特開2015-139615(P2015-139615A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-139615(P2015-139615A)
(43)【公開日】2015年8月3日
(54)【発明の名称】幼児転落防止具
(51)【国際特許分類】
   A47D 13/06 20060101AFI20150707BHJP
【FI】
   A47D13/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-14978(P2014-14978)
(22)【出願日】2014年1月29日
(71)【出願人】
【識別番号】514025971
【氏名又は名称】高橋 勇人
(71)【出願人】
【識別番号】514025982
【氏名又は名称】高橋 陽爾
(74)【代理人】
【識別番号】100148127
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 耕太
(72)【発明者】
【氏名】高橋 勇人
(72)【発明者】
【氏名】高橋 陽爾
(57)【要約】      (修正有)
【課題】テーブルとソファーとの間に設置して使用する、簡易持ち運び、簡易取り付け可能な幼児転落防止具を提供する。
【解決手段】一端に設けられた二股状部材4及び他端に設けられた当接部材5を備え、一端及び他端の間で伸縮可能な一対の支持棒2a、2bと、四隅が前記一対の支持棒2a、2bの一端側及び他端側にそれぞれ接続された布部材3と、から幼児転落防止具1を構成する。支持棒2a、2bをテーブル7とソファー8に適切な間隔を持って互いに平行に固定し支持棒2a、2bに接続された布部材3がテーブル7とソファー8の間隙を覆うことにより、幼児9がソファー8から転落することを防止する。支持棒が伸縮可能であることによって、さまざまなファミリーレストランに取付可能である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端に設けられた二股状部材及び他端に設けられた当接部材を備え、前記一端及び他端の間で伸縮可能な一対の支持棒と、
四隅が前記一対の支持棒の一端側及び他端側にそれぞれ接続された布部材と、
を有し、
前記一対の支持棒を互いに平行になるようにテーブルとソファーとの間に張架し、前記二股状部材をテーブルの天板の縁部に当接し、前記当接部材をソファーの座面と背もたれとの境目に当接し、前記支持棒が下方に外れない状態になるように伸縮調節し、前記布部材がテーブルの天板の縁部とソファーの座面との間の間隙を覆う、幼児転落防止具。
【請求項2】
前記支持棒と前記布部材の側縁部との間に側部脱落防止部材が張架された、請求項1記載の幼児転落防止具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファミリーレストランなどのソファーで使用される、幼児の転落防止具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ファミリーレストランなどのソファーに幼児を座らせる、寝かせる等した場合、幼児がソファーから転落する危険性が存在した。そのため、母親は幼児を抱えながら食事を取る等しなければならず、食事その他の行動に支障が生じていた。
【0003】
特許文献1によれば、乳幼児を、安全に為の付属品が付いていない大人用の椅子に座らせる場合に、乳幼児の動きや着座姿勢を規制して椅子からの落下を防ぐことができる、椅子用乳幼児落下防止具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-346662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の幼児用落下防止具は、大人用椅子に固定して使用するものであり、本発明のようにファミリーレストランなどのソファーに取り付けて使用することは想定されておらず、実際に、ソファーに取り付けて使用することもできない。
本発明は、ファミリーレストランなどにおいて幼児がソファーから転落するのを防止する、幼児用転落防止用具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、本発明によれば、一端に設けられた二股状部材及び他端に設けられた当接部材を備え、一端及び他端の間で伸縮可能な一対の支持棒と、四隅が一対の支持棒の一端側及び他端側にそれぞれ接続された布部材と、を有し、一対の支持棒を互いに平行になるようにテーブルとソファーとの間に張架し、二股状部材をテーブルの天板の縁部に当接し、当接部材をソファーの座面と背もたれとの境目に当接し、支持棒が下方に外れない状態になるように伸縮調節し、布部材がテーブルの天板の縁部とソファーの座面との間の間隙を覆う、幼児転落防止具により、達成される。なお、ここで、布部材とは、布の他、網、ネット、樹脂製シートなど、柔軟なシート状の部材を含む。
【0007】
本発明の幼児転落防止具は、好ましくは、支持棒と布部材の側縁部との間に側部脱落防止部材が張架されている。ここで、側部脱落防止部材とは、網、ネット、布、紐、樹脂製シートなど、柔軟な部材を含む。
【発明の効果】
【0008】
上記構成によれば、一対の支持棒が互いに平行になるようにテーブルとソファーとの間に張架され、二股状部材がテーブルの天板の縁部に当接し、当接部材がソファーの座面と背もたれとの境目に当接し、支持棒が下方に外れない状態になるよう伸縮調節され、布部材がテーブルの天板の縁部とソファーの座面との間の間隙を覆う。
【0009】
そして、布部材がたるみながら、受け皿となり、テーブルとソファーとの隙間の転落可能性のあるスペースを塞ぐことで、幼児がソファーの座面から転がり落ちることを防ぐ。
【0010】
このようにして、本発明によれば、幼児がソファーから転落することを防止する、幼児転落防止具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第一実施形態の幼児転落防止具を示す斜視図である。
図2図1のうち支持棒を示す斜視図である。
図3図1の幼児転落防止具をテーブルとソファーとの間に取り付けた状態を示す斜視図である。
図4図3の状態を示す断面図である。
図5図4の状態を一部拡大して示す図である。
図6】第二実施形態の幼児転落防止具を示す斜視図である。
図7図5の二股状部材の形をコの字型にした実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1から図5は本発明の幼児転落防止具の第一実施形態を示すものである。
図1は、幼児転落防止具1の斜視図である。図1に示すように、幼児転落防止具1は一端に設けられた二股状部材4及び他端に設けられた当接部材5を備え、一端及び他端の間で伸縮可能な一対の支持棒2と、四隅が前記一対の支持棒の一端側及び他端側にそれぞれ接続された布部材3と、から構成されている。
【0013】
図2は、支持棒2の斜視図である。支持棒2は、細いパイプ21、太いパイプ22、長さ調節機構23、テーブル側のストッパー24a、ソファー側のストッパー24bによって構成される。細いパイプ21及び太いパイプ22は、例えば、アルミのように軽量かつ丈夫な筒状部材であり、細いパイプ21の一部が太いパイプ22に挿入されることによって、一つの支持棒2となり、長さ調節機構23のネジ23aが締まることによって両パイプが接続、固定される。
【0014】
支持棒2の長さを短くしたいときは、長さ調節機構23のネジ23aを一旦緩め、細いパイプ21を更に中に入れて全体の長さを短縮してから、長さ調節機構23のネジを締める。長くしたいときには、長さ調節機構23のネジ23aを一旦緩め、細パイプ21を一部出して全体の長さを延長してから、長さ調節機構23のネジ23aを締める。以上の操作によって、支持棒2を最適な長さに調節することができる。
【0015】
支持棒2は、45cm〜65cm程度の範囲で伸縮可能である。これは、幼児転落防止具1の取り付け対象であるファミリーレストラン等のテーブルの天板の縁部と、ソファーの座面と背もたれとの境目との距離が一定ではないことによる。支持棒2が伸縮することによって、さまざまなファミリーレストラン等に適用可能となる。
【0016】
図2に示すように、支持棒2は、テーブル側である一端に設けられた二股状部材4と、ソファー側である他端に設けられた当接部材5と備えている。二股状部材4は、L字状の直角な金属部材であるL字金具41とその内側に固着されたゴムなどの弾性体であるクッション部材42とによって構成されている。L字金具41は、曲がり部分の外側が支持棒2の一端側に接続されている。
【0017】
図4図5にθ3で示す二股状部材4の角部の角度は90°である。これにより、クッション部材42がテーブル天板の下縁部に密着する。
【0018】
図4図5で示すように、幼児転落防止具1を設置した状態において支持棒2とソファー8の座面とはθ5の角度をなしている。θ5は、各ファミリーレストラン等のテーブルとソファーの配置により決定される数値である。一般的なファミリーレストラン等において角度θ5は27°から35°の範囲にあり、その平均値は31°であるため、θ5=31°とすることができる。θ5とθ1〜θ4とは、θ1=90+θ5、θ2=180−θ5、θ4=90−θ5、という関係にあるから、θ1=121°、θ2=149°、θ4=59°、θ5=31°となる。これらの角度(θ1、θ2)をもって、二股状部材4を支持棒2の一端に設けることにより、様々なファミリーレストラン等においてクッション部材42がテーブル天板の下縁部に密着しやすい。
【0019】
二股状部材4の上端42aから当接部材5までの長さは、テーブルの天板の下縁7aから当接部材5までの距離よりも長い。仮に、二股状部材4の上端42aから当接部材5までの長さがテーブルの天板の下縁7aから当接部材5までの距離よりも短い場合には二股状部材4が下方へ倒れてしまう。ソファーの弾性も考慮し、二股状部材4の上端42aから当接部材5までの長さが、テーブルの天板の下縁7aから当接部材5までの距離よりもある程度長くなるように、二股状部材4の大きさが設定される。
【0020】
当接部材5は、ゴムなどの弾性のある素材で構成されており、形は卵形である。この当接部材5がソファー8の座面と背もたれとの境目に当接したときに、当接部分に摩擦が働くことにより、支持棒2がずれてしまうことを防ぐ。
【0021】
布部材3は、長方形の布地その他生地からなる部材である。布部材3の横幅は、幼児9を寝かせたときに幼児9がその中に収まるために最適な長さであり、例えば、1mである。布部材3の縦幅は、支持棒2に布部材3が取り付けられた場合に、布部材3の長さが余ることで布部材3がたるみ、これが幼児9の受け皿となるよう、最適な長さであり、例えば、80cmである。
布部材3は、四隅に穴31,穴32,穴33,穴34を有する。穴31及び穴32には手前側の支持棒2aの一端側及び他端側が挿通され、穴33及び穴34には奥側の支持棒2bの一端側及び他端側が挿通され、布部材3が支持棒2に接続される。各支持棒2には、ストッパー24a及び24bが、穴31及び穴32(穴33及び穴34)の内側に設けられ、布部材3の四隅が支持棒2の内側方向に移動してしまうことを防ぐ。
【0022】
図3は、幼児転落防止具1をテーブルとソファーに取り付けた状態を示す斜視図である。幼児転落防止具1を取り付けるテーブル7とソファー8は、双方とも床に固定され、容易には動かせないものであることが望ましい。可動式のテーブル等で幼児転落防止具1を使用すると、幼児転落防止具1が不安定となってしまう。
【0023】
以下、幼児用転落防止具1の取り付け方を説明する。まず、片方の支持棒2aのソファー8側の一端に設けられた当接部材5をソファー8の座面と背もたれとの境目に押し込むようにして固定する。そして、長さ調節機構23のネジ23aを緩め、支持棒2の長さを調節しながら、支持棒2aのテーブル7側の一端に接続された二股状部材4をテーブル7の天板の下縁部に密着させ、支持棒2を可能な限り延ばして、長さ調節機構23のネジ23aを締める。もう一本の支持棒2bについても、支持棒2aに対して平行に、かつ適切な間隔を維持した状態で、同様に取り付ける。各支持棒2を上から押してみて、はずれない程度に固定された状態で、布部材3をテーブル7の天板とソファー8との間の隙間を塞ぐようにたるませた状態にする。以上により、幼児転落防止具1の取り付けが完了する。
【0024】
幼児9は、図3のように本発明の中に配置する。幼児9がもし寝返りなどを打ってソファー8とテーブル7との間隙に転落したとしても、2本の支持棒2が突っ張って、それに接続した布部材3が受け皿となり、幼児9を転落から救う。
【0025】
本発明である幼児転落防止具1は、上述したように、簡易に取り付け可能である。また、幼児転落防止具1を取り付けていない時は、2本の支持棒2をまとめ、その周りに布部材3を巻き付けるなどして全体をコンパクトなサイズとすることができ、簡易に持ち運び可能である。
【0026】
図6は、本発明の第二実施形態を示し、側部脱落防止部材6を、幼児転落防止具1の両側面である、支持棒2と布部材3の側縁部との間に取り付けた状態を示す斜視図である。側部脱落防止部材6は、支持棒2と布部材3の側縁部との間に互いに平行に張架された複数の紐である。側部脱落防止部材6を張架することで、幼児転落防止具1の側面が覆われ、幼児転落防止具1の側面からの幼児9の転落を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明の幼児転落防止具1に使用される素材や形状は、本発明の効果を奏する限り、上記に限定されない。例えば、布部材3はネットや樹脂製シートなどでもよい。側部脱落防止部材6は、支持棒2と布部材3の側縁部との間に張架された布やネットであってもよい。支持棒2の伸縮機構は他の伸縮機構であってもよい。支持棒2はプラスチック製などでもよい。θ3で示す二股状部材4の角部の角度は鋭角や鈍角でもよい。また、図7に示すように、二股状部材は、コの字型でテーブルの天板の下縁部から上縁部を覆うような形であってもよい。また、本発明の幼児転落防止具1は、ファミリーレストラン等のソファーだけでなく、例えば、自宅のソファーや椅子に固定して使用することができる。
【符号の説明】
【0028】
1 幼児転落防止具
2 支持棒
2a 手前側の支持棒
2b 奥側の支持棒
3 布部材
4 二股状部材
5 当接部材
6 側部脱落防止部材
7 テーブル
7a テーブルの天板の下縁部
8 ソファー
9 幼児
21 細いパイプ
22 太いパイプ
23 長さ調節機構
24a ストッパー(テーブル側)
24b ストッパー(ソファー側)
31 穴(手前側、テーブル側)
32 穴(手前側、ソファー側)
33 穴(奥側、テーブル側)
34 穴(奥側、ソファー側)
41 二股状部材の金属部分
42 二股状部材の弾性部分
42a 二股状部材の弾性部分とテーブルとの接触部分の上端
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7