【解決手段】材料ホッパー2は、粉末材料を収容する。充填パイプ4は、上端部が材料ホッパー2の下端部と接続され、材料ホッパー2から投入される粉末材料を下端部の排出口から排出する。オーガースクリュー3は、充填パイプ4の内部に回転自在に設置される。飛散ディスク5は、オーガースクリュー3の下端部に取り付けられる。飛散受け6は、飛散ディスク5を覆うように設置される。シュート7は、飛散受け5の下方に配置される。オーガー用モータ8は、オーガースクリュー3および飛散ディスク5を回転駆動させる。そして、オーガースクリュー3の回転により充填パイプ4から排出された粉末材料を、飛散ディスク5の回転により周囲に飛散させて飛散受け6の内面に衝突させ、この衝突後の粉末材料を重力方向に落下させてシュート7の内面に衝突させる。
前記オーガースクリューの回転により前記充填パイプから排出された前記粉末材料を、前記飛散ディスクの回転により周囲に飛散させて前記飛散受けの内面に衝突させ、当該衝突後の前記粉末材料を重力方向に落下させて前記シュートの内面に衝突させる請求項1または2記載のオーガー充填装置。
前記飛散ディスクの回転により飛散される前記粉末材料の出力方向の延長線上よりも下側に、前記飛散受けの下側の開口部の縁が配置される請求項1乃至3の何れかに記載のオーガー充填装置。
前記シュートの上側の開口部に対応する円のサイズよりも、前記飛散受けの下側の開口部に対応する円のサイズを小さくする請求項1乃至4の何れかに記載のオーガー充填装置。
【背景技術】
【0002】
従来、粉末材料(粉末原料)を包装袋に充填するオーガー充填装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
ここで、油分を多く含む粉末材料(例えば、カレー粉、シチュー粉)や吸湿性の非常に高い粉末材料は、固まりやすいという性質がある。このため、これらの粉末材料が固まってしまったような場合には、塊の状態で包装袋に充填されるおそれがある。そこで、固まりやすい粉末材料を粉末状の状態で包装袋に充填するため、オーガースクリューの先端に飛散ディスクを取り付けたオーガー充填装置が提案されている。このオーガー充填装置の一例を
図8乃至
図10に示す。
【0004】
図8乃至
図10は、従来例であるオーガー充填装置100を示す図である。オーガー充填装置100は、オーガースクリュー103の先端に飛散ディスク105を取り付けたオーガー充填装置の一例である。なお、オーガースクリュー103の先端には、飛散ディスク取付ネジ110により飛散ディスク105が取り付けられる。
【0005】
例えば、オーガー用モータ108に接続された撹拌羽根109およびオーガースクリュー103が回転することにより、材料ホッパー102の内部に収容された粉末材料が、充填パイプ104を経由して飛散ディスク105の凹部105aまで搬送される。例えば、
図10に示すように、飛散ディスク105の凹部105aに粉末材料131が搬送される。
【0006】
続いて、オーガースクリュー103に取り付けられている飛散ディスク105の遠心力により、飛散ディスク105の凹部105aに搬送された粉末材料が、周囲に飛散されてシュート107の内面107aに衝突する。例えば、
図9に示す矢印121、123、
図10に示す矢印132のように、粉末材料が周囲に飛散されてシュート107の内面107aに衝突する。
【0007】
このように、シュート107の内面107aへの衝突により、細かくなった粉末材料は、逆円錐形の漏斗状のシュート107により回収される。例えば、
図9に示す矢印122、124、
図10に示す矢印134のように、細かくなった粉末材料がシュート107により回収される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の従来技術によれば、シュート107の内面107aへの衝突により粉末材料を細かくすることができる。
【0010】
しかしながら、油分を多く含む粉末材料や吸湿性の非常に高い粉末材料は、固まりやすいという性質があるため、シュート107の内面107aに衝突した後に、粉末材料がシュート107の内面107aに付着・堆積してしまうおそれがある。例えば、
図10に示すように、シュート107の内面107aの衝突位置133に粉末材料が付着・堆積してしまうおそれがある。
【0011】
このように、シュート107の内面107aに粉末材料が付着・堆積してしまうと、この付着・堆積した粉末材料が塊となる。このように、粉末材料が塊となった場合には、塊の上層(新らしい粉末材料)から崩れて落ちていくことになる。このため、塊の下層(古い粉末材料)が塊として残ってしまうことになる。
【0012】
また、塊の下層の古い粉末材料が予期せぬタイミングで包装袋に充填されてしまうおそれがある。このように、古い粉末材料が予期せぬタイミングで包装袋に充填されてしまうと、包装袋の品質低下の要因となる。また、充填の量目が予期せず変動してしまい、充填精度低下の要因にもなる。
【0013】
本発明はこのような状況に鑑みて生み出されたものであり、包装袋の品質を向上させ、高精度な定量充填での充填包装を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、上述の問題点を解消するためになされたものであり、その第1の側面は、粉末材料を収容するホッパーと、上端部が上記ホッパーの下端部と接続され、上記ホッパーから投入される上記粉末材料を下端部の排出口から排出する略筒状の充填パイプと、上記充填パイプの内部に回転自在に設置される略螺旋状の羽根を備えるオーガースクリューと、上記オーガースクリューの下端部に取り付けられる円盤状の飛散ディスクと、上記飛散ディスクを覆うように設置される飛散受けと、上記飛散受けの下方に配置される略漏斗状のシュートと、上記オーガースクリューおよび上記飛散ディスクを回転駆動させる駆動部とを具備するオーガー充填装置である。これにより、オーガースクリューの回転により充填パイプから排出された粉末材料を、飛散ディスクの回転により周囲に飛散させて飛散受けの内面に衝突させ、この衝突後の粉末材料を重力方向に落下させてシュートの内面に衝突させるという作用をもたらす。
【0015】
また、この第1の側面において、上記飛散受けを、下方に向かって広がる略円錐形状とするようにしてもよい。これにより、飛散ディスクから飛散された粉末材料を、下方に向かって広がる略円錐形状の飛散受けの内面に衝突させるという作用をもたらす。
【0016】
また、この第1の側面において、上記オーガースクリューの回転により上記充填パイプから排出された上記粉末材料を、上記飛散ディスクの回転により周囲に飛散させて上記飛散受けの内面に衝突させ、当該衝突後の上記粉末材料を重力方向に落下させて上記シュートの内面に衝突させるようにしてもよい。これにより、オーガースクリューの回転により充填パイプから排出された粉末材料を、飛散ディスクの回転により周囲に飛散させて飛散受けの内面に衝突させ、この衝突後の粉末材料を重力方向に落下させてシュートの内面に衝突させるという作用をもたらす。
【0017】
また、この第1の側面において、上記飛散ディスクの回転により飛散される上記粉末材料の出力方向の延長線上よりも下側に、上記飛散受けの下側の開口部の縁が配置されるようにしてもよい。これにより、飛散ディスクから飛散された粉末材料を、飛散受けの内面に衝突させるという作用をもたらす。
【0018】
また、この第1の側面において、上記シュートの上側の開口部に対応する円のサイズよりも、上記飛散受けの下側の開口部に対応する円のサイズを小さくするようにしてもよい。これにより、飛散受けの内面に衝突した後の粉末材料を重力方向に落下させてシュートの内面に衝突させるという作用をもたらす。
【0019】
また、この第1の側面において、上記飛散受け、または、上記シュートに振動を付与するバイブレーション機構をさらに具備するようにしてもよい。これにより、飛散受け、または、シュートを振動させて、これらの内面への粉末材料の付着、堆積を防止するという作用をもたらす。
【0020】
また、本発明の第2の側面は、本発明の第1の側面のオーガー充填装置と、長尺の包装フィルムの搬送方向と直交する直交方向における中央部分が上記搬送方向に沿って折り曲げられて下方に搬送される上記包装フィルムにヒートシール金具を用いて縦シールおよび横シールを施して袋形状を形成し、上記オーガー充填装置が具備する上記シュートにより上記袋形状の包装フィルム内に上記粉末材料が投入された後に投入口を封止するシール装置と、投入口が封止された上記袋形状の包装フィルムの上記横シールにおける所定位置を切断して包装袋とするカット装置とを具備する包装機である。これにより、包装フィルムに縦シールおよび横シールを施して袋形状を形成し、この袋形状の包装フィルム内に粉末材料が投入された後に投入口を封止し、この投入口が封止された袋形状の包装フィルムの横シールにおける所定位置を切断して包装袋とするという作用をもたらす。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、包装袋の品質を向上させ、高精度な定量充填での充填包装を実現することができるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0024】
[1.第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるオーガー充填装置1の外観構成例を示す正面図である。なお、
図1では、内部構成の一部を点線で示す。
【0025】
図2は、本発明の第1の実施の形態におけるオーガー充填装置1の一部を拡大して示す断面図である。
図2では、飛散ディスク5の付近を拡大した拡大図を示す。
【0026】
オーガー充填装置1は、材料ホッパー2と、オーガースクリュー3と、充填パイプ4と、飛散ディスク5と、飛散受け6と、シュート7と、オーガー用モータ8と、撹拌羽根9と、飛散ディスク取付ネジ10と、基台11とを備える。
【0027】
なお、食品が接触する部分には、防錆等を考慮してステンレスを用いることが好ましい。このため、オーガー充填装置1の主な素材として、ステンレスを用いることができる。また、他の素材を用いるようにしてもよい。
【0028】
材料ホッパー2は、内部に粉末材料(充填材料)を収容するものである。例えば、材料ホッパー2は、下方に進むに従って狭くなるような形状(例えば、略漏斗状)とすることができる。また、材料ホッパー2の下端部には、充填パイプ4が接続される。また、材料ホッパー2の内部に収容されている粉末材料は、撹拌羽根9により撹拌され、充填パイプ4に供給される。なお、粉末材料は、粉末原料(充填原料)とも称する。
【0029】
オーガースクリュー3は、略螺旋状の羽根を備えるスクリューである。また、オーガースクリュー3は、充填パイプ4の中空部内に回転自在に挿入されて充填パイプ4の同軸上に配置される。
【0030】
充填パイプ4は、中空部内にオーガースクリュー3が設置される略筒状のパイプである。また、充填パイプ4は、上端部が材料ホッパー2の下端部に挿入され、充填パイプ4の内部と材料ホッパー2の内部とが接続される。また、充填パイプ4は、下端部が飛散受け6の上端部に挿入され、充填パイプ4の内部と飛散受け6の内部とが接続される。
【0031】
例えば、充填パイプ4の内部に設置されたオーガースクリュー3が回転することにより、材料ホッパー2の内部に収容されている粉末材料が充填パイプ4の上端部から投入される。そして、上端部から投入された粉末材料が下側に搬送され、充填パイプ4の下端部の排出口から排出される。なお、充填パイプ4は、オーガー筒とも称される。
【0032】
飛散ディスク5は、オーガースクリュー3の下端部(先端部)に取り付けられる皿形状(または、お椀型形状)の回転部材(円盤状の部材(回転盤))である。また、飛散ディスク5は、オーガースクリュー3とともに回転する。この場合に、飛散ディスク5は、オーガースクリュー3の回転により、充填パイプ4の内部を搬送された粉末材料を皿形状の凹部5aに受け止める。そして、飛散ディスク5は、オーガースクリュー3の回転とともに回転し、この回転による遠心力により、飛散ディスク5の凹部5aに堆積された粉末材料を周囲に飛散させる。
【0033】
なお、飛散ディスク5を他の形状(ただし、飛散ディスク5の回転により凹部5aの粉末材料を周囲に飛散させることが可能な形状)とするようにしてもよい。例えば、円の縁が直立した状態よりも外側に傾いている形状とすることができる。
【0034】
飛散受け6は、飛散ディスク5を覆うように配置され、飛散ディスク5から飛散された粉末材料を受けるものである。また、飛散受け6は、飛散ディスク5から飛散された粉末材料が積もり難い形状とする。例えば、飛散受け6は、下方に進むに従って広がるような形状(下方に進むに従って円の直径が大きくなるような形状)とすることができる。言い換えると、飛散受け6は、粉末材料の内面6aへの付着を防止することができ、仮に、粉末材料が内面6aに付着して堆積したとしても、飛散ディスク5から飛散された粉末材料の衝突によりその堆積がすぐに崩れるような形状とすることが好ましい。この形状は、例えば、略円錐形状、略円錐台形状である。
【0035】
飛散受け6を、そのような形状とすることにより、飛散ディスク5から飛散された粉末材料と飛散受け6の内面6aとの衝突と、重力との関係により、飛散ディスク5から飛散された粉末材料が飛散受け6の内面6aに堆積することを防止することができる。
【0036】
また、飛散受け6は、上面の中心部分に設けられている孔に、充填パイプ4の下端部が挿入され、充填パイプ4の下端部に取り付けられる。また、飛散受け6の内部には、飛散ディスク5が配置される。
【0037】
また、
図2の矢印21、24に示すように、飛散ディスク5の回転による遠心力により、飛散ディスク5の凹部5aから飛散された粉末材料が、飛散受け6の内面6aに衝突する。そして、矢印22、25に示すように、飛散受け6の内面6aへの衝突後に、粉末材料は、重力方向に落下する。重力方向に落下した粉末材料は、シュート7の内面7aに衝突する。そして、矢印23、26に示すように、シュート7の内面7aへの衝突後に、粉末材料は、シュート7の内面7aに沿って滑り落下する。
【0038】
なお、飛散受け6の形状を他の形状(ただし、下方に進むに従って広がるような形状とする)とするようにしてもよい。例えば、飛散受け6の内面6aが凹部となるような形状、飛散受け6の内面6aが凸部となるような形状とするようにしてもよい。また、飛散受け6の内面6a(または、衝突面に相当する部分)に何らかの加工を施すようにしてもよい。例えば、エンボス加工、フッ素加工、粉末材料の流れる方向に沿った溝の形成等を施すようにしてもよい。
【0039】
ここで、飛散ディスク5および飛散受け6の関係について説明する。
【0040】
例えば、飛散ディスク5の粉末材料の出力方向の延長線上よりも下側に、飛散受け6の下側の開口部の縁が配置されるようにする。または、飛散ディスク5の底面よりも、飛散受け6の下側の開口部の縁が低くなるように配置するようにしてもよい。
【0041】
シュート7は、飛散受け6の下方に配置され、飛散受け6から落下する粉末材料を受けるものである。例えば、シュート7は、下方に進むに従って狭くなるような形状(例えば、略漏斗状)とすることができる。シュート7を、そのような形状とすることにより、飛散受け6から落下した粉末材料が塊となっているような場合でも、その塊がシュート7の内面7aに衝突することによりその塊を砕くことができる。
【0042】
なお、シュート7の形状を他の形状(ただし、下方に進むに従って狭くなるような形状)とするようにしてもよい。例えば、シュート7の内面7aが凹部となるような形状、シュート7の内面7aが凸部となるような形状とするようにしてもよい。また、シュート7の内面7a(または、衝突面に相当する部分)に何らかの加工を施すようにしてもよい。例えば、エンボス加工、フッ素加工、粉末材料の流れる方向に沿った溝の形成等を施すようにしてもよい。
【0043】
また、シュート7に落下した粉末材料は、シュート7の排出口から排出され、フォーマー44(
図4に示す)に供給される。
【0044】
ここで、飛散受け6およびシュート7の関係について説明する。
【0045】
例えば、シュート7の上側の開口部に対応する円のサイズよりも、飛散受け6の下側の開口部に対応する円のサイズが小さくなるようにする。また、飛散受け6およびシュート7の高さについては、飛散受け6の内面6aに衝突した粉末材料が、シュート7の内面7aに落下するような関係とすることが好ましい。
【0046】
また、飛散受け6の下側の開口部とシュート7の上側の開口部とを接続して、飛散受け6およびシュート7を一体化するようにしてもよい。ただし、この場合には、飛散受け6およびシュート7の内部の掃除をすることができるように、飛散受け6の上面の中央部分に大きな孔(例えば、充填パイプ4のサイズよりも大きく、掃除が可能な程度の孔)を開けておくことが好ましい。この場合には、飛散受け6および充填パイプ4を接続せずに、充填パイプ4を別の固定部材により固定するようにする。
【0047】
オーガー用モータ8は、オーガースクリュー3、飛散ディスク5および撹拌羽根9に接続され、これらを回転させる駆動機構(駆動部)である。すなわち、オーガー用モータ8により、材料ホッパー2の内部に設置されている撹拌羽根9が回転され、材料ホッパー2の内部に収容されている粉末材料が撹拌される。また、オーガー用モータ8により、充填パイプ4に設置されているオーガースクリュー3が回転され、粉末材料が充填パイプ4の内部を下側に搬送される。また、オーガー用モータ8により、オーガースクリュー3の下端部に取り付けられている飛散ディスク5が回転され、飛散ディスク5の凹部5aから粉末材料が飛散される。なお、オーガー用モータ8は、基台11とは異なる他の基台(図示せず)に固定して取り付けられる。
【0048】
撹拌羽根9は、材料ホッパー2の内部を回転することにより、材料ホッパー2の内部に収容されている粉末材料を撹拌するものである。
【0049】
飛散ディスク取付ネジ10は、飛散ディスク5をオーガースクリュー3に取り付けるためのネジ(取付部材)である。
【0050】
図3は、本発明の第1の実施の形態におけるオーガー充填装置1の動作例を示す図である。
図3には、
図2に示す部分をさらに拡大して、粉末材料が飛散受け6およびシュート7に衝突する動作例を模式的に示す。
【0051】
上述したように、オーガースクリュー3の回転により粉末材料31が飛散ディスク5の凹部5aに搬送される。
図3では、飛散ディスク5の凹部5aに搬送された粉末材料を粉末材料31として示す。
【0052】
続いて、飛散ディスク5の回転による遠心力により、飛散ディスク5の凹部5aに搬送された粉末材料が周囲に飛散される。
図3では、飛散ディスク5の凹部5aから飛散された粉末材料の軌跡を点線の矢印32で示す。
【0053】
続いて、飛散ディスク5の凹部5aから飛散された粉末材料が、飛散受け6の内面6aに衝突する。
図3では、飛散ディスク5の凹部5aから飛散された粉末材料の衝突位置(飛散受け6の内面6aにおける位置)を第1衝突位置33として示す。
【0054】
このように、飛散ディスク5の回転による遠心力により、固まったような粉末材料でも、周囲に飛散させて飛散受け6の内面6aに衝突させることにより、バラバラにすることができる。
【0055】
続いて、飛散受け6の内面6aへの衝突後に、粉末材料が重力方向に落下する。
図3では、第1衝突位置33から重力方向に落下する粉末材料の軌跡を点線の矢印34で示す。
【0056】
このように、下方に開いた略円錐形状の飛散受け6により飛散ディスク5を覆うことにより、飛散受け6の内面6aにおける粉末材料の堆積を防止し、粉末材料の落下を促すことができる。
【0057】
続いて、重力方向に落下した粉末材料は、シュート7の内面7aに衝突する。
図3では、重力方向に落下した粉末材料の衝突位置(シュート7の内面7aにおける位置)を第2衝突位置35として示す。
【0058】
続いて、シュート7の内面7aへの衝突後に、粉末材料は、シュート7の内面7aに沿って滑り落下する。
図3では、第2衝突位置35からシュート7の内面7aに沿って滑り落下する粉末材料の軌跡を点線の矢印36で示す。
【0059】
このように、飛散受け6の下方に配置される漏斗状のシュート7の内面7aに、飛散受け6から落下した粉末材料を衝突させることができる。この衝突により、飛散受け6から落下した粉末材料をさらに細かくすることができる。
【0060】
また、飛散受け6から飛散された粉末材料は、飛散受け6の内面6aに衝突し、さらに、重力落下によりシュート7の内面7aに衝突することになる。このように、飛散受け6から飛散された粉末材料の衝突回数を多くすることができるため、固まった粉末材料でも、より細かく砕くことができる。
【0061】
これにより、細かくなった粉末材料を充填先に向かって集めて落下させることができる。
【0062】
このように、本発明の第1の実施の形態では、固まり易い粉末材料をオーガー充填装置1により充填包装する場合に、内部での粉末材料の堆積を防止することができる。これにより、粉末材料の品質を損なうこと無く、高精度な定量充填での充填包装を実現することができる。すなわち、包装袋の品質を向上させることができる。
【0063】
ここで、固まり易い粉末材料は、例えば、カレー粉等のように油分を多く含む非常に固まりやすい粉末材料、吸湿性の非常に高い粉末材料である。具体的には、例えば、粒子が細かい粉末、湿った感じの粉末、油を含む粉末、水分を含む粉末である。さらに、具体的には、例えば、カレー粉、シチュー粉、青汁の粉末、ミルクティーの粉末、ココアの粉末、コーヒーの粉末(例えば、クリーミングパウダー等を含むコーヒーの粉末)、片栗粉等である。
【0064】
図4は、本発明の第1の実施の形態における縦型自動充填包装機40の外観構成例を示す正面図である。なお、
図4では、内部構成の一部を点線で示す。
【0065】
縦型自動充填包装機40は、オーガー充填装置1と、包材軸41と、フィルム送り装置42と、テンションガイド43と、フォーマー44と、縦シール装置45と、横シール装置46と、カッター装置47とを備える。なお、オーガー充填装置1は、
図1乃至
図3に示すものと同一であるため、ここでの詳細な説明を省略する。
【0066】
縦型自動充填包装機40は、縦シール装置45および横シール装置46を用いて包装フィルムをシールして包装袋を形成する自動包装機である。
【0067】
包材軸41は、包装フィルムロールFが取り付けられる軸である。なお、包装フィルムロールFは、同一軸の周りに包装フィルムをコイル状に巻き取ったものである。また、包装フィルムは、例えば、透明または半透明の材料から構成される。例えば、包装フィルムは、PET(Polyethylene terephthalate)等のベースフィルムや、このベースフィルムよりも融点の低いポリエチレン等のヒートシールフィルムから構成される。
【0068】
フィルム送り装置42は、包材軸41に取り付けられている包装フィルムロールFから包装フィルムFXを、1袋分の長さ単位で搬送するものである。なお、
図4では、包装フィルムロールFから取り出されて搬送されている包装フィルムを包装フィルムFXとして示す。
【0069】
テンションガイド43は、フィルム送り装置42により搬送される包装フィルムFXにテンションを加えるものである。
【0070】
フォーマー44は、包装フィルムロールFから引き出された包装フィルムFXを筒状にするものである。すなわち、包装フィルムロールFから引き出された長尺の包装フィルムFXが連続的に搬送される。そして、フォーマー44は、長尺の包装フィルムFXを、搬送方向と直交する直交方向における中央部分をその搬送方向に沿ってU字状に二つに折り曲げることにより、長尺の包装フィルムFXを筒状にする。なお、
図4では、筒状となった包装フィルムを包装フィルムFYとして示す。
【0071】
また、フォーマー44は、シュート7から供給される内容物を、縦シール装置45、横シール装置46により形成される袋部分(長尺の包装フィルムが袋形状とされたもの)の中に入れるパイプの役割をはたす。すなわち、フォーマー44は、縦シール装置45、横シール装置46により形成される袋部分の中に、シュート7から供給される粉末材料を充填する充填装置として機能する。
【0072】
縦シール装置45、横シール装置46は、フォーマー44の直下に設置され、フォーマー44により筒状にされた包装フィルムを挟み込むことによりヒートシールを施す。そして、袋形状を形成する。
【0073】
具体的には、縦シール装置45は、フォーマー44により二つに折り曲げられた包装フィルムを挟み込むことにより縦ヒートシールを施す。また、横シール装置46は、フォーマー44により二つに折り曲げられ、縦シール装置45により縦ヒートシールが施された包装フィルムに横ヒートシールを施して袋形状を形成する。すなわち、二つに折り曲げられた包装フィルムは、下部および側部がシールされ、上側が空いた袋形状になる。そして、上側が空いた袋形状になった包装フィルム内に、シュート7から供給される粉末材料が投入された後に、横シール装置46により投入口に横ヒートシールが施されて封止される。これにより、粉末材料が充填された袋部分の上部が密閉されて、上側が空いた袋形状の包装フィルムが袋状となるとともに、次の袋形状が形成される。なお、
図4では、袋状となった包装フィルムを包装フィルムFZとして示す。
【0074】
カッター装置47は、縦シール装置45、横シール装置46の直下に設置されるカッター装置であり、縦シール装置45、横シール装置46によりシールされた包装フィルムを1袋分ごとに切断するものである。すなわち、カッター装置47は、搬送された包装袋(投入口が封止された袋形状の包装フィルム)の横シールの所定位置を切断して個別の包装袋とする。そして、カッター装置47は、切断されて個別の包装形態となった包装袋を搬送部(例えば、ベルトコンベア)に落下させる。このように、搬送部に落下した包装袋は、例えば、搬送部により搬送されて箱詰めされる。なお、
図4では、連続袋状となった包装フィルムがカッター装置47により切断された個別の包装袋を包装袋49として示す。
【0075】
[2.第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態では、飛散受け6およびシュート7の少なくとも1つを振動させて粉末材料の付着を防止する例を示す。なお、本発明の第2の実施の形態に示すオーガー充填装置1は、
図1、
図2等に示すオーガー充填装置1の一部を変形したものである。このため、オーガー充填装置1と共通する部分に同一の符号を付してこれらの説明を省略する。
【0076】
図5は、本発明の第2の実施の形態におけるオーガー充填装置1の一部を拡大して示す断面図である。
図5では、
図2に示すオーガー充填装置1のシュート7を固定するための基台11にバイブレータ50を取り付けた場合の一例を示す。
【0077】
バイブレータ50は、振動する機器(バイブレーション機構)である。バイブレータ50の振動により、基台11に接続されているシュート7を振動させることができる。
【0078】
このように、シュート7にバイブレータ50を取り付け、シュート7に振動を付与することにより、細かい粉末材料のシュート7の内面7aへの付着を防止することができる。
【0079】
図6は、本発明の第2の実施の形態におけるオーガー充填装置1の一部を拡大して示す断面図である。
図6では、
図2に示すオーガー充填装置1の飛散受け6の代わりに飛散受け62を設け、飛散受け62を固定するための基台60にバイブレータ61を取り付けた場合の一例を示す。
【0080】
バイブレータ61は、振動する機器(バイブレーション機構)である。バイブレータ61の振動により、基台60に接続されている飛散受け62を振動させることができる。
【0081】
ここで、
図1、
図2では、充填パイプ4に飛散受け6を固定して取り付ける例を示した。
図6に示す例では、飛散受け62を振動させる。このように、飛散受け62の振動とともに、充填パイプ4を振動させることは好ましくない。
【0082】
そこで、
図6に示す例では、飛散受け62の上面の中央部分に孔62bを設け、充填パイプ4および飛散受け62を固定しないようにする。また、孔62bのサイズ(円のサイズ)は、飛散受け62が振動しても、孔62bの内側面が充填パイプ4の外側面に接触しない程度のサイズとすることが好ましい。
【0083】
このように、飛散受け62にバイブレータ61を取り付け、飛散受け62に振動を付与することにより、細かい粉末材料の飛散受け62の内面62aへの付着を防止することができる。
【0084】
なお、本技術の第2の実施の形態では、シュートまたは飛散受けの何れかにバイブレータを取り付ける例を示したが、シュートおよび飛散受けの双方にバイブレータを取り付けるようにしてもよい。この場合には、例えば、シュートおよび飛散受けのうちの何れかを振動させるかをユーザ操作により設定可能とするようにしてもよい。
【0085】
[3.第3の実施の形態]
本発明の第3の実施の形態では、オーガースクリューの変形例を示す。
【0086】
図7は、本発明の第3の実施の形態におけるオーガースクリュー3と、オーガースクリュー3の変形例(オーガースクリュー70)との外観構成の一例を示す図である。なお、
図7では、オーガースクリュー3およびオーガースクリュー70の上側および下側の一部を省略して示す。また、
図7では、
図1に示す点線72(材料ホッパー2と充填パイプ4との境界付近)に相当する部分を、点線71で示す。
【0087】
図7のaには、オーガースクリュー3を示す。オーガースクリュー3は、
図1、
図2に示すオーガースクリュー3と同一であるものとする。ただし、上側および下側の一部を省略して示す。
【0088】
オーガースクリュー3には、棒状の本体部に、螺旋状の羽根3aが設けられている。
【0089】
図7のbには、オーガースクリュー70を示す。オーガースクリュー70は、
図1、
図2に示すオーガースクリュー3の一部を変形したものである。
【0090】
オーガースクリュー70には、棒状の本体部に、螺旋状の羽根70aが設けられている。また、オーガースクリュー70には、棒状の本体部に、螺旋状の羽根70aとは逆回転となる螺旋状の羽根70bが、材料ホッパー2と充填パイプ4との境界付近に相当する部分(点線71で示す)から上側に設けられている。
【0091】
このように、オーガースクリュー70において、材料ホッパー2と充填パイプ4との境界付近に螺旋状の羽根70bを設ける。これにより、充填パイプ4の投入口付近において、通常回転の螺旋状の羽根70aにより下方向に押し流される粉末材料に対して、逆回転の螺旋状の羽根70bにより逆方向に撹拌することができる。このため、材料ホッパー2から充填パイプ4への粉末材料の搬送をさらに円滑に行うことができる。
【0092】
なお、上述の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本発明の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本発明は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。