特開2015-139745(P2015-139745A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2015139745-炭酸水生成装置 図000003
  • 特開2015139745-炭酸水生成装置 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-139745(P2015-139745A)
(43)【公開日】2015年8月3日
(54)【発明の名称】炭酸水生成装置
(51)【国際特許分類】
   B01F 1/00 20060101AFI20150707BHJP
   B01F 3/04 20060101ALI20150707BHJP
   B01F 5/00 20060101ALI20150707BHJP
【FI】
   B01F1/00 B
   B01F3/04 Z
   B01F5/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2014-13884(P2014-13884)
(22)【出願日】2014年1月29日
(71)【出願人】
【識別番号】391060029
【氏名又は名称】株式会社ダンレイ
(74)【代理人】
【識別番号】100095245
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 嘉彦
(72)【発明者】
【氏名】太田 祐介
【テーマコード(参考)】
4G035
【Fターム(参考)】
4G035AA07
4G035AB04
4G035AC01
4G035AE13
(57)【要約】
【課題】 圧力容器と、圧力容器上部に配設された炭酸ガス吐出口と水吐出ノズルと、圧力容器の下部に配設された炭酸水吐出口とを備える炭酸水生成装置であって、炭酸ガスの気泡の排出量が抑制された炭酸水生成装置を提供する。
【解決手段】 圧力容器と、上下端が開放された状態で圧力容器内に配設された筒体と、筒体周側壁と圧力容器周側壁との間に配設され下端が圧力容器底壁に接続し両側端が圧力容器周側壁に接続し上端が筒体上端よりも下方に位置決めされた仕切壁と、筒体上方の圧力容器上部に配設された炭酸ガス吐出口と水吐出ノズルと、圧力容器内空間の仕切壁で仕切られた二つの部位中の筒体が配設されていない部位の下部に配設された炭酸水吐出口とを備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力容器と、上下端が開放された状態で圧力容器内に配設された筒体と、筒体周側壁と圧力容器周側壁との間に配設され下端が圧力容器底壁に接続し両側端が圧力容器周側壁に接続し上端が筒体上端よりも下方に位置決めされた仕切壁と、筒体上方の圧力容器上部に配設された炭酸ガス吐出口と水吐出ノズルと、圧力容器内空間の仕切壁で仕切られた二つの部位中の筒体が配設されていない部位の下部に配設された炭酸水吐出口とを備えることを特徴とする炭酸水生成装置。
【請求項2】
使用時に、圧力容器内空間の仕切壁で仕切られた二つの部位の水位は同じであり、且つ筒体の上端よりも低く且つ仕切壁の上端よりも高い位置に在ることを特徴とする請求項1に記載の炭酸水生成装置。
【請求項3】
筒体内に、乱流促進手段を有する狭幅流路の集合体が配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の炭酸水生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭酸水生成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
圧力容器と、圧力容器上部に配設された炭酸ガス吐出口と水吐出ノズルと、圧力容器の下部に配設された炭酸水吐出口とを備える炭酸水生成装置が広く知られている。
上記炭酸水生成装置においては、圧力容器内に一定量貯留した水の表面に水吐出ノズルから吐出した水滴を衝突させ、圧力容器上部に溜まった炭酸ガスと水とを水面近傍で攪拌混合して炭酸水を生成し、圧力容器下部の炭酸水吐出口から炭酸水を吐出する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
圧力容器上部に溜まった炭酸ガスと水とを水面近傍で攪拌混合する際に多数の炭酸ガスの気泡が発生する。当該気泡の一部は水中に溶解し、残余部は水中に残留する。水中に残留した炭酸ガスの気泡の大部分は上昇し水面で崩壊して上空の炭酸ガスに合流するが、一部は圧力容器内の炭酸水の下降流に妨げられて上昇できず、ひいては水面まで到達し崩壊して上空の炭酸ガスに合流することができず、圧力容器内の炭酸水の下降流に随伴して圧力容器内を下降し、圧力容器下部の炭酸水吐出口から炭酸水と一緒に排出される。炭酸ガスの気泡の排出量が増えると炭酸水生成に使用される炭酸ガスの消費量が増加し、また浴室等の閉鎖空間で炭酸水が使用される際に当該閉鎖空間の環境汚染を引き起こす。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、圧力容器と、圧力容器上部に配設された炭酸ガス吐出口と水吐出ノズルと、圧力容器の下部に配設された炭酸水吐出口とを備える炭酸水生成装置であって、炭酸ガスの気泡の排出量が抑制された炭酸水生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明においては、圧力容器と、上下端が開放された状態で圧力容器内に配設された筒体と、筒体周側壁と圧力容器周側壁との間に配設され下端が圧力容器底壁に接続し両側端が圧力容器周側壁に接続し上端が筒体上端よりも下方に位置決めされた仕切壁と、筒体上方の圧力容器上部に配設された炭酸ガス吐出口と水吐出ノズルと、圧力容器内空間の仕切壁で仕切られた二つの部位中の筒体が配設されていない部位の下部に配設された炭酸水吐出口とを備えることを特徴とする炭酸水生成装置を提供する。
本発明に係る炭酸水生成装置においては、筒体内で圧力容器内貯留水の水面に水吐出ノズルから吐出した水滴を衝突させ、水面上の圧力容器上部に溜まった炭酸ガスと水とを筒体内の水面近傍で攪拌混合して炭酸水を生成する。圧力容器上部に溜まった炭酸ガスと水とを筒体内の水面近傍で攪拌混合する際に多数の炭酸ガスの気泡が発生する。当該気泡の一部は水中に溶解し、残余部は筒体内の水中に残留する。筒体内の水中に残留した炭酸ガスの気泡の大部分は上昇し水面で崩壊して上空の炭酸ガスに合流するが、一部は筒体内の炭酸水の下降流に随伴して筒体内部を下降し、筒体下端と圧力容器底壁との間を隙間を通って筒体周側壁と圧力容器周側壁と仕切壁とで形成される環状隙間に流入し、当該環状隙間内の炭酸水の上昇流に随伴して水面まで上昇し、水面で崩壊して上空の炭酸ガスに合流する。炭酸ガスの気泡が除去された炭酸水は、仕切壁の上端を乗り越えて圧力容器内空間の仕切壁で仕切られた二つの部位中の筒体が配設されていない部位に流入し、当該部位を下降し、当該部位の下部に配設された炭酸水吐出口を通って、炭酸水生成装置から吐出する。圧力容器の内部空間は加圧状態にあるので、炭酸水生成装置と下流側の炭酸水吐出装置との間にポンプ等の搬送手段を配設しなくても下流側の炭酸水吐出装置を開放すれば炭酸水が炭酸水吐出装置から吐出する。
筒体内を下降した炭酸ガスの気泡は、筒体周側壁と圧力容器周側壁と仕切壁とで形成される環状隙間内の炭酸水の上昇流に随伴して上昇するので、水面まで到達して崩壊する確率が高い。この結果、炭酸ガスの気泡の除去率が上昇し、炭酸ガスの気泡の排出量が抑制される。
【0005】
本発明の好ましい態様においては、使用時に、圧力容器内空間の仕切壁で仕切られた二つの部位の水位は同じであり、且つ筒体の上端よりも低く且つ仕切壁の上端よりも高い位置に在る。
使用時に、圧力容器内空間の仕切壁で仕切られた二つの部位の水位が同じであり、且つ筒体の上端よりも低く且つ仕切壁の上端よりも高い位置に在れば、圧力容器内空間の仕切壁で仕切られた二つの部位中の筒体が配設された部位から仕切壁の上端を乗り越えて前記二つの部位中の筒体が配設されていない部位へ炭酸水が流入する際に、炭酸水は前記二つの部位中の筒体が配設されていない部位へ落下せず、炭酸ガスの気泡を巻き込まない。この結果、炭酸ガスの気泡の排出量が抑制される。
本発明の好ましい態様においては、筒体内に、乱流促進手段を有する狭幅流路の集合体が配設されている。
乱流促進手段を有する流路を炭酸ガスの気泡を含む炭酸水が通過すると、流路内で発生した乱流により気泡が破砕されて微小化し、気泡内の炭酸ガスの水中への溶解が促進される。狭幅流路を炭酸ガスの気泡を含む炭酸水が下降することにより、流速が増加して気泡の水面へ向かう上昇が妨げられ、気泡が水中に留まり、気泡内の炭酸ガスの水中への溶解が促進される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の実施例に係る炭酸水生成装置の構造図である。(a)は縦断面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。
図2】本発明の他の実施例に係る炭酸水生成装置の構造図である。(a)は縦断面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の実施例に係る炭酸水生成装置を説明する。
図1に示すように、炭酸水生成装置1は、圧力容器2と、上下端が開放された状態で圧力容器2内に配設された筒体3と、筒体3周側壁と圧力容器2周側壁との間に配設され下端が圧力容器2底壁に接続し両側端が圧力容器2周側壁に接続し上端が筒体3上端よりも下方に位置決めされた仕切壁4と、筒体3上方の圧力容器2上部に配設された炭酸ガス吐出口5と水吐出ノズル6と、圧力容器2内空間の仕切壁4で仕切られた二つの部位中の筒体3が配設されていない部位の下部に配設された炭酸水吐出口7とを備えている。筒体3は図示しない複数の腕部材を介して圧力容器に固定されている。仕切壁4の上端は圧力容器2内の水面よりも下方に位置決めされている。
炭酸ガス吐出口5は電磁弁100を介して炭酸ガス貯留タンク200に接続しており、水吐出口5は図示しない給水装置又は給湯装置に接続されており、炭酸水吐出口7は図示しない炭酸水吐出装置に接続されている。
【0008】
炭酸水生成装置1においては、筒体3内で、筒体3上端よりも低く仕切壁4上端よりも高い位置に維持された圧力容器2内貯留水の水面Wに水吐出ノズル6から吐出した水滴を衝突させ、炭酸ガス吐出口5から吐出し水面W上の圧力容器2上部に溜まった炭酸ガスと水とを筒体3内の水面W近傍で攪拌混合して炭酸水を生成する。圧力容器2上部に溜まった炭酸ガスと水とを筒体3内の水面W近傍で攪拌混合する際に多数の炭酸ガスの気泡が発生する。当該気泡の一部は水中に溶解し、残余部は筒体3内の水中に残留する。筒体3内の水中に残留した炭酸ガスの気泡の大部分は上昇し水面で崩壊して上空の炭酸ガスに合流するが、一部は筒体3内の炭酸水の下降流に随伴して筒体3内部を下降し、筒体3下端と圧力容器2底壁との間の隙間を通って筒体3周側壁と圧力容器2周側壁と仕切壁4とで形成される環状隙間に流入し、当該環状隙間内の炭酸水の上昇流に随伴して水面Wまで上昇し、水面Wで崩壊して上空の炭酸ガスに合流する。炭酸ガスの気泡が除去された炭酸水は、圧力容器2内の水面よりも下方に位置決めされた仕切壁4の上端を乗り越えて圧力容器2内空間の仕切壁4で仕切られた二つの部位中の筒体3が配設されていない部位に流入し、当該部位を下降し、当該部位の下部に配設された炭酸水吐出口7を通って、炭酸水生成装置1から吐出する。圧力容器2の内部空間は加圧状態にあるので、炭酸水生成装置1と下流側の図示しない炭酸水吐出装置との間にポンプ等の搬送手段を配設しなくても下流側の炭酸水吐出装置を開放すれば炭酸水が炭酸水吐出装置から吐出する。
筒体3内を下降した気泡は、筒体3外へ流出した後、筒体3周側壁と圧力容器2周側壁と仕切壁4とで形成される環状隙間内の炭酸水の上昇流に随伴して上昇するので、水面Wまで到達して崩壊する確率が高い。この結果、炭酸ガスの気泡の除去率が上昇し、炭酸ガスの気泡の排出量が抑制される。
炭酸水生成装置1においては、使用時に、圧力容器2内空間の仕切壁4で仕切られた二つの部位の水位は同じであり、且つ筒体3の上端よりも低く且つ仕切壁4の上端よりも高い位置に在るので、圧力容器2内空間の仕切壁4で仕切られた二つの部位中の筒体3が配設された部位から仕切壁4の上端を乗り越えて前記二つの部位中の筒体3が配設されていない部位へ炭酸水が流入する際に、炭酸水は前記二つの部位中の筒体3が配設されていない部位へ落下せず、炭酸ガスの気泡を巻き込まない。この結果、炭酸ガスの気泡の排出量が抑制される。
【0009】
図2に示すように、筒体3内に、内周側面に多数の突起が形成された小径流路8aの集合体8を配設しても良い。
乱流促進手段である多数の突起が形成された小径流路8aを炭酸ガスの気泡を含む炭酸水が通過すると、流路8a内で発生した乱流により気泡が破砕されて微小化し、気泡内の炭酸ガスの水中への溶解が促進される。小径流路8aを炭酸ガスの気泡を含む炭酸水が下降することにより、流速が増加して気泡の水面Wへ向かう上昇が妨げられ、気泡が水中に留まり、気泡内の炭酸ガスの水中への溶解が促進される。
内周側面に多数の突起が形成された小径流路8aの集合体8に代えて、内周側面に多数の突起が形成された偏平流路の集合体を使用し、或いはジグザグに折れ曲がった小径流路や偏平流の集合体を使用しても良い。乱流促進手段を有する狭幅流路の集合体であれば良い。
【産業上の利用可能性】
【0010】
本発明は、炭酸水生成装置に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0011】
1 炭酸水生成装置
2 圧力容器
3 筒体
4 仕切壁
5 炭酸ガス吐出口
6 水吐出ノズル
7 炭酸水吐出口
8 小径流路の集合体
8a 小径流路
100 電磁弁
200 炭酸ガス貯留タンク
W 水面
図1
図2