(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-139286(P2015-139286A)
(43)【公開日】2015年7月30日
(54)【発明の名称】スイッチング基板
(51)【国際特許分類】
H02M 1/08 20060101AFI20150703BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20150703BHJP
【FI】
H02M1/08 341C
H05K1/02 C
H05K1/02 N
H05K1/02 F
H05K1/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-9720(P2014-9720)
(22)【出願日】2014年1月22日
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原口 章
(72)【発明者】
【氏名】橋倉 学
(72)【発明者】
【氏名】森岡 秀夫
(72)【発明者】
【氏名】田原 秀哲
【テーマコード(参考)】
5E338
5H740
【Fターム(参考)】
5E338BB03
5E338BB72
5E338BB75
5E338CC04
5E338CD10
5E338EE02
5E338EE22
5E338EE26
5H740BA12
5H740BB04
5H740PP01
5H740PP02
5H740PP04
5H740PP05
5H740PP07
(57)【要約】
【課題】主電源と補助電源との間に配される簡易な構成のスイッチング基板を提供することを目的とする。
【解決手段】スイッチング基板10は、制御回路22と第1実装窓24Aと第2実装窓24Bとを備える制御回路基板20と、制御回路基板20の一面に配置される入力バスバー30、出力バスバー40、および接続バスバー50とを備える回路構成体11と、第1半導体スイッチング素子60Aおよび第2半導体スイッチング素子60Bとを備え、第1半導体スイッチング素子60Aは、第1実装窓24Aの内側に配置され、ドレイン端子62が入力バスバー30に、ソース端子63が接続バスバー50に、ゲート端子64が制御回路22にそれぞれ接続され、第2半導体スイッチング素子60Bは、第2実装窓24Bの内側に配置され、ドレイン端子62が出力バスバー40に、ソース端子63が接続バスバー50に、ゲート端子64が制御回路22にそれぞれ接続される。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主電源と補助電源とを備える車両において、前記主電源と前記補助電源との間に配置されるスイッチング基板であって、
絶縁性材料からなる絶縁板と、前記絶縁板の一面に配される制御回路と、前記絶縁板の前記制御回路が設けられた面からその逆側の面まで貫通する複数の実装窓とを備える制御回路基板と、前記絶縁板の前記逆側の面に互いに間隔を空けて配置される入力バスバーおよび出力バスバーと、前記入力バスバーおよび前記出力バスバーに対して隙間を空けて配置される接続バスバーとを備える回路構成体と、
前記回路構成体に実装され、ドレイン端子、ソース端子およびゲート端子を備える複数の半導体スイッチング素子と、を備え、
前記複数の実装窓のうち一部の実装窓は、内側に前記入力バスバーの一部と前記接続バスバーの一部とが露出する第1実装窓であり、他の実装窓は、内側に前記出力バスバーの一部と前記接続バスバーの一部とが露出する第2実装窓であり、
前記複数の半導体スイッチング素子のうち一部の半導体スイッチング素子は、前記第1実装窓の内側に配置され、前記ドレイン端子が前記入力バスバーの一部に接続され、前記ソース端子が前記接続バスバーの一部に接続され、前記ゲート端子が前記制御回路に接続される第1半導体スイッチング素子であり、他の半導体スイッチング素子は、前記第2実装窓の内側に配置され、前記ドレイン端子が前記出力バスバーの一部に接続され、前記ソース端子が前記接続バスバーの一部に接続され、前記ゲート端子が前記制御回路に接続される第2半導体スイッチング素子である、スイッチング基板。
【請求項2】
前記接続バスバーが、前記入力バスバーと前記出力バスバーとの間に配置される接続部と、前記入力バスバーおよび前記出力バスバーの並び方向に沿って延びる補強部とを備える、請求項1に記載のスイッチング基板。
【請求項3】
前記回路構成体が、前記入力バスバー、前記出力バスバーおよび前記接続バスバーにおいて前記制御回路基板とは逆側の面に配置される放熱板を備える、請求項1または請求項2に記載のスイッチング基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチング基板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、燃費向上や環境への配慮のため、メインバッテリの他に補助電源を搭載した自動車が開発されている。例えば、ブレーキ時の回生エネルギーを補助電源に蓄積しておき、走行時に電装品への電力供給に用いることで、オルタネータによる発電量を減らして燃費を向上させることができる。また、アイドリングストップの後のエンジン再始動時に、スタータに補助電源から電力供給することで、メインバッテリの電圧の瞬間的な降下により電装品の瞬断やメインバッテリの劣化を防ぐことができる。
【0003】
メインバッテリと補助電源との間には、走行やアイドリングストップなどの車両の動作状態に対応して、電力の供給形態を切り替える機能を有するスイッチング基板が設置される場合がある。
【0004】
スイッチング基板として、従来、大電流に対応したメカニカルリレーを備える基板が用いられてきたが、小型化、高寿命化、静音化を目的として、メカニカルリレーの半導体スイッチング素子への置き換えが提案されている。半導体スイッチング素子としては、MOSFET(金属酸化膜型電界効果トランジスタ;Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)などのパワー半導体を使用することが想定される(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−146933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、一般に、MOSFETを用いたスイッチでは、pn接合による寄生ダイオードがソース−ドレイン間に生成される。したがって、ゲートをオフしてもソース側からドレイン側へこの寄生ダイオードを通じて電流が流れるため、ソース側からドレイン側への電流の流れを完全に遮断することができない。そこで、双方向の電流を遮断可能にするために、2つのMOSFETを、上記寄生ダイオードの向きが反対になるように直列に接続することがある。
【0007】
しかし、このような複雑な回路を設計しようとすると、スイッチング基板の構造が複雑となりがちであった。
【0008】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、主電源と補助電源とを備える車両において、主電源と補助電源との間に配される簡易な構成のスイッチング基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、主電源と補助電源とを備える車両において、前記主電源と前記補助電源との間に配置されるスイッチング基板であって、絶縁性材料からなる絶縁板と、前記絶縁板の一面に配される制御回路と、前記絶縁板の前記制御回路が設けられた面からその逆側の面まで貫通する複数の実装窓とを備える制御回路基板と、前記絶縁板の前記逆側の面に互いに間隔を空けて配置される入力バスバーおよび出力バスバーと、前記入力バスバーおよび前記出力バスバーに対して隙間を空けて配置される接続バスバーとを備える回路構成体と、前記回路構成体に実装され、ドレイン端子、ソース端子およびゲート端子を備える複数の半導体スイッチング素子と、を備え、前記複数の実装窓のうち一部の実装窓は、内側に前記入力バスバーの一部と前記接続バスバーの一部とが露出する第1実装窓であり、他の実装窓は、内側に前記出力バスバーの一部と前記接続バスバーの一部とが露出する第2実装窓であり、前記複数の半導体スイッチング素子のうち一部の半導体スイッチング素子は、前記第1実装窓の内側に配置され、前記ドレイン端子が前記入力バスバーの一部に接続され、前記ソース端子が前記接続バスバーの一部に接続され、前記ゲート端子が前記制御回路に接続される第1半導体スイッチング素子であり、他の半導体スイッチング素子は、前記第2実装窓の内側に配置され、前記ドレイン端子が前記出力バスバーの一部に接続され、前記ソース端子が前記接続バスバーの一部に接続され、前記ゲート端子が前記制御回路に接続される第2半導体スイッチング素子である、スイッチング基板である。
【0010】
上記の構成によれば、主電源と補電源との間に配されるスイッチング基板に必要なバスバーや制御回路基板、半導体スイッチング素子をシンプルにレイアウトすることができ、簡易な構成のスイッチング基板を提供できる。
【0011】
本発明の実施態様としては以下の態様が好ましい。
【0012】
前記接続バスバーが、前記入力バスバーと前記出力バスバーとの間に配置される接続部と、前記入力バスバーおよび前記出力バスバーの並び方向に沿って延びる補強部とを備えていてもよい。
【0013】
上記の態様によれば、接続バスバーが接続部と補強部とを備えているから、シンプルな構成で、接続バスバーに補強の役目を担わせることができる。
【0014】
また、前記回路構成体が、前記入力バスバー、前記出力バスバーおよび前記接続バスバーにおいて前記制御回路基板とは逆側の面に配置される放熱板を備えていてもよい。
【0015】
上記の態様によれば、スイッチング基板を大型化することなく、効率的に放熱を行わせることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、主電源と補助電源とを備える車両において、主電源と補助電源との間に配される簡易な構成のスイッチング装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図3】実施形態のスイッチング装置について、
図2とは上下を逆にした分解斜視図
【
図4】実施形態のスイッチング基板を制御回路基板側から見た斜視図
【
図5】実施形態のスイッチング基板をバスバー側から見た斜視図
【
図10】実施形態のスイッチング装置の回路構成を示す図
【
図13】変形例のスイッチング基板を
図6のA−A線と同位置で切断した断面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態を、
図1〜
図10を参照しつつ説明する。
【0019】
本実施形態のスイッチング装置1は、メインバッテリ90(主電源に該当)と補助バッテリ91(補助電源に該当)とを備える車両において、メインバッテリ90および補助バッテリ91からの電装品92への電力供給の切り替えを行うものである。
図10に示すように、メインバッテリ90と補助バッテリ91とは直列に配され、電装品92に電力を供給する。スイッチング装置1は、メインバッテリ90と補助バッテリ91との間に、メインバッテリ90および補助バッテリ91に対して直列に配置されている。
【0020】
図1、
図2および
図3に示すように、スイッチング装置1は、スイッチング基板10と、このスイッチング基板10を収容するケーシング80とを備える。スイッチング基板10は、回路構成体11と、この回路構成体11に搭載される6つの半導体スイッチング素子60A、60Bとを備える。回路構成体11は、制御回路基板20と、この制御回路基板20に重なる3枚のバスバー30、40、50とを備えている。
【0021】
制御回路基板20は、ガラス基材またはガラス不織布基材からなる絶縁板21の一面側に、導電性材料からなる制御回路22を備えるプリント基板である(
図7参照)。制御回路基板20の一端部には、制御回路22を外部の制御装置(図示せず)と接続するためのコネクタ23が配置されている。
【0022】
図4および
図6に示すように、制御回路基板20は、半導体スイッチング素子60A、60Bの搭載のための6つの実装窓24A、24Bを有している。実装窓24A、24Bは、制御回路基板20において制御回路22が配されている面から、その逆側の面まで貫通する矩形の開口部であって、その開口の大きさは、半導体スイッチング素子60A、60Bの外形よりも一回り大きい。6つの実装窓24A、24Bのうち3つの実装窓(第1実装窓24A)は、1列に並んで一組の第1実装窓群25Aを構成している。6つの実装窓24A、24Bのうち残り3つの実装窓(第2実装窓24B)は、1列に並んで一組の第2実装窓群25Bを構成している。二組の実装窓群25A、25Bは、並列して配置されている。
【0023】
3枚のバスバー30、40、50のうち1枚は入力バスバー30であり、もう1枚は出力バスバー40である。
図5に示すように、入力バスバー30は、導電性材料(本実施形態では銅または銅合金)により形成された矩形の厚板である。入力バスバー30は、ボルト挿通孔31を備えている。ボルト挿通孔31は、入力バスバー30の一方の板面から他方の板面まで貫通する貫通孔である。出力バスバー40も、入力バスバー30と同様に、導電性材料(本実施形態では銅または銅合金)により形成された矩形の厚板であって、ボルト挿通孔41を備えている。
【0024】
入力バスバー30と出力バスバー40とは、制御回路基板20において制御回路22が形成された面とは逆側の面に、互いに間隔を空けて配置されている。入力バスバー30および出力バスバー40は、互いに相手側と対向する対向辺32A、42Aが平行になるように配置されている。入力バスバー30および出力バスバー40は、一部の領域が制御回路基板20と重なっており、ボルト挿通孔31、41が配置された領域は制御回路基板20から外れている。
【0025】
3枚のバスバー30、40、50のうち残りの1枚は、接続バスバー50である。接続バスバー50は、導電性材料(本実施形態では銅または銅合金)により形成されたT字形の厚板である。接続バスバー50は、接続部51と、補強部52とを備えている。接続部51は、T字の縦板部分をなす、細長い長方形の板である。接続部51は、入力バスバー30と出力バスバー40との間に、入力バスバー30および出力バスバー40に対して隙間を空けて配置されている。接続部51の長辺は、入力バスバー30および出力バスバー40の対向辺32A、42Aと平行になっている。補強部52は、T字の横板部分をなす、細長い長方形の板であって、接続部51の一端に、接続部51と垂直に配置されている。
【0026】
補強部52は、入力バスバー30および出力バスバー40に対して隙間を空けて配置されている。補強部52の長辺は、入力バスバー30および出力バスバー40における対向辺32A、42Aと直交する交差辺32B、42Bと平行になっている。つまり、補強部52は、入力バスバー30、接続部51、出力バスバー40の並び方向に沿って延びている。補強部52は、スイッチング基板10に予期しない大きな力が加えられた場合に、入力バスバー30と接続部51との隙間、または接続部51と出力バスバー40との隙間に沿って制御回路基板20が折れてしまわないように、制御回路基板20を補強する役割を果たしている。
【0027】
複数の第1実装窓24Aは、
図6に示すように、それぞれ、入力バスバー30と接続部51とにまたがる位置に配され、その内側に、入力バスバー30の一部と、接続部51の一部とが露出している。複数の第2実装窓24Bは、出力バスバー40と接続部51とにまたがる位置に配され、その内側に、出力バスバー40の一部と、接続部51の一部とが露出している。
【0028】
半導体スイッチング素子60A、60Bは、パワーMOSFETであって、ハウジング61と、このハウジング61に設けられたドレイン端子62、ソース端子63およびゲート端子64を備えている。ドレイン端子62はハウジング61の下面に配置されている。また、ソース端子63およびゲート端子64は、ハウジング61の側面から突出している。
【0029】
図4および
図6に示すように、6つの半導体スイッチング素子60A、60Bのうち3つの半導体スイッチング素子(第1半導体スイッチング素子60A)は、一組の第1素子群65Aを構成している。6つの半導体スイッチング素子60A、60Bのうち残り3つの半導体スイッチング素子(第2半導体スイッチング素子60B)は、一組の第2素子群65Bを構成している。
【0030】
第1半導体スイッチング素子60Aは、それぞれ、第1実装窓24Aの内側に配置されている。そして、第1実装窓24Aの内側に露出している入力バスバー30の一部にドレイン端子62が、接続部51の一部にソース端子63がそれぞれ接続されている。ゲート端子64は、制御回路基板20上の制御回路22に接続されている。同様に、第2半導体スイッチング素子60Bは、それぞれ、第2実装窓24Bの内側に配置されている。そして、第2実装窓24Bの内側に露出している出力バスバー40の一部にドレイン端子62が、接続部51の一部にソース端子63がそれぞれ接続され、制御回路22にゲート端子64が接続されている。接続は、例えばリフローはんだ技術等を用いて、はんだHにより行うことができる。
【0031】
このように配置されることによって、並列に接続された3つの半導体スイッチング素子60A、60Bが1組とされ、2組の半導体スイッチング素子60A、60Bが直列に接続される。2組の半導体スイッチング素子60A、60Bは、互いに背中合わせ(back to back)に配置されている。
【0032】
複数の半導体スイッチング素子60A、60Bを1組とするのは、大電流に対応するためである。つまり、複数の半導体スイッチング素子60A、60Bを並列に接続することによって、電源回路に流すことのできる電流の総量を大きくできる。
【0033】
2組の半導体スイッチング素子60A、60Bを背中合わせに配置するのは、以下の理由による。
【0034】
一般に、MOSFETを用いたスイッチでは、pn接合による寄生ダイオードがソース−ドレイン間に生成される。したがって、ゲートをオフしてもソース側からドレイン側へこの寄生ダイオードを通じて電流が流れるため、ソース側からドレイン側への信号をオフすることができない。このため、メインバッテリ90よりも補助バッテリ91の電圧が高くなった時(アイドリングストップ時など)に、スイッチがオフになっているにもかかわらず、寄生ダイオードを通って電流が補助バッテリ91からメインバッテリ90に流れ込んでしまうことがある。2組のMOSFETを、上記寄生ダイオードの向きが反対になるように直列に接続することによって、双方向の電流を遮断することが可能となる。
【0035】
入力バスバー30には、メインバッテリ90につながるハーネス70Aと接続された締結端子71Aが、ボルト挿通孔31に挿通された電源端子72A(スタッドボルト)と、この電源端子72Aの先端に締め付けられたナット73Aとによって固定される。また、出力バスバー40には、補助バッテリ91につながるハーネス70Bと接続された締結端子71Bが、ボルト挿通孔41に挿通された電源端子72B(スタッドボルト)と、この電源端子72Bの先端に締め付けられたナット73Bとによって固定される。
【0036】
ケーシング80は、上部ケース81と下部ケース82とを備えている。下部ケース82は、スイッチング基板10の外形よりも一回り大きい外形を有するトレイ状のケースである。下部ケース82の内部に、スイッチング基板10が収容される。上部ケース81は、下部ケース82とほぼ同じ外形を有するトレイ状のケースであって、下部ケース82の内部に収容されたスイッチング基板10を覆うように下部ケース82に装着されている。上部ケース81と下部ケース82とはいずれも合成樹脂により形成されている。
【0037】
(本実施形態の効果)
本実施形態によれば、メインバッテリ90と補助バッテリ91との間に配されるスイッチング基板10に必要なバスバー30、40、50、制御回路基板20、および半導体スイッチング素子60A、60Bをシンプルにレイアウトすることができ、簡易な構成のスイッチング基板10を提供できる。また、接続バスバー50が接続部51と補強部52とを備えているから、シンプルな構成で、接続バスバー50に補強の役目を担わせることができる。この補強の効果により、例えばリフローはんだ実装工程で制御回路基板20に反りが発生することを抑制できる。
【0038】
<変形例>
本発明の変形例を
図11〜
図13を参照しつつ説明する。本変形例のスイッチング装置100は、スイッチング基板101が放熱板102を備え、ケーシング103の上部ケース104が放熱板102を外部に露出させるための放熱窓105を備えている点を除き、実施形態と同様の構成である。スイッチング装置100において、実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0039】
放熱板102は、金属により形成された矩形の板であって、バスバー30、40、50において制御回路基板20が配置されている面とは逆側の面に重なっている。放熱板102の外形は、スイッチング基板10上において、複数の半導体スイッチング素子60A、60Bのすべてが配置された領域をカバーする大きさとなっている。
【0040】
放熱窓105は、上部ケース104において放熱板102に対向する面から、その逆側の面まで貫通する矩形の開口であって、この放熱窓105から放熱板102が外部に臨んでいる。
【0041】
上記のような構成によれば、スイッチング基板101を大型化することなく、効率的に放熱できる。
【0042】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、接続バスバー50が接続部51と補強部52とを備えるT字形の板であったが、接続バスバーは必ずしもT字形でなくてもよく、例えば、補強部を有しないI字形の板であってもよい。また、接続部は必ずしも入力バスバーと出力バスバーとの間に配置されていなくても構わない。
【0043】
(2)上記実施形態では、補助電源は補助バッテリ91であったが、補助電源としては、例えば、二次電池、電気二重層キャパシタなどの蓄電装置を使用できる。
【0044】
(3)上記実施形態では、実装窓24A、24Bおよび半導体スイッチング素子60A、60Bは3つが1組とされていたが、1組を構成する半導体スイッチング素子の数は2つまたは4つ以上であっても構わない。同様に、1組を構成する実装窓の数は2つまたは4つ以上であっても構わない。
【符号の説明】
【0045】
10、101…スイッチング基板
11…回路構成体
20…制御回路基板
21…絶縁板
22…制御回路
24A…第1実装窓
24B…第2実装窓
30…入力バスバー
40…出力バスバー
50…接続バスバー
51…接続部
52…補強部
60A…第1半導体スイッチング素子
60B…第2半導体スイッチング素子
62…ドレイン端子
63…ソース端子
64…ゲート端子
90…メインバッテリ(主電源)
91…補助バッテリ(補助電源)
102…放熱板