更新が行われた回数の割合に基づく所定の演算により算出することができる。
【0045】
ここで、図7を参照して、寄与度の算出方法の一例について説明する。フェーズ2の医師に対するディテール活動において医療情報Aが利用された場合、4人の医師のうち3人の医師の理解度が上昇し1人の医師の理解度が変化せず、医療情報Bが利用された場合、4人の医師の全ての理解度が変化していない。このような場合、医療情報Aは、理解度を上昇させるために有効である一方、医療情報Bは、理解度の上昇に有効でないことが分かる。
【0046】
そこで、寄与度算出部15は、医療情報Aに対して高い寄与度を算出し、医療情報Bに対して低い寄与度を算出する。
なお、寄与度算出部15は、全ての医師の理解度の更新結果に基づいて医療情報の寄与度を算出することとしてもよく、また、一部の医師の理解度の更新結果に基づいて医療情報の寄与度を算出することとしてもよい。一部の医師については任意に選択することができるが、例えば、ディテール活動が実際の処方に結びつきやすい1又は複数の優秀なMRが担当する医師を、一部の医師として選択することとしてもよい。このような優秀なMRの情報を反映することで、医療情報の寄与度の算出を精度よく行うことができる。
【0047】
図7に示すように、MR支援装置1は、寄与度算出部15が算出した寄与度に基づく順に医療情報を表示させるための制御情報をMR端末2に配信することで、フェーズ2の医師に対するディテール活動を行うMRが用いるMR端末2において、医療情報Aを医療情報Bよりも優先して表示させることが可能になる。
なお、優先して表示させるとは、MR端末2における表示順序が、寄与度の高い医療情報から順になることであってもよく、また、医療情報に対応付けて、寄与度についての情報(例えば、医師の理解度を更新しやすい/更新しにくい医療情報であることを把握可能にする情報(例えば、得点))を表示することであってもよい。
【0048】
ところで、医薬品等に関する知識は医師毎に異なるため、例えば専門性の高い医師と専門性の低い医師とでは、理解度を更新しやすい医療情報が異なる場合がある。そこで、寄与度算出部15は、医療情報の寄与度を、医師の属性に応じて算出することとしてもよい。
【0049】
ここで、図8を参照して、医師の属性に応じた寄与度の算出方法の一例について説明する。図8Aに示すように、ディテール活動において医療情報Aが利用された場合、内科の勤務医であるA先生及び内科の開業医であるB先生の理解度は上昇し、内科の開業医であるC先生及び小児科の開業医であるD先生の理解度は変化していない。このような場合、医療情報Aは、内科の医師(上昇:A先生、B先生、変化なし:C先生)の理解度を更新しやすいことが分かる一方で、小児科の医師(変化なし:D先生)の理解度を更新しにくいことが分かる。同様に、医療情報Aは、勤務医の医師(上昇:A先生)の理解度を更新しやすい一方で、開業医の医師(上昇:B先生、変化なし:C先生、D先生)の理解度を更新しにくいことが分かる。
【0050】
寄与度算出部15は、MR支援装置1を用いてディテール活動を行った多数の医師の理解度の更新結果に基づいて、医師の属性毎に理解度更新に対する医療情報の寄与度を算出する。即ち、寄与度算出部15は、属性「内科」については医療情報Aの寄与度を高く算出する一方で、属性「小児科」については医療情報Aの寄与度を低く算出する。なお、図8Bに、医師の属性毎に算出した医療情報A,Bの寄与度の一例を示す。
【0051】
そして、この寄与度算出部15の寄与度の算出を受け、特定部11は、理解度のフェーズ及び医師の属性に対して有効な(寄与度の高い)医療情報を特定し、配信部12は、この医療情報をMR端末2に優先的に表示させるための制御情報を、MR端末2に配信する。
一例として、図8Cを参照して、内科の開業医であるE先生及び小児科の勤務医であるF先生にディテール活動を行う場合に、配信部12がMR端末2に対して配信する制御情報について説明する。
【0052】
図8Cに示すように、内科の開業医であるE先生に対する医療情報Aの寄与度は「130pt」であるのに対して医療情報Bの寄与度は「90pt」であり、E先生の属性にとっては、医療情報Aの寄与度の方が医療情報Bの寄与度よりも高い。同様に、小児科の勤務医であるF先生に対する医療情報Aの寄与度は「90pt」であるのに対して医療情報Bの寄与度は「130pt」であり、F先生の属性にとっては、医療情報Bの寄与度の方が医療情報Aの寄与度よりも高い。そこで、配信部12は、E先生に対してディテール活動を行うMRのMR端末2には、医療情報Aが医療情報Bよりも優先して表示されるようにするための制御情報を配信し、F先生に対してディテール活動を行うMRのMR端末2には、医療情報Bが医療情報Aよりも優先して表示されるようにするための制御情報を配信する。
【0053】
なお、図8Cでは、医師の属性に対して算出された寄与度を単純加算することで、この医師に対する医療情報の寄与度を算出することとしているが、これに限られるものではない。即ち、属性毎の寄与度を単純加算するのではなく、属性の種類に応じて重みづけした上で加算することで、医師に対する医療情報の寄与度を算出することとしてもよい。なお、重みづける属性の種類は、医薬品毎、又は/及び、医薬品に設定されたフェーズ毎に異なることとしてもよい。一例として、医薬品Aのフェーズ1の医療情報については属性「診療科」に対して算出された寄与度を重視する一方で、医薬品Bのフェーズ2の医療情報については属性「勤務形態」に対して算出された寄与度を重視する等としてもよい。
【0054】
また、図8では、属性毎に算出した寄与度を、ディテール活動を行う医師の属性に応じて加算することで、この医師にとって有効な医療情報を特定することとしているが、これに限られるものではなく、属性の組み合わせとして採り得る全ての組み合わせに対して、予め寄与度を算出しておくことで、医師にとって有効な医療情報を特定することとしてもよい。即ち、属性「内科」「内科、勤務医」「内科、開業医」「内科、ターゲットランクA」「内科、勤務医、ターゲットランクA」等の採り得る全ての組み合わせに対して、寄与度を算出しておくこととしてもよい。
【0055】
図4に戻り、出力制御部16は、寄与度算出部15がMR支援装置1を用いて行ったディテール活動の活動ログから算出した医療情報毎の寄与度を、所定の態様で出力(表示)する。ここで、算出した医療情報毎の寄与度の出力例を図9に示す。MR支援装置1の管理者は、このような出力例を参照することで、各フェーズにおいて医師の理解度を更新するのに有効な医療情報についての仮説を検証することができる。そして、MR支援装置1の管理者は、この仮説に基づいて選択された医療情報をMR端末2に表示させ、医師の理解度に対する有効性を検証することを繰り返すことで、医師の理解度により適した医療情報をMRに対して提供できる精度を高めることが可能になる。また、新たな医療情報を作成する際にも、この検証結果に基づいて医師の理解度を更新しやすい医療情報を作成することができ、仮説、検証を繰り返すことで、MR支援装置1から配信する医療情報の質を高めることができる。
【0056】
[MR支援装置1の処理]
以上、MR支援装置1の機能構成について説明した。続いて、図10及び図11を参照して、MR支援装置1の処理について説明する。
【0057】
図10に示すように、初めにMR支援装置1の制御部は、フェーズ毎に有効な医療情報をMR端末2に表示させるための制御情報を配信するタイミングであるか否かを判定する(ステップS1)。本実施形態では、全ての医療情報を予めMR端末2に記憶しておくこととし、所定のタイミングになると、MR端末2に記憶された複数の医療情報のうちの有効な医療情報を指定する制御情報を送信することとしている。そこで、例えば、毎週月曜の朝10時等の所定のタイミングになると、MR支援装置1の制御部は、フェーズ毎に有効な医療情報をMR端末2に対して制御情報を配信するタイミングであると判定する。制御情報を配信するタイミングである場合、続いて、MR支援装置1の制御部は、制御情報配信処理を行う(ステップS2)。
【0058】
ここで、図11を参照して、制御情報配信処理について説明する。初めに、特定部11は、記憶部17の医療情報DBを参照して、医薬品のフェーズ(及び医師の属性)毎に寄与度の高い医療情報を特定する(ステップS21)。続いて、配信部12は、ステップS21で特定した医療情報をMR端末2に表示させるための制御情報として、MR端末2に表示させる医療情報を特定する識別情報をMR端末2に対して配信する。これにより、MR端末2は、各フェーズ(及び医師の属性)における寄与度の高い医療情報を表示させることが可能になる。
【0059】
図10に戻り、MR支援装置1から医療情報の識別情報が配信されると、MR端末2では、この識別情報を受信する(ステップS11)。MR端末2では、この識別情報に基づいて、記憶している全ての医療情報のうちのフェーズ毎に寄与度の高い医療情報が優先して表示されることになる。その後、MRが医師に対してディテール活動を行うと、MR端末2では、質問情報に応じた質問の回答を示す回答情報の入力を受け付け(ステップS12)、MR支援装置1に送信する。このとき、MR端末2からMR支援装置1には、ディテール活動に用いた医療情報を特定する識別情報も併せて送信される。
【0060】
MR支援装置1では、回答受付部13が回答情報を受信すると(ステップS3)、理解度更新部14は、この回答に応じてMR端末2のMRがディテール活動を行った医師の理解度を更新する(ステップS4)。理解度更新部14による理解度の更新方法は任意であり、例えば、選択形式の質問において所定の選択肢が1又は複数回選択された場合に、理解度更新部14は、医薬品についての医師の理解が深まったとしてフェーズを1段階上げる。また、選択肢毎に得点を付しておき、選択された選択肢の得点の合計が所定値に達した場合に、理解度更新部14は、医薬品についての医師の理解が深まったとしてフェーズを1段階上げることとしてもよい。
【0061】
続いて、寄与度算出部15は、多数の医師の理解度の更新結果に基づいて、理解度の更新に対する医療情報の寄与度を算出し、出力制御部16がこの寄与度を出力し(ステップS5)、処理を終了する。
【0062】
[第1実施形態のMR支援装置1における効果]
以上、本発明のMR支援装置1の第1実施形態について説明した。続いて、MR支援装置1における効果について説明する。
【0063】
MR支援装置1では、医薬品に対する理解度をフェーズとして設定しておき、医師の医薬品に対する理解度を管理する。また、MR支援装置1では、フェーズ毎に医師が理解すべき医薬品についての医療情報を記憶しておき、MRが医師に対してディテール活動を行う際に、医師の理解度(フェーズ)に応じた医薬情報をMRに対して提供する。
これにより、MRは、既に医薬品についての理解が深まっている医師に対しては詳細な医療情報を用いてディテール活動を行うことができ、同様に、未だ医薬品についての理解をしていない医師に対しては、ベーシックな医療情報を用いてディテール活動を行うことができる。その結果、MR支援装置1によれば、医薬品に対する医師の理解度にあった医療情報をMRに対して的確に提供することができる。
【0064】
また、MR支援装置1では、理解度のフェーズ毎に医薬品についての質問を記憶しておき、この質問に対する医師の回答に基づいて医師の理解度を更新する。このように予め用意した質問を用いて理解度の更新を行うため、医師の理解度を、MRの主観によらずに客観的に把握することができる。
【0065】
また、MR支援装置1では、多数の医師の理解度の更新結果に基づいて医療情報の有効性(理解度更新に対する寄与度)を算出する。そして、この算出した医療情報の有効性を出力することで、MR支援装置1の管理者等は、各フェーズにおけるボトルネックを解消する可能性の高い医療情報を把握することができ、医師の理解度に適した医療情報をMRに対して提示できる。また、MRに対して有効性の高い医療情報を優先的に提示することで、医療情報を用いてディテール活動を行った際に医師の理解度が深まる可能性が高まるため、MRのディテール活動の成果を高めることができる。
【0066】
なお、医療情報の有効性は、医師の属性に応じて算出しておくこととしてもよい。これにより、MRがディテール活動を行う医師に適した医療情報を提供することができ、MRのディテール活動の成果を高めることができる。
また、医療情報の有効性は、全ての医師の理解度の更新結果ではなく、一部の医師の理解度の更新結果に基づいて算出することとしてもよい。これにより、医療情報の有効性の算出を精度よく行うことができる。
【0067】
<第2実施形態>
続いて、本発明のMR支援装置1の第2実施形態について説明する。医療情報の中には、所定の順序で用いることで有効性が高まる、即ち、所定の順序で用いることで医師の理解度が深まりやすい関係性を有する医療情報が含まれる。第2実施形態のMR支援装置1では、同一のフェーズに含まれる複数の医療情報をより有効な順序でMR端末2に対して表示させる。
【0068】
具体的には、第2実施形態のMR支援装置1の寄与度算出部15は、同一のフェーズに含まれる第1医療情報及び第2医療情報を、第1医療情報、第2医療情報の順にMR端末2に表示させるための制御情報を配信することによる理解度の更新に対する組合せ寄与度を算出する。そして、配信部12は、第1医療情報をMR端末2に表示させた後に新たな医療情報をMR端末2に表示させる場合、この組合せ寄与度の高い第2医療情報をMR端末2に表示させるための制御情報をMR端末2に対して配信する。
【0069】
即ち、第2実施形態では、あるMRがある医師に対して第1医療情報を用いてディテール活動を行った後にこの医師の理解度のフェーズが更新されていない場合、次回このMRが同一の医師に対してディテール活動を行う際に第1医療情報に続いて用いることで医薬品についての理解が深まりやすい第2医療情報を、MR端末2に表示させる。
【0070】
以下、図12を参照して、第2実施形態のMR支援装置1の動作の概要を説明する。なお、図12において、医療情報A乃至Dは、同一の医薬品についての同一のフェーズに含まれる医療情報である。
【0071】
図12に示すように、医療情報Aから医療情報Bの順序で医療情報をMR端末2に表示させた場合、組合せ寄与度が高く医師の理解度が更新されやすい。一方、医療情報Aから医療情報Cの順序、又は、医療情報Aから医療情報Dの順序で医療情報をMR端末2に対して配信した場合、組合せ寄与度が低く医師の理解度が更新されにくい。
そこで、第2実施形態のMR支援装置1では、医療情報Aを用いたMRが、再度同一のフェーズに属する同一の医師にディテール活動を行う場合、医療情報Aに続いて用いると有効な医療情報BをMR端末2に表示させるための制御情報を、MR端末2に配信する。
【0072】
なお、組合せ寄与度の算出方法は任意であり、一例として、寄与度算出部15は、第2医療情報(医療情報B)を用いたことによる理解度の更新結果のうち、直前に医療情報Aを用いた更新結果のみを抽出し、抽出した更新結果から組合せ寄与度を算出する(例えば、理解度が更新された数/抽出した更新結果の総数)。
また、図12では、2つの医療情報の順序に基づいて組合せ寄与度を算出することとしているが、これに限られるものではなく、3つ以上の任意の数の医療情報の順序に基づいて組合せ寄与度を算出することとしてもよい。
【0073】
[第2実施形態のMR支援装置1における効果]
以上、本発明のMR支援装置1の第2実施形態について説明した。第2実施形態のMR支援装置1によれば、同一フェーズに含まれる複数の医療情報のうち、所定の順序で用いることで医師の理解度を更新しやすい医療情報が存在する場合に、この順序に応じた医療情報がMRに対して提供される。これにより、医師の理解度が深まる可能性を高めることができ、MRのディテール活動の成果を高めることができる。
【0074】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。
【0075】
例えば、上記実施形態に一例として示す記憶部17の医療情報DB(図6参照)では、理解度のフェーズ毎に複数の医療情報と、1つの共通した質問情報を記憶することとしているが、これに限られるものではない。即ち、フェーズ毎に記憶する質問情報は、1つに限らず複数記憶することとしてもよく、また、複数の質問情報を記憶する場合に、同フェーズ内に含まれる医療情報と対応付けて記憶することとしてもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、医薬品についての医師の状況を、医薬品についての理解度という観点から一次元的に管理することとしているが、これに限られるものではなく、医師の状況を多次元的に管理することとしてもよい。一例として、図13に示すように、医薬品についての理解度に加えて、治療についての理解度を用いて、医薬品についての医師の状況を管理することとしてもよい。この場合において、MR支援装置は、多次元的に管理する医師の状況(フェーズ)毎に医療情報を記憶しておき、ディテール活動を行う医師の状況に応じた適切な医療情報をMRに対して提供する。
【符号の説明】
【0077】
1・・・MR支援装置、11・・・特定部、12・・・配信部、13・・・回答受付部、14・・・理解度更新部、15・・・寄与度算出部、16・・・出力制御部、17・・・記憶部、2・・・MR端末、3・・・製薬企業用端末、100・・・MR支援システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11
図12
図13