【解決手段】配線部材10は、外装部材20と、導体芯線12と、を備える。前記外装部材20は、間隔をあけて対向する複数の板状部材22と、前記複数の板状部材22の間の空間を仕切り、前記複数の板状部材22の間の空間に少なくとも1つの筒部28を形成する介在部材24と、を含む。前記導体芯線12は、前記外装部材20の前記筒部28に収容される。
間隔をあけて対向する複数の板状部材と、前記複数の板状部材の間の空間を仕切り、前記複数の板状部材の間の空間に少なくとも1つの筒部を形成する介在部材と、を含む外装部材と、
前記外装部材の前記筒部に収容される導体芯線と、
を備える、配線部材。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、配線部材が電線の被覆層と外装部材とを備える場合、配線部材の重量が重くなる等の問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、導体芯線を備える配線部材において、十分な保護性能を保ちつつ、軽量化及び細径化を図ることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、第1の態様に係る配線部材は、間隔をあけて対向する複数の板状部材と、前記複数の板状部材の間の空間を仕切り、前記複数の板状部材の間の空間に少なくとも1つの筒部を形成する介在部材と、を含む外装部材と、前記外装部材の前記筒部に収容される導体芯線と、を備える。
【0007】
第2の態様に係る配線部材は、第1の態様に係る配線部材であって、前記筒部は、その内周面と前記導体芯線との間の少なくとも一部に隙間が生じるように形成されている。
【0008】
第3の態様に係る配線部材は、第1の態様に係る配線部材であって、前記筒部は、その内周面と前記導体芯線との間が全体的に密着するように形成されている。
【0009】
第4の態様に係る配線部材は、第1〜第3のいずれか1つの態様に係る配線部材であって、前記導体芯線は、複数の素線が撚り合わされた撚り線である。
【0010】
第5の態様に係る配線部材は、第1〜第4のいずれか1つの態様に係る配線部材であって、前記外装部材に前記筒部が複数形成され、複数の前記筒部に前記導体芯線が収容されている。
【発明の効果】
【0011】
第1〜第5の態様に係る配線部材によると、外装部材の筒部に直接導体芯線が収容されるため、導体芯線を備える配線部材において、十分な保護性能を保ちつつ、軽量化及び細径化を図ることができる。
【0012】
特に、第2の態様に係る配線部材によると、筒部は、その内周面と導体芯線との間の少なくとも一部に隙間が生じるように形成されているため、放熱性を高めることができる。
【0013】
特に、第3の態様に係る配線部材によると、筒部は、その内周面と導体芯線との間が全体的に密着するように形成されているため、外部から筒部の孔の内部に異物が侵入しにくくなる。これにより、導体芯線の傷つきを抑制することができる。
【0014】
特に、第4の態様に係る配線部材によると、導体芯線は、複数の素線が撚られた撚り線であるため、柔軟性に優れ、曲げやねじれに強い。このため、振動等に強い配線部材を得ることができる。
【0015】
特に、第5の態様に係る配線部材によると、外装部材に筒部が複数形成され、複数の筒部に導体芯線が収容されているため、1つの配線部材が複数の導電ラインを備えることができる。これにより、複数の導電ラインを束ねる作業を省略することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
{実施形態}
以下、実施形態に係る配線部材10について説明する。
図1は、実施形態に係る配線部材10を示す斜視図である。
図2は、実施形態に係る配線部材10を示す正面図である。
【0018】
実施形態に係る配線部材10は、導体芯線12と外装部材20とを備える。配線部材10は、自動車等に配設され、複数の電子機器を電気的に接続するための部材である。具体的には、導体芯線12の端部に端子が取り付けられ、コネクタ、ジャンクションボックス、リレーボックス等の接続対象に対して、端子部分が挿入されることにより接続される。
【0019】
導体芯線12は、一本又は複数本の素線14によって構成される部分である。複数本の素線14によって構成される場合は、後述する変形例で詳しく説明する。ここでは導体芯線12は一本の素線14によって構成されているものとする。この導体芯線12は、延在方向に直交する断面視において略円形に構成されている。導体芯線12を構成する素線14は、銅(銅合金を含む)又はアルミニウム(アルミニウム合金を含む)等で形成されている。また、導体芯線12は、外周に押出成形による被覆層が設けられておらず、導体部分が剥き出しになっている。つまり、導体芯線12は、いわゆる裸電線である。
【0020】
外装部材20は、導体芯線12の中間部を保護する部材である。外装部材20は、複数の板状部材22と、少なくとも1つの介在部材24と、を含む。
【0021】
板状部材22は、薄板状に形成されている。複数の板状部材22は、間隔をあけて対向するように設けられている。具体的には、ここでは、一対の板状部材22がその主面同士が平行な状態で対向するように設けられている。
【0022】
介在部材24は、複数の板状部材22の間の空間を仕切るように設けられている。そして、介在部材24は、複数の板状部材22の間の空間に少なくとも1つの筒部28を形成するように設けられている。
【0023】
具体的には、ここでは、介在部材24は、凹凸形状を呈する板状に形成された部材である。かかる介在部材24が、一対の板状部材22に挟み込まれた状態で、当該板状部材22の内向き面に接合される。板状部材22と介在部材24との接合は、例えば、接着剤又は粘着剤等により行われる。これにより、介在部材24が呈する凹凸形状に応じた筒部28が一対の板状部材22の間に形成される。
【0024】
より具体的には、ここでは、介在部材24は、山部26と谷部27とが波状に連続する形状に形成されている。山部26の延在方向と谷部27の延在方向とは平行な位置関係にある。従って、介在部材24を平面視すると、複数の山部26と複数の谷部27とが交互に並列状に形成された構成とされている。山部26の頂部と谷部27の底部とは、湾曲していてもよいし、所定の角度をなして曲がっていてもよい。
【0025】
そして、介在部材24が一対の板状部材22の間に挟み込まれ、谷部27の底部の下面と下側の板状部材22の内向き面とが接合されるとともに、山部26の頂部の上面と上側の板状部材22の内向き面とが接合されている。これにより、一対の板状部材22の間の空間に両端に開口部を有する筒部28が複数形成されている。つまり、ここでは、介在部材24と板状部材22との内周面によって囲まれる空間が筒部28の孔となっている。そして、この筒部28にその両端の開口部から延出する態様で導体芯線12が収容されている。
【0026】
なお、導体芯線12が筒部28に収容された状態で、導体芯線12のうち筒部28から外に延びる部分については、外部に露出しないことが好ましい。筒部28の外に位置する導体芯線12が外部に露出しないようにするには、例えば、筒部28の端部付近ですぐに導体芯線12の端部に端子が設けられるようにするとよい。又は、筒部28の外に位置する導体芯線12の外周に絶縁テープが巻かれる等により絶縁処理が施されてもよい。このように、導体芯線12のうち筒部28から外に延びる部分を外部に露出しないようにすることで、導体芯線12の傷つきを抑制でき、且つ、電気的接続性を高めることができる。
【0027】
筒部28が複数形成されていることは必須ではない。例えば、介在部材24に山部26が1つと谷部27が2つ形成されることにより、筒部28が1つのみ形成されていてもよい。
【0028】
また、筒部28が複数形成されている場合でも、すべての筒部28の導体芯線12が収容されることは必須ではない。つまり、導体芯線12が収容されない筒部28が存在してもよい。この場合、複数の筒部28に選択的に導体芯線12が収容される。また、この場合、外装部材20のうち導体芯線12が収容されない部分については、切断等によって除去されることが好ましい。これにより、配線部材10を軽量化することができる。
【0029】
ここでは、板状部材22及び介在部材24は、樹脂等の絶縁材料により形成されている。もっとも、少なくとも筒部28の内周面(ここでは、板状部材22及び介在部材24の内向きの面)が絶縁状態になっていれば、板状部材22及び介在部材24を形成する材質は、特に限定されない。板状部材22及び介在部材24は、紙によって形成されていてもよいし、樹脂によって形成されていてもよいし、また、これらの組み合わせによって構成されていてもよい。板状部材22又は介在部材24が非絶縁材料で形成されている場合、筒部28の内周面となる部分が絶縁コーティングされていればよい。
【0030】
なお、板状部材22と介在部材24とは、同じ材料で形成されていてもよいし、別の材料で形成されていてもよい。板状部材22と介在部材24とが同じ材料で形成される場合、例えば、後述する第3変形例に係る外装部材20Cのように押出成形で一体成型すると、外装部材を容易に形成することができる。
【0031】
筒部28が複数形成される場合、筒部28のピッチは、介在部材24の厚み及び山部26(又は谷部27)の間隔等によって決定される。この筒部28のピッチは、収容される導体芯線12の端部に圧着される端子の大きさ等により適宜設定される。この際に、筒部28に導体芯線12を直接収容するため、絶縁樹脂の被覆層が設けられた従来の電線を収容する場合に比べてピッチを狭めることができる。これにより、配線部材10を細径化することができる。
【0032】
また、筒部28の大きさは、板状部材22間の間隔(谷部27から山部26までの高さ)、介在部材24間の間隔及び介在部材24と板状部材22との成す角の大きさ等によって決定される。この筒部28の大きさは、収容される導体芯線12の径の大きさ等により適宜設定される。
【0033】
ここでは、筒部28の大きさは、導体芯線12の径の大きさと同程度に形成されているが、介在部材24が波形状であるため、導体芯線12と筒部28の内周面との間に一部隙間が生じている。これにより、配線部材の放熱性を高めることができる。
【0034】
なお、筒部28が複数形成される場合、筒部28のピッチ及び筒部28の大きさは、すべて同じであることは必須ではない。例えば、後述する第2変形例のように、1つの外装部材に大きさの異なる複数種類の筒部が形成されていてもよい。
【0035】
このような外装部材20によると、複数の板状部材22が間隔をあけて介在部材24によって連結されているため、曲がりにくい。また、板状部材22間に介在部材24が介在しているため、当該介在部材24によっても外装部材20が曲がりにくく、且つ、凹みにくいように補強される。特に本例では、山部26及び谷部27の延在方向において、外装部材20が曲がりにくいようにすることができる。よって、本外装部材20は強度的に優れる。
【0036】
また、山部26及び谷部27は、その延在方向に沿って全体的に板状部材22と接合されている。これにより、複数の筒部28は、その内部(両端側の開口部を除く中間部分)において、周囲が囲まれている。このため、筒部28の内部の導体芯線12が他の部材と接触することを抑えることができる。また、複数の筒部28に導体芯線12がそれぞれ収容された場合でも、筒部28の内部において、複数の導体芯線12が接触し合うことを抑えることができる。従って、本外装部材20は、内部に収容された導体芯線12の傷つきを抑えることができる。また、本外装部材20に収容された導体芯線12は、電気的接続性に優れる。
【0037】
<製造方法>
次に、本実施形態に係る配線部材10の製造方法について説明する。
【0038】
まずは、上記外装部材20の一製造例について説明しておく。
【0039】
介在部材24は、例えば、平板状の部材を、凹凸面を有するプレス型の間に挟み込むことで形成することができる。例えば、帯状をなす平板状の部材を所定の搬送路に沿って連続的に供給するとともに、当該搬送路に沿って一対のローラを配設する。この一対のローラの表面には、凹凸形状を形成しておく。そして、帯状をなす平板状の部材を所定の搬送路に沿って搬送しつつ、当該平板状の部材を一対のローラで連続的に挟み込んでいくことで、介在部材24を連続的に形成することができる。
【0040】
また、上記搬送路に沿って、一対のローラの下流側に、一対の帯状の板状部材22を連続的に供給して、当該一対の帯状の板状部材22の間に介在部材24を順次挟み込んで接着剤等で接合していく。これにより、外装部材20を連続的に製造することができる。
【0041】
次に、外装部材20に導体芯線12を配設する工程について説明する。
【0042】
外装部材20に導体芯線12を収容するには、例えば、筒部28の一端側開口部から内部に導体芯線12の先端部を挿入し、他端側開口部まで送り出してやればよい。
【0043】
収容された導体芯線12は、ここでは、接着剤で外装部材20に固定される。もっとも、収容された導体芯線12が接着剤で外装部材20に固定されることは必須ではない。しかしながら、例えば、筒部28の大きさが収容される導体芯線12よりも小さくなるように形成される等により、外装部材20と導体芯線12とが導体芯線12の延在方向及び径方向にずれないようになっていることが好ましい。
【0044】
以上のようにして順次所定の筒部28に導体芯線12を収容する。これにより、本実施形態に係る配線部材10を得ることができる。
【0045】
<効果>
本実施形態に係る配線部材10によると、外装部材20の筒部28に導体芯線12が直接収容されるため、導体芯線12を備える配線部材10において、十分な保護性能を保ちつつ、軽量化及び細径化を図ることができる。
【0046】
また、筒部28は、その内周面と導体芯線12との間の少なくとも一部に隙間が生じるように形成されているため、放熱性を高めることができる。
【0047】
また、外装部材20に筒部28が複数形成され、複数の筒部28に導体芯線12が収容されているため、1つの配線部材10が複数の導電ラインを備えることができる。これにより、複数の導電ラインを束ねる作業等を省略することができる。
【0048】
{変形例}
次に、実施形態に係る配線部材10の変形例について説明する。なお、以下の各変形例の説明において、実施形態で説明したものと同様構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0049】
<第1変形例>
まずは、第1変形例に係る配線部材10Aについて説明する。
図3は、第1変形例に係る配線部材10Aを示す部分正面図である。第1変形例に係る配線部材10Aは、導体芯線12Aの形状が、実施形態に係る配線部材10の導体芯線12の形状とは異なる。
【0050】
具体的には、第1変形例に係る配線部材10Aの導体芯線12Aは、複数の素線14が撚り合わされた撚り線16で構成されている。ここでは、7本の素線14が撚り合わされているが、撚り合わされる素線14の本数は適宜設定される事項である。また、ここでは、7本の素線14として、導体径がすべて等しいものが用いられているが、一部の素線14の導体径は異なっていてもよい。
【0051】
かかる撚り線16としては、例えば、1本の素線14の周囲に6本の素線14を螺旋状に撚り合わせることで製造することができる。
【0052】
第1変形例に係る配線部材10Aによっても、実施形態に係る配線部材10と同様の効果を得ることができる。
【0053】
また、第1変形例に係る配線部材10Aによると、導体芯線12Aとして撚り線16が用いられているため、柔軟性に優れ、曲げやねじれに強い。このため、振動等に強い配線部材10Aを得ることができる。
【0054】
<第2変形例>
次に、第2変形例に係る配線部材10Bについて説明する。
図4は、第2変形例に係る配線部材10Bを示す部分正面図である。第2変形例に係る配線部材10Bは、外装部材20Bの形状が、実施形態に係る配線部材10の外装部材20の形状とは異なる。
【0055】
第2変形例に係る外装部材20Bに形成される筒部28Bは、ここでは、筒部28Bの延在方向に直交する方向に沿って切断した断面において径の異なる大径筒部29aと小径筒部29bとを含む。これにより、1つの外装部材20Bで、径の異なる複数種類の導体芯線に対応することができる。
【0056】
具体的には、ここでは、介在部材24Bは、同様の凹凸形状が形成された上側の介在部材25aと下側の介在部材25bとを含む。そして、この2つの介在部材25a,25bが一対の板状部材22の間に挟み込まれている。
【0057】
より具体的には、上側の介在部材25aのうち上に凸となっている部分が上側の板状部材22と接合され、下側の介在部材25bのうち下に凸となっている部分が下側の板状部材22と接合されている。そして、上側の介在部材25aのうち下に凸となっている部分と、下側の介在部材25bのうち上に凸となっている部分とが接合されている。これにより、上側の介在部材25aと上側の板状部材22との間、及び、下側の介在部材25bと下側の板状部材22との間に小径筒部29bが形成されるとともに、上側の介在部材25aと下側の介在部材25bとの間に大径筒部29aが形成されている。
【0058】
もっとも、形成される筒部28Bの径の種類は、2種類に限られるものではなく3種類以上であってもよい。例えば、凹凸形状が形成された複数の介在部材24のうち、一部の介在部材24の凹部から凸部までの高さを変えることにより、筒部の大きさの異なるものを形成することができる。
【0059】
第2変形例に係る配線部材10Bによっても、実施形態に係る配線部材10と同様の効果を得ることができる。
【0060】
また、第2変形例に係る配線部材10Bによると、筒部28Bが、径の異なる大径筒部29aと小径筒部29bとを含むため、1つの外装部材20Bで、径の異なる複数種類の導体芯線に対応することができる。
【0061】
<第3変形例>
次に、第3変形例に係る配線部材10Cについて説明する。
図5は、第3変形例に係る配線部材10Cを示す部分切欠き斜視図である。第3変形例に係る配線部材10Cは、外装部材20Cの形状が実施形態に係る配線部材10の外装部材20の形状とは異なる。
【0062】
具体的には、第3変形例に係る外装部材20Cの介在部材24Cは、細長い板状に形成されるとともに、一対の板状部材22に直交するように設けられている。そして、複数の介在部材24Cが相互間に間隔をあけた並列状態で設けられている。これにより、外装部材20Cは、はしご状断面を有する形状に形成されている。また、各介在部材24Cの間の空間に断面長方形状の筒部28Cがそれぞれ形成されている。
【0063】
ここでは、外装部材20Cは、板状部材22と介在部材24Cとが樹脂材料により一体成型されている。このような、外装部材20Cは、例えば、上記はしご状断面に応じた押出孔から樹脂を押し出す押出成形装置によって、連続的に製造することができる。これにより、外装部材20Cを、容易に、低コストで製造することができる。
【0064】
なお、複数の板状部材22間に介在する介在部材24Cによって形成される筒部28Cの断面形状は、長方形に限られるものではない。例えば、介在部材24Cを板状部材22に直交する状態から若干傾けた状態とすることで、換言すると介在部材24Cと板状部材22との間の角度を90度以外の角度とすることで、筒部28Cの断面を三角形状、平行四辺形状又は台形状等にすることができる。また、介在部材24Cを、一方の板状部材22から他方の板状部材22に向かう途中で屈曲させることで、筒部28Cの断面形状を五角形以上の多角形にすることもできる。
【0065】
第3変形例に係る配線部材10Cによっても、実施形態に係る配線部材10と同様の効果を得ることができる。
【0066】
また、第3変形例に係る配線部材10Cによると、外装部材20Cが樹脂材料により一体成型されているため、外装部材20Cを、容易に、低コストで製造することができる。
【0067】
<第4変形例>
次に、第4変形例に係る配線部材10Dについて説明する。
図6は、第4変形例に係る配線部材10Dを示す部分正面図である。第4変形例に係る配線部材10Dは、外装部材20Dの形状が実施形態に係る配線部材10の外装部材20の形状とは異なる。
【0068】
具体的には、第4変形例に係る外装部材20Dの介在部材24Dは、第3変形例に係るはしご状断面を有する外装部材20Cの介在部材24Cの両側面に半円形状の凹部が形成された形状に形成されている。これにより、筒部28Dの断面形状が円形になるように形成されている。
【0069】
この円形の筒部28Dの径が、収容する導体芯線12の径と同じかそれよりも小さく(ここでは、若干小さく)なるように設定されている。これにより、導体芯線12を筒部28Dに収容した状態で、筒部28Dの内周面と導体芯線12の外周面とが周方向及び長手方向に亘って全体的に密着し、筒部28Dの内周面と導体芯線12の外周面との間に隙間がなくなる。
【0070】
このような、外装部材20Dは、外装部材20Cと同様に、断面形状に応じた押出孔から樹脂を押し出す押出成形装置によって、連続的に製造することができる。
【0071】
なお、筒部28Dの断面形状は、筒部28Dの内周面と導体芯線12の外周面とが周方向及び長手方向に亘って全体的に密着するものであれば、真円形に限られるものではなく、例えば、楕円形等でもよい。
【0072】
第4変形例に係る配線部材10Dによっても、外装部材の内周面と導体芯線の外周面との間に隙間が生じていることによる効果以外の効果については、実施形態に係る配線部材10と同様の効果を得ることができる。
【0073】
また、第4変形例に係る配線部材10Dによると、筒部は、その内周面と導体芯線との間が全体的に密着するように形成されているため、外部から筒部の孔の内部に異物が侵入しにくくなる。これにより、導体芯線の傷つきを抑制することができる。
【0074】
また、第3変形例に係る外装部材20Cと同様に、外装部材20Dが樹脂材料により一体成型されているため、外装部材20Dを、容易に、低コストで製造することができる。
【0075】
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。
【0076】
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。